JP7127425B2 - 接合方法及び液冷ジャケットの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、接合方法及び液冷ジャケットの製造方法に関する。
例えば、特許文献1には、液冷ジャケットの製造方法が開示されている。従来の液冷ジャケットの製造方法では、ジャケット本体と封止体との突合せ部に対して回転ツールを用いて摩擦攪拌接合を行うというものである。回転ツールの攪拌ピンの外周面には螺旋溝が形成されている。
特開2015-131321号公報
従来の液冷ジャケットの製造方法では、摩擦攪拌接合を行うと、攪拌ピンの螺旋溝に金属が付着して螺旋溝が機能しなくなる。そのため、摩擦攪拌装置を一旦止めて攪拌ピンの螺旋溝に付着した金属を除去し、再度摩擦攪拌を行わなければならない。また、攪拌ピンの螺旋溝に金属が付着するなどして螺旋溝が機能しなくなると、回転ツールの交換頻度も高くなるという問題がある。
このような観点から、本発明は、歩留まりの高い接合方法及び液冷ジャケットの製造方法を提供することを課題とする。
また、本発明は、二つの金属部材を突き合わせて突合せ部を形成する突合せ工程と、先細りとなる攪拌ピンを備えた摩擦攪拌用の回転ツールを用いて前記突合せ部を摩擦攪拌接合する接合工程と、を含み、前記攪拌ピンの外周面には、先端側に形成された第一螺旋溝と、前記第一螺旋溝よりも基端側に前記第一螺旋溝よりも溝ピッチが大きい第二螺旋溝とが形成されており、前記接合工程では、前記攪拌ピンのみを前記二つの金属部材のみに接触させつつ、前記第一螺旋溝及び前記第二螺旋溝を前記二つの金属部材に接触させた状態で摩擦攪拌を行うことを特徴とする。
また、本発明は、一方の金属部材の表面に他方の金属部材の裏面を重ね合わせて重合部を形成する重ね合わせ工程と、先細りとなる攪拌ピンを備えた摩擦攪拌用の回転ツールを用いて前記重合部を摩擦攪拌接合する接合工程と、を含み、前記攪拌ピンの外周面には、先端側に形成された第一螺旋溝と、前記第一螺旋溝よりも基端側に前記第一螺旋溝よりも溝ピッチが大きい第二螺旋溝とが形成されており、前記接合工程では、前記攪拌ピンのみを他方の前記金属部材のみ、又は、一方の前記金属部材及び他方の前記金属部材の両方に接触させつつ、前記第一螺旋溝及び前記第二螺旋溝を少なくとも他方の前記金属部材に接触させた状態で摩擦攪拌を行うことを特徴とする。
また、本発明は、底部、前記底部の周縁から立ち上がる周壁部を有するジャケット本体と前記ジャケット本体の開口部を封止する封止体とを摩擦攪拌で接合する液冷ジャケットの製造方法であって、前記周壁部の内周縁に、段差底面と当該段差底面から立ち上がる段差側面とを有する周壁段差部を形成する準備工程と、前記ジャケット本体に前記封止体を載置して前記周壁段差部の段差側面と前記封止体の外周側面とを突き合わせて突合せ部を形成する突合せ工程と、先細りとなる攪拌ピンを備えた摩擦攪拌用の回転ツールを用いて前記突合せ部を摩擦攪拌接合する接合工程と、を含み、前記攪拌ピンの外周面には、先端側に形成された第一螺旋溝と、前記第一螺旋溝よりも基端側に前記第一螺旋溝よりも溝ピッチが大きい第二螺旋溝とが形成されており、前記接合工程では、前記攪拌ピンのみを前記ジャケット本体及び前記封止体のみに接触させつつ、前記第一螺旋溝及び前記第二螺旋溝を前記ジャケット本体及び前記封止体に接触させた状態で摩擦攪拌を行うことを特徴とする。
