JP3916981B2 - 永久磁石の製造装置及び永久磁石の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、磁石材料成形用粉末を金型のダイスのキャビティ内に充填し、磁場をかけながら配向を行うとともにプレス加工して永久磁石を製造する製造装置及び永久磁石の製造方法に係り、特に磁石材料成形用粉末をキャビティ内に充填するノズルの構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、この種の永久磁石の製造装置は、ダイスのキャビティ内に磁石材料成形用粉末を充填し、この磁石材料成形用粉末に磁場をかけながら配向を行うとともに、プレス加工を行うことにより所望の永久磁石を成形するようになされているが、得られる永久磁石の寸法精度の向上、ならびに磁気特性の低下防止のためには、磁石材料成形用粉末のキャビティ内への充填のばらつきを防止し、圧粉密度の調整を図ることが重要な課題となっている。
【0003】
図11は例えば特開2000−328102号公報等に開示されたこの種従来の永久磁石の製造装置に適用される粉末充填装置の要部の構成を示す断面図である。
図において、1は筒状のダイス、2はこのダイス1に挿着された下パンチで、ダイス1の内周面と下パンチ2の上面でキャビティ3が形成されている。4はキャビティ3を覆い且つシリンダ5により、後述のテーブル上を図中矢印A、B方向に移動可能に配設され、底無しの箱状に形成されたフィードシュー、6はこのフィードシュー4内に粉末7を供給する粉末供給パイプ、8はフィードシュー4内に配設され駆動装置(図示せず)により、図中矢印Cに示すように往復動される複数の棒状攪拌部材、9はフィードシュー4の下方開口部に取着されたグリッド部材、10はダイスを囲むように配設されたテーブルである。
【0004】
次に、上記のように構成された粉末充填装置の動作を図に基づいて説明する。
まず、図示はしないがシリンダ5を作動させて、フィードシュー4を矢印A方向に移動させた状態で、粉末供給パイプ6からフィードシュー4内に粉末7を供給する。次いで、シリンダ5によりフィードシュー4を矢印B方向に移動させ、図11に示すようにキャビティ3を覆うように配置する。
【0005】
次に、棒状攪拌部材8を矢印Cに示すように往復動させ、キャビティ3内に粉末7を充填する。その後、粉末7の充填が終了すると、棒状攪拌部材8を停止させるとともに、フィードシュー4を一旦上昇させた後矢印A方向に移動させて元の状態に戻し、フィードシュー4内に粉末7の供給が行われる。一方キャビティ3内に充填された粉末7は、上方に待機された上パンチ(図示せず)が下降して、下パンチ2との間で圧縮されて圧粉体が成形される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の粉末充填装置は以上のように構成され、フィードシュー4をキャビティ3を覆うように配置し、棒状攪拌部材8を動かすことにより、フィードシュー4内の粉末7をキャビティ3内に充填した後、フィードシュー4を一旦上昇させグリッド部材9により、フィードシュー4内の粉末7とキャビティ3内の粉末7を分離させることにより、キャビティ3内に粉末7を均一に充填するようにしているが、成形される圧粉体の形状が例えばセグメント磁石等のように細長く異形状のものや円筒状のものについては、粉末7がキャビティ3の隅々まで行き渡るのが困難なため、粉末7の供給にばらつきが発生し、圧粉密度が低下するという問題点があった。
【0007】
この発明は上記のような問題点を解消するために成されたもので、圧粉密度を高めることにより寸法精度の向上、ならびに磁気特性の向上を図ることが可能な永久磁石の製造装置及び製造方法を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明の請求項1に係る永久磁石の製造装置は、金型のキャビティ上方から垂直にキャビティ内に挿入され、キャビティの断面形状に合わせ且つ各断面がキャビティの断面を区画するように配置され、上、下端部が開放された複数の筒状部材でなるノズルが、キャビティ内を上昇するとともに、筒状部材内に充填された磁性粉末をキャビティ内に送出して充填するようにしたものである。
【0009】
又、この発明の請求項2に係る永久磁石の製造装置は、磁性粉末が内部に満遍なく貯留された磁性粉末貯留槽と、所望の断面形状にキャビティが形成されたダイスを有する金型と、キャビティの断面形状に合わせ且つ各断面がキャビティの断面を区画するように配置され、上、下端部が開放された複数の筒状部材でなり、磁性粉末貯留槽に貯留された磁性粉末内に各筒状部材を下端部側から突き刺すことにより各筒状部材内に所定の量の磁性粉末をそれぞれ充填し、各筒状部材をその先端がキャビティの底部近傍に到達するまで嵌挿された後、キャビティ内を上昇する領域で各筒状部材内の磁性粉末を漸次キャビティ内に送出して充填するノズルとを備えたものである。
【0010】
又、この発明の請求項3に係る永久磁石の製造装置は、請求項1または2において、各筒状部材の下端部の内厚を、先端側が漸次薄くなるように形成したものである。
【0011】
又、この発明の請求項4に係る永久磁石の製造装置は、請求項2において、各筒状部材の下端部には、磁性粉末の充填された時点で電流が流れ、キャビティ内の上昇を開始する時点で電流の流れが途絶えるコイルを巻回したものである。
【0012】
又、この発明の請求項5に係る永久磁石の製造装置は、請求項2において、ノズルの上部に加振装置を装着し各筒状部材がキャビティ内を上昇する領域で各筒状部材に微振動を付与するようにしたものである。
【0013】
又、この発明の請求項6に係る永久磁石の製造装置は、請求項2において、ノズルの上部にガス供給装置を装着し各筒状部材がキャビティ内を上昇する領域で各筒状部材の上端部側から下端部側に向けて不活性ガスを送出するようにしたものである。
【0014】
又、この発明の請求項7に係る永久磁石の製造装置は、請求項2において、各筒状部材内にそれぞれ嵌合されて移動可能なピン部材を備え各筒状部材がキャビティ内を上昇する領域で各筒状部材の上端部側から下端部側に向けてピン部材を移動させるようにしたものである。
【0015】
又、この発明の請求項8に係る永久磁石の製造装置は、請求項1ないし7のいずれかにおいて、各筒状部材を非磁性材料で形成したものである。
【0016】
又、この発明の請求項9に係る永久磁石の製造装置は、請求項2において、磁性粉末貯留槽に貯留された磁性粉末を攪拌する攪拌装置を備えたものである。
【0017】
又、この発明の請求項10に係る永久磁石の製造方法は、金型のキャビティ上方から垂直にキャビティ内に挿入され、キャビティの断面形状に合わせ且つ各断面がキャビティの断面を区画するように配置され、上、下端部が開放された複数の筒状部材でなるノズルを用いた永久磁石の製造方法であって、ノズルを、キャビティ内を上昇させるとともに、各筒状部材内に充填された磁性粉末をキャビティ内に送出させて充填する工程を有するものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の各実施の形態を図に基づいて説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1における永久磁石の製造装置の構成を示す平面図、図2は図1における線II−IIに沿った断面を示す断面図、図3は図1における線III−IIIに沿った断面を示し、(A)は磁性粉末充填直前の状態を示す断面図、(B)は磁性粉末充填途中の状態を示す断面図、(C)は磁性粉末充填直後の状態を示す断面図、図4は図3における線IV−IVに沿った断面を示す断面図、図5は図3における筒状部材の下端部の構成を示す断面図である。
【0019】
