JPH11347651A - 金型昇降装置 - Google Patents

金型昇降装置

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JPH11347651A
JPH11347651A JP16350998A JP16350998A JPH11347651A JP H11347651 A JPH11347651 A JP H11347651A JP 16350998 A JP16350998 A JP 16350998A JP 16350998 A JP16350998 A JP 16350998A JP H11347651 A JPH11347651 A JP H11347651A
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JP
Japan
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die
pinion
mold
rack
holder
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Pending
Application number
JP16350998A
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English (en)
Inventor
Fumio Iwasaki
文雄 岩崎
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Amada Co Ltd
Original Assignee
Amada Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ピニオン・ラック機構を利用して金型を昇降
させることにより、製品の裏側に傷が生じないようにす
ると共に、加工精度を向上させるようにした金型昇降装
置を提供する。 【解決手段】 金型を保持し、昇降自在に取り付けられ
ていると共に、テーパ36A、36B付き凸部36が形
成された金型ホルダ32と、該金型ホルダ32を支持
し、回転自在に取り付けられていると共に、上記金型ホ
ルダ32のテーパ36A、36B付き凸部36と対向す
るテーパ39A、39B付き凸部39が形成されたピニ
オン33と、加工位置Kの近傍に設けられ、該ピニオン
33と噛み合うラック23を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は金型昇降装置、特に
ピニオン・ラック機構を利用して金型を昇降させること
により、製品の裏側に傷が生じないようにすると共に、
加工精度を向上させるようにした金型昇降装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、金属加工機、例えばタレット
パンチプレスは(図5)、上部タレット6と下部タレッ
ト7に同心円状に配置されたパンチPとダイDから成る
金型により、ワークWに打抜き加工や成形加工等のパン
チ加工を施す。
【0003】この場合、図8に示すように、従来のタレ
ットパンチプレスの下部タレット50には、例えば、打
抜き用のダイD1と成形用のダイD2とがそれぞれ取り
付けられている。
【0004】そして、打抜き加工を行う場合には、下部
タレット50を回転させることにより、上記打抜きダイ
D1を加工位置に位置決めし、パスラインPLと接して
いる打抜きダイD1上にワークWを戴置して、打抜き加
工を行う
【0005】これにより、該ワークWには、打抜き穴W
1が形成され、残りはカスW2として落下する。
【0006】また、成形加工を行う場合には、同様に下
部タレット50を回転させることにより、上記成形ダイ
D2を加工位置に位置決めし、パスラインPLより上方
に突出している成形ダイD2上にワークWを戴置して、
成形加工を行う
【0007】これにより、該ワークWには、例えば上向
き成形部W3が形成される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、既述した従来
技術には(図8)、次のような課題がある。
【0009】図8の従来技術おける打抜きダイD1と成
形ダイD2うち、成形ダイD2は、既述したように、パ
スラインPLより上方に突出している。
【0010】従って、パスラインPLに沿って搬入され
たワークWを、上記成形ダイD2の上に載せるときに、
該成形ダイD2がワークWの裏側に突き当たる。