また、本発明は、底部、前記底部の周縁から立ち上がる周壁部を有するジャケット本体と前記ジャケット本体の開口部を封止する封止体とを摩擦攪拌で接合する液冷ジャケットの製造方法であって、前記ジャケット本体に前記封止体を載置して、前記周壁部の周壁端面と前記封止体の裏面とが重ね合わされた重合部を形成する重ね合わせ工程と、先細りとなる攪拌ピンを備えた摩擦攪拌用の回転ツールを用いて前記重合部を摩擦攪拌接合する接合工程と、を含み、前記攪拌ピンの外周面には、先端側に形成された第一螺旋溝と、前記第一螺旋溝よりも基端側に前記第一螺旋溝よりも溝ピッチが大きい第二螺旋溝とが形成されており、前記接合工程では、前記攪拌ピンのみを前記封止体のみ、又は、前記ジャケット本体及び前記封止体の両方に接触させつつ、前記第一螺旋溝及び前記第二螺旋溝を少なくとも前記封止体に接触させた状態で摩擦攪拌を行うことを特徴とする。
かかる接合方法及び液冷ジャケットの製造方法によれば、溝ピッチの大きい第二螺旋溝が基端側に形成されているため、攪拌ピンの外周面に金属が付着するのを防ぐことができる。これにより、回転ツールに付着する金属を除去する作業を少なくすることができるとともに、回転ツールの交換頻度も少なくすることができるため、接合方法及び液冷ジャケットの製造方法の歩留まりを高めることができる。
発明に係る接合方法及び液冷ジャケットの製造方法によれば、攪拌ピンの外周面に金属が付着しにくいため、歩留まりを高めることができる。
本発明の実施形態に係る回転ツールを示す側面図である。 本発明の第一実施形態に係る接合方法を示す断面図である。 本発明の第二実施形態に係る液冷ジャケットの製造方法の突合せ工程を示す斜視図である。 第二実施形態に係る液冷ジャケットの製造方法の接合工程を示す断面図である。 本発明の第三実施形態に係る液冷ジャケットの製造方法の重ね合わせ工程を示す斜視図である。 第三実施形態に係る液冷ジャケットの製造の接合工程を示す断面図である。 実施例に係る試験体を示す断面図である。 実施例に係る試験体の接合工程を示す平面図である。 比較例に係る回転ツールを示す側面図である。 比較例に係る回転ツールの試験結果を示す側面図である。 実施例に係る回転ツールの試験結果を示す側面図である。
[第一実施形態]
本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。図1に示すように、本実施形態に係る回転ツールFは、金属部材同士を摩擦攪拌接合する回転ツールである。金属部材は、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金、チタン、チタン合金等の摩擦攪拌可能な金属であればよく、本実施形態ではアルミニウム合金を用いている。回転ツールFは、先端に攪拌ピンF1を備えている。回転ツールFは、例えば工具鋼で形成されている。なお、以下の説明では、「裏面」に対する反対側の面を「表面」とする。
攪拌ピンF1は、円柱状を呈する基部F2と、基部F2に設けられた先端部F3とで構成されている。先端部F3は、基部F2から離間するにつれて先細りとなっている。先端部F3の先端には平坦な平坦面F4を備えている。
攪拌ピンF1の先端部F3の外周面には高さ方向全体に亘って螺旋溝が刻設されている。本実施形態では、回転ツールFを右回転させるため、螺旋溝は、基端から先端に向かうにつれて左回りに形成されている。言い換えると、螺旋溝は、螺旋溝を基端から先端に向けてなぞると上から見て左回りに形成されている。
なお、回転ツールFを左回転させる場合は、螺旋溝を基端から先端に向かうにつれて右回りに形成することが好ましい。言い換えると、この場合の螺旋溝は、螺旋溝を基端から先端に向けてなぞると上から見て右回りに形成されている。螺旋溝をこのように設定することで、摩擦攪拌の際に塑性流動化した金属が螺旋溝によって攪拌ピンF1の先端側に導かれる。これにより、被接合金属部材(例えば、金属部材1,2)の外部に溢れ出る金属の量を少なくすることができる。
螺旋溝は、第一螺旋溝F5と第二螺旋溝F6とで構成されている。第二螺旋溝F6の溝ピッチ(隣り合う溝山の頂点間の距離)は、第一螺旋溝F5の溝ピッチよりも大きくなっている。言い換えると、第二螺旋溝F6の溝ピッチは、第一螺旋溝F5の溝ピッチよりも粗くなっている。