図において、11は台板12上に配設され貫通穴11aが上、下に貫通して形成されたダイス、13はこのダイス11の貫通穴11aの中心に貫通穴11aの内周面と所定の間隔を介して配設される棒状部材、14はこの棒状部材13の外周面と、ダイス11の貫通穴11aの内周面と、後述の下パンチの上面とで形成される断面円環状のキャビティ、15はこのキャビティ14内に嵌挿され図示しない上パンチと対をなす下パンチで、キャビティ14内を上、下に移動可能に配設されており、これら11ないし15で成形金型16が構成されている。17は台板12の下面に下パンチ15を囲むように配設され、キャビティ14内に磁場をかけるコイルで、図示しない上パンチ側に配設されるコイルと対をなしている。
【0020】
18は搬送される粉箱19を介して供給される磁性粉末20が、内部に満遍なく貯留される磁性粉末貯留槽で、筒状部材21およびこの筒状部材21の内側に嵌合され、例えばエアーシリンダ等のような昇降機構22に駆動されて筒状部材21内を昇降することにより、槽内の容積を変化させる棒状部材23で構成されている。24は昇降機構25により駆動されて昇降し、押出機構26により駆動されて待機位置と磁性粉末貯留槽18に対応する位置との間を往復移動する攪拌装置で、刷毛状部材27およびこの刷毛状部材27に振動を付与する加振装置28で構成されている。
【0021】
29は昇降機構30の駆動により昇降し、回転機構31の駆動により成形金型16と磁性粉末貯留槽18に対応する位置間を回動するとともに、押出機構32の駆動により成形金型16の位置まで伸長される回動搬送レバー、33はこの回動搬送レバー29の先端に装着されるノズルで、図4に示すようにキャビティ14の断面形状、すなわち円環形状に合わせ且つ各断面がキャビティ14の断面を区画するように配置され、上、下端部が開放された複数の筒状部材34、および上部に装着され各筒状部材34に微振動を付与する加振装置35で構成されており、各筒状部材34は例えばステンレス、セラミックス等のような非磁性材料で形成され、図5に示すように下端部は、肉厚が先端側へ漸次薄くなるように形成されるとともに、電流が通流されるコイル36が巻回されている。
【0022】
次に、上記のように構成される実施の形態1における永久磁石の製造装置の動作を図について説明する。
まず、磁性粉末20が装填された粉箱19が磁性粉末貯留槽18の上方に搬送されると、昇降機構22が駆動されて棒状部材22が上昇して粉箱19内に挿入された後、下降することにより粉箱19内の磁性粉末20は磁性粉末貯留槽18内に移し替えられ、槽内に満遍なく貯留される。すると、回動機構31が駆動されて回動搬送レバー29が回動し、ノズル33が磁性粉末貯留槽18の上部に移動される。次いで、昇降機構30が駆動されて回動搬送レバー29が下降するとともに、この下降に伴ってノズル33の各筒状部材34の下端部が磁性粉末貯留槽18内の磁性粉末20内に突き刺さり、この突き刺されるストロークに応じて、各筒状部材34内にはそれぞれ所定の量の磁性粉末20が充填される。
【0023】
そして、各筒状部材34内に磁性粉末20が充填されると、各コイル36に電流が流され発生する電磁力によって充填された磁性粉末20を各筒状部材34内に保持する。次いで、昇降機構31が駆動されノズル33が上昇すると、回動機構31が駆動されて回動搬送レバー29が回動し、ノズル33が成形金型16と対応する位置に移動された後、押出機構32の駆動により回動搬送レバー29が伸長して、図3(A)に示すようにノズル33は成形金型16の上部に移動される。次いで、昇降機構30が駆動され回動搬送レバー29が下降し、各筒状部材34は成形金型16のキャビティ14内に嵌挿され、その下端部が下パンチ15の上面に当接される位置で停止し、各コイル36を流れる電流は止められ電磁力は消滅する。
【0024】
