JP3919919B2 - 成形品の取り出し装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、成形品の取り出し装置に関し、より具体的には、ロボット手段により金型により成形された成形品を取り出すようにした、成形品の取り出し装置に関するものであり、特に、ロボット手段を実際に動かして設定した教示点を、更に、一定のルールに従って修正することで、ロボット手段による、金型からの成形品の取り出しを、より確実に且つよりスムーズに行えるようにした、成形品の取り出し装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近時、射出成形機等の成形機の金型の近傍に、ロボット手段を付設して、ロボット手段により、金型により成形された成形品を、金型から取り出して、目的とする位置に開放すようにした成形品の取り出し装置の開発がなされている。
図40は、従来の一般的な産業ロボットを概略的に示す構成図である。
【0003】
この産業ロボット101は、ロボット手段(可動部)102と、ロボット手段を制御する制御手段103とを備える。
ロボット手段102は、物をチャックするためのチャック手段104を備えており、且つ、制御手段103に記憶された教示点に従って、いわゆるPTP制御(Point to Point Cntrol)及びシーケンス制御により、繰り返して同じ動作をするようにされている。
【0004】
そして、ロボット手段102に何か作業を行わせる際には、まず最初に、作業担当者が、ロボット手段に教示点をティーチングする必要がある。
一般に、作業担当者Pが、ロボット手段102に教示点をティーチング等する際には、図40に示すようなコンソール装置105を用い、作業担当者が、ロボット手段102を実際に動かして、ロボット手段102の動作を目で確認しながら、制御手段103に教示点を順次記憶させるようなことが行われている。尚、図40中、L1で示す部材は、ロボット手段102と制御手段103との間で信号をやりとりするための信号線を、また、L2で示す部材は、制御手段103とティーチング装置105との間で信号をやりとりするための信号線を、各々、示している。
【0005】
次に、射出成形装置の金型により成形された成形品を、ロボット手段102を用いて所定の場所に取り出す場合の操作について説明する。
図41は、射出成形装置を概略的に示す斜視図である。
この射出成形装置191は、可動プレート192aと固定プレート192bとを備える金型192を備える。尚、図38中、193で示す部材は、射出ユニットを、194で示す部材は、材料投入ホッパーを、又、195で示す部材は、安全ドアを、各々、示している。
【0006】
この射出成形装置191を用いて、成形品を製造する際には、可動プレート192aを固定プレート192bに当接させ、型締めし、材料投入ホッパー194内に投入された樹脂材料を、射出ユニット193内で溶融樹脂にし、この溶融樹脂を型締めされた金型192内に、射出し、しかる後に、可動プレート192aを動かして、金型192を開き、例えば、可動プレート192a側から、金型192により成形された成形品を、ロボット手段102のチャック手段104によりチャックし、その後、ロボット手段102を動かして、成形品を所定の場所に取り出す。
【0007】
このような場合、作業担当者Pは、実際に、金型192を用いて成形品(図示せず)を成形し、可動プレート192aを開いた後、固定プレート192bと可動プレート192aとにより形成される型内R1に、ロボット手段102を入れ(以下、本明細書において、型内R1にロボット手段102を入れる動作を開始する位置を教示する教示点を、「横行開始位置教示点」という)、例えば、可動プレート192aの上方に、ロボット手段102を位置し(以下、本明細書において、ロボット手段102を金型の上方で待機させる位置を教示する教示点を、金型上待機位置教示点という)、次いで、可動プレート192a側にある成形品(図示せず)をロボット手段102のチャック手段104により成形品(図示せず)をチャックし(以下、本明細書において、チャック手段104により成形品をチャックする位置を教示する教示点を、チャック位置教示点という)、成形品(図示せず)を可動プレート192aから引き抜き(以下、本明細書において、金型のプレートから成形品を引き抜く位置を教示する教示点を、「引抜位置教示点」という)、その後、ロボット手段102を、安全ドア195より高い位置に引き上げる。
【0008】
次ぎに、型外R2にある所定の位置で、チャック手段104を開放して成形品を開放する開放するという動作が、理想の状態となるまで、ロボット手段102をティーチングする。
そして、作業担当者Pが、目で見て、ロボット手段102の動作が理想的になったと判断した時点で、これらの教示点を制御手段103に記憶させると、以後は、ロボット手段102が、制御手段103に記憶された教示点に従って、チャック手段104により、金型192により成形された成形品を、可動プレート192aから引き抜いて、型外R2の所定の場所に、繰り返し、自動的に取り出すことができるようになる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、射出成形装置191の金型192に、ロボット手段102を付設して、金型192により成形された成形品を、自動的に所定の場所に取り出すようにする場合には、以下の事項に注意する必要がある。
1)金型192を保護する必要から、型内R1において、ロボット手段102が、金型192にぶつからないようにする必要がある。
【0010】
2)金型192の可動プレート192aから成形品を引き抜く際に、成形品が金型192により壊れないように、成形品を可動プレート192aから可動プレート192aの表面に対し、垂線方向に、直線的に抜き取るようにする必要がある。
3)また、チャック手段104が、成形品をチャックミスすることなく、安定して、所定の場所まで、成形品をチャックして動作することが、要求される。
【0011】
4)また、ロボット手段102の作業効率が、成形品の製造コストに影響するため、作業効率を高めるために、ロボット手段102の無駄な動きを無くして、ロボット手段102が、最短距離を移動して、最短時間で、成形品を取り出すこと等が要求される。
5)更には、ロボット手段102を動かしている時に、射出成形機に振動を与えないようにすることが要求される。
【0012】
しかしながら、作業担当者Pは、金型192を斜め方向に見て、これらの教示点を設定しているので、教示点を、上記1)〜5)の要件を満たすような、理想的な位置に設定できない、という問題がある。
このことを、図42及び図43を用いて、更に詳しく説明する。
図42は、ロボット手段102の動作手順の一例を、教示点を用いて説明する概略的な説明図であり、ロボット手段102の動作手順の一例の教示点を模式的に説明している。
【0013】
この例では、ロボット手段102は、金型192により成形された成形品を、金型192が開いた際に、型内R1において、金型上待機位置教示点▲3▼、引抜位置教示点▲2▼、チャック位置教示点▲1▼、引抜位置教示点▲2▼、横行開始位置教示点▲4▼、シーケンス制御によって決められる製品開放位置のX軸位置且つY軸位置の直上位置▲5▼、製品開放位置教示点▲6▼に従って動作して、チャック位置教示点▲1▼で、金型192により成形された成形品を、チャック手段104によりチャックし、製品開放位置教示点▲6▼で、チャック手段104を開放し、これにより、成形品を開放しするようになっている。
【0014】
更に、ロボット手段102に、成形品の取り出し動作を、繰り返し行わせる場合には、製品開放位置教示点▲6▼で成形品を開放した後、ロボット手段102を、製品開放位置のX軸位置且つY軸位置の直上位置▲5▼を通って、金型上待機位置教示点▲3▼に戻すという動作を繰り返し行わせるようにしている。
また、型外R2での動作は、金型192を閉じて、金型192内で、次の成形品を製造している間に行われるようになっている。
【0015】
このような教示点に従って、ロボット手段102を動作させる場合には、まず、作業担当者Pは、金型192を保護するためには、ロボット手段102が、金型192にぶつからないようにするため、チャック位置教示点▲1▼を正確な位置に設定する必要がある。
次いで、作業担当者Pは、金型192の可動プレート192aから成形品を引き抜く場合には、成形品が金型192により壊れないように、成形品を可動プレート192aから直線的に抜き取るため、ロボット手段102を、チャック位置教示点▲1▼から引抜位置教示点▲2▼までの移動を、可動プレート192aの表面に対して、直角になるように、直線運動させるように、引抜位置教示点▲2▼の位置を正確に設定する必要がある。
【0016】
このことを、図43を用いて、更に詳しく説明する。
図43は、各教示点の関係を概略的に説明する図であり、図43(a)は、チャック位置教示点▲1▼と引抜位置教示点▲2▼との関係を、金型192を上方から見た、模式的な平面図を、また、図43(b)は、チャック位置教示点▲1▼、引抜位置教示点▲2▼、金型上待機位置教示点▲3▼、横行開始位置教示点▲4▼、シーケンス制御によって決められる製品開放位置のX軸位置且つY軸位置の直上位置▲5▼及び製品開放位置教示点▲6▼の関係を、金型192を側方から見た、模式的な側面図を、各々、示している。
【0017】
尚、図43においては、説明を容易とするために、3次元空間を、可動プレート192aの表面に水平方向に平行な方向をX軸方向、可動プレート192aの表面に水平方向に直交する方向をY軸方向、また、Y軸方向且つX軸方向に直交する方向をZ軸方向に規定し、チャック位置教示点▲1▼の座標を(x1、y1、z1)と規定して説明すると、成形品を可動プレート192aから引き抜く際に、成形品が、可動プレート192aに設けられた鋳型面の上下左右にぶつからないようにするためには、引抜位置教示点▲2▼の座標は、理想的には、Y軸の位置が変わるだけで、残りの2つの座標軸の位置、即ち、Y軸位置、Z軸位置は、同じ位置になっていなければならない。このため、引抜位置教示点▲2▼の座標(x2、y2,z2)は、理想的には座標(x1、y2、z1)となっていなければならない(図43(a)に示す、引抜位置教示点▲2▼を参照)。
【0018】
しかしながら、実際には、図38に示したように、作業担当者Pは、金型192を斜め方向に見て、ロボット手段102に教示点をティーチングしているため、判断ミスや、入力ミス等により、引抜位置教示点▲2▼の座標を、座標(x2’、y2’、z2’)として設定してしまう場合がある(図43(a)に示す引抜位置教示点▲2▼’を参照)。
【0019】
更に、作業担当者Pは、金型192を斜め方向に見ながら、理想の座標(x1、y2、z1)とは異なった位置に設定された引抜位置教示点▲2▼’(x2’、y2’、z2’)を基準にして、次の金型上待機位置教示点▲3▼の座標(x3、y3,z3)を設定するため、金型上待機位置教示点▲3▼の座標(x3、y3、z3)を、判断ミスや、入力ミス等により、座標(x3’、y3’、z3’)として設定してしまう場合がある(図43(b)に示す金型上待機位置教示点▲3▼’を参照)。
【0020】
より詳しく説明すると、引抜位置教示点▲2▼と金型上待機位置教示点▲3▼とは、Z軸位置が異なった位置に有れば良く、X軸位置及びY軸位置は、同じ位置関係にある方が好ましい。これは、引抜位置教示点▲2▼と金型上待機位置教示点▲3▼とが、X軸位置及びY軸位置においてずれていると、ロボット手段102を動かした時に、X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向のいずれの方向にも、力が発生し、これらの3軸方向の力により、射出成形機191に振動が生じる。のみならず、ロボット手段102を3軸方向に各々制御しなければならないため、制御手段103の信号処理に要する時間が、1軸成分のみが異なる場合に比べ、長くなるからである。
【0021】
従って、金型上待機位置教示点▲3▼の座標(x3、y3、z3)は、ロボット手段102の作業効率を高めるためには、理想の引抜位置教示点▲2▼の直上位置にあればよいので、理想の金型上待機位置教示点▲3▼の座標は、座標(x1、y2、z3)となっていなければならない(図43(b)に示す金型上待機位置教示点▲3▼を参照)。しかしながら、従来のティーチング方法では、既に、金型上待機位置教示点▲3▼を決める際に基準となる、引抜位置教示点▲2▼の座標(x2、y2、z2)が、理想の座標(x1、y2、z1)ではない、引抜位置教示点▲2▼’に設定されているため、作業担当者Pは、金型上待機位置教示点▲3▼の座標(x3、y3、z3)を、理想の座標(x1、y2、z3)とは異なった座標(x3’、y3’、z3’)に設定しやすくなる。
【0022】
また、作業担当者Pは、理想の座標(x1、y2、z3)とは異なった位置に設定された金型上待機位置教示点▲3▼’の座標(x3’、y3’、z3’)に基づいて、次の横行開始位置教示点▲4▼の座標(x4、y4、z4)を設定することとなるので、ロボット手段102の作業効率を高めるためには、横行開始位置教示点▲4▼の座標(x4、y4、z4)が、理想の金型上待機位置教示点▲3▼の座標(x1、y2、z3)の直上位置の、理想の横行開始位置教示点▲4▼の座標(x1、y2、z4)となっていなければならないにもかかわらず、横行開始位置教示点▲4▼の座標(x4、y4、z4)を、理想の横行開始位置教示点▲4▼の座標(x1、y2、z4)とは異なる位置の座標(x4’、y4’、z4’)に設定しやすくなる(図43(b)に示す横行開始位置教示点▲4▼’を参照)。
【0023】
また、作業担当者Pは、ロボット手段102を実際に動かして、ロボット手段102に製品開放位置教示点▲6▼をティーチングするが、従来の成形品の製造装置1では、製品開放位置教示点▲6▼の直上位置▲5▼は、シーケンス制御によって決められているので、製品開放位置教示点▲6▼の直上位置▲5▼のZ軸位置が、横行開始位置教示点▲4▼のZ軸位置と異なる位置に規定されてしまう。
【0024】
従来の成形品の製造装置101では、ロボット手段102は、作業担当者Pが、目でみて判断した教示点に従って動作するに過ぎないため、以下に示すような問題を生じることになる。
まず、第1に、ロボット手段102の型内R1の教示点として設定された引抜位置教示点▲2▼の座標(x2、y2、z2)が、理想の座標(x1、y2、z1)とは異なる座標(x2’、y2’、z2’)となっている場合には、金型122により成形した成形品を、チャック手段102aを用いて、可動プレート122bから引き抜く際に、成形品が、可動プレート192aに対して、斜め方向に引き抜かれるといった状態になり、これにより、成形品が可動プレート192aに擦れて壊れたり、これとは逆に、成形品によって、可動プレート192aに設けた鋳型が壊れたり、可動プレート192aから成形品がスムーズに引き抜き難いということが原因して、チャック手段102aが、成形品を落としたりするような事態が発生する場合がある。
【0025】
第2に、引抜位置教示点▲2▼の座標(x2’、y2’、z2’)と横行開始位置教示点▲4▼の座標(x4’、y4’、z4’)とが、X軸、Y軸及びZ軸の少なくとも、1軸に対して傾斜した位置にある場合には、ロボット手段102が、X軸、Y軸及びZ軸の、少なくとも1軸に対して傾斜するように動作するため、ロボット手段102の移動距離が長くなり、その結果、横行開始位置教示点▲4▼(x4、y4’、z4’)動作速度が遅くなる。
【0026】
のみならず、ロボット手段102を斜めに動かすには、2軸成分又は3軸成分を変化させる必要があるため、制御手段103が、1軸成分のみの変化を処理する場合に比べ、2軸成分又は3軸成分の変化を処理する分だけ、処理時間が遅くなるという問題がある。
更には、ロボット手段102が動作する際に、3軸方向の力が生じるので、射出成形機191に振動を生じさせやすくなるという問題がある。
【0027】
このような問題を解決するため、近時、ロボット手段102の動作を自動的に微調整できるようにした位置微調整機能(自動運転をしながら、制御手段に記憶された教示点を呼び出して、一度の微調整量を、例えば、10mm以下0.1mm以上の範囲で、適宜、自動的に微調整し、ロボット手段102がスムーズに安定した動作が行える機能)を備えたロボット手段102も開発されてきている。
【0028】
しかしながら、位置微調整機能を備えたものであっても、2つの教示点が、1軸に対して大きく傾斜した位置関係にあると、1つの教示点を微調整した後においても、微調整後の教示点ともう一つの教示点とが、やはり、1軸に対して大きく傾斜した位置関係にある場合がある。このような場合には、ロボット手段102を斜めに動かすには、2軸成分又は3軸成分を変化させる必要があるため、制御手段103が、1軸成分のみの変化を処理する場合に比べ、2軸成分又は3軸成分の変化を処理する分だけ、処理時間が遅くなるという問題がある。
【0029】
また、従来の成形品の取り出し装置101では、上述したように、製品開放位置教示点▲6▼の直上位置▲5▼は、シーケンス制御によって決められているに過ぎないため、横行開始位置教示点▲4▼のZ軸位置と、製品開放位置教示点▲6▼の直上位置▲5▼のZ軸位置とが互いの異なる関係にある場合は、ロボット手段102は、横行開始位置教示点▲4▼から製品開放位置教示点▲6▼の直上位置▲5▼の間を、3軸成分のいずれに対しても斜めに移動することとなるので、横行開始位置教示点▲4▼のZ軸位置と、製品開放位置教示点▲6▼の直上位置▲5▼のZ軸位置とが同じ位置関係にある場合に比べ、移動距離が長くなり、その結果、ロボット手段102の移動速度が遅くなるという問題がある。また、3軸成分のいずれをも変化させる必要があるため、
2軸成分のみを変化させる場合に比べ、制御手段103が、1軸成分を余分に処理する分だけ、処理時間が遅くなるという問題がある。
【0030】
のみならず、ロボット手段102を、横行開始位置教示点▲4▼から製品開放位置教示点▲6▼の直上位置▲5▼まで、3軸成分のいずれをも変化させた場合には、ロボット手段102が動作する際に、3軸方向の力が生じるので、射出成形機191に振動を生じさせやすくなるという問題がある。
更には、図37に示したような、回転軸102aや関節102bを有し、アーム102cが傾斜動作をするようなロボット手段102では、型内R1で、ロボット手段102を動作させると、アーム部102cが、安全ドア125にぶつかり易いという問題がある。
【0031】
また、教示点をティーチングする際に、チャック位置教示点▲1▼、引抜位置教示点▲2▼、金型上待機位置教示点▲3▼の順に、ティーチングを行った場合には、チャック位置教示点▲1▼に対し、Y軸位置が異なる関係にある引抜位置教示点▲2▼にロボット手段102を移動させた後、チャック位置教示点▲1▼に対し、Y軸位置が同じ関係にある金型上待機位置教示点▲3▼まで、ロボット手段102を移動させなければならず、ティーチング操作が面倒になるという問題もある。
【0032】
本発明は、以上のような問題を解決するためになされたものであって、ロボット手段により金型により成形された成形品を取り出すために、ロボット手段を型内で動作させる際に、ロボット手段が、射出成形機の金型や安全ドア等にぶつかり難く、金型から成形品を引き抜く際に、引き抜き方向が金型に対し、斜め方向とならず、成形品を金型から引き抜く際に、成形品や金型を傷つけることなく、テーチング作業が容易で、振動を射出成形機に生じさせ難く、且つ、ロボット手段に無駄な動作をさせることなく、成形品を金型から所定の位置に取り出せるようにした、成形品の取り出し装置を提供することを目的としている。
【0033】
【課題を解決するための手段】
請求項1及び請求項2に記載の成形品の取り出し装置は、本発明に係る成形品の取り出し装置に設けられた、教示点の書換え手段の書換え規則を具体的に提案する。
請求項1に記載の成形品の取り出し装置は、金型に付設するように設けられ、金型により成形された成形品を取り出すロボット手段と、ロボット手段を制御するための、基準教示点と、基準教示点に基づいて決められる教示点とを記憶する記憶手段を有し、記憶手段に記憶させた、基準教示点と基準教示点に基づいて決められる教示点とに基づいて、ロボット手段を制御する制御手段とを備え、ロボット手段として、X軸、Y軸及びZ軸の3軸方向に移動可能に設けられたロボット手段を用い、ロボット手段は、制御手段によって、記憶手段に記憶させた、基準教示点と、基準教示点に基づいて決められる教示点とに従って同じ動作を繰り返すようになっており、制御手段に、更に、記憶手段に記憶させた、基準教示点に基づいて決められる教示点が、基準教示点のX軸位置、Y軸位置及びZ軸位置に対し、いずれか1軸の位置のみが異なる場合には、基準教示点に基づいて決められる教示点のX軸位置、Y軸位置及びZ軸位置のうち、基準教示点と比べて、位置が変化しない他の2軸の位置については、記憶手段に記憶させた、基準教示点の位置をコピーするコピー手段を設けた。
【0034】
ここに、X軸、Y軸及びZ軸の各々は、3次元の空間を規定する、3軸を意味し、X軸及びY軸の各々は、水平方向の軸を意味し、X軸とY軸とは直交するように設けられる。また、Z軸は、X軸及びY軸に直交する垂直方向に設けられる軸を意味する。
更に、本明細書では、X軸は、金型を構成する可動プレートの固定プレートに接合する表面、または、金型を構成する固定プレートの可動プレートに接合する表面に、水平方向に平行となる方向の軸を意味し、Z軸は、金型により成形された成形品を可動プレート又は固定プレートから抜き取る方向(金型を構成する可動プレートの固定プレートに接合する表面、または、金型を構成する固定プレートの可動プレートに接合する表面に、水平方向に直交する方向の軸に、平行となる方向)の軸を意味する。
