JP6905370B2 - 熱交換器 - Google Patents

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Description

この発明は、熱交換器に関し、特に、コア部に対して流体の流入または流出を行うためのヘッダ部を備えた熱交換器に関する。
従来、ヘッダ部を備えた熱交換器が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
上記特許文献1には、プレートフィン型のコア(コア部)に、ヘッダ(ヘッダタンク)と、ヘッダに流体を流通させるためのノズル(管部材)とを取り付けた熱交換器が開示されている。ヘッダおよびノズルは、溶接により互いに接合される。ヘッダは、コアの側面を部分的に覆うようにドーム状に形成され、ノズルが、ヘッダの頂部に接続されている。上記特許文献1の熱交換器は、ノズルがヘッダの頂部から、コアとヘッダとの接続面に対して直交する方向に延びるタイプ(接続面から真っ直ぐ突出するストレートタイプ)の構造を有している。ストレートタイプでは、溶接によりノズルの端部開口と、ヘッダの頂部開口とが接続される。
ヘッダとノズルとの位置関係は、熱交換器の仕様に応じて様々である。上記特許文献1に開示されたストレートタイプ以外にも、ノズルがヘッダの頂部から、コアとヘッダとの接続面に沿う方向に延びるタイプもある。この場合、ノズルの側面にヘッダとの連結用の開口が形成され、ノズルの側面をヘッダの頂部に乗せるように配置してヘッダの頂部開口とノズルの側面開口とを合わせ、溶接によりノズルの側面とヘッダの頂部とが接合される。
特開2001−289576号公報
ところで、ヘッダとノズルとを溶接すると、溶接時の変形によって各部の形状や位置ずれが発生する。ドーム状のヘッダの頂部開口にノズルを接続する溶接では、ノズルがヘッダの頂部から内部側(コア側)に沈み込む方向への変形が生じ易い。ノズルの位置ずれは、ノズルが接続される外部配管との接続位置ずれをもたらす可能性がある。
上記ストレートタイプの構造の場合、ノズルが沈み込む方向が、ノズルの軸方向と概ね一致するため、沈み込みが生じると外部配管との接続位置に対してノズルのヘッダとは反対側の端部が届きにくくなる。しかし、外部配管との接続端部間の距離が変わるだけで外部配管とノズルとの軸心のずれが生じにくいため、対処が比較的容易である
一方、ノズルがヘッダの頂部からコアとヘッダとの接続面に沿う方向に延びるタイプの構造の場合、ノズルが沈み込む方向が、ノズルの軸方向と直交する方向になる。そのため、沈み込みが生じると、ノズルの軸心(中心軸線)が、外部配管の軸心(中心軸線)に対してずれることになるため、配管接続が困難になることがある。沈み込みによって軸心がずれる場合、軸心のずれを修正する作業が必要になり、ストレートタイプよりも修正の困難性が高い。
そのため、ノズルとなる管部材がヘッダタンクの頂部からコア部とヘッダタンクとの接続面に沿う方向に延びるタイプのヘッダ部を備えた熱交換器において、管部材とヘッダタンクとの溶接に伴う管部材の沈み込みを低減することが望まれている。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、管部材がヘッダタンクの頂部からコア部とヘッダタンクとの接続面に沿う方向に延びるタイプのヘッダ部を備える場合に、管部材とヘッダタンクとの溶接に伴う管部材の沈み込みを低減することが可能な熱交換器を提供することである。
上記目的を達成するために、本願発明者らが鋭意検討した結果、ヘッダ部の外面に開先を形成して外側から溶接を行う場合に、接合部位の全周に渡る溶接部分で発生する変形が同じ方向に相乗的に作用して、管部材の沈み込みが大きくなることを見出した。そして、本願発明者らは、逆に内面側に開先を形成して内面側から溶接を行うことにより、変形(応力)の方向を変化させることができ、接合部の全周に渡る溶接部分で発生する変形を部分的に打ち消すことが可能であることを見出した。なお、一般的に、圧力容器としての熱交換器でのヘッダ部の溶接部は完全溶け込みを要するため、開先を有する溶接継手を基本としており、本明細書においても、開先を有する溶接継手を設けるものとする。以上の知見に基づき、この発明の一の局面による熱交換器は、流体の流入口または流出口となる開口を有し、流体を流通させて熱交換を行うコア部と、開口を覆うようにコア部の表面に接続されるヘッダ部とを備え、ヘッダ部は、コア部の表面に接続されるヘッダタンクと、コア部とヘッダタンクとの接続面に沿う方向に延びるようにヘッダタンクの頂部に溶接された管部材とを含み、ヘッダ部におけるヘッダタンクと管部材との溶接部分は、ヘッダ部の内面側に片面開先となるように形成された内側開先を有するとともに、内側開先をヘッダ部の内面側から埋めるようにヘッダタンクと管部材とを接合する第1溶接ビードが設けられている。
この発明による熱交換器では、上記のように、コア部の表面に接続されるヘッダタンクと、コア部とヘッダタンクとの接続面に沿う方向に延びるようにヘッダタンクの頂部に溶接された管部材とを含むヘッダ部を設け、ヘッダ部におけるヘッダタンクと管部材との溶接部分に、ヘッダ部の内面側に形成された内側開先を設けるとともに、内側開先をヘッダ部の内面側から埋めるようにヘッダタンクと管部材とを接合する第1溶接ビードを設ける。これにより、ヘッダ部の内面側に形成した内側開先に対して内側から溶接して第1溶接ビードを形成することによって、ヘッダタンクと管部材とを接合することができる。その結果、開先の形成位置を内側にしたことにより、ヘッダタンクの頂部に横向き(コア部とヘッダタンクとの接続面に沿う方向)に配置した管部材とヘッダタンクとの構造上の拘束(変形に対する拘束)を利用して、接合部の全周に渡る溶接部分の一部で発生する変形(応力)の方向を他の部分で発生する変形(応力)の方向と異ならせ、溶接に伴う変形の一部を打ち消すことが可能となる。その結果、ヘッダ部の外面に開先(外側開先)を形成して溶接を行う場合と比較して、管部材の沈み込みを軽減することができる。このように、管部材の沈み込みを軽減可能となるので、管部材と外部配管との中心軸線同士のずれを抑制することができ、その結果、管部材と外部配管との配管接続を容易に行うことができる。
