JP3916512B2 - Pll内蔵回路の評価方法及びpll内蔵回路の評価システム - Google Patents

Pll内蔵回路の評価方法及びpll内蔵回路の評価システム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、PLL内蔵半導体集積回路(以下「PLL内蔵回路」という。)に関し、特に、PLL内蔵回路の評価方法、PLL内蔵回路の評価システム、及び分周器を内蔵したPLL内蔵回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図10は、従来のPLL内蔵回路44の評価方法を説明するためのブロック図である。また、図11は、従来のPLL内蔵回路44の評価方法を説明するためのタイムチャートであり、図12は、従来のPLL内蔵回路44の評価方法の他の例を説明するためのタイムチャートである。
【0003】
図10に示されるテスト装置42は、テスト時に出力する印加パターンとこの印加パターンに対応する正常な被テストデバイスの出力である期待パターンとの組み合わせから成るテストパターンをメモリに保持する。テスト装置42は、所定の周波数のシステムクロックに基づいて動作する。図10に示されるPLL内蔵回路44は、PLL(位相同期ループ)回路45及びF/F(フリップフロップ)回路46を備えている。
【0004】
テスト時には、テスト装置42は、システムクロックに同期して印加パターンPをPLL内蔵回路44に入力する。PLL内蔵回路44のPLL回路45は、システムクロックの周波数のN倍のスピードで動作するため、パターンPは印加パターンPの周波数のN倍の周波数で切り替わり、F/F回路46の出力パターンPも印加パターンPの周波数のN倍の周波数で切り替わる。PLL内蔵回路44からの出力パターンPを受け取ったテスト装置42は、出力パターンPを予め用意してある期待パターンと照合(ケア)することによって、PLL内蔵回路44の評価を行う。
【0005】
図11に示される評価方法においては、テスト装置42から出力される印加パターンPの1フェーズに1回のタイミング(図11のCARE)で出力パターンPを期待パターンと照合(ケア)する。
【0006】
図12に示される評価方法においては、テスト装置42から出力される印加パターンPの1フェーズに4回のタイミング(図12のCARE)で出力パターンPを期待パターンと照合(ケア)する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図11に示される評価方法の場合には、印加パターンPの1フェーズに対して出力パターンPは4回変化するが、ケアは1フェーズに1回しか行われず、出力パターンPの数の1/4しかケアを行っていないので、評価結果の信頼性が低い。また、図11に示される評価方法では、ケアは出力パターンPの数の1/4しか行っていないので、PLL内蔵回路44のスピード評価やアクセスタイム評価等の評価ができない。
【0008】
また、図12に示される評価方法の場合には、印加パターンPの1フェーズに対して4回のケアを行っているが、テストパターン(印加パターンPと期待パターンとの組み合わせ)の数が図11の評価方法の場合の4倍になり、その結果、テスト時間もN倍になる。
【0009】
そこで、本発明は上記したような従来技術の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、テストパターン数を増やすことなく、評価結果の信頼性が高く、種々の特性評価ができるPLL内蔵回路の評価方法、PLL内蔵回路の評価システム、及びPLL内蔵回路を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るPLL内蔵回路の評価方法は、所定の周波数のシステムクロックに基づいて動作するテスト装置が、テスト時に出力する印加パターンと前記印加パターンに対応する正常な被テストデバイスの出力である期待パターンとの組み合わせから成るテストパターンを保持し、前記システムクロックに同期して前記テスト装置が印加パターンを出力し、分周器により印加パターンの周期をM/N(M及びNのそれぞれは正の整数)に分周し、前記テスト装置と前記分周器とを備える評価システム側でM/Nに分周された印加パターンを被テストデバイスであるPLL内蔵回路に入力し、前記PLL内蔵回路から出力された出力パターンを前記テスト装置に入力し、前記テスト装置が、前記出力パターンを前記期待パターンと照合することによって、前記PLL内蔵回路の評価を行う評価方法であり、前記PLL内蔵回路からの出力パターンの周波数が前記テスト装置のシステムクロックの周波数に一致するように、M及びNの値を設定したものである。