各コイル36を流れる電流が止められると、再び昇降機構30が駆動されて回動搬送レバー29が上昇を開始するとともに、加振装置35が作動して各筒状部材34に微振動が付与される。すると、この微振動により各筒状部材34にそれぞれ充填された磁性粉末20は、図3(B)に示すように各筒状部材34の上昇ストローク分ずつキャビティ14内に放出され、キャビティ14の底部から順次満遍なく放出されて、図3(C)に示すようにキャビティ14内は磁性粉末20で充填される。
【0025】
キャビティ14内が磁性粉末20で充填されると、回動機構31が駆動されて回動搬送レバー29が回動し、図1中一点鎖線で示す待機位置に戻って停止する。すると、図示はしないが成形金型16のキャビティ14内に上パンチ(図示せず)が下降し、上パンチ側に配設されるコイルとコイル17により磁場をかけながら、下パンチ15と共に磁性粉末20を加圧することにより磁石成形体を成形した後、上パンチ(図示せず)を元の位置に上昇させるとともに、下パンチ15を上昇させて磁石成形体をキャビティ14の外側に押し上げることにより取り出し、焼結等の後工程が施されて永久磁石(図示せず)が完成する。
【0026】
一方、磁性粉末貯留槽18内には粉箱19を介して、磁性粉末20が適宜供給され満遍なく貯留されるが、磁性粉末20の状態を常に満遍なく保持するために、押出機構26の駆動により攪拌装置24は、待機位置から磁性粉末貯留槽18の上方に移動し、昇降機25の駆動により下降して刷毛部材27が磁性粉末貯留槽18内の磁性粉末20中に差し込まれ、加振装置28の振動により磁性粉末20を掻きならして満遍な状態にし、攪拌装置26は再び上昇した後、元の位置に移動して待機する。
【0027】
このように上記実施の形態1によれば、成形金型16のキャビティ14の断面形状に合わせ、且つ各断面がキャビティ14の断面を区画するように配置され、上、下端部が開放された複数の筒状部材34でノズル33を構成し、各筒状部材34の下端部側を磁性粉末貯留槽18内に満遍なく貯留された磁性粉末20内に突き刺すことにより、各筒状部材34内にそれぞれ磁性粉末20を充填した後、各筒状部材34をその先端がキャビティ14の底部に到達するまで嵌挿し、キャビティ14内を上昇することにより上昇ストローク分ずつ磁性粉末20をキャビティ14内に放出して、キャビティ14の底部から順次充填するようにしているので、磁性粉末20をキャビティ14の隅々まで行き渡らせ圧粉密度を上げることができるため、寸法精度の向上ならびに磁気特性の向上を図ることが可能になり、又、給粉時間を短縮し作業性の向上が可能になる。
【0028】
又、各筒状部材34の下端部の肉厚を、図5に示すように先端側が漸次薄くなるように形成しているので、磁性粉末20に衝撃を与えることなく突き刺すことができ、磁性粉末貯留槽18内の磁性粉末20の状態を乱すことなく各筒状部材34内への充填ができるため、作業性の向上を図ることが可能になり、又、各筒状部材34の下端部にコイル36を巻回し、磁性粉末20が充填される時点でコイル36に電流を流し、発生する電磁力により磁性粉末20を保持し、キャビティ14内を上昇して磁性粉末20を放出する時点で電流を止めるようにしているので、磁性粉末貯留槽18から成形金型16への搬送途中に、磁性粉末20が落下するのを防止することができるため、作業性の向上を図ることが可能になる。
【0029】
又、各筒状部材34を非磁性材料で形成したので、充填される磁性粉末20に磁気的な悪影響を与えることもなく、磁性粉末20の充填、放出をスムーズに、且つ均一に行うことができるため、寸法精度の向上ならびに磁気特性の向上を図ることが可能になる。さらに又、各筒状部材34がキャビティ14内を上昇して磁性粉末20を放出する領域で、加振装置35により各筒状部材34にそれぞれ微振動を付与するようにしているので、磁性粉末20の放出を均一且つ確実に行うことができるため、寸法精度の向上ならびに磁気特性の向上を図ることが可能になる。
【0030】
実施の形態2.
