JP3919514B2 - 配管接続構造及びプレート式熱交換器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、配管の内部に他の配管の先端が挿入された状態で、これらの配管がろう付け接続されている配管接続構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、2本の配管同士を接続する目的で、一方の配管の内部に他方の配管の先端を挿入して、その接続部分をろう付けすることが知られている。
【0003】
例えば、2枚の本体フレームの間で、多数枚の伝熱プレートが積層されてなるプレート式熱交換器は広く知られている。その本体フレームの一方には複数の円筒状のノズルが突出して設けられていて、この熱交換器内部への流体の出入口となっている。これらノズル、本体フレーム及び伝熱プレートは、通常、それぞれステンレス鋼等からなる。そして、ノズルは、その内部に銅管からなる冷媒配管が差し込まれた状態でろう付けされることにより、その冷媒配管と接続されるように構成されている。
【0004】
このとき、ステンレス材と銅材とをろう付けするためには、ステンレス鋼の酸化被膜を予め除去する必要がある。そこで、配管をノズルに差し込んでろう付けする前に、ノズル内面に弗化物等のフラックスを予め塗布することが一般に行われている。
【0005】
ところが、このような配管接続構造では、ノズルと配管との接合部分が残留フラックスによって腐食される虞れがあるため、残留フラックスをろう付け後に洗浄除去しなければならないという問題がある。そこで、従来より、例えば特開2000ー105090号公報に示されるように、上記フラックスの塗布を不要にする目的で、ノズルの内周面を12.5μmRy以上の粗面となるように加工して、予め銅のろう被膜を施すようにすることが提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、銅のろう被膜が予め形成されたノズルの内周面と、配管の外周面とを、ろう付けによって確実に接合するためには、3μm程度の厚さのろう被膜をノズル内周面に均一に形成する必要がある。
【0007】
しかしながら、上記提案のものでは、実際には、ノズル内周面にろう被膜が形成されない部分が島状に残るため、ろう被膜を均一に形成することが難しいという問題がある。
【0008】
一方、内周面に銅メッキが施された筒状のソケットの一端をノズル開口端に溶接して接合し、このソケットの他端に配管をろう付けすることも考えられるが、この場合、コストが高くなるのは避けられない。
【0009】
ところで、ノズルと配管とを確実に接続するためには、ノズルの内周面と配管の外周面との間をろう付けした後、ノズルの開口端に断面テーパ状のフィレットを確実に形成することが望ましい。そして、このフィレットを良好に形成するためには、予めノズル開口端面にろう被膜を確実に形成しておく必要がある。
【0010】
しかしながら、ノズル開口端の内周縁部である角部に形成されるろう被膜は、薄くなることが避けられないため、フィレットを良好に形成することは難しい。
【0011】
本発明は斯かる諸点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、配管の接続構造に改良を加えることにより、配管の表面にろう被膜を良好に形成し、配管同士を確実に接続するとともに、コストの低減を図ることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、この発明では、第2配管の先端が挿入されてろう付けされる第1配管の接続部に、ろう被膜を保持する所定形状の溝部を形成するようにした。
【0013】