第一螺旋溝F5は、平坦面F4から先端部F3の高さ方向の真ん中くらいまで形成されている。第二螺旋溝F6は、第一螺旋溝F5よりも基端側において、第一螺旋溝F5に連続して形成されている。第二螺旋溝F6は、先端部F3の基端まで形成されている。第一螺旋溝F5と第二螺旋溝F6の割合は、本実施形態では高さ方向に5:5程度になっているが、接合条件や金属部材の種類に応じて適宜設定すればよい。また、第一螺旋溝F5と第二螺旋溝F6との間が連続的でなく、断続的であってもよい。また、第一螺旋溝F5及び第二螺旋溝F6の溝ピッチは適宜設定すればよいが、本実施形態では、例えば、第一螺旋溝F5の溝ピッチが0.6mmであり、第二螺旋溝の溝ピッチが1.0mmである。
次に、本実施形態の接合方法について説明する。図2に示すように、本実施形態の接合方法では、突合せ工程と、接合工程とを行う。突合せ工程では、金属部材1,2の端面同士を突き合わせて突合せ部J1を形成する。金属部材1,2の表面1a,2a及び裏面は互いに面一になっている。
接合工程では、突合せ部J1に対して回転ツールFを相対移動させて摩擦攪拌接合を行う。接合工程では、回転ツールFの攪拌ピンF1のみを金属部材1,2のみに接触させて突合せ部J1に沿って相対移動させる。本実施形態に係る接合工程では、攪拌ピンF1の先端部F3の外周面の上部が金属部材1,2の表面1a,2aに接触する程度に回転ツールFの挿入深さを設定する。つまり、第一螺旋溝F5及び第二螺旋溝F6が金属部材1,2に接触するように回転ツールFの挿入深さを設定する。なお、回転ツールFの挿入深さは、例えば、基部F2が金属部材1,2と接触するように設定してもよい。
以上説明した本実施形態に係る接合方法によれば、第一螺旋溝F5よりも溝ピッチの大きい第二螺旋溝F6が基端側に形成されているため、接合工程の最中に攪拌ピンF1(先端部F3)の外周面に金属(アルミニウム合金)が付着するのを防ぐことができる。金属の付着を防ぐことの根拠については後記する。
[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態に係る液冷ジャケットの製造方法について説明する。本実施形態に係る液冷ジャケットX1は、図3に示すように、ジャケット本体10と封止体15とで構成されている。液冷ジャケットX1は、内部に流体を流通させて、配置される発熱体を冷却する機器である。ジャケット本体10と封止体15とは摩擦攪拌接合で一体化される。
ジャケット本体10は、底部11及び周壁部12で主に構成されている。ジャケット本体10は、摩擦攪拌可能な金属であれば特に制限されないが、本実施形態ではアルミニウム合金で形成されている。当該アルミニウム合金は、例えば、JISH5302 ADC12(Al-Si-Cu系)等のアルミニウム合金鋳造材を用いている。
底部11は、矩形を呈する板状部材である。周壁部12は、底部11の周縁部から矩形枠状に立ち上がる壁部である。底部11及び周壁部12で凹部13が形成されている。周壁部12の内周縁には周壁段差部14が形成されている。周壁段差部14は、段差底面14aと、段差底面14aから垂直立ち上がる段差側面14bとで構成されている。
なお、本実施形態のジャケット本体10は一体形成されているが、例えば、周壁部12を分割構成としてシール部材で接合して一体化してもよい。
封止体15は、ジャケット本体10の開口部を封止する部材である。封止体15は、摩擦攪拌可能な金属であれば特に制限されないが、本実施形態ではアルミニウム合金を主に含んで形成されている。当該アルミニウム合金は、ジャケット本体10よりも硬度の低い材料である。封止体15は、例えば、JIS A1050,A1100,A6063等のアルミニウム合金展伸材で形成されている。
次に、本実施形態に係る液冷ジャケットの製造方法について説明する。本実施形態に係る液冷ジャケットの製造方法では、準備工程と、突合せ工程と、接合工程とを行う。