図6はこの発明の実施の形態2における永久磁石の製造装置の要部の構成を示す断面図である。
図において、上記実施の形態1におけると同様な部分は同一符号を付して説明を省略する。37は各筒状部材34の上端部側に連結され供給源(図示せず)より供給される例えば窒素等のような不活性ガスを、各筒状部材34がキャビティ内を上昇する領域で、上端部側から下端部側に向けて送出するガス供給装置としてのガス供給パイプである。
【0031】
このように上記実施の形態2によれば、各筒状部材34がキャビティ内を上昇する領域で、ガス供給パイプ37を介して上端部側から下端部側に向けて不活性ガスを送出するようにしたので、磁性粉末の放出を均一且つ確実に行うことができるため、寸法精度の向上ならびに磁気特性の向上を図ることが可能になる。
【0032】
なお、上記構成ではガス供給パイプ37を介して送出される不活性ガスにより、磁性粉末の放出を行うようにしているが、図7に示すように上記実施の形態1における加振装置35を併用して、加振装置35による微振動と不活性ガスの送出により、さらに均一且つ確実に磁性粉末の放出を行うことができ、又、成形される永久磁石が上記各実施の形態1、2におけるように円筒状の場合は、図8に示すように例えば小形モータ等のような回転機構38により、各筒状部材34をキャビティの周方向に回転させて、磁性粉末を放出させるようにしても良く、上記と同様の効果を得ることができる。
【0033】
実施の形態3.
図9はこの発明の実施の形態3における永久磁石の製造装置の要部の構成を示す側面図である。
図において、39は上記実施の形態1、2における各筒状部材とそれぞれ対向し、これら各筒状部材に嵌合して摺動可能に配設された複数のピン部材、40はこれら各ピン部材39を同時に各筒状部材内を移動させる例えばエアーシリンダ等でなる押出機構で、各筒状部材がキャビティ内を上昇する領域で、各ピン部材39を各筒状部材の上端部側から下端部側に向けて移動させる。
【0034】
このように上記実施の形態3によれば、各筒状部材がキャビティ内を上昇する領域で、押出機構40の駆動により各ピン部材39を各筒状部材の上端部側から下端部側に向けて移動させ、磁性粉末をキャビティ内に押し出すようにしたので、磁性粉末の放出を均一且つ確実に行うことができるため、寸法精度の向上ならびに磁気特性の向上を図ることが可能になる。
【0035】
なお、上記各実施の形態1ないし3によれば、図4に示すように断面円環状のキャビティ14内に各筒状部材34を介して磁性粉末20を充填し、円筒状の永久磁石を製造する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば図10に示すように断面瓦状または蒲鉾状のキャビティ41内に、それぞれ直径の異なる複数の円筒状部材42を、キャビティ41の断面形状に合わせ且つ各断面がキャビティ41の断面を区画するように配置し、これら各筒状部材42を介して磁性粉末をキャビティ41内に充填して、セグメント状の永久磁石を製造する場合に適用しても良く、上記と同様の効果を発揮し得ることは言うまでもない。
【0036】
【発明の効果】
以上のように、この発明の請求項1によれば、金型のキャビティ上方から垂直にキャビティ内に挿入され、キャビティの断面形状に合わせ且つ各断面がキャビティの断面を区画するように配置され、上、下端部が開放された複数の筒状部材でなるノズルが、キャビティ内を上昇するとともに、筒状部材内に充填された磁性粉末をキャビティ内に送出して充填するようにしたので、寸法精度の向上ならびに磁気特性の向上を図ることが可能な永久磁石の製造装置を提供することができる。
【0037】
