JP3916485B2 - 水素含有ガス生成装置の前処理方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水素含有ガス中の一酸化炭素を一酸化炭素変成触媒にて二酸化炭素に変成処理する変成部と、その変成部にて変成処理された変成処理ガス中の一酸化炭素を一酸化炭素選択酸化触媒にて選択酸化する選択酸化部とが、前記変成部からの変成処理ガスを前記選択酸化部に供給するように接続された水素含有ガス生成装置の前処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
かかる水素含有ガス生成装置は、変成部において、水素含有ガス中の一酸化炭素を一酸化炭素変成触媒により二酸化炭素に変成処理し、選択酸化部において、変成部にて変成処理された変成処理ガス中の一酸化炭素を一酸化炭素選択酸化触媒により二酸化炭素に選択酸化して、一酸化炭素濃度の低い水素リッチな水素含有ガスを生成するものであり、変成部と選択酸化部とは、変成部からの変成処理ガスを選択酸化部に供給するように接続してある。そして、水素含有ガス生成装置にて生成された水素含有ガスは、例えば、燃料電池における発電反応用の燃料ガスとして用いる。
【0003】
一酸化炭素変成触媒としては、銅−亜鉛系、鉄−クロム系等の酸化物触媒が用いられるが、このような酸化物触媒は、そのままの状態では活性を有しないため、使用する前に還元処理する必要があり、従って、かかる水素含有ガス生成装置においては、一酸化炭素変成触媒を還元処理する前処理を行う必要がある。
【0004】
従来、かかる水素含有ガス生成装置の前処理方法としては、一酸化炭素変成触媒を還元するための還元処理用ガスを、変成部に供給して、変成部、選択酸化部の順に通流させるようにしていた。つまり、変成部、選択酸化部の順に通流させるという水素含有ガス生成装置における本来のガス処理通流経路を用いて、還元処理用ガスを通流させることにより、一酸化炭素変成触媒を還元処理する前処理を行っていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、選択酸化部における一酸化炭素選択酸化触媒としては、白金、ルテニウム、ロジウム等の貴金属系の触媒が用いられるが、これらの貴金属系の触媒は、水分を吸着すると一酸化炭素選択酸化反応活性が低下するという特性がある。
しかしながら、従来の前処理方法では、変成部にて還元処理に供された還元処理用ガスが選択酸化部を通流することになるが、選択酸化部を通流する還元処理用ガスには、変成部での一酸化炭素変成触媒の還元処理で発生した水蒸気が含まれているので、還元処理用ガスに含まれている水蒸気が、選択酸化部における一酸化炭素選択酸化触媒に吸着されて、一酸化炭素選択酸化触媒の活性が低下するという問題があった。ちなみに、一酸化炭素選択酸化触媒における水分吸着に伴う活性の低下は、不可逆的なものではなく、吸着水分を脱着すると、活性が復帰するものである。しかしながら、一酸化炭素選択酸化触媒に水分が吸着されてしまうと、吸着されている水分が脱着して活性が復帰するまでの間は、所定の一酸化炭素選択酸化反応が行われないため、一酸化炭素選択酸化触媒から水分を脱着させるための処理が必要となり、水素含有ガス生成装置における水素含有ガス生成運転を速やかに開始できない。
【0006】
ちなみに、一酸化炭素選択酸化触媒に水分が吸着されるという不具合を防止するための方策として、例えば、変成部から排出された還元処理用ガスを選択酸化部に供給される前に冷却して、還元処理用ガスに含まれている水蒸気を結露させて除去する水分除去処理を施した後、還元処理用ガスを選択酸化部に供給することが考えられる。しかしながら、この場合は、水分除去といった前処理のための特別の装備が必要となり、前処理のためのコストが高くなるばかりか、還元処理用ガスには飽和水蒸気が含まれているので、一酸化炭素選択酸化触媒に水分が吸着されるのを十分に防止することができない。
あるいは、変成部から排出された還元処理用ガスを選択酸化部に通流させずに迂回させる迂回路を設けることが考えられるが、この場合は、迂回路といった前処理のための特別の装備が必要となり、前処理のためのコストが高くなる。
【0007】
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、低コストで且つ水素含有ガス生成運転を速やかに開始し得るように前処理することができる水素含有ガス生成装置の前処理方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
〔請求項1記載の発明〕
請求項1に記載の水素含有ガス生成装置の前処理方法の特徴は、前記一酸化炭素変成触媒を還元するための還元処理用ガスを、前記選択酸化部を通じて前記変成部に供給して、前記一酸化炭素変成触媒を還元処理することにある。
請求項1に記載の水素含有ガス生成装置の前処理方法によれば、還元処理用ガスを、選択酸化部を通じて変成部に供給して、一酸化炭素変成触媒を還元処理する。
つまり、水素含有ガス生成装置に本来備えられているガス処理通流経路を、逆方向に還元処理用ガスを通流させて、還元処理用ガスを変成部に供給して、一酸化炭素変成触媒を還元処理して、前処理を行うので、前処理を行うための特別な装備が不要である。又、選択酸化部には、一酸化炭素変成触媒の還元処理に供される前の、還元処理にて発生する水蒸気が含まれていない還元処理用ガスが通流するので、水蒸気を吸着することによる一酸化炭素選択酸化触媒の活性の低下を防止することができ、もって、前処理の終了後は、直ぐにでも、水素含有ガス生成運転を開始することができる。