準備工程は、ジャケット本体10及び封止体15を準備する工程である。ジャケット本体10及び封止体15は、製造方法については特に制限されないが、ジャケット本体10は、例えば、ダイキャストで成形する。封止体15は、例えば押出成形により成形する。
突合せ工程は、図3及び図4に示すように、ジャケット本体10に封止体15を載置する工程である。突合せ工程によって、封止体15の外周側面15cと周壁段差部14の段差側面14bとが突き合わされて突合せ部J2が形成される。なお、段差側面14bを外側に向けて傾斜するように形成してもよい。また、封止体15の板厚を、段差側面14bよりも大きくしてもよい。これにより、接合部(塑性化領域W)の金属不足を補うことができる。
接合工程は、図4に示すように、回転ツールFを用いて突合せ部J2を摩擦攪拌接合する工程である。接合工程では、回転ツールFの攪拌ピンF1のみをジャケット本体10及び封止体15に接触させて、突合せ部J2に沿って回転ツールFを相対移動させる。回転ツールFの挿入深さは適宜設定すればよいが、本実施形態では、攪拌ピンF1の先端部F3の外周面の上部が封止体15の表面15a及び周壁端面12aと接触するように設定する。つまり、第一螺旋溝F5及び第二螺旋溝F6が周壁部12及び封止体15に接触するように回転ツールFの挿入深さを設定する。なお、回転ツールFの挿入深さは、例えば、基部F2が周壁部12及び封止体15に接触するようにしてもよい。また、回転ツールFの平坦面F4が、段差底面14aと接触するようにしてもよいし、接触しないようにしてもよい。
以上説明した第二実施形態に係る液冷ジャケットの製造方法によれば、第一螺旋溝F5よりも溝ピッチの大きい第二螺旋溝F6が基端側に形成されているため、接合工程の最中に攪拌ピンF1(先端部F3)の外周面に金属(アルミニウム合金)が付着するのを防ぐことができる。これにより、回転ツールFの外周面に付着する金属を除去する除去工程を省略することができるため、歩留まりを高めることができる。また、接合工程後に回転ツールFの外周面に金属が付着しない、若しくは付着量が少ないため、回転ツールFを交換する頻度を少なくすることができる。なお、金属が付着しないことの根拠については後記する。
[第三実施形態]
次に、本発明の第三実施形態に係る液冷ジャケットの製造方法について説明する。本実施形態に係る液冷ジャケットX2は、図5及び図6に示すように、ジャケット本体10Aと、封止体15Aとで構成されている。液冷ジャケットX2は、内部に流体を流通させて、配置される発熱体を冷却する機器である。ジャケット本体10Aと封止体15Aとは摩擦攪拌接合で一体化される。
ジャケット本体10Aは、底部11と、底部11の周縁から立ち上がる矩形枠状の周壁部12とで構成されている。本実施形態のジャケット本体10Aは一体形成されているが、例えば、周壁部12を分割構成としてシール部材で接合して一体化してもよい。
次に、本実施形態に係る液冷ジャケットの製造方法について説明する。本実施形態に係る液冷ジャケットの製造方法では、準備工程と、重ね合わせ工程と、接合工程とを行う。
準備工程は、ジャケット本体10A及び封止体15Aを準備する工程である。封止体15Aは、ジャケット本体10Aと概ね同じ大きさになっている。重ね合わせ工程は、図5及び図6に示すように、ジャケット本体10Aに封止体15Aを載置する工程である。周壁端面12aと封止体15Aの裏面15bとが重ね合わされて重合部J3が形成される。
