JP2007196263A - プレス成形装置、プレス成形方法及び粉末充填方法 - Google Patents

プレス成形装置、プレス成形方法及び粉末充填方法 Download PDF

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Abstract

【課題】粉末材料を圧縮することによって密度の均一な環状成形体を成型するためのプレス成形装置、プレス成形方法及び粉末充填方法を提供する。
【解決手段】プレス成形装置11は、貫通孔9が形成されたダイス1と、ダイス1の下端部に嵌合し、ダイス1と共にキャビティ5を形成する下パンチ2と、下パンチ2の中心軸を貫通するコアピン3と、キャビティ5に粉末材料を供給するフィーダ4と、フィーダ4が移動した後に、貫通孔9の上端部に嵌合することができる上パンチ7とを備える。粉末材料の成型時には、上パンチ7及び下パンチ2は、互いに近づくように押圧され、貫通孔9の内部で粉末材料を上下から圧縮する。
【選択図】図2

Description

本発明は、プレス成形装置、プレス成形方法及び粉末充填方法に関し、より特定的には、粉末材料を圧縮することによって環状成形体を成形するためのプレス成形装置、プレス成形方法及び粉末充填方法に関するものである。
従来、粉末材料を用いて円筒形状を有する環状成形体を成形するためのプレス成形装置として、共に固定されたダイス及び下パンチによって形成されるキャビティ内に充填された粉末材料に対して、上パンチが圧縮成形を行うプレス成形装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
図7は、特許文献1に記載される従来のプレス成形装置の概略構成を示す断面図である。
図7(a)及び(b)に示されるプレス成形装置は、貫通部109が形成されたダイス101と、貫通部109の下端部に嵌合する円筒形状の下パンチ102と、下パンチ102の中空部分を貫通し、垂直方向に移動自在の下部コア103と、貫通部109の内部に環状粉末成形体用粉末105を供給するフィーダ104と、貫通部109の上端部に嵌合することができる円筒形状の上パンチ107と、上パンチ107の中空部分に嵌合する上部コア108とを備える。
図7(b)に示されるように、上部コア108の下端位置は、上パンチ107の下面より内方に配置されるように設定されている。これにより、下パンチ102の下面部分には、下部コア103の上端が嵌合し得るガイド孔110が形成されている。
また、ダイス101及び下パンチ102の各々は、貫通部109の下端部に下パンチ102の一部が嵌合した状態でその垂直位置(図7(a)及び(b)における上下方向の位置)がプレス成形装置の設置面に対して固定されている。これにより、ダイス101と下パンチ102とによって、キャビティが形成されている。
更に、フィーダ104の下面には、フィーダ104の内部に保有される環状粉末成形体用粉末105を排出するための供給口106が形成されている。
ここで、上記の従来のプレス成形装置による環状粉末成形体の成形方法について説明する。
まず、図7(a)に示されるように、キャビティ111の上方に供給口106が位置するように、フィーダ104をダイス101の上方に配置させる。この状態で、フィーダ104は、キャビティ111の内部へと環状粉末成形体用粉末105を供給する。尚、このとき、下部コア103は、図7(a)において実線で示される位置に配置されている。
次に、図7(a)の矢印で示されるように、下部コア103をその軸心を中心として回転させながら、図7(a)において破線で示される位置へと上方に移動させる。フィーダ104がダイス101上から退き、更に、下部コア103の上方への移動が完了すると、図7(b)に示されるように、上パンチ107及び上部コア108がキャビティ111の上方へと下降する。
そして、上パンチ107は、図7(b)において破線で示される位置まで移動し、キャビティ111の内部に充填された環状粉末成形体用粉末105をプレスする。
特開平8−332597号公報
上記のような従来のプレス成形装置においては、キャビティ内部に充填された環状粉末成形体用粉末を上パンチが下方へと圧縮することによって、環状粉末成形体が成形される。
ところで、例えば電子部品の一部を絶縁等するための目的で、粉末材料を圧縮成形した環状成形体が用いられることがある。その一例として、例えばレーザ素子等の半導体素子がマウントされるパッケージにおいて、リードとベースとの間を絶縁し、かつ、密閉するために用いられる環状成形体について説明する。
図8は、半導体素子がマウントされるパッケージの一部を示す斜視図であり、図9は、図8に示されるVIII−VIIIラインの拡大断面図である。図8及び図9に示される部品のベース113上には、例えば半導体レーザ素子等(図示せず)が配置された後、更に、気密性を保持するためのキャップ(図示せず)等が取り付けられる。
ベース113には、開孔部116a及び116bが形成されている。そして、リード115a及び115bは、ベース113に形成された開孔部116a及び116bの各々を貫通した状態で、ベース113に取り付けられている。リード115a及び115bの各々と、開孔部116a及び116bの内周壁の各々との間は、図9に示されるように、絶縁体114a及び114bによって絶縁され、密閉されている。
このような、絶縁体114a及び114bは、ガラス等の絶縁性を有する粉末材料を圧縮成形することによって成形された環状成形体を用いて形成される。まず、ベース113と、環状成形体と、リード115aとは、ベース113の開孔部116aに円筒形状の環状成形体が嵌合し、かつ、嵌合された環状成形体の中空部分にリード115aが貫通した状態となるように組み立てられる。次に、組み立てられた各部品を炉内で加熱し、環状成形体を溶融させることによって、図9に示されるように、絶縁体114aが形成される。尚、他方の絶縁体114bの形成方法についても同様である。
絶縁体114a及び114bを形成するために用いられる環状成形体の寸法は、開口部116a及び116bに嵌合でき、かつ、リード115a及び115bが中空内部を挿通することができる大きさに設定される必要がある。環状成形体の設計寸法は、使用される部品に応じて異なるが、一例として、横断面の外径が約0.8mm、横断面の内径(円筒形状の中空部分の径)が約0.4mmに設定される。また、環状成形体を圧縮成型するために用いられる粉末材料としては、一例として、粒子が球状で、粒径が約100μm程度のガラスが用いられる。
このような微細な環状成形体を、上述した従来のプレス成形装置によって成型する場合、次のような問題が生じる。
従来のプレス成形装置においては、上パンチがキャビティ内に充填された環状粉末成形体用粉末を垂直下方へと押圧することによって、粉末を一体化させる。このような一方向への押圧によって粉末材料が圧縮される場合、上パンチから粉末材料へと加わる押圧力が分散するため、成型された環状成形体の密度が均一にならないという問題がある。
環状成形体の大きさが、粉末材料の粒径に対して十分に大きい場合には、このような密度の分散が問題になることはない。しかしながら、上述した用途に使用される環状成形体については、環状成形体の密度が不均一になると、貫通孔116a及び116b内部に形成される絶縁体114a及び114bもまた不均一に形成されてしまう。例えば、成形された環状成形体の密度にばらつきがある場合、絶縁体114a及び114bの下方部は、図9の破線で示されるように形成されることがある。そうすると、リード115a及び115bの各々と、ベース113との間の絶縁性や密閉性に影響が生じる可能性がある。