【0011】その結果、ワークWの裏側に傷が生じてし
まい、該ワークWが製品としての価値が無くなる。
【0012】また、パスラインPLより上方に突出した
成形ダイD2により、ワークWにパンチ加工を行うと、
成形ダイD2の周辺付近が盛り上がってしまう。
【0013】その結果、ワークWの加工精度が低下す
る。
【0014】本発明の目的は、ピニオン・ラック機構を
利用して金型を昇降させることにより、製品の裏側に傷
が生じないようにすると共に、加工精度を向上させるよ
うにした金型昇降装置を提供する。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、図1〜図7に示すように、(A)金型を
保持し、昇降自在に取り付けられていると共に、テーパ
36A、36B付き凸部36が形成された金型ホルダ3
2と、(B)該金型ホルダ32を支持し、回転自在に取
り付けられていると共に、上記金型ホルダ32のテーパ
36A、36B付き凸部36と対向するテーパ39A、
39B付き凸部39が形成されたピニオン33と、
(す)加工位置Kの近傍に設けられ、該ピニオン33と
噛み合うラック23を有することを特徴とする金型昇降
装置という技術的手段を講じている。
【0016】この本発明の構成によれば、昇降自在な金
型ホルダ32の直下に、回転自在なピニオン33を取り
付けたことにより(図3)、加工位置Kを通過する際に
(図5(B))ラック23と噛み合いながら回転するピ
ニオン33、及び互いに対向するテーパ36A、36B
付き凸部36とテーパ39A、39B付き凸部39の協
働により、加工位置Kの前後において(図6(A)〜
(C)、図7(B)〜(D))金型Dを昇降させ、該金
型Dが加工位置Kに到達すると(図6(D)、図7
(A))最上位置まで上昇してパスラインPLに接する
ことが可能となる。
【0017】従って、金型Dは、加工位置Kに到達した
ときにパスラインPLに接し、加工位置Kの前後では、
パスラインPLより下方に退避するので、該金型Dによ
り加工を施す場合でも、製品の裏側に傷がつかず、加工
精度も向上する。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明を、実施の形態によ
り添付図面を参照して、説明する。図1は本発明の実施
の形態を示す図である。
【0019】図示する金型昇降装置は、例えばタレット
パンチプレス(図5)に適用され、図1は、本発明によ
る金型がダイD、金型ホルダがダイホルダ32の場合で
あり、ダイホルダ32は下部タレット7に装着されてい
る。
【0020】図1では、パスラインPLから退避してい
る状態のダイDが、加工位置Kに近づいて、後述するピ
ニオン33がラック23と噛み合うことにより、該ダイ
Dが徐々に上昇し、加工位置Kに到達して最上位置まで
上昇しパスラインPLに接し、該ダイDが加工位置Kか
ら遠ざかるにつれて徐々に降下して再びパスラインPL
から退避し、ピニオン33がラック23から外れる様子
が示されている。
【0021】下部タレット7には、収納部34が形成さ
れ、該収納部34は例えば円筒状に形成され、ダイホル
ダ32とピニオン33が収納されている。
【0022】ダイホルダ32は、全体として偏平円筒状
であって(図2)、その中央部には、カス穴37が形成
され、打抜き加工を行った場合のカスW2(図8)が、
後述するピニオン33のカス穴41と下部タレット7の
カス穴7B(図2、図3)を介して落下するようになっ
ている。
【0023】また、ダイホルダ32の側面からは、キー
44(図2)が突出しており、該キー44は、収納部3
4の内壁に形成された溝42に挿入されている(図2、
図3))。
【0024】この構成により、ダイホルダ32は、キー
44を介して溝42に沿って昇降するようになってい
る。
【0025】更に、ダイホルダ32の下面には、テーパ
36A、36B付き凸部36が形成されている。
【0026】この凸部36は、ダイホルダ32の下面の
ほぼ半分の領域を占めており、カス穴37の両側には、
斜め上を向いたテーパ36A、36Bが形成されてい
る。
【0027】上記ダイホルダ32の直下には、ピニオン
33が回転自在に取り付けられている。
【0028】ピニオン33は、全体として偏平円筒状で
あって(図2)、その中央部には、カス穴41が形成さ
れ、打抜き加工を行った場合のカスW2(図8)が、下
部タレット7のカス穴7Bを介して(図2、図3)落下
するようになっている。
【0029】このピニオン33の上面には、前記ダイホ
