JP3770684B2 - アルミニウム合金製熱交換器 - Google Patents

アルミニウム合金製熱交換器 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、自動車用空調機を構成するコンデンサ等として使用されるアルミニウム合金製熱交換器の改良に関し、ろう付け不良に伴う性能の劣化を有効に防止すべく発明したものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車用空調機のコンデンサとして利用する熱交換器として、例えば実開昭64−8081号公報には、図3に示す様な構造のアルミニウム合金製熱交換器が記載されている。この従来のアルミニウム合金製熱交換器は、上端面に入口管1を接続したアルミニウム合金製の入口側ヘッダ2と、この入口側ヘッダ2と平行に配置され、下端面に出口管3を接続した出口側ヘッダ4とを、複数の伝熱管5、5により互いに接続し、隣り合う伝熱管5、5同士の間に、コルゲート型のフィン6、6を挟持する事により構成している。冷媒等の流体と空気との間で熱交換を行なわせる場合には、入口管1から流体を送り込み、出口管3から取り出せば、この流体は、入口側ヘッダ2から出口側ヘッダ4に向けて多数の伝熱管5、5を流れる間に、これら伝熱管5、5及び上記フィン6、6の周囲を流れる空気との間で熱交換を行なう。
【0003】
ところで、上述の様に構成され作用するアルミニウム合金製熱交換器の場合、伝熱管5、5内を流れる冷媒等の流体の流路を長くして、流体の流れを速くする事により、熱交換器の性能向上を図る為、上記各ヘッダ2、4の中間部に隔壁7、7を設ける事が行なわれている。例えば、図3に示した構造の場合、入口側ヘッダ2の内側と出口側ヘッダ4の内側とに、それぞれ1個ずつの隔壁7、7を固定している。この為、入口管1から入口側ヘッダ2に送り込まれた冷媒等の流体は、先ず一部の伝熱管5、5を通じて出口側ヘッダ4に送られる。次いでこの流体は、この出口側ヘッダ4から別の伝熱管5、5を通じて再び入口側ヘッダ2に戻され、更に残りの伝熱管5、5を通じて再び出口側ヘッダ4に送られてから、出口管3より送り出される。
【0004】
上述の様に、入口側ヘッダ2或は出口側ヘッダ4の内側を複数の室に分割する為の隔壁7は、例えば図4〜5に示す様にして、入口側ヘッダ2(或は出口側ヘッダ4。以下同じ。)の内側に装着する。即ち、入口側ヘッダ2の側面に、この入口側ヘッダ2の凡そ半周分に亙って、スリット状の切り欠き8を形成しておく。隔壁7を構成する板片9は、入口側ヘッダ2の内周面と一致する外周縁を有する小径側半円弧部10と、入口側ヘッダ2の外周面とほぼ一致する外周縁を有する大径側半円弧部11とから成り、両半円弧部10、11同士の連続部に段部12、12を形成している。
【0005】
この様に形成される板片9は、小径側半円弧部10の側から、上記切り欠き8の内側に挿入する。そして、上記小径側半円弧部10の外周縁と入口側ヘッダ2の内周面との間、並びに上記切り欠き8の内周縁と大径側半円弧部11の外周寄り部分との間を気密且つ液密にろう付けする事により、上記隔壁7とする。即ち、それぞれが芯材とろう材とを積層して成る、所謂クラッド材により構成した、板片9と入口側ヘッダ2との表面には、ろう材の層が存在する為、アルミニウム合金製熱交換器の構成各部品を、図3に示す様に仮組み付けした状態で加熱すれば、上記各間部分がろう付けされる。
【0006】
より具体的には、図6に示す様に、上記入口側ヘッダ2又は出口側ヘッダ4(図3〜5)であるヘッダ13は、芯材14の外周面に第一のろう材15を積層したものとし、上記隔壁7を構成する為の板片9は、芯材16の両面に第二のろう材17、17を積層したものとしている。尚、上記ヘッダ13を構成する芯材14の外周面に積層した第一のろう材15は、このヘッダ13に形成した図示しない複数の通孔の内周縁と前記伝熱管5、5(図3)の端部外周面とをろう付け接合する為のものである。上述の様に上記芯材14、16の片面或は両面に各ろう材15、17を積層して成るヘッダ13と板片9とを、図6に示す様に組み合わせた状態で加熱すれば、上記芯材16の両面に積層した第二のろう材17、17により、上記板片9の外周縁で切り欠き8から外れた部分と上記ヘッダ13の内周面との間、並びにこの切り欠き8の内周縁と上記板片9の表面の一部でこの内周縁に対向する部分との間がろう付けされる。
