JP3917732B2 - ホースドラム台車 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ホースドラム台車に関し、さらに詳しくは、例えば泥水シールド工法において、シールド機の掘進に伴い送泥および排泥管のトンネル方向長さを延長するためのものであって、複数の台車を直列に連結し、急曲線トンネルにおいても使用することができるようにしたホースドラム台車に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、泥水シールド工法は、シールド先端面を覆う回転式カッターと、これよりもやや後方側のシールド内を塞ぐ隔壁との間のいわゆるカッターチャンバー内に、所定の性状の泥水を所定の圧力で送給し、切羽と隔壁との間に泥水を充満させ、これによって切羽の安定を保ちながら掘削を行うとともに、掘削により生じカッターチャンバー内に取り込まれる土砂を送泥水と混合し、排泥水として排出させる方法である。このために、泥水シールド工法では、排泥水を排泥管を介して地上側に設置した泥水処理設備に供給し、ここで分離処理により掘削土砂を排出させるとともに、残余を送泥水として調整した後、送泥管を介してカッターチャンバーに再循環するようにしている。
【0003】
したがって、この工法では、シールド機の前進に伴い、送泥管路および排泥管路を延長していく必要がある。この送泥管路および排泥管路の延長には、シールド機の掘進に伴い行われるものと、その後に行われるものとがある。前者は、いわゆる後続台車の後ろ側等に連結される伸縮管を搭載した伸縮管台車によるものであり、後者は、新たな管の継ぎ足しによるものである。
【0004】
従来、本出願人らは伸縮管台車の代わりに、図9〜図11に示すホースドラム台車100(以下、直線対応型ホースドラム台車ともいう)を使用していた。このホースドラム台車100は、H鋼を略直方体状に組み立ててなるフレーム101下側の略四隅に設けられた車輪W,W…により、後続台車用レールR,R上に支持されて,シールドの掘進に伴い前進するものである。
【0005】
このホースドラム台車100では、図11に詳しいように、フレーム101の左右側部の各々に、前後方向に延在するドラム支持レール102,102が設けられ、これらドラム支持レール102,102間にドラム103が備えられている。ドラム103の軸心には軸部材103aが貫通し、その両端にドラム支持レール102,102上に載るように車輪103b,103bが設けられている。したがって、ドラム103は、車輪103b,103bおよび軸部材103aを介してドラム支持レール102,102に支えられ、ドラム支持レール102,102の略前端から後端まで前後動することができる。
【0006】
また、図9に示すように、軸部材103aにおけるドラム103と車輪103b,103bとの間の各々の部分にワイヤー連結部材103c,103cが回動自在に連結され、このワイヤー連結部材103c,103cに、台車100前端に固定されたウインチ104のワイヤー104a先端が連結されている。したがって、ウインチ104のワイヤー巻き上げ動作により、ドラム103を台車前側に引き戻すことができる。
【0007】
さらに、図10に示されるように、フレーム101の上側には、台車100の前端からドラム103の後方への移動限界よりも後ろ側まで延在する剛性の送泥用固定管105および排泥用固定管106が固定されている。図9にも示されるように、これら送泥用および排泥用固定管105,106の後端部は前側に向かってU字状に折り返された形状であり、各々の後端部に、可撓性材料で形成された送泥用可撓性ホース107および排泥用可撓性ホース108の一端側が連結される。送泥用および排泥用可撓性ホース107,108の他端側はドラム103に巻掛けられて台車100の後方に折り返され、フレーム101後端より突出するように配管されている。送泥用および排泥用可撓性ホース107,108の後端は、トンネル内に敷設された図示しない敷設送泥管および敷設排泥管(以下、これらをまとめて敷設管という)に連結される。図11中の109,109…と、図9および図11中の110,110…は、送泥用可撓性ホース105および排泥用可撓性ホース106を滑動自在に支えるローラを示している。
【0008】
施工に際しては、シールド機の掘進に先立って、ウインチ104の巻き上げ動作によりドラム103をドラム支持レール102,102前端の移動限界まで巻き戻した後、送泥用可撓性ホース107および排泥用可撓性ホース108の後端とトンネル内に固定された敷設管とを連結するとともに、ウインチ104をワイヤーリリース状態とする。したがって、この状態では、ドラム103は後方への移動が可能である。
【0009】
しかる後、シールド機を掘進させると、その推進力を利用してホースドラム台車100が前進する。これに伴い、送泥用可撓性ホース107および排泥用可撓性ホース108の後端がトンネル内に固定された敷設管に連結されているために、ドラム103が可撓性ホース107,108に引っ張られて後方へ移動しつつ、ホースドラム台車100から可撓性ホース107,108が繰り出され、全体としての送泥および排泥流路が延長される。
【0010】
ドラム103が後方への移動限界に達したならば、シールド機の掘進を停止し、送泥用可撓性ホース107および排泥用可撓性ホース108と敷設管との連結を解いた後、ウインチ104によりドラム103を前方への移動限界まで巻き戻し、送泥用可撓性ホース107および排泥用可撓性ホース108を収納する。そして、新たな送泥管および排泥管を継ぎ足して敷設管をホースドラム台車100の後部まで延長し、これらと台車100の送泥用可撓性ホース107および排泥用可撓性ホース108との連結作業行う。以上の作業を繰り返し行って、送泥管路および排泥管路を延長していく。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、かかる直線対応型ホースドラム台車は、直線または比較的に緩やかな曲線のトンネルを構築する場合には使用できるものの、比較的に急な曲線に対応できるものではなかった。
すなわち、掘進の効率を考えるならば、ホースドラム台車のホース繰り出し長さ(ドラムの前後動しうる距離)がある程度(例えば3.2〜3.6m程度)は必要であり、従いホースドラム台車の長さはそれよりも長くなる。この場合、比較的に急な曲線のトンネルでは、台車が曲り切れなかったり、台車先端がいわゆる資材搬送台車の搬送経路に突出したりしてしまう。そのため、曲線トンネルでは前述の直線対応型ホースドラム台車は使用できなかった。
【0012】
そこで、本出願人らは、比較的に急な曲線のトンネルを構築する場合には、図12に示すように、前述の直線対応型ホースドラム台車と略同様のものを2台に分割するとともに直列連結し、各台車にドラムおよびドラム引き戻し用ウインチ等を装備させたホースドラム台車200(以下、曲線対応型ホースドラム台車ともいう)を使用していた。
【0013】
すなわち、まず前後の台車に共通の構成について説明すると、前側のホースドラム台車210(後側のホースドラム台車230)は、フレーム211(231)の左右側部の各々に、前後方向に延在するドラム支持レール212(232)が設けられ、この左右のドラム支持レール212(232)間にドラム213(233)が前後動自在に支持されたものである。したがって、前側の台車210のドラム213は、前側の台車210のドラム支持レール212の範囲内でのみ前後動し、後側の台車230のドラム233は、後側の台車230のドラム支持レール232の範囲内でのみ前後動することができる。
【0014】
また、ドラム213(233)は、ワイヤー214a(234a)等を介して台車210(230)前端に固定されたウインチ214(234)により前方に引き戻されるように構成されている。したがって、前側の台車210および後側の台車230の各々において、各々のウインチ214若しくは234のワイヤー巻き上げ動作により、各々のドラム213若しくは233を台車前側に引き戻すことができる。
【0015】
さらに、フレーム211(231)の上側に、台車210(230)前端部からドラム213(233)の移動限界よりも後ろ側まで延在し、後端部が前側に向かって折り返された形状の送泥用固定管(図示せず)および排泥用固定管216(236)が固定されており、これら送泥用固定管および排泥用固定管216(236)の後端に、送泥用可撓性ホース(図示せず)および排泥用可撓性ホース218(238)の一端側が連結される。送泥用可撓性ホースおよび排泥用可撓性ホース218(238)の他端側はドラム213(233)に巻掛けられて台車210(230)の後方に折り返され、フレーム211(231)後端より突出するように配管されている。尚、W,Wは、フレーム211(231)下側の四隅に設けられた車輪を示している。
【0016】
次に、前側のホースドラム台車210に関する構成のみについて説明すると、フレーム211の後端部にウインチベース221が設けられ、この上に後側のホースドラム台車230を引きつけるための台車ウインチ220が固定されている。また、ウインチベース221の後端には後側のホースドラム台車230との連結のための連結部221aが設けられている。一方、後側のホースドラム台車230に関する構成のみについて説明すると、フレーム231の前端部に設置されたウインチ234を設置するためのウインチベース240の前端に前側のホースドラム台車210との連結のための連結部241aが設けられている。