【0011】
また、参考発明に係るPLL内蔵回路の評価方法は、所定の周波数のシステムクロックに基づいて動作するテスト装置が、テスト時に出力する印加パターンと前記印加パターンに対応する正常な被テストデバイスの出力である期待パターンとの組み合わせから成るテストパターンを保持し、前記システムクロックに同期して前記テスト装置から印加パターンを出力し、被テストデバイスであるPLL内蔵回路に内蔵された分周器により前記印加パターンの周期をM/Nに分周し、M/Nに分周された印加パターンを前記PLL内蔵回路のPLL回路に入力し、前記PLL内蔵回路から出力される出力パターンを前記テスト装置に入力し、前記テスト装置が、前記出力パターンを前記期待パターンと照合することによって、前記PLL内蔵回路の評価を行う評価方法であり、前記PLL内蔵回路からの出力パターンの周波数が前記テスト装置のシステムクロックの周波数に一致するように、M及びNの値を設定したものである。
【0012】
また、他の発明に係るPLL内蔵回路の評価システムは、テスト時に出力する印加パターンと前記印加パターンに対応する正常な被テストデバイスの出力である期待パターンとの組み合わせから成るテストパターンを保持するメモリを有し、所定の周波数のシステムクロックに基づいて動作するテスト装置と、前記システムクロックに同期して前記テスト装置から出力された印加パターンの周期をM/Nに分周して被テストデバイスであるPLL内蔵回路に入力する分周器とを備え、前記分周器によりM/Nに分周された印加パターンを前記PLL内蔵回路に入力したときに前記PLL内蔵回路から出力される出力パターンを前記テスト装置に入力し、前記出力パターンを前記期待パターンと照合することによって前記PLL内蔵回路の評価を行うための前記テスト装置と前記分周器とを備える評価システムであって、前記PLL内蔵回路からの出力パターンの周波数が前記テスト装置のシステムクロックの周波数に一致するように、M及びNの値を設定したものである。
【0013】
また、参考発明に係るPLL内蔵回路の評価システムは、テスト時に出力する印加パターンと前記印加パターンに対応する正常な被テストデバイスの出力である期待パターンとの組み合わせから成るテストパターンを保持するメモリを有し、所定の周波数のシステムクロックに基づいて動作するテスト装置と、被テストデバイスであるPLL内蔵回路に内蔵され、前記システムクロックに同期して前記テスト装置から出力された印加パターンの周期をM/Nに分周して前記PLL内蔵回路のPLL回路に入力する分周器とを備え、前記分周器によりM/Nに分周された印加パターンを前記PLL内蔵回路のPLL回路に入力したときに前記PLL内蔵回路から出力される出力パターンを前記テスト装置に入力し、前記出力パターンを前記期待パターンと照合することによって前記PLL内蔵回路の評価を行う評価システムであって、前記PLL内蔵回路からの出力パターンの周波数が前記テスト装置のシステムクロックの周波数に一致するように、M及びNの値を設定したものである。
【0014】
また、参考発明に係るPLL内蔵回路は、テスト時に出力する印加パターンと前記印加パターンに対応する正常な被テストデバイスの出力である期待パターンとの組み合わせから成るテストパターンを保持するメモリを有し、所定の周波数のシステムクロックに基づいて動作するテスト装置により評価されるものであって、PLL回路と、前記システムクロックに同期して前記テスト装置から出力された印加パターンの周期をM/Nに分周して前記PLL回路に入力する分周器とを備え、前記PLL内蔵回路からの出力パターンの周波数が前記テスト装置のシステムクロックの周波数に一致するように、M及びNの値を設定可能なように前記分周器を構成したものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
第1の実施形態