それ故に、本発明は、粉末材料を圧縮することによって密度の均一な環状成形体を成型するためのプレス成形装置、プレス成形方法及び粉末充填方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、第1の発明は、粉末材料を圧縮することによって環状成形体を成形するプレス成形装置であって、垂直方向に延びる貫通孔が形成されるダイス、と貫通孔の下端部に嵌合し、垂直方向に摺動自在に支持される下パンチと、下パンチの中心軸を垂直方向に貫通し、垂直方向に摺動自在に支持されるコアピンと、貫通孔の上端を覆う第1の状態と、貫通孔の上端の全体を露出させる第2の状態とを有するように配置され、第1の状態にあるときに、粉末材料を貫通孔に供給するフィーダと、コアピンの一部が嵌合するガイド部が形成され、かつ、フィーダが第2の状態にあるときに、貫通孔の上端部に嵌合し、垂直方向に摺動自在に支持される上パンチとを備え、コアピンの一部は、粉末材料の圧縮時にガイド部に嵌合するように垂直上方に移動し、上パンチ及び下パンチの各々は、粉末材料の圧縮時に互いに近づくように押圧されるものである。
このような構成によれば、上パンチ及び下パンチの各々から貫通孔内に供給された粉末材料に均等に圧力が加わるため、成形された環状成形体の密度を均一にすることができる。
この場合、下パンチは、貫通孔に粉末材料が供給されたときに、垂直方向に揺動するように支持されることが好ましい。
このような構成によれば、下パンチの揺動によって粉末材料の粒子の配置が均一化されるため、フィーダから供給された粉末材料を確実に貫通孔内部に充填することができ、環状成形体毎の重量のばらつきを低減することが可能となる。
また、フィーダは、水平方向に揺動しながら、貫通孔に粉末材料を供給しても良い。
このような構成によれば、粉末材料の粒子が水平方向に拡がりながら落下するため、粉末材料をより均一に貫通孔に供給することが可能となる。
また、コアピンの上端部は、先端に向かって径が狭まるテーパー形状に形成されることが好ましい。
このような構成によれば、コアピンが粉末材料の内部を垂直上方に移動する際に粉末材料から受ける抵抗力が小さくなるため、コアピンの損耗を軽減させることが可能となる。
第2の発明は、垂直方向に延びる貫通孔が形成されたダイスと、貫通孔の下端部に嵌合する下パンチと、下パンチの中心軸を貫通するコアピンと、コアピンの一部が嵌合するガイド部を有し、貫通孔の上端部に嵌合自在な上パンチとを用い、粉末材料を圧縮することによって環状成形体を成形するプレス成形方法であって、貫通孔と下パンチとによって形成されるキャビティに粉末材料を供給する供給工程と、上パンチが貫通孔の上端部に嵌合するように、上パンチを配置する上パンチ配置工程と、コアピンの一部がガイド部に嵌合するように、コアピンを移動させるコアピン移動工程と、上パンチ及び下パンチの各々を互いに近づくように押圧し、貫通孔に供給された粉末材料を圧縮する圧縮工程とを備える。
このような構成によれば、圧縮工程において、上パンチ及び下パンチの各々から貫通孔内に供給された粉末材料に均等に圧力が加わるため、密度の均一な環状成形体を成形することが可能となる。
この場合、上パンチ配置工程の後に、下パンチを垂直方向に揺動させる下パンチ揺動工程を更に備えることが好ましい。
このような構成によれば、下パンチ揺動工程によって、粉末材料の粒子の配置が均一化されるため、供給された粉末材料を確実に貫通孔内部に充填し、重量のばらつきの少ない環状成形体を成形することが可能となる。
また、供給工程は、水平方向に揺動しながら粉末材料を供給するフィーダが用いられることが好ましい。
このような構成によれば、粉末材料の粒子が水平方向に拡がりながら落下するため、粉末材料をより均一に貫通孔に供給することが可能となる。
第3の発明は、垂直方向に延びる貫通孔が形成されたダイスと、貫通孔の下端部に嵌合する下パンチと、貫通孔の上端部に嵌合自在な上パンチとを用い、上パンチ及び下パンチの各々を互いに近づく方向に押圧することによって貫通孔の内部で粉末材料を圧縮するために、粉末材料を充填する粉末充填方法であって、貫通孔と下パンチとによって形成されるキャビティに、粉末材料を供給する供給工程と、下パンチを垂直方向に揺動させる下パンチ揺動工程とを備える。