従って、低コストで且つ水素含有ガス生成運転を速やかに開始し得るように前処理することができる水素含有ガス生成装置の前処理方法を提供することができるようになった。
【0009】
しかも、上述のような前処理方法を採用することにより、選択酸化部には、一酸化炭素変成触媒の還元処理に供される前の、還元処理にて発生する水蒸気が含まれていない還元処理用ガスが通流することになり、その還元処理用ガスにて一酸化炭素選択酸化触媒を活性化することが可能となる。
つまり、かかる水素含有ガス生成装置の前処理としては、一酸化炭素変成触媒の還元処理とは別に、一酸化炭素選択酸化触媒を活性化する活性化処理が必要である。そこで、従来では、上述の従来技術において説明したような一酸化炭素変成触媒の還元処理とは別に、一酸化炭素選択酸化触媒を活性化処理するための活性化処理用ガスを変成部に供給して、変成部、選択酸化部の順に通流させて、一酸化炭素選択酸化触媒を活性化処理していた。
これに対して、上述のような本発明の前処理方法を採用することにより、還元処理用ガスにて、一酸化炭素変成触媒の還元処理と一酸化炭素選択酸化触媒の活性化処理を同時に行えるようになり、前処理用のガスとしては還元処理用ガスの一種類だけで済むと共に、前処理のための作業が簡単になるので、前処理に係るコストを一段と低減することができるようになった。
【0010】
〔請求項2記載の発明〕
請求項2に記載の水素含有ガス生成装置の前処理方法の特徴は、炭化水素系の原燃料ガスを水蒸気により、水素ガスと一酸化炭素ガスを含む前記水素含有ガスに改質処理する改質部が設けられ、その改質部と前記変成部とが、前記改質部からの前記水素含有ガスを前記変成部に供給するように接続され、
前記還元処理用ガスを、前記選択酸化部を通じて前記変成部と前記改質部に順次供給して、前記一酸化炭素変成触媒を還元処理することにある。
請求項2に記載の水素含有ガス生成装置の前処理方法によれば、還元処理用ガスを、選択酸化部を通じて変成部と改質部に順次供給して、一酸化炭素変成触媒を還元処理する。
つまり、かかる水素含有ガス生成装置は、炭化水素系の原燃料ガスを水蒸気により、水素ガスと一酸化炭素ガスを含む水素含有ガスに改質処理する改質部を設けて、その改質部と変成部とを、改質部からの水素含有ガスを変成部に供給するように接続して構成する場合がある。このように構成することにより、炭化水素系の原燃料ガスを原料として、一酸化炭素濃度の低い水素含有ガスを生成することが可能となる。そして、このように、改質部を設けた水素含有ガス生成装置において、還元処理用ガスを、選択酸化部を通じて変成部と改質部に順次供給することにより、水蒸気を吸着することによる一酸化炭素選択酸化触媒の活性の低下を防止しながら、一酸化炭素変成触媒を還元処理すると共に、一酸化炭素選択酸化触媒を活性化処理することができるのである。
従って、炭化水素系の原燃料ガスを原料として一酸化炭素濃度の低い水素含有ガスを生成することが可能なように構成した水素含有ガス生成装置において、低コストで且つ水素含有ガス生成運転を速やかに開始し得るように前処理することが可能な前処理方法を提供することができるようになった。
【0011】
〔請求項3記載の発明〕
請求項3に記載の水素含有ガス生成装置の前処理方法の特徴は、炭化水素系の原燃料ガスを脱硫触媒にて脱硫する脱硫部が設けられ、その脱硫部と前記改質部とが、前記脱硫部からの脱硫原燃料ガスを前記改質部に供給するように接続され、
前記還元処理用ガスを、前記選択酸化部を通じて前記変成部と前記改質部と前記脱硫部に順次供給して、前記一酸化炭素変成触媒を還元処理することにある。請求項3に記載の水素含有ガス生成装置の前処理方法によれば、還元処理用ガスを、選択酸化部を通じて変成部と改質部と脱硫部に順次供給して、一酸化炭素変成触媒を還元処理する。
つまり、かかる水素含有ガス生成装置は、硫黄成分を含んだ炭化水素系の原燃料ガスを原料とする場合、改質触媒は硫黄成分により被毒を起こす虞があるので、炭化水素系の原燃料ガスを脱硫触媒にて脱硫する脱硫部を設けて、その脱硫部と改質部とを、脱硫部からの脱硫原燃料ガスを改質部に供給するように接続して構成する場合がある。このように構成することにより、硫黄成分を含んだ原燃料ガスを原料としながらも、改質触媒の硫黄成分による被毒を抑制しながら、一酸化炭素濃度の低い水素含有ガスを生成することが可能となる。
そして、このように脱硫部を設けた水素含有ガス生成装置において、還元処理用ガスを選択酸化部を通じて変成部と改質部と脱硫部に順次供給して前処理するようにすることにより、水蒸気を吸着することによる一酸化炭素選択酸化触媒の活性の低下を防止しながら、一酸化炭素変成触媒を還元処理すると共に、一酸化炭素選択酸化触媒を活性化処理することができるのである。
しかも、上述のような前処理方法を採用すると、一酸化炭素変成触媒の還元処理用ガスが脱硫部を通流することになり、脱硫部の脱硫触媒として、銅系、ニッケル系等の還元処理が必要な触媒を用いる場合、一酸化炭素変成触媒の還元処理用ガスにて脱硫触媒をも還元処理することが可能となる。
従って、硫黄成分を含んだ炭化水素系の原燃料ガスを脱硫して一酸化炭素濃度の低い水素含有ガスを生成することが可能なように構成した水素含有ガス生成装置において、前処理にて、一酸化炭素変成触媒の還元処理及び一酸化炭素選択酸化触媒の活性化処理に加えて脱硫触媒をも還元処理することが可能となり、低コストで且つ水素含有ガス生成運転を速やかに開始し得るように前処理することