JP4141045B2 - 埋設物撤去・埋め戻し機の牽引装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、埋設物撤去・埋め戻し機の牽引装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年の大都市のような地下構造物が急増している地域では、不要になった地下構造物は、その後に建設される地下構造物の施工を考えた場合、撤去して元通りに埋め戻しておくことが理想であり、特に幹線道路等においては、配管や配線用に利用する既設の下水道管やトンネル等の管状構造物を撤去しないまま埋め戻すことは、新たにトンネルを構築する際に前記管状構造物が邪魔になり、施工に支障を来たす虞がある。
【0003】
このため、従来においては、既設の管状構造物の外周側の地盤を掘削しつつ該管状構造物の撤去と埋め戻しを行うようにした、いわゆる埋設物撤去・埋め戻し工法が開発されている。
【0004】
この種の埋設物撤去・埋め戻し工法を用いた装置としては、従来、例えば、特開平10−184273号公報に開示されているようなものが存在し、これは、図22に示される如く、埋設物撤去・埋め戻し機1と、該埋設物撤去・埋め戻し機1を推進させるための推進機構31とを備えている。
【0005】
前記埋設物撤去・埋め戻し機1は、管状構造物Aの外径より大きな内径を有し先端部にジェットノズル10が設けられたスキンプレート2と、該スキンプレート2の後方に設けられ該スキンプレート2内を塞ぐ隔壁3と、前記スキンプレート2内に設けられて前記管状構造物Aをその内側から切断する切断機構4と、前記スキンプレート2内に設けられ切断された前記管状構造物Aの切断片を搬出するための排出機構5と、前記隔壁3の反推進方向側における前記管状構造物Aが撤去された空間に充填材Cを充填するための充填機構7とを具備してなる構成を有している。
【0006】
前記推進機構31は、複数本の推進ジャッキ32と、グリッパ33とを備えてなる構成を有しており、各推進ジャッキ32は、その一端部がブラケット34を介して、前記埋設物撤去・埋め戻し機1の隔壁3から前方へ延設されたメインビーム12に取り付けられており、前記埋設物撤去・埋め戻し機1の推進方向に沿う方向へ伸縮駆動されるようになっている。前記推進ジャッキ32の他端部には、ブラケット35を介してグリッパ33が設けられており、該グリッパ33は、前記埋設物撤去・埋め戻し機1の径方向に向けて伸縮自在な二基の伸縮ジャッキ36の先端部にそれぞれ、略円盤状のグリップ部材37を取り付けてなる構成を有している。
【0007】
前述の如き埋設物撤去・埋め戻し機1を用いて既設の管状構造物Aの撤去と埋め戻しを行う際には、先ず、既設の管状構造物Aを撤去すべき区間の両端部に図示していない立坑を掘削し、該立坑内に露出した部分の管状構造物Aを撤去し、発進側の立坑内に埋設物撤去・埋め戻し機1と推進機構31を吊り降ろした後、推進機構31を管状構造物A内の所要位置に挿入配置し、そのグリッパ33の二基の伸縮ジャッキ36を伸ばしてグリップ部材37を管状構造物Aの内壁面に押し付けると共に、推進ジャッキ32を伸長させた状態で、前記発進側の立坑の側壁面に露出している管状構造物Aの端部に前記埋設物撤去・埋め戻し機1のスキンプレート2の先端部を対向させる。
【0008】
この後、前記スキンプレート2の先端部のジェットノズル10から水等を噴射して管状構造物Aの外周部の地盤Gを軟弱化させつつ、推進機構31の推進ジャッキ32を収縮させることにより、前記埋設物撤去・埋め戻し機1のスキンプレート2を管状構造物Aの外周側の地盤Gに挿入して行く。
【0009】
前記埋設物撤去・埋め戻し機1のスキンプレート2の先端側が所定長さだけ地盤G内に挿入された時点で、前記スキンプレート2の内側の管状構造物Aが切断機構4によって切断される。
【0010】
前記切断機構4によって切断された管状構造物Aの切断片は、排出機構5により吊り下げられた状態で、ガイドレール21に沿って到達側の立坑へ搬送され、これにより、前記スキンプレート2内の管状構造物Aが所定長さだけ撤去されたこととなる。
【0011】
続いて、前述と同様に、推進機構31の推進ジャッキ32を収縮させることにより、まだ撤去していない部分の管状構造物Aの外周側の地盤G内に向けて前記埋設物撤去・埋め戻し機1を所定寸法だけ推進させ、隔壁3の反推進方向側における前記管状構造物Aが撤去された空間に、充填機構7から充填材Cが充填され、前記管状構造物Aが撤去された空間の埋め戻しが行われる。
【0012】
前記推進機構31の推進ジャッキ32が、そのストロークエンドまで収縮したら、前記伸縮ジャッキ36を収縮させてグリップ部材37を管状構造物Aの内壁面から離反させ、前記推進ジャッキ32を伸長させた後、前記伸縮ジャッキ36を再度伸長させてグリップ部材37を管状構造物Aの内壁面に押し付けることにより、グリッパ33が前方へ移動される。
【0013】
この後は、前述と同様の工程、即ち、推進機構31による埋設物撤去・埋め戻し機1の推進、切断機構4による管状構造物Aの切断、排出機構5による管状構造物Aの切断片の搬出、充填機構7による埋め戻し、推進機構31のグリッパ33の前方への移動、といった各作業が順次繰り返されて行き、所定区間の管状構造物Aが撤去され、埋め戻されて行くこととなる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述の如く、管状構造物Aの内壁面に推進機構31のグリッパ33を張り、該グリッパ33のグリップ部材37と管状構造物Aの内壁面との摩擦抵抗によって、埋設物撤去・埋め戻し機1の推進の反力を支持するのでは、既設の管状構造物Aの外周部における裏込め剤の充填が完全でない場合、前記グリッパ33を張っても地山にグリッパ33の拡張力が伝達されずに管状構造物A自体で荷重を受ける形となり、特に、管状構造物Aが外圧(土圧)しか考慮されていないものであると、所定の摩擦抵抗が得られずに、埋設物撤去・埋め戻し機1の推進の反力を支持できなくなる虞があった。