このような構成によれば、下パンチ揺動工程によって、粉末材料の粒子の配置が均一化されるため、粉末材料の充填不足を生じさせることなく、粉末材料を均一かつ確実に貫通孔に充填することが可能となる。
本発明に係るプレス成形装置によれば、粉末材料の充填不足がなく、密度の均一な環状成形体を成形することが可能となる。
また、本発明に係るプレス成形方法によれば、粉末材料の充填不足がなく、密度の均一な環状成形体を成形する製造方法を実現することが可能となる。
また、本発明に係る粉末充填方法によれば、粉末材料な充填不足を生じさせることなく、粉末材料を均一に貫通孔に充填することが可能となる。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係るプレス成形装置の概略構成を示す平面図であり、図2は、図1に示されるII−IIラインの断面図である。図1及び図2に示されるプレス成形装置11は、ダイス1と、下パンチ2と、コアピン3と、フィーダ4と、上パンチ7とを備える。
ダイス1には、中心軸が垂直方向(図2における上下方向)に延びる貫通孔9が形成されている。ダイス1は、プレス成形装置11の設置面に対して固定されている。
下パンチ2は、円筒形状を有し、貫通孔9の下端部に嵌合した状態に配置されている。下パンチ2は、貫通孔9の内部を垂直方向に摺動自在となるように、例えばサーボ機構等の移動機構(図示せず)によって支持されている。下パンチ2がダイス1に形成された貫通孔9の下端部に嵌合することによって、貫通孔9の上端が開放されたキャビティ5が構成される。また、下パンチ2は、粉末材料が供給されたときに上下に揺動すると共に、粉末材料の圧縮時に垂直上方へと押圧される。
コアピン3は、下パンチ2の中心軸に形成された中空部分を垂直方向に貫通し、下パンチ2とは独立して垂直方向に移動自在となるように、例えばカム機構等の移動機構(図示せず)によって支持されている。また、本実施形態においては、コアピン3の上端部は、先端に向かって径が狭まるテーパー形状に形成されている。コアピン3の一部は、粉末材料の圧縮時に上パンチ7に形成されたガイド部8に嵌合する。
フィーダ4は、貫通孔9の上端を覆う第1の状態と、貫通孔の上端の全体を露出させる第2の状態とを有するように移動自在に取り付けられている。尚、第1の状態とは、フィーダ4が貫通孔9の上端の少なくとも一部を覆う移動範囲にあることをいい、第2の状態とは、フィーダ4が貫通孔の上端の全体が露出するような移動範囲にあることをいう。フィーダ4は、第1の状態にある時に、粉末材料を貫通孔9に供給することができる。また、本実施形態においては、フィーダ4は、水平方向(図2に示される矢印方向)に揺動しながら、貫通孔9に粉末材料を供給する。
図5に示すフィーダー4aは、ダイス1aとの抵抗を減少させるための形状に加工されている。
上パンチ7は、フィーダ4が第2の状態にあるときに、貫通孔9の上部に嵌合し、貫通孔9の内部を垂直方向に摺動自在となるように、図示しない移動機構によって支持されている。本実施形態においては、上パンチ7は、下パンチ2と同一の円筒形状に形成されている。したがって、下パンチ2の中心軸を貫通する中空部分は、コアピン3の一部が嵌合するガイド部8として機能する。また、上パンチ7は、図示しない移動機構によって、粉末材料の圧縮時に垂直下方へと押圧される。
以下、図3及び図4を参照しながら、プレス成形装置11によるプレス成形方法を説明する。
図3は、本発明の第1の実施形態に係るプレス成形装置によるプレス成形工程の一部を示す工程図であり、図4は、図3に続くプレス成形工程を示す図である。
粉末材料の供給前には、図3(a)に示されるように、フィーダ4は、貫通孔9を覆う第1の状態にある。このとき、コアピン3は、テーパー部6のみが下パンチ2の上面から突出する状態に配置されている。