上記発明による熱交換器において、好ましくは、溶接部分には、内側開先の反対側の外表面を外面側から覆うように、ヘッダタンクと管部材とを接合する第2溶接ビードが設けられている。このように構成すれば、溶接部分の内側に第1溶接ビードを設ける際の変形(応力)と、溶接部分の外側に第2溶接ビードを設ける際の変形(応力)とがバランスするように、第1溶接ビードの溶接量と第2溶接ビードの溶接量とを調節することができる。その結果、溶接に伴う変形が許容範囲内に収まるように変形量を調節することが可能となる。また、溶接時には、外側の第2溶接ビードを先に形成すれば、内側から第1溶接ビードを形成する際に、溶接金属がヘッダ部の外表面側に露出するのを防ぐことができる。そのため、溶接時に、ヘッダ部の内側から溶接部位にシールドガスを供給するだけでシールドガス雰囲気を容易に形成することができるので、内側から溶接を行う場合でも、溶接作業を容易に行うことができる。
この場合、好ましくは、第1溶接ビードの体積が、第2溶接ビードの体積よりも大きい。このように構成すれば、外側表面の第2溶接ビードを第1溶接ビードよりも小さく形成することによって、第2溶接ビードの形成に伴う変形量を小さくすることができる。そのため、内側開先の体積の大きい第1溶接ビードをメインの溶接部として、溶接に伴う変形を相殺しつつ、体積の小さい第2溶接ビードをサブの溶接部として、ヘッダ部全体の変形量を第2溶接ビードによって微調整することができる。その結果、ヘッダ部の形状や寸法などに応じて、溶接に伴う変形量を最小限に抑制可能なように微調整することができる。なお、ここでの溶接部は、第1溶接ビードと第2溶接ビードを完全融合することで完全溶け込みの溶接継手を形成するものとする。
上記第2溶接ビードを設ける構成において、好ましくは、第1溶接ビードと第2溶接ビードとは、内側開先を挟み込んだ状態で互いに接続するように設けられている。このように構成すれば、第1溶接ビードと第2溶接ビードとを母材(管部材とヘッダタンク)間に確実に溶け込ませることができるので、管部材とヘッダタンクとの間に非溶接部分が形成されるのを回避して接合強度を確保することができる。
上記第2溶接ビードを設ける構成において、好ましくは、管部材は、円筒形状を有し、ヘッダタンクは、底部から頂部に向けて幅が小さくなるように湾曲した形状を有し、第2溶接ビードは、管部材の外表面とヘッダタンクの外表面との接合部を外面側から覆うように形成されている。このように円筒形状の管部材をヘッダタンクの頂部に設ける場合、円筒形状の管部材の外周面の一部とヘッダタンクの頂部の一部とを互いに切り欠いて、切欠部分を接合部として互いに溶接する構成となる。そのため、管部材とヘッダタンクとの接合部は、円周状の管部材の外周面と、湾曲したヘッダタンクの外面とが交差する部分となるため、接合部を溝状(谷状)に窪んだ形状とすることができる。接合部が溝状に窪んだ形状となるため、接合部を構成する管部材の外周面やヘッダタンクの外面に開先を形成する加工を行うことなく、溝状に窪んだ接合部自体を開先として利用することができる。そのため、ヘッダ部の外側から接合部を溶接して第2溶接ビードを形成するために、ヘッダ部の外面側に開先を形成する必要がなくなるので、その分、ヘッダ部の構造(継手形状)を簡素化することができる。
本発明によれば、上記のように、管部材がヘッダタンクの頂部からコア部とヘッダタンクとの接続面に沿う方向に延びるタイプのヘッダ部を備える場合に、管部材とヘッダタンクとの溶接に伴う管部材の沈み込みを低減することができる。
本発明の一実施形態による熱交換器を示した斜視図である。 熱交換器のコア部を示した斜視図である。 熱交換器のヘッダ部を示した模式的な斜視断面図である。 ヘッダ部を管部材の軸方向から見た模式的な断面図である。 ヘッダ部を管部材の軸方向と直交する横方向から見た模式的な断面図である。 ヘッダ部を底部側からから見た模式図である。 管部材の軸方向から見た溶接部分の模式的な拡大断面図である。 管部材の軸方向と直交する横方向から見た溶接部分の模式的な拡大断面図である。 熱交換器の製造方法を説明するための図である。 比較例による外側開先が形成された溶接部分の模式的な拡大断面図である。 比較例において溶接時に発生する応力を説明するための、管部材の軸方向から見た正面図(A)および軸方向と直交する横方向から見た側面図(B)である。 本実施形態において溶接時に発生する応力を説明するための、管部材の軸方向から見た正面図(A)および軸方向と直交する横方向から見た側面図(B)である。 比較例における溶接に伴う変形を説明するための、管部材の軸方向から見た正面図(A)および軸方向と直交する横方向から見た側面図(B)である。 本実施形態における溶接に伴う変形を説明するための、管部材の軸方向から見た正面図(A)および軸方向と直交する横方向から見た側面図(B)である。 本実施形態の熱交換器における溶接部分の第1の変形例を示した拡大断面図である
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
[熱交換器の構成]
まず、図1〜図8を参照して、本実施形態による熱交換器100の全体構成について説明する。
(全体構成)
図1に示すように、熱交換器100は、コア部1と、ヘッダ部2および3とを備えている。コア部1およびヘッダ部2および3は、ステンレス鋼などの金属により構成されている。
コア部1は、流体の流入口または流出口となる開口を有し、流体を流通させて熱交換を行うように構成されている。コア部1の構造は、特に限定されない。コア部1は、たとえば、プレートフィン型の熱交換器、シェルアンドチューブ型の熱交換器、プレート型熱交換器などの公知の各種の構造を採用することができる。また、コア部1の内部を流通する流体は、気体であっても液体であってもよい。コア部1の内部を流通する流体の種類は、1種類であっても複数種類であってもよい。
図1では、コア部1がプレートフィン型の熱交換器である例を示している。プレートフィン型のコア部1は、開口が形成された表面(側面)を含む直方体形状を有する。コア部1は、内部に流体を流通させる流路を有し、流体を流通させる過程で熱交換するように構成されている。
図2に示すコア部1は、第1流路11および第2流路12を備え、第1流路11および第2流路12のそれぞれを流通する流体間で熱交換を行う。プレートフィン型のコア部1は、コルゲートフィン13とセパレートプレート14とが交互に積層された構造を有する。コルゲートフィン13の外周部には、サイドバー15が配置されている。そして、セパレートプレート14とサイドバー15とにより区画され、内部にコルゲートフィン13が配置された各層によって、第1流路11および第2流路12の各々が構成されている。これらのコルゲートフィン13、セパレートプレート14およびサイドバー15がろう付けによってそれぞれ接合されることにより、コア部1が構成されている。
図2の例では、コア部1は、第1流路11の開口11aが形成された表面1aと、第2流路12の開口12aが形成された表面1bとを含む。Z方向の両表面1aに第1流路11の開口11aが形成され、表面1aと直交するY方向側の両表面1bに、第2流路12の開口12aが形成されている。開口11aは、表面1aの略全面にわたって形成されており、開口12aは、表面1bの一部に形成されている。
図1に示すように、ヘッダ部2は、ヘッダタンク20に流体の流入口または流出口となる管部材30が設けられた中空構造を有し、コア部1に対する流体の出入り口および集配部として機能する。同様に、ヘッダ部3は、ヘッダタンク3aと管部材3bとを有する。
ヘッダ部2および3は、コア部1の開口を覆うようにコア部1の表面1aまたは1bに接続されている。つまり、ヘッダタンク20(3a)によりコア部1の開口を覆った状態でヘッダタンク20(3a)の底面部がコア部1の表面に接続されている。これにより、コア部1の流路、コア部1の開口、ヘッダタンク20(3a)の内部および管部材30(3b)の内部が連通して、流体の流通経路が構成されている。
図1の例では、一対のヘッダ部2が、各開口11aを覆うように設けられたヘッダ部であり、第1流路11に対する流体の出入口となる。一対のヘッダ部3が、各開口12aを覆うように設けられたヘッダ部であり、第2流路12に対する流体の出入口となる。図1の例では、ヘッダ部2は、管部材30がヘッダタンク20の頂部からコア部1とヘッダタンク20との接続面(表面1a)に沿う方向に延びるタイプの構造を有しており、便宜的に「本発明タイプ」とする。図1の例では、ヘッダ部3は、ヘッダタンク3aの頂部から、コア部1の表面1bに対して直交する方向に管部材3bが延びるストレートタイプの構造を有している。ストレートタイプのヘッダ部3については説明を省略する。以下では、本発明タイプのヘッダ部2について説明する。
上記のように、ヘッダ部2は、コア部1の表面1a(図2参照)に接続されるヘッダタンク20と、ヘッダタンク20の頂部に溶接された管部材30とを含む。管部材30は、コア部1とヘッダタンク20との接続面(表面1a)に沿う方向に延びるように設けられている。ヘッダタンク20と管部材30とは、互いに溶接により接合されて一体となっている。なお、図1では、ヘッダ部2がコア部1の表面1aの全面を覆うように設けられた例を示しているが、ヘッダ部2は、開口11aの形状に応じてコア部1の表面1aの一部のみを覆う形状であってもよい。
ヘッダ部2のうち、管部材30の一端部31aは塞がれており、管部材30の他端部31bには端部開口31c(図3参照)が形成されている。管部材30の他端部31bに、図示しない外部配管が接続され、外部の設備との間で流体の供給または排出が行われる。他端部31bは、一端部31aよりも、ヘッダタンク20からの突出長さ(Y方向の長さ)が大きい。
(ヘッダ部の構造)
図3に示すように、ヘッダ部2のヘッダタンク20は、コア部1の表面1aに接続される底部21から頂部に向けて幅が小さくなるように湾曲した形状(図1参照)を有している。ヘッダタンク20は、たとえば複数の湾曲した板材の縁辺を溶接することにより、ドーム形状に形成されている。ヘッダタンク20の底部21は、コア部1の表面1aの接合領域に対応した矩形形状の底部開口21a(図6参照)を有する。ヘッダタンク20は、頂部に形成され、後述する管側開口32と連通するタンク側開口22を有している。タンク側開口22(図4参照)は、接合される管部材30の形状に合わせてヘッダタンク20の頂部を切り欠くようにして形成されており、湾曲した形状となっている。つまり、ヘッダタンク20の頂部には、管部材30の軸方向からみて、管部材30の外周に沿った凹状の切欠が形成されている。
管部材30は、略円筒形状を有している。管部材30は、コア部1とヘッダタンク20との接続面(表面1a)に沿う方向に延びるようにヘッダタンク20の頂部に接合されている。図1の例では、管部材30は、ヘッダ部2が接合された表面1aと略平行に、表面1aの短手方向(Y方向)に沿って延びている。したがって、コア部1の表面1aから突出するヘッダ部2の突出方向と、管部材30の軸方向とが交差しており、図1の例ではヘッダ部2の突出方向(Z方向)と管部材30の軸方向(Y方向)とが略直交している。管部材30の中心軸の向きは、図1に示した方向に限られず、たとえば表面1aの長手方向(X方向)に向いていてもよい。