【0035】
また、本明細書で用いる用語「X軸、Y軸及びZ軸の3軸方向に移動可能に設けられたロボット手段」は、X軸方向のレール、Y軸方向のレール、及び、Z軸方向のレール上を直線運動することで、3次元の空間内を移動自在にされているロボット手段を意味する。
この成形品の取り出し装置では、ロボット手段として、回転軸、関節を有し、アームが傾斜して動作するものではなく、X軸、Y軸及びZ軸の3軸方向に移動可能に設けられたロボット手段を用いているので、型内において、ロボット手段が、金型や安全ドアにぶつかり難い。
【0036】
この成形品の取り出し装置では、制御手段に、更に、記憶手段に記憶させた、基準教示点に基づいて決められる教示点が、基準教示点のX軸位置、Y軸位置及びZ軸位置に対し、いずれか1軸の位置のみが異なる場合には、基準教示点に基づいて決められる教示点のX軸位置、Y軸位置及びZ軸位置のうち、基準教示点と比べて、位置が変化しない他の2軸の位置については、記憶手段に記憶させた、基準教示点の位置をコピーするコピー手段を設けている。従って、このコピー手段により、基準教示点に基づいて決められる教示点のうち、基準教示点に対し、位置が変化しない他の2軸の位置については、基準教示点の値をコピーすることで、ロボット手段は、位置が変化する1軸のデータのみに基づいて、位置が変化しない2軸によって規定される平面内を、基準教示点から次の教示点に直線的に動作する。これにより、ロボット手段は、基準教示点から次の教示点に最短距離で移動することとなるため、ロボット手段を基準教示点から次の教示点に速く移動させることができる。
【0037】
且つ、制御手段は、1軸成分のみの変化を処理すれば良いので、2軸成分又は3軸成分の変化を処理する場合に比べ、データ処理に要する時間を速くすることができる。
請求項2に記載の成形品の取り出し装置は、金型に付設するように設けられ、金型により成形された成形品を取り出すロボット手段と、ロボット手段を制御するための、基準教示点と、基準教示点に基づいて決められる教示点とを記憶する記憶手段を有し、記憶手段に記憶させた、基準教示点と前記基準教示点に基づいて決められる教示点とに基づいて、ロボット手段を制御する制御手段とを備え、ロボット手段として、X軸、Y軸及びZ軸の3軸方向に移動可能に設けられたロボット手段を用い、ロボット手段は、制御手段によって、記憶手段に記憶させた、基準教示点と、基準教示点に基づいて決められる教示点とに従って同じ動作を繰り返すようになっており、制御手段に、更に、記憶手段に記憶させた、基準教示点に基づいて決められる教示点が、基準教示点のX軸位置、Y軸位置及びZ軸位置に対し、いずれか2軸の位置のみが異なる場合には、基準教示点に基づいて決められる教示点のX軸位置、Y軸位置及びZ軸位置のうち、基準教示点と比べて、位置が変化しない他の1軸の位置については、記憶手段に記憶させた、基準教示点の位置をコピーするコピー手段を設けた。
【0038】
この成形品の取り出し装置では、制御手段に、更に、記憶手段に記憶させた、基準教示点に基づいて決められる教示点が、基準教示点のX軸位置、Y軸位置及びZ軸位置に対し、いずれか2軸の位置のみが異なる場合には、基準教示点に基づいて決められる教示点のX軸位置、Y軸位置及びZ軸位置のうち、基準教示点と比べて、位置が変化しない他の1軸の位置については、記憶手段に記憶させた、基準教示点の位置をコピーするコピー手段を設けている。従って、このコピー手段により、基準教示点に基づいて決められる教示点のうち、基準教示点に対し、位置が変化しない他の1軸の位置については、基準教示点の値をコピーすることで、ロボット手段は、位置が変化する2軸のデータのみに基づいて、基準教示点から次の教示点に直線的に動作する。これにより、ロボット手段は、基準教示点から次の教示点に最短距離で移動することとなるため、ロボット手段を基準教示点から次の教示点に速く移動させることができる。
【0039】
且つ、制御手段は、2軸成分のみの変化を処理すれば良いので、3軸成分の変化を処理する場合に比べ、データ処理に要する時間を速くすることができる。
請求項3〜6のいずれかに記載の成形品の取り出し装置は、本発明に係る成形品の取り出し装置を構成するロボット手段の型内の好ましい動作制御教示手段について提案する。
【0040】
請求項3に記載の成形品の取り出し装置は、少なくとも固定プレートと可動プレートとを備える金型に付設するように設けられ、チャック手段を備え、チャック手段により金型により成形された成形品をチャックして取り出すロボット手段と、ロボット手段を制御するための教示点を記憶する記憶手段を有し、教示点に基づいて、ロボット手段を制御する制御手段とを備え、ロボット手段として、X軸、Y軸及びZ軸の3軸方向に移動可能に設けられたロボット手段を用い、ロボット手段は、固定プレートと可動プレートとが開いた時に形成される型内において、制御手段に記憶させた、金型上待機位置教示点、引抜位置教示点、チャック位置教示点、引抜位置教示点、金型上待機位置教示点の順に、繰り返し同じ動作を行うようにされており、制御手段を用いて、記憶手段に、ロボット手段の教示点を記憶させる際には、チャック位置教示点、引抜位置教示点、金型上待機位置教示点、横行開始位置教示点の順に教示を行い、記憶手段に、これらの教示点を記憶させた後、記憶手段に記憶させたチャック位置教示点のX軸位置、Y軸位置及びZ軸位置を基準位置として、記憶手段に記憶させた引抜位置教示点のX軸位置を、記憶手段に記憶させたチャック位置教示点のX軸位置に書換えし、記憶手段に記憶させた引抜位置教示点のZ軸位置を、記憶手段に記憶させたチャック位置教示点のZ軸位置に書換えし、記憶手段に記憶させた金型上待機位置教示点位置の教示点のX軸位置を、記憶手段に記憶させたチャック位置教示点のX軸位置に書換えし、記憶手段に記憶させた横行開始位置教示点のX軸位置を、記憶手段に記憶させたチャック位置教示点のX軸位置に書換えするようにすることにより、ロボット手段が、固定プレートと前記可動プレートとが開いた時に形成される型内において、制御手段に記憶させた、横行開始位置教示点、金型上待機位置教示点、引抜位置教示点、チャック位置教示点に基づいて、X軸−Z軸面に平行な一面を、直線移動及び直角移動をするようにした。
【0041】
この成形品の取り出し装置は、金型を構成する固定プレートと可動プレートとが開いた時に形成される型内において、横行開始位置教示点、金型上待機位置教示点、引抜位置教示点及びチャック位置教示点の合計4個の教示点を設け、この4個の教示点に従って、少なくとも、ロボット手段を型内で動作させて、金型により成形された成形品を金型から取り出すようにした、成形品の取り出し装置であって、金型により成形された成形品を金型から取り出す際に、成形品を金型にぶつけて成形品や金型を壊すことが無い、成形品の取り出し装置を提案するものである。
【0042】
ここで、本明細書において用いる用語「型内」は、固定プレートと可動プレートとを備える金型を、金型により成形した成形品を取り出すために、金型を開いた状態にした際に、固定プレートと可動プレートとにより形成される領域を意味し、「型外」は、成形機の外側、より具体的には、安全ドアの外側の領域を意味する。
【0043】
また、本明細書において用いる用語「チャック位置教示点」は、金型により成形された成形品を、ロボット手段に設けられたチャック手段によりチャックする位置を教示する教示点を、「引抜位置教示点」は、ロボット手段により、金型により成形された成形品を、金型から引き抜く位置を教示する教示点を、「金型上待機位置教示点」は、ロボット手段が、金型が開いた際に、金型の上方の適宜位置で待機する位置を教示する教示点を、また、「横行開始位置教示点」は、ロボット手段が成形機の型内と型外とを横行しても、成形機の安全ドアに、成形品及びロボット手段がぶつからない位置を教示する教示点を意味する。
【0044】
この成形品の取り出し装置は、ロボット手段を、型内において、金型により成形した成形品を、L動作させて、金型から取り出すようにした、成形品の取り出し装置を規定する。
ここに、L動作とは、ロボット手段を、型内において、金型により成形された成形品を金型から取り出す際に、型内において、金型上待機位置教示点、チャック位置教示点、引抜位置教示点、横行開始位置教示点の4つの教示点を、金型上待機位置教示点、引抜位置教示点、チャック位置教示点、引抜位置教示点、横行開始位置教示点の順に従って動作させると、ロボット手段が略L字形状に動作する場合をいう。
【0045】
また、チャック位置教示点は、金型により成形した成形品が、金型を開いた際に、可動プレート側に位置する場合は、可動プレート側に、また、固定プレート側に位置する場合は、固定プレート側に教示される。
この成形品の取り出し装置では、記憶手段に、ロボット手段の教示点を記憶させる際には、チャック位置教示点、引抜位置教示点、金型上待機位置教示点、横行開始位置教示点の順に教示を行い、記憶手段に、これらの教示点を記憶させた後、記憶手段に記憶させたチャック位置教示点のX軸位置、Y軸位置及びZ軸位置を基準位置として、記憶手段に記憶させた引抜位置教示点のX軸位置を、記憶手段に記憶させたチャック位置教示点のX軸位置に書換えし、記憶手段に記憶させた引抜位置教示点のZ軸位置を、記憶手段に記憶させたチャック位置教示点のZ軸位置に書換えするようにしている。
【0046】
これにより、ロボット手段は、位置が変化しないX軸とZ軸とによって規定される平面内、より具体的には、チャック位置教示点のX軸とチャック位置教示点のZ軸により規定される平面内を、位置が変化するY軸方向にのみ、チャック位置教示点から引抜位置教示点へと移動する。
即ち、ロボット手段の、金型から成形品を引き抜く方向が、金型を構成する固定プレートの可動プレートに接合する表面、又は、金型を構成する可動プレートの固定プレートに接合する表面に、水平方向に直交する方向と一致することとなる。
【0047】
このため、金型から成形品を引き抜く際に、成形品が、金型を構成する可動プレート又は固定プレートに対して、斜め方向に引き抜かれることがないので、成形品が、金型を構成する可動プレート又は固定プレートにこすれないので、成形品が可動プレート又は固定プレートにこすれて壊れたり、可動プレート又は固定プレートが成形品によって壊れたりしない。また、成形品が可動プレート又は固定プレートにこすれないため、チャック手段が、成形品を落下してしまうというチャックミスも起こり難くなる。
【0048】
また、記憶手段に記憶させた金型上待機位置教示点位置の教示点のX軸位置を、記憶手段に記憶させたチャック位置教示点のX軸位置に書換えしているので、金型上待機位置教示点が、チャック位置教示点のX軸位置の真上に位置する。
更に、記憶手段に記憶させた横行開始位置教示点のX軸位置を、記憶手段に記憶させたチャック位置教示点のX軸位置に書換えしているので、横行開始位置教示点も、チャック位置教示点のX軸位置の真上に位置する。
【0049】
これにより、ロボット手段は、型内において、金型上待機位置教示点、チャック位置教示点、引抜位置教示点、横行開始位置教示点の順に従って、チャック位置教示点のX軸位置とZ軸位置とによって規定される平面内を、直線移動及び直角移動をする。これにより、X軸、Y軸及びZ軸の3軸方向に移動可能に設けられたロボット手段は、型内において、斜行することがないため、ロボット手段が、金型にぶつかるという事故も生じ難くなる。
【0050】
更には、ロボット手段の型内動作は、Y軸成分のみが変化する場合と、Z軸成分が変化する場合のいずれかの動作となるため、2軸成分又は3軸成分を変化させる場合に比べ、制御手段のデータ処理に要する時間を速くすることができる。しかも、ロボット手段の上記4つの教示点に従う動作が、Y軸方向成分及びZ軸方向成分のみとなるため、ロボット手段の動作として、3軸成分全てを用いる場合に比べ、金型に振動が生じ難くなる。
【0051】
請求項4に記載の成形品の取り出し装置は、請求項3に記載の成形品の取り出し装置の、記憶手段に記憶させた金型上待機位置教示点位置の教示点のX軸位置、Y軸位置及びZ軸位置のうち、金型上待機位置教示点位置教示点のY軸位置を、記憶手段に記憶させた引抜位置教示点のY軸位置に書換えするようにした。
この成形品の取り出し装置では、更に、記憶手段に記憶させた金型上待機位置教示点位置の教示点のX軸位置、Y軸位置及びZ軸位置のうち、金型上待機位置教示点位置教示点のY軸位置を、記憶手段に記憶させた引抜位置教示点のY軸位置に書換えするようにしているので、金型上待機位置教示点が、引抜位置教示点の直上に位置する。
【0052】
これにより、ロボット手段は、引抜位置教示点から金型上待機位置教示点までの動作を最短距離で移動するので、ロボット手段の無駄な動きがなくなる。
請求項5に記載の成形品の取り出し装置は、少なくとも固定プレートと可動プレートとを備える金型に付設するように設けられ、金型により成形された成形品を取り出すロボット手段と、ロボット手段を制御するための教示点を記憶する記憶手段を有し、教示点に基づいて、ロボット手段を制御する制御手段とを備え、ロボット手段として、X軸、Y軸及びZ軸の3軸方向に移動可能に設けられたロボット手段を用い、ロボット手段は、固定プレートと可動プレートとが開いた時に形成される型内において、制御手段に記憶させた、金型上待機位置教示点、チャック位置への接近開始位置教示点、チャック位置教示点、引抜位置教示点の順に、繰り返し同じ動作を行うようにされており、制御手段を用いて、記憶手段に、ロボット手段の教示点を記憶させる際には、チャック位置教示点、チャック位置への接近開始位置教示点、引抜位置教示点、引抜位置教示点上の金型上待機位置教示点に対応する仮金型上待機位置教示点、前記横行開始位置教示点の順に教示を行い、記憶手段に、これらの教示点を記憶させた後、記憶手段に記憶させたチャック位置への接近開始位置教示点のX軸位置を、記憶手段に記憶させたチャック位置教示点のX軸位置に書換えし、記憶手段に記憶させた引抜位置教示点のX軸位置を、記憶手段に記憶させたチャック位置教示点のX軸位置に書換えし、記憶手段に記憶させた横行開始位置教示点のX軸位置を、記憶手段に記憶させたチャック位置教示点のX軸位置に書換えし、記憶手段に記憶させたチャック位置への接近開始位置教示点のZ軸位置を、記憶手段に記憶させたチャック位置教示点のZ軸位置に書換えし、記憶手段に記憶させた引抜位置接近教示点のZ軸位置を、記憶手段に記憶させたチャック位置教示点のZ軸位置に書換えする。
【0053】
且つ、金型上待機位置教示点のX軸位置を、記憶手段に記憶させたチャック位置教示点のX軸位置を書き込むことにより作成し、金型上待機位置教示点のY軸位置を、記憶手段に記憶させたチャック位置への接近開始位置教示点のY軸位置を書き込むことにより作成し、金型上待機位置教示点のZ軸位置を、引抜位置教示点上の仮金型上待機位置教示点のZ軸位置に書き込むことにより作成し、このようにして作成した金型上待機位置教示点を、記憶手段に記憶させることにより、ロボット手段が、固定プレートと可動プレートとが開いた時に形成される型内において、制御手段に記憶させた、金型上待機位置教示点、チャック位置への接近開始位置教示点、チャック位置教示点、引抜位置教示点に基づいて、X軸−Z軸面に平行な一面を、直線移動及び直角移動するようにした。
【0054】
ここに、本明細書で用いる用語「チャック位置への接近開始位置教示点」は、ロボット手段をチャック位置教示点に移動させる前の位置を教示する教示点を意味し、より特定的には、チャック位置教示点とは、X軸位置及びZ軸位置の各々が同じ位置関係にあり、Y軸位置のみが変化する関係にある位置を教示する教示点を意味する。
【0055】
また、「仮金型上待機位置教示点」は、引抜位置教示点とは、X軸位置及びY軸位置の各々が同じ位置関係にあり、Z軸位置のみが異なる関係にある位置を教示する教示点を意味する。
この成形品の取り出し装置は、ロボット手段を、型内において、金型により成形した成形品を、F動作させて、金型から取り出すようにした、成形品の取り出し装置を規定する。
【0056】
ここに、F動作とは、ロボット手段を、型内において、金型により成形された成形品を金型から取り出す際に、型内において、金型上待機位置教示点、チャック位置への接近開始位置教示点、チャック位置教示点、引抜位置教示点、横行開始位置教示点の5つの教示点に従って動作させると、ロボット手段が略F字形状を横にした形状に動作する場合をいう。
【0057】
この成形品の取り出し装置では、実際に教示点をティーチングする際には、引抜位置教示点を教示した後は、引抜位置教示点とは、Z軸位置のみが異なる位置関係にある仮金型上待機位置教示点をティーチングすれば、チャック位置への接近開始位置教示点とは、X軸位置とY軸位置とが同じ位置関係にあり、Z軸が異なる位置関係にある金型上待機位置教示点をティーチングできるようにしているので、引抜位置教示点とは、Y軸位置とZ軸位置とがともに異なる位置関係(即ち、チャック位置への接近開始位置教示点とは、Z軸位置のみが異なる位置関係)にある金型上待機位置教示点にロボット手段を移動させて、金型上待機位置教示点をティーチングする場合に比べ、ティーチング作業を容易に行うことができる。
【0058】
即ち、この成形品の取り出し装置では、記憶手段に記憶させた、仮金型上待機位置教示点のX軸位置を、記憶手段に記憶させた、チャック位置教示点のX軸位置に書換えし、且つ、記憶手段に記憶させた、仮金型上待機位置教示点のY軸位置を、記憶手段に記憶させた、チャック位置教示点のY軸位置に書換えし、仮金型上待機位置教示点のZ軸位置をそのまま保存し、仮金型上待機位置教示点を、金型上待機位置教示点に変換している。
【0059】
更に、この成形品の取り出し装置では、記憶手段に、ロボット手段の教示点を記憶させる際には、チャック位置教示点、チャック位置への接近開始位置教示点、引抜位置教示点、仮金型上待機位置教示点、横行開始位置教示点の順に教示を行い、記憶手段に、これらの教示点を記憶させた後、以下の書換えを行うようにしている。
【0060】
記憶手段に記憶させた、チャック位置への接近開始位置教示点のX軸位置を、記憶手段に記憶させたチャック位置教示点のX軸位置に書換えし、且つ、記憶手段に記憶させたチャック位置への接近開始位置教示点のZ軸位置を、記憶手段に記憶させたチャック位置教示点のZ軸位置に書換えしている。
これにより、チャック位置への接近開始位置教示点とチャック位置教示点との関係が、Y軸位置のみが変化する関係になる。
【0061】
また、記憶手段に記憶させた、引抜位置教示点のX軸位置を、記憶手段に記憶させたチャック位置教示点のX軸位置に書換えし、且つ、記憶手段に記憶させた引抜位置教示点のZ軸位置を、記憶手段に記憶させたチャック位置教示点のZ軸位置に書換えしている。
これにより、引抜位置教示点とチャック位置教示点との関係が、Y軸位置のみが変化する関係になる。且つ、引抜位置教示点と、チャック位置への接近開始位置教示点との関係も、Y軸位置のみが変化する関係になる。
【0062】
更に、記憶手段に記憶させた金型上待機位置教示点のX軸位置を、記憶手段に記憶させたチャック位置教示点のX軸位置に書換えし、且つ、記憶手段に記憶させた金型上待機位置教示点のY軸位置を、記憶手段に記憶させたチャック位置への接近開始位置教示点のY軸位置に書換えしている。
これにより、金型上待機位置教示点と、チャック位置への接近開始位置教示点との位置関係が、Y軸位置のみが変化する関係になる。
【0063】
更に、記憶手段に記憶させた横行開始位置教示点のX軸位置を、記憶手段に記憶させたチャック位置教示点のX軸位置に書換えしている。
以上の書換え操作により、ロボット手段は、型内において、金型上待機位置教示点、チャック位置への接近開始位置教示点、チャック位置教示点、引抜位置教示点、横行開始位置教示点に従って、チャック位置教示点のX軸位置とZ軸位置とによって規定される平面内を、直線移動及び直角移動をする。
【0064】
これにより、X軸、Y軸及びZ軸の3軸方向に移動可能に設けられたロボット手段は、型内において、斜行することがないため、ロボット手段が、金型にぶつかるという事故も生じ難くなる。
これにより、X軸、Y軸及びZ軸の3軸方向に移動可能に設けられたロボット手段は、型内において、斜行することがないため、ロボット手段が、金型にぶつかるという事故も生じ難くなり、且つ、ロボット手段の上記5つの教示点に従う動作が、Y軸方向成分及びZ軸方向成分のみとなるため、ロボット手段の動作として、3軸成分全てを用いる場合に比べ、金型に振動が生じ難くなる。
【0065】
このため、金型から成形品を引き抜く際に、成形品が、金型を構成する可動プレート又は固定プレートに対して、斜め方向に引き抜かれることがないので、成形品が、金型を構成する可動プレート又は固定プレートにこすれないので、成形品が可動プレート又は固定プレートにこすれて壊れたり、可動プレート又は固定プレートが成形品によって壊れたりしない。また、成形品が可動プレート又は固定プレートにこすれないため、チャック手段が、成形品を落下してしまうというチャックミスも起こり難くなる。
【0066】
更には、ロボット手段の型内動作は、Y軸成分のみが変化する場合と、Z軸成分が変化する場合のいずれかの動作となるため、2軸成分又は3軸成分を変化させる場合に比べ、制御手段のデータ処理に要する時間を速くすることができる。しかも、ロボット手段の上記4つの教示点に従う動作が、Y軸方向成分及びZ軸方向成分のみとなるため、ロボット手段の動作として、3軸成分全てを用いる場合に比べ、金型に振動が生じ難くなる。
【0067】