【0015】
本発明は、斯かる実情に鑑み、埋設物撤去・埋め戻し機の推進の反力を確実に支持し得、既設の管状構造物の撤去と埋め戻しの作業を円滑に行うことができる埋設物撤去・埋め戻し機の牽引装置を提供しようとするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明は、既設の管状構造物の外周側の地盤を掘削しつつ該管状構造物の撤去と埋め戻しを行うようにした埋設物撤去・埋め戻し機の牽引装置であって、
管状構造物の内壁面周方向複数所要箇所に形成され且つ管状構造物の長手方向へ所要ピッチで形成された凹部と、
埋設物撤去・埋め戻し機に対し牽引部材を介して接続され且つ管状構造物内の長手方向へ移動自在に配設された自走用牽引台車と、
該自走用牽引台車における管状構造物の長手方向と直交する一断面内の前記凹部に対応する複数所要箇所に、該凹部に対し係合・離脱可能となるよう取り付けられた自走用フック装置と、
前記自走用牽引台車より推進方向後方に位置するよう管状構造物内の長手方向へ移動自在に配設された推進反力支持用牽引台車と、
該推進反力支持用牽引台車における管状構造物の長手方向と直交する一断面内の前記凹部に対応する複数所要箇所に、該凹部に対し係合・離脱可能となるよう取り付けられた推進反力支持用フック装置と、
管状構造物内の長手方向へ伸縮自在に配設され且つ前記推進反力支持用牽引台車と自走用牽引台車とを連結する牽引ジャッキと
を備えたことを特徴とする埋設物撤去・埋め戻し機の牽引装置にかかるものである。
【0017】
前記埋設物撤去・埋め戻し機の牽引装置においては、推進反力支持用牽引台車を管状構造物の長手方向へ複数台に分割配置し且つ各推進反力支持用牽引台車に取り付けられた推進反力支持用フック装置が凹部に対し同時に係合し得るよう構成すると共に、各推進反力支持用牽引台車間を、推進方向前方に位置する推進反力支持用牽引台車を所要の力で押圧可能な支持力保証ジャッキによって連結することができる。
【0018】
前記埋設物撤去・埋め戻し機の牽引装置においては、管状構造物の内壁面周方向等間隔三箇所に凹部を形成すると共に、推進反力支持用牽引台車における管状構造物の長手方向と直交する一断面内の前記凹部に対応する三箇所に、推進反力支持用フック装置を取り付けることもできる。
【0019】
又、本発明は、既設の管状構造物の外周側の地盤を掘削しつつ該管状構造物の撤去と埋め戻しを行うようにした埋設物撤去・埋め戻し機の牽引装置であって、管状構造物の内壁面周方向四箇所以上の複数所要箇所に形成され且つ管状構造物の長手方向へ所要ピッチで形成された凹部と、
埋設物撤去・埋め戻し機に対し牽引部材を介して接続され且つ管状構造物内の長手方向へ移動自在に配設された自走用牽引台車と、
該自走用牽引台車における管状構造物の長手方向と直交する一断面内の前記凹部に対応する複数所要箇所に、該凹部に対し係合・離脱可能となるよう取り付けられた自走用フック装置と、
前記自走用牽引台車より推進方向後方に位置するよう管状構造物内の長手方向へ移動自在に配設された推進反力支持用牽引台車と、
該推進反力支持用牽引台車における管状構造物の長手方向と直交する一断面内の前記凹部に対応する複数所要箇所に、該凹部に対し係合・離脱可能となるよう、スライド部材を介して管状構造物の長手方向へスライド自在に取り付けられた推進反力支持用フック装置と、
管状構造物内の長手方向へ伸縮自在に配設され且つ前記推進反力支持用牽引台車のスライド部材と自走用牽引台車とを連結する牽引ジャッキと、
推進反力支持用牽引台車に対するスライド部材の前方へのスライドを所要位置で規制し、前記牽引ジャッキの収縮動作による推進反力支持用牽引台車の前進を可能とするためのストッパ部と
を備えたことを特徴とする埋設物撤去・埋め戻し機の牽引装置にかかるものである。
【0020】
前記埋設物撤去・埋め戻し機の牽引装置においては、推進反力支持用牽引台車を管状構造物の長手方向へ複数台に分割配置し且つ各推進反力支持用牽引台車に取り付けられた推進反力支持用フック装置が凹部に対し同時に係合し得るよう構成すると共に、各推進反力支持用牽引台車のスライド部材間を、推進方向前方に位置する推進反力支持用牽引台車のスライド部材を所要の力で押圧可能な支持力保証ジャッキによって連結することができる。
【0021】
上記手段によれば、以下のような作用が得られる。
【0022】
埋設物撤去・埋め戻し機によって既設の管状構造物の外周側の地盤が掘削されている間、自走用牽引台車の自走用フック装置は、管状構造物の凹部から離脱し、推進反力支持用牽引台車の推進反力支持用フック装置は、管状構造物の凹部に係合した状態に保持され、埋設物撤去・埋め戻し機の推進の反力が牽引部材を介して自走用牽引台車へ伝えられ、更に牽引ジャッキと推進反力支持用牽引台車とを介して推進反力支持用フック装置から管状構造物へ伝えられ、前記埋設物撤去・埋め戻し機の掘進が進められている間は、該埋設物撤去・埋め戻し機の掘進と連動する形で牽引ジャッキが伸長して行き、牽引部材は緊張した状態に保持される。
【0023】
この結果、仮に、既設の管状構造物の外周部における裏込め剤の充填が完全でない場合や管状構造物が外圧(土圧)しか考慮されていないものであっても、管状構造物の凹部に対して推進反力支持用牽引台車の推進反力支持用フック装置が係合することにより、管状構造物の長手方向に埋設物撤去・埋め戻し機の牽引力が直接作用する形となるため、従来の如く、管状構造物の内壁面に推進機構のグリッパを張り、該グリッパのグリップ部材と管状構造物の内壁面との摩擦抵抗によって、埋設物撤去・埋め戻し機の推進の反力を支持するのに比べ、埋設物撤去・埋め戻し機の推進の反力を確実に支持することが可能となる。
【0024】
前記埋設物撤去・埋め戻し機の牽引装置において、推進反力支持用牽引台車を管状構造物の長手方向へ複数台に分割配置し且つ各推進反力支持用牽引台車に取り付けられた推進反力支持用フック装置が凹部に対し同時に係合し得るよう構成すると共に、各推進反力支持用牽引台車間を、推進方向前方に位置する推進反力支持用牽引台車を所要の力で押圧可能な支持力保証ジャッキによって連結すると、管状構造物の強度的な制約から推進反力支持用牽引台車の推進反力支持用フック装置一個当りの許容支持力が制限される場合にも、推進反力支持用フック装置一個当りに加わる実際の力は許容支持力以下に抑えられる。
【0025】
前記埋設物撤去・埋め戻し機の牽引装置において、管状構造物の内壁面周方向等間隔三箇所に凹部を形成すると共に、推進反力支持用牽引台車における管状構造物の長手方向と直交する一断面内の前記凹部に対応する三箇所に、推進反力支持用フック装置を取り付けると、仮に、凹部における推進反力支持用フック装置の接触面の平面精度が確保されていなくても、各箇所へ確実に支持力を伝達することが可能となる。
【0026】
又、推進反力支持用フック装置を推進反力支持用牽引台車にスライド部材を介して管状構造物の長手方向へスライド自在に取り付けたものの場合、埋設物撤去・埋め戻し機によって既設の管状構造物の外周側の地盤が掘削されている間、自走用牽引台車の自走用フック装置は、管状構造物の凹部から離脱し、推進反力支持用牽引台車の推進反力支持用フック装置は、管状構造物の凹部に係合した状態に保持され、埋設物撤去・埋め戻し機の推進の反力が牽引部材を介して自走用牽引台車へ伝えられ、更に牽引ジャッキと推進反力支持用牽引台車のスライド部材とを介して各推進反力支持用フック装置から管状構造物へ伝えられ、前記埋設物撤去・埋め戻し機の掘進が進められている間は、該埋設物撤去・埋め戻し機の掘進と連動する形で牽引ジャッキが伸長して行き、牽引部材は緊張した状態に保持されるが、ここで、仮に、凹部における推進反力支持用フック装置の接触面の平面精度が確保されていなくても、各推進反力支持用フック装置は、スライド部材を介して管状構造物の長手方向へスライド自在となっており、凹部に確実に接触し、片当り等は生じないため、各箇所へ確実に支持力を伝達することが可能となり、これにより、推進反力支持用牽引台車一台当りに取り付けられる推進反力支持用フック装置の数を増加させることが可能となって、推進反力支持用牽引台車の数も少なくて済む。
【0027】
前記埋設物撤去・埋め戻し機の牽引装置において、推進反力支持用牽引台車を管状構造物の長手方向へ複数台に分割配置し且つ各推進反力支持用牽引台車に取り付けられた推進反力支持用フック装置が凹部に対し同時に係合し得るよう構成すると共に、各推進反力支持用牽引台車のスライド部材間を、推進方向前方に位置する推進反力支持用牽引台車のスライド部材を所要の力で押圧可能な支持力保証ジャッキによって連結すると、管状構造物の強度的な制約から推進反力支持用牽引台車の推進反力支持用フック装置一個当りの許容支持力が制限される場合にも、推進反力支持用フック装置一個当りに加わる実際の力は許容支持力以下に抑えられる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図示例と共に説明する。
【0029】
図1〜図12は本発明を実施する形態の一例であって、図中、図22と同一の符号を付した部分は同一物を表わしている。
【0030】
本図示例の場合、管状構造物Aとしては、セグメントaを円周方向へ複数配置しボルト締結してリングを形成すると共に、該リングに対し同様に形成されるリングを順次ボルト締結してつなぎ合わせ、その内面側にコンクリートを吹き付けて形成されていた二次覆工は既にハツリ済みのものを表わしており、管状構造物Aの内壁面周方向複数所要箇所(図2の例では120度の等間隔で三箇所)に、凹部40を形成し、該凹部40を管状構造物Aの長手方向へ所要ピッチP(図1の例では既設のセグメントa二個分の長さ)で形成してある。
【0031】
埋設物撤去・埋め戻し機1は、スキンプレート2の先端部に、管状構造物Aの外周側の地盤Gを掘削するためのカッタフレーム10’をカッタ駆動用油圧モータ41により回転自在に設け、該カッタフレーム10’によって掘削された土砂を流動化させるための泥水を供給するための送泥管42と、前記カッタフレーム10’によって掘削され前記泥水で流動化された土砂を外部へ排出するための排泥管43とを設け、スキンプレート2に対して後方の隔壁3をスライドジャッキ44の伸縮動作により管状構造物Aの長手方向へスライド可能に配設し、スキンプレート2の中心部に該スキンプレート2と一体に設けられたメインビーム12に、管状構造物Aを構成するセグメントaを解体するためのセグメント解体装置4’を設け、更に、該セグメント解体装置4’によって解体されたセグメントaを搬出するためのローラコンベヤ等の搬出装置5’を設けてある。
【0032】
前記埋設物撤去・埋め戻し機1の推進方向前方における管状構造物A内底部には、該管状構造物A内の長手方向へ延びるようガイドレール45を敷設してあり、該ガイドレール45上には、一台の自走用牽引台車46と、その後方に位置する三台の推進反力支持用牽引台車47とを走行自在に配設してある。
【0033】
前記埋設物撤去・埋め戻し機1のメインビーム12の周方向三箇所にはそれぞれ、PC鋼線等の牽引部材48の一端部を固定し、該各牽引部材48の他端部を、前方へ延ばし、前記各推進反力支持用牽引台車47に設けられた管49内を貫通させて、前記自走用牽引台車46の対応箇所に固定してある。
【0034】