【0007】
ところで、上記ヘッダ13と板片9とを、単に図6に示す様に組み合わせた状態のまま加熱しても、これらヘッダ13と板片9との間のろう付けが不良になり易い。この理由は、上記板片9の両面に積層した第二のろう材17、17の一部が、上記ヘッダ13の外周面に積層した第一のろう材15に引かれて、このヘッダ13外に出てしまう為である。即ち、上記加熱に伴って溶融した各ろう材15、17は、毛細管現象により微小隙間部分に集まる傾向になる。具体的には、図3に示す様なアルミニウム合金製熱交換器の加熱ろう付け作業時に、溶融した上記各ろう材15、17は、複数の伝熱管5、5の端部とヘッダ13(入口側ヘッダ2又は出口側ヘッダ4)に形成した複数の通孔との嵌合部、並びに上記ヘッダ13と板片9との嵌合部に存在する微小隙間に集まる。
【0008】
この際、複数の伝熱管5、5の端部とヘッダ13に形成した複数の通孔との嵌合部にろう材を引き込む吸引力が大きいと、上記ヘッダ13と板片9との嵌合部に存在するろう材が不足する。即ち、ヘッダ13の外周面に積層した第一のろう材15と板片9の両面に積層した第二のろう材17、17とは互いに接触しているので、溶融した各ろう材15、17同士が混ざり合った状態では、これら総てのろう材15、17が、毛細管現象に基づく吸引力の大きな部分に集中する傾向になる。この結果、上記ヘッダ13と板片9との嵌合部に存在するろう材が不足し、これらヘッダ13と板片9との嵌合部のろう付け性が不良になる可能性がある。特に、ヘッダ13の内周面と板片9の外周縁との間のろう付け性が不良になっても、外部からは確認できない。しかも、当該ろう付け不良部分で冷媒等の流体が漏れた場合には、コンデンサ等のアルミニウム合金製熱交換器が所期の性能を発揮しなくなる。
【0009】
この為従来から、図7に示す様に、板片9を挿入する為にヘッダ13に形成した切り欠き8の開口部を溶接18により塞いでから、ろう付けの為の加熱を行なっている。この様に、溶接18によりヘッダ13の外周面に積層した第一のろう材15と、板片9の両面に積層した第二のろう材17、17とを遮断してからろう付けの為の加熱を行なえば、上記ヘッダ13と板片9との嵌合部に存在するろう材が不足する事を防止して、これらヘッダ13と板片9との嵌合部のろう付け性を確保できる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、ヘッダ13と板片9との嵌合部のろう付け性を確保する為、このヘッダ13の切り欠き8の開口部に溶接18を施す作業は面倒で、しかもろう付けの為の設備とは異なる、溶接の為の設備が必要になる為、アルミニウム合金製熱交換器の製造コストを高くする原因となる。
本発明はこの様な事情に鑑みて、上記溶接18を省略した場合でも、ヘッダ13と板片9との間に存在するろう材がヘッダ13外に引き抜かれる事のない構造を実現すべく発明したものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明のアルミニウム合金製熱交換器は何れも、前述した従来のアルミニウム合金製熱交換器と同様に、それぞれがアルミニウム合金により造られた1対のヘッダと、それぞれの両端部をこれら両ヘッダ内に通じさせた複数のアルミニウム合金製の伝熱管相当部材と、隣り合う伝熱管相当部材同士の間に挟持されたアルミニウム合金製のフィンと、少なくとも一方のヘッダの中間部に設けられ、このヘッダ内を複数の室に分割するアルミニウム合金製の隔壁とを備える。又、この隔壁を設けるヘッダは、芯材の外周面に第一のろう材を積層したものであり、上記隔壁を構成する為の板片は、芯材の両面に第二のろう材を積層したものである。そして、上記隔壁は、上記ヘッダに形成した切り欠きを通じて上記板片をこのヘッダ内に挿入すると共に、上記板片の外周縁で上記切り欠きから外れた部分と上記ヘッダの内周面との間、並びにこの切り欠きの内周縁と上記板片の表面の一部でこの内周縁に対向する部分との間をろう付けして成る。