請求項6に記載の成形品の取り出し装置は、少なくとも固定プレートと可動プレートとを備える金型に付設するように設けられ、チャック手段を備え、チャック手段により金型により成形された成形品をチャックして取り出すロボット手段と、ロボット手段を制御するための教示点を記憶する記憶手段を有し、教示点に基づいて、前記ロボット手段を制御する制御手段とを備え、ロボット手段として、X軸、Y軸及びZ軸の3軸方向に移動可能に設けられたロボット手段を用い、ロボット手段は、固定プレートと前記可動プレートとが開いた時に形成される型内において、制御手段に記憶させた、金型上待機位置教示点、チャック位置教示点、引抜位置教示点の順に、繰り返し同じ動作を行うようにされており、制御手段を用いて、記憶手段に、ロボット手段の教示点を記憶させる際には、チャック位置教示点、引抜位置教示点、引抜位置教示点上の仮金型上待機位置教示点、横行開始位置教示点の順に教示を行い、記憶手段に、これらの教示点を記憶させた後、記憶手段に記憶させた引抜位置教示点のX軸位置を、記憶手段に記憶させたチャック位置教示点のX軸位置に書換えし、記憶手段に記憶させた横行開始位置教示点のX軸位置を、記憶手段に記憶させたチャック位置教示点のX軸位置に書換えし、記憶手段に記憶させた引抜位置教示点のZ軸位置を、記憶手段に記憶させたチャック位置教示点のZ軸位置に書換えし、且つ、金型上待機位置教示点のX軸位置を、前記記憶手段に記憶させたチャック位置教示点のX軸位置を書き込むことにより作成し、金型上待機位置教示点のY軸位置を、記憶手段に記憶させたチャック位置への接近開始位置教示点のY軸位置を書き込むことにより作成し、金型上待機位置教示点のZ軸位置を、引抜位置教示点上の仮金型上待機位置教示点のZ軸位置に書き込むことにより作成し、このようにして作成した金型上待機位置教示点を、記憶手段に記憶させることにより、ロボット手段が、固定プレートと可動プレートとが開いた時に形成される型内において、制御手段に記憶させた、金型上待機位置教示点、チャック位置教示点、引抜位置教示点に基づいて、X軸−Z軸面に平行な一面を、直線移動及び直角移動するようにした。
【0068】
この成形品の取り出し装置は、ロボット手段を、型内において、金型により成形した成形品を、U動作させて、金型から取り出すようにした、成形品の取り出し装置を規定する。
ここに、U動作とは、ロボット手段を、型内において、金型により成形された成形品を金型から取り出す際に、型内において、金型上待機位置教示点、チャック位置教示点、引抜位置教示点、横行開始位置教示点の4つの教示点に従って動作させると、ロボット手段が略U字形状を横にした形状に動作する場合をいう。
【0069】
この成形品の取り出し装置では、実際に教示点をティーチングする際には、引抜位置教示点を教示した後は、引抜位置教示点とは、Z軸位置のみが異なる位置関係にある仮金型上待機位置教示点をティーチングすれば、チャック位置教示点とは、X軸位置とY軸位置とが同じ位置関係にあり、Z軸が異なる位置関係にある金型上待機位置教示点をティーチングできるようにしているので、引抜位置教示点とは、Y軸位置とZ軸位置とがともに異なる位置関係(即ち、チャック位置教示点とは、Z軸位置のみが異なる位置関係)にある金型上待機位置教示点にロボット手段を移動させて、金型上待機位置教示点をティーチングする場合に比べ、ティーチング作業を容易に行うことができる。
【0070】
即ち、この成形品の取り出し装置では、記憶手段に記憶させた、仮金型上待機位置教示点のX軸位置を、記憶手段に記憶させた、チャック位置教示点のX軸位置に書換えし、且つ、記憶手段に記憶させた仮金型上待機位置教示点のY軸位置を、記憶手段に記憶させたチャック位置教示点のY軸位置に書換えし、仮金型上待機位置教示点のZ軸位置をそのまま保存し、仮金型上待機位置教示点を、金型上待機位置教示点に変換している。
【0071】
更に、この成形品の取り出し装置では、記憶手段に、ロボット手段の教示点を記憶させる際には、チャック位置教示点、引抜位置教示点、仮金型上待機位置教示点、横行開始位置教示点の順に教示を行い、記憶手段に、これらの教示点を記憶させた後、以下の書換えを行うようにしている。
記憶手段に記憶させた、引抜位置教示点のX軸位置を、記憶手段に記憶させたチャック位置教示点のX軸位置に書換えし、且つ、記憶手段に記憶させた引抜位置教示点のZ軸位置を、記憶手段に記憶させたチャック位置教示点のZ軸位置に書換えしている。
【0072】
これにより、引抜位置教示点とチャック位置教示点との関係が、Y軸位置のみが変化する関係になる。
また、記憶手段に記憶させた引抜位置教示点のX軸位置を、記憶手段に記憶させたチャック位置教示点のX軸位置に書換えし、且つ、記憶手段に記憶させた引抜位置教示点のZ軸位置を、記憶手段に記憶させたチャック位置教示点のZ軸位置に書換えしている。
【0073】
これにより、引抜位置教示点とチャック位置教示点との関係が、Y軸位置のみが変化する関係になる。
更に、記憶手段に記憶させた、金型上待機位置教示点のX軸位置を、記憶手段に記憶させたチャック位置教示点のX軸位置に書換えしている。
これにより、金型上待機位置教示点と、チャック位置への接近開始位置教示点との位置関係が、Y軸位置のみが変化する関係になる。
【0074】
更に、記憶手段に記憶させた横行開始位置教示点のX軸位置を、記憶手段に記憶させたチャック位置教示点のX軸位置に書換えしている。
以上の書換え操作により、ロボット手段は、型内において、金型上待機位置教示点、チャック位置への接近開始位置教示点、チャック位置教示点、引抜位置教示点に従って、チャック位置教示点のX軸とZ軸とによって規定される平面内を、直線移動及び直角移動をする。これにより、X軸、Y軸及びZ軸の3軸方向に移動可能に設けられたロボット手段は、型内において、斜行することがないため、ロボット手段が、金型にぶつかるという事故も生じ難くなる。
【0075】
更には、ロボット手段の型内動作は、Y軸成分のみが変化する場合と、Z軸成分が変化する場合のいずれかの動作となるため、2軸成分又は3軸成分を変化させる場合に比べ、制御手段のデータ処理に要する時間を速くすることができる。
しかも、ロボット手段の上記4つの教示点に従う動作が、Y軸方向成分及びZ軸方向成分のみとなるため、ロボット手段の動作として、3軸成分全てを用いる場合に比べ、金型に振動が生じ難くなる。
【0076】
更にまた、横行開始位置教示点のY軸位置を、記憶手段に記憶させたチャック位置教示点のY軸位置に書換えするようにすれば、ロボット手段は、型内において、金型上待機位置教示点、チャック位置への接近開始位置教示点、チャック位置教示点、引抜位置教示点及び横行開始位置教示点に従って、チャック位置教示点のX軸とZ軸とによって規定される平面内を、直線移動及び直角移動をする。これにより、X軸、Y軸及びZ軸の3軸方向に移動可能に設けられたロボット手段は、型内において、斜行することがないため、ロボット手段が、金型にぶつかるという事故も生じ難くなり、且つ、ロボット手段の上記5つの教示点に従う動作が、Y軸方向成分及びZ軸方向成分のみとなるため、ロボット手段の動作として、3軸成分全てを用いる場合に比べ、金型に振動が生じ難くなる。
【0077】
このため、金型から成形品を引き抜く際に、成形品が、金型を構成する可動プレート又は固定プレートに対して、斜め方向に引き抜かれることがないので、成形品が、金型を構成する可動プレート又は固定プレートにこすれないので、成形品が可動プレート又は固定プレートにこすれて壊れたり、可動プレート又は固定プレートが成形品によって壊れたりしない。また、成形品が可動プレート又は固定プレートにこすれないため、チャック手段が、成形品を落下してしまうというチャックミスも起こり難くなる。
【0078】
請求項7に記載の成形品の取り出し装置は、請求項3〜6のいずれかに記載の成形品の取り出し装置の、制御手段は、更に、外部入力手段を備え、外部入力手段により、少なくとも、記憶手段に記憶させた、制御手段を用いて書き換えた後のチャック位置教示点を、更に、書き換えることができるようにした。
この成形品の取り出し装置では、少なくとも、制御手段を用いて書き換えた後の、チャック位置教示点を更に書き換えることができるようにしたので、ロボット手段を、制御手段を用いて書き換えた後の各教示点に従って、確認運転又は自動運転させて、不都合があれば、外部入力手段により、チャック位置教示点を書き換える(微調整する)ことで、ロボット手段による金型から成形品の取り出し作業を、より一層、スムーズなものにすることができる。
【0079】
この場合、外部入力手段による微調整は、チャック位置教示点について行うだけで、横行開始位置教示点、金型上待機位置教示点、引抜位置教示点、チャック位置への接近開始位置教示点もを書き換わる。これにより、ロボット手段による金型から成形品の取り出し作業を、より一層、スムーズなものにする際の、微調整も極めて容易なものとなる。
【0080】
請求項8又は請求項9に記載の成形品の取り出し装置は、本発明に係る成形品の取り出し装置を構成するロボット手段の型外の好ましい動作制御教示手段について提案する。
請求項8に記載の成形品の取り出し装置は、請求項3〜7のいずれかに記載の成形品の取り出し装置の、制御手段の記憶手段には、更に、型外に設定される、ニッパカット位置教示点と、ニッパカット退避位置教示点とが記憶できるようにされており、ロボット手段は、型外において、制御手段に記憶させた、横行開始位置教示点から、ニッパカット退避位置教示点のX軸位置且つY軸位置の直上位置を通って、ニッパカット退避位置位置教示点、ニッパカット位置教示点に従って、繰り返し同じ動作を行い、ニッパカット位置教示点において、ニッパ手段により、金型により成形された成形品についているスプルをカットするようにされており、制御手段を用いて、記憶手段に、ロボット手段の教示点を記憶させる際には、ニッパカット位置教示点、ニッパカット退避位置教示点の順に教示を行い、記憶手段に、これらの教示点を記憶させた後、記憶手段に記憶させたニッパカット退避位置教示点のX軸位置を、記憶手段に記憶させたニッパカット位置教示点のX軸位置に書換えし、記憶手段に記憶させたニッパカット退避位置教示点のZ軸位置を、記憶手段に記憶させたニッパカット位置教示点のZ軸位置に書換えするようにし、且つ、ニッパカット退避位置教示点のX軸位置且つY軸位置の直上位置のZ軸位置を、記憶手段に記憶された横行開始位置教示点のZ軸位置になるようにした。
【0081】
ここに、本明細書で用いる用語「ニッパカット位置教示点」は、金型により成形された成形品に、成形時にひっついている、製品としては、不要なスプルを、ニッパ手段により切断し、成形品を製品の状態にする位置を教示する教示点を意味する。
また、「ニッパカット退避位置教示点」は、ロボット手段をニッパカット位置教示点へ移動させる前の位置を教示する教示点を意味し、より特定的には、ニッパカット位置教示点のZ軸位置と同じ位置で、X軸位置及びY軸位置の少なくとも一方が異なる位置関係にある教示点を意味する。
【0082】
また、「ニッパカット退避位置のX軸位置且つY軸位置の直上位置」は、ロボット手段に、ニッパカット退避位置教示点を教示すると、シーケンス制御により、ニッパカット退避位置教示点とは、X軸位置とY軸位置とが同じ関係にあり、Z軸位置が異なる関係にあるニッパカット退避位置教示点の上方の位置を意味する。
【0083】
この成形品の取り出し装置では、記憶手段に記憶させたニッパカット退避位置のX軸位置且つY軸位置の直上位置のZ軸位置を、記憶手段に記憶させた横行開始位置教示点のZ軸位置になるようにしているので、ロボット手段は、横行開始位置教示点とニッパカット退避位置のX軸位置且つY軸位置の直上位置との間を、横行開始位置教示点のZ軸位置と同じ高さで移動する。
【0084】
更に、記憶手段に記憶させたニッパカット退避位置位置教示点のX軸位置を、記憶手段に記憶させたニッパカット位置教示点のX軸位置に書換えし、記憶手段に記憶させたニッパカット退避位置位置教示点のZ軸位置を、記憶手段に記憶させたニッパカット位置教示点のZ軸位置に書換えしているので、ニッパカット位置教示点とニッパカット退避位置位置教示点との間を、X軸−Y軸面に平行な面を直線移動する。
【0085】
これにより、ロボット手段は、横行開始位置教示点とニッパカット退避位置のX軸位置且つY軸位置の直上位置との間、及び、ニッパカット位置教示点とニッパカット退避位置位置教示点との間が、最短距離となるので、ロボット手段の作業効率が向上する。
請求項9に記載の成形品の取り出し装置は、請求項8に記載の成形品の取り出し装置の、制御手段は、更に、外部入力手段を備え、外部入力手段により、少なくとも、制御手段に記憶させたニッパカット位置教示点を、更に、書き換えることができるようにした。
【0086】
この成形品の取り出し装置では、少なくとも、制御手段を用いて書き換えた後の、ニッパカット位置教示点を更に書き換えることができるようにしたので、ロボット手段を、制御手段を用いて書き換えた後の、各教示点に従って、確認運転又は自動運転させて、不都合があれば、外部入力手段により、ニッパカット位置教示点を書き換える(微調整する)ことで、ロボット手段による金型から成形品の取り出し作業を、より一層、スムーズなものにすることができる。
【0087】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係る成形品の取り出し装置について、図面を参照しながら、更に詳しく説明する。
図1は、本発明に係る成形品の取り出し装置を概略的に示す斜視図である。
この成形品の取り出し装置1は、射出成形機の金型に付設するように設けられるようになっており、ロボット手段2と、制御手段3とを備える。
【0088】
ロボット手段2は、物をチャックするためのチャック手段4を備えており、且つ、制御手段3に記憶された教示点に従って、いわゆるPTP制御(Pointto Point Cntrol)及びシーケンス制御により、繰り返して同じ動作をするようにされている。
また、図1中、91は、射出成形装置を示しており、この射出成形装置91は、可動プレート92aと固定プレート92bとを備える金型92を備える。尚、図1中、93で示す部材は、射出ユニットを、94で示す部材は、材料投入ホッパーを、又、95で示す部材は、安全ドアを、各々、示している。
【0089】
また、5に示す部材装置は、作業担当者Pが、ロボット手段2に教示点をティーチング等する際に用いるコンソール装置を示している。
また、L2で示す部材は、制御手段3とティーチング装置5との間で信号をやりとりするための信号線を示している。
尚、図1中、L3で示す部材装置は、金型2が閉じているときには、ロボット手段2に型外R2動作を、又、金型2が開く時には、ロボット手段2を金型上待機位置教示点に待機させる信号をやりとりする信号線を示している。
【0090】
以上の構成は、図37及び図38に示す、従来の成形品の取り出し装置101と同様であるが、この成形品の取り出し装置1では、ロボット手段2として、X軸、Y軸及びZ軸の3軸方向に移動可能に設けられたものを用いている点に特徴がある。
図2は、ロボット手段2の構成と、金型92との関係をより詳しく説明する平面図である。
【0091】
ロボット手段2は、図2に示すように、X軸レール21と、X軸レール21上を移動自在に設けられた第1の移動体22と、第1の移動体22に、X軸レール21に直交するように固定的に設けられたY軸レール23と、Y軸レール23上を移動自在に設けられた第2の移動体24と、第2の移動体24に、X軸レール21且つY軸レール23に直交するように固定的に設けられた2本のZ軸レール25A、25Bと、Z軸レール25A、25Bの各々の上を移動自在に設けられた第3の移動体26A、第4の移動体26Bとを備える。
【0092】
第3の移動体26Aは、金型92により成形された成形品を可動プレート92a又は固定プレート92bから引き抜く際に用いれれるものであり、成形品をチャックするチャック手段4を備える。
また、第4の移動体26Bは、ランナを引き抜く際に用いるものである。
尚、この例では、第1の移動体22、第2の移動体24、第3の移動体26A及び第4の移動体26Bの各々は、サーボモータ等の駆動源(図示せず)を有し、ベルト手段B1、B2、B3、B4等により、各々のレール21、23、25A、25Bの各々の上を移動できるようになっている。
【0093】
また、ロボット手段2は、台座部30を有しており、この例では、台座部30は、固定プレート92b上に、固定的に設置されるようになっている。
ロボット手段2を金型92に付設する際には、以下に示す設置作業を行う。
即ち、X軸レール21が、可動プレート92aの表面と水平方向に平行となるように、又は、Y軸レール23が、金型92により成形された成形品を可動プレート92aから引き抜く方向(可動プレート92aの表面と水平方向に直交する方向)と平行になるように、固定プレート92b上に、台座部30を設置する。
【0094】
尚、金型92を型替えする際には、ロボット手段2を型外R2へ移動させた後、可動プレート92a及び固定プレート92bの各々の鋳型部を交換する。。
図3は、コンソール装置5の構成を概略的に示す構成図であり、図3(a)は、コンソール装置5の構成を概略的に示す分解斜視図を、又、図3(b)は、図3(a)中に示す、操作卓5bの背面側を概略的に示す斜視図である。
【0095】
コンソール装置5は、図3(a)に示すように、操作卓41と、ハンディコンソール装置51とを備える。
この例では、ハンディコンソール装置51は、操作卓41に着脱自在に設けられている。
操作卓41は、データカードケース42、運転準備押釦スイッチ43、起動押釦スイッチ44、待機位置表示ランプ45、異常表示ランプ46、非常停止押釦スイッチ47及び警報ブザーオン−オフスイッチ48等を備える。
【0096】
データカードケース42は、ハンディコンソール装置51に使用するデータカードCを保管する場所である。
運転準備押釦スイッチ43は、ロボット手段2のサーボモータ等の駆動源(図示せず)に電源を投入するためのスイッチである。
起動押釦スイッチ44は、原点復帰、確認運転、自動運転開始時などに、ロボット手段2を作動する際に押すスイッチである。
【0097】
待機位置表示ランプ45は、移動手段が待機位置にあるときに点灯するようになっている。
異常表示ランプ46は、ロボット手段2に異常が発生した時に点灯するようになっている。
また、非常停止押釦スイッチ47は、非常時にロボット手段2を停止させる際に用いるスイッチである。
【0098】
また、図3(b)中、48は、ロボット手段2に異常が生じた時に鳴動させる警報ブザーを、49は、警報ブザー48のオンオフスイッチを、各々、示している。
図4は、図3(a)に示す、ハンディコンソール装置51を更に拡大して概略的に示す外観構成図である。
【0099】
ハンディコンソール装置51は、操作表示画面(LCD)52、ファンクションキー群(F1、F2、F3、F4、F5)53、軸動作キー54、カーソル移動キー群55、数値入力キー群(0〜9)56、+/−選択キー57、キャンセルキー58、終了キー59、確定キー60、ステップ−キー61、ステップ+キー62、速度+キー63、速度−キー64、輝度調節ボリューム65、データカードソケット66、バックライトランプ(LED)67、データカードランプ(LED)68、非常停止押釦スイッチ69、軸操作キー群70等を備える。
【0100】
操作表示画面(LCD)52には、現在選択されている操作画面が表示されるようになっている。
ファンクションキー群(F1、F2、F3、F4、F5)53は、操作表示画面(LCD)52に表示される各画面において、モード切換え、項目選択を行う際に用いるキーであり、各キーの機能は、操作表示画面(LCD)52に表示される画面に表示されるようになっている。
【0101】
カーソル移動キー群55は、上下左右にカーソルを移動させる4個のキーにより構成されており、操作表示画面(LCD)52に表示される各画面のカーソルの移動や、ウインドウの切り換えの際に使用するものである。
数値入力キー群(0〜9)56は、置数を入力するキーであり、+/−選択キー57は、置数の+/−を選択するキーである。
【0102】
キャンセルキー58は、警報ブザー48の停止や、置数をキャンセルする際に用いるキーである。
終了キー59は、設定、モニタを終了する際に用いるキーである。
確定キー60は、項目選択、設定を確定するキーである。
ステップ−キー61、ステップ+キー62は、ティーチング中にステップを変更する際に用いるキーであり、ステップ−キー61を押し操作すると前ステップに戻れ、ステップ+キー62を押し操作すると次ステップに進ようになっている。
【0103】
速度+キー63、速度−キー64は、ティーチング、手動操作時の速度、及び、自動運転中の装置1の全体速度を変更する際に用いるキーである。
輝度調節ボリューム65は、操作表示画面(LCD)52の明るさを調整する際に用いるものである。
データカードソケット66は、データカードを差し込むソケットである。
【0104】
バックライトランプ(LED)67は、操作表示画面(LCD)52のバックライトが消灯している時に点灯するようになっている。更に、バックライトランプ(LED)67は、スイッチ手段も兼ねており、バックライトランプ(LED)67を押し操作すると、バックライトの消灯を解除できるようになっている。データカードランプ(LED)68は、データカードにデータを書き込み、又は、データカードよりデータを読み込んでいる時に点灯するようになっており、データカードにデータを書き込み、又は、データカードよりデータを読み込んでいる時に、誤って、データカードソケット66は、データカードを抜き取るといった操作がされるのを防止するようにしてある。
【0105】
非常停止押釦スイッチ69は、非常時に、成形品の取り出し装置1を停止させるために設けられている。