具体的には、第1の発明は、第1配管(20)の内部に第2配管(30)の先端が挿入された状態で、該第1配管(20)と第2配管(30)とがろう付け接続されている配管の接続構造が前提である。そして、上記第1配管(20)及び第2配管は、互いに異なる材質により構成され、上記第1配管(20)の接続部内周面には、上記第2配管(30)と同じ材質のろう被膜(40)を保持するための溝部(25)が形成され、上記第2配管(30)は、該第2配管(30)の外周面と、上記溝部(25)に保持されたろう被膜(40)の表面との間に設けられたろう材によって、上記第1配管(20)にろう付け接続され、上記溝部(25)は、断面円弧状に形成され、上記第1配管(20)の接続部内周面にリング状又は連続する螺旋状に形成されると共に、第1配管(20)の長さ方向に並んで形成され、上記溝部(25)の溝幅(W)は、隣接する溝部(25)間のピッチ(P)と同じ大きさであり、上記溝部(25)の溝深さ(D)は、0.03mm以上且つ0.10mm以下である。
【0014】
上記の発明によると、第2配管(30)と同じ材質のろう被膜(40)を保持するための溝部(25)が、断面円弧状に形成されると共に、0.03mm以上且つ0.10mm以下の溝深さ(D)で、第1配管(20)の内周面に形成されているので、ろう被膜(40)を炉中加熱等により形成する際に、溶融した液状のろう材が溝部(25)内に貯留される。その後、冷却されることによって、ろう被膜(40)が溝部(25)内に確実に保持されるため、ろう被膜(40)が第1配管(20)の内周面に均一に形成される。そして、第2配管(30)は、第2配管(30)の外周面とろう被膜(40)の表面との間に設けられたろう材によって、同じ材質同士の間で第1配管(20)へ確実にろう付け接続される。また、予め内周面にろう材のメッキ処理が施されたソケット等の別部材を必要としないので、コストの低減が図られる。
【0015】
また、溝部(25)の溝幅(W)を隣接する溝部(25)間のピッチ(P)と同じ大きさとすることにより、隣接する溝部(25)の間の間隔が無くなるので、各溝部(25)間に平坦部は形成されない。従って、ろう被膜(40)は、そのような平坦部によって分断されることがなく、連続して均一に形成される。
【0016】
また、第2の発明は、上記第1の発明において、上記第1配管(20)の接続側開口端面には、上記第2配管(30)と同じ材質のろう被膜(40)を保持するための保持部(27,31)が形成され、上記第2配管(30)は、該第2配管(30)の外周面と、上記保持部(27,31)に保持されたろう被膜(40)の表面との間に設けられたろう材によって、上記第1配管(20)にろう付け接続されている。
【0017】
このことにより、第2配管(30)と同じ材質のろう被膜(40)が、第1配管(20)の開口端(22)で保持部により確実に保持される。従って、第2配管(30)は、第1配管(20)の接続側開口端面におけるろう被膜(40)と、第2配管(30)の外周面との間に設けられたろう材によって、同じ材質同士の間で第1配管(20)へ確実にろう付け接続され、ろう付けの最終段階で断面テーパ状のフィレット(45)が良好に形成される。その結果、第1配管(20)開口端(22)と第2配管(30)の外周面との間が確実に閉塞される。
【0018】
第3の発明は、上記第2の発明において、上記保持部(27,31)は、上記第1配管(20)の接続部開口端の内周縁に形成された切り欠き(31)である。
【0019】
ところで、開口端(22)の角部では、液状のろう被膜(40)の厚さが薄くなるのは避けられない。これに対して、この発明によると、第1配管(20)開口端(22)の内側又は外側の角部に、切り欠き(31)が形成されているので、この切り欠き(31)にろう被膜(40)が確実に形成される。ここで、上記内周縁とは、内周面近傍のみに限定されるものではなく、外周面近傍までを含む概念である。
【0020】
第4の発明は、上記第3の発明において、上記切り欠き(31)は、リング状の置きろう(41)を保持するように構成されている。
【0021】
このことにより、第1配管(20)と第2配管(30)との接続時に、置きろう(41)が切り欠き(31)により保持されて、ノズル(20)内周面にろう被膜(40)が容易に形成される。
【0022】
第5の発明は、上記第1の発明において、上記第1配管(20)の接続部側の開口端面に、該開口の周方向に延びるように凹溝部(27)が形成されている。
【0023】
また、第6の発明は、上記第5の発明において、複数の上記凹溝部(27)が第1配管(20)の径方向に並んで形成されている。
【0024】
これら第5又は第6の発明のようにすることで、第1配管(20)の開口端面において、ろう被膜(40)が凹溝部(27)により確実に保持される。
【0025】
第7の発明は、上記第6の発明において、上記複数の凹溝部(27)の溝幅は、隣接する凹溝部(27)間のピッチと同じ大きさである。
【0026】
上記の発明によると、第1配管(20)の開口端面に均一なろう被膜(40)が効果的に形成される。
【0027】
第8の発明は、上記第1の発明において、上記第1配管(20)の開口端(22)に嵌挿され、一端に鍔部(44a)を有する筒状のろう材(44)によって、上記ろう被膜(40)が形成されている。
【0028】
この発明によると、ろう材(44)の筒部分により開口端(22)の内周面にろう被膜(40)が形成される一方、ろう材(44)の鍔部(44a)分により開口端面にろう被膜(40)が形成される。従って、簡単な構成によって、第1配管(20)の開口端(22)に確実にろう被膜(40)が形成される。
【0029】
第9の発明は、上記第1の発明において、上記第1配管(20)は、プレート式熱交換器における流体出入口ノズルである。
【0030】
また、第10の発明は、上記第1の配管接続構造を有し、流体の出入口たるノズルを備えるプレート式熱交換器であって、第1配管(20)は上記ノズルである。
【0031】
これら第9及び10の発明によると、プレート式熱交換器のノズルと第2配管とが確実に接続される。
【0032】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
図1及び図2は本発明の実施形態に係る配管接続構造を有するプレート式熱交換器(10)の概略を示している。同図に示すように、プレート式熱交換器(10)は、例えばステンレス鋼からなる2枚の略矩形板状の本体フレーム(11,12)を備えている。図1における紙面手前側(以降、前方向とする)に位置づけられている本体フレーム(11)の四隅には4つの円形の貫通孔(図示省略)がそれぞれ形成されている。この貫通孔(図示省略)には、後述のノズル(20)が前方に突出した状態で取付固定される。
【0033】
そして、これら本体フレーム(11,12)の間には、多数枚の伝熱プレート(15,15,…)が、所定の間隔で積層された状態で接合されている。すなわち、伝熱プレート(15,15,…)はステンレス鋼等からなり、その中央部分には伝熱効果を高める目的で、波状や球状の突起が形成されている。また、その四隅には、本体フレームに対応するように通路孔(図示省略)がそれぞれ形成されている。そして、この伝熱プレート(15,15,…)には、その表面における周縁部や通路孔(図示省略)の周囲にろう材が塗布されている。これらの伝熱プレート(15,15,…)と、本体フレーム(11,12)とを、ろう材を介して積層配置し、真空環境下で加熱することにより溶融接合するようにしている。
【0034】
一方、プレート式熱交換器(10)は、外部の配管が差し込まれてろう付けされるための第1配管たる管状のノズル(20)を備えている。ノズル(20)は、このプレート式熱交換器(10)の内部への流体(冷媒)の出入口である。すなわち、前側の本体フレーム(11)の貫通孔(図示省略)には、基端側にフランジ部(21)を有する略円筒状のノズル(20)が固着して設けられている。ノズル(20)は、そのフランジ部(21)の先端側壁面が本体フレーム(11)の貫通孔(図示省略)周囲の内壁面と接合されることにより、その先端の開口端(22)が前方に突出するように取付けられている。そして、図2に示すように、このノズル(20)の内部に第2配管としての銅管からなる冷媒配管(30)の一端が差し込まれる。そして、後述するように、ノズル(20)は、ろう付けにより冷媒配管(30)と接続するように構成されている。
【0035】
すなわち、このプレート式熱交換器(10)は、ノズル(20)の内部に冷媒配管(30)の先端が挿入された状態で、該ノズル(20)と冷媒配管(30)とがろう付け接続されている配管の接続構造を有している。
【0036】
