JP2000197996A - 成形方法及び成形装置 - Google Patents

成形方法及び成形装置

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JP2000197996A
JP2000197996A JP31218399A JP31218399A JP2000197996A JP 2000197996 A JP2000197996 A JP 2000197996A JP 31218399 A JP31218399 A JP 31218399A JP 31218399 A JP31218399 A JP 31218399A JP 2000197996 A JP2000197996 A JP 2000197996A
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cavity
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powder
molding
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JP31218399A
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English (en)
Inventor
Akira Makita
顕 槇田
Masao Nomi
正夫 能見
Osamu Yamashita
治 山下
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Hitachi Metals Ltd
Original Assignee
Sumitomo Special Metals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 原料粉末をキャビティに高速で供給すること
ができ、粉噛み等によるトラブルの発生がなく連続的な
成形動作を行える、成形方法および成形装置を提供す
る。 【解決手段】 平均粒径が0.1μm〜500μmの原
料粉末30を収容したフィーダーボックス26を金型1
2のキャビティ20の上方に位置させて、フィーダーボ
ックス26内およびキャビティ20内の圧力をそれぞれ
10kPa以下に設定した状態で、原料粉末30をキャ
ビティ20内に落下させる。原料粉末30の供給時に
は、フィーダーボックス26を振動させたり、ホース5
8を介してもよい。原料粉末30は、造粒粉であっても
よく、希土類合金粉末であってもよい。キャビティ20
内に供給した原料粉末30を上パンチ36と下パンチ1
8とによって圧縮成形する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、成形方法および
成形装置に関し、より特定的には、微粉末またはその造
粒粉からなる原料粉末を金型のキャビティ内に供給し、
キャビティ内に供給した原料粉末を圧縮成形して成形体
を形成する、成形方法および成形装置に関する。
【0002】
【従来の技術】圧縮成形法は、金型の上方に開口したキ
ャビティの上方に、原料粉末を収容したフィーダーボッ
クスを位置させて、そのフィーダーボックスから原料粉
末をキャビティに落下させて供給した後、その供給した
原料粉末を上パンチと下パンチとによって圧縮成形する
方法であって、高密度化された成形体が得られるという
利点を有する。この圧縮成形法は、通常、射出成形法や
押出し成形法に比べてバインダーの使用量が少なくて済
み、また一回の成形に要する時間も短いために広く用い
られている。
【0003】このような圧縮成形法によって小型の成形
体を製造する場合には、金型のキャビティの開口面積が
かなり小さくなるため、原料粉末がキャビティ内に入り
難くなる。これは粉末特有のブリッジと呼ばれる現象に
よるものである。このブリッジ現象が生じると、原料粉
末のキャビティへの供給量が安定しなくなって成形体の
寸法規格を満たすことが困難となる。また、原料粉末の
キャビティへの供給時間が長くなり、プレスの1サイク
ルに要する時間が長くなるという問題がある。
【0004】そこで、このようなブリッジ現象を回避す
るために、粉末にバインダーを添加することで該粉末よ
りも粒子径が大きくなるように造粒する方法(たとえば
特開平8−20801号公報、特開平8−20802号
公報、特開平9−287001号公報参照)が用いられ
ている。このように造粒した造粒粉を用いることで、粉
末同士の接触面積が激減して、粉末の流動性が格段に向
上する。このため、小型のセラミックス部品の多くが造
粒粉を用いて圧縮成形されている。
【0005】一方、成形装置においてもブリッジ現象を
回避するための工夫がなされており、原料粉末を磁界や
雰囲気圧力差を利用してキャビティ内に吸引する方法が
提案されている。この圧力差を利用する具体的な方法と
しては、フィーダーボックスがキャビティ上に位置した
ときに、下パンチを急激に引き下げることでキャビティ
内を減圧状態にして原料粉末を吸引する方法や、金型に
設けた通気孔からキャビティ内の空気を吸引し、減圧し
たキャビティ内に原料粉末を供給する方法が提案されて
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前者のように
造粒粉を用いても、これだけでは部品のさらなる小型化
に対応するには限界があり、成形の高速化を図ることは
困難となる。一方、後者のようにキャビティ内外に比較
的大きな圧力差を生じせしめて原料粉末を吸引する場合
には、原料粉末をキャビティに高速に供給することはで
きる。しかし、金型と下パンチとの間の僅かな隙間から
高圧気体が排出されるのに伴ってその隙間に原料粉末が
入り込み、摺動時に金型が傷付いたり、下パンチもしく
は金型が動かなくなったりするため、連続的な成形が困
難になるという問題がある。さらに、前記吸引法は、原
料粉末が希土類合金粉末である場合には、粉噛みが発生
した場合に、摺動時の摩擦によって発火事故をおこす可
能性がある。
【0007】それゆえに、この発明の主たる目的は、小
型でかつキャビティの高さに対する開口面積の比率が小
さくなるような形状の成形体を圧縮成形する場合でも、
原料粉末をキャビティに高速で供給することができ、し
かも、粉噛み等によるトラブルの発生がなく連続的な成
形動作を行える、成形方法および成形装置を提供するこ
とである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の成形方法は、平均粒径が0.1μ
m〜500μmの原料粉末を収容した原料粉末供給手段
を金型のキャビティの上方に位置させて、原料粉末供給
手段内およびキャビティ内の圧力をそれぞれ10kPa
以下に設定した状態で、原料粉末をキャビティ内に落下
させる粉末供給工程と、キャビティ内に供給した原料粉
末を圧縮成形する圧縮成形工程とを備える。請求項2に
記載の成形方法は、請求項1に記載の成形方法におい
て、粉末供給工程では、原料粉末供給手段を振動させな
がら原料粉末をキャビティ内に供給するものである。
【0009】請求項3に記載の成形方法は、請求項1に
記載の成形方法において、原料粉末供給手段は原料粉末
をキャビティ内に供給するためのホースを含み、粉末供
給工程では、ホースの一端部をキャビティの上方に位置
させて、ホースの一端部から原料粉末をキャビティ内に
供給するものである。請求項4に記載の成形方法は、請
求項1に記載の成形方法において、キャビティは開口面
積25mm2以下に形成されるものである。請求項5に
記載の成型方法は、請求項1ないし4のいずれかに記載
の成形方法において、原料粉末は、平均粒径が0.1μ
m〜10μmの粉末に対してバインダーを添加すること
で平均粒径が20μm〜500μmに造粒した造粒粉で
あるものである。
【0010】請求項6に記載の成形方法は、請求項1な
いし4のいずれかに記載の成形方法において、原料粉末
は希土類合金粉末を含むものである。請求項7に記載の
成型装置は、キャビティが形成される貫通孔を有する金
型と、平均粒径が0.1μm〜500μmの原料粉末を
収容し、キャビティの上方位置から原料粉末を前記キャ
ビティ内に落下させる原料粉末供給手段と、原料粉末供
給手段が少なくともキャビティの上方位置にあるとき
に、原料粉末供給手段内およびキャビティ内の圧力をそ
れぞれ10kPa以下に保持する圧力保持手段と、キャ
ビティ内に供給された原料粉末を圧縮成形する圧縮成形
手段とを備える。
【0011】請求項8に記載の成形装置は、請求項7に
記載の成形装置において、原料粉末供給手段に設けら
れ、原料粉末供給手段が少なくともキャビティの上方位
置にあるときに作動する振動子をさらに含むものであ
る。請求項9に記載の成形装置は、請求項7に記載の成
形装置において、原料粉末供給手段は、少なくともその
一端部がキャビティの上方位置と上方位置から退避した
退避位置との間を移動可能に構成され、一端部が前記キ
ャビティの上方位置にあるときに原料粉末をキャビティ
内に供給するホースを含むものである。請求項10に記
載の成形装置は、請求項7に記載の成形装置において、
キャビティは開口面積25mm2以下に形成されるもの
である。
【0012】請求項11に記載の成型装置は、請求項7
ないし10のいずれかに記載の成形装置において、原料
粉末は、平均粒径が0.1μm〜10μmの粉末に対し
てバインダーを添加することで平均粒径が20μm〜5
00μmに造粒した造粒粉であるものである。請求項1
2に記載の成形装置は、請求項7ないし10のいずれか
に記載の成形装置において、原料粉末は希土類合金粉末
を含むものである。
【0013】請求項13に記載の成形装置は、キャビテ
ィが形成される貫通孔を有する金型と、平均粒径が0.
1μm〜500μmの原料粉末を収容し、キャビティの
上方位置と上方位置から退避した退避位置との間を移動
可能に構成され、キャビティの上方位置から原料粉末を
キャビティ内に落下させる原料粉末供給部と、少なくと
も原料粉末供給部内を気密状態にする気密部材と、原料
粉末供給部が少なくともキャビティの上方位置にあると
きに、原料粉末供給部内およびキャビティ内の圧力をそ
れぞれ10kPa以下に設定する真空ポンプと、キャビ
ティ内に供給された原料粉末を圧縮成形する一対のパン
チとを備える。
【0014】キャビティ内の圧力は、10kPaよりも
大きいと、キャビティ内の気体が原料粉末によって圧縮
されてキャビティ内の圧力が高まることで原料粉末の落
下速度を低下させると共に、圧縮成形時に残留気体によ
って成形体各部の密度にばらつきが生じる。したがっ
て、請求項1に記載の成形方法では、キャビティ内の圧
力は10kPa以下に設定されている。この結果、キャ
ビティの深さに対する開口面積の比率が小さくても、原
料粉末をキャビティにスムーズにかつ高速で供給するこ
とができる。また、原料粉末供給手段内も10kPa以
下に設定されているので、原料粉末供給手段内とキャビ
ティ内との圧力差はないに等しく、原料粉末は重力のみ
の作用によって原料粉末供給手段からキャビティに落下
する。この結果、両者に大きな圧力差を生じせしめた場