軸操作キー群70は、手動操作時、ティーチング時に各軸を動作させるキーであり、−キー、+キー、チャックキー、反転キーを備えており、この装置1では、軸動作キー54と同時に押すと、各々の軸操作ができるようになっている。
【0106】
次に、この装置1を用いて、ロボット手段2を用いて、金型92により成形された成形品を取り出す手順について、以下に説明する。
まず、ロボット手段2に電源を投入すると、運転準備メニューとなり、ハンディコンソール装置51の操作表示画面(LCD)52に、「運転準備」の項目と、「安全を確認し、運転準備をオンにして下さい。」というメッセージが表示される。
【0107】
次に、カーソル移動キー55を操作して、操作表示画面(LCD)52に表示されている「運転準備」の項目に、カーソルを移動して、確定キー60を押し操作すると、原点復帰メニューとなり、ハンディコンソール装置51の操作表示画面(LCD)52に、「原点復帰」の項目と、「原点復帰を開始します。製品アーム、ランナーアームの位置を確認し、型内にある場合は軸操作で退避させて下さい(F3キーで軸操作できます) F5キーで原点復帰起動スイッチ待ち。」というメッセージが表示される。
【0108】
ここで、F5キーを押し操作すると、ハンディコンソール装置51の操作表示画面(LCD)52に、「原点復帰」の項目と、「原点復帰を開始します。起動スイッチを押して下さい。」というメッセージが表示されるので、このメッセージに従って、操作卓41の起動押釦スイッチ43を押し操作すると、起動押釦スイッチ43が点灯し、ロボット手段2が原点復帰を開始し、ロボット手段2の原点復帰終了後、ハンディコンソール装置51の操作表示画面(LCD)52に、メインメニューが表示される(図6(a)を参照)。
【0109】
図5及び図6は、この成形品の取り出し装置1の制御プログラムの構成を示す構成図である。
この成形品の取り出し装置1の制御プログラムは、操作の利便性を考慮して、階層型ファイル構造(ツリー構造ともいう)になっている。
図5及び図6を参照して、更に詳しく説明すると、この成形品の取り出し装置1では、メインメニューとして、1.自動運転、2.段取り換え、3.手動操作、4.設定等の項目が用意されており、カーソル移動キー群55を用いて、カーソルをこれらの6項目のいずれかに移動させて、確定キー60を押し操作すると、6項目の各々の下位階層の次の画面に進むことができるようになっており、画面に従って、各々の項目を処理すると、これら6項目の作業が行えるようになっている。
【0110】
より具体的に説明すると、操作表示画面(LCD)52に表示されているメインメニューの中から、「1.自動運転」を選択すると、操作表示画面(LCD)52に表示されるメッセージに従うことにより、成形品の取り出し装置1の「自動運転」と、「自動運転の一時停止と解除」、「自動運転中の全体速度の変更」、「各部材装置のタイマー変更」、「ポジション速度変更」、及び、「位置微調整」の6つの操作ができるようになっている。
【0111】
尚、「ポジション速度変更」は、ロボット手段2が各ポジションに移動する速度を変更する際に使用するモードである。
又、「位置微調整」は、各ティーチング位置の微調整を行うモードであり、自動運転中に、F3キーを押し操作すれば、このモードに入ることができるようになっている。
【0112】
又、この装置1では、自動運転中に、「タイマー変更」、「ポジション速度変更」、及び、「位置微調整」を行った場合には、設定後に終了キー59を押すと、操作表示画面(LCD)52が、再び、自動運転中画面に戻るようにしてある。
更に、この装置1では、自動運転中の変更データをデータカードに保存できるようになっている。自動運転中の変更データをデータカードに保存する場合には、自動運転終了後に、後述する金型交換(メインメニューの「2.段取り換え」モードの下位階層中にあるモード)、金型登録(メインメニューの「4.設定」モードの下位階層中にあるモード)で行えるようにしてある。
【0113】
また、操作表示画面(LCD)52に表示されているメインメニューの中から、「2.段取り換え」を選択すると、操作表示画面(LCD)52に表示されるメッセージに従うことにより、「1.チャック交換」、「2.金型交換」、「3.確認運転」、「4.チャック交換設定」、「5.パレタイズ初期化」及び「6.初期排出個数」の6項目の作業を行えるようになっている。
【0114】
「1.チャック交換」は、チャック手段を変更する時に使用するモードであり、「2.金型交換」は、金型データを変更する時に使用するモードであり、「3.確認運転」は、金型データを変更後、又は、動作設定(メインメニューの「4.設定」モードの下位階層中にあるモード)後、自動運転を開始する前に、ロボット手段2の運転動作を確認する時に使用するモードであり、「4.チャック交換設定」は、チャック手段2を交換するチャック交換位置をティーチングする際に使用するモードであり、「5.パレタイズ初期化」は、装置1の電源投入時またはパレット交換時などに、パレタイズを最初から行いたい場合に使用するモードであり、又、「6.初期排出個数」は、自動運転開始直後の初期に製造される成形品の排出個数を設定する際に使用するモードである。
【0115】
また、操作表示画面(LCD)52に表示されているメインメニューの中から、「3.手動操作」を選択すると、操作表示画面(LCD)52に表示されるメッセージに従うことにより、「1.軸操作」、「2.バルブ操作」、「3.成形機信号」及び「4.周辺機器」の6項目の作業を手動で行えるようになっている。
【0116】
また、操作表示画面(LCD)52に表示されているメインメニューの中から、「4.設定」を選択すると、操作表示画面(LCD)52に表示されるメッセージに従うことにより、「1.金型登録」、「2.動作設定」、「3.ティーチング」、「4.検知設定」等の項目の作業を行えるようになっている。
「1.金型登録」は、この装置1に、金型を新規登録する場合に、その名称を登録する際に使用するモードである。
【0117】
「2.動作設定」を選択すると、「1.軸選択」、「2.バルブ選択」、「3.標準動作」等の4項目の作業が行えるようになっている。
尚、「1.軸選択」は、動作させる軸を選択する際に使用するモードであり、操作表示画面(LCD)52に表示されるメッセージに従うことにより、動作させる軸を選択する際に使用するモードである。
【0118】
「2.バルブ選択」は、ロボット手段2に装着されている各バルブの使用、不使用を選択する際に使用するモードである。
「3.標準動作」は、ロボット手段2に、教示点をティーチングする際に使用するモードであり、このモードを選択すると、「1.製品位置」、「2.待機位置」、「3.製品開放位置」、「4.スプル開放位置」、「5.ランナ開放位置」、「6.取り出し動作」等の11項目の動作の設定作業が行えるようになっている。
【0119】
また、「3.ティーチング」は、金型データ(動作設定)に必要な、取出動作の各教示点を、ティーチングする際に使用するモードである。
尚、この装置1では、ティーチング操作は、現在値方式(記憶手段に記憶させる教示点に、実際に、ロボット手段2を移動させて、ロボット手段2に教示点をティーチングする方法)と、設定値方式(ロボット手段2を移動させずに、操作表示画面52において、ステップ選択操作と、数値入力キー群(0〜9)を使用して、直接、操作表示画面52に表示されているティーチング画面(図6(c)を参照)に、教示点の数値を入れる方法)とを選択できるようになっている。
【0120】
図7は、この成形品の取り出し装置1のロボット手段2に、型内R1の教示点をティーチングする際に、ハンディコンソール装置51の操作表示画面52に表示されるメッセージを示す図であり、又、図8は、この成形品の取り出し装置1のロボット手段2に教示点をティーチングする際の手順を示すフローチャートである。
【0121】
まず、ロボット手段2に、型内R1の動作をティーチングする手順について説明する。
この成形品の取り出し装置1では、ロボット手段2に教示点をティーチングする際には、まず、「4.設定」を選択する(図6(a)を参照)。
次ぎに、使用する金型名を選択または登録した後、メインメニューの中から、次に、「4.設定」を選択することにより、操作表示画面52に表示される、次画面の中から、カーソル移動キー群55を操作して、「3.ティーチング」を選択し(図6(b)を参照)、その後、確定キー60を押し操作すると、操作表示画面52が、ティーチング画面に切り換わる(図6(c)を参照)。
【0122】
ロボット手段2のティーチングは、メインメニューの中から、2.動作設定を選択し、3.標準動作を選択すれば、予め、この装置1において規定した動作に従った、ティーチングが行えるようになっている。
この場合のティーチング操作は、製品操作マニュアルにガイドに従って行う。
この装置1では、ロボット手段2に、L動作、F動作、U動作の3つの異なるパターンの動作をティーチングできるようになっている。
【0123】
より詳しく説明すると、この装置1では、ロボット手段2のティーチングは、製品操作マニュアルに示される、図9、図10及び図11の方法で行っていくと、ロボット手段2に、L動作、F動作、U動作の3つの異なるパターンの動作をティーチングできるようになっている。
まず、図9に示すL動作をロボット手段2にティーチングする方法について説明する。
【0124】
図12は、図9に示すL動作の型内R1動作を模式的に示す図である。
図9の教示方法に従って、教示点をティーチングした場合、ロボット手段2は、型内R1において、図12に示すように、L字に動作するので、この装置1では、
図9の教示方法に従って、教示点をティーチングした場合のロボット手段2の動作を、L動作と称する。
【0125】
より詳しく説明すると、L動作では、ロボット手段2は、型内R1において、チャック位置教示点▲1▼、引抜位置教示点▲2▼、金型上待機位置教示点▲3▼、横行開始位置教示点▲4▼の4つの教示点によって動作するようにされており、型内R1において、金型上待機位置教示点▲3▼、引抜位置教示点▲2▼、チャック位置教示点▲1▼、引抜位置教示点▲2▼、横行開始位置教示点▲4▼の順に従って動作するようにすると、ロボット手段が略L字形状に動作するようにされている。
【0126】
即ち、L動作では、チャック位置教示点▲1▼の座標を(x1、y1、z1)とすると、引抜位置教示点▲2▼の座標が(x1、y2、z1)の関係にあり、金型上待機位置教示点▲3▼の座標が(x1、y2、z3)の関係にあり、横行開始位置教示点▲4▼の座標が(x1、y2、z4)の関係に設定される。
次に、作業担当者Pが、型内R1におけるロボット手段2の動作として、L動作を選択した場合を、ロボット手段2の教示点を、現在値方式により、ティーチングする手順を、以下に説明する(図8のステップS1〜ステップS4を参照)。
【0127】
図13、図14、図15及び図16の各々は、制御手段3の記憶手段に記憶される制御テーブルが作成される様子を模式的に示す図である。
又、図17は、図8中、L動作テーブルの作成部分(図8に示すステップS4)を、更に詳しく説明するフローチャートである。
また、図18は、操作表示画面52に表示されるメッセージを概略的に示す図である。
【0128】
この場合、作業担当者Pは、先ず、操作表示画面52にメインメニューを表示させ、メインメニューの中から、「4.設定」を選択し、次画面で、「3.標準動作」を選択し、次画面に表示される、各設定項目を設定していく。
より具体的に説明すると、例えば、ここでは、成形品を可動プレート側から取り出すように設定する場合には、「1.製品位置」を選択し、製品位置を、「移動側」に設定するなど、L動作に必要な設定を行う(図18(a)を参照)。
【0129】
次いで、「6.取り出し操作」を選択し、取り出し動作を「L動作」にする。
次ぎに、図9に示す手順に従って、ロボット手段2を、実際に動かして、まず、チャック位置教示点▲1▼をティーチングし、引抜位置教示点▲2▼をティーチングし、金型上待機位置教示点▲3▼をティーチングし、最後に、横行開始位置教示点▲4▼をティーチングする。
【0130】
尚、この順に、教示点▲1▼〜▲4▼をティーチングすると、ロボット手段2に、教示点をティーチングする際に、ロボット手段2を、X軸、Y軸及びZ軸の3軸成分を変化させて、チャック位置教示点▲1▼をティーチングした後は、引抜位置教示点▲2▼をティーチングする際には、ロボット手段2のY軸成分のみを変化させればよく、また、金型上待機位置教示点▲3▼及び横行開始位置教示点▲4▼をティーチングする際には、引抜位置教示点▲2▼をティーチングした後、ロボット手段2のZ軸成分のみを変化させればよいので、ロボット手段2のティーチング操作を簡単に行える。
【0131】
以上の操作により、空の生データテーブル(図13を参照)に、チャック位置教示点▲1▼の座標(x1、y1、z1)、引抜位置教示点▲2▼の座標(x2、y2、z2)、金型上待機位置教示点▲3▼の座標(x3、y3、z3)及び横行開始位置教示点▲4▼の座標(x4、y4、z4)が入力される(図14を参照)。
この装置1には、図15のようなL方程式テーブルが予め作成されており、このL方程式テーブルが、制御手段3の記憶手段に予め記憶されている。
【0132】
この装置1のL方程式テーブルには、図15に示すように、チャック位置教示点▲1▼のX軸位置のセルが行列式(A、1)、Y軸位置のセルが行列式(B、1)、Z軸位置のセルが行列式(C、1)で規定されており、セル(A、1)には、ロボット手段2を、実際に動かして決定したチャック位置教示点▲1▼のX軸位置(x1)が、セル(B、1)には、ロボット手段2を、実際に動かして決定したチャック位置教示点▲1▼のY軸位置(y1)が、又、セル(C、1)には、ロボット手段2を、実際に動かして決定したチャック位置教示点▲1▼のZ軸位置(z1)が、各々、入力されるようになっている。
【0133】
また、引抜位置教示点▲2▼のX軸位置のセル(A、2)には、「セル(A、1)の数値をコピーしなさい。」との命令が、Z軸位置のセル(C、2)には、「セル(C、1)の数値をコピーしなさい。」との命令が入力されている。
また、金型上待機位置教示点▲3▼のX軸位置のセル(A、3)には、「セル(A、1)の数値をコピーしなさい。」との命令が、Y軸位置のセル(B、3)には、「セル(B、2)の数値をコピーしなさい。」との命令が入力されている。
【0134】
また、横行開始位置教示点▲4▼のX軸位置のセル(A、4)には、「セル(A、1)の数値をコピーしなさい。」との命令が、Y軸位置のセル(B、4)には、「セル(B、2)の数値をコピーしなさい。」との命令が入力されている。
そして、この装置1では、ロボット手段2のティーチングが終了すると、L方程式テーブルに従って、生データテーブルの、引抜位置教示点▲2▼のX軸位置(x2)が、チャック位置教示点▲1▼のX軸位置(x1)に書き換えられ(x2→x1)、引抜位置教示点▲2▼のZ軸位置(z2)が、チャック位置教示点▲1▼のZ軸位置(z1)に書き換えられる(z2→z1)。
【0135】
また、金型上待機位置教示点▲3▼のX軸位置(x3)が、チャック位置教示点▲1▼のX軸位置(x1)に書き換えられ(x3→x1)、Y軸位置(y3)が、引抜位置教示点▲2▼のY軸位置(y2)に書き換えられる(y3→y2)。
また、横行開始位置教示点▲4▼のX軸位置(x4)が、チャック位置教示点▲1▼のX軸位置(x1)に書き換えられ(x4→x1)、Y軸位置(y4)が、引抜位置教示点▲2▼のY軸位置(y2)に書き換えられる(y4→y2)。
【0136】
その結果、図16に示すような、L動作テーブルが作成される。
以上の作業が終了したら、次に、ロボット手段2に型外R2の教示点をティーチングする。
図19は、ロボット手段2にティーチングする型外R2における教示点の一例を概略的に示す説明図である。
【0137】
ここでは、特殊動作として、成形品についているスプルをニッパ手段で切断できる機能をオプションとして設け、図9中の、13.不良品開放位置については、ティーチングしない例について説明する。
この場合は、ロボット手段2に、チャック手段4として、成形品チャック用チャック手段と、スプルチャック用チャック手段を取付け、型内外R1のチャック位置教示点▲1▼において、金型2により成形された成形品(例えば、図20に示すようなスプル32がついた状態の成形品33)を、成形品チャック用チャック手段でチャックし、スプルチャック用チャック手段で、金型2により成形された成形品33のスプル32をチャックするようにし、ニッパカット位置教示点▲6▼において、ニッパ手段(図20に示すニッパ手段31)により、成形品33のスプル32を切断するようにし、スプル32を切断することにより得られる製品を製品開放位置教示点▲8▼で、成形品チャック用チャック手段を開放することで、製品を所定の場所に取り出し、スプル開放教示点▲9▼で、スプルチャック用チャック手段を開放することで、スプルを所定の場所に取り出すことになる。
【0138】
この例では、図20に示すように、ニッパ手段31は、X軸レール21にL次形状の取付具により、X軸レール21に対して平行となるように取り付けられている。
また、図19中、ニッパカット退避位置教示点▲7▼は、ロボット手段2をニッパカット位置教示点へ移動させる前の位置を教示する教示点である。
【0139】
また、T1は、ニッパカット退避位置教示点▲7▼を教示すると、シーケンス制御により、ニッパカット退避位置教示点とは、X軸位置とY軸位置とが同じ関係にあり、Z軸位置が異なる関係にあるニッパカット退避位置教示点の上方の位置であり、T2は、製品開放位置教示点▲8▼を教示すると、シーケンス制御により、製品開放位置教示点▲8▼とは、X軸位置とY軸位置とが同じ関係にあり、Z軸位置が異なる関係にある製品開放位置教示点▲8▼の上方の位置であり、また、T3は、スプル開放位置教示点▲9▼を教示すると、シーケンス制御により、スプル開放位置教示点▲9▼とは、X軸位置とY軸位置とが同じ関係にあり、Z軸位置が異なる関係にあるスプル開放位置教示点▲9▼の上方の位置である。
【0140】
まず、ロボット手段2に、ニッパカット位置教示点▲6▼とニッパカット退避位置教示点▲7▼とをティーチングを、以下に説明する。
図21、図22、図23及び図24の各々は、制御手段3の記憶手段に記憶される制御テーブルが作成される様子を模式的に示す図である。
この場合、作業担当者Pは、まず、特殊動作として設けた、成形品についているスプルをニッパ手段で切断する作業を、ロボット手段2にティーチングするため、ロボット手段2を、実際に動かして、まず、ニッパカット位置教示点▲6▼をティーチングし、次いで、ニッパカット退避位置教示点▲7▼をティーチングする。
【0141】
以上の操作により、空の生データテーブル(図21を参照)に、ニッパカット位置教示点▲6▼の座標(x6、y6、z6)及びニッパカット退避位置教示点▲7▼の座標(x7、y7、z7)が入力される(図22を参照)。
この装置1には、図23のような方程式テーブルが予め作成されており、この方程式テーブルが、制御手段3の記憶手段に予め記憶されている。
【0142】
この装置1の方程式テーブルには、図23に示すように、ニッパカット位置教示点▲6▼のX軸位置のセルが行列式(A、6)、Y軸位置のセルが行列式(B、6)、Z軸位置のセルが行列式(C、6)で規定されており、セル(A、6)には、ロボット手段2を、実際に動かして決定したチャック位置教示点▲1▼のX軸位置(x6)が、セル(B、6)には、ロボット手段2を、実際に動かして決定したチャック位置教示点▲1▼のY軸位置(y6)が、又、セル(C、6)には、ロボット手段2を、実際に動かして決定したチャック位置教示点▲1▼のZ軸位置(z6)が、各々、入力されるようになっている。
【0143】
また、ニッパカット退避位置教示点▲7▼のX軸位置のセル(A、7)には、「セル(A、6)の数値をコピーしなさい。」との命令が、Z軸位置のセル(C、7)には、「セル(C、6)の数値をコピーしなさい。」との命令が入力されている。
そして、この装置1では、ロボット手段2のティーチングが終了すると、方程式テーブルに従って、生データテーブルの、ニッパカット退避位置教示点▲7▼のX軸位置(x7)が、ニッパカット位置教示点▲6▼のX軸位置(x6)に書き換えられ、ニッパカット退避位置教示点▲7▼のZ軸位置(z7)が、ニッパカット位置教示点▲6▼のZ軸位置(z6)に書き換えられる。
【0144】
その結果、図24のような動作テーブルが作成され、これが、図16に示す、L動作テーブルに連結される。
また、図24のような動作テーブルが作成されると、シーケンス制御によって、ニッパカット退避位置教示点の上方の位置T1のX軸位置が、ニッパカット退避位置教示点▲7▼のX軸位置(x6)となり、Y軸位置が、ニッパカット退避位置教示点▲7▼のY軸位置(y7)となり、更に、Z軸位置が、横行開始位置教示点▲4▼のZ軸位置(z4)となるようにされている。
【0145】
次ぎに、作業担当者Pは、図9に示すL動作のガイドに従って、ロボット手段2を、実際に動かして、スプル開放位置教示点▲9▼をティーチングする。
この装置1では、スプル開放位置教示点▲9▼の座標(x9、y9、z9)が決まると、シーケンス制御によって、スプル開放位置教示点▲9▼の上方の位置T3のX軸位置が、スプル開放位置教示点▲9▼のX軸位置(x9)となり、Y軸位置が、スプル開放位置教示点▲9▼のY軸位置(y9)となり、更に、Z軸位置が、横行開始位置教示点▲4▼のZ軸位置(z4)となるようにされている。
【0146】
次ぎに、作業担当者Pは、図9に示すL動作のガイドに従って、ロボット手段2を、実際に動かして、製品開放位置教示点▲8▼をティーチングする。
この装置1では、製品開放位置教示点▲8▼の座標(x8、y8、z8)が決まると、シーケンス制御によって、製品開放位置教示点▲8▼の上方の位置T2のX軸位置が、製品開放位置教示点▲8▼のX軸位置(x8)となり、Y軸位置が、製品開放位置教示点▲8▼のY軸位置(y8)となり、更に、Z軸位置が、横行開始位置教示点▲4▼のZ軸位置(z4)となるようにされている。
【0147】
また、図9に示す、13.不良品開放位置についても、ティーチングする場合には、18.製品開放位置▲8▼をティーチングする前に、13.不良品開放位置教示点をティーチングすると、シーケンス制御によって、不良品開放位置教示点の上方の位置のX軸位置が、不良品開放位置教示点のX軸位置となり、Y軸位置が、不良品開放位置教示点のY軸位置となり、更に、Z軸位置が、横行開始位置教示点▲4▼のZ軸位置(z4)となるようにされている。
【0148】
以上の作業が終了した後、終了キー59を押し操作する。これにより、メインメニュー画面(図6(a)を参照)に戻るので、メインメニュー画面(図6(a)を参照)の中から、「2.段取り換え」を選択し、「2.段取り換え」を選択することにより、操作表示画面(LCD)52に表示される次画面の中から、「3.確認運転」を行う。
【0149】
この確認運転で、L動作テーブルの教示点に何等かの問題がある場合には、確認運転のモード中で、L動作テーブルの教示点を微調整するようにしてもよい。この場合、微調整は、設定値方式により、mm単位で行うことが好ましく、型内R1の微調整は、チャック位置教示点▲1▼についてのみできるようにすることが好ましい。
【0150】
即ち、外部入力手段による微調整は、チャック位置教示点▲1▼について行うだけとして、後は、L方程式テーブルにより、引抜位置教示点▲2▼、金型上待機位置教示点▲3▼、横行開始位置教示点▲4▼が書き換わるようにすれば、これにより、ロボット手段2による金型92から成形品の取り出し作業を、より一層、スムーズなものにする際の微調整も極めて容易なものとなる。
【0151】
また、型外R2の微調整は、ニッパ退避位置教示点を除く、全教示点でできるようにしている(図8に示すステップS7及び図17に示すステップSL6及びステップS7を参照)。
確認運転して、必要により微調整を行った後、メインメニュー画面(図6(a)を参照)に戻り、メインメニュー画面(図6(a)を参照)の中から、「4.設定」を選択し、「4.設定」を選択することにより、操作表示画面52に表示される、次画面の中から、「3.ティーチング」を選択し(図6(b)を参照)、その後、F5キーを押し操作すると、制御手段3の記憶手段又はデータカードに、金型データとして、L動作テーブルが記憶される(以上については、図8及び図17のステップS6〜S8を参照)。
【0152】
次に、以上により、制御手段3の記憶手段に記憶させたL動作テーブルに従って、ロボット手段2を自動運転する手順について詳しく説明する。
図25、図26及び図27は、メインメニューの中から、「1.自動運転」を選択した場合に、操作表示画面52に表示されるメッセージを概略的に示す図である。
【0153】
この場合、まず、装置1の電源を投入し、データカードを、データカードソケット66に差し込んで、データカードソケット66に記憶されている、金型2の金型データを制御手段3に読み込む。
次ぎに、操作表示画面(LCD)52の表示を、メインメニューにした後、メインメニューの中から、「1.自動運転」を選択し、確定キー60を押し操作する(図25(a)を参照)。
【0154】
すると、操作表示画面(LCD)52の表示が、自動準備画面に切り換わる(図25(b)を参照)。
ここで、F5キーを押すと、操作表示画面(LCD)52に、「安全を確認し、起動スイッチを押して下さい。」というメッセージが表示される(図25(c)を参照)。
【0155】
作業担当者Pが、このメッセージに従って、操作卓41の起動押釦スイッチ44を押し操作すると、操作表示画面(LCD)52に、「自動運転中」というメッセージが表示され(図26(a)を参照)、成形機91を立ち上げ、成形機91の自動運転を開始すると、ロボット手段2が、金型2が開いた時に、金型上待機位置教示点▲3▼からチャック位置教示点▲1▼に移動して、可動プレート92a内の成形品をチャック手段4の成形品チャック用チャック手段で成形品33をチャックし、スプルチャック用チャック手段で成形品33についているスプル32をチャックする。
【0156】
その後、ロボット手段2は、チャック位置教示点▲1▼から引抜位置教示点▲2▼に移動して、可動プレート92aから、成形品を引き抜く。
次いで、ロボット手段2は、引抜位置教示点▲2▼から横行開始位置教示点▲4▼に移動し、次いで、シーケンス制御により決定されるT1を通って、ニッパカット退避位置教示点▲7▼へ移動する。
【0157】
そして、ニッパカット退避位置教示点▲7▼からニッパカット位置教示点▲6▼へと移動する。ここで、ニッパ手段31により成形品33からスプル32が切断される。 スプル32が切断されることにより得られた製品は、成形品チャック用チャック手段によりチャックされたまま保持される。
また、成形品33から切断されたスプル32は、スプルチャック用チャック手段によりチャックされたまま保持される。
【0158】
次いで、ロボット手段2は、ニッパカット位置教示点▲6▼からニッパカット退避位置教示点▲7▼へ移動する。
更に、ロボット手段2は、ニッパカット退避位置教示点▲7▼からシーケンス制御により決定されるT1を通って、シーケンス制御により決定されるT2へと移動する。
【0159】
次ぎに、ロボット手段2は、シーケンス制御により決定されるT2から製品開放位置教示点▲8▼へと移動して、製品開放位置教示点▲8▼で、成形品チャック用チャック手段を開放する。これにより、製品が所定の場所に取り出される。
その後、ロボット手段2は、製品開放位置教示点▲8▼からシーケンス制御により決定されるT2を通って、シーケンス制御により決定されるT3へと移動する。
【0160】
次ぎに、ロボット手段2は、シーケンス制御により決定されるT3からスプル開放位置教示点▲9▼へと移動して、スプル開放位置教示点▲9▼で、スプルチャック用チャック手段を開放する。これにより、スプル32が所定の場所に取り出される。
その後、ロボット手段2は、スプル開放位置教示点▲9▼からシーケンス制御により決定されるT3を通って、横行開始位置教示点▲4▼へと移動する。
【0161】
尚、型外R2においては、ロボット手段2は、シーケンス制御により決定されるT1、T2、T3の各々の高さが、横行開始位置教示点▲4▼である限り、横行開始位置教示点▲4▼とT1との間、T1とT2との間、T2とT3との間、T3と横行開始位置教示点▲4▼との間は、X軸成分、Y軸成分を適宜変化させて、最短時間となるように移動すりょうにすればよい。
【0162】
この装置1では、金型2が型締めされ、金型2内で成形品が成形されている間に、ロボット手段2が、横行開始位置教示点▲4▼、ニッパカット位置教示点▲6▼、製品開放位置教示点▲8▼、スプル開放位置教示点▲9▼において、型外R2動作をし、金型上待機位置教示点▲3▼で、金型2が開かれることにより、可動プレート92a側にある、次の、成形品の取り出しを待つようにしている。
【0163】
また、自動運転中に、F1キーを押すと、自動運転が一時停止し、再度、F1キーを押すと、自動運転が再開するようにされている(図26(b)を参照)。
また、自動運転中に、F5キーを押すと、自動運転が停止するようにされている(図26(c)を参照)。
また、自動運転中に、ハンディコンソール装置51の速度+キー63、速度−キー64を押し操作すると、自動運転の全体の速度の変更をすることができるようになっている(図27(a)を参照)。
【0164】
また、自動運転中に、F2キーを押し操作すると、動作タイミングを合わせる各種タイマーの変更をすることができるようになっている。
また、自動運転中に、F3キーを押し操作すると、ハンディコンソール装置51の操作表示画面52が、速度設定画面に切り換わり、ロボット手段2が各ポジションに移動する速度を変更することができるようになっている。
【0165】
更に、自動運転中に、F3キーを押し操作すると、ハンディコンソール装置51の操作表示画面52が、位置微調整画面に切り換わり、各教示点の微調整ができるようになっている。
尚、この装置1では、1回の設定で最大9.9mmまで、微調整ができるようにになっており、また、位置微調整の可能な教示点は、型内R1では、チャック位置教示点▲1▼、型外R2では、ニッパカット退避位置教示点▲7▼を除く、全教示点で、微調整が可能としてある(図27(b)及び図27(c)を参照)。
【0166】
更に、自動運転中に、タイマー変更、ポジション速度変更、位置微調整を行った後には、設定後に、ハンディコンソール装置51の終了キー59を押して、操作表示画面52を、自動運転画面に戻すと、変更データが、終了キー59を押した後の次のサイクルより有効となるようにされている((図8及び図17に示すに示すステップS6〜S8を参照)。
【0167】
また、この装置1では、自動運転中の変更データをデータカードにバックアップする場合は、自動運転終了後に、「2.金型交換」(メインメニューの「2.段取り換え」の下位階層にある)の画面、又は、「1.金型登録」(メインメニューの「4.設定」の下位階層にある)の画面で行えるようになっている(図5を参照)。
【0168】
この成形品の取り出し装置1では、記憶手段に、ロボット手段2の教示点を記憶させる際には、チャック位置教示点▲1▼、引抜位置教示点▲2▼、金型上待機位置教示点▲3▼、横行開始位置教示点▲4▼の順に教示を行い、記憶手段に、これらの教示点を記憶させた後、記憶手段に記憶させたチャック位置教示点▲1▼のX軸位置(x1)、Y軸位置(y1)及びZ軸位置(z1)を基準位置として、記憶手段に記憶させた引抜位置教示点▲2▼のX軸位置(x2)を、記憶手段に記憶させたチャック位置教示点のX軸位置(x1)に書換えし(x2→x1)、記憶手段に記憶させた引抜位置教示点のZ軸位置(z2)を、記憶手段に記憶させたチャック位置教示点のZ軸位置(z1)に書換えするようにしている(z2→z1)。
【0169】
これにより、ロボット手段2は、位置が変化しないX軸とZ軸とによって規定される平面内、より具体的には、チャック位置教示点▲1▼のX軸位置(x1)とチャック位置教示点▲2▼のZ軸位置(z1)とにより規定される平面内を、位置が変化するY軸方向にのみ、チャック位置教示点▲1▼から引抜位置教示点▲2▼へと移動する。
【0170】
即ち、ロボット手段2の、金型92の可動プレート92aから成形品を引き抜く方向が、金型92を構成する固定プレート92bの可動プレート92aに接合する表面、又は、金型92を構成する可動プレート92aの固定プレート92bに接合する表面に、水平方向に直交する方向と一致することとなる。
このため、金型92の可動プレート92aから成形品を引き抜く際に、成形品が、金型を構成する可動プレート92aに対して、斜め方向に引き抜かれることがないので、成形品が、可動プレート92aにこすれないので、成形品が可動プレート92aにこすれて壊れたり、可動プレート92aが成形品によって壊れたりしない。また、成形品が可動プレート92aにこすれないため、チャック手段4が、成形品を落下してしまうというチャックミスも起こり難くなる。
【0171】
また、記憶手段に記憶させた金型上待機位置教示点▲3▼のX軸位置(x3)を、記憶手段に記憶させたチャック位置教示点▲1▼のX軸位置(x1)に書換えしているので(x3→x1)、金型上待機位置教示点▲3▼が、チャック位置教示点▲1▼のX軸位置(x1)の真上に位置する。
更に、記憶手段に記憶させた横行開始位置教示点▲4▼のX軸位置(x4)を、記憶手段に記憶させたチャック位置教示点▲1▼のX軸位置(x1)に書換えしているので(x4→x1)、横行開始位置教示点▲4▼も、チャック位置教示点▲1▼のX軸位置の真上に位置する。
【0172】
これにより、ロボット手段2は、型内R1において、金型上待機位置教示点▲3▼、チャック位置教示点▲1▼、引抜位置教示点▲2▼、横行開始位置教示点▲4▼の順に従って、チャック位置教示点▲1▼のX軸位置(x1)とZ軸位置(z1)とによって規定される平面内を、直線移動及び直角移動をする。これにより、X軸、Y軸及びZ軸の3軸方向に移動可能に設けられたロボット手段2は、型内R1において、斜行することがないため、ロボット手段2が、金型にぶつかるという事故も生じ難くなる。
【0173】
更には、ロボット手段2の型内R1動作は、Y軸成分のみが変化する場合と、Z軸成分が変化する場合のいずれかの動作となるため、2軸成分又は3軸成分を変化させる場合に比べ、制御手段3のデータ処理に要する時間を速くすることができる。
しかも、ロボット手段2の上記4つの教示点▲1▼▲2▼▲3▼▲4▼に従う動作が、Y軸方向成分及びZ軸方向成分のみとなるため、ロボット手段2の動作として、3軸成分全てを用いる場合に比べ、金型92に振動が生じ難くなる。
【0174】
更に、この成形品の取り出し装置1では、少なくとも、制御手段3を用いて書き換えた後の、チャック位置教示点▲1▼を更に書き換えることができるようにしたので、ロボット手段2を、制御手段3を用いて書き換えた後の、各教示点▲1▼▲2▼▲3▼▲4▼に従って、確認運転させて、不都合があれば、外部入力手段51により、チャック位置教示点▲2▼を書き換える(微調整する)ことで、ロボット手段2による金型92から成形品の取り出し作業を、より一層、スムーズなものにすることができる。
【0175】
なお、この例では、成形品を可動プレート92a側から取り出す例について説明したが、これは例示であって、成形品を固定プレート92b側から取り出す場合についても、例えば、図18(a)に示す画面において、「1.製品位置」を選択し、製品位置を「固定側」とすれば、後は、上記と同様のティーチング手順により、固定プレート92b側から成形品を、L動作により取り出すようにすることができることは、言うまでもない。
【0176】
次ぎに、図10に示すF動作をロボット手段2にティーチングする方法について説明する。
図28は、図10に示すF動作の型内R1動作を模式的に示す図である。
図10の教示方法に従って、教示点をティーチングした場合、ロボット手段2は、型内R1において、図28に示すように、横に寝かしたF字に動作するので、この装置1では、図10の教示方法に従って、教示点をティーチングした場合のロボット手段2の動作を、F動作と称する。
【0177】
より詳しく説明すると、F動作では、ロボット手段2は、型内R1において、チャック位置教示点▲1▼、チャック位置への接近開始位置教示点▲2▼、引抜位置教示点▲3▼、金型上待機位置教示点▲4▼、横行開始位置教示点▲5▼の5つの教示点によって動作するようにされており、型内R1において、金型上待機位置教示点▲4▼、チャック位置への接近開始位置教示点▲2▼、チャック位置教示点▲1▼、引抜位置教示点▲3▼、横行開始位置教示点▲5▼の順に従って動作するようにすると、ロボット手段が略F字形状に動作するようにされている。
【0178】
即ち、F動作では、チャック位置教示点▲1▼の座標を(x1、y1、z1)とすると、チャック位置への接近開始位置教示点▲2▼の座標が(x1、y2、z1)の関係にあり、引抜位置教示点▲3▼の座標が(x1、y3、z1)の関係にあり、金型上待機位置教示点▲4▼の座標が(x1、y2、z4)の関係にあり、横行開始位置教示点▲5▼の座標が(x1、y5、z5)の関係に設定される。
【0179】
次に、作業担当者Pが、型内R1におけるロボット手段2の動作として、F動作を選択した場合を、ロボット手段2の教示点を、現在値方式により、ティーチングする手順を、以下に説明する(図8のステップS1〜S3及びステップS9を参照)。
図29、図30、図31及び図32の各々は、制御手段3の記憶手段に記憶される制御テーブルが作成される様子を模式的に示す図である。
【0180】
又、図33は、図8中、F動作テーブルの作成部分(図8に示すステップS9)を、更に詳しく説明するフローチャートである。
この場合、作業担当者Pは、先ず、操作表示画面52にメインメニューを表示させ、メインメニューの中から、「4.設定」を選択し、次画面で、「3.標準動作」を選択し、次画面に表示される、各設定項目を設定していく。
【0181】
より具体的に説明すると、例えば、ここでは、成形品を可動プレート側から取り出すように設定する場合には、「1.製品位置」を選択し、製品位置を、「移動側」に設定するなど、F動作に必要な設定を行う(図18(a)を参照)。
次いで、「6.取り出し操作」を選択し、取り出し動作を「F動作」にする。
次ぎに、図10に示す手順に従って、ロボット手段2を、実際に動かして、まず、チャック位置教示点▲1▼をティーチングし、チャック位置への接近開始位置教示点▲2▼をティーチングし、引抜位置教示点▲3▼をティーチングし、仮金型上待機位置教示点▲4▼’をティーチングし、横行開始位置教示点▲5▼をティーチングする。
【0182】
尚、仮金型上待機位置教示点▲4▼’は、引抜位置教示点▲3▼とは、X軸位置及びY軸位置の各々が同じ位置関係にあり、Z軸位置のみが異なる関係にある位置を教示する教示点を意味する。
尚、この順に、教示点▲1▼〜▲4▼’及び▲5▼をティーチングすると、ロボット手段2に、教示点をティーチングする際に、ロボット手段2を、X軸、Y軸及びZ軸の3軸成分を変化させて、チャック位置教示点▲1▼をティーチングした後は、チャック位置への接近開始位置教示点▲2▼をティーチングする際には、ロボット手段2のY軸成分のみを変化させればよく、引抜位置教示点▲3▼をティーチングする際にも、ロボット手段2のY軸成分のみを変化させればよく、また、仮金型上待機位置教示点▲4▼’及び横行開始位置教示点▲5▼をティーチングする際には、引抜位置教示点▲2▼をティーチングした後、ロボット手段2のZ軸成分のみを変化させればよいので、ロボット手段2のティーチング操作を簡単に行える。
【0183】
以上の操作により、空の生データテーブル(図29を参照)に、チャック位置教示点▲1▼の座標(x1、y1、z1)、チャック位置への接近開始位置教示点▲2▼の座標(x2、y2、z2)、引抜位置教示点▲3▼の座標(x3、y3、z3)、仮金型上待機位置教示点▲4▼’の座標(x4、y4、z4)及び横行開始位置教示点▲5▼の座標(x5、y5、z5)が入力される(図30を参照)。
【0184】
この装置1には、図31のようなF方程式テーブルが予め作成されており、このF方程式テーブルが、制御手段3の記憶手段に予め記憶されている。
この装置1のF方程式テーブルには、図31に示すように、チャック位置教示点▲1▼のX軸位置のセルが行列式(A、1)、Y軸位置のセルが行列式(B、1)、Z軸位置のセルが行列式(C、1)で規定されており、セル(A、1)には、ロボット手段2を、実際に動かして決定したチャック位置教示点▲1▼のX軸位置(x1)が、セル(B、1)には、ロボット手段2を、実際に動かして決定したチャック位置教示点▲1▼のY軸位置(y1)が、又、セル(C、1)には、ロボット手段2を、実際に動かして決定したチャック位置教示点▲1▼のZ軸位置(z1)が、各々、入力されるようになっている。
【0185】
また、チャック位置への接近開始位置教示点▲2▼のX軸位置のセル(A、2)には、「セル(A、1)の数値をコピーしなさい。」との命令が、Z軸位置のセル(C、2)には、「セル(C、1)の数値をコピーしなさい。」との命令が入力されている。
また、引抜位置教示点▲3▼のX軸位置のセル(A、3)には、「セル(A、1)の数値をコピーしなさい。」との命令が、Z軸位置のセル(C、3)には、「セル(C、1)の数値をコピーしなさい。」との命令が入力されている。
【0186】
また、金型上待機位置教示点▲4▼のX軸位置のセル(A、4)には、「セル(A、1)の数値をコピーしなさい。」との命令が、Y軸位置のセル(B、4)には、「セル(B、2)の数値をコピーしなさい。」との命令が入力されている。
また、横行開始位置教示点▲5▼のX軸位置のセル(A、5)には、「セル(A、1)の数値をコピーしなさい。」との命令が入力されている。
【0187】
そして、この装置1では、ロボット手段2のティーチングが終了すると、F方程式テーブルに従って、生データテーブルの、チャック位置への接近開始位置教示点▲2▼のX軸位置(x2)が、チャック位置教示点▲1▼のX軸位置(x1)に書き換えられ(x2→x1)、チャック位置への接近開始位置教示点▲2▼のZ軸位置(z2)が、チャック位置教示点▲1▼のz軸位置(z1)に書き換えられ(z2→z1)、引抜位置教示点▲3▼のX軸位置(x3)が、チャック位置教示点▲1▼のX軸位置(x1)に書き換えられ(x3→x1)、引抜位置教示点▲3▼のZ軸位置(z3)が、チャック位置教示点▲1▼のZ軸位置(z1)に書き換えられる(z3→z1)。
【0188】
且つ、金型上待機位置教示点▲4▼のX軸位置を、記憶手段に記憶させたチャック位置教示点▲1▼のX軸位置(x1)を書き込むことにより作成し、金型上待機位置教示点▲4▼のY軸位置を、記憶手段に記憶させたチャック位置への接近開始位置教示点▲2▼のY軸位置(y2)を書き込むことにより作成し、金型上待機位置教示点のZ軸位置を、引抜位置教示点▲3▼上の仮金型上待機位置教示点▲4▼’のZ軸位置に書き込むことにより作成する。
【0189】
また、横行開始位置教示点▲5▼のX軸位置(x5)が、チャック位置教示点▲1▼のX軸位置(x1)に書き換えられる(x5→x1)。
その結果、図32に示すような、F動作テーブルが作成される。
以上の作業が終了したら、次に、ロボット手段2に型外R2の教示点をティーチングする。
【0190】
尚、F動作を選択した場合の、ロボット手段2に型外R2の教示点をティーチング手順は、L動作を選択した場合の、ロボット手段2に型外R2の教示点をティーチング手順と同様であるので、ここでの説明は省略する。