図3〜図6に示すように、ノズル(20)は、その内側における中間部分が段差状に形成されている。すなわち、この段差部(23)から先端側に位置するノズル先端部(20a)の内径は、段差部(23)から基端側に位置するノズル基端部(20b)の内径よりも大きくなるように構成されている。このようにして、ノズル先端部(20a)内に冷媒配管(30)が嵌挿されるようにしている。
【0037】
そして、本発明の特徴として、図7に拡大して示すように、ノズル(20)の接続部内周面には、ろう被膜(40)を保持するための溝部(25)が形成されている。具体的に、ノズル先端部(20a)の内周面には、例えば断面円弧状の溝部(25)が、ノズル(20)の内周面にその周方向に沿って延びるように形成されている。この溝部(25)の溝深さ(D)は、例えば0.03mm〜0.10mmとすることが望ましい。一方、溝幅(W)は例えば0.4mm〜0.6mmとすることが好ましい。そして、例えば、溝部(25)は、ノズル(20)の周方向に延びるリング状の溝として形成され、このような多数のリング状の溝部(25,25,…)が、上記所定のピッチ(P)でノズルの長さ方向に並ぶように連続して形成されている。
【0038】
そして、この溝部(25)の溝幅(W)は、隣接する溝部間のピッチ(P)と同じ大きさとなるように構成されている。つまり、溝部(25)の幅方向両端に、隣り合う溝部(25,25)の両端が位置付けられており、各溝部(25,25,…)間に平坦な部分が形成されないようにしている。
【0039】
尚、溝部(25)は、そのような構成に限定されるものではない。すなわち、例えばノズル(20)の接続部内周面に、連続する螺旋状の溝部を形成するようにしてもよい。このとき、隣接する溝間のピッチは上記所定のピッチ(P)と同様にすればよい。
【0040】
ところで、ノズル(20)の接続部開口端(22)の内周縁には、周方向に延びるように形成された切り欠き(31)が、ノズル(20)の突出側(前側)と、ノズル(20)の径方向内側との双方に開口するように設けられている。切り欠き(31)は、その底面部と側面部とが略垂直となるように、段差状に形成されている。そして、この切り欠き(31)は、ノズル(20)と配管(30)とを接続する際に、リング状の置きろう(41)を、切り欠き(31)の底面部及び側面部の双方に当接した状態で保持するように構成されている。置きろう(41)は、銅からなる。このとき、置きろう(41)のリング径は、切り欠き(31)の内径よりも少し大きく構成されており、置きろう(41)は、その弾性を利用して切り欠き(31)内に係止するようにしている。
【0041】
そして、ノズル(20)の接続部側の開口端面には、該開口の周方向に延びるように、凹溝部(27)が形成されている。凹溝部(27)は、例えば断面円弧状に形成されている。すなわち、ノズル(20)の開口端面には、複数の上記凹溝(27,27,…)がノズル(20)の径方向に並んで設けられている。そして、これら複数の凹溝部(27)の溝幅は、隣接する凹溝部(27)間のピッチと同じ大きさとなるように構成されている。
【0042】
これらの切り欠き(31)及び凹溝部(27)は、それぞれろう被膜(40)を保持するためのものである。すなわち、ノズル(20)の接続側開口端面(22)には、ろう被膜(40)を保持するための保持部が形成されており、保持部は、切り欠き(31)及び凹溝部(27)をそれぞれ有している。
【0043】
次に、本実施形態に係るプレート式熱交換器(10)のノズル(20)に冷媒配管(30)をろう付けする方法について説明する。先ず、図3に示すように、切り欠き(31)に、置きろう(41)を係止固定する。
【0044】
そして、伝熱プレート(15)と本体フレーム(11,12)とを積層配置した状態で炉中に収容し、炉中ろう付けを行う。このことにより、伝熱プレート(15)と本体フレーム(11,12)とが接合すると同時に、図4に示すように、ノズル(20)の内周面にろう被膜(40)が形成される。
【0045】