合のように原料粉末が金型と下パンチとの隙間に入り込
むということは殆どない。よって、粉噛みによるトラブ
ルの発生を防止して連続的にかつ高速に成形体を形成す
ることができる。請求項7および13に記載の成形装置
についても同様である。
【0015】請求項2に記載の成形方法では、原料粉末
をキャビティ内に供給するとき、原料粉末供給手段を振
動させることで、キャビティの開口面積が小さくても、
原料粉末のブリッジ現象を回避して原料粉末を高速にキ
ャビティに供給することができる。したがって、さらに
連続的にかつ高速に成形体を形成することができる。請
求項8に記載の成形装置についても同様である。
【0016】また、請求項3に記載の成形方法では、ホ
ースの一端部を水平方向に移動させれば、原料粉末供給
手段を実質的にキャビティの上方位置から容易に退避さ
せることができる。請求項9に記載の成形装置について
も同様である。この発明によれば、キャビティの開口面
積が小さくても連続的かつ高速に成形体を形成できる。
したがって、請求項4および10に記載するように、キ
ャビティが開口面積25mm2以下に形成された場合
に、この発明は有効となる。
【0017】請求項5および11に記載するような造粒
粉を用いれば、粉末同士の接触面積が激減して流動性が
向上するので、粉末のキャビティへの落下速度をより一
層向上させることができる。また、造粒粉の平均粒径
は、20μmよりも小さいと、流動性の向上効果が小さ
い一方、500μmよりも大きいと、造粒粉のカサ密度
が低下して成形が困難となるので、20μm〜500μ
mとしている。したがって、成形を良好に行いつつ、成
形速度をさらに速くすることができる。希土類合金粉末
は粉噛み時に酸化して発火する可能性があるが、この発
明では、粉噛みを防止することができるので、請求項6
および12に記載するように原料粉末に希土類合金粉末
を含んでも、そのような発火の発生を防止することがで
きる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、この発明
の実施形態について説明する。 (実施形態1)図1を参照して、この発明の実施形態1
に係る成形装置10は、上下方向略中央部に金型12を
備えている。金型12の周囲にはダイプレート14が設
けられ、ダイプレート14の上面は水平方向に延びかつ
金型12の上面と面一とされる。金型12には、上下方
向に延びる貫通孔16が形成され、貫通孔16には下パ
ンチ18の上端部が摺動可能に嵌装される。そして、貫
通孔16内における下パンチ18上端面よりも上側の部
分に、上方に開口したキャビティ20が形成される。
【0019】下パンチ18の下端部は連結部材22を介
して下パンチ駆動モータ24と連結され、下パンチ駆動
モータ24によって下パンチ18が金型12に対して上
下方向に移動される。そして、下パンチ18の上下移動
によってキャビティ20の深さを変えることができ、実
施形態1では、キャビティ20の深さに対する開口面積
の比率はかなり小さく設定されている。
【0020】ダイプレート14の上面には、原料粉末供
給手段としてのフィーダーボックス26が設けられる。
フィーダーボックス26の内部には上下に貫通する粉末
収容部28が形成され、粉末収容部28内に原料粉末3
0が収容される。フィーダーボックス26はロッド32
を介してボックス駆動モータ34に連結され、ボックス
駆動モータ34によって、キャビティ20の上方位置と
該上方位置から退避した退避位置(図1に記載した位
置)との間を往復移動される。すなわち、フィーダーボ
ックス26は金型12ないしダイプレート14の上面を
摺動する。そして、フィーダーボックス26がキャビテ
ィ20の上方位置にあるときに原料粉末30をキャビテ
ィ20内に落下させて供給する。なお、粉末収容部28
の下端部の断面積は、キャビティ20の開口面積よりも
かなり大きく設定されている。
【0021】キャビティ20の上方には上パンチ36が
設けられる。上パンチ36の上端部は連結部材38を介
して上パンチ駆動モータ40と連結され、上パンチ駆動
モータ40によって上パンチ36が上下方向に移動され
る。そして、上パンチ36の下端部は、下降したときに
金型12の貫通孔16(キャビティ20)に挿入され、
キャビティ20に供給された原料粉末30を上パンチ3
6と下パンチ18とによって圧縮成形して成形体48
(後述)を形成する。すなわち、上パンチ36および下
パンチ18によって圧縮成形手段が構成される。
【0022】原料粉末30は、金属、合金、金属間化合
物、半導体、セラミックス等の粉末またはこれらの混合
物もしくは複合粉末であればよく、原料粉末30の製造
方法、形状、原料粉末30内部の結晶組織等の性状は問
わない。そして、その平均粒径は、0.1μmよりも小
さいと、原料粉末30の製造が実質的に困難である一
方、500μmよりも大きいと、圧縮成形が困難となる
ので、0.1μm〜500μmとしている。流動性が悪
い希土類合金粉末としては、米国特許第4,770,7
23号に示される組成のR−Fe−B系磁性粉末があげ
られる。また、R−Fe−B系磁性粉末のうちでも、米
国特許第5,383,978号に示されるようなストリ
ップキャスト法により製造された原料粉末は粒度分布が
シャープで特に流動性が悪い。なお、これらの原料粉末
30に、流動性あるいは圧縮性を高める目的で予め各種
の固体あるいは液体の潤滑剤を添加するようにしてもよ
い。
【0023】また、原料粉末30は、平均粒径が0.1
μm〜10μmの粉末に対してバインダーを添加するこ
とで平均粒径(二次粒子径)が20μm〜500μmと