接合工程は、図6に示すように、回転ツールFを用いて重合部J3を摩擦攪拌接合する工程である。接合工程では、回転ツールFのみをジャケット本体10A及び封止体15Aに接触させて、重合部J3に沿って回転ツールFを相対移動させる。回転ツールFの挿入深さは適宜設定すればよいが、本実施形態では、攪拌ピンF1の先端部F3の外周面の上部が封止体15の表面15aと接触するように設定する。つまり、第一螺旋溝F5及び第二螺旋溝F6が少なくとも封止体15に接触するように回転ツールFの挿入深さを設定する。なお、回転ツールFの挿入深さは、例えば、基部F2が封止体15に接触するようにしてもよい。また、回転ツールFの平坦面F4は、本実施形態のように周壁端面12aに達するようにしてもよいし、周壁端面12aに達しないようにしてもよい。つまり、攪拌ピンF1のみが、封止体15Aのみと接触するようにしてもよい。この場合は、封止体15Aと攪拌ピンF1との摩擦熱によって、重合部J3が塑性流動化されて接合される。
以上説明した第三実施形態に係る液冷ジャケットの製造方法によれば、第一螺旋溝F5よりも溝ピッチの大きい第二螺旋溝F6が基端側に形成されているため、接合工程の最中に攪拌ピンF1(先端部F3)の外周面に金属(アルミニウム合金)が付着するのを防ぐことができる。これにより、回転ツールFの外周面に付着する金属を除去する除去工程を省略することができるため、歩留まりを高めることができる。また、回転ツールFの外周面に金属が付着しないか、付着を少なくできるため、回転ツールFを交換する頻度を少なくすることができる。なお、金属が付着しないことの根拠については後記する。
次に、本発明の実施例について説明する。当該試験では、試験体Nを二つ用意して、比較例に係る回転ツールGと、実施例に係る回転ツールFで摩擦攪拌接合を行い、各回転ツールF,Gに付着する金属について観察した。
図7に示すように、試験体Nは、ベース部材N1と、板状部材N2とで形成した。ベース部材N1は、アルミニウム合金鋳造材(ADC12)で形成し、板状部材N2は、アルミニウム合金展伸材(A6063-T5)で形成した。ベース部材N1の板厚は3mmとし、板状部材N2の板厚は7mmとした。ベース部材N1及び板状部材N2とも一辺が300mm×300mm程度の矩形とした。
当該試験では、図7及び図8に示すように、ベース部材N1及び板状部材N2を重ね合わせ、架台Kの上に載置して複数のクランプK1で移動不能に固定した。ベース部材N1と板状部材N2とが重ね合わされて重合部J4が形成される。
当該試験では、まず、回転ツールGを用いて試験体Nの周縁に沿って一周させ、重合部J4に対して摩擦攪拌接合を行った。回転ツールGは、図9Aに示すように、攪拌ピンG1を備えている。攪拌ピンG1は、円柱状の基部G2と、先細りとなる先端部G3とで構成されている。先端部G3の外周面には螺旋溝が形成されている。先端部G3に形成された螺旋溝は、先端から基端にかけて一定の溝ピッチで形成されている。
回転ツールGの移動距離は約1.0mである。回転ツールGの回転数を10000rpmとし、接合速度を600mm/minとし、挿入深さを3.5mmとした。回転ツールGを試験体Nの周縁に沿って6周(総移動距離は約6.0m)させたら、試験体Nから回転ツールGを離脱させ、回転ツールGを観察した。回転ツールFについても、移動距離を除いて回転ツールGと同じ条件で摩擦攪拌接合を行った。回転ツールFの移動距離は試験体Nの周縁に沿って30周(総移動距離は約30.0m)させた。回転ツールFは、第一螺旋溝F5の溝ピッチが0.6mmであり、第二螺旋溝の溝ピッチが1.0mmである。第一螺旋溝F5と第二螺旋溝F6の割合は約5:5である。
図9Bに示すように、比較例に係る回転ツールGであると、摩擦攪拌接合後に攪拌ピンG1の先端部F3の外周面に金属Eが付着した。金属Eは、基部G2及び先端部G3を概ね覆い、テーパー部G4にまで付着している。
これに対し、図10に示すように、実施例に係る回転ツールFであると、総移動距離を30.0mとしている(比較例の5倍)にも関わらず、回転ツールFの外周面に金属の付着はほぼ無かった。
1 金属部材