又、この発明の請求項2によれば、磁性粉末が内部に満遍なく貯留された磁性粉末貯留槽と、所望の断面形状にキャビティが形成されたダイスを有する金型と、キャビティの断面形状に合わせ且つ各断面がキャビティの断面を区画するように配置され、上、下端部が開放された複数の筒状部材でなり、磁性粉末貯留槽に貯留された磁性粉末内に各筒状部材を下端部側から突き刺すことにより各筒状部材内に所定の量の磁性粉末をそれぞれ充填し、各筒状部材をその先端がキャビティの底部近傍に到達するまで嵌挿された後、キャビティ内を上昇する領域で各筒状部材内の磁性粉末を漸次キャビティ内に送出して充填するノズルとを備えたので、寸法精度の向上ならびに磁気特性の向上を図ることが可能な永久磁石の製造装置を提供することができる。
【0038】
又、この発明の請求項3によれば、請求項1または2において、各筒状部材の下端部の内厚を、先端側が漸次薄くなるように形成したので、作業性の向上を図ることが可能な永久磁石の製造装置を提供することができる。
【0039】
又、この発明の請求項4によれば、請求項2において、各筒状部材の下端部には、磁性粉末の充填された時点で電流が流れ、キャビティ内の上昇を開始する時点で電流の流れが途絶えるコイルを巻回したので、作業性の向上を図ることが可能な永久磁石の製造装置を提供することができる。
【0040】
又、この発明の請求項5によれば、請求項2において、ノズルの上部に加振装置を装着し各筒状部材がキャビティ内を上昇する領域で各筒状部材に微振動を付与するようにしたので、寸法精度の向上ならびに磁気特性の向上を、さらに図ることが可能な永久磁石の製造装置を提供することができる。
【0041】
又、この発明の請求項6によれば、請求項2において、ノズルの上部にガス供給装置を装着し各筒状部材がキャビティ内を上昇する領域で各筒状部材の上端部側から下端部側に向けて不活性ガスを送出するようにしたので、寸法精度の向上ならびに磁気特性の向上を、さらに図ることが可能な永久磁石の製造装置を提供することができる。
【0042】
又、この発明の請求項7によれば、請求項2において、各筒状部材内にそれぞれ嵌合されて移動可能なピン部材を備え各筒状部材がキャビティ内を上昇する領域で各筒状部材の上端部側から下端部側に向けてピン部材を移動させるようにしたので、寸法精度の向上ならびに磁気特性の向上を、さらに図ることが可能な永久磁石の製造装置を提供することができる。
【0043】
又、この発明の請求項8によれば、請求項1ないし7のいずれかにおいて、各筒状部材を非磁性材料で形成したので、寸法精度の向上ならびに磁気特性の向上を、さらに図ることが可能な永久磁石の製造装置を提供することができる。
【0044】
又、この発明の請求項9によれば、請求項2において、磁性粉末貯留槽に貯留された磁性粉末を攪拌する攪拌装置を備えたので、寸法精度の向上ならびに磁気特性の向上を、さらに図ることが可能な永久磁石の製造装置を提供することができる。
【0045】
又、この発明の請求項10によれば、金型のキャビティ上方から垂直にキャビティ内に挿入され、キャビティの断面形状に合わせ且つ各断面がキャビティの断面を区画するように配置され、上、下端部が開放された複数の筒状部材でなるノズルを用いた永久磁石の製造方法であって、ノズルを、キャビティ内を上昇させるとともに、各筒状部材内に充填された磁性粉末をキャビティ内に送出させて充填する工程を有しているため、寸法精度の向上ならびに磁気特性の向上を図ることが可能な永久磁石の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1における永久磁石の製造装置の構成を示す平面図である。
【図2】 図1における線II−IIに沿った断面を示す断面図である。
【図3】 図1における線III−IIIに沿った断面を示し、(A)は磁性粉末充填直前の状態を示す断面図、(B)は磁性粉末充填途中の状態を示す断面図、(C)は磁性粉末充填直後の状態を示す断面図である。
【図4】 図3における線IV−IVに沿った断面を示す断面図である。
【図5】 図3における筒状部材の下端部の構成を示す断面図である。
【図6】 この発明の実施の形態2における永久磁石の製造装置の要部の構成を示す断面図である。
【図7】 この発明の実施の形態2における永久磁石の製造装置の要部の図6とは異なる構成を示す断面図である。