次に、図3(b)に示されるように、粉末材料10がフィーダ4からキャビティ5の内部へと供給される。このとき、フィーダ4は、図3(b)において実線によって示される位置と、破線によって示される位置との間を水平方向に揺動しながら、粉末材料10を供給する。フィーダ4の水平方向の振幅は、フィーダ4に設けられた粉末材料10の供給口が貫通孔9の上端から外れない程度に設定されていれば良い。また、フィーダ4の往復回数及び往復速度は、適宜に設定されていれば良い。
このように、フィーダ4が水平方向に揺動しながら粉末材料10を供給すると、粉末材料10の粒子は、フィーダ4の供給口から水平方向に拡がるように落下する。フィーダ4が揺動することによって、粉末材料10をより均一に貫通孔9に供給することが可能となる。
そして、図3(c)に示されるように、粉末材料10は、予め定められた量だけキャビティ5の内部に供給される。粉末材料10のキャビティ5への供給が完了すると、フィーダ4は、貫通孔9の上端の全体を露出させる第2の状態となるように、所定位置へと移動する。
次に、下パンチ2及びコアピン3は、供給された粉末材料10を圧縮する圧縮工程に先立つ所定のタイミングで、図4(a)に示されるように、所定距離だけ垂直下方に移動する。このように、下パンチ2及びコアピン3を下降させるのは、後続のコアピン3を垂直上方に移動させる工程に備えて、コアピン3の移動によって押し分けられる粉末材料10の体積以上のスペースを確保するためである。したがって、下パンチ2及びコアピン3の移動量は、下パンチ2が貫通孔9の下端から外れない程度に適宜に設定されていれば良い。更に、下パンチ2及びコアピン3が下降することによって、フィーダ4から供給された量の粉末材料10を確実に貫通孔9の内部に収容することができる。
また、フィーダ4が移動した後、図4(a)に示されるように、上パンチ7が、図示しない移送機構等によって移送され、貫通孔9の上方端部と嵌合する。
図4(a)に示されるように、上パンチ7及び下パンチ2が配置された結果、供給された粉末材料10は、貫通孔9の内部において、上パンチ7の下面と、下パンチ2の上面との間に形成される空間に所定の隙間を有して封入された状態となる。
次に、図示しないサーボ機構等の動作に従って、下パンチ2のみが、図4(b)において実線によって示される位置と、破線によって示される位置との間を垂直方向に揺動する。尚、下パンチ2の往復運動の振幅及び回数は、適宜に設定されていれば良い。このとき、下パンチ2の揺動によって、粉末材料の粒子の配置が均一化されるため、フィーダ4から供給された粉末材料10を確実に貫通孔9内部に充填することができ、環状成形体毎の重量のばらつきを低減することが可能となる。
次に、図示しないカム機構等の動作に従って、コアピン3が、粉末材料10を押し分けながら垂直上方に移動する。コアピン3の上端部には、テーパー部6が形成されているため、この工程においてコアピン3が粉末材料10から受ける抵抗力は、テーパー部6が形成されていない場合と比べて小さくなる。したがって、粉末材料10を繰り返し圧縮成形した場合に、テーパー部6が形成されていることによって、コアピン3の損耗が軽減される。
更に、上パンチ7及び下パンチ2の各々が、図4(c)に示されるように、互いに近づくように押圧され、貫通孔9の内部に均一に充填された粉末材料10を圧縮する。粉末材料10は、上パンチ7と下パンチ2とによる圧縮によって一体化される。これにより、円筒形状を有する環状成形体12の成形が完了する。
そして、上パンチ7が垂直上方への摺動によって貫通孔9から取り外される。続いて、成形が完了した環状成形体12が貫通孔9から取り出される。一例として、貫通孔9の内部に収納されている環状成形体は、例えば吸引装置等の図示しない取り出し機構を用いることによって、貫通孔9の上端から取り出されても良い。
その後は、上述の図3(a)〜図4(c)の工程を繰り返すことによって、環状成形体12を連続して成形することができる。