前記自走用牽引台車46における管状構造物Aの長手方向と直交する一断面内の前記凹部40に対応する複数所要箇所には、該凹部40に対し係合・離脱可能となるよう自走用フック装置50を取り付けてあり、同様に、前記推進反力支持用牽引台車47における管状構造物Aの長手方向と直交する一断面内の前記凹部40に対応する複数所要箇所には、該凹部40に対し係合・離脱可能となるよう推進反力支持用フック装置51を取り付けてある。
【0035】
前記推進反力支持用フック装置51は、図3及び図4に示す如く、推進反力支持用牽引台車47の管49に支持ブラケット52を取り付け、該支持ブラケット52にフック本体53を、管状構造物Aの長手方向と直交する方向へ延びるピン54を中心として、フック駆動ジャッキ55の伸縮動作により回動可能に設け、該フック駆動ジャッキ55を収縮させると、フック本体53が管状構造物Aの凹部40側に張り出してセグメントaの桁リブ56に係合可能となり、又、前記フック駆動ジャッキ55を伸長させると、フック本体53が管状構造物Aの凹部40側から離脱し得るようにしてある。尚、図3及び図4中、57はフック本体53の凹部40に対する係合時に該フック本体53の回動を規制するためのストッパである。又、前記自走用フック装置50についても、前記推進反力支持用フック装置51と全く同じ構造を有している。
【0036】
前記推進反力支持用牽引台車47のうち一番前方に位置する推進反力支持用牽引台車47と自走用牽引台車46との間は、管状構造物A内の長手方向へ伸縮自在に配設された牽引ジャッキ58によって連結してあり、各推進反力支持用牽引台車47の間は、推進方向前方に位置する推進反力支持用牽引台車47を所要の力で押圧可能な支持力保証ジャッキ59,60によって連結してある。
【0037】
前記牽引ジャッキ58と支持力保証ジャッキ59,60はそれぞれ、図2に示す如く、前記自走用フック装置50と推進反力支持用フック装置51の配設箇所に対応させて二本ずつ設けてあり、即ち、それぞれ合計六本ずつの牽引ジャッキ58と支持力保証ジャッキ59,60によって、前記一番前方に位置する推進反力支持用牽引台車47と自走用牽引台車46との間並びに各推進反力支持用牽引台車47の間を連結してある。
【0038】
ここで、一例として、前記埋設物撤去・埋め戻し機1の必要牽引力が240[tonf]であって、管状構造物Aのセグメントaを構成するコンクリートの許容支圧を150[kgf/cm2]と仮定すると共に、推進反力支持用牽引台車47の一箇所の推進反力支持用フック装置51がセグメントaの凹部40に接触できる面積を、該セグメントaの桁リブ56の間隔等の制約からおよそ185[cm2]と仮定した場合、推進反力支持用フック装置51一箇所当りの許容支持力Fhは、
【数1】
Fh=150×185=27750[kgf]≒28[tonf]
となり、前記必要牽引力240[tonf]を支持するには、
【数2】
240÷28=8.57
となることから、前記推進反力支持用フック装置51は、合計九箇所必要となり、このため、前記推進反力支持用牽引台車47を三台設けると共に、各推進反力支持用牽引台車47における管状構造物Aの長手方向と直交する一断面内の前記凹部40に対応する三箇所に、推進反力支持用フック装置51を取り付け、更に、図5に示す原理で、各推進反力支持用フック装置51に作用する支持力を前記許容支持力Fh以下に保証する形としてある。
【0039】
即ち、図5には、埋設物撤去・埋め戻し機1の牽引時において推進反力支持用フック装置51一基当りに作用する荷重を模式的に表わしており、牽引部材48一本当りに作用する引張力は、
【数3】
240÷3=80[tonf]
となり、この引張力が自走用牽引台車46に加わるため、該自走用牽引台車46と一番前の推進反力支持用牽引台車47とをつなぐ牽引ジャッキ58としては、一本当り
【数4】
80÷2=40[tonf]
の荷重を支持できるものを採用してある。ここで、前記80[tonf]の荷重がそのまま一箇所の推進反力支持用フック装置51に加わることは避けなければならず、前記一番前の推進反力支持用牽引台車47の一箇所の推進反力支持用フック装置51に作用する支持力は少なくとも前記許容支持力Fh=28[tonf]以下に抑える必要があるため、一本当り
【数5】
(80−28)÷2=26[tonf]≦fj59(支持力保証ジャッキ59の推力)
の荷重で前記一番前の推進反力支持用牽引台車47を押圧できる支持力保証ジャッキ59を、前記一番前の推進反力支持用牽引台車47とその後ろの二番目の推進反力支持用牽引台車47との間に設ければよいことになる。例ではfj59=26[tonf]としてあるため、一番前の推進反力支持用牽引台車47の一箇所の推進反力支持用フック装置51に作用する支持力は28[tonf]となる。又、前記二番目の推進反力支持用牽引台車47とその後ろの三番目の推進反力支持用牽引台車47との間に、一本当り、
【数6】
(80−26−28)÷2=13[tonf]≦fj60(支持力保証ジャッキ60の推力)
の荷重で前記二番目の推進反力支持用牽引台車47を押圧できる支持力保証ジャッキ60を設けてやれば、前記二番目の推進反力支持用牽引台車47の一箇所の推進反力支持用フック装置51に作用する支持力は、28[tonf]以下に抑えられる。例ではfj60=13.5[tonf]としてあるため、前記二番目の推進反力支持用牽引台車47の一箇所の推進反力支持用フック装置51に作用する支持力は25[tonf]となる。更に、最後の三番目の推進反力支持用牽引台車47の一箇所の推進反力支持用フック装置51に作用する支持力は、前記支持力保証ジャッキ60二本分の押圧力、即ち、
【数7】
13.5×2=27[tonf]<28[tonf](許容支持力Fh)
に相当する反力と等しくなるようにしてある。
【0040】