図3〜図6に示すように、管部材30は、ヘッダタンク20のタンク側開口22に嵌り込むように配置されている。管部材30は、側面に形成された管側開口32を有している。管側開口32は、タンク側開口22に対応した形状に形成されており、タンク側開口22と連通している。管側開口32(図5参照)は、接合されるヘッダタンク20の形状に合わせて管部材30の側面を切り欠くようにして形成されており、湾曲した形状となっている。つまり、管部材30の側面には、コア部1とヘッダタンク20との接続面(表面1a)と平行な面内において管部材30の軸方向と直交する横方向からみて、ヘッダタンク20の形状に沿った凹状の切欠が形成されている。管部材30は、管側開口32の位置とタンク側開口22の位置とが一致するように位置合わせされた状態で、管側開口32の縁部35とタンク側開口22の縁部25とが全周に渡って溶接されることにより、ヘッダタンク20に接合されている。したがって、ヘッダタンク20と管部材30との境界には、溶接部分40が全周に渡って形成されている。
なお、ここでは、溶接部分40とは、ヘッダタンク20および管部材30の各々の溶接箇所(タンク側開口22の縁部25および管側開口32の縁部35)と、溶接金属により形成される溶接ビード(後述する第1溶接ビード42および第2溶接ビード43)とを含む領域を意味する。溶接箇所は、溶接に関わる母材側の部分である。
(溶接部分)
図7は、図1のX−Z方向に沿った断面における溶接部分40をY方向から見た模式的な断面図であり、図8は、図1のY−Z方向に沿った断面における溶接部分40をX方向から見た模式的な断面図である。図7および図8に示すように、本実施形態では、ヘッダ部2におけるヘッダタンク20と管部材30との溶接部分40は、ヘッダ部2の内面側に形成された内側開先41を有する。そして、溶接部分40には、内側開先41をヘッダ部2の内面側から埋めるようにヘッダタンク20と管部材30とを接合する第1溶接ビード42が設けられている。
開先は、溶接を行う母材の接合面間に設ける溝であり、溶接により溶接金属を溶け込ませる領域である。内側開先41は、開先となる溝がヘッダ部2の内面側に形成されたものである。図7および図8では、内側開先41は、タンク側開口22の縁部25に設けられ、先端に向かって内面20a側から外面20b側に傾斜した先細り形状の片面開先となるように形成されている。
具体的には、ヘッダタンク20は、内面20aと、外面20bとを有し、管部材30は、内周面30aと、外周面30bとを有する。ヘッダタンク20には、タンク側開口22の縁部25の内面20aに、タンク側開口22に近付くに従って厚みが小さくなるように傾斜した傾斜面23が形成されている。管部材30の管側開口32の縁部35は、ヘッダタンク20の内面20aと概ね同一面内に位置するように、タンク側開口22の内側に配置されている。そして、ヘッダタンク20側の傾斜面23と、傾斜面23と対向する管部材30の縁部35の外周面30bとによって、内側開先41が構成されている。ヘッダタンク20の外面20bには、開先加工が施されておらず、片面(内面)側のみの開先となっている。なお、管部材30の縁部35の外周面30bにも、開先加工は施されていない。
内側開先41は、開先角度θを有する。開先角度θは、予め選定された角度範囲内で適切に設定される。そのため、開先角度θは、図示した特定の角度には限られない。内側開先41は、開先深さhを有する。図7の例では、開先深さhは、ヘッダタンク20の肉厚t1よりも小さい。
内側開先41は、タンク側開口22の縁部25に全周に渡って連続して形成されている。このように形成された内側開先41に、第1溶接ビード42が形成されている。溶接ビードは、溶接によって溶融凝固した溶接金属(および部分的に溶融した母材側の金属)により形成される部分である。第1溶接ビード42は、内側開先41を埋めるように設けられている。図7および図8の例では、第1溶接ビード42は、内側開先41を構成する傾斜面23と、管側開口32の縁部35(縁部35の外周面30b)との間の範囲に渡って設けられている。また、第1溶接ビード42は、内側開先41が形成されたタンク側開口22(管側開口32)の全周に渡って連続して形成されている。
また、図7および図8に示すように、本実施形態では、溶接部分40には、内側開先41の反対側の外表面(外面20b)を外面側から覆うように、ヘッダタンク20と管部材30とを接合する第2溶接ビード43が設けられている。つまり、ヘッダタンク20の内面側(内側開先41)に設けられた第1溶接ビード42とは反対側の外面側に、第2溶接ビード43が設けられている。
図7および図8の例では、ヘッダタンク20の外面20bには開先加工(傾斜面の形成)がされていない。一方、ヘッダタンク20の頂部に管部材30が嵌り込むように配置されているので、円筒状の管部材30の外周面30bと、湾曲したヘッダタンク20の外面20bとによって、開先のような溝状(谷状)の接合部が形成されている。そこで、第2溶接ビード43は、管部材30の外表面(外周面30b)とヘッダタンク20の外表面(外面20b)との接合部を外面側から覆うように形成されている。なお、第1溶接ビード42と第2溶接ビード43とは、ヘッダ部2の内側と外側とにそれぞれ設けられているが、管部材30とヘッダタンク20との隙間(ルート間隔)を介して連続している。つまり、第1溶接ビード42と第2溶接ビード43とは、内側開先41を挟み込んだ状態で互いに接続するように設けられている。第1溶接ビード42と第2溶接ビード43とは、互いに分離した部分ではなく、溶接部分40に設けられた同一の溶接金属のうち、内側部分と外側部分とを構成している。
第2溶接ビード43は、ヘッダタンク20の外面側で、タンク側開口22(管側開口32)の全周に渡って連続して形成されている。このため、ヘッダタンク20の内面側では、タンク側開口22(管側開口32)に沿った環状の第1溶接ビード42が形成されており、ヘッダタンク20の外面側では、タンク側開口22(管側開口32)に沿った環状の第2溶接ビード43が形成されている。