【0017】
そして、前後のホースドラム台車210,230は、長手方向に伸縮自在の連結部材250により連結される。連結部材250の前端は、前側のホースドラム台車210後端の連結部221aに回動自在に連結され、その後端は、後側のホースドラム台車230前端の連結部241aに回動自在に連結されている。また、台車ウインチ220のワイヤー220aが後台車前端の連結部241aに回動自在に連結されている。さらに、前側のホースドラム台車210後方に突出する送泥用可撓性ホースおよび排泥用可撓性ホース218は、それぞれ、連結用可撓性ホース251を介して後側のホースドラム台車230前端部の送泥用固定管および排泥用固定管236先端に連結される。
【0018】
かかる構造のホースドラム台車200は、前後のホースドラム台車210,230の連結部分において左右に折曲がることができるため、ある程度急な曲線のトンネルであっても使用できるものである。また、このホースドラム台車200では送泥用および排泥用可撓性ホース218の繰り出し・収納のためには、前側のホースドラム台車210のウインチ214、後側のホースドラム台車を引きつけるための台車ウインチ220、および後側のホースドラム台車230のウインチ234の計3台を、ワイヤーリリース状態にするあるいは巻き上げ動作をさせる。
【0019】
しかしながら、近年では、曲率半径r=20m以下の非常に急曲線なトンネルの施工が要求されるに到っており、かかる急曲線トンネルにあっては、前述のような曲線対応型ホースドラム台車も使用することができない。また、前述の曲線対応型ホースドラム台車では、可撓性ホースの収納・繰り出しのために3台のウインチを作動させる必要があり、作業が煩雑であるとともに不経済である。さらに、3台のウインチ、2台のドラムおよび連結部材等を必要とするため、製造コストも高くならざるをえない。さらに、前側の台車後部に後側の台車を引きつけるためのウインチを設ける必要があり、それによって全長が長くなることも問題である。
【0020】
一方、r=20m以下の急曲線トンネルに対応させるために、単純に、さらに全長の短い台車を3以上連結することも考えられるが、必要なウインチの台数やドラムの数が多くなるため、作業の煩雑化や製造コストの増大は容易に想像できるところである。
【0021】
そこで、本発明の主たる課題は、製造コストを抑えつつも、r=20m以下の急曲線トンネルで使用でき、かつホースの収納・繰り出し作業が容易なホースドラム台車を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】
【0023】
上記課題を解決した本発明は、前後方向に延在するドラム支持レールが左側部および右側部の各々に設けられた台車を、少なくとも2台、曲折自在に直列連結してなり、
対向するドラム支持レールの双方に常に架け渡される架橋レールと、前記ドラム支持レールおよび前記架橋レールよりなる一体的なレールに支えられ、常に先頭の台車から後尾の台車まで前後動自在のドラムと、このドラムに巻掛けられ折り返された可撓性ホースとを備え、
前記ドラムの前後動を伴って前記可撓性ホースの収納および繰り出しを行う構成としたことを特徴とするホースドラム台車である。
【0024】
この場合において、前記架橋レールと少なくとも一方のドラム支持レールとは、スライド自在に連結されている構造とすることが提案される。
【0025】
また、前記架橋レールと一方のドラム支持レールとは、スライド自在に連結されており、前記架橋レールと他方のドラム支持レールとは、少なくとも回動自在に連結されている構造とすることも提案される。
【0026】
〔作用〕
本発明のポイントは、前述した従来の曲線対応型ホースドラム台車と同様に、台車を、少なくとも2台、曲折自在に直列連結し、かつ可撓性ホースの収納および繰り出しのためのドラムを台車の曲折に関係なく常に前後動自在としている点にある。
したがって、本発明のホースドラム台車では、急曲線トンネルに対応しうるように複数の台車を連結した構造としながらも、可撓性ホースの伸縮のためのドラムが一つで足り、従ってドラム数に応じて増加する必要のあるウインチ等の装置が少なくて済む。また、それによって、可撓性ホースの収納および繰り出し作業の簡素化が図られ、また製造コストの低減化も図られる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照しつつ詳述する。