なるように造粒した造粒粉であってもよい。この造粒粉
の平均粒径は、20μmよりも小さいと、流動性向上の
効果が十分に得られない反面、500μmよりも大きい
と、造粒粉のカサ密度が低下して成形が困難となるの
で、20μm〜500μmとしている。なお、この造粒
方法としては、スプレー造粒法、流動造粒法、転動造粒
法等の公知技術のいずれかを採用すればよい。
【0024】金型12、ダイプレート14、フィーダー
ボックス26およびボックス駆動モータ34は、気密部
材である気密容器42の内部に設けられ、上パンチ36
の下部および下パンチ18の上部は、シーリング部材4
4を介して気密容器42内にそれぞれ挿入される。気密
容器42には真空ポンプ46が接続され、真空ポンプ4
6によって気密容器42内全体の圧力が10kPa以下
に設定される。すなわち、気密容器42および真空ポン
プ46によって、フィーダーボックス26の粉末収容部
28内およびキャビティ20内の圧力をそれぞれ10k
Pa以下に保持する圧力保持手段が構成される。
【0025】以上のように構成される成形装置10を用
いて成形体48を圧縮成形する工程について、図2を参
照して説明する。初期状態では、前回の成形動作を終了
したときと同じ状態にあり、下パンチ18および上パン
チ36はともに上昇端に位置している(図2(a)参
照)。このとき、図示しないが、フィーダーボックス2
6を退避位置に位置させておき、フィーダーボックス2
6の粉末収容部28内に原料粉末30を収容しておく。
ついで、上パンチ36を上昇端に位置させたままで、キ
ャビティ20の深さが成形体48の高さに基づいて予め
決められた値となるように下パンチ18を位置させ、キ
ャビティ20を形成する(図2(b)参照)。さらに、
真空ポンプ46によって気密容器42内の圧力を10k
Pa以下にしておく。
【0026】そして、ボックス駆動モータ34によって
フィーダーボックス26をキャビティ20の上方位置ま
で移動させる(図2(c)参照)。このとき、フィーダ
ーボックス26の粉末収容部28内とキャビティ20内
の圧力が大きく異なると、以下の障害が生じる。すなわ
ち、粉末収容部28内よりもキャビティ20内が高圧で
ある場合には、その圧力差によってキャビティ20内へ
の原料粉末30の供給が困難になる。一方、粉末収容部
28内がキャビティ20内よりも高圧である場合には、
原料粉末30が高圧の気体と共にキャビティ20内に供
給され、さらに高圧気体が金型12の貫通孔16と下パ
ンチ18との間隙から排出されるのに伴って原料粉末3
0がその間隙に入り込み、所謂粉噛みが生じて下パンチ
18を駆動することができなくなる可能性がある。しか
し、実施形態1では、フィーダーボックス26の粉末収
容部28内およびキャビティ20内の圧力はそれぞれ1
0kPa以下に保持され、両者の圧力差は殆どないの
で、原料粉末30は重力のみの作用によってフィーダー
ボックス26からキャビティ20に落下し、金型12の
貫通孔16と下パンチ18との間隙に入り込むことは殆
どない。
【0027】また、キャビティ20内の圧力が10kP
aよりも大きいと、原料粉末30の落下の際にキャビテ
ィ20内の気体が原料粉末30によって圧縮されてキャ
ビティ20内の圧力が高まることで原料粉末30の落下
速度を低下させると共に、圧縮成形時に残留気体によっ
て成形体48各部の密度にばらつきが生じる。しかし、
実施形態1では、キャビティ内の圧力は10kPa以下
に設定されているので、そのような問題は生じない。ま
た、このような低圧下では、原料粉末30の表面に付着
した水分が減少することによって流動性が向上する。こ
の結果、キャビティ20の深さに対する開口面積の比率
が小さくても、また残留気体の圧力や粘性が高くても、
原料粉末30をキャビティ20にスムーズにかつ高速で
供給することができる。
【0028】つぎに、フィーダーボックス26を退避さ
せた後(図2(d)参照)、上パンチ駆動モータ40に
よって上パンチ36を下降させ(図2(e)参照)、キ
ャビティ20内に供給した原料粉末30を上パンチ36
と下パンチ18とによって圧縮成形して成形体48を形
成する(図2(f)参照)。その後、下パンチ駆動モー
タ24によって下パンチ18をその上端面が金型12の
上面と略面一となるように上昇させて、成形体48を貫
通孔16から取り出す(図2(g)参照)。
【0029】こうして得られた成形体48は、最終的に
焼結するものに限らず、そのまま、またはさらに樹脂等
のバインダーを添加して成形することで、焼結すること
なく製品(ボンド磁石等)とされてもよい。
【0030】このように、実施形態1では、気密容器4
2内全体の圧力を10kPa以下に設定した状態で、フ
ィーダーボックス26の粉末収容部28内の原料粉末3
0をキャビティ20内に落下させるようにしたので、粉
噛みによるトラブルの発生を防止しつつ、原料粉末30
を均一にキャビティ20内に供給することができると共
に、成形速度を向上させることができる。また、たとえ
ばキャビティ20が開口面積25mm2以下に形成され
るような、寸法の小さい成形体48を得る場合であって
も、切断加工による場合に比べて、歩留まりが良好とな
る。
【0031】加えて、原料粉末30が、希土類合金粉末
(ネオジウム合金等)のようにプレス時に酸化し易いも
のである場合は、その原料粉末30の酸化を防止するこ
ともでき、得られる磁石の磁気特性を、大気雰囲気下で
の圧縮成形工程による場合に比べて向上させることがで
きる。
【0032】なお、実施形態1では、金型12、ダイプ
レート14、フィーダーボックス26およびボックス駆