本実施形態では、第1溶接ビード42の体積が、第2溶接ビード43の体積よりも大きい。第1溶接ビード42および第2溶接ビード43は、ヘッダタンク20の内面20a側と外面20b側とで、対向するように全周に渡って環状に形成されているため、各々の溶接ビードの体積は、断面積に比例する。図7および図8に示したように、内面20a側の第1溶接ビード42の断面積が、外面20b側の第2溶接ビード43の断面積よりも大きくなるように形成されている。すなわち、内側の第1溶接ビード42と外側の第2溶接ビード43とで溶着量が非対称で、内側の第1溶接ビード42が相対的にメインの溶接部、外側の第2溶接ビード43が相対的にサブの溶接部となっている。
このような構成により、溶接部分40において、ヘッダタンク20と管部材30との間がシールされた状態で接合され、各々の開口(タンク側開口22および管側開口32)を介してヘッダタンク20の内部と管部材30の内部とが連通している。
(ヘッダ部の製造方法)
次に、図9を参照して、熱交換器100の製造方法について説明する。なお、個々の部材(コア部1、ヘッダタンク20、管部材30)の準備については、説明を省略する。
まず、ステップS1において、タンク側開口22および傾斜面23が形成されたヘッダタンク20と、管側開口32が形成された管部材30とが、位置合わせされる。すなわち、図9に示したように、管部材30がヘッダタンク20のタンク側開口22に嵌り込み、管部材30の軸方向がヘッダタンク20の底部21(すなわち、コア部1の表面1a)と略平行になるように配置する。また、管部材30の縁部35がヘッダタンク20のタンク側開口22の内側に入り込むような所定位置で位置合わせする。これにより、ヘッダタンク20の傾斜面23と、管部材30の縁部35近傍の外周面30bとの間で内側開先41が構成される。位置合わせ後、仮固定のための仮溶接を行ってもよい。たとえばタンク側開口22の周方向に沿って間隔を隔てて複数点溶接を行って、ヘッダタンク20と管部材30との位置関係を保持する。ヘッダタンク20と管部材30とをジグ等により仮固定してもよい。
次に、ヘッダタンク20と管部材30とを溶接により接合する溶接工程(ステップS2およびS3)を行う。溶接はたとえばアーク溶接により行う。アーク溶接は、たとえばガスシールド溶接であり、アルゴンガスやヘリウムガスなどの不活性ガスを主成分とするシールドガス雰囲気中で溶接を行う。
溶接工程において、まず、ステップS2において、ヘッダタンク20の外面側の溶接を行うことにより、溶接部分40の全周に環状の第2溶接ビード43を形成する。すなわち、内側開先41への第1溶接ビード42の形成に先立って、第2溶接ビード43を形成する。
この際、ヘッダタンク20の底部開口21a(図6参照)および管部材30の端部開口31c(図5参照)は、図示しないジグ等により塞がれ、内部空気をシールドガス雰囲気に置換した状態で、ヘッダ部2の外側から溶接を行う。第2溶接ビード43の表面側は溶接に伴って噴射されるシールドガスにより大気から遮蔽され、ヘッダタンク20の縁部25と管部材30の縁部35との隙間からヘッダ部2の内側に露出する溶接金属は、内部のシールドガスによって大気から遮蔽される。第2溶接ビード43の形成によって、タンク側開口22と管部材30との隙間が全周に渡って外面側から埋められる。
第2溶接ビード43の形成後、ステップS3において、ヘッダタンク20の内面側の溶接を行うことにより、溶接部分40の全周に環状の第1溶接ビード42を形成する。すなわち、内側開先41への溶接により第1溶接ビード42を形成する。この際、ヘッダタンク20の底部開口21aを介してヘッダ部2の内側から溶接を行う。第1溶接ビード42の表面(ヘッダ部2の内部側表面)は溶接に伴って噴射されるシールドガスにより大気から遮蔽される。ヘッダタンク20の縁部25と管部材30の縁部35との隙間は第2溶接ビード43によって塞がれているため、第1溶接ビード42がヘッダタンク20の外面側に露出することがなく、第1溶接ビード42とヘッダタンク20の外面側の空気との接触は防止される。第1溶接ビード42は、第2溶接ビード43よりも体積が大きくなるように、形成される。ステップS3の結果、第1溶接ビード42と第2溶接ビード43とが融合することで完全溶け込みの溶接継手が形成される。
以上により、ヘッダタンク20と管部材30とを接合する溶接部分40が形成され、ヘッダ部2が完成する。なお、第1溶接ビード42の形成後、溶接に伴う変形の微調整のため、第2溶接ビード43を追加(多層盛り)で形成してもよい。
ヘッダ部2の形成後、ステップS4において、ヘッダタンク20の底部21をコア部1の表面1aに取り付け(図1参照)、ヘッダタンク20の底部21とコア部1の表面1aとを溶接などにより接合することにより、ヘッダ部2がコア部1に接合される。同様に、別途準備されたヘッダ部3もコア部1の表面1bに接合される。これにより、図1に示した熱交換器100が製造される。
(ヘッダ部における変形)
次に、図7、図8、図10〜図14を参照して、ヘッダ部2における溶接に伴う変形の影響について説明する。
まず、本実施形態との対比のため、図10に示す比較例として、ヘッダタンク20と管部材30との溶接部分40に外側開先90を設けて溶接する場合について説明する。図10では、タンク側開口22の縁部25の外面20bに、タンク側開口22に近付くに従って厚みが小さくなるように傾斜した傾斜面91が形成されている。そして、ヘッダタンク20の外面20b側の傾斜面91と、傾斜面91と対向する管部材30の縁部35の外周面30bとによって、外側開先90が構成されている。この場合、溶接部分40において、ヘッダタンク20の外面20bの全周に、環状の溶接ビード92が形成される。