尚、前述の如く、推進反力支持用牽引台車47を三台設けると共に、各推進反力支持用牽引台車47における管状構造物Aの長手方向と直交する一断面内の前記凹部40に対応する三箇所に、推進反力支持用フック装置51を取り付けているのは、あくまでも一例であって、強度的に問題がなければ、推進反力支持用牽引台車47は、三台以下にしてもよく、又、必要に応じて逆に推進反力支持用牽引台車47の台数を三台以上に増やしてもよいことは言うまでもない。
【0041】
次に、上記図示例の作動を説明する。
【0042】
埋設物撤去・埋め戻し機1によって既設の管状構造物Aの外周側の地盤Gが掘削されている間、図1中、実線で示す如く、牽引装置を構成する自走用牽引台車46の自走用フック装置50は、管状構造物Aの凹部40から離脱し、各推進反力支持用牽引台車47の推進反力支持用フック装置51は、管状構造物Aの凹部40に係合した状態に保持され、埋設物撤去・埋め戻し機1の推進の反力が牽引部材48を介して自走用牽引台車46へ伝えられ、更に牽引ジャッキ58と各推進反力支持用牽引台車47と支持力保証ジャッキ59,60とを介して各推進反力支持用フック装置51から管状構造物Aへ伝えられる。
【0043】
前記埋設物撤去・埋め戻し機1の掘進が進められている間は、該埋設物撤去・埋め戻し機1の掘進と連動する形で牽引ジャッキ58が伸長して行き、牽引部材48は緊張した状態に保持される。
【0044】
この結果、仮に、既設の管状構造物Aの外周部における裏込め剤の充填が完全でない場合や管状構造物Aが外圧(土圧)しか考慮されていないものであっても、管状構造物Aの凹部40に対して推進反力支持用牽引台車47の推進反力支持用フック装置51が係合することにより、管状構造物Aの長手方向に埋設物撤去・埋め戻し機1の牽引力が直接作用する形となるため、従来の如く、管状構造物Aの内壁面に推進機構31のグリッパ33を張り、該グリッパ33のグリップ部材37と管状構造物Aの内壁面との摩擦抵抗によって、埋設物撤去・埋め戻し機1の推進の反力を支持するのに比べ、埋設物撤去・埋め戻し機1の推進の反力を確実に支持することが可能となる。
【0045】
又、推進反力支持用牽引台車47を管状構造物Aの長手方向へ複数台(本図示例では三台)に分割配置し且つ各推進反力支持用牽引台車47に取り付けられた推進反力支持用フック装置51が凹部40に対し同時に係合し得るよう構成すると共に、各推進反力支持用牽引台車47間を、推進方向前方に位置する推進反力支持用牽引台車47を所要の力で押圧可能な支持力保証ジャッキ59,60によって連結したことにより、管状構造物Aの強度的な制約から推進反力支持用牽引台車47の推進反力支持用フック装置51一個当りの許容支持力Fhが制限される場合にも、推進反力支持用フック装置51一個当りに加わる実際の力は許容支持力Fh以下に抑えられる。
【0046】
更に又、一台の推進反力支持用牽引台車47に三基の推進反力支持用フック装置51を、管状構造物Aの内壁面周方向へ等間隔となるよう配設してあるため、仮に、凹部40における推進反力支持用フック装置51の接触面の平面精度が確保されていなくても、各箇所へ確実に支持力を伝達することが可能となる。
【0047】
一方、前記埋設物撤去・埋め戻し機1により管状構造物Aのセグメントaの撤去と埋め戻しが開始されてから、自走用牽引台車46及び各推進反力支持用牽引台車47がワンストローク分(凹部40の形成ピッチPに相当する長さ)だけ前進して行く場合の操作手順について、図6〜図12を用いて以下に説明する。
【0048】
前記埋設物撤去・埋め戻し機1の掘進開始時は、図1と同様に図6に示すようになっており、この状態から、埋設物撤去・埋め戻し機1の掘進と連動する形で牽引ジャッキ58が伸長して行き、該牽引ジャッキ58が管状構造物Aの長手方向へ所要ピッチP(既設のセグメントa二個分の長さ)だけ伸びると、図7に示す如く、自走用牽引台車46の自走用フック装置50が凹部40内に張り出され、この後、該自走用フック装置50を凹部40の端面に接触させるために、図8に示す如く、牽引ジャッキ58が所要量xだけ収縮し、自走用牽引台車46が同量だけ後退し、自走用フック装置50が凹部40の端面に接触して係合すると共に、推進反力支持用フック装置51を凹部40の端面から離反させるために、図9に示す如く、牽引ジャッキ58が更に所要量xだけ収縮し、各推進反力支持用牽引台車47が同量だけ前進し、推進反力支持用フック装置51が凹部40の端面から離反した後、各推進反力支持用牽引台車47の推進反力支持用フック装置51が凹部40側から離脱する。尚、図8及び図9に示す状態においては、牽引部材48は弛緩された状態となっている。
【0049】
この後、図9に示す状態から、牽引ジャッキ58を管状構造物Aの長手方向へ所要ピッチPだけ収縮させると、図10に示す如く、各推進反力支持用牽引台車47が同量だけ前進し、且つ各推進反力支持用牽引台車47の推進反力支持用フック装置51が凹部40内に張り出され、続いて、自走用フック装置50を凹部40の端面から離反させるために、図11に示す如く、牽引ジャッキ58が所要量xだけ伸長し、自走用牽引台車46が同量だけ前進し、自走用フック装置50が凹部40の端面から離反した後、凹部40側から離脱すると共に、推進反力支持用フック装置51を凹部40の端面に接触させるために、図12に示す如く、牽引ジャッキ58が更に所要量xだけ伸長し、各推進反力支持用牽引台車47が同量だけ後退し、各推進反力支持用牽引台車47の推進反力支持用フック装置51が凹部40の端面に接触して係合し、牽引部材48が再び緊張した状態に保持され、自走用牽引台車46及び各推進反力支持用牽引台車47がワンストローク分だけ前進した形で、図6に示す状態と同じ状態となる。
【0050】
以下、前述と同様の操作が繰り返し行われる形となる。
【0051】
こうして、埋設物撤去・埋め戻し機1の推進の反力を確実に支持し得、既設の管状構造物の撤去と埋め戻しの作業を円滑に行うことができる。