【0012】
特に、本発明のうち、請求項1に記載したアルミニウム合金製熱交換器於いては、上記ヘッダに形成した切り欠きの周縁部に、上記第一のろう材が存在せず、このヘッダを構成する芯材が露出する露出部を、上記切り欠きの全周に亙って設ける事により、上記第一のろう材と第二のろう材とを互いに離隔させている。
【0013】
又、請求項3に記載したアルミニウム合金製熱交換器於いては、上記ヘッダに形成した切り欠きが、このヘッダを構成する板材の一部がこのヘッダの外周面側に突出した逆バーリング孔であり、この逆バーリング孔の内周縁側に露出した芯材と、隔壁を構成する板片の両面に積層した第二のろう材とが接触している。
【0014】
【作用】
上述の様に構成する本発明のアルミニウム合金製熱交換器の場合には、何れの構造の場合も、第一のろう材と第二のろう材とが接触する事がない。この為、ろう付けの為に構成各部材を加熱し、第一、第二のろう材を溶融させると、ヘッダの外周面に積層した第一のろう材は、このヘッダに形成した複数の通孔の内周縁と複数の伝熱管の端部外周面等、互いにろう付けすべき部分に、板片を構成する芯材の両面に積層した第二のろう材は、上記板片の外周縁で切り欠きから外れた部分と上記ヘッダの内周面との間、並びにこの切り欠きの内周縁と上記板片の表面の一部でこの内周縁に対向する部分との間に、それぞれ集まる。この際、上記第一のろう材と第二のろう材とが接触する事がない為、第二のろう材が第一のろう材に引かれて切り欠き外に流失する事なく、この第二のろう材が、板片とヘッダとの接触部をろう付けする為に有効に使われる。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1は、請求項3に対応する、本発明の実施の形態の第1例を示している。尚、本発明の特徴は、隔壁7を構成する為の板片9とヘッダ13とのろう付けに供すべく、この板片9の両面に積層した第二のろう材19、19が、上記ヘッダ13の外周面に積層した第一のろう材20に引かれて、このヘッダ13外に流失する事を防止する為の構造にある。その他の部分の構造及び作用は、前述の図3〜7に示した従来構造と同様であるから、同等部分に関する重複する図示並びに説明は省略若しくは簡略にし、以下、本発明の特徴部分を中心に説明する。
【0016】
本発明のアルミニウム合金製熱交換器の場合には、図1(A)に示す様に、上記ヘッダ13に形成した切り欠き8の周縁部に、上記第一のろう材20が存在せず、このヘッダ13を構成する芯材14が露出する露出部23を、上記切り欠き8の全周に亙り設けている。そして、上記第一のろう材20と第二のろう材19、19とを互いに離隔させ、これら両ろう材20、19同士が接触する事を防止している。本例の場合、上記露出部23を設けるのに、例えば、円管状のヘッダ13の外周面側からプレス加工等により形成した切り欠き8に、図示しない板状の治具等を挿入し、この治具等の引き抜き時に、上記切り欠き8の周縁部をヘッダ13の直径方向外方に曲げ起こし、上記切り欠き8を逆バーリング孔24とする事により形成する。この様にして形成した、切り欠き8である逆バーリング孔24の周縁部には、上記露出部23が、全周に亙って存在する。即ち、上記ヘッダ13を構成する芯材14が、上記切り欠き8の全周に亙って露出する。本例では、この様に切り欠き8として形成した逆バーリング孔24の内周縁側に芯材14を露出させている。そして、この芯材14と、隔壁7を構成する板片9の両面に積層した第二のろう材19、19とを接触させる様にしている。尚、上述の様な逆バーリング孔24は、上記ヘッダ13を、アルミニウム合金板を丸める事により造れば、容易に形成できる。即ち、予め1対の半円筒部を形成した状態で上記逆バーリング孔24を形成し、その後これら1対の半円筒部同士を重ね合わせれば、上記逆バーリング孔24を有する、円筒状のヘッダ13を得られる。