溶接時には、溶融した金属の凝固収縮によって、母材(ヘッダタンク20および管部材30)を溶接ビード側に引っ張る引張応力が発生し、母材の変形の要因となる。たとえば2枚の板の端面同士の単純な溶接を考えると、開先が形成された側が凝固収縮することになるため、開先が形成された側の表面同士が互いに近付く方向(開先角度θを小さくする方向)に折れ曲がろうとする応力が発生する。外側開先90であれば、外面20bと30bとを互いに近づける方向の変形が想定される。内側開先41(図7、図8参照)であれば、内面20aと管側開口32の縁部35とを互いに近づける方向の変形が想定される。つまり、典型的には、開先の形成面が反対になると、溶接金属の凝固収縮に起因する変形は逆方向になる。
溶接部分40の周囲の母材自体にも、溶接熱の熱影響を受ける部分が生じて変形が生じ得る。一方、ヘッダタンク20および管部材30には、構造上、相対的に剛性が高く変形を拘束する方向あるいは部分と、相対的に剛性が低く変形し易い方向あるいは部分とがある。溶接部分40が立体的に湾曲した環状形状を有しているため、溶接時のヘッダ部2の変形は様々な要因が関係するものとなる。
図11(比較例)および図12(本実施形態)は、これらの各種要因の影響を総合した変形挙動のイメージ図である。図11および図12では便宜的に、管部材30の軸方向から見た場合(A)に現れる溶接部分40Aと、コア部1とヘッダタンク20との接続面(表面1a)と平行な面内において管部材30の軸方向と直交する横方向から見た場合(B)に現れる溶接部分40Bと、に区別して変形挙動を説明する。
〈比較例:外側開先〉
外側開先90を形成した比較例(図11参照)の場合、軸方向から見た変形挙動(A)としては、ヘッダタンク20の溶接部分40Aにおける溶接金属の凝固収縮による引張により、頂部の切欠形状(タンク側開口22)が谷折れにおり曲がる方向に応力F1Aが作用する。応力F1Aは、ヘッダタンク20の底部21を外側へ拡張するように作用するが、底部21は四隅が接合された矩形形状で剛性が高いため変形が拘束される。その結果、凹状の切欠形状のために相対的に剛性の低いタンク側開口22で、凹みがより深くなるように変形が生じる。軸方向から見た場合の溶接部分40Bは、図10に示したように、溶接金属の凝固収縮による引張により、開先角度を小さくする方向の引張応力F1Bが発生する。そのため、軸方向から見た変形挙動(A)としては、溶接部分40Aによる変形を助長する方向に応力F1Bが作用する。この結果、管部材30は、タンク側開口22の変形と共に、より一層凹みに嵌り込むように移動して、ヘッダタンク20側に近付く方向に沈み込む。
また、軸方向と直交する横方向から見た変形挙動(B)としては、管部材30側に、ヘッダタンク20の頂部と対向する凹状の切欠形状(管側開口32)があるため、溶接部分40Bにおける溶接金属の凝固収縮による引張により、管部材30の切欠形状(管側開口32)が谷折れにおり曲がる方向に応力F2Bが作用する。その結果、溶接部分40Aを回転中心として、管部材30の端部(31a、31b)をヘッダタンク20側へ近づける方向へのモーメントにより、管部材30の端部がヘッダタンク20側へ垂れ下がるように変形する。変形は、突出量が大きい他端部31bで大きくなる。横方向から見た場合の溶接部分40Aでは、図10に示した断面と同様に、開先角度を小さくする方向の引張応力F2Aが発生する。そのため、横方向から見た変形挙動(B)としては、溶接部分40Bによる変形を助長する方向に応力F2Aが作用する。変形挙動(A)および(B)の結果、管部材30がヘッダタンク20のタンク側開口22側に沈み込むとともに、管部材30の端部が垂れ下がる変形が大きくなる。このため、端部開口31cが形成され外部配管と接続される管部材30の他端部31bの位置は、溶接時の変形によって下方(ヘッダタンク20側)へのずれが生じやすい。
〈本実施形態:内側開先〉
内側開先41を形成した本実施形態(図12参照)の場合、軸方向から見た変形挙動(A)について、溶接部分40Aにおける変形は、比較例と同様である。つまり、溶接金属の凝固収縮による引張により、頂部の切欠形状(タンク側開口22)が谷折れにおり曲がる方向に応力F3Aが作用する。応力F3Aは、ヘッダタンク20の底部21を外側へ拡張するように作用する。
一方、軸方向から見た場合(A)の溶接部分40Bは、図7に示した断面に相当する。溶接金属の凝固収縮による引張により、開先角度θを小さくする方向の引張応力F3Bが発生するので、応力F3B(図12参照)は、ヘッダタンク20の底部21を内側へ縮小させる方向に作用する。つまり、溶接部分40Bでは、溶接部分40Aによる応力F3Aとは逆方向に応力F3Bが作用する。この結果、内側開先41の場合、溶接部分40Aによる応力F3Aと溶接部分40Bによる応力F3Bとが部分的に相殺し合うため、比較例(外側開先)と比べて、管部材30がヘッダタンク20側に近付く方向に沈み込む変形が軽減される。
また、軸方向と直交する横方向から見た変形挙動(B)について、溶接部分40Bにおける変形は、比較例と同様である。つまり、溶接部分40Bにおける溶接金属の凝固収縮による引張により、管部材30の切欠形状(管側開口32)が谷折れにおり曲がる方向に応力F4Bが作用する。したがって、溶接部分40Aを回転中心として、管部材30の端部をヘッダタンク20側へ近づける方向へのモーメントが作用する。
一方、横方向から見た場合(B)の溶接部分40Aは、図8に示した断面に相当する(図8は、図12(B)の他端部31b側の溶接部分40Aに相当する)。内側開先41の場合、開先の先端部(縁部25の先端部)に対して、管側開口32側に溶接ビード(第1溶接ビード42)が形成されるため、溶接金属の凝固収縮による引張により、管側開口32の縁部35を、タンク側開口22内に引っ張り込む方向に応力F4Aが作用する。その結果、開先の先端部を回転中心として、管部材30の端部をヘッダタンク20側から離れる上方向へ回転させるモーメントが作用する。つまり、溶接部分40A(図12(B)参照)では、溶接部分40Bによる応力F4Bとは逆方向に応力F4Aが作用する。この結果、内側開先41の場合、溶接部分40Aによる応力F4Aと溶接部分40Bによる応力F4Bとが部分的に相殺し合うため、比較例(外側開先)と比べて管部材30の端部がヘッダタンク20側へ垂れ下がる変形が軽減される。