このとき、置きろう(41)は炉中で溶解し、ノズル(20)の内周壁面に沿ってノズル長さ方向に拡がる。すなわち、置きろう(41)が溶解することにより、切り欠き(31)は、液状のろう材がその内部(つまり、底面部及び側面部)に充填されることによってろう被膜(40)により被覆される。また、ノズル(20)の開口端面は、凹溝部(27)にろう材が充填されることによってろう被膜(40)が形成される。
【0046】
そして、溶解した置きろう(41)がノズル(20)の基端側へ拡がることにより、ノズル先端部(20a)における内周面にろう被膜(40)が形成される。このとき、図7にも示すように、ノズル内周面に所定ピッチで形成されている多数の溝部(25,25,…)内に液状のろう材が充填され、その後の冷却によりろう被膜(40)が形成される。このようにして、ステンレス鋼からなるノズル(20)の内周面に、純銅のろう被膜(40)が均一に形成される。
【0047】
続いて、図5に示すように、内周面が銅被覆されたノズル(20)に、銅管たる冷媒配管(30)を差し込んで、その配管(30)の先端が段差部(23)に近接するようにする。その後、図6に示すように、リン銅ろうとしての差しろう(43)によってろう付けを行う。そして、このろう付けの最終段階として、ノズルの開口端(22)と、冷媒配管の外周面とをろう材により閉塞する目的で、ノズル先端方向(前方向)に向かって断面積が小さくなる断面テーパ状のフィレット(45)を形成する。
【0048】
以上説明したように、この実施形態1によると、ろう被膜(40)を保持するための溝部(25)がノズル(20)の内周面に形成されているので、ろう被膜(40)を炉中ろう付けにより形成する際に、溶融した液状のろう材を溝部(25)内に貯留することができる。その後、冷却されることによって、ろう材が溝部(25)内に確実に保持されるため、純銅のろう被膜(40)をステンレス鋼からなるノズル(20)の内周面上に均一に形成することができる。従って、銅と銅とのろう付けによって、ノズル(20)と配管(30)とを極めて容易に接続することができる。そのため、ステンレス鋼の酸化被膜を除去するためのフラックスを不要とすることができる。
【0049】
また、予め内周面にろう材のメッキ処理が施されたソケット等の別部材を必要としないので、コストの低減を図ることができる。
【0050】
そして、溝部(25)の溝幅(W)が、隣接する溝部(25)間のピッチ(P)と同じ大きさであるため、隣接する溝部(25)の間の間隔が無くなるので、各溝部(25)間に平坦部は形成されない。従って、ろう被膜(40)は、そのような平坦部によって分断されることがないため、連続して均一なものとすることができる。
【0051】
同様に、凹溝部(27)の溝幅が、隣接する凹溝部(27)間のピッチと同じ大きさであるため、ノズル(20)の開口端面に均一なろう被膜(40)を効果的に形成することができる。
【0052】
ところで、開口端(22)の角部では、液状のろう被膜(40)の厚さが薄くなるのは避けられない。これに対して、この実施形態では、ノズル(20)の開口端(22)に、切り欠き(31)及び凹溝部(27)を形成するようにしたので、ろう被膜(40)が、ノズル(20)の開口端(22)で保持部により確実に保持される。すなわち、切り欠き(31)にろう被膜(40)が確実に形成される。また、ろう被膜(40)が凹溝部(27)により確実に保持される。従って、ノズル(20)開口端(22)において、ろう付けの最終段階で断面テーパ状のフィレット(45)を良好に形成することができ、ノズル(20)開口端(22)と配管(30)の外周面との間を確実に閉塞することができる。
【0053】
また、ノズル(20)と配管(30)との接続時に、置きろう(41)が切り欠き(31)により保持されるため、ノズル(20)内周面にろう被膜(40)を容易に形成することができる。
【0054】
尚、この実施形態では、凹溝部(27)及び切り欠き(31)の双方を設けるようにしたが、どちらか一方を設けるようにしてもよい。
【0055】
(実施形態2)
図8及び図10は、本発明の実施形態2を示し(尚、図1〜図7と同じ部分については同じ符号を付して、その詳細な説明は省略する)、上記実施形態1では、ノズル(20)の開口端(22)に切り欠き(31)を設け、ろう被膜(40)の形成時に、その切り欠き(31)に置きろう(41)を配設するようにしたのに対して、そのような切り欠きを設けないようにし、その代わりに後述のろう材(44)を設けるようにしたものである。