動モータ34を気密容器42内に設けた。しかし、成形
装置10全体がそれほど大きくない場合には成形装置1
0全体を気密容器42内に入れるようにすれば、シーリ
ング部材44も不要となり、気密容器42内の気密性を
高めることができると共に、上パンチ36および下パン
チ18と各シーリング部材44との摺動抵抗をなくすこ
とができる。また、少なくともフィーダーボックス26
の粉末収容部28内およびキャビティ20内の圧力をそ
れぞれ10kPa以下にすればよい。この場合には、気
密容器42を設ける代わりに、フィーダーボックス26
の粉末収容部28の上側に、気密部材である蓋部材(図
示せず)を設けて粉末収容部28内を気密状態にし、粉
末収容部28内およびキャビティ20内の両方の空気を
真空ポンプ46で吸引するようにすればよい。そして、
フィーダーボックス26の粉末収容部28内およびキャ
ビティ20内の圧力がそれぞれ10kPa以下であれ
ば、両者に圧力差があっても、その圧力差はないに等し
いので全く問題は生じない。しかし、実際上は、下パン
チ18と金型12の隙間、およびフィーダーボックス2
6と金型12の隙間から、空気が入り込む可能性があ
り、また、粉末収容部28内とキャビティ20内の圧力
とを等しくするために、少なくともフィーダーボックス
26と金型12とを気密容器42内に収容することが望
ましい。さらに、キャビティ20内およびフィーダーボ
ックス26の粉末収容部28内の圧力は、それぞれ1k
Pa以下であることがより好ましい。
【0033】(実施形態2)ついで、図3を参照して、
この発明の他の実施形態2について説明する。なお、以
下の各実施形態では、図1と同じ部分については同じ符
号を付してその詳細な説明は省略する。実施形態2で
は、フィーダーボックス50の粉末収容部52の形状が
実施形態1とは異なる。
【0034】すなわち、実施形態2では、フィーダーボ
ックス50の粉末収容部52は、上下方向に延びかつ断
面積が下方に向かって小さくなるように(例えば漏斗状
に)形成される。粉末収容部52の下端部の断面形状お
よび断面積はキャビティ20の開口部と略同じに設定さ
れる。そして、フィーダーボックス50がキャビティ2
0の上方位置にあるときには、粉末収容部52の下端部
がキャビティ20の略真上に位置するように、粉末収容
部52は形成される。また、粉末収容部52の下端部に
おける周囲の互いに対向する部分には2つの超音波振動
子54が設けられる。超音波振動子54としては、磁歪
振動子が適するが、水晶振動子、圧電セラミック振動子
などが用いられてもよい。
【0035】各超音波振動子54は、フィーダーボック
ス50がキャビティ20の上方位置にあるときに作動す
る。すなわち、フィーダーボックス50がキャビティ2
0の上方位置にあるときに、各超音波振動子54を作動
させながら粉末収容部52の下端部から原料粉末30を
キャビティ20内に落下させて供給する。以降、実施形
態1と同様にして、成形体48が形成される。なお、フ
ィーダボックス50や超音波振動子54を含む粉末供給
部としては、たとえば株式会社サタス製のウルコン・粉
体ディスペンサー(商品名)や愛三工業株式会社製の超
音波モータ式粉体フィーダ(商品名)等が用いられる。
【0036】実施形態2では、粉末収容部52の下端部
の断面積が実施形態1のものよりもかなり小さくなるの
で、フィーダーボックス50が金型12ないしダイプレ
ート14の上面を摺動する際、その摺動によって原料粉
末30が金型12上面と擦れる部分が少なくなり、原料
粉末30がさらに細かく砕かれることによって発生する
微粉の量を低減することができる。このため、金型12
と下パンチ18との隙間に入り込む原料粉末30をより
少なくすることができる。また、原料粉末30が造粒粉
の場合には、造粒粉が崩壊して発生する粉末を少なくす
ることができる結果、流動性を維持することができる。
そして、粉末収容部52の下端部の断面積が小さくて
も、フィーダーボックス50がキャビティ20の上方位
置にあるときに各超音波振動子54が作動し、その作動
によって原料粉体30のブリッジ現象を回避して、原料
粉末30を高速にかつ均一にキャビティ20に供給する
ことができる。したがって、実施形態1と同様の作用効
果が得られる。
【0037】なお、実施形態2では、2つの超音波振動
子54を、フィーダーボックス50の粉末収容部52の
下端部における周囲に互いに対向するように設けたが、
超音波振動子54は1つでも3つ以上であってもよく、
粉末収容部52の下端部の周囲であればどこに配置して
もよい。そして、超音波振動子54に限らず、周波数が
超音波よりも低い他の振動子、たとえばバイブレータモ
ータなどを用いてもよい。
【0038】また、各超音波振動子54を、フィーダー
ボックス50が移動しているときや退避位置にあるとき
にも作動させておくようにすることはできる。但し、原
料粉末30が細かく砕かれるのを防止する観点からは、
実施形態2のように、フィーダーボックス50がキャビ
ティ20の上方位置にあるときに作動させるようにした
方が望ましい。さらに、実施形態2では、フィーダーボ
ックス50の粉末収容部52を断面積が下方に向かって
小さくなるように形成したが、このような形状に限ら
ず、どのような形状であってもよい。
【0039】(実施形態3)さらに、図4を参照して、
この発明のその他の実施形態3について説明する。実施
形態3では、フィーダーボックス26(50)の代わり
に、内部に原料粉末30を収容するホッパ56と、略上
下方向に延びかつ上端部がホッパ56の下端部に接続さ