ルダ32のテーパ36A、36B付き凸部36と対向す
るテーパ39A、39B付き凸部39が形成されてい
る。
【0030】この凸部39は、ピニオン33の上面のほ
ぼ半分の領域を占めており、カス穴41の両側には、斜
め下を向いたテーパ39A、39Bが形成されている。
【0031】上記ダイホルダ32のテーパ36A、36
B付き凸部36と、ピニオン33のテーパ39A、39
B付き凸部39との協働により、ピニオン・ラック機構
を利用し(図4)、後述するように、加工位置Kの前後
において(図6(A)〜(C)、図7(B)〜(D))
金型Dを昇降させ、該金型Dが加工位置Kに到達すると
(図6(D)、図7(A))最上位置まで上昇してパス
ラインPLに接することが可能となる。
【0032】また、下部タレット7の収納部34の内壁
には、図2、図3に示すように、ベアリング45が埋め
込まれて環状に配置され、該ベアリング45により、ピ
ニオン33の側面が支持され、後述する(図4)ラック
23と噛み合うことにより、回転するようになってい
る。
【0033】更に、下部タレット7の収納部34の下部
には、環状の窪み43が形成され(図2、図3)、該窪
み43には、ピニオン33の歯形40が挿入され、該歯
形40が収納部34内で回転可能となっている。
【0034】このピニオン33の歯形40は、下部タレ
ット7の側面に形成された開口部7Aを介して外部に突
出し、下部タレット7が回転してダイDが加工位置Kに
近づくと(図1)、該突出した歯形40部分がラック2
3の歯形24と噛み合うようになっている(図4)。
【0035】一方、下部タレット7の側方であって、加
工位置K(図5)の近傍には、ラック23が設けられて
いる。
【0036】このラック23は、スタンド22を介して
下部フレーム21上に設けられ、前記ピニオン33と同
じた高さ位置に取り付けられ、ダイDが加工位置Kに近
づいたときに(図1)、該ピニオン33が噛み合うよう
になっている。
【0037】ラック23は、円弧状に形成され、その曲
率半径は、下部タレット7の曲率半径に等しい(図
4)。
【0038】そして、下部タレット7が、例えば時計方
向に(図4)回転してダイDが加工位置Kに近づくと、
ピニオン33の歯形40が、ラック23の歯形24の一
端24Aに噛み合って反時計方向に回転を開始し、その
後ピニオン33は180°回転して加工位置Kに到達す
る。
【0039】その間、図4の位置aからbまで、ダイD
は、互いに対向するテーパ36A、36B付き凸部36
とテーパ39A、39B付き凸部39との協働により、
パスラインPLから退避した最下位置(図6(A))か
ら、パスラインPLに接する最上位置まで上昇する
((図6(D))。
【0040】加工位置Kにおいて、ダイDはパンチP
(図1、図5)と協働してワークWに成形加工等のパン
チ加工を行う。
【0041】この場合、本発明によれば、ダイDはパス
ラインPLに接しているので、ワークWを該ダイD上に
戴置するときにも、裏側に傷がつかず、またワークW上
であっでダイDの周辺付近も盛り上がらないので、加工
精度も向上する。
【0042】加工終了後は、下部タレット7が、再び時
計方向に(図4)回転してダイDが加工位置Kから遠ざ
かると同時に、ラック23の歯形24に噛み合っている
ピニオン33の歯形40も、反時計方向に回転を開始
し、その後ピニオン33は、更に180°回転して、ラ
ック23の他端24Bから外れる。
【0043】その間、図4の位置bからcまで、ダイD
は、互いに対向するテーパ36A、36B付き凸部36
とテーパ39A、39B付き凸部39との協働により、
パスラインPLに接している最上位置(図7(A))か
ら、パスラインPLから退避する最下位置まで降下する
(図7(D))。
【0044】この場合、ダイDを昇降させるピニオン3
3の回転には、特別のアクチュエータは不要であり、ピ
ニオン33は、モータM(図5)により回転する下部タ
レット7と共に回転して加工位置Kに近づき、前記ラッ
ク23と噛み合うことにより自ら回転する。
【0045】即ち、ピニオン33は、下部タレット7の
中心O(図5(B))から見れば、モータM(図5
(A))により公転しており、ラック23と噛み合って
いるa〜c(図4)の円弧上を移動するときだけ、公転
と同時に自転することにより、ダイDを昇降させる。
【0046】このため、ピニオン33を駆動させるアク
チュエータが不要になり、その分だけ、装置の大型化が
回避され、かつコストも安くなる。
【0047】図5は、本発明をタレットパンチプレスに