図1は、2台の台車を直列に連結した本発明に係るホースドラム台車1を示している。前側の台車(以下、前台車という)2は、H鋼(またはI鋼)を略直方体状に組み立ててなるフレーム3下側の略四隅に設けられた車輪W,W…により、後続台車用レールR上に支持されている。図1にも示すように、フレーム3の左右両側部の各々には、高さ方向の略中央に前端部から後端部まで延在するレール固定用フレーム3A,3Aが設けられ、これら各々の上面にドラム支持レール4,4が固定されている。また、図1に示されるように、フレーム3の前部にはウインチ固定フレーム3Bが設けられ、この上にウインチ5が固定されており、一方、図2に示されるように、フレーム3の上側には台車2の前端部から後端部まで延在する、例えば鋼管よりなる剛性の送泥用固定管および排泥用固定管6R,6Lが固定されている。さらに、図2または図4に示すように、フレーム3の後端下側には、後ろ側の台車(以下、後台車という)10との連結のための連結部材7が後方に突出するように設けられる。尚、図3において、Sはセグメントを示しており、Mはまくら木を示している。
【0028】
後台車10は、ウインチを備えない点を除いて前台車2と略同様である。すなわち、H鋼(またはI鋼)を略直方体状に組み立ててなるフレーム11下側の略四隅に設けられた車輪W,Wにより、後続台車用レールR上に支持され、フレーム11の左右両側部の各々には、高さ方向の略中央に前端部から後端部まで水平方向に延在するレール固定用フレーム11A,11Aが設けられ、各々の上面にドラム支持レール12,12が固定されている(図3参照)。また、フレーム3の上側には台車2の前端部から後述するドラム30の移動限界よりも後ろ側まで延在する送泥用固定管および排泥用固定管13R,13Lが固定されている。さらに、フレーム11の前端下側には、前台車2との連結のための連結部材14が前方に突出するように設けられる(図2または図4参照)。
【0029】
そして、図2および図4に詳しいように、これら前台車2の連結部材7および後台車10の連結部材14にピン20が貫通しており、前台車2および後台車10を少なくとも左右方向には曲折しうるように連結している。したがって、例えば、トンネル曲線部において後続台車用レールR,Rがカーブしている場合には、前台車2と後台車10とは後続台車用レールR,Rに沿って折れ曲がることになる。
【0030】
また、図1および図2に示されるように、前台車2の送泥用および排泥用固定管6R,6Lの後端と、後台車10の送泥用および排泥用固定管13R,13Lの前端とが、それぞれ連結用可撓性ホース15,15により連結される。したがって、前述のように前台車2と後台車10との曲折に関係なく、前台車2前端から後台車10までの送泥用および排泥用固定管路が形成される。
【0031】
さらに、ホースドラム台車1では、図2または図4に示されるように、前後台車2,10間において対向する、前台車2のドラム支持レール4,4後端部の各々と後台車10のドラム支持レール12,12前端部の各々とに、架橋レール21,21が架け渡されている。
【0032】
ここに、架橋レール21に関して台車1の左側部の例を引いて説明する。図6および図7に示すように、架橋レール21は下面に凹溝21aを有する実質的に断面コ字状の柱状体であり、この凹溝21aは、前台車2のドラム支持レール4端部および後台車10のドラム支持レール12端部に遊びをもって嵌まる形状とされている。そして、架橋レール21は、その凹溝21aが前台車2のドラム支持レール4端部および後台車10のドラム支持レール12端部に嵌まるように架け渡される。
また、架橋レール21は、後台車10のドラム支持レール12前端部にピン22(ボルトでも良い)により少なくとも台車の左右方向に回動しうるように連結される。図示例では、後台車10のレール12前端部に、左右両側部を貫通しピン22が遊びをもって挿通するピン挿通孔12aが設けられ、架橋レール21の両側壁にもピン挿通孔21b,21bが設けられ、これらピン挿通孔12aおよびピン21b,21bにピン22が挿通されて、架橋レール21と後台車10のドラム支持レール12前端部とが連結されている。
【0033】
そして、かかるように構成される結果、前台車2のドラム支持レール4,4後端と架橋レール21,21前端とは、レール長手方向のスライドおよび前記遊び分だけのレール幅方向のスライドが可能となる。また、後台車10のドラム支持レール12,12前端と架橋レール21,21後端とは、ドラム支持レール12前端部のピン挿通孔12a内でのピン22の遊び分だけ、レール長手方向のスライドおよびレール幅方向のスライドが可能となる。
【0034】