れた2つの可撓性のゴムホース58とを設けると共に、
金型12に2つのキャビティ20を設けている。すなわ
ち、実施形態3では、ホッパ56が金型12の上方に位
置するように固定物(図示せず)に取付固定され、ホッ
パ56の粉末収容部60は、実施形態2におけるフィー
ダーボックス26の粉末収容部28と同様に、上下方向
に延びかつ断面積が下方に向かって小さくなるように形
成される。
【0040】両ホース58の下端部同士は、該両下端部
間の水平方向の間隔が金型12の2つのキャビティ20
間と略同じになるように結合部材62で結合され、一方
(図4の右側)のホース58の下端部は、実施形態1に
おけるフィーダーボックス26と同様に、ホース駆動モ
ータ(図示せず)にロッド64を介して連結される。そ
して、このホース駆動モータによって、各ホース58の
下端部が各キャビティ20の上方位置と該上方位置から
退避した退避位置との間を移動される。すなわち、各ホ
ース58の下端部は金型12ないしダイプレート14の
上面を摺動し、この摺動の際、各ホース58はその位置
に応じて変形する。なお、各ホース58の下端部の断面
形状および断面積は、対応する各キャビティ20の開口
部と略同じに設定される。
【0041】また、各ホース58の下端部の外周部の互
いに対向する部分には、実施形態2と同様に、それぞれ
2つの超音波振動子54が設けられる。各超音波振動子
54は、各ホース58の下端部が各キャビティ20の上
方位置にあるときに作動する。すなわち、各ホース58
の下端部が各キャビティ20の上方位置にあるときに、
各超音波振動子54を作動させながらホッパ56内の原
料粉末30を各ホース58によってキャビティ20内に
落下させて供給する。以降、実施形態1と同様にして、
成形体48を形成する。
【0042】実施形態3では、ホース58の下端部の断
面形状および断面積をキャビティ20の開口部と略同じ
にすることによって、実施形態2と同様に、ホース58
の下端部が金型12の上面を摺動しても、原料粉末30
が細かく砕かれるのを抑制することができ、微粉の発生
を抑制できる。また、原料粉末30が造粒粉の場合には
その造粒粉が崩壊するのを抑制することができる。そし
て、超音波振動子54を作動させることで原料粉末30
を高速にキャビティ20に供給することができる。
【0043】また、ホース58を可撓性とすることによ
って、その下端部のみを水平方向に移動させれば、ホッ
パ56を実質的にキャビティ20の上方位置から容易に
退避させるようにすることができる。さらに、2つのキ
ャビティ20のどちらにも原料粉末30を均一に供給す
ることができ、キャビティ20を多数設けても同様であ
るので、多数個取りで容易に均一な製品が得られる。ま
た、各ホース58は原料粉末30を収容したフィーダー
ボックス26(50)よりもかなり軽いので、フィーダ
ーボックス26(50)よりも高速で移動させることが
でき、成形時間をより一層短縮できる。
【0044】なお、実施形態3においても、実施形態2
と同様に、超音波振動子54は1つでも3つ以上あって
もよく、各ホース58の下端部であればどこに配置して
もよい。そして、実施形態2と同様に、周波数が超音波
よりも低い他の振動子を用いてもよい。また、実施形態
2と同様に、各超音波振動子54を、各ホース58の下
端部が移動しているときや退避位置にあるときにも作動
させることはできる。さらに、実施形態3では、各ホー
ス58はゴム製としたが、これに限らず、可撓性のもの
であればよい。また、ホース58の下端部を水平方向に
移動できる限りにおいて、またはホッパ56と各ホース
58とを一体的に移動させるようにすれば、各ホース5
8は可撓性のものでなくてもよい。
【0045】つぎに、実験例について説明する。 (実験例1)平均粒径が4.2μmのカルボニル鉄粉1
kgに、バインダーとしてポリビニルアルコールの10
%水溶液を30g加え、さらに水を加えて攪拌すること
で濃度70%のスラリーを作製した。このスラリーをス
プレードライヤーに供給して噴霧乾燥することで、平均
粒子径(二次粒子径)が170μmの造粒粉を得た。つ
づいて、この造粒粉を、成形装置におけるフィーダーボ
ックスの粉末収容部に装填した。この成形装置は全体が
気密容器で覆われたものであり、他の部分は実施形態1
と同様のものである。そして、造粒粉の粉末収容部への
装填後に、気密容器内の空気を真空ポンプで排気して内
部の圧力を1kPaまで減圧した。
【0046】つぎに、ボックス駆動モータを作動させ、
金型に設けた直径1.5mmの断面円形キャビティの上
方位置までフィーダーボックスを一往復だけスライドさ
せ、フィーダーボックスの粉末収容部内の造粒粉をキャ
ビティ内に落下させて供給した。ついで、そのキャビテ
ィ内の造粒粉を上パンチおよび下パンチで圧縮成形し、
得られた成形体を下パンチで押し上げて金型より取り出
した。
【0047】この成形を連続して行った。このとき、ボ
ックス駆動モータの回転数を変えることで、1h当たり
の成形個数を変えるようにした。なお、1h当たりの成
形個数は、ボックス駆動モータの回転数に比例してい
た。また、成形中の気密容器内の圧力は1kPaで一定
であった。つぎに、気密容器内に空気を導入した後、得
られた成形体を気密容器から取り出した。そして、その
成形体を、真空中において500℃で2h脱バインダー
した後、1100℃で2h焼結した。
【0048】(比較例1)実験例1で作製したものと同
じ造粒粉を、実験例1と同じ成形装置におけるフィーダ
ーボックスの粉末収容部内に装填し、減圧しないで10
0kPaの大気圧下で成形を行った。また、得られた成