以上の作業が終了した後、終了キー59を押し操作する。これにより、メインメニュー画面(図6(a)を参照)に戻るので、メインメニュー画面(図6(a)を参照)の中から、「2.段取り換え」を選択し、「2.段取り換え」を選択することにより、操作表示画面(LCD)52に表示される次画面の中から、「3.確認運転」を行う。
【0191】
この確認運転で、F動作テーブルの教示点に何等かの問題がある場合には、確認運転のモード中で、F動作テーブルの教示点を微調整するようにしてもよい。この場合は、微調整は、設定値方式により、mm単位で行うのが好ましく、型内R1の微調整は、チャック位置教示点▲1▼についてのみできるようにすることが好ましい。
【0192】
即ち、外部入力手段による微調整は、チャック位置教示点▲1▼について行うだけとして、後は、F方程式テーブルにより、チャック位置への接近開始位置教示点▲2▼、引抜位置教示点▲3▼、金型上待機位置教示点▲4▼、横行開始位置教示点▲5▼が書き換わるようにすれば、ロボット手段2による金型92から成形品の取り出し作業を、より一層、スムーズなものにする際の微調整も極めて容易なものとなる。
【0193】
また、型外R2の微調整は、ニッパカット退避位置教示点を除く、全教示点でできるようにしている(図8に示すステップS12及び図33に示すステップSF7及びステップS12を参照)。
確認運転して、必要により微調整を行った後、メインメニュー画面(図6(a)を参照)に戻り、メインメニュー画面(図6(a)を参照)の中から、「4.設定」を選択し、「4.設定」を選択することにより、操作表示画面52に表示される、次画面の中から、「3.ティーチング」を選択し(図6(b)を参照)、その後、F5キーを押し操作すると、制御手段3の記憶手段又はデータカードに、金型データとして、F動作テーブルが記憶される(以上については、図8及び図33のステップS11〜、S13を参照)。
【0194】
次に、以上により、制御手段3の記憶手段に記憶させたF動作テーブルに従って、ロボット手段2を自動運転する手順について詳しく説明する。
この場合、まず、装置1の電源を投入し、データカードを、データカードソケット66に差し込んで、データカードソケット66に記憶されている、金型2の金型データを制御手段3に読み込む。
【0195】
次ぎに、操作表示画面(LCD)52の表示を、メインメニューにした後、メインメニューの中から、「1.自動運転」を選択し、確定キー60を押し操作する(図25(a)を参照)。
すると、操作表示画面(LCD)52の表示が、自動準備画面に切り換わる(図25(b)を参照)。
【0196】
ここで、F5キーを押すと、操作表示画面(LCD)52に、「安全を確認し、起動スイッチを押して下さい。」というメッセージが表示される(図25(c)を参照)。
作業担当者Pが、このメッセージに従って、操作卓41の起動押釦スイッチ44を押し操作すると、操作表示画面(LCD)52に、「自動運転中」というメッセージが表示され(図26(a)を参照)、成形機91を立ち上げ、成形機91の自動運転を開始すると、ロボット手段2が、金型2が開いた時に、金型上待機位置教示点▲4▼から、チャック位置への接近開始位置教示点▲2▼に移動する。
【0197】
次ぎに、ロボット手段2は、チャック位置への接近開始位置教示点▲2▼からチャック位置教示点▲1▼に移動して、可動プレート92a内の成形品をチャック手段4の成形品チャック用チャック手段で成形品33をチャックし、スプルチャック用チャック手段で成形品33についているスプル32をチャックする。
その後、ロボット手段2は、チャック位置教示点▲1▼から引抜位置教示点▲3▼に移動して、可動プレート92aから、成形品を引き抜く。
【0198】
次いで、ロボット手段2は、引抜位置教示点▲3▼から横行開始位置教示点▲5▼に移動し、次いで、シーケンス制御により決定されるT1を通って、ニッパカット退避位置教示点▲7▼へ移動する。
そして、ニッパカット退避位置教示点▲7▼からニッパカット位置教示点▲6▼へと移動する。ここで、ニッパ手段31により成形品33からスプル32が切断される。 スプル32が切断されることにより得られた製品は、成形品チャック用チャック手段によりチャックされたまま保持される。
【0199】
また、成形品33から切断されたスプル32は、スプルチャック用チャック手段によりチャックされたまま保持される。
次いで、ロボット手段2は、ニッパカット位置教示点▲6▼からニッパカット退避位置教示点▲7▼へ移動する。
更に、ロボット手段2は、ニッパカット退避位置教示点▲7▼からシーケンス制御により決定されるT1を通って、シーケンス制御により決定されるT2へと移動する。
【0200】
次ぎに、ロボット手段2は、シーケンス制御により決定されるT2から製品開放位置教示点▲8▼へと移動して、製品開放位置教示点▲8▼で、成形品チャック用チャック手段を開放する。これにより、製品が所定の場所に取り出される。
その後、ロボット手段2は、製品開放位置教示点▲8▼からシーケンス制御により決定されるT2を通って、シーケンス制御により決定されるT3へと移動する。
【0201】
次ぎに、ロボット手段2は、シーケンス制御により決定されるT3からスプル開放位置教示点▲9▼へと移動して、スプル開放位置教示点▲9▼で、スプルチャック用チャック手段を開放する。これにより、スプル32が所定の場所に取り出される。
その後、ロボット手段2は、スプル開放位置教示点▲9▼からシーケンス制御により決定されるT3を通って、横行開始位置教示点▲5▼へと移動する。
【0202】
この装置1では、金型2が型締めされ、金型2内で成形品が成形されている間に、ロボット手段2が、横行開始位置教示点▲5▼、ニッパカット位置教示点▲6▼、製品開放位置教示点▲8▼、スプル開放位置教示点▲9▼において、型外R2動作をし、金型上待機位置教示点▲4▼で、金型2が開かれることにより、可動プレート92a側にある、次の、成形品の取り出しを待つようにしている。
【0203】
また、自動運転中に、F3キーを押し操作すると、ハンディコンソール装置51の操作表示画面52が、位置微調整画面に切り換わり、各教示点の微調整ができるようになっている。
尚、この装置1では、1回の設定で最大9.9mmまで、微調整ができるようにになっており、また、位置微調整の可能な教示点は、型内R1では、チャック位置教示点▲1▼、型外R2では、全教示点で、微調整が可能としてある。
【0204】
更に、自動運転中に、タイマー変更、ポジション速度変更、位置微調整を行った後には、設定後に、ハンディコンソール装置51の終了キー59を押して、操作表示画面52を、自動運転画面に戻すと、変更データが、終了キー59を押した後の次のサイクルより有効となるようにされている((図8及び図33に示すに示すステップS11〜S13を参照)。
【0205】
また、自動運転中の変更データをデータカードにバックアップする場合は、自動運転終了後に、「2.金型交換」(メインメニューの「2.段取り換え」の下位階層にある)の画面、又は、「1.金型登録」(メインメニューの「4.設定」の下位階層にある)の画面で行う(図5を参照)。
この成形品の取り出し装置1では、実際に教示点をティーチングする際には、引抜位置教示点▲3▼を教示した後は、引抜位置教示点▲3▼とは、Z軸位置のみが異なる位置関係にある仮金型上待機位置教示点▲4▼’をティーチングすれば、チャック位置への接近開始位置教示点▲2▼とは、X軸位置とY軸位置とが同じ位置関係にあり、Z軸が異なる位置関係にある金型上待機位置教示点▲4▼をティーチングできるようにしているので、引抜位置教示点▲3▼とは、Y軸位置とZ軸位置とがともに異なる位置関係(即ち、チャック位置への接近開始位置教示点▲2▼とは、Z軸位置のみが異なる位置関係)にある金型上待機位置教示点▲4▼にロボット手段2を移動させて、金型上待機位置教示点▲4▼をティーチングする場合に比べ、ティーチング作業を容易に行うことができる。
【0206】
即ち、この成形品の取り出し装置1では、記憶手段に記憶させた、仮金型上待機位置教示点▲4▼’のX軸位置(x4)を、記憶手段に記憶させた、チャック位置教示点のX軸位置(x1)に書換えし(x4→x1)、且つ、記憶手段に記憶させた、仮金型上待機位置教示点▲4▼’のY軸位置(y4)を、記憶手段に記憶させた、チャック位置教示点▲1▼のY軸位置(y1)に書換えし(y4→y1)、仮金型上待機位置教示点▲4▼’のZ軸位置(z4)をそのまま保存し、仮金型上待機位置教示点▲4▼’を、金型上待機位置教示点▲4▼に変換している。
【0207】
更に、この成形品の取り出し装置1では、記憶手段に、ロボット手段2の教示点を記憶させる際には、チャック位置教示点▲1▼、チャック位置への接近開始位置教示点▲2▼、引抜位置教示点▲3▼、仮金型上待機位置教示点▲4▼’、横行開始位置教示点▲5▼の順に教示を行い、記憶手段に、これらの教示点▲1▼▲2▼▲3▼▲4▼’▲5▼を記憶させた後、以下の書換えを行うようにしている。
【0208】
記憶手段に記憶させた、チャック位置への接近開始位置教示点▲2▼のX軸位置(x2)を、記憶手段に記憶させたチャック位置教示点▲1▼のX軸位置(x1)に書換えし(x2→x1)、且つ、記憶手段に記憶させたチャック位置への接近開始位置教示点▲2▼のZ軸位置(z2)を、記憶手段に記憶させたチャック位置教示点▲1▼のZ軸位置(z1)に書換えしている(z2→z1)。
【0209】
これにより、チャック位置への接近開始位置教示点▲2▼とチャック位置教示点▲1▼との関係が、Y軸位置のみが変化する関係になる。
また、記憶手段に記憶させた引抜位置教示点▲3▼のX軸位置(x3)を、記憶手段に記憶させたチャック位置教示点▲1▼のX軸位置(x1)に書換えし(x3→x1)、且つ、記憶手段に記憶させた引抜位置教示点▲3▼のZ軸位置(z3)を、記憶手段に記憶させたチャック位置教示点▲1▼のZ軸位置(z1)に書換えしている(z3→z1)。
【0210】
これにより、引抜位置教示点▲3▼とチャック位置教示点▲1▼との関係が、Y軸位置のみが変化する関係になる。且つ、引抜位置教示点▲3▼と、チャック位置への接近開始位置教示点▲2▼との関係も、Y軸位置のみが変化する関係になる。
更に、記憶手段に記憶させた金型上待機位置教示点▲4▼のX軸位置(x4)を、記憶手段に記憶させたチャック位置教示点▲1▼のX軸位置(x1)に書換えし(x4→x1)、且つ、記憶手段に記憶させた金型上待機位置教示点▲4▼のY軸位置(y4)を、記憶手段に記憶させたチャック位置への接近開始位置教示点▲2▼のY軸位置(y2)に書換えしている(y4→y2)。
【0211】
これにより、金型上待機位置教示点▲4▼と、チャック位置への接近開始位置教示点▲2▼との位置関係が、Y軸位置のみが変化する関係になる。
更に、記憶手段に記憶させた横行開始位置教示点▲5▼のX軸位置(x5)を、記憶手段に記憶させたチャック位置教示点▲1▼のX軸位置(x1)に書換えしている(x5→x1)。
【0212】
以上の書換え操作により、ロボット手段2は、型内R1において、金型上待機位置教示点▲4▼、チャック位置への接近開始位置教示点▲2▼、チャック位置教示点▲1▼、引抜位置教示点▲3▼、横行開始位置教示点▲5▼に従って、チャック位置教示点のX軸位置とZ軸とによって規定される平面内を、直線移動及び直角移動をする。
これにより、X軸、Y軸及びZ軸の3軸方向に移動可能に設けられたロボット手段2は、型内R1において、斜行することがないため、ロボット手段2が、金型92にぶつかるという事故も生じ難くなる。
【0213】
このため、金型92から成形品を引き抜く際に、成形品が、金型92を構成する可動プレート92a又は固定プレート92bに対して、斜め方向に引き抜かれることがないので、成形品が、金型92を構成する可動プレート92a又は固定プレート92bにこすれないので、成形品が可動プレート92a又は固定プレート92bにこすれて壊れたり、可動プレート92a又は固定プレート92bが成形品によって壊れたりしない。また、成形品が可動プレート92a又は固定プレート92bにこすれないため、チャック手段4が、成形品を落下してしまうというチャックミスも起こり難くなる。
【0214】
更には、ロボット手段2の型内R1動作は、Y軸成分のみが変化する場合と、Z軸成分が変化する場合のいずれかの動作となるため、2軸成分又は3軸成分を変化させる場合に比べ、制御手段3のデータ処理に要する時間を速くすることができる。
しかも、ロボット手段2の上記5つの教示点に従う動作が、Y軸方向成分及びZ軸方向成分のみとなるため、ロボット手段2の動作として、3軸成分全てを用いる場合に比べ、金型92に振動が生じ難くなる。
【0215】
次ぎに、図11に示すU動作をロボット手段2にティーチングする方法について説明する。
図34は、図11に示すU動作の型内R1動作を模式的に示す図である。
図11に示す教示方法に従って、教示点をティーチングした場合、ロボット手段2は、型内R1において、図34に示すように、略U字に動作するので、この装置1では、図11の教示方法に従って、教示点をティーチングした場合のロボット手段2の動作を、U動作と称する。
【0216】
より詳しく説明すると、U動作では、ロボット手段2は、型内R1において、金型上待機位置教示点▲3▼、チャック位置教示点▲1▼、引抜位置教示点▲2▼、横行開始位置教示点▲4▼の4つの教示点によって動作するようにされており、型内R1において、金型上待機位置教示点▲3▼、チャック位置教示点▲1▼、引抜位置教示点▲2▼、横行開始位置教示点▲4▼の順に従って動作するようにすると、ロボット手段が略U字形状に動作するようにされている。
【0217】
即ち、U動作では、チャック位置教示点▲1▼の座標を(x1、y1、z1)とすると、引抜位置教示点▲2▼の座標が(x1、y2、z1)の関係にあり、金型上待機位置教示点▲3▼の座標が(x1、y2、z3)の関係にあり、横行開始位置教示点▲4▼の座標が(x1、y4、z5)の関係に設定される。
次に、作業担当者Pが、型内R1におけるロボット手段2の動作として、U動作を選択した場合を、ロボット手段2の教示点を、現在値方式により、ティーチングする手順を、以下に説明する(図8のステップS1〜S3及びステップS14を参照)。
【0218】
図35、図36、図37及び図38の各々は、制御手段3の記憶手段に記憶される制御テーブルが作成される様子を模式的に示す図である。
又、図39は、図8中、U動作テーブルの作成部分(図8に示すステップS14)を、更に詳しく説明するフローチャートである。
この場合、作業担当者Pは、先ず、操作表示画面52にメインメニューを表示させ、メインメニューの中から、「4.設定」を選択し、次画面で、「3.標準動作」を選択し、次画面に表示される、各設定項目を設定していく。
【0219】
より具体的に説明すると、例えば、ここでは、成形品を可動プレート側から取り出すように設定する場合には、「1.製品位置」を選択し、製品位置を、「移動側」に設定するなど、U動作に必要な設定を行う(図18(a)を参照)。
次いで、「6.取り出し操作」を選択し、取り出し動作を「U動作」にする。
次ぎに、図11に示す手順に従って、ロボット手段2を、実際に動かして、まず、チャック位置教示点▲1▼をティーチングし、引抜位置教示点▲2▼をティーチングし、仮金型上待機位置教示点▲3▼’をティーチングし、横行開始位置教示点▲4▼をティーチングする。
【0220】
尚、仮金型上待機位置教示点▲3▼’は、引抜位置教示点▲2▼とは、X軸位置及びY軸位置の各々が同じ位置関係にあり、Z軸位置のみが異なる関係にある位置を教示する教示点を意味する。
尚、この順に、教示点▲1▼〜▲4▼’をティーチングすると、ロボット手段2に、教示点をティーチングする際に、ロボット手段2を、X軸、Y軸及びZ軸の3軸成分を変化させて、チャック位置教示点▲1▼をティーチングした後に、引抜位置教示点▲2▼をティーチングする際には、ロボット手段2のY軸成分のみを変化させればよく、引抜位置教示点▲2▼をティーチングした後に、仮金型上待機位置教示点▲3▼’及び横行開始位置教示点▲4▼をティーチングする際には、ロボット手段2のZ軸成分のみを変化させればよいので、ロボット手段2のティーチング操作を簡単に行える。
【0221】
以上の操作により、空の生データテーブル(図35を参照)に、チャック位置教示点▲1▼の座標(x1、y1、z1)、引抜位置教示点▲2▼の座標(x2、y2、z2)、仮金型上待機位置教示点▲3▼’の座標(x3、y3、z3)及び横行開始位置教示点▲4▼の座標(x4、y4、z4)が入力される(図36を参照)。
この装置1には、図37のようなU方程式テーブルが予め作成されており、このU方程式テーブルが、制御手段3の記憶手段に予め記憶されている。
【0222】
この装置1のU方程式テーブルには、図37に示すように、チャック位置教示点▲1▼のX軸位置のセルが行列式(A、1)、Y軸位置のセルが行列式(B、1)、Z軸位置のセルが行列式(C、1)で規定されており、セル(A、1)には、ロボット手段2を、実際に動かして決定したチャック位置教示点▲1▼のX軸位置(x1)が、セル(B、1)には、ロボット手段2を、実際に動かして決定したチャック位置教示点▲1▼のY軸位置(y1)が、又、セル(C、1)には、ロボット手段2を、実際に動かして決定したチャック位置教示点▲1▼のZ軸位置(z1)が、各々、入力されるようになっている。
【0223】
また、引抜位置教示点▲2▼のX軸位置のセル(A、2)には、「セル(A、1)の数値をコピーしなさい。」との命令が、Z軸位置のセル(C、2)には、「セル(C、1)の数値をコピーしなさい。」との命令が入力されている。
また、金型上待機位置教示点▲3▼のX軸位置のセル(A、3)には、「セル(A、1)の数値をコピーしなさい。」との命令が、Y軸位置のセル(B、3)には、「セル(B、1)の数値をコピーしなさい。」との命令が入力されている。
【0224】
また、横行開始位置教示点▲4▼のX軸位置のセル(A、4)には、「セル(A、1)の数値をコピーしなさい。」との命令が入力されている。
そして、この装置1では、ロボット手段2のティーチングが終了すると、U方程式テーブルに従って、生データテーブルの、引抜位置教示点▲2▼のX軸位置(x2)が、チャック位置教示点▲1▼のX軸位置(x1)に書き換えられ(x2→x1)、引抜位置教示点▲2▼のZ軸位置(z2)が、チャック位置教示点▲1▼のZ軸位置(z1)に書き換えられ(z2→z1)、金型上待機位置教示点▲3▼のX軸位置(x3)が、チャック位置教示点▲1▼のX軸位置(x1)に書き換えられる(x3→x1)。
【0225】
且つ、金型上待機位置教示点▲3▼のX軸位置を、記憶手段に記憶させたチャック位置教示点▲1▼のX軸位置(x1)を書き込むことにより作成し、金型上待機位置教示点▲3▼のY軸位置を、記憶手段に記憶させた引抜位置教示点▲2▼のY軸位置(y2)を書き込むことにより作成し、金型上待機位置教示点のZ軸位置を、引抜位置教示点▲2▼上の仮金型上待機位置教示点▲3▼’のZ軸位置に書き込むことにより作成する。
【0226】
且つ、横行開始位置教示点▲4▼のX軸位置(x4)が、チャック位置教示点▲1▼のX軸位置(x1)に書き換えられる(x4→x1)。
その結果、図38に示すような、U動作テーブルが作成される。
以上の作業が終了したら、次に、ロボット手段2に型外R2の教示点をティーチングする。
【0227】
尚、U動作を選択した場合の、ロボット手段2に型外R2の教示点をティーチング手順は、L動作を選択した場合の、ロボット手段2に型外R2の教示点をティーチング手順と同様であるので、ここでの説明は省略する。
以上の作業が終了した後、終了キー59を押し操作する。これにより、メインメニュー画面(図6(a)を参照)に戻るので、メインメニュー画面(図6(a)を参照)の中から、「2.段取り換え」を選択し、「2.段取り換え」を選択することにより、操作表示画面(LCD)52に表示される次画面の中から、「3.確認運転」を行う。
【0228】
この確認運転で、U動作テーブルの教示点に何等かの問題がある場合には、確認運転のモード中で、U動作テーブルの教示点を微調整するようにしてもよい。この場合、微調整は、設定値方式により、mm単位で行うことが好ましく、型内R1の微調整は、チャック位置教示点▲1▼についてのみできるようにすることが好ましい。
【0229】
即ち、外部入力手段による微調整は、チャック位置教示点▲1▼について行うだけとして、後は、U方程式テーブルにより、引抜位置教示点▲2▼、金型上待機位置教示点▲3▼、横行開始位置教示点▲4▼が書き換わるようにすれば、これにより、ロボット手段2による金型92から成形品の取り出し作業を、より一層、スムーズなものにする際の微調整も極めて容易なものとなる。
【0230】
また、型外R2の微調整は、ニッパカット退避位置教示点▲7▼を除く、全教示点でできるようにしている(図8に示すステップS17及び図33に示すステップSU6及びステップS17を参照)。
確認運転して、必要により微調整を行った後、メインメニュー画面(図6(a)を参照)に戻り、メインメニュー画面(図6(a)を参照)の中から、「4.設定」を選択し、「4.設定」を選択することにより、操作表示画面52に表示される、次画面の中から、「3.ティーチング」を選択し(図6(b)を参照)、その後、F5キーを押し操作すると、制御手段3の記憶手段又はデータカードに、金型データとして、U動作テーブルが記憶される(以上については、図8及び図39のステップS16〜、S18を参照)。
【0231】
次に、以上により、制御手段3の記憶手段に記憶させたU動作テーブルに従って、ロボット手段2を自動運転する手順について詳しく説明する。