【0056】
すなわち、図8に拡大して示すように、この実施形態2では、ノズル(20)の開口端面に、上記実施形態1と同様に、複数の凹溝(27,27,…)が形成されている。
【0057】
そして、ノズル(20)の接続部内周面にろう被膜(40)を形成するときには、この開口端(22)に、図10に示すように、一端に鍔部(44a)を有する筒状のろう材(44)を嵌挿させて取り付ける。そして、このように、ろう材(44)がノズル(20)の開口端(22)に嵌挿された状態で、伝熱プレート(15)及び本体フレーム(11,12)とともに炉中ろう付けを行い、加熱することにより、ノズル(20)の開口端面及び内周面にろう被膜(40)がそれぞれ形成される。
【0058】
したがって、この実施形態2によると、ろう材(44)の筒部分により開口端(22)の内周面にろう被膜(40)が形成される一方、ろう材(44)の鍔部(44a)分により開口端面にろう被膜(40)が形成される。従って、簡単な構成によって、ノズル(20)の開口端(22)に確実にろう被膜(40)を形成することができる。
【0059】
尚、上記各実施形態では、一例としてプレート式熱交換器のノズルにおける配管接続構造について説明したが、本発明はこれに限らず、その他の配管同士の接続構造として適用することができる。
【0060】
また、上記凹溝部(27)は、例えば図8に示すように、必ずしも複数設ける必要はない。したがって、例えば図9に示すように、ノズルの開口端面を1つの断面円弧状の凹溝部(27)により構成するようにしてもよい。
【0061】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によると、第1配管の接続部内周面に、第2配管と同じ材質のろう被膜を保持するための溝部を、断面円弧状に形成すると共に、0.03mm以上且つ0.10mm以下の溝深さ(D)で形成することにより、ろう被膜を第1配管の内周面に均一に形成することができる。その結果、第1配管のろう被膜と、第2配管との間で確実にろう接続することができる。また、予め内周面にろう材のメッキ処理が施されたソケット等の別部材を必要としないので、コストの低減を図ることができる。また、溝部の溝幅を、隣接する溝部間のピッチと同じ大きさにすることで、隣接する溝部の間の間隔が無くなるので、ろう被膜連続して均一に形成することができる。
【0062】
第2の発明によると、第1配管の接続側開口端面に、第2配管と同じ材質のろう被膜を保持するための保持部を形成することにより、ろう被膜を、第1配管の開口端で保持部により確実に保持することができる。従って、第1配管開口端において、第1配管のろう被膜と、第2配管との間で確実にろう接続することができ、フィレットを良好に形成することが可能となる。
【0063】
第5の発明によると、第1配管の接続部側の開口端面に、該開口の周方向に延びるように凹溝部を形成することにより、第1配管の開口端面において、ろう被膜を凹溝部により確実に保持することができる。
【0064】
第7の発明によると、凹溝部の溝幅を、隣接する凹溝部間のピッチと同じ大きさとすることにより、第1配管の開口端面に均一なろう被膜を効果的に形成することができる。
【0065】
第8の発明によると、一端に鍔部を有する筒状のろう材を第1配管の開口端に嵌挿された状態でろう付け接続することにより、簡単な構成によって、第1配管の開口端に確実にろう被膜を形成することが可能となる。
【0066】
第9の発明によると、第1配管を、プレート式熱交換器における流体出入口ノズルとすることにより、プレート式熱交換器のノズルと第2配管とを確実に接続することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態に係るプレート式熱交換器の概略を示す正面図である。
【図2】 本実施形態に係るプレート式熱交換器の概略を示す側面図である。
【図3】 実施形態1における置きろうが取り付けられたノズルを示す断面図である。