図1は、本発明の第1の実施形態に係るPLL内蔵半導体集積回路(以下「PLL内蔵回路」という。)4の評価方法(又はこの評価方法を実施する評価システム)を説明するためのブロック図である。また、図2は、第1の実施形態に係るPLL内蔵回路4の評価方法を説明するためのタイムチャートである。
【0016】
第1の実施形態に係るPLL内蔵回路4の評価方法は、図1に示される評価システム1により実行される。評価システム1は、テスト装置2と、1/N分周器3とから構成される。
【0017】
テスト装置2は、テスト時に出力する印加パターンPとこの印加パターンPに対応する正常な被テストデバイスの出力である期待パターンとの組み合わせから成るテストパターンをメモリに保持する。テスト装置2は、所定の周波数のシステムクロックに基づいて動作する。
【0018】
1/N分周器3は、システムクロックに同期してテスト装置2から出力された印加パターンPの周期を1/N(Nは正の整数)に分周して印加パターンPとし、被テストデバイスであるPLL内蔵回路4に入力する。ここで、Nの値は、PLL内蔵回路4から出力される出力パターンPの周波数がテスト装置2のシステムクロックの周波数に一致するように、設定する。
【0019】
また、PLL内蔵回路4は、PLL(位相同期ループ)回路5及びF/F(フリップフロップ)回路6を備えている。PLL回路5はN逓倍の信号Pを出力する。F/F回路6は、PLL回路5から出力された信号Pと同じ周波数の出力パターンPを出力する。第1の実施形態においては、N=4である。ただし、Nは4以外の整数(例えば、2,3,5,6,…のいずれか)にすることもできる。
【0020】
テスト時には、テスト装置2は、システムクロックに同期して印加パターンPを出力し、1/N分周器3は、印加パターンPを1/Nに分周して印加パターンPとして、PLL内蔵回路4に入力する。PLL内蔵回路4のPLL回路5は、システムクロックの周波数のN倍のスピードで動作してパターンPを出力し、F/F回路6からの出力パターンPがテスト装置2に入力される。出力パターンPは、印加パターンPの周波数と同じ周波数で切り替わる。PLL内蔵回路4からの出力パターンPを受け取ったテスト装置2は、図2にCAREで示すタイミングで出力パターンPを予め用意してある期待パターンと照合(ケア)することによって、PLL内蔵回路4の評価を行う。
【0021】
以上説明したように、第1の実施形態に係る評価方法又は評価システムによれば、印加パターンPの周期を1/Nに分周して印加パターンPにしてPLL内蔵回路4に印加し、PLL内蔵回路4からの出力パターンPの周波数をテスト装置2のシステムクロックの周波数に一致させているので、テスト装置2による評価をシステムクロックに同期して行えば、PLL内蔵回路4からの出力パターンPの各周期について評価(図2のCARE)を行うことができる。この結果、PLL内蔵回路からの出力パターンPの複数周期に1回の評価しか行わない従来の評価方式(図11の場合)に比べ、PLL内蔵回路4の評価結果の信頼性を向上させることができる。
【0022】
また、第1の実施形態に係る評価方法又は評価システムによれば、印加パターンPの周期を1/Nに分周してPLL内蔵回路4に印加し、PLL内蔵回路4からの出力パターンPの周波数をテスト装置2のシステムクロックの周波数に一致させているので、印加パターンPとこの印加パターンPに対応する正常な被テストデバイスの出力パターンである期待パターンとの組み合わせから成るテストパターンの数を、図12の従来方式に比べ、1/Nに圧縮でき、テスト時間の短縮を図ることができる。また、テストパターンの数が減ることにより、テストパターン記述が簡単になるので、スピード評価やアクセスタイム評価等の様々な評価が容易になる。
【0023】
第2の実施形態
図3は、本発明の第2の実施形態に係るPLL内蔵半導体集積回路(以下「PLL内蔵回路」という。)14の評価方法(又はこの評価方法を実施する評価システム又はこの評価方法を可能にするPLL内蔵回路)を説明するためのブロック図である。また、図4は、第2の実施形態に係るPLL内蔵回路14の評価方法を説明するためのタイムチャートである。
【0024】
第2の実施形態に係るPLL内蔵回路14の評価方法は、図3に示される評価システム11により実行される。評価システム11は、テスト装置12と、PLL内蔵回路14に内蔵された1/N分周器13とから構成される。
【0025】