この場合、まず、装置1の電源を投入し、データカードを、データカードソケット66に差し込んで、データカードソケット66に記憶されている、金型2の金型データを制御手段3に読み込む。
【0232】
次ぎに、操作表示画面(LCD)52の表示を、メインメニューにした後、メインメニューの中から、「1.自動運転」を選択し、確定キー60を押し操作する(図25(a)を参照)。
すると、操作表示画面(LCD)52の表示が、自動準備画面に切り換わる(図25(b)を参照)。
【0233】
ここで、F5キーを押すと、操作表示画面(LCD)52に、「安全を確認し、起動スイッチを押して下さい。」というメッセージが表示される(図25(c)を参照)。
作業担当者Pが、このメッセージに従って、操作卓41の起動押釦スイッチ44を押し操作すると、操作表示画面(LCD)52に、「自動運転中」というメッセージが表示され(図26(a)を参照)、成形機91を立ち上げ、成形機91の自動運転を開始すると、ロボット手段2が、金型2が開いた時に、金型上待機位置教示点▲3▼から、チャック位置教示点▲1▼に移動して、可動プレート92a内の成形品をチャック手段4の成形品チャック用チャック手段で成形品33をチャックし、スプルチャック用チャック手段で成形品33についているスプル32をチャックする。
【0234】
その後、ロボット手段2は、チャック位置教示点▲1▼から引抜位置教示点▲2▼に移動して、可動プレート92aから、成形品を引き抜く。
次いで、ロボット手段2は、引抜位置教示点▲2▼から横行開始位置教示点▲4▼に移動し、次いで、シーケンス制御により決定されるT1を通って、ニッパカット退避位置教示点▲7▼へ移動する。
【0235】
そして、ニッパカット退避位置教示点▲7▼からニッパカット位置教示点▲6▼へと移動する。ここで、ニッパ手段31により成形品33からスプル32が切断される。 スプル32が切断されることにより得られた製品は、成形品チャック用チャック手段によりチャックされたまま保持される。
また、成形品33から切断されたスプル32は、スプルチャック用チャック手段によりチャックされたまま保持される。
【0236】
次いで、ロボット手段2は、ニッパカット位置教示点▲6▼からニッパカット退避位置教示点▲7▼へ移動する。
更に、ロボット手段2は、ニッパカット退避位置教示点▲7▼からシーケンス制御により決定されるT1を通って、シーケンス制御により決定されるT2へと移動する。
【0237】
次ぎに、ロボット手段2は、シーケンス制御により決定されるT2から製品開放位置教示点▲8▼へと移動して、製品開放位置教示点▲8▼で、成形品チャック用チャック手段を開放する。これにより、製品が所定の場所に取り出される。
その後、ロボット手段2は、製品開放位置教示点▲8▼からシーケンス制御により決定されるT2を通って、シーケンス制御により決定されるT3へと移動する。
【0238】
次ぎに、ロボット手段2は、シーケンス制御により決定されるT3からスプル開放位置教示点▲9▼へと移動して、スプル開放位置教示点▲9▼で、スプルチャック用チャック手段を開放する。これにより、スプル32が所定の場所に取り出される。
その後、ロボット手段2は、スプル開放位置教示点▲9▼からシーケンス制御により決定されるT3を通って、横行開始位置教示点▲4▼へと移動する。
【0239】
この装置1では、金型2が型締めされ、金型2内で成形品が成形されている間に、ロボット手段2が、横行開始位置教示点▲4▼、ニッパカット位置教示点▲6▼、製品開放位置教示点▲8▼、スプル開放位置教示点▲9▼において、型外R2動作をし、金型上待機位置教示点▲3▼で、金型2が開かれることにより、可動プレート92a側にある、次の、成形品の取り出しを待つようにしている。
【0240】
また、自動運転中に、F3キーを押し操作すると、ハンディコンソール装置51の操作表示画面52が、位置微調整画面に切り換わり、各教示点の微調整ができるようになっている。
尚、この装置1では、1回の設定で最大9.9mmまで、微調整ができるようにになっており、また、位置微調整の可能な教示点は、型内R1では、チャック位置教示点▲1▼、型外R2では、全教示点で、微調整が可能としてある。
【0241】
更に、自動運転中に、タイマー変更、ポジション速度変更、位置微調整を行った後には、設定後に、ハンディコンソール装置51の終了キー59を押して、操作表示画面52を、自動運転画面に戻すと、変更データが、終了キー59を押した後の次のサイクルより有効となるようにされている((図8及び図39に示すに示すステップS16〜S18を参照)。
【0242】
また、自動運転中の変更データをデータカードにバックアップする場合は、自動運転終了後に、「2.金型交換」(メインメニューの「2.段取り換え」の下位階層にある)の画面、又は、「1.金型登録」(メインメニューの「4.設定」の下位階層にある)の画面で行う(図5を参照)。
この成形品の取り出し装置1では、実際に教示点をティーチングする際には、引抜位置教示点▲2▼を教示した後は、引抜位置教示点▲2▼とは、Z軸位置のみが異なる位置関係にある仮金型上待機位置教示点▲3▼’をティーチングすれば、チャック位置教示点▲1▼とは、X軸位置とY軸位置とが同じ位置関係にあり、Z軸が異なる位置関係にある金型上待機位置教示点▲3▼をティーチングできるようにしているので、引抜位置教示点▲2▼とは、Y軸位置とZ軸位置とがともに異なる位置関係(即ち、チャック位置教示点▲1▼とは、Z軸位置のみが異なる位置関係)にある金型上待機位置教示点▲2▼にロボット手段2を移動させて、金型上待機位置教示点▲3▼をティーチングする場合に比べ、ティーチング作業を容易に行うことができる。
【0243】
即ち、この成形品の取り出し装置1では、記憶手段に記憶させた、仮金型上待機位置教示点▲3▼’のX軸位置(x3)を、記憶手段に記憶させた、チャック位置教示点▲1▼のX軸位置(x1)に書換えし(x3→x1)、且つ、記憶手段に記憶させた仮金型上待機位置教示点▲3▼’のY軸位置(y3)を、記憶手段に記憶させたチャック位置教示点▲1▼のY軸位置(y1)に書換えし(y3→y1)、仮金型上待機位置教示点▲3▼’のZ軸位置(z3)をそのまま保存し、仮金型上待機位置教示点▲3▼’を、金型上待機位置教示点▲3▼に変換している。
【0244】
更に、この成形品の取り出し装置1では、記憶手段に、ロボット手段2の教示点を記憶させる際には、チャック位置教示点▲1▼、引抜位置教示点▲2▼、仮金型上待機位置教示点▲3▼’、横行開始位置教示点▲4▼の順に教示を行い、記憶手段に、これらの教示点▲1▼▲2▼▲3▼’▲4▼を記憶させた後、以下の書換えを行うようにしている。
記憶手段に記憶させた、引抜位置教示点▲2▼のX軸位置(x2)を、記憶手段に記憶させたチャック位置教示点▲1▼のX軸位置(x1)に書換えし(x2→x1)、且つ、記憶手段に記憶させた引抜位置教示点▲2▼のZ軸位置(z2)を、記憶手段に記憶させたチャック位置教示点▲1▼のZ軸位置(z1)に書換えしている(z2→z1)。
【0245】
これにより、引抜位置教示点▲2▼とチャック位置教示点▲1▼との関係が、Y軸位置のみが変化する関係になる。
また、記憶手段に記憶させた引抜位置教示点▲2▼のX軸位置(x2)を、記憶手段に記憶させたチャック位置教示点▲1▼のX軸位置(x1)に書換えし(x2→x1)、且つ、記憶手段に記憶させた引抜位置教示点▲2▼のZ軸位置(z2)を、記憶手段に記憶させたチャック位置教示点▲1▼のZ軸位置(z1)に書換えしている(z2→z)。
【0246】
これにより、引抜位置教示点▲2▼とチャック位置教示点▲1▼との関係が、Y軸位置のみが変化する関係になる。
更に、記憶手段に記憶させた金型上待機位置教示点▲3▼のX軸位置(x3)を、記憶手段に記憶させたチャック位置教示点のX軸位置(x1)に書換えしている(x3→x1)。
【0247】
且つ、記憶手段に記憶させた金型上待機位置教示点▲3▼のY軸位置(y3)を、記憶手段に記憶させたチャック位置教示点▲1▼のX軸位置(x1)に書換えしている(x3→x1)。
これにより、金型上待機位置教示点▲3▼と、チャック位置教示点▲1▼との位置関係が、Y軸位置のみが変化する関係になる。
【0248】
更に、記憶手段に記憶させた横行開始位置教示点▲4▼のX軸位置を、記憶手段に記憶させたチャック位置教示点▲1▼のX軸位置に書換えしている。
以上の書換え操作により、ロボット手段2は、型内R1において、金型上待機位置教示点▲3▼、チャック位置教示点▲1▼、引抜位置教示点▲2▼、横行開始位置教示点▲4▼に従って、チャック位置教示点▲1▼のX軸位置(x1)とZ軸位置(z1)とによって規定される平面内を、直線移動及び直角移動をする。これにより、X軸、Y軸及びZ軸の3軸方向に移動可能に設けられたロボット手段は、型内R1において、斜行することがないため、ロボット手段2が、金型92にぶつかるという事故も生じ難くなる。
【0249】
更には、ロボット手段2の型内R1動作は、Y軸成分のみが変化する場合と、Z軸成分が変化する場合のいずれかの動作となるため、2軸成分又は3軸成分を変化させる場合に比べ、制御手段3のデータ処理に要する時間を速くすることができる。
しかも、ロボット手段の上記4つの教示点に従う動作が、Y軸方向成分及びZ軸方向成分のみとなるため、ロボット手段2の動作として、3軸成分全てを用いる場合に比べ、金型92に振動が生じ難くなる。
【0250】
更にまた、横行開始位置教示点▲4▼のY軸位置(y4)を、記憶手段に記憶させたチャック位置教示点▲1▼のY軸位置(y1)に書換えするようにすれば(y4→y1)、ロボット手段2は、型内R1において、金型上待機位置教示点▲3▼、チャック位置教示点▲1▼、引抜位置教示点▲2▼及び横行開始位置教示点▲4▼に従って、チャック位置教示点▲1▼のX軸位置とZ軸位置とによって規定される平面内を、直線移動及び直角移動をする。これにより、X軸、Y軸及びZ軸の3軸方向に移動可能に設けられたロボット手段2は、型内R1において、斜行することがないため、ロボット手段2が、金型92にぶつかるという事故も生じ難くなり、且つ、ロボット手段2の上記4つの教示点に従う動作が、Y軸方向成分及びZ軸方向成分のみとなるため、ロボット手段2の動作として、3軸成分全てを用いる場合に比べ、金型92に振動が生じ難くなる。
【0251】
このため、金型92から成形品を引き抜く際に、成形品が、金型92を構成する可動プレート92a又は固定プレート92bに対して、斜め方向に引き抜かれることがないので、成形品が、金型92を構成する可動プレート又は固定プレートにこすれないので、成形品が可動プレート92a又は固定プレート92bにこすれて壊れたり、可動プレート92a又は固定プレート92bが成形品によって壊れたりしない。また、成形品が可動プレート92a又は固定プレート92bにこすれないため、チャック手段4が、成形品を落下してしまうというチャックミスも起こり難くなる。
【0252】
また、この成形品の取り出し装置1では、ロボット手段2として、回転軸、関節を有し、アームが傾斜して動作するものではなく、X軸、Y軸及びZ軸の3軸方向に移動可能に設けられたロボット手段を用いているので、型内R1において、ロボット手段2が、金型92や安全ドア95にぶつかり難い。
また、取り出し動作として、L動作、F動作、U動作の3つの動作を選択できるようにしているので、金型92に応じて、適切な動作を選択することができる。
【0253】
更に、取り出し動作として、L動作、F動作、U動作以外に、実際に、ティーチングした教示点に基づいて、ロボット手段2に成型品の取り出しを行わせるようにしてもよい(図8に示すステップ2を参照)。
【0254】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、請求項1に記載の成形品の取り出し装置では、したので、制御手段に、更に、記憶手段に記憶させた、基準教示点に基づいて決められる教示点が、基準教示点のX軸位置、Y軸位置及びZ軸位置に対し、いずれか1軸の位置のみが異なる場合には、基準教示点に基づいて決められる教示点のX軸位置、Y軸位置及びZ軸位置のうち、基準教示点と比べて、位置が変化しない他の2軸の位置については、記憶手段に記憶させた、基準教示点の位置をコピーするコピー手段を設けている。従って、このコピー手段により、基準教示点に基づいて決められる教示点のうち、基準教示点に対し、位置が変化しない他の2軸の位置については、基準教示点の値をコピーすることで、ロボット手段は、位置が変化する1軸のデータのみに基づいて、位置が変化しない2軸によって規定される平面内を、基準教示点から次の教示点に直線的に動作する。これにより、ロボット手段は、基準教示点から次の教示点に最短距離で移動することとなるため、ロボット手段を基準教示点から次の教示点に速く移動させることができる。
【0255】
且つ、制御手段は、1軸成分のみの変化を処理すれば良いので、2軸成分又は3軸成分の変化を処理する場合に比べ、データ処理に要する時間を速くすることができる。
請求項2に記載の成形品の取り出し装置では、制御手段に、更に、記憶手段に記憶させた、基準教示点に基づいて決められる教示点が、基準教示点のX軸位置、Y軸位置及びZ軸位置に対し、いずれか2軸の位置のみが異なる場合には、基準教示点に基づいて決められる教示点のX軸位置、Y軸位置及びZ軸位置のうち、基準教示点と比べて、位置が変化しない他の1軸の位置については、記憶手段に記憶させた、基準教示点の位置をコピーするコピー手段を設けている。従って、このコピー手段により、基準教示点に基づいて決められる教示点のうち、基準教示点に対し、位置が変化しない他の1軸の位置については、基準教示点の値をコピーすることで、ロボット手段は、位置が変化する2軸のデータのみに基づいて、基準教示点から次の教示点に直線的に動作する。これにより、ロボット手段は、基準教示点から次の教示点に最短距離で移動することとなるため、ロボット手段を基準教示点から次の教示点に速く移動させることができる。
【0256】
且つ、制御手段は、2軸成分のみの変化を処理すれば良いので、3軸成分の変化を処理する場合に比べ、データ処理に要する時間を速くすることができる。
請求項3に記載の成形品の取り出し装置では、記憶手段に、ロボット手段の教示点を記憶させる際には、チャック位置教示点、引抜位置教示点、金型上待機位置教示点、横行開始位置教示点の順に教示を行い、記憶手段に、これらの教示点を記憶させた後、記憶手段に記憶させたチャック位置教示点のX軸位置、Y軸位置及びZ軸位置を基準位置として、記憶手段に記憶させた引抜位置教示点のX軸位置を、記憶手段に記憶させたチャック位置教示点のX軸位置に書換えし、記憶手段に記憶させた引抜位置教示点のZ軸位置を、記憶手段に記憶させたチャック位置教示点のZ軸位置に書換えするようにしている。
【0257】
これにより、ロボット手段は、位置が変化しないX軸とZ軸とによって規定される平面内、より具体的には、チャック位置教示点のX軸とチャック位置教示点のZ軸により規定される平面内を、位置が変化するY軸方向にのみ、チャック位置教示点から引抜位置教示点へと移動する。
即ち、ロボット手段の、金型から成形品を引き抜く方向が、金型を構成する固定プレートの可動プレートに接合する表面、又は、金型を構成する可動プレートの固定プレートに接合する表面に、水平方向に直交する方向と一致することとなる。
【0258】
このため、金型から成形品を引き抜く際に、成形品が、金型を構成する可動プレート又は固定プレートに対して、斜め方向に引き抜かれることがないので、成形品が、金型を構成する可動プレート又は固定プレートにこすれないので、成形品が可動プレート又は固定プレートにこすれて壊れたり、可動プレート又は固定プレートが成形品によって壊れたりしない。また、成形品が可動プレート又は固定プレートにこすれないため、チャック手段が、成形品を落下してしまうというチャックミスも起こり難くなる。
【0259】
また、記憶手段に記憶させた金型上待機位置教示点位置の教示点のX軸位置を、記憶手段に記憶させたチャック位置教示点のX軸位置に書換えしているので、金型上待機位置教示点が、チャック位置教示点のX軸位置の真上に位置する。
更に、記憶手段に記憶させた横行開始位置教示点のX軸位置を、記憶手段に記憶させたチャック位置教示点のX軸位置に書換えしているので、横行開始位置教示点も、チャック位置教示点のX軸位置の真上に位置する。
【0260】
これにより、ロボット手段は、型内において、金型上待機位置教示点、チャック位置教示点、引抜位置教示点、横行開始位置教示点の順に従って、チャック位置教示点のX軸位置とZ軸位置とによって規定される平面内を、直線移動及び直角移動をする。これにより、X軸、Y軸及びZ軸の3軸方向に移動可能に設けられたロボット手段は、型内において、斜行することがないため、ロボット手段が、金型にぶつかるという事故も生じ難くなる。
【0261】
更には、ロボット手段の型内動作は、Y軸成分のみが変化する場合と、Z軸成分が変化する場合のいずれかの動作となるため、2軸成分又は3軸成分を変化させる場合に比べ、制御手段のデータ処理に要する時間を速くすることができる。しかも、ロボット手段の上記4つの教示点に従う動作が、Y軸方向成分及びZ軸方向成分のみとなるため、ロボット手段の動作として、3軸成分全てを用いる場合に比べ、金型に振動が生じ難くなる。
【0262】
請求項4に記載の成形品の取り出し装置では、更に、記憶手段に記憶させた金型上待機位置教示点位置の教示点のX軸位置、Y軸位置及びZ軸位置のうち、金型上待機位置教示点位置教示点のY軸位置を、記憶手段に記憶させた引抜位置教示点のY軸位置に書換えするようにしているので、金型上待機位置教示点が、引抜位置教示点の直上に位置する。
【0263】
これにより、ロボット手段は、引抜位置教示点から金型上待機位置教示点までの動作を最短距離で移動するので、ロボット手段の無駄な動きがなくなる。
請求項5に記載のの成形品の取り出し装置では、実際に教示点をティーチングする際には、引抜位置教示点を教示した後は、引抜位置教示点とは、Z軸位置のみが異なる位置関係にある仮金型上待機位置教示点をティーチングすれば、チャック位置への接近開始位置教示点とは、X軸位置とY軸位置とが同じ位置関係にあり、Z軸が異なる位置関係にある金型上待機位置教示点をティーチングできるようにしているので、引抜位置教示点とは、Y軸位置とZ軸位置とがともに異なる位置関係(即ち、チャック位置への接近開始位置教示点とは、Z軸位置のみが異なる位置関係)にある金型上待機位置教示点にロボット手段を移動させて、金型上待機位置教示点をティーチングする場合に比べ、ティーチング作業を容易に行うことができる。
【0264】
即ち、この成形品の取り出し装置では、記憶手段に記憶させた、仮金型上待機位置教示点のX軸位置を、記憶手段に記憶させた、チャック位置教示点のX軸位置に書換えし、且つ、記憶手段に記憶させた、仮金型上待機位置教示点のY軸位置を、記憶手段に記憶させた、チャック位置教示点のY軸位置に書換えし、仮金型上待機位置教示点のZ軸位置をそのまま保存し、仮金型上待機位置教示点を、金型上待機位置教示点に変換している。
【0265】
更に、この成形品の取り出し装置では、記憶手段に、ロボット手段の教示点を記憶させる際には、チャック位置教示点、チャック位置への接近開始位置教示点、引抜位置教示点、仮金型上待機位置教示点、横行開始位置教示点の順に教示を行い、記憶手段に、これらの教示点を記憶させた後、以下の書換えを行うようにしている。
【0266】
記憶手段に記憶させた、チャック位置への接近開始位置教示点のX軸位置を、記憶手段に記憶させたチャック位置教示点のX軸位置に書換えし、且つ、記憶手段に記憶させたチャック位置への接近開始位置教示点のZ軸位置を、記憶手段に記憶させたチャック位置教示点のZ軸位置に書換えしている。
これにより、チャック位置への接近開始位置教示点とチャック位置教示点との関係が、Y軸位置のみが変化する関係になる。
【0267】
また、記憶手段に記憶させた、引抜位置教示点のX軸位置を、記憶手段に記憶させたチャック位置教示点のX軸位置に書換えし、且つ、記憶手段に記憶させた引抜位置教示点のZ軸位置を、記憶手段に記憶させたチャック位置教示点のZ軸位置に書換えしている。
これにより、引抜位置教示点とチャック位置教示点との関係が、Y軸位置のみが変化する関係になる。且つ、引抜位置教示点と、チャック位置への接近開始位置教示点との関係も、Y軸位置のみが変化する関係になる。
【0268】
更に、記憶手段に記憶させた金型上待機位置教示点のX軸位置を、記憶手段に記憶させたチャック位置教示点のX軸位置に書換えし、且つ、記憶手段に記憶させた金型上待機位置教示点のY軸位置を、記憶手段に記憶させたチャック位置への接近開始位置教示点のY軸位置に書換えしている。
これにより、金型上待機位置教示点と、チャック位置への接近開始位置教示点との位置関係が、Y軸位置のみが変化する関係になる。
【0269】
更に、記憶手段に記憶させた横行開始位置教示点のX軸位置を、記憶手段に記憶させたチャック位置教示点のX軸位置に書換えしている。
以上の書換え操作により、ロボット手段は、型内において、金型上待機位置教示点、チャック位置への接近開始位置教示点、チャック位置教示点、引抜位置教示点、横行開始位置教示点に従って、チャック位置教示点のX軸位置とZ軸位置とによって規定される平面内を、直線移動及び直角移動をする。
【0270】
これにより、X軸、Y軸及びZ軸の3軸方向に移動可能に設けられたロボット手段は、型内において、斜行することがないため、ロボット手段が、金型にぶつかるという事故も生じ難くなる。
これにより、X軸、Y軸及びZ軸の3軸方向に移動可能に設けられたロボット手段は、型内において、斜行することがないため、ロボット手段が、金型にぶつかるという事故も生じ難くなり、且つ、ロボット手段の上記5つの教示点に従う動作が、Y軸方向成分及びZ軸方向成分のみとなるため、ロボット手段の動作として、3軸成分全てを用いる場合に比べ、金型に振動が生じ難くなる。