【図4】 ろう被膜が形成されたノズルを示す図3相当図である。
【図5】 配管が嵌挿されたノズルを示す図3相当図である。
【図6】 差しろうによりろう付けされたノズルを示す図3相当図である。
【図7】 ノズルの内周面の一部を拡大して示す断面図である。
【図8】 実施形態2におけるノズルの開口端の一部を拡大して示す断面図である。
【図9】 ノズルの開口端の一部を拡大して示す図8相当図である。
【図10】 実施形態2におけるノズルに嵌挿されるろう材を示す斜視図である。
【符号の説明】
(P) ピッチ
(W) 溝幅
(10) プレート式熱交換器
(20) ノズル(第1配管)
(22) 開口端
(25) 溝部
(27) 凹溝部(保持部)
(30) 冷媒配管(第2配管)
(31) 第1切り欠き溝(保持部)
(40) ろう被膜
(41) 置きろう
(44) ろう材
(44a) 鍔部

Claims (10)

  1. 第1配管(20)の内部に第2配管(30)の先端が挿入された状態で、該第1配管(20)と第2配管(30)とがろう付け接続されている配管の接続構造において、
    上記第1配管(20)及び第2配管は、互いに異なる材質により構成され、
    上記第1配管(20)の接続部内周面には、上記第2配管(30)と同じ材質のろう被膜(40)を保持するための溝部(25)が形成され、
    上記第2配管(30)は、該第2配管(30)の外周面と、上記溝部(25)に保持されたろう被膜(40)の表面との間に設けられたろう材によって、上記第1配管(20)にろう付け接続され、
    上記溝部(25)は、断面円弧状に形成され、上記第1配管(20)の接続部内周面にリング状又は連続する螺旋状に形成されると共に、第1配管(20)の長さ方向に並んで形成され、
    上記溝部(25)の溝幅(W)は、隣接する溝部(25)間のピッチ(P)と同じ大きさであり、上記溝部(25)の溝深さ(D)は、0.03mm以上且つ0.10mm以下である
    ことを特徴とする配管接続構造。
  2. 請求項1において、
    上記第1配管(20)の接続側開口端面には、上記第2配管(30)と同じ材質のろう被膜(40)を保持するための保持部(27,31)が形成され、
    上記第2配管(30)は、該第2配管(30)の外周面と、上記保持部(27,31)に保持されたろう被膜(40)の表面との間に設けられたろう材によって、上記第1配管(20)にろう付け接続されていることを特徴とする配管接続構造。
  3. 請求項2において、
    上記保持部(27,31)は、上記第1配管(20)の接続部開口端の内周縁に形成された切り欠き(31)であることを特徴とする配管接続構造。
  4. 請求項3において、
    上記切り欠き(31)は、リング状の置きろう(41)を保持するように構成されていることを特徴とする配管接続構造。
  5. 請求項1において、
    記第1配管(20)の接続部側の開口端面に、該開口の周方向に延びるように凹溝部(27)が形成されていることを特徴とする配管接続構造。
  6. 請求項5において、
    複数の上記凹溝部(27)が第1配管(20)の径方向に並んで形成されていることを特徴とする配管接続構造。
  7. 請求項6において、
    上記複数の凹溝部(27)の溝幅は、隣接する凹溝部(27)間のピッチと同じ大きさであることを特徴とする配管接続構造。
  8. 請求項1において、
    上記第1配管(20)の開口端(22)に嵌挿され、一端に鍔部(44a)を有する筒状のろう材(44)によって、上記ろう被膜(40)が形成されていることを特徴とする配管接続構造。
  9. 請求項1において、
    上記第1配管(20)は、プレート式熱交換器における流体出入口ノズルであることを特徴とする配管接続構造。
  10. 請求項1の配管接続構造を有し、流体の出入口たるノズルを備えるプレート式熱交換器であって、
    第1配管(20)は上記ノズルであることを特徴とするプレート式熱交換器。
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