溶接部分40の外側に第2溶接ビード43(図7、図8参照)を形成する場合、第2溶接ビード43の溶接量によって、相殺し合う(互いに逆方向の)応力の大きさのバランスを調節することが可能となる。そのため、ヘッダ部2の形状や寸法などに応じて、溶接に伴う変形が許容範囲内に収まるように変形量を微調節することが可能となる。
図13は、比較例(外側開先)による各方向(A)および(B)の変形のイメージ図であり、図14は、本実施形態(内側開先)による各方向(A)および(B)の変形のイメージ図である。図13および図14では、比較例による内側開先および本実施形態の外側開先のそれぞれについて、実際に溶接を行って確認された変形量(設計値からのずれ)をもとに、比較例と本実施形態との相対的な変形量の相違を破線のイメージで示したものであり、実際とは異なる。つまり、実際の変形量はヘッダ部2の大きさに対して小さいため図示できない。
溶接による変形を確認したヘッダ部2の寸法は、ヘッダタンク20の底部21の長さL1=約1100mm、幅W=約500mm、肉厚t1=約10mmであり、管部材30の長さL2=約900mm、直径d=約350mm、肉厚t2=約19mmである。
図13(A)および図14(A)において、比較例では、ヘッダタンク20の底部21が最大でE1=約5mm〜約10mm程度変形し、許容範囲外(要修正)となったのに対して、本実施形態では、ヘッダタンク20の底部21が最大でE3=約0mm〜約1mm程度の変形に軽減され、許容範囲内に収まることが確認された。図13(B)および図14(B)において、比較例では、管部材30の他端部31bが最大でE2=約5mm〜約10mm程度変形し、許容範囲外(要修正)となったのに対して、本実施形態では、管部材30の他端部31bが最大でE4=約0mm〜約2mm程度の変形に軽減され、許容範囲内に収まることが確認された。
[本実施形態の効果]
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
本実施形態では、上記のように、コア部1の表面1aに接続されるヘッダタンク20と、コア部1とヘッダタンク20との接続面(表面1a)に沿う方向に延びるようにヘッダタンク20の頂部に溶接された管部材30とを含むヘッダ部2を設け、ヘッダ部2におけるヘッダタンク20と管部材30との溶接部分40に、ヘッダ部2の内面側に形成された内側開先41を設けるとともに、内側開先41をヘッダ部2の内面側から埋めるようにヘッダタンク20と管部材30とを接合する第1溶接ビード42を設ける。これにより、ヘッダ部2の内面側に形成した内側開先41に対して内側から溶接して第1溶接ビード42を形成することによって、ヘッダタンク20と管部材30とを接合することができる。その結果、開先の形成位置を内側にしたことにより、図12に示したように、溶接部分40の一部(溶接部分40A)で発生する変形(応力)の方向を他の部分(溶接部分40B)で発生する変形(応力)の方向と異ならせ、溶接に伴う変形の一部を打ち消すことが可能となる。その結果、一般的なヘッダ部2の外面に開先(外側開先)を形成して溶接を行う場合と比較して、管部材30の沈み込みを軽減することができる。このように、管部材30の沈み込みを軽減可能となるので、管部材30と外部配管との中心軸線同士のずれを抑制することができ、その結果、管部材30と外部配管との配管接続を容易に行うことができる。
また、本実施形態では、上記のように、溶接部分40に、内側開先41の反対側の外表面(外面20b)を外面側から覆うように、ヘッダタンク20と管部材30とを接合する第2溶接ビード43を設ける。これにより、溶接部分40の内側に第1溶接ビード42を設ける際の変形(応力)と、溶接部分40の外側に第2溶接ビード43を設ける際の変形(応力)とがバランスするように、第1溶接ビード42の溶接量と第2溶接ビード43の溶接量とを調節することができる。その結果、溶接に伴う変形が許容範囲内に収まるように変形量を調節することが可能となる。また、溶接時には、外側の第2溶接ビード43を先に形成すれば、内側から第1溶接ビード42を形成する際に、溶接金属がヘッダ部2の外表面側に露出するのを防ぐことができる。そのため、溶接時に、ヘッダ部2の内側から溶接部位にシールドガスを供給するだけでシールドガス雰囲気を容易に形成することができ、内側から溶接を行う場合でも、溶接作業を容易に行うことができる。
また、本実施形態では、上記のように、第1溶接ビード42の体積を、第2溶接ビード43の体積よりも大きくする。これにより、外側表面の第2溶接ビード43を第1溶接ビード42よりも小さく形成することによって、第2溶接ビード43の形成に伴う変形量を小さくすることができる。そのため、内側開先41の体積の大きい第1溶接ビード42をメインの溶接部として、溶接に伴う変形を相殺しつつ、体積の小さい第2溶接ビード43をサブの溶接部として、ヘッダ部2全体の変形量を第2溶接ビード43によって微調整することができる。その結果、ヘッダ部2の形状や寸法などに応じて、溶接に伴う変形量を最小限に抑制可能なように微調整することができる。
また、本実施形態では、上記のように、第1溶接ビード42と第2溶接ビード43とを、内側開先41を挟み込んだ状態で互いに接続するように設ける。これにより、第1溶接ビード42と第2溶接ビード43とを母材(管部材30とヘッダタンク20)間に確実に溶け込ませることができるので、管部材30とヘッダタンク20との間に非溶接部分が形成されるのを回避して接合強度を確保することができる。