【0052】
図13〜図21は本発明を実施する形態の他の例であって、図中、図1〜図12と同一の符号を付した部分は同一物を表わしており、基本的な構成は図1〜図12に示すものと同様であるが、本図示例の特徴とするところは、図13〜図21に示す如く、推進反力支持用フック装置51の設置に制約されずに牽引装置を成立させるために、管状構造物Aの長手方向へ所要ピッチP(既設のセグメントa二個分の長さ)で形成される凹部40を、管状構造物Aの内壁面周方向四箇所以上の複数所要箇所(図14の例では五箇所)に形成し、これに対応させて、各推進反力支持用牽引台車47の推進反力支持用フック装置51の数を増やすことにより、推進反力支持用牽引台車47の台数を三台から二台に減らせるようにした点にある。尚、同様に、自走用牽引台車46の自走用フック装置50の数も五箇所に増やすと共に、牽引部材48の本数も五本に増やしてある。
【0053】
但し、前述の図2に示した例の如く、一台の推進反力支持用牽引台車47に三基の推進反力支持用フック装置51を、管状構造物Aの内壁面周方向へ等間隔となるよう配設してあれば、仮に、凹部40における推進反力支持用フック装置51の接触面の平面精度が確保されていなくても、各箇所へ確実に支持力を伝達することが可能となるが、図4に示すように、各推進反力支持用牽引台車47の推進反力支持用フック装置51の数を四箇所以上に増やした場合、片当りが生じる可能性がある。
【0054】
そこで、本図示例の場合には、各推進反力支持用牽引台車47の推進反力支持用フック装置51対応箇所に、切欠部61が設けられたガイドパイプ62を取り付け、該ガイドパイプ62内に、各推進反力支持用フック装置51が取り付けられ且つ牽引部材48が貫通する管をスライド部材49’として配設し、該スライド部材49’を介して各推進反力支持用フック装置51が管状構造物Aの長手方向へスライド自在となるようにしてある。
【0055】
又、一番前の推進反力支持用牽引台車47のスライド部材49’と自走用牽引台車46とを、管状構造物A内の長手方向へ伸縮自在に配設された牽引ジャッキ58によって連結すると共に、各推進反力支持用牽引台車47のスライド部材49’間を、推進方向前方に位置する推進反力支持用牽引台車47のスライド部材49’を所要の力で押圧可能な支持力保証ジャッキ59によって連結し、更に、推進反力支持用牽引台車47に対するスライド部材49’の前方へのスライドを所要位置で規制して前記牽引ジャッキ58の収縮動作による推進反力支持用牽引台車47の前進を可能とするためのストッパ部63を、各推進反力支持用フック装置51の支持ブラケット52に兼用させる形で形成してある。
【0056】
図13〜図21に示す例においては、埋設物撤去・埋め戻し機1によって既設の管状構造物Aの外周側の地盤Gが掘削されている間、牽引装置を構成する自走用牽引台車46の自走用フック装置50は、管状構造物Aの凹部40から離脱し、各推進反力支持用牽引台車47の推進反力支持用フック装置51は、管状構造物Aの凹部40に係合した状態に保持され、埋設物撤去・埋め戻し機1の推進の反力が牽引部材48を介して自走用牽引台車46へ伝えられ、更に牽引ジャッキ58と各推進反力支持用牽引台車47のスライド部材49’と支持力保証ジャッキ59とを介して各推進反力支持用フック装置51から管状構造物Aへ伝えられ、前記埋設物撤去・埋め戻し機1の掘進が進められている間は、該埋設物撤去・埋め戻し機1の掘進と連動する形で牽引ジャッキ58が伸長して行き、牽引部材48は緊張した状態に保持される。
【0057】
ここで、仮に、凹部40における推進反力支持用フック装置51の接触面の平面精度が確保されていなくても、各推進反力支持用フック装置51は、スライド部材49’を介して管状構造物Aの長手方向へスライド自在となっており、凹部40に確実に接触し、片当り等は生じないため、各箇所へ確実に支持力を伝達することが可能となり、これにより、推進反力支持用牽引台車47一台当りに取り付けられる推進反力支持用フック装置51の数を増加させることが可能となって、推進反力支持用牽引台車47の数も少なくて済む。又、推進反力支持用フック装置51一個当りに加わる実際の力が許容支持力以下に抑えられていることは勿論である。
【0058】
この結果、図1〜図12に示す例と同様、仮に、既設の管状構造物Aの外周部における裏込め剤の充填が完全でない場合や管状構造物Aが外圧(土圧)しか考慮されていないものであっても、管状構造物Aの凹部40に対して推進反力支持用牽引台車47の推進反力支持用フック装置51が係合することにより、管状構造物Aの長手方向に埋設物撤去・埋め戻し機1の牽引力が直接作用する形となるため、従来の如く、管状構造物Aの内壁面に推進機構31のグリッパ33を張り、該グリッパ33のグリップ部材37と管状構造物Aの内壁面との摩擦抵抗によって、埋設物撤去・埋め戻し機1の推進の反力を支持するのに比べ、埋設物撤去・埋め戻し機1の推進の反力を確実に支持することが可能となる。
【0059】
一方、前記埋設物撤去・埋め戻し機1により管状構造物Aのセグメントaの撤去と埋め戻しが開始されてから、自走用牽引台車46及び各推進反力支持用牽引台車47がワンストローク分(凹部40の形成ピッチPに相当する長さ)だけ前進して行く場合の操作手順について、図15〜図21を用いて以下に説明する。
【0060】