テスト装置12は、テスト時に出力する印加パターンPとこの印加パターンPに対応する正常な被テストデバイスの出力である期待パターンとの組み合わせから成るテストパターンをメモリに保持する。テスト装置12は、所定の周波数のシステムクロックに基づいて動作する。
【0026】
PLL内蔵回路14に内蔵された1/N分周器13は、システムクロックに同期してテスト装置12から出力された印加パターンPの周期を1/N(Nは正の整数)に分周して印加パターンPとし、PLL回路15に入力する。ここで、Nの値は、PLL内蔵回路14から出力される出力パターンPの周波数がテスト装置12のシステムクロックの周波数に一致するように、設定する。
【0027】
また、PLL内蔵回路14は、PLL回路15と、F/F回路16と、入力ライン選択回路18とを備えている。入力ライン選択回路18は、その出力信号(即ち、PLL回路15に入力される信号)テスト時には1/N分周器13を経由した信号とし、実動作時には1/N分周器13を経由しない信号とする。入力ライン選択回路18は、端子17に入力される選択信号に従って、PLL回路15に入力される信号を切り換える。また、PLL回路15はN逓倍の信号を出力する。F/F回路16は、PLL回路15から出力された信号Pと同じ周波数の出力パターンPを出力する。第2の実施形態においては、N=4である。ただし、Nは4以外の整数(例えば、2,3,5,6,…のいずれか)にすることもできる。
【0028】
テスト時には、テスト装置12は、システムクロックに同期して印加パターンPを出力し、PLL内蔵回路14に内蔵された1/N分周器13は、印加パターンPを1/Nに分周して印加パターンPとして、PLL回路15に入力する。PLL回路15は、システムクロックの周波数のN倍のスピードで動作してパターンPを出力し、F/F回路16からの出力パターンPがテスト装置12に入力される。出力パターンPは、印加パターンPの周波数と同じ周波数で切り替わる。PLL内蔵回路14からの出力パターンPを受け取ったテスト装置12は、図4にCAREで示すタイミングで出力パターンPを予め用意してある期待パターンと照合(ケア)することによって、PLL内蔵回路14の評価を行う。
【0029】
以上説明したように、第2の実施形態に係る評価方法、評価システム、又はPLL内蔵回路によれば、印加パターンPの周期を1/Nに分周して印加パターンPにしてPLL回路15に印加し、PLL内蔵回路14からの出力パターンPの周波数をテスト装置12のシステムクロックの周波数に一致させているので、テスト装置12による評価をシステムクロックに同期して行えば、PLL内蔵回路14からの出力パターンPの各周期について評価(図4のCARE)を行うことができる。この結果、PLL内蔵回路からの出力パターンPの複数周期に1回の評価しか行わない従来の評価方式(図11の場合)に比べ、PLL内蔵回路14の評価結果の信頼性を向上させることができる。
【0030】
また、第2の実施形態に係る評価方法、評価システム、又はPLL内蔵回路によれば、印加パターンPの周期を1/Nに分周してPLL回路15に印加し、PLL内蔵回路14からの出力パターンPの周波数をテスト装置12のシステムクロックの周波数に一致させているので、印加パターンPとこの印加パターンPに対応する正常な被テストデバイスの出力パターンである期待パターンとの組み合わせから成るテストパターンの数を、図12の従来方式に比べ、1/Nに圧縮でき、テスト時間の短縮を図ることができる。また、テストパターンの数が減ることにより、テストパターン記述が簡単になるので、スピード評価やアクセスタイム評価等の様々な評価が容易になる。
【0031】
また、第2の実施形態に係る評価方法、評価システム、又はPLL内蔵回路によれば、PLL内蔵回路14が分周器13を内蔵しているので、従来のテスト環境(図10のテスト装置42)を変更することなく、PLL内蔵回路の評価結果の信頼性を向上及びテスト時間の短縮を図ることができ、また、スピード評価やアクセスタイム評価等の様々な評価を容易にすることができる。
【0032】
第3の実施形態
図5は、本発明の第3の実施形態に係るPLL内蔵半導体集積回路(以下「PLL内蔵回路」という。)24の評価方法(又はこの評価方法を実施する評価システム)を説明するためのブロック図である。また、図6は、第3の実施形態に係るPLL内蔵回路24の評価方法を説明するためのタイムチャートであり、図7は、第3の実施形態に係るPLL内蔵回路24の評価方法の他の例を説明するためのタイムチャートである。
【0033】
第3の実施形態に係るPLL内蔵回路24の評価方法は、図5に示される評価システム21により実行される。評価システム21は、テスト装置22と、M/N分周器23とから構成される。
【0034】
テスト装置22は、テスト時に出力する印加パターンPとこの印加パターンPに対応する正常な被テストデバイスの出力である期待パターンとの組み合わせから成るテストパターンをメモリに保持する。テスト装置22は、所定の周波数のシステムクロックに基づいて動作する。
【0035】
M/N分周器23は、システムクロックに同期してテスト装置22から出力された印加パターンPの周期をM/N(M及びNのぞれぞれは正の整数)に分周して印加パターンPとし、被テストデバイスであるPLL内蔵回路24に入力する。ここで、M及びNの値は、PLL内蔵回路24から出力される出力パターンPの周波数がテスト装置22のシステムクロックの周波数に一致するように、設定する。
【0036】
また、PLL内蔵回路24は、PLL回路25及びF/F回路26を備えている。PLL回路25はN逓倍の信号を出力する。F/F回路26は、PLL回路25で生成されたクロックの1/M分周で動作する。図6においては、M=2、N=4である。また、図7においては、M=3、N=4である。ただし、M及びNは他の整数にすることもできる。
【0037】
テスト時には、テスト装置22は、システムクロックに同期して印加パターンPを出力し、M/N分周器23は、印加パターンPをM/Nに分周して印加パターンPとして、PLL内蔵回路24に入力する。PLL内蔵回路24のPLL回路25は、システムクロックの周波数のN倍のスピードで動作してパターンPを出力し、F/F回路26で1/M分周された出力パターンPがテスト装置22に入力される。出力パターンPは、印加パターンPの周波数と同じ周波数で切り替わる。PLL内蔵回路24からの出力パターンPを受け取ったテスト装置22は、図6にCAREで示すタイミング又は図7にCAREで示すタイミングで出力パターンPを予め用意してある期待パターンと照合(ケア)することによって、PLL内蔵回路24の評価を行う。
【0038】
以上説明したように、第3の実施形態に係る評価方法又は評価システムによれば、印加パターンPの周期をM/Nに分周して印加パターンPにしてPLL内蔵回路24に印加し、PLL内蔵回路24からの出力パターンPの周波数をテスト装置22のシステムクロックの周波数に一致させているので、テスト装置22による評価をシステムクロックに同期して行えば、PLL内蔵回路24からの出力パターンPの各周期について評価(図6又は図7のCARE)を行うことができる。この結果、PLL内蔵回路からの出力パターンPの複数周期に1回の評価しか行わない従来の評価方式(図11の場合)に比べ、PLL内蔵回路24の評価結果の信頼性を向上させることができる。
【0039】
また、第3の実施形態に係る評価方法又は評価システムによれば、印加パターンPの周期をM/Nに分周してPLL内蔵回路24に印加し、PLL内蔵回路24からの出力パターンPの周波数をテスト装置2のシステムクロックの周波数に一致させているので、印加パターンPとこの印加パターンPに対応する正常な被テストデバイスの出力パターンである期待パターンとの組み合わせから成るテストパターンの数を、図12の従来方式に比べ、1/Nに圧縮でき、テスト時間の短縮を図ることができる。また、テストパターンの数が減ることにより、テストパターン記述が簡単になるので、スピード評価やアクセスタイム評価等の様々な評価が容易になる。
【0040】
第4の実施形態
図8は、本発明の第4の実施形態に係るPLL内蔵半導体集積回路(以下「PLL内蔵回路」という。)34の評価方法(又はこの評価方法を実施する評価システム又はこの評価方法を可能にするPLL内蔵回路)を説明するためのブロック図である。また、図9は、第4の実施形態に係るPLL内蔵回路34の評価方法を説明するためのタイムチャートである。
【0041】
第4の実施形態に係るPLL内蔵回路34の評価方法は、図8に示される評価システム31により実行される。評価システム31は、テスト装置32と、PLL内蔵回路34に内蔵されたM/N分周器33とから構成される。
【0042】
テスト装置32は、テスト時に出力する印加パターンPとこの印加パターンPに対応する正常な被テストデバイスの出力である期待パターンとの組み合わせから成るテストパターンをメモリに保持する。テスト装置32は、所定の周波数のシステムクロックに基づいて動作する。
【0043】
PLL内蔵回路34に内蔵されたM/N分周器33は、システムクロックに同期してテスト装置32から出力された印加パターンPの周期をM/N(M及びNのそれぞれは正の整数)に分周して印加パターンPとし、PLL回路35に入力する。ここで、M及びNの値は、PLL内蔵回路34から出力される出力パターンPの周波数がテスト装置32のシステムクロックの周波数に一致するように、設定する。
【0044】
また、PLL内蔵回路34は、PLL回路35と、F/F回路36と、入力ライン選択回路38とを備えている。入力ライン選択回路38は、その出力信号(即ち、PLL回路35に入力される信号)を、テスト時には1/N分周器33を経由した信号とし、実動作時には1/N分周器33を経由しない信号とする。入力ライン選択回路38は、端子37に入力される選択信号に従って、PLL回路35に入力される信号を切り換える。また、PLL回路35はN逓倍の信号を出力する。F/F回路36は、PLL回路35で生成されたクロックの1/M分周で動作する。図9においては、M=2、N=4である。ただし、M及びNは他の整数にすることもできる。
【0045】
テスト時には、テスト装置32は、システムクロックに同期して印加パターンPを出力し、PLL内蔵回路34に内蔵されたM/N分周器33は、印加パターンPをM/Nに分周して印加パターンPとして、PLL回路35に入力する。PLL回路35は、システムクロックの周波数のN倍のスピードで動作してパターンPを出力し、F/F回路36からの出力パターンPがテスト装置32に入力される。出力パターンPは、印加パターンPの周波数と同じ周波数で切り替わる。PLL内蔵回路34からの出力パターンPを受け取ったテスト装置32は、出力パターンPを予め用意してある期待パターンと照合することによって、PLL内蔵回路34の評価を行う。
【0046】
以上説明したように、第4の実施形態に係る評価方法、評価システム、又はPLL内蔵回路によれば、印加パターンPの周期をM/Nに分周して印加パターンPにしてPLL回路35に印加し、PLL内蔵回路34からの出力パターンPの周波数をテスト装置32のシステムクロックの周波数に一致させているので、テスト装置32による評価をシステムクロックに同期して行えば、PLL内蔵回路34からの出力パターンPの各周期について評価(図9のCARE)を行うことができる。この結果、PLL内蔵回路からの出力パターンPの複数周期に1回の評価しか行わない従来の評価方式(図11の場合)に比べ、PLL内蔵回路34の評価結果の信頼性を向上させることができる。
【0047】
また、第4の実施形態に係る評価方法、評価システム、又はPLL内蔵回路によれば、印加パターンPの周期をM/Nに分周してPLL回路35に印加し、PLL内蔵回路34からの出力パターンPの周波数をテスト装置32のシステムクロックの周波数に一致させているので、印加パターンPとこの印加パターンPに対応する正常な被テストデバイスの出力パターンである期待パターンとの組み合わせから成るテストパターンの数を、図12の従来方式に比べ、1/Nに圧縮でき、テスト時間の短縮を図ることができる。また、テストパターンの数が減ることにより、テストパターン記述が簡単になるので、スピード評価やアクセスタイム評価等の様々な評価が容易になる。
【0048】
また、第4の実施形態に係る評価方法、評価システム、又はPLL内蔵回路によれば、PLL内蔵回路34が分周器33を内蔵しているので、従来のテスト環境(図10のテスト装置42)を変更することなく、PLL内蔵回路の評価結果の信頼性を向上及びテスト時間の短縮を図ることができ、また、スピード評価やアクセスタイム評価等の様々な評価を容易にすることができる。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載されたPLL内蔵回路の評価方法又は請求項に記載されたPLL内蔵回路の評価システムによれば、印加パターンの周期をM/Nに分周してPLL内蔵回路に印加し、PLL内蔵回路からの出力パターンの周波数をテスト装置のシステムクロックの周波数に一致させているので、テスト装置による評価をシステムクロックに同期して行えば、PLL内蔵回路からの出力パターンの各周期について評価を行うことができる。この結果、PLL内蔵回路からの出力パターンの複数周期に1回の評価しか行わない従来の評価方式(図11の場合)に比べ、PLL内蔵回路の評価結果の信頼性を向上させることができる。