【0017】
上述の様な切り欠き8には板片9を、前述した従来構造の場合と同様に挿入する。そして、挿入後、これら両部材9、13を、アルミニウム合金製熱交換器の他の構成各部品と共に加熱炉中に入れ、所望温度(例えば600〜640℃程度)にまで加熱する。この加熱に伴って上記構成各部品の温度が次第に上昇し、上記第一のろう材20と第二のろう材19、19とが溶融する。そして、上記ヘッダ13の外周面に積層した第一のろう材20は、上記ヘッダ13に形成した複数の通孔の内周縁と伝熱管相当部材である複数の伝熱管5、5(図3参照)の端部外周面等、互いにろう付けすべき部分に集まって、当該部分にフィレット(図示せず)を形成する。又、隔壁7を構成する板片9の両面に積層した第二のろう材19、19の一部は、切り欠き8の内周縁と上記板片9の表面の一部でこの内周縁に対向する部分との間に集まって、図1(B)に示す様に、フィレット21を形成する。又、第二のろう材19、19の残部は、上記板片9の外周縁で切り欠き8から外れた部分と上記ヘッダ13の内周面との間部分に集まって、図1(B)に示す様に、別のフィレット22を形成する。この別のフィレット22と上記フィレット21とは、温度低下に伴って固化し、上記板片9とヘッダ13との間を塞いで、このヘッダ13内を気密且つ液密に仕切る隔壁7を構成する。
【0018】
本発明のアルミニウム合金製熱交換器の場合には、板片9を挿入する為の切り欠き8を逆バーリング孔24とし、この切り欠き8の内周縁に、芯材14が露出する露出部23を設けている為、上記第一のろう材20と上記各第二のろう材19、19とが離隔して、これら両ろう材20、19同士が接触する事がない。従って、これら両ろう材20、19が同時に溶融しても、上記第二のろう材19、19が第一のろう材20に引かれて、上記切り欠き8外に流失する事はなく、この第二のろう材19、19が上記板片9とヘッダ13との接触部をろう付けする為に有効に使われる。
【0019】
次に、図2は、請求項2に対応する、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の場合には、図2(A)に示す様に、ヘッダ13の外周面に積層した第一のろう材20を切り欠き8の全周に亙り削り取る事により、第一のろう材20と第二のろう材19、19とを離隔させ、これら両ろう材20、19同士が接触する事を防止している。本例の場合、上記第一のろう材20を削り取った部分が、ヘッダ13を構成する芯材14の露出した露出部23となる。即ち、本例は、上記第一のろう材20の一部を削り取る事により、隔壁7を構成する為の板片9を構成する芯材16の両面に積層した第二のろう材19、19と、上記第一のろう材20とを離隔させている。
【0020】
ヘッダ13と板片9とをろう付けして隔壁7とするには、上述の様に、周囲に存在する第一のろう材20を削り取った切り欠き8内に板片9を挿入し、この板片9とヘッダ13とを加熱して、上記第一のろう材20と第二のろう材19、19とを溶融させる。本例の場合も、上記第一のろう材20と上記各第二のろう材19、19とが接触しない為、上記第二のろう材19、19は、第一のろう材20に引かれて上記切り欠き8外に流失する事なく、上記板片9とヘッダ13との接触部をろう付けする為に有効に使われる。
【0021】
【発明の効果】