形体を、実験例1と同じ条件で焼結した。そして、実験
例1および比較例1において、成形速度を変えたときの
1h当たりの成形個数と、各速度条件について100個
ずつの焼結体の高さおよび上下面の平行度とを測定し
た。この測定において高さの平均値および標準偏差なら
びに平行度の平均値を表1に示す。この結果、気密容器
内を減圧すれば、給粉に要する時間を短くしても、安定
した給粉および成形が可能となり、寸法精度が優れた成
形体または焼結体の製造が可能であることが判る。
【0049】
【表1】
【0050】(実験例2)平均粒径が0.2μmのMn
Znフェライトの原料粉末に、予め潤滑剤としてステア
リン酸亜鉛を0.1%添加混合しておき、これを実施形
態1と略同じ成形装置におけるフィーダーボックスの粉
末収容部に装填した。その後、気密容器内の空気を真空
ポンプで排気して内部の圧力を10kPa以下に調整し
た。ついで、ボックス駆動モータを作動させ、金型に設
けた一辺が5.0mmである断面正方形のキャビティの
上方位置までフィーダーボックスを一往復だけスライド
させ、フィーダーボックスの粉末収容部内の原料粉末を
キャビティ内に落下させて供給した。
【0051】つづいて、そのキャビティ内の原料粉末を
上パンチおよび下パンチで圧縮成形し、得られた成形体
を下パンチで押し上げて金型より取り出した。この成形
を連続して行った。このとき、1h当たりの成形個数は
2000個に設定した。なお、成形中の気密容器内の圧
力は初めに調整した値のままで一定であった。つぎに、
気密容器内に空気を導入した後、得られた成形体を気密
容器から取り出した。そして、その成形体を、大気中に
おいて1250℃で4h焼結した。
【0052】(比較例2)実験例2と同じ成形を、気密
容器内を10kPaを超える圧力に調整した後に行っ
た。この圧力以外の成形条件は実験例2と同様にした。
また、得られた成形体を実験例2と同じ条件で焼結し
た。そして、実験例2および比較例2において、成形時
の気密容器内の圧力を変えたときの各条件について10
0個ずつの焼結体の高さおよび上下面の平行度を測定し
た。
【0053】この測定において高さの平均値および標準
偏差ならびに平行度の平均値を表2に示す。この結果、
気密容器内を10kPa以下にすれば、それ以上の高真
空で成形した場合と略同様のスムーズな給粉が可能とな
り、成形体および焼結体の寸法精度を向上できることが
判る。
【0054】
【表2】
【0055】(実験例3)米国特許第4,770,72
3号に示されるようなネオジムが31.0重量%、ボロ
ンが1.0重量%、残部鉄、および不可避的に含有され
る元素からなる組成を有し、平均粒径が3.0μmのネ
オジム−鉄−ボロン系原料粉末1kgにバインダーとし
てポリビニルアルコールの10%水溶液を30g加え、
さらに水を加えて攪拌することで濃度70%のスラリー
を作製した。このスラリーをスプレードライヤーに供給
して噴霧攪拌することで、平均粒子径(二次粒子径)が
80μmの造粒粉を得た。
【0056】つづいて、この造粒粉を成形装置における
フィーダーボックスの粉末収容部に装填した。この成形
装置は全体が気密容器で覆われたものであり、また、フ
ィーダーボックス部を除く他の部分は実施形態1と同様
のもので、かつフィーダーボックス部は実施形態2と同
様のものである。また、金型の表面に電磁石を配し、通
電時に金型のキャビティ内に磁界が発生するよう構成さ
れている。そして、造粒粉の粉末収容部への装填後に、
気密容器内の空気を真空ポンプで排気して内部の圧力を
1kPaまで減圧した。
【0057】つぎに、ボックス駆動モータを作動させ、
金型に設けた直径5.0mm、深さ5.0mmの断面円
形キャビティの上方位置までフィーダーボックスを移動
させ、超音波振動子を振動させ、フィーダーボックスの
粉末収容部内の造粒粉をキャビティ内に落下させて供給
した。その後、振動を停止し、フィーダーボックスを元
の位置まで戻した。ついで、上パンチを金型にわずかに
さし込み、電磁石に通電して金型のキャビティ内に1M
A/mの大きさの磁界を発生させて造粒粉を配向させ
た。さらに、キャビティ内の配向された粉末を上パンチ
および下パンチで圧縮成形し、電磁石への通電を止めた
後、得られた成形体を下パンチで押し上げて金型より取
り出した。
【0058】この成形を連続して行った。このとき、1
h当たりの成形個数は2000個に設定した。なお、成
形中の気密容器内の圧力は1kPaのまま一定であっ
た。つぎに、気密容器内に空気を導入した後、得られた
成形体を気密容器から取り出した。ついで、金型を開口
部の直径が3.0mmのものに交換し、造粒粉を成形装
置におけるフィーダーボックスの粉末収容部に追加装填
した。そして、上記の手順で成形を連続して行った。こ
のとき、金型のキャビティの深さは5.0mmで一定と
した。さらに、上記と同様の手順で、開口部の直径がそ
れぞれ2.0mm、1.5mm、1.0mmの金型を用
いて成形を行った。そして、得られたすべての成形体を
水素中において500℃で2h脱バインダーした後、1
080℃で2h焼結した。
【0059】(比較例3)実験例3で作製したものと同
じ造粒粉を、実験例3と同じ成形装置におけるフィーダ
ーボックスの粉末収容部に装填し、減圧しないで100
kPaの大気圧下で成形を行うこと以外は実験例3と同
一の条件で連続成形を行った。また、得られた成形体
を、実験例3と同じ条件で焼結した。
【0060】そして、実験例3および比較例3におい
て、金型開口部の直径を変えたときの各直径について1
00個ずつの焼結体の高さおよび上下面の平行度を測定