2 金属部材
10 ジャケット本体
15 封止体
J1 突合せ部
J2 突合せ部
J3 重合部
F 回転ツール
F1 攪拌ピン
F2 基部
F3 先端部
F4 平坦面
F5 第一螺旋溝
F6 第二螺旋溝
W 塑性化領域

Claims (4)

  1. 二つの金属部材を突き合わせて突合せ部を形成する突合せ工程と、
    先細りとなる攪拌ピンを備えた摩擦攪拌用の回転ツールを用いて前記突合せ部を摩擦攪拌接合する接合工程と、を含み、
    前記攪拌ピンの外周面には、先端側に形成された第一螺旋溝と、前記第一螺旋溝よりも基端側に前記第一螺旋溝よりも溝ピッチが大きい第二螺旋溝とが形成されており、
    前記接合工程では、前記攪拌ピンのみを前記二つの金属部材のみに接触させつつ、前記第一螺旋溝及び前記第二螺旋溝を前記二つの金属部材に接触させた状態で摩擦攪拌を行うことを特徴とする接合方法。
  2. 一方の金属部材の表面に他方の金属部材の裏面を重ね合わせて重合部を形成する重ね合わせ工程と、
    先細りとなる攪拌ピンを備えた摩擦攪拌用の回転ツールを用いて前記重合部を摩擦攪拌接合する接合工程と、を含み、
    前記攪拌ピンの外周面には、先端側に形成された第一螺旋溝と、前記第一螺旋溝よりも基端側に前記第一螺旋溝よりも溝ピッチが大きい第二螺旋溝とが形成されており、
    前記接合工程では、前記攪拌ピンのみを他方の前記金属部材のみ、又は、一方の前記金属部材及び他方の前記金属部材の両方に接触させつつ、前記第一螺旋溝及び前記第二螺旋溝を少なくとも他方の前記金属部材に接触させた状態で摩擦攪拌を行うことを特徴とする接合方法。
  3. 底部、前記底部の周縁から立ち上がる周壁部を有するジャケット本体と前記ジャケット本体の開口部を封止する封止体とを摩擦攪拌で接合する液冷ジャケットの製造方法であって、
    前記周壁部の内周縁に、段差底面と当該段差底面から立ち上がる段差側面とを有する周壁段差部を形成する準備工程と、
    前記ジャケット本体に前記封止体を載置して前記周壁段差部の段差側面と前記封止体の外周側面とを突き合わせて突合せ部を形成する突合せ工程と、
    先細りとなる攪拌ピンを備えた摩擦攪拌用の回転ツールを用いて前記突合せ部を摩擦攪拌接合する接合工程と、を含み、
    前記攪拌ピンの外周面には、先端側に形成された第一螺旋溝と、前記第一螺旋溝よりも基端側に前記第一螺旋溝よりも溝ピッチが大きい第二螺旋溝とが形成されており、
    前記接合工程では、前記攪拌ピンのみを前記ジャケット本体及び前記封止体のみに接触させつつ、前記第一螺旋溝及び前記第二螺旋溝を前記ジャケット本体及び前記封止体に接触させた状態で摩擦攪拌を行うことを特徴とする液冷ジャケットの製造方法。
  4. 底部、前記底部の周縁から立ち上がる周壁部を有するジャケット本体と前記ジャケット本体の開口部を封止する封止体とを摩擦攪拌で接合する液冷ジャケットの製造方法であって、
    前記ジャケット本体に前記封止体を載置して、前記周壁部の周壁端面と前記封止体の裏面とが重ね合わされた重合部を形成する重ね合わせ工程と、
    先細りとなる攪拌ピンを備えた摩擦攪拌用の回転ツールを用いて前記重合部を摩擦攪拌接合する接合工程と、を含み、
    前記攪拌ピンの外周面には、先端側に形成された第一螺旋溝と、前記第一螺旋溝よりも
    基端側に前記第一螺旋溝よりも溝ピッチが大きい第二螺旋溝とが形成されており、
    前記接合工程では、前記攪拌ピンのみを前記封止体のみ、又は、前記ジャケット本体及び前記封止体の両方に接触させつつ、前記第一螺旋溝及び前記第二螺旋溝を少なくとも前記封止体に接触させた状態で摩擦攪拌を行うことを特徴とする液冷ジャケットの製造方法。
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