【0050】
また、請求項1に記載されたPLL内蔵回路の評価方法又は請求項に記載されたPLL内蔵回路の評価システムによれば、印加パターンの周期をM/Nに分周してPLL内蔵回路に印加し、PLL内蔵回路からの出力パターンの周波数をテスト装置のシステムクロックの周波数に一致させているので、印加パターンとこの印加パターンに対応する正常な被テストデバイスの出力パターンである期待パターンとの組み合わせから成るテストパターンの数を、図12の従来方式に比べ、1/Nに圧縮でき、テスト時間の短縮を図ることができる。また、テストパターンの数が減ることにより、テストパターン記述が簡単になるので、スピード評価やアクセスタイム評価等の様々な評価が容易になる。
【0051】
また、参考発明のPLL内蔵回路の評価システムによれば、PLL内蔵回路に内蔵された分周器により印加パターンの周期をM/Nに分周してPLL回路に印加し、PLL内蔵回路からの出力パターンの周波数をテスト装置のシステムクロックの周波数に一致させているので、テスト装置による評価をシステムクロックに同期して行えば、PLL内蔵回路からの出力パターンの各周期について評価を行うことができる。この結果、PLL内蔵回路からの出力パターンの複数周期に1回の評価しか行わない従来の評価方式(図11の場合)に比べ、PLL内蔵回路の評価結果の信頼性を向上させることができる。
【0052】
また、参考発明のPLL内蔵回路の評価方法によれば、PLL内蔵回路に内蔵された分周器により印加パターンの周期をM/Nに分周してPLL回路に印加し、PLL内蔵回路からの出力パターンの周波数をテスト装置のシステムクロックの周波数に一致させているので、印加パターンとこの印加パターンに対応する正常な被テストデバイスの出力パターンである期待パターンとの組み合わせから成るテストパターンの数を、図12の従来方式に比べ、1/Nに圧縮でき、テスト時間の短縮を図ることができる。また、テストパターンの数が減ることにより、テストパターン記述が簡単になるので、スピード評価やアクセスタイム評価等の様々な評価が容易になる。
【0053】
また、参考発明のPLL内蔵回路によれば、PLL内蔵回路に内蔵された分周器により印加パターンの周期をM/Nに分周してPLL回路に印加し、PLL内蔵回路からの出力パターンの周波数をテスト装置のシステムクロックの周波数に一致させることができるので、テスト装置による評価をシステムクロックに同期して行えば、PLL内蔵回路からの出力パターンの各周期について評価を行うことができる。この結果、PLL内蔵回路からの出力パターンの複数周期に1回の評価しか行わない従来の評価方式(図11の場合)に比べ、PLL内蔵回路の評価結果の信頼性を向上させることができる。
【0054】
また、参考発明のPLL内蔵回路によれば、PLL内蔵回路に内蔵された分周器により印加パターンの周期をM/Nに分周してPLL回路に印加し、PLL内蔵回路からの出力パターンの周波数をテスト装置のシステムクロックの周波数に一致させることができるので、印加パターンとこの印加パターンに対応する正常な被テストデバイスの出力パターンである期待パターンとの組み合わせから成るテストパターンの数を、図12の従来方式に比べ、1/Nに圧縮でき、テスト時間の短縮を図ることができる。また、テストパターンの数が減ることにより、テストパターン記述が簡単になるので、スピード評価やアクセスタイム評価等の様々な評価が容易になる。
【0055】
また、参考発明のPLL内蔵回路の評価方法、PLL内蔵回路の評価システム、又はPLL内蔵回路によれば、PLL内蔵回路が分周器を内蔵しているので、従来のテスト環境(図10のテスト装置42)を変更することなく、PLL内蔵回路の評価結果の信頼性を向上及びテスト時間の短縮を図ることができ、また、スピード評価やアクセスタイム評価等の様々な評価を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態に係るPLL内蔵回路の評価方法(又はこの評価方法を実施する評価システム)を説明するためのブロック図である。