した。この測定において高さの平均値および標準偏差な
らびに平行度の平均値を表3に示す。この結果、気密容
器内を減圧すれば、金型のキャビティの高さに対する開
口部面積の比率が小さくなるような形状の成形体を成形
する場合でも、安定した給粉および成形が可能となり、
寸法精度が優れた成形体または焼結体の製造が可能であ
ることが判る。
【0061】
【表3】
【0062】
【発明の効果】この発明によれば、粉噛みによるトラブ
ルの発生を防止して連続的にかつ高速に成形体を形成す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態1に係る成形装置を示す概
略図である。
【図2】実施形態1の圧縮成形工程を示す図解図であ
る。
【図3】実施形態2に係る成形装置の要部拡大断面図で
ある。
【図4】実施形態3に係る成形装置の要部拡大断面図で
ある。
【符号の説明】 10 成形装置 12 金型 16 貫通孔 18 下パンチ 20 キャビティ 26、50 フィーダーボックス 30 原料粉末 36 上パンチ 42 気密容器 46 真空ポンプ 48 成形体 54 超音波振動子 56 ホッパ 58 ホース

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒径が0.1μm〜500μmの原
    料粉末を収容した原料粉末供給手段を金型のキャビティ
    の上方に位置させて、前記原料粉末供給手段内および前
    記キャビティ内の圧力をそれぞれ10kPa以下に設定
    した状態で、前記原料粉末を前記キャビティ内に落下さ
    せる粉末供給工程と、 前記キャビティ内に供給した前記原料粉末を圧縮成形す
    る圧縮成形工程とを備える、成形方法。
  2. 【請求項2】 前記粉末供給工程では、前記原料粉末供
    給手段を振動させながら前記原料粉末を前記キャビティ
    内に供給する、請求項1に記載の成形方法。
  3. 【請求項3】 前記原料粉末供給手段は前記原料粉末を
    前記キャビティ内に供給するためのホースを含み、 前記粉末供給工程では、前記ホースの一端部を前記キャ
    ビティの上方に位置させて、前記ホースの一端部から前
    記原料粉末を前記キャビティ内に供給する、請求項1に
    記載の成形方法。
  4. 【請求項4】 前記キャビティは開口面積25mm2
    下に形成される、請求項1に記載の成型方法。
  5. 【請求項5】 前記原料粉末は、平均粒径が0.1μm
    〜10μmの粉末に対してバインダーを添加することで
    平均粒径が20μm〜500μmに造粒した造粒粉であ
    る、請求項1ないし4のいずれかに記載の成形方法。
  6. 【請求項6】 前記原料粉末は希土類合金粉末を含む、
    請求項1ないし4のいずれかに記載の成形方法。
  7. 【請求項7】 キャビティが形成される貫通孔を有する
    金型と、 平均粒径が0.1μm〜500μmの原料粉末を収容
    し、前記キャビティの上方位置から前記原料粉末を前記
    キャビティ内に落下させる原料粉末供給手段と、 前記原料粉末供給手段が少なくとも前記キャビティの上
    方位置にあるときに、前記原料粉末供給手段内および前
    記キャビティ内の圧力をそれぞれ10kPa以下に保持
    する圧力保持手段と、 前記キャビティ内に供給された前記原料粉末を圧縮成形
    する圧縮成形手段とを備える、成形装置。
  8. 【請求項8】 前記原料粉末供給手段に設けられ、前記
    原料粉末供給手段が少なくとも前記キャビティの上方位
    置にあるときに作動する振動子をさらに含む、請求項7
    に記載の成形装置。
  9. 【請求項9】 前記原料粉末供給手段は、 少なくともその一端部が前記キャビティの上方位置と前
    記上方位置から退避した退避位置との間を移動可能に構
    成され、前記一端部が前記キャビティの上方位置にある
    ときに前記原料粉末を前記キャビティ内に供給するホー
    スを含む、請求項7に記載の成形装置。
  10. 【請求項10】 前記キャビティは開口面積25mm2
    以下に形成される、請求項7に記載の成型装置。
  11. 【請求項11】 前記原料粉末は、平均粒径が0.1μ
    m〜10μmの粉末に対してバインダーを添加すること
    で平均粒径が20μm〜500μmに造粒した造粒粉で
    ある、請求項7ないし10のいずれかに記載の成形装
    置。
  12. 【請求項12】 前記原料粉末は希土類合金粉末を含
    む、請求項7ないし10のいずれかに記載の成形装置。
  13. 【請求項13】 キャビティが形成される貫通孔を有す
    る金型と、 平均粒径が0.1μm〜500μmの原料粉末を収容
    し、前記キャビティの上方位置と前記上方位置から退避
    した退避位置との間を移動可能に構成され、前記キャビ
    ティの上方位置から前記原料粉末を前記キャビティ内に
    落下させる原料粉末供給部と、 少なくとも前記原料粉末供給部内を気密状態にする気密
    部材と、 前記原料粉末供給部が少なくとも前記キャビティの上方
    位置にあるときに、前記原料粉末供給部内および前記キ
    ャビティ内の圧力をそれぞれ10kPa以下に設定する
    真空ポンプと、 前記キャビティ内に供給された前記原料粉末を圧縮成形
    する一対のパンチとを備える、成形装置。
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