適用した例を示す図であり、該タレットパンチプレス
は、上部タレット6と下部タレット7を有している。
る。
【0048】下部タレット7の側面の開口部7A(図
1)からは、各ダイDに対応して、既述したピニオン3
3が外方に突出し、該ピニオン33は、加工位置Kに近
づくと(図5(B))、該加工位置Kの近傍に設置した
ラック23と噛み合い、該当するダイDを昇降させるよ
うになっている。
【0049】上部タレット6の回転軸8と下部タレット
7の回転軸9には、チェーン4と5がそれぞれ巻回され
ていると共に、該チェーン4と5は、駆動軸3に巻回さ
れている。
【0050】また、加工位置KにおけるパンチPの直上
方であっで、上部フレーム1には、該パンチPを押し下
げるラムシリンダ2が設けられている。
【0051】この構成により、モータMにより駆動軸3
を回転させることにより、チェーン4と5を循環させれ
ば、上部タレット6と下部タレット7が同期回転し、所
定のパンチPとダイDからなる金型を、加工位置Kにお
いて選択することができる。
【0052】従って、クランプ13に把持されたワーク
Wを加工位置Kに位置決めし、ラムシリンダ2を押し下
げれば、パンチPとダイDの協働により、該ワークWに
成形加工等を施すことができる。
【0053】この場合、既述したように、下部タレット
7は、モータMにより上部タレット6と共に同期回転す
るので、各ピニオン33は(図5(B))、下部タレッ
ト7の中心Oに関して公転する。
【0054】従って、ピニオン33がラック23と噛み
合っている円弧上を公転するときには、該公転と同時に
自転することで(例えば、図5(B)のラック23と噛
み合っている3つのピニオン33)ダイDを昇降させる
ので、ピニオン33用の特別なアクチュエータは不要で
ある。
【0055】また、下部フレーム21上には、従来どお
り、Y軸LMガイドレール17(図5(A))が敷設さ
れ、該Y軸LMガイドレール17には、サポートブラケ
ット16が滑り結合しており、該サポートブラケット1
6上には、キャリッジべース11が戴置されている。
【0056】そして、キャリッジべース11には、上部
フレーム1に設けられたY軸モータMyのボールねじ1
4が螺合している。
【0057】また、キャリッジべース11には、クラン
プ13が取り付けられているキャリッジ12が、X軸L
Mガイドレール(図示省略)に滑り結合しており、該キ
ャリッジ12には、X軸モータMx(図示省略)のボー
ルねじ(図示省略)が螺合している。
【0058】更に、タレットパンチプレスの中央には、
テーブル10が固定され、該固定テーブル10上にワー
クWが搬入されるようになっている。
【0059】この構成により、X軸モータMxを回転さ
せると、キャリッジ12が、キャリッジべース11上を
X軸方向に移動し、またY軸モータMyを回転させる
と、サポートブラケット16に支持されたキャリッジべ
ース11が、Y軸方向に移動する(図5(A))。
【0060】従って、キャリッジ12に搭載されたクラ
ンプ13に把持されたワークWを、加工位置Kに位置決
めすることができ、前記したようにピニオン33により
最上位置まで上昇してパスラインPLと接しているダイ
D(図5(A))と、パンチPとの協働により、該ワー
クWに成形加工等を施す。
【0061】以下、上記構成を有する本発明の作用を図
6、図7に基づいて説明する。
【0062】図6、図7においては下部タレット7が省
略されているが、該下部タレット7はモータM(図5
(A))により時計方向に回転し(図1、図3(B)、
図4、図5(B))、それに伴って、ダイDとダイホル
ダ32とピニオン33も時計方向に回転するものとす
る。
【0063】(1)ダイDが加工位置Kに近づき、上昇
してパスラインPLに接するまでの動作(図6)。
【0064】ダイDが加工位置Kから遠く離れている場
合には(図6(A))、ピニオン33のテーパ39A、
39B付き凸部39と、ダイホルダ32のテーパ36
A、36B付き凸部36は、向き合っており、ダイホル
ダ32は、ピニオン33の凸部39と平坦部46の双方
に支持されている。
【0065】従って、この状態では、ダイホルダ32に
保持されたダイDは、最下位置にあってパスラインPL
から退避している。
【0066】また、ピニオン33は、この状態ではラッ
ク23と噛み合っていないので、公転をしているが自転
はしていない。
【0067】ところが、ダイDが加工位置Kに近づい
て、ピニオン33がラック23と噛み合い始めると(図
6(B))、該ピニオン33自身も反時計方向に回転を