【図2】 第1の実施形態に係るPLL内蔵回路の評価方法を説明するためのタイムチャートである。
【図3】 本発明の第2の実施形態に係るPLL内蔵回路の評価方法(又はこの評価方法を実施する評価システム)を説明するためのブロック図である。
【図4】 第2の実施形態に係るPLL内蔵回路の評価方法を説明するためのタイムチャートである。
【図5】 本発明の第3の実施形態に係るPLL内蔵回路の評価方法(又はこの評価方法を実施する評価システム)を説明するためのブロック図である。
【図6】 第3の実施形態に係るPLL内蔵回路の評価方法を説明するためのタイムチャートである。
【図7】 第3の実施形態に係るPLL内蔵回路の評価方法の他の例を説明するためのタイムチャートである。
【図8】 本発明の第4の実施形態に係るPLL内蔵回路の評価方法(又はこの評価方法を実施する評価システム)を説明するためのブロック図である。
【図9】 第4の実施形態に係るPLL内蔵回路の評価方法を説明するためのタイムチャートである。
【図10】 従来のPLL内蔵回路の評価方法を説明するためのブロック図である。
【図11】 従来のPLL内蔵回路の評価方法を説明するためのタイムチャートである。
【図12】 従来のPLL内蔵回路の評価方法の他の例を説明するためのタイムチャートである。
【符号の説明】
1,11,21,31 評価システム
2,12,22,32 テスト装置
3,13 1/N分周器
4,14,24,34 PLL内蔵回路
5,15,25,35 PLL回路
6,16,26,36 F/F回路
17,37 選択信号の入力端子
18,38 入力ライン選択回路
23,33 M/N分周器
テスト装置から出力される印加パターン
PLL回路から出力されるパターン
PLL内蔵回路からの出力パターン
分周器から出力される印加パターン(PLL回路への印加パターン)
CARE 印加パターンと期待パターンとの照合(ケア)のタイミング

Claims (2)

  1. 所定の周波数のシステムクロックに基づいて動作するテスト装置が、テスト時に出力する印加パターンと前記印加パターンに対応する正常な被テストデバイスの出力である期待パターンとの組み合わせから成るテストパターンを保持し、
    前記システムクロックに同期して前記テスト装置が印加パターンを出力し、
    分周器により印加パターンの周期をM/N(M及びNのそれぞれは正の整数)に分周し、
    前記テスト装置と前記分周器とを備える評価システム側でM/Nに分周された印加パターンを被テストデバイスであるPLL内蔵回路に入力し、
    前記PLL内蔵回路から出力された出力パターンを前記テスト装置に入力し、
    前記テスト装置が、前記出力パターンを前記期待パターンと照合することによって、前記PLL内蔵回路の評価を行うPLL内蔵回路の評価方法であって、
    前記PLL内蔵回路からの出力パターンの周波数が前記テスト装置のシステムクロックの周波数に一致するように、M及びNの値を設定したことを特徴とするPLL内蔵回路の評価方法。
  2. テスト時に出力する印加パターンと前記印加パターンに対応する正常な被テストデバイスの出力である期待パターンとの組み合わせから成るテストパターンを保持するメモリを有し、所定の周波数のシステムクロックに基づいて動作するテスト装置と、
    前記システムクロックに同期して前記テスト装置から出力された印加パターンの周期をM/N(M及びNのそれぞれは正の整数)に分周して被テストデバイスであるPLL内蔵回路に入力する分周器と
    を備え、
    前記分周器によりM/Nに分周された印加パターンを前記PLL内蔵回路に入力したときに前記PLL内蔵回路から出力される出力パターンを前記テスト装置に入力し、前記出力パターンを前記期待パターンと照合することによって前記PLL内蔵回路の評価を行うための前記テスト装置と前記分周器とを備える評価システムであって、
    前記PLL内蔵回路からの出力パターンの周波数が前記テスト装置のシステムクロックの周波数に一致するように、M及びNの値を設定したことを特徴とするPLL内蔵回路の評価システム。
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