前記埋設物撤去・埋め戻し機1の掘進開始時は、図15に示すようになっており、この状態から、埋設物撤去・埋め戻し機1の掘進と連動する形で牽引ジャッキ58が伸長して行き、該牽引ジャッキ58が管状構造物Aの長手方向へ所要ピッチP(既設のセグメントa二個分の長さ)だけ伸びると、図16に示す如く、自走用牽引台車46の自走用フック装置50が凹部40内に張り出され、この後、該自走用フック装置50を凹部40の端面に接触させるために、図17に示す如く、牽引ジャッキ58が所要量xだけ収縮し、自走用牽引台車46が同量だけ後退し、自走用フック装置50が凹部40の端面に接触して係合すると共に、推進反力支持用フック装置51を凹部40の端面から離反させるために、図18に示す如く、牽引ジャッキ58が更に所要量xだけ収縮し、スライド部材49’が各推進反力支持用牽引台車47のガイドパイプ62に対してスライドする形で同量だけ前進し、推進反力支持用フック装置51が凹部40の端面から離反した後、各推進反力支持用牽引台車47の推進反力支持用フック装置51が凹部40側から離脱する。尚、図17及び図18に示す状態においては、牽引部材48は弛緩された状態となっている。
【0061】
この後、図18に示す状態から、牽引ジャッキ58を管状構造物Aの長手方向へ所要ピッチPだけ収縮させると、図19に示す如く、ストッパ部63が推進反力支持用牽引台車47のガイドパイプ62に接触することにより、スライド部材49’と一緒に各推進反力支持用牽引台車47が同量だけ前進し、且つ各推進反力支持用牽引台車47の推進反力支持用フック装置51が凹部40内に張り出され、続いて、図20に示す如く、牽引ジャッキ58が所要量xだけ伸長し、スライド部材49’が各推進反力支持用牽引台車47のガイドパイプ62に対してスライドする形で同量だけ後退し、各推進反力支持用牽引台車47の推進反力支持用フック装置51が凹部40の端面に接触して係合すると共に、図21に示す如く、牽引ジャッキ58が更に所要量xだけ伸長し、自走用牽引台車46が同量だけ前進し、自走用フック装置50が凹部40の端面から離反した後、該自走用フック装置50が凹部40側から離脱し、牽引部材48が再び緊張した状態に保持され、自走用牽引台車46及び各推進反力支持用牽引台車47がワンストローク分だけ前進した形で、図15に示す状態と同じ状態となる。
【0062】
以下、前述と同様の操作が繰り返し行われる形となる。
【0063】
こうして、図13〜図21に示す例の場合にも、図1〜図12に示す例の場合と同様、埋設物撤去・埋め戻し機1の推進の反力を確実に支持し得、既設の管状構造物の撤去と埋め戻しの作業を円滑に行うことができる。
【0064】
尚、本発明の埋設物撤去・埋め戻し機の牽引装置は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、既設の管状構造物の外周側の地盤を掘削する手段としてはカッタに限らず、水等を噴射して地盤を軟弱化させるウォータージェット等を用いてもよいこと等、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0065】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明の請求項1記載の埋設物撤去・埋め戻し機の牽引装置によれば、埋設物撤去・埋め戻し機の推進の反力を確実に支持し得、既設の管状構造物の撤去と埋め戻しの作業を円滑に行うことができるという優れた効果を奏し得る。
【0066】
本発明の請求項2記載の埋設物撤去・埋め戻し機の牽引装置によれば、上記効果に加え更に、管状構造物の強度的な制約から推進反力支持用フック装置一個当りの許容支持力が制限される場合にも、推進反力支持用フック装置一個当りに加わる実際の力を許容支持力以下に保証することができるという優れた効果を奏し得る。
【0067】
本発明の請求項3記載の埋設物撤去・埋め戻し機の牽引装置によれば、上記効果に加え更に、凹部における推進反力支持用フック装置の接触面の平面精度が確保されていなくても、各箇所へ確実に支持力を伝達できるという優れた効果を奏し得る。
【0068】
又、本発明の請求項4記載の埋設物撤去・埋め戻し機の牽引装置によれば、推進反力支持用牽引台車一台当りに取り付けられる推進反力支持用フック装置の数を増加させることができ、推進反力支持用牽引台車の数を最小限に抑えつつ、埋設物撤去・埋め戻し機の推進の反力を確実に支持し得、既設の管状構造物の撤去と埋め戻しの作業を円滑に行うことができるという優れた効果を奏し得る。
【0069】
本発明の請求項5記載の埋設物撤去・埋め戻し機の牽引装置によれば、上記効果に加え更に、管状構造物の強度的な制約から推進反力支持用フック装置一個当りの許容支持力が制限される場合にも、推進反力支持用フック装置一個当りに加わる実際の力を許容支持力以下に保証することができるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施する形態の一例の側断面図である。
【図2】図1のII−II断面図である。
【図3】図1のIII部詳細図である。
【図4】図3のIV−IV断面図である。
【図5】本発明を実施する形態の一例において、埋設物撤去・埋め戻し機の牽引時における推進反力支持用フック装置一基当りの荷重作用模式図である。
【図6】本発明を実施する形態の一例において、自走用牽引台車及び推進反力支持用牽引台車が前進して行く場合の操作手順の第一段階を示す概要図である。
【図7】本発明を実施する形態の一例において、自走用牽引台車及び推進反力支持用牽引台車が前進して行く場合の操作手順の第二段階を示す概要図である。
【図8】本発明を実施する形態の一例において、自走用牽引台車及び推進反力支持用牽引台車が前進して行く場合の操作手順の第三段階を示す概要図である。
【図9】本発明を実施する形態の一例において、自走用牽引台車及び推進反力支持用牽引台車が前進して行く場合の操作手順の第四段階を示す概要図である。
【図10】本発明を実施する形態の一例において、自走用牽引台車及び推進反力支持用牽引台車が前進して行く場合の操作手順の第五段階を示す概要図である。
【図11】本発明を実施する形態の一例において、自走用牽引台車及び推進反力支持用牽引台車が前進して行く場合の操作手順の第六段階を示す概要図である。