開始する。即ち、ピニオン33は、公転と共に自転す
る。
【0068】従って、ピニオン33のテーパ39Aも反
時計方向に回転して、該テーパ39Aがダイホルダ32
のテーパ36Aを押す力F(図6(B)の左図)のZ軸
方向の成分Fzにより、ダイホルダ32は上昇し、該ダ
イホルダ32に保持されたダイDはパスラインPLに近
づく。
【0069】そして、ピニオン33が更に反時計方向に
回転し(図6(C))、当初の位置(図6(A))を基
準として、該ピニオン33のテーパ39A、39Bが9
0°反時計方向に回転してY軸に平行になる。
【0070】この状態で、ダイホルダ32、従ってダイ
Dは最上位置まで上昇してパスラインPLに接し、該ダ
イホルダ32は、ピニオン33のテーパ39A、39B
付き凸部39のほぼ右半分の領域Aにより支持されてい
る。
【0071】次いで、ダイDが加工位置Kに到達したと
きには(図6(D))、ピニオン33は更に90°回転
しており、当初の位置(図6(A))を基準として、該
ピニオン33のテーパ39A、39Bが180°反時計
方向に回転してX軸に平行になる。
【0072】この状態では、ダイホルダ32、従ってダ
イDの高さ位置は変わらず、前回(図6(C))と同様
に最上位置にあってパスラインPLに接している。
【0073】しかし、ダイホルダ32は、ピニオン33
のテーパ39A、39B付き凸部39の全部の領域Bに
より支持されている。
【0074】この加工位置Kでは、既述したように、パ
スラインPLに接しているダイD上に(図6(D))ク
ランプ13(図5(A))に把持されたワークWを位置
決めし、ラムシリンダ2を押し下げればパンチガイド4
7(図1)に沿ってパンチPがワークWを殴打すること
により、該ダイDと協働して成形加工等を施す。
【0075】この場合、本発明によれば、ダイDはパス
ラインPLに接しているので、ワークWを該ダイD上に
位置決めするときにも、裏側に傷がつかず、またワーク
W上であっでダイDの周辺付近も盛り上がらないので、
加工精度も向上する。
【0076】(2)ダイDが加工位置Kから遠ざかり、
降下してパスラインPLから退避するまでの動作(図
7)。
【0077】加工位置Kにおいて(図7(A))、パス
ラインPLに接しているダイDとパンチPとの協働によ
り、ワークWに成形加工等が施された後、ピニオン33
は時計方向に公転しながら、ラック23と噛み合って更
に反時計方向に自転する(図7(B))。
【0078】このとき、加工位置K(図7(A))を基
準として、該ピニオン33のテーパ39A、39Bが9
0°反時計方向に回転してY軸に平行になる。
【0079】この状態では、図7(B)に示すように、
ピニオン33のテーパ39A、39Bが図面に向かって
正面を向いており、ダイホルダ32、従ってダイDは未
だ最上位置にあってパスラインPLに接している。
【0080】また、ダイホルダ32は、今度は、ピニオ
ン33のテーパ39A、39B付き凸部39のほぼ左半
分の領域Cにより支持されている。
【0081】次いで、更にピニオン33が反時計方向に
回転すると(図7(C))、その凸部39のテーパ39
A、39Bも反時計方向に回転し、今度は、反対側のテ
ーパ39Bがダイホルダ32のテーパ36Bを支持しな
がら(図7(C)の右図)、該ダイホルダ32を降下さ
せる。
【0082】これにより、ダイホルダ32に保持された
ダイDは、パスラインPLから離れ始める(図7(C)
の左図)。
【0083】次いで、ピニオン33が更に反時計方向に
回転し、加工位置K(図7(A))を基準として、図7
(D)に示すように、該ピニオン33のテーパ39A、
39Bも180°反時計方向に回転してX軸に平行にな
ると、該ピニオン33のテーパ39A、39B付き凸部
39と、ダイホルダ32のテーパ36A、36B付き凸
部36は、再び向き合い、ダイホルダ32は、ピニオン
33の凸部39と平坦部46の双方に支持される。
【0084】従って、この状態では、ダイホルダ32に
保持されたダイDは、最下位置にあってパスラインPL
から退避している。
【0085】また、ピニオン33は、この状態ではラッ
ク23とは外れており、公転をしているが自転はしなく
なり、下部タレット7と共にその中心Oに関して(図5
(B)反時計方向に回転して行く。
【0086】即ち、ピニオン33は、それ自身は静止
し、下部タレット7の側面の開口部7A(図1)から外
方に突出したままで(図5(B))、反時計方向に回転
する。
【0087】
【発明の効果】上記のとおり、本発明の構成によれば、