例えば、ホースドラム台車1が右方向に曲折した状態にあるとき、左側部(外側)における架橋レールとドラム支持レールとの関係は図8に示すようになる。すなわち、前台車2および後台車10間において対向するドラム支持レール4,12の端部が離間するのに伴い、前台車2のドラム支持レール4後端部が、架橋レール21に遊嵌した状態で右に回転しつつ前方へスライドするとともに、架橋レール21が後台車10のドラム支持レール12前端部に遊嵌した状態で右に僅かに回転するようにスライドする。
【0035】
右側部においては、図示しないが、前台車2および後台車10間において対向するドラム支持レール4,12の端部が接近するのに伴い、前台車2のドラム支持レール4後端部が架橋レール21に遊嵌した状態で右に回転しつつ後方へスライドするとともに、架橋レール21後端部が後台車10のドラム支持レール12前端部に遊嵌した状態で右に僅かに回転するようにスライドする。したがって、前台車2および後台車10間において対向するドラム支持レール4,12の端部間に架橋レール21が架け渡された状態を維持する。尚、ホースドラム台車1が左方向に曲折した場合に関しては、当業者にとって容易に理解されるところであるから、ここでは敢えて説明を省略する。
【0036】
このように、本発明に係るホースドラム台車1では、前台車2と後台車10との折れ曲がりに関係なく、常に、前台車2のドラム支持レール4,4、後台車10のドラム支持レール12,12および架橋レール21,21よりなる、前台車2の前端から後台車10後端までの一体的なレールが形成されることになる。
【0037】
他方、ホースドラム台車1は、後述の送泥用および排泥用可撓性ホース40R,40Lの収納・繰り出しを行うためのドラム30を備えている。
ドラム30は、図3および図5に示されるように、円筒状本体部31と、この本体部31の外周面を軸方向に2分するように、本体部31の両側部および中央の外周面に設けられた仕切り部材32,32…と、本体部31の外面に沿って配列され、仕切り部材32,32…間に回動自在に軸支された多数のホース滑動用ローラ36,36…とを備えている。本体部31軸心には軸部材33が貫通しており、この軸部材33の両端には、前台車2のドラム支持レール4,4、後台車10のドラム支持レール12,12および架橋レール21,21よりなる一体的なレール上に載るように車輪34,34が設けられている。したがって、車輪34,34は、前台車2のドラム支持レール4,4の前端から架橋レール21,21を介して後台車10のドラム支持レール12,12の後端まで移動することができ、この範囲内でドラム30が前後動することができる。また、上側の前台車2の前後方向フレーム3C,3Cまたは後台車10の前後方向フレーム11C,11Cに吊り下げられ前後動自在とされたワイヤー連結部材35,35が、車輪34,34に回動自在に連結され、このワイヤー連結部材35,35にウインチ5のワイヤー5aが連結されている。したがって、ウインチ5のワイヤー巻き上げ動作により、ドラム30を前側に引き戻すことができる。
【0038】
また、ホースドラム台車1は、送泥用可撓性ホース40Rおよび排泥用可撓性ホース40Lを備えている。
送泥用および排泥用可撓性ホース40R,40Lの前端は、後台車10に固定された送泥用および排泥用固定管13R,13Lの後端に連結され、その後端はドラム30に巻掛けられて後方に折り返されるように配管されている。この送泥用および排泥用可撓性ホース40R,40Lの各後端は、ドラム30が前台車2のドラム支持レール4,4前端の移動限界にある状態で、後台車10後端より僅かに突出する程度の長さを有する。また、後方に折り返された送泥用および排泥用可撓性ホース40R,40Lが、前台車2のフレーム3および後台車10のフレーム11に接触する部分には、これら送泥用および排泥用可撓性ホース40R,40Lを滑動させるための水平ローラ50,50…および垂直ローラ51,51…が設けられている。
【0039】
以上のように構成されたホースドラム台車1の用い方については、前述した図9〜11に示す従来例と略同様である。
すなわち、ホースドラム台車1は、施工に際して図示しないシールド機の後方あるいは後続台車の後方に連結される。そして、掘進に先立って、図5に一点鎖線で示すようにウインチ5の巻き上げ動作によりドラム30を前台車2のドラム支持レール4,4前端側の移動限界まで巻き戻した後、送泥用および排泥用可撓性ホース40R,40Lの後端をトンネル内に固定された図示しない敷設管(敷設送泥管および敷設排泥管)にそれぞれ連結するとともに、ウインチ5をワイヤーリリース状態とする。したがって、この状態では、ドラム30は後方への移動が可能である。
【0040】