以上のように、本実施形態に係るプレス成形装置によれば、上パンチ7及び下パンチ2の各々から貫通孔9内に供給された粉末材料10に均等に押圧力が加わるため、成形された環状成形体12の密度を均一にすることが可能となる。
特に、本実施形態に係るプレス成形装置は、図4(b)に示されたように、下パンチ2が垂直方向に揺動することによって、キャビティ5の内部に均一に粉末材料10を充填することが可能となる。本実施形態のように、上パンチ7及び下パンチ2が互いに近づくように押圧されることに加えて、このような下パンチの揺動を組み合わせると、均一な重量及び密度を有する環状成形体12を成形することができる点で、本発明は、より効果的である。以下、この点を簡単に説明する。
図5は、ダイス1aとフィーダ4aの接触面積を低減し、接触抵抗を抑制する形状にフィーダ4を加工した図である。これによれば、粉末材料10との焼きつき・かみ込みを防止することができる。
図6は、重量不足の環状成形体が用いられた場合におけるパッケージの拡大断面図である。尚、図6に示される断面は、図9に示される断面と対応するものである。
上記の工程を経て成形された環状成形体は、リード115a及び115bの各々とベース113との間を絶縁し、かつ、密閉するための絶縁体118a及び118bを形成するために用いられる。絶縁体118a及び118bの形成方法は、上述の通りであるので、ここでの説明は省略する。しかしながら、環状成形体の重量が不足した場合、開口部116a及び116bの内部に溶融した材料が隅々まで行き渡らないため、図6に示されるように、開口部116a及び116bの内部に生じる隙間が大きくなる。この結果、リード115a及び115bの各々とベース113との間の絶縁性と密閉性とが不十分なものとなる。
本発明に係るプレス成形装置によるプレス成形方法によれば、供給された粉末材料が確実に貫通孔内部に収容され、更に、下パンチの揺動によって、粉末材料が均一に充填されるため、重量及び密度のばらつきが少ない環状成形体を成形することができる。すなわち、本発明によれば、使用時に、図9に示されるように安定してリードとベースとの間を密着させる環状成形体を成形することが可能となる。一例として、環状成形体の重量の許容誤差を±0.05%とした場合、本実施形態に係るプレス成形装置によれば、環状成形体の良品率を約80%に向上させることが可能となる。
尚、上記の第1の実施形態においては、貫通孔内への粉末材料を供給する供給工程の後に、下パンチを揺動させる下パンチ揺動工程を行っているが、供給工程と同時に下パンチ揺動工程を行っても良い。
本発明に係るプレス成形装置、プレス成形方法及び粉末充填方法によれば、粉末材料の圧縮によって密度の均一な環状成形体を成形することができるので、本発明は、例えば、半導体部品等に含まれるリードとベースとの隙間を絶縁し、密封するための材料を製造するために有用である。
本発明の第1の実施形態に係るプレス成形装置の概略構成を示す平面図 図1に示されるII−IIラインの断面図 本発明の第1の実施形態に係るプレス成形装置によるプレス成形工程の一部を示す工程図 図3に続くプレス成形工程を示す図 ダイスとフィーダの接触面積を低減したことを示す図 重量不足の環状成形体が用いられた場合におけるパッケージの拡大断面図 従来のプレス成形装置の概略構成を示す断面図 半導体素子がマウントされるパッケージの一部を示す斜視図 図8に示されるVIII−VIIIラインの拡大断面図
符号の説明
1 ダイス
1a ダイス
2 下パンチ
3 コアピン
4 フィーダ
4a フィーダ
5 キャビティ
6 テーパー部
7 上パンチ
8 ガイド部
9 貫通孔
10 粉末材料
11 プレス成形装置
12 環状成形体

Claims (9)

  1. 粉末材料を圧縮することによって環状成形体を成形するプレス成形装置であって、
    垂直方向に延びる貫通孔が形成されるダイスと、
    前記貫通孔の下端部に嵌合し、垂直方向に摺動自在に支持される下パンチと、