本発明のアルミニウム合金製熱交換器は、以上に述べた通り構成され作用するので、板片とヘッダとの間を溶接しなくても、この板片とヘッダとを確実にろう付けして、この板片により構成する隔壁による密封性を確保できる。この為、性能の良いアルミニウム合金製熱交換器を低コストで造れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の第1例を示しており、(A)はろう付けの為の加熱以前の状態を、(B)は加熱後に第一、第二のろう材が溶融して板片とヘッダとをろう付けした状態を、それぞれ示す、隔壁形成部分の断面図。
【図2】同第2例を示す、図1と同様の図。
【図3】本発明の対象となるアルミニウム合金製熱交換器の1例を示す正面図。
【図4】図3に示したアルミニウム合金製熱交換器の隔壁形成部分を示す斜視図。
【図5】同じく隔壁形成部分の断面図。
【図6】より具体的な構造を、加熱ろう付け以前の状態で示す、隔壁形成部分の断面図。
【図7】ろう付け性確保の為に板片とヘッダとを溶接した状態を示す、隔壁形成部分の断面図。
【符号の説明】
1 入口管
2 入口側ヘッダ
3 出口管
4 出口側ヘッダ
5 伝熱管
6 フィン
7 隔壁
8 切り欠き
9 板片
10 小径側半円弧部
11 大径側半円弧部
12 段部
13 ヘッダ
14 芯材
15 第一のろう材
16 芯材
17 第二のろう材
18 溶接
19 第二のろう材
20 第一のろう材
21、22 フィレット
23 露出部
24 逆バーリング孔

Claims (3)

  1. それぞれがアルミニウム合金により造られた1対のヘッダと、それぞれの両端部をこれら両ヘッダ内に通じさせた複数のアルミニウム合金製の伝熱管相当部材と、隣り合う伝熱管相当部材同士の間に挟持されたアルミニウム合金製のフィンと、少なくとも一方のヘッダの中間部に設けられ、このヘッダ内を複数の室に分割するアルミニウム合金製の隔壁とを備え、この隔壁を設けるヘッダは、芯材の外周面に第一のろう材を積層したものであり、上記隔壁を構成する為の板片は、芯材の両面に第二のろう材を積層したものであり、上記隔壁は、上記ヘッダに形成した切り欠きを通じて上記板片をこのヘッダ内に挿入すると共に、上記板片の外周縁で上記切り欠きから外れた部分と上記ヘッダの内周面との間、並びにこの切り欠きの内周縁と上記板片の表面の一部でこの内周縁に対向する部分との間をろう付けして成るアルミニウム合金製熱交換器に於いて、上記ヘッダに形成した切り欠きの周縁部に、上記第一のろう材が存在せず、このヘッダを構成する芯材が露出する露出部を、上記切り欠きの全周に亙って設ける事により、上記第一のろう材と第二のろう材とを互いに離隔させた事を特徴とするアルミニウム合金製熱交換器。
  2. ヘッダの外周面に積層した第一のろう材を切り欠きの全周に亙って削り取る事により、第一のろう材と第二のろう材とを互いに離隔させている、請求項1に記載したアルミニウム合金製熱交換器。
  3. それぞれがアルミニウム合金により造られた1対のヘッダと、それぞれの両端部をこれら両ヘッダ内に通じさせた複数のアルミニウム合金製の伝熱管相当部材と、隣り合う伝熱管相当部材同士の間に挟持されたアルミニウム合金製のフィンと、少なくとも一方のヘッダの中間部に設けられ、このヘッダ内を複数の室に分割するアルミニウム合金製の隔壁とを備え、この隔壁を設けるヘッダは、芯材の外周面に第一のろう材を積層したものであり、上記隔壁を構成する為の板片は、芯材の両面に第二のろう材を積層したものであり、上記隔壁は、上記ヘッダに形成した切り欠きを通じて上記板片をこのヘッダ内に挿入すると共に、上記板片の外周縁で上記切り欠きから外れた部分と上記ヘッダの内周面との間、並びにこの切り欠きの内周縁と上記板片の表面の一部でこの内周縁に対向する部分との間をろう付けして成るアルミニウム合金製熱交換器に於いて、上記ヘッダに形成した切り欠きが、このヘッダを構成する板材の一部がこのヘッダの外周面側に突出した逆バーリング孔であり、この逆バーリング孔の内周縁側に露出した芯材と、隔壁を構成する板片の両面に積層した第二のろう材とが接触しているアルミニウム合金製熱交換器。
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