しかる後、シールド機を掘進させると、その推進力を利用してホースドラム台車1が前進する。このとき、送泥用および排泥用可撓性ホース40R,40Lの後端がトンネル内に固定された敷設管に連結されているために、送泥用および排泥用可撓性ホース40R,40Lはドラム30を引っ張り後方へ移動させつつ後台車10後端より繰り出される。したがって、シールド機の掘進に伴い、全体としての送泥および排泥流路が延長される。
【0041】
このシールド機の掘進に伴う送泥用および排泥用可撓性ホース40R,40Lの繰り出しは、ドラム30が前台車2から架橋レール21,21を介して後台車10に移り、後台車10のドラム支持レール12,12後端側の移動限界に達するまで行うことができる。ドラム30が後方への移動限界に達したならば、シールド機の掘進を停止し、送泥用および排泥用可撓性ホース40R,40Lと敷設管との連結を解いた後、ウインチ5によりドラム30を前台車の前方への移動限界まで巻き戻し、送泥用および排泥用可撓性ホース40R,40Lをホースドラム台車1内に収納する。そして、新たな管の継ぎ足しにより敷設管をホースドラム台車1の後部まで延長し、これらとホースドラム台車1の送泥用および排泥用可撓性ホース40R,40Lとの連結作業行う。以上のような作業を繰り返し行って、送泥および排泥管路を延長していくことができる。
【0042】
<その他>
本発明では、曲率半径r=10m程度あるいはそれ以下の非常に急な曲線のトンネルに対応させる等のために、さらに全長の短い台車を3台以上直列連結した構造とすることもできる。尚、隣合う台車を左右方向の曲折が可能なように連結する点、隣合う台車間の送泥用および排泥用固定管を、それぞれ可撓性ホースにより連結する点、および隣合う台車間において対向するドラム支持レールの端部を、それぞれ架橋レールにより掛け渡す点等の構成については、上記例と異ならないため説明を省略する。
【0043】
また、本発明に係るホースドラム台車は、泥水式シールド工法における送泥および排泥管路の延長に用いることに限定されず、他の流体または粒状物等の管により輸送しうるものの輸送のために使用することもできる。また、他の工法において、他の流体または粒状物等の管により輸送しうるものの輸送のために使用することもできる。
【0044】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明によれば、製造コストを抑えつつも、r=20m以下の急曲線トンネルで使用でき、かつホースの収納・繰り出し作業が簡易なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るホースドラム台車の正面図である。
【図2】 図1の上面図である。
【図3】 図1の右側面図である。
【図4】 図1のII部分の拡大図である。
【図5】 図3のIII −III 断面図である。
【図6】 架橋レール部分の拡大上面図である。
【図7】 図6の右側面図である。
【図8】 ホースドラム台車が折れ曲がり状態にあるときの、架橋レール部分の拡大上面図である。
【図9】 従来のホースドラム台車の正面図である。
【図10】 図9の上面図である。
【図11】 図9の右側面図である。
【図12】 従来の曲線対応型ホースドラム台車の正面図である。
【符号の説明】
1…ホースドラム台車、2…前台車、3…前台車のフレーム、4…ドラム支持レール、5…ウインチ、6R…送泥用固定管、6L…排泥用固定管、7…連結部材、10…後台車、11…後台車のフレーム、12…ドラム支持レール、13R…送泥用固定管、13L…排泥用固定管、14…連結部材、15…連結用可撓性ホース、20…ピン、21…架橋レール、22…ピン、30…ドラム、40R…、40L…可撓性ホース、W…車輪、R…レール。

Claims (3)

  1. 前後方向に延在するドラム支持レールが左側部および右側部の各々に設けられた台車を、少なくとも2台、曲折自在に直列連結してなり、
    対向するドラム支持レールの双方に常に架け渡される架橋レールと、前記ドラム支持レールおよび前記架橋レールよりなる一体的なレールに支えられ、常に先頭の台車から後尾の台車まで前後動自在のドラムと、このドラムに巻掛けられ折り返された可撓性ホースとを備え、
    前記ドラムの前後動を伴って前記可撓性ホースの収納および繰り出しを行う構成としたことを特徴とするホースドラム台車。
  2. 前記架橋レールと少なくとも一方のドラム支持レールとは、スライド自在に連結されている請求項1記載のホースドラム台車。
  3. 前記架橋レールと一方のドラム支持レールとは、スライド自在に連結されており、前記架橋レールと他方のドラム支持レールとは、少なくとも回動自在に連結されている請求項1記載のホースドラム台車。
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