    前記下パンチの中心軸を垂直方向に貫通し、垂直方向に摺動自在に支持されるコアピンと、
    前記貫通孔の上端を覆う第1の状態と、前記貫通孔の上端の全体を露出させる第2の状態とを有するように配置され、前記第1の状態にあるときに、前記粉末材料を前記貫通孔に供給するフィーダと、
    前記コアピンの一部が嵌合するガイド部が形成され、かつ、前記フィーダが前記第2の状態にあるときに、前記貫通孔の上端部に嵌合し、垂直方向に摺動自在に支持される上パンチとを備え、
    前記コアピンの一部は、前記粉末材料の圧縮時に前記ガイド部に嵌合するように垂直上方に移動し、前記上パンチ及び前記下パンチの各々は、前記粉末材料の圧縮時に互いに近づくように押圧されることを特徴とする、プレス成形装置。
  2. 前記下パンチは、前記貫通孔に前記粉末材料が供給されたときに、垂直方向に揺動するように支持されることを特徴とする、請求項1に記載のプレス成形装置。
  3. 前記フィーダは、水平方向に揺動しながら、前記貫通孔に前記粉末材料を供給することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のプレス成形装置。
  4. 前記コアピンの上端部は、先端に向かって径が狭まるテーパー形状に形成されることを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれかに記載のプレス成形装置。
  5. 前記フィーダは、前記ダイスとの接触面積を少なくすることでフィーダとダイスとの抵抗を減らすことを特徴とする、請求項1から請求項4のいずれかに記載のプレス成形装置。
  6. 垂直方向に延びる貫通孔が形成されたダイスと、
    前記貫通孔の下端部に嵌合する下パンチと、
    前記下パンチの中心軸を貫通するコアピンと、
    前記コアピンの一部が嵌合するガイド部を有し、前記貫通孔の上端部に嵌合自在な上パンチとを用い、粉末材料を圧縮することによって環状成形体を成形するプレス成形方法であって、
    前記貫通孔と前記下パンチとによって形成されるキャビティに前記粉末材料を供給する供給工程と、
    前記上パンチが前記貫通孔の上端部に嵌合するように、前記上パンチを配置する上パンチ配置工程と、
    前記コアピンの一部が前記ガイド部に嵌合するように、前記コアピンを移動させるコアピン移動工程と、
    前記上パンチ及び前記下パンチの各々を互いに近づくように押圧し、前記貫通孔に供給された前記粉末材料を圧縮する圧縮工程とを備える、プレス成形方法。
  7. 前記上パンチ配置工程の後に、前記下パンチを垂直方向に揺動させる下パンチ揺動工程を更に備える、請求項6に記載のプレス成形方法。
  8. 前記供給工程は、水平方向に揺動しながら前記粉末材料を供給するフィーダが用いられることを特徴とする、請求項6または請求項7に記載のプレス成形方法。
  9. 垂直方向に延びる貫通孔が形成されたダイスと、
    前記貫通孔の下端部に嵌合する下パンチと、
    前記貫通孔の上端部に嵌合自在な上パンチとを用い、前記上パンチ及び前記下パンチの各々を互いに近づく方向に押圧することによって前記貫通孔の内部で粉末材料を圧縮するために、前記粉末材料を充填する粉末充填方法であって、
    前記貫通孔と前記下パンチとによって形成されるキャビティに、前記粉末材料を供給する供給工程と、
    前記下パンチを垂直方向に揺動させる下パンチ揺動工程とを備える、粉末充填方法。
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JP2014004620A (ja) * 2012-06-27 2014-01-16 Sumitomo Denko Shoketsu Gokin Kk 粉末成形装置と同装置による粉末充填方法

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