【図8】 この発明の実施の形態2における永久磁石の製造装置の要部の図6とはさらに異なる構成を示す断面図である。
【図9】 この発明の実施の形態3における永久磁石の製造装置の要部の構成を示す側面図である。
【図10】 図4とは異なる形状のキャビティに筒状部材を配列した例を示す平面図である。
【図11】 従来の永久磁石の製造装置に適用される粉末充填装置の要部の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
11 ダイス、14,41 キャビティ、15 下パンチ、16 成形金型、
17 コイル、18 磁性粉末貯留槽、19 粉箱、20 磁性粉末、24 攪拌装置、
29 回動搬送レバー、33 ノズル、34 筒状部材、35 加振装置、
36 コイル、37 ガス供給パイプ、38 回転機構、39 ピン部材。
Claims (10)
- 金型のキャビティ上方から垂直に上記キャビティ内に挿入され、上記キャビティの断面形状に合わせ且つ各断面が上記キャビティの断面を区画するように配置され、上、下端部が開放された複数の筒状部材でなるノズルが、上記キャビティ内を上昇するとともに、上記筒状部材内に充填された磁性粉末を上記キャビティ内に送出して充填するようにしたことを特徴とする永久磁石の製造装置。
- 磁性粉末が内部に満遍なく貯留された磁性粉末貯留槽と、所望の断面形状にキャビティが形成されたダイスを有する金型と、上記キャビティの断面形状に合わせ且つ各断面が上記キャビティの断面を区画するように配置され、上、下端部が開放された複数の筒状部材でなり、上記磁性粉末貯留槽に貯留された磁性粉末内に上記各筒状部材を下端部側から突き刺すことにより上記各筒状部材内に所定の量の上記磁性粉末をそれぞれ充填し、上記各筒状部材をその先端が上記キャビティの底部近傍に到達するまで嵌挿された後、上記キャビティ内を上昇する領域で上記各筒状部材内の上記磁性粉末を漸次上記キャビティ内に送出して充填するノズルとを備えたことを特徴とする永久磁石の製造装置。
- 各筒状部材の下端部の内厚は、先端側が漸次薄くなるように形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の永久磁石の製造装置。
- 各筒状部材の下端部には、磁性粉末の充填された時点で電流が流れ、キャビティ内の上昇を開始する時点で上記電流の流れが途絶えるコイルが巻回されていることを特徴とする請求項2記載の永久磁石の製造装置。
- ノズルの上部に加振装置を装着し各筒状部材がキャビティ内を上昇する領域で上記各筒状部材に微振動を付与するようにしたことを特徴とする請求項2記載の永久磁石の製造装置。
- ノズルの上部にガス供給装置を装着し各筒状部材がキャビティ内を上昇する領域で上記各筒状部材の上端部側から下端部側に向けて不活性ガスを送出するようにしたことを特徴とする請求項2記載の永久磁石の製造装置。
- 各筒状部材内にそれぞれ嵌合されて移動可能なピン部材を備え上記各筒状部材がキャビティ内を上昇する領域で上記各筒状部材の上端部側から下端部側に向けて上記ピン部材を移動させるようにしたことを特徴とする請求項2記載の永久磁石の製造装置。
- 各筒状部材は非磁性材料で形成されていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の永久磁石の製造装置。
- 磁性粉末貯留槽に貯留された磁性粉末を攪拌する攪拌装置を備えたことを特徴とする請求項2記載の永久磁石の製造装置。
- 金型のキャビティ上方から垂直に上記キャビティ内に挿入され、上記キャビティの断面形状に合わせ且つ各断面が上記キャビティの断面を区画するように配置され、上、下端部が開放された複数の筒状部材でなるノズルを用いた永久磁石の製造方法であって、上記ノズルを、上記キャビティ内を上昇させるとともに、上記各筒状部材内に充填された磁性粉末を上記キャビティ内に送出させて充填する工程を有する永久磁石の製造方法。
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