【0271】
このため、金型から成形品を引き抜く際に、成形品が、金型を構成する可動プレート又は固定プレートに対して、斜め方向に引き抜かれることがないので、成形品が、金型を構成する可動プレート又は固定プレートにこすれないので、成形品が可動プレート又は固定プレートにこすれて壊れたり、可動プレート又は固定プレートが成形品によって壊れたりしない。また、成形品が可動プレート又は固定プレートにこすれないため、チャック手段が、成形品を落下してしまうというチャックミスも起こり難くなる。
【0272】
更には、ロボット手段の型内動作は、Y軸成分のみが変化する場合と、Z軸成分が変化する場合のいずれかの動作となるため、2軸成分又は3軸成分を変化させる場合に比べ、制御手段のデータ処理に要する時間を速くすることができる。しかも、ロボット手段の上記4つの教示点に従う動作が、Y軸方向成分及びZ軸方向成分のみとなるため、ロボット手段の動作として、3軸成分全てを用いる場合に比べ、金型に振動が生じ難くなる。
【0273】
請求項6に記載の成形品の取り出し装置では、実際に教示点をティーチングする際には、引抜位置教示点を教示した後は、引抜位置教示点とは、Z軸位置のみが異なる位置関係にある仮金型上待機位置教示点をティーチングすれば、チャック位置教示点とは、X軸位置とY軸位置とが同じ位置関係にあり、Z軸が異なる位置関係にある金型上待機位置教示点をティーチングできるようにしているので、引抜位置教示点とは、Y軸位置とZ軸位置とがともに異なる位置関係(即ち、チャック位置教示点とは、Z軸位置のみが異なる位置関係)にある金型上待機位置教示点にロボット手段を移動させて、金型上待機位置教示点をティーチングする場合に比べ、ティーチング作業を容易に行うことができる。
【0274】
請求項7に記載の成形品の取り出し装置では、少なくとも、制御手段を用いて書き換えた後の、チャック位置教示点を更に書き換えることができるようにしたので、ロボット手段を、制御手段を用いて書き換えた後の、各教示点に従って、確認運転させて、不都合があれば、外部入力手段により、チャック位置教示点を書き換える(微調整する)ことで、ロボット手段による金型から成形品の取り出し作業を、より一層、スムーズなものにすることができる。
【0275】
請求項8に記載の成形品の取り出し装置では、記憶手段に記憶させたニッパカット退避位置のX軸位置且つY軸位置の直上位置のZ軸位置を、記憶手段に記憶させた横行開始位置教示点のZ軸位置になるようにしているので、ロボット手段は、横行開始位置教示点とニッパカット退避位置のX軸位置且つY軸位置の直上位置との間を、横行開始位置教示点のZ軸位置と同じ高さで移動する。
【0276】
更に、記憶手段に記憶させたニッパカット退避位置位置教示点のX軸位置を、記憶手段に記憶させたニッパカット位置教示点のX軸位置に書換えし、記憶手段に記憶させたニッパカット退避位置位置教示点のZ軸位置を、記憶手段に記憶させたニッパカット位置教示点のZ軸位置に書換えしているので、ニッパカット位置教示点とニッパカット退避位置位置教示点との間を、X軸−Y軸面に平行な面を直線移動する。
【0277】
これにより、ロボット手段は、横行開始位置教示点とニッパカット退避位置のX軸位置且つY軸位置の直上位置との間、及び、ニッパカット位置教示点とニッパカット退避位置位置教示点との間が、最短距離となるので、ロボット手段の作業効率が向上する。
請求項9に記載のの成形品の取り出し装置では、少なくとも、制御手段を用いて書き換えた後の、ニッパカット位置教示点を更に書き換えることができるようにしたので、ロボット手段を、制御手段を用いて書き換えた後の、各教示点に従って、確認運転させて、不都合があれば、外部入力手段により、ニッパカット位置教示点を書き換える(微調整する)ことで、ロボット手段による金型から成形品の取り出し作業を、より一層、スムーズなものにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る成形品の取り出し装置を概略的に示す斜視図である。
【図2】本発明に係る成形品の取り出し装置で用いる、ロボット手段の構成と、金型との関係をより詳しく説明する平面図である。
【図3】本発明に係る成形品の取り出し装置で用いる、コンソール装置の構成を概略的に示す構成図であり、図3(a)は、コンソール装置の構成を概略的に示す分解斜視図を、又、図3(b)は、図3(a)中に示す、操作卓の背面側を概略的に示す斜視図である。
【図4】図3(a)に示す、ハンディコンソール装置を更に拡大して概略的に示す外観構成図である。
【図5】本発明に係る成形品の取り出し装置の制御プログラムの構成を示す構成図である。
【図6】本発明に係る成形品の取り出し装置の制御プログラムの構成を示す構成図である。
【図7】本発明に係る成形品の取り出し装置のロボット手段に、型内の教示点をティーチングする際に、ハンディコンソール装置の操作表示画面に表示されるメッセージを示す図である。
【図8】本発明に係る成形品の取り出し装置のロボット手段に教示点をティーチングする際の手順を示すフローチャートである。
【図9】L動作の操作手順を説明する説明図である。
【図10】F動作の操作手順を説明する説明図である。
【図11】U動作の操作手順を説明する説明図である。
【図12】図9に示すL動作の型内動作を模式的に示す図である。
【図13】制御手段の記憶手段に記憶される制御テーブルが作成される様子を模式的に示す図である。
【図14】制御手段の記憶手段に記憶される制御テーブルが作成される様子を模式的に示す図である。
【図15】制御手段の記憶手段に記憶される制御テーブルが作成される様子を模式的に示す図である。
【図16】制御手段の記憶手段に記憶される制御テーブルが作成される様子を模式的に示す図である。
【図17】図8中、L動作テーブルの作成部分を、更に詳しく説明するフローチャートである。
【図18】操作表示画面に表示されるメッセージを概略的に示す図である。
【図19】ロボット手段にティーチングする型外における教示点の一例を概略的に示す説明図である。
【図20】ニッパ手段の取付状態を概略的に示す斜視図である。
【図21】制御手段の記憶手段に記憶される制御テーブルが作成される様子を模式的に示す図である。
【図22】制御手段の記憶手段に記憶される制御テーブルが作成される様子を模式的に示す図である。
【図23】制御手段の記憶手段に記憶される制御テーブルが作成される様子を模式的に示す図である。
【図24】制御手段の記憶手段に記憶される制御テーブルが作成される様子を模式的に示す図である。
【図25】メインメニューの中から、「1.自動運転」を選択した場合に、操作表示画面に表示されるメッセージを概略的に示す図である。
【図26】メインメニューの中から、「1.自動運転」を選択した場合に、操作表示画面に表示されるメッセージを概略的に示す図である。
【図27】メインメニューの中から、「1.自動運転」を選択した場合に、操作表示画面に表示されるメッセージを概略的に示す図である。
【図28】図10に示すF動作の型内R1動作を模式的に示す図である。
【図29】制御手段の記憶手段に記憶される制御テーブルが作成される様子を模式的に示す図である。
【図30】制御手段の記憶手段に記憶される制御テーブルが作成される様子を模式的に示す図である。
【図31】制御手段の記憶手段に記憶される制御テーブルが作成される様子を模式的に示す図である。
【図32】制御手段の記憶手段に記憶される制御テーブルが作成される様子を模式的に示す図である。
【図33】図8中、F動作テーブルの作成部分を、更に詳しく説明するフローチャートである。
【図34】図11に示すU動作の型内R1動作を模式的に示す図である。
【図35】制御手段の記憶手段に記憶される制御テーブルが作成される様子を模式的に示す図である。
【図36】制御手段の記憶手段に記憶される制御テーブルが作成される様子を模式的に示す図である。
【図37】制御手段の記憶手段に記憶される制御テーブルが作成される様子を模式的に示す図である。
【図38】制御手段の記憶手段に記憶される制御テーブルが作成される様子を模式的に示す図である。
【図39】図8中、U動作テーブルの作成部分(図8に示すステップS14)を、更に詳しく説明するフローチャートである。
【図40】従来の一般的な産業ロボットを概略的に示す構成図である。
【図41】射出成形装置を概略的に示す斜視図である。
【図42】従来のロボット手段の動作手順の一例を、教示点を用いて説明する概略的な説明図であり、ロボット手段の動作手順の一例の教示点を模式的に説明している。
【図43】各教示点の関係を概略的に説明する図であり、図43(a)は、チャック位置教示点と引抜位置教示点との関係を、金型を上方から見た、模式的な平面図を、また、図43(b)は、チャック位置教示点、引抜位置教示点、金型上待機位置教示点、横行開始位置教示点、シーケンス制御によって決められる製品開放位置のX軸位置且つY軸位置の直上位置及び製品開放位置教示点の関係を、金型を側方から見た、模式的な側面図を、各々、示している。
【符号の説明】
1 成形品の取り出し装置
2 ロボット手段
3 制御手段
4 チャック手段
5 コンソール装置
21 X軸レール
22 第1の移動体
23 Y軸レール
24 第2の移動体
25A、25B Z軸レール
26A 第3の移動体
26B 第4の移動体

Claims (9)

  1. 金型に付設するように設けられ、
    前記金型により成形された成形品を取り出すロボット手段と、
    前記ロボット手段を制御するための、基準教示点と、前記基準教示点に基づいて決められる教示点とを記憶する記憶手段を有し、前記記憶手段に記憶させた、前記基準教示点と前記基準教示点に基づいて決められる教示点とに基づいて、前記ロボット手段を制御する制御手段とを備え、
    前記ロボット手段として、X軸、Y軸及びZ軸の3軸方向に移動可能に設けられたロボット手段を用い、
    前記ロボット手段は、前記制御手段によって、前記記憶手段に記憶させた、前記基準教示点と、前記基準教示点に基づいて決められる教示点とに従って同じ動作を繰り返すようになっており、
    前記制御手段に、更に、
    前記記憶手段に記憶させた、前記基準教示点に基づいて決められる教示点が、前記基準教示点のX軸位置、Y軸位置及びZ軸位置に対し、いずれか1軸の位置のみが異なる場合には、前記基準教示点に基づいて決められる教示点のX軸位置、Y軸位置及びZ軸位置のうち、基準教示点と比べて、位置が変化しない他の2軸の位置については、前記記憶手段に記憶させた、前記基準教示点の位置をコピーするコピー手段を設けた、成形品の取り出し装置。
  2. 金型に付設するように設けられ、
    前記金型により成形された成形品を取り出すロボット手段と、
    前記ロボット手段を制御するための、基準教示点と、前記基準教示点に基づいて決められる教示点とを記憶する記憶手段を有し、前記記憶手段に記憶させた、前記基準教示点と前記基準教示点に基づいて決められる教示点とに基づいて、前記ロボット手段を制御する制御手段とを備え、
    前記ロボット手段として、X軸、Y軸及びZ軸の3軸方向に移動可能に設けられたロボット手段を用い、
    前記ロボット手段は、前記制御手段によって、前記記憶手段に記憶させた、前記基準教示点と、前記基準教示点に基づいて決められる教示点とに従って同じ動作を繰り返すようになっており、
    前記制御手段に、更に、
    前記記憶手段に記憶させた、前記基準教示点に基づいて決められる教示点が、前記基準教示点のX軸位置、Y軸位置及びZ軸位置に対し、いずれか2軸の位置のみが異なる場合には、前記基準教示点に基づいて決められる教示点のX軸位置、Y軸位置及びZ軸位置のうち、基準教示点と比べて、位置が変化しない他の1軸の位置については、前記記憶手段に記憶させた、前記基準教示点の位置をコピーするコピー手段を設けた、成形品の取り出し装置。
  3. 少なくとも固定プレートと可動プレートとを備える金型に付設するように設けられ、
    チャック手段を備え、前記チャック手段により前記金型により成形された成形品をチャックして取り出すロボット手段と、
    前記ロボット手段を制御するための教示点を記憶する記憶手段を有し、前記教示点に基づいて、前記ロボット手段を制御する制御手段とを備え、
    前記ロボット手段として、X軸、Y軸及びZ軸の3軸方向に移動可能に設けられたロボット手段を用い、
    前記ロボット手段は、前記固定プレートと前記可動プレートとが開いた時に形成される型内において、前記制御手段に記憶させた、金型上待機位置教示点、引抜位置教示点、チャック位置教示点、引抜位置教示点、金型上待機位置教示点の順に、繰り返し同じ動作を行うようにされており、
    前記制御手段を用いて、前記記憶手段に、前記ロボット手段の教示点を記憶させる際には、前記チャック位置教示点、前記引抜位置教示点、前記金型上待機位置教示点、前記横行開始位置教示点の順に教示を行い、前記記憶手段に、これらの教示点を記憶させた後、
    前記記憶手段に記憶させたチャック位置教示点のX軸位置、Y軸位置及びZ軸位置を基準位置として、
    前記記憶手段に記憶させた引抜位置教示点のX軸位置を、前記記憶手段に記憶させたチャック位置教示点のX軸位置に書換えし、
    前記記憶手段に記憶させた引抜位置教示点のZ軸位置を、前記記憶手段に記憶させたチャック位置教示点のZ軸位置に書換えし、
    前記記憶手段に記憶させた金型上待機位置教示点位置の教示点のX軸位置を、前記記憶手段に記憶させたチャック位置教示点のX軸位置に書換えし、
    前記記憶手段に記憶させた横行開始位置教示点のX軸位置を、前記記憶手段に記憶させたチャック位置教示点のX軸位置に書換えするようにすることにより、
    前記ロボット手段が、前記固定プレートと前記可動プレートとが開いた時に形成される型内において、前記制御手段に記憶させた、横行開始位置教示点、金型上待機位置教示点、引抜位置教示点、チャック位置教示点に基づいて、X軸−Z軸面に平行な一面を、直線移動及び直角移動をするようにした、成形品の取り出し装置。
  4. 前記記憶手段に記憶させた金型上待機位置教示点位置の教示点のX軸位置、Y軸位置及びZ軸位置のうち、前記金型上待機位置教示点位置教示点のY軸位置を、前記記憶手段に記憶させた引抜位置教示点のY軸位置に書換えするようにした、請求項3に記載の成形品の取り出し装置。
  5. 少なくとも固定プレートと可動プレートとを備える金型に付設するように設けられ、
    前記金型により成形された成形品を取り出すロボット手段と、
    前記ロボット手段を制御するための教示点を記憶する記憶手段を有し、前記教示点に基づいて、前記ロボット手段を制御する制御手段とを備え、
    前記ロボット手段として、X軸、Y軸及びZ軸の3軸方向に移動可能に設けられたロボット手段を用い、
    前記ロボット手段は、前記固定プレートと前記可動プレートとが開いた時に形成される型内において、前記制御手段に記憶させた、金型上待機位置教示点、チャック位置への接近開始位置教示点、チャック位置教示点、引抜位置教示点の順に、繰り返し同じ動作を行うようにされており、
    前記制御手段を用いて、前記記憶手段に、前記ロボット手段の教示点を記憶させる際には、前記チャック位置教示点、前記チャック位置への接近開始位置教示点、前記引抜位置教示点、前記引抜位置教示点上の仮金型上待機位置教示点、前記横行開始位置教示点の順に教示を行い、前記記憶手段に、これらの教示点を記憶させた後、
    前記記憶手段に記憶させたチャック位置への接近開始位置教示点のX軸位置を、前記記憶手段に記憶させたチャック位置教示点のX軸位置に書換えし、
    前記記憶手段に記憶させた引抜位置教示点のX軸位置を、前記記憶手段に記憶させたチャック位置教示点のX軸位置に書換えし、
    前記記憶手段に記憶させた横行開始位置教示点のX軸位置を、前記記憶手段に記憶させたチャック位置教示点のX軸位置に書換えし、
    前記記憶手段に記憶させたチャック位置への接近開始位置教示点のZ軸位置を、前記記憶手段に記憶させたチャック位置教示点のZ軸位置に書換えし、
    前記記憶手段に記憶させた引抜位置接近教示点のZ軸位置を、前記記憶手段に記憶させたチャック位置教示点のZ軸位置に書換えし、且つ、
    前記金型上待機位置教示点のX軸位置を、前記記憶手段に記憶させたチャック位置教示点のX軸位置を書き込むことにより作成し、前記金型上待機位置教示点のY軸位置を、前記記憶手段に記憶させたチャック位置への接近開始位置教示点のY軸位置を書き込むことにより作成し、前記金型上待機位置教示点のZ軸位置を、前記引抜位置教示点上の仮金型上待機位置教示点のZ軸位置に書き込むことにより作成し、このようにして作成した前記金型上待機位置教示点を、前記記憶手段に記憶させることにより、
    前記ロボット手段が、前記固定プレートと前記可動プレートとが開いた時に形成される型内において、前記制御手段に記憶させた、金型上待機位置教示点、チャック位置への接近開始位置教示点、チャック位置教示点、引抜位置教示点に基づいて、X軸−Z軸面に平行な一面を、直線移動及び直角移動するようにした、成形品の取り出し装置。
  6. 少なくとも固定プレートと可動プレートとを備える金型に付設するように設けられ、
    チャック手段を備え、前記チャック手段により前記金型により成形された成形品をチャックして取り出すロボット手段と、
    前記ロボット手段を制御するための教示点を記憶する記憶手段を有し、前記教示点に基づいて、前記ロボット手段を制御する制御手段とを備え、
    前記ロボット手段として、X軸、Y軸及びZ軸の3軸方向に移動可能に設けられたロボット手段を用い、
    前記ロボット手段は、前記固定プレートと前記可動プレートとが開いた時に形成される型内において、前記制御手段に記憶させた、金型上待機位置教示点、チャック位置教示点、引抜位置教示点の順に、繰り返し同じ動作を行うようにされており、
    前記制御手段を用いて、前記記憶手段に、前記ロボット手段の教示点を記憶させる際には、前記チャック位置教示点、前記引抜位置教示点、前記引抜位置教示点上の仮金型上待機位置教示点、前記横行開始位置教示点の順に教示を行い、前記記憶手段に、これらの教示点を記憶させた後、
    前記記憶手段に記憶させた引抜位置教示点のX軸位置を、前記記憶手段に記憶させたチャック位置教示点のX軸位置に書換えし、
    前記記憶手段に記憶させた横行開始位置教示点のX軸位置を、前記記憶手段に記憶させたチャック位置教示点のX軸位置に書換えし、
    前記記憶手段に記憶させた引抜位置教示点のZ軸位置を、前記記憶手段に記憶させたチャック位置教示点のZ軸位置に書換えし、且つ、
    前記金型上待機位置教示点のX軸位置を、前記記憶手段に記憶させたチャック位置教示点のX軸位置を書き込むことにより作成し、前記金型上待機位置教示点のY軸位置を、前記記憶手段に記憶させたチャック位置への接近開始位置教示点のY軸位置を書き込むことにより作成し、前記金型上待機位置教示点のZ軸位置を、前記引抜位置教示点上の前記金型上待機位置教示点に対応する仮金型上待機位置教示点のZ軸位置に書き込むことにより作成し、このようにして作成した前記金型上待機位置教示点を、前記記憶手段に記憶させることにより、
    前記ロボット手段が、前記固定プレートと前記可動プレートとが開いた時に形成される型内において、前記制御手段に記憶させた、金型上待機位置教示点、チャック位置教示点、引抜位置教示点に基づいて、X軸−Z軸面に平行な一面を、直線移動及び直角移動するようにした、成形品の取り出し装置。
  7. 前記制御手段は、更に、外部入力手段を備え、
    前記外部入力手段により、少なくとも、前記記憶手段に記憶させたチャック位置教示点を、更に、書き換えることができるようにした、請求項3〜6のいずれかに記載の成形品の取り出し装置。
  8. 前記制御手段の記憶手段には、更に、型外に設定される、ニッパカット位置教示点と、ニッパカット退避位置教示点とが記憶できるようにされており、
    前記ロボット手段は、前記型外において、前記制御手段に記憶させた、横行開始位置教示点から、ニッパカット退避位置教示点のX軸位置且つY軸位置の直上位置を通って、ニッパカット退避位置位置教示点、ニッパカット位置教示点に従って、繰り返し同じ動作を行い、前記ニッパカット位置教示点において、ニッパ手段により、前記金型により成形された成形品についているスプルをカットするようにされており、
    前記制御手段を用いて、前記記憶手段に、前記ロボット手段の教示点を記憶させる際には、前記ニッパカット位置教示点、前記ニッパカット退避位置教示点の順に教示を行い、前記記憶手段に、これらの教示点を記憶させた後、
    前記記憶手段に記憶させたニッパカット退避位置教示点のX軸位置を、前記記憶手段に記憶させたニッパカット位置教示点のX軸位置に書換えし、
    前記記憶手段に記憶させたニッパカット退避位置教示点のZ軸位置を、前記記憶手段に記憶させたニッパカット位置教示点のZ軸位置に書換えするようにし、且つ、
    前記ニッパカット退避位置教示点のX軸位置且つY軸位置の直上位置のZ軸位置を、前記記憶手段に記憶された横行開始位置教示点のZ軸位置になるようにした、請求項3〜7のいずれかに記載の成形品の取り出し装置。
  9. 前記制御手段は、更に、外部入力手段を備え、
    前記外部入力手段により、少なくとも、前記制御手段に記憶させたニッパカット位置教示点を、更に、書き換えることができるようにした、請求項8に記載の成形品の取り出し装置。
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