また、本実施形態では、上記のように、管部材30を略円筒形状に形成し、ヘッダタンク20を、底部21から頂部に向けて幅が小さくなるように湾曲した形状に形成する。そして、第2溶接ビード43を、管部材30の外表面(外周面30b)とヘッダタンク20の外表面(外面20b)との接合部を外面側から覆うように形成する。このように略円筒形状の管部材30をヘッダタンク20の頂部に設ける場合、略円筒形状の管部材30の外周面30bの一部とヘッダタンク20の頂部の一部とを互いに切り欠いて、切欠部分を接合部として互いに溶接する構成となる。そのため、管部材30とヘッダタンク20との接合部は、円周状の管部材30の外周面30bと、湾曲したヘッダタンク20の外面20bとが交差する部分となるため、接合部を溝状(谷状)に窪んだ形状とすることができる。接合部が溝状に窪んだ形状となるため、接合部を構成する管部材30の外周面30bやヘッダタンク20の外面20bに開先を形成する加工を行うことなく、溝状に窪んだ接合部自体を開先として利用することができる。そのため、ヘッダ部2の外側から接合部を溶接して第2溶接ビード43を形成するために、ヘッダ部2の外面側に開先を形成する必要がなくなるので、その分、ヘッダ部2の構造(継手形状)を簡素化することができる。
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記実施形態では、本発明タイプのヘッダ部2と、ストレートタイプのヘッダ部3とを設けた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、全てのヘッダ部が本発明タイプであってもよい。
また、上記実施形態では、第1流路11に対する流体の出入口となる2つのヘッダ部2と、第2流路12に対する流体の出入口となる2つのヘッダ部3とを設けた例を示したが、本発明はこれに限られない。ヘッダ部は、いくつ設けられてもよい。
また、上記実施形態では、底部21が矩形のヘッダタンク20の例を示したが、本発明はこれに限られない。ヘッダタンクの形状は任意である。底部は矩形形状以外の多角形状や、円形状などでもよい。
また、上記実施形態では、円筒形状の管部材30の例を示したが、本発明はこれに限られない。管部材の形状は任意である。管部材は、多角形断面や、角丸矩形断面などの断面形状を有していてもよい。管部材は直線状に延びていなくてもよく、屈曲または湾曲していてもよい。なお、本明細書において「円筒形状」とは、楕円筒形状も含む広い概念であり、断面が楕円形状(2焦点からの距離が等しくなる点の集合からなる形状)でもよい。
また、上記実施形態では、溶接部分40に第1溶接ビード42と第2溶接ビード43とを設けた例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば図15に示すように、溶接部分40の外面側に第2溶接ビードを設けずに、内面側に第1溶接ビード42のみを設けてもよい。
また、上記実施形態では、第1溶接ビード42の体積を第2溶接ビード43の体積よりも大きくした例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第1溶接ビード42の体積が第2溶接ビード43の体積と同程度か、第2溶接ビード43の体積よりも小さくてもよい。
また、上記実施形態では、ヘッダタンク20の縁部25に内側開先41が形成された例を示したが、本発明はこれに限られない。管部材30の縁部35にも、開先加工(傾斜面形成)がされていてもよい。
なお、上記実施形態において説明したヘッダ部2の寸法(長さL1、幅W、肉厚t1、長さL2、直径d、肉厚t2)などは、あくまでも一例であり、本発明は上記した寸法には限られない。ヘッダ部の各部の寸法は任意である。
なお、上記実施形態では、ヘッダタンク20と管部材30とがアーク溶接により溶接される例を示したが、本発明はこれに限られない。ヘッダタンクと管部材とをレーザ溶接などのアーク溶接以外の溶接方法により溶接してもよい。
1 コア部
1a 表面
2 ヘッダ部
11a 開口
20 ヘッダタンク
21 底部
22 タンク側開口
25 タンク側開口の縁部
30 管部材
32 管側開口
35 管側開口の縁部
40 溶接部分
41 内側開先
42 第1溶接ビード
43 第2溶接ビード
100 熱交換器

Claims (5)

  1. 流体の流入口または流出口となる開口を有し、流体を流通させて熱交換を行うコア部と、
    前記開口を覆うように前記コア部の表面に接続されるヘッダ部とを備え、
    前記ヘッダ部は、前記コア部の表面に接続されるヘッダタンクと、前記コア部と前記ヘッダタンクとの接続面に沿う方向に延びるように前記ヘッダタンクの頂部に溶接された管部材とを含み、
    前記ヘッダ部における前記ヘッダタンクと前記管部材との溶接部分は、前記ヘッダ部の内面側に片面開先となるように形成された内側開先を有するとともに、前記内側開先を前記ヘッダ部の内面側から埋めるように前記ヘッダタンクと前記管部材とを接合する第1溶接ビードが設けられている、熱交換器。
  2. 前記溶接部分には、前記内側開先の反対側の外表面を外面側から覆うように、前記ヘッダタンクと前記管部材とを接合する第2溶接ビードが設けられている、請求項1に記載の熱交換器。
  3. 前記第1溶接ビードの体積が、前記第2溶接ビードの体積よりも大きい、請求項2に記載の熱交換器。
  4. 前記第1溶接ビードと前記第2溶接ビードとは、前記内側開先を挟み込んだ状態で互いに接続するように設けられている、請求項2または3に記載の熱交換器。
  5. 前記管部材は、円筒形状を有し、
    前記ヘッダタンクは、底部から前記頂部に向けて幅が小さくなるように湾曲した形状を有し、
    前記第2溶接ビードは、前記管部材の外表面と前記ヘッダタンクの外表面との接合部を外面側から覆うように形成されている、請求項2〜4のいずれか1項に記載の熱交換器。
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