金型昇降装置を、金型を保持し、昇降自在に取り付けら
れていると共に、テーパ付き凸部が形成された金型ホル
ダと、該金型ホルダを支持し、回転自在に取り付けられ
ていると共に、上記金型ホルダのテーパ付き凸部と対向
するテーパ付き凸部が形成されたピニオンと、加工位置
の近傍に設けられ、該ピニオンと噛み合うラックを有す
るように構成したことにより、加工位置を通過する際に
ラックと噛み合いながら回転するピニオン、及び互いに
対向するテーパ付き凸部の協働により、加工位置の前後
において金型を昇降させ、該金型が加工位置に到達する
と最上位置まで上昇してパスラインに接することが可能
となる。
【0088】従って、金型は、加工位置に到達したとき
にパスラインに接し、加工位置の前後では、パスライン
より下方に退避するので、該金型により加工を施す場合
でも、製品の裏側に傷がつかず、加工精度も向上すると
いう効果を奏することとなった。。
【0089】更に、ピニオンは、同期回転する上部タレ
ットと下部タレットと共に公転しており、ラックと噛み
合っているときだけ、公転と同時に自転することによ
り、ダイを昇降させるので、該ピニオンを駆動させる特
別なアクチュエータは不要であり、その分だけ、装置の
大型化が回避され、かつコストも安くなるという効果も
ある。
【0090】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す図である。
【図2】本発明を構成する金型ホルダ32とピニオン3
3とラック23との関係を示す図である。
【図3】本発明による金型が最下位置にある状態と、最
上位置にある状態を示す図である。
【図4】本発明によるピニオン33とラック23の関係
を示す図である。
【図5】本発明をタレットパンチプレスに適用した例を
示す図である。
【図6】本発明による金型が上昇してパスラインPLと
接するまでの動作説明図ある。
【図7】本発明による金型が降下してパスラインPLか
ら退避するまでの動作説明図である。
【図8】従来技術の説明図である。
【符号の説明】
6 上部タレット 7 下部タレット 23 ラック 32 金型ホルダ 33 ピニオン 36 金型ホルダ32のテーパ36A、36B付き凸部 39 ピニオン33のテーパ39A、39B付き凸部 D ダイ K 加工位置 P パンチ W ワーク

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上部タレットと下部タレットに同心円状
    に配置されたパンチとダイから成る金型により、加工位
    置にてワークに打抜き加工や成形加工等のパンチ加工を
    施すタレットパンチプレスにおいて、 上記金型を保持し、昇降自在に取り付けられていると共
    に、テーパ付き凸部が形成された金型ホルダと、 該金型ホルダを支持し、回転自在に取り付けられている
    と共に、上記金型ホルダのテーパ付き凸部と対向するテ
    ーパ付き凸部が形成されたピニオンと、 上記加工位置の近傍に設けられ、該ピニオンと噛み合う
    ラックを有することを特徴とする金型昇降装置。
  2. 【請求項2】 上記金型がダイであって、下部タレット
    に形成された収納部に、ダイホルダとピニオンが収納さ
    れ、ダイホルダとピニオンの中央部にはカス穴がそれぞ
    れ形成されている請求項1記載の金型昇降装置。
  3. 【請求項3】 上記ダイホルダの側面から突出したキー
    が、収納部の内壁に形成された溝に挿入され、ダイホル
    ダは、キーを介して溝に沿って昇降するようになってい
    る請求項2記載の金型昇降装置。
  4. 【請求項4】 上記ピニオンの側面が、収納部の内壁に
    埋め込まれたベアリングに支持され、ピニオンの歯形
    が、収納部の下部に形成された窪みに挿入されていると
    共に、下部タレットの側面に形成された開口部を介して
    外部に突出し、該突出した歯形部分が上記ラックの歯形
    と噛み合う請求項2記載の金型昇降装置。
  5. 【請求項5】 上記ラックが円弧状に形成され、該ラッ
    クの曲率半径は下部タレットの曲率半径に等しく、加工
    位置に到達したダイが、ラックと噛み合って180°回
    転するピニオンにより押し上げられて最上位置まで上昇
    してパスラインに接するようになっている請求項2記載
    の金型昇降装置。
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