【図12】本発明を実施する形態の一例において、自走用牽引台車及び推進反力支持用牽引台車が前進して行く場合の操作手順の第七段階を示す概要図である。
【図13】本発明を実施する形態の他の例の側断面図である。
【図14】図13のXIV−XIV断面図である。
【図15】本発明を実施する形態の他の例において、自走用牽引台車及び推進反力支持用牽引台車が前進して行く場合の操作手順の第一段階を示す概要図である。
【図16】本発明を実施する形態の他の例において、自走用牽引台車及び推進反力支持用牽引台車が前進して行く場合の操作手順の第二段階を示す概要図である。
【図17】本発明を実施する形態の他の例において、自走用牽引台車及び推進反力支持用牽引台車が前進して行く場合の操作手順の第三段階を示す概要図である。
【図18】本発明を実施する形態の他の例において、自走用牽引台車及び推進反力支持用牽引台車が前進して行く場合の操作手順の第四段階を示す概要図である。
【図19】本発明を実施する形態の他の例において、自走用牽引台車及び推進反力支持用牽引台車が前進して行く場合の操作手順の第五段階を示す概要図である。
【図20】本発明を実施する形態の他の例において、自走用牽引台車及び推進反力支持用牽引台車が前進して行く場合の操作手順の第六段階を示す概要図である。
【図21】本発明を実施する形態の他の例において、自走用牽引台車及び推進反力支持用牽引台車が前進して行く場合の操作手順の第七段階を示す概要図である。
【図22】従来例の側断面図である。
【符号の説明】
1 埋設物撤去・埋め戻し機
40 凹部
46 自走用牽引台車
47 推進反力支持用牽引台車
48 牽引部材
49’ スライド部材
50 自走用フック装置
51 推進反力支持用フック装置
58 牽引ジャッキ
59 支持力保証ジャッキ
60 支持力保証ジャッキ
63 ストッパ部
A 管状構造物
G 地盤
Claims (5)
- 既設の管状構造物の外周側の地盤を掘削しつつ該管状構造物の撤去と埋め戻しを行うようにした埋設物撤去・埋め戻し機の牽引装置であって、
管状構造物の内壁面周方向複数所要箇所に形成され且つ管状構造物の長手方向へ所要ピッチで形成された凹部と、
埋設物撤去・埋め戻し機に対し牽引部材を介して接続され且つ管状構造物内の長手方向へ移動自在に配設された自走用牽引台車と、
該自走用牽引台車における管状構造物の長手方向と直交する一断面内の前記凹部に対応する複数所要箇所に、該凹部に対し係合・離脱可能となるよう取り付けられた自走用フック装置と、
前記自走用牽引台車より推進方向後方に位置するよう管状構造物内の長手方向へ移動自在に配設された推進反力支持用牽引台車と、
該推進反力支持用牽引台車における管状構造物の長手方向と直交する一断面内の前記凹部に対応する複数所要箇所に、該凹部に対し係合・離脱可能となるよう取り付けられた推進反力支持用フック装置と、
管状構造物内の長手方向へ伸縮自在に配設され且つ前記推進反力支持用牽引台車と自走用牽引台車とを連結する牽引ジャッキと
を備えたことを特徴とする埋設物撤去・埋め戻し機の牽引装置。 - 推進反力支持用牽引台車を管状構造物の長手方向へ複数台に分割配置し且つ各推進反力支持用牽引台車に取り付けられた推進反力支持用フック装置が凹部に対し同時に係合し得るよう構成すると共に、各推進反力支持用牽引台車間を、推進方向前方に位置する推進反力支持用牽引台車を所要の力で押圧可能な支持力保証ジャッキによって連結した請求項1記載の埋設物撤去・埋め戻し機の牽引装置。
- 管状構造物の内壁面周方向等間隔三箇所に凹部を形成すると共に、推進反力支持用牽引台車における管状構造物の長手方向と直交する一断面内の前記凹部に対応する三箇所に、推進反力支持用フック装置を取り付けた請求項1又は2記載の埋設物撤去・埋め戻し機の牽引装置。
- 既設の管状構造物の外周側の地盤を掘削しつつ該管状構造物の撤去と埋め戻しを行うようにした埋設物撤去・埋め戻し機の牽引装置であって、
管状構造物の内壁面周方向四箇所以上の複数所要箇所に形成され且つ管状構造物の長手方向へ所要ピッチで形成された凹部と、
埋設物撤去・埋め戻し機に対し牽引部材を介して接続され且つ管状構造物内の長手方向へ移動自在に配設された自走用牽引台車と、
該自走用牽引台車における管状構造物の長手方向と直交する一断面内の前記凹部に対応する複数所要箇所に、該凹部に対し係合・離脱可能となるよう取り付けられた自走用フック装置と、
前記自走用牽引台車より推進方向後方に位置するよう管状構造物内の長手方向へ移動自在に配設された推進反力支持用牽引台車と、
該推進反力支持用牽引台車における管状構造物の長手方向と直交する一断面内の前記凹部に対応する複数所要箇所に、該凹部に対し係合・離脱可能となるよう、スライド部材を介して管状構造物の長手方向へスライド自在に取り付けられた推進反力支持用フック装置と、
管状構造物内の長手方向へ伸縮自在に配設され且つ前記推進反力支持用牽引台車のスライド部材と自走用牽引台車とを連結する牽引ジャッキと、
推進反力支持用牽引台車に対するスライド部材の前方へのスライドを所要位置で規制し、前記牽引ジャッキの収縮動作による推進反力支持用牽引台車の前進を可能とするためのストッパ部と
を備えたことを特徴とする埋設物撤去・埋め戻し機の牽引装置。 - 推進反力支持用牽引台車を管状構造物の長手方向へ複数台に分割配置し且つ各推進反力支持用牽引台車に取り付けられた推進反力支持用フック装置が凹部に対し同時に係合し得るよう構成すると共に、各推進反力支持用牽引台車のスライド部材間を、推進方向前方に位置する推進反力支持用牽引台車のスライド部材を所要の力で押圧可能な支持力保証ジャッキによって連結した請求項4記載の埋設物撤去・埋め戻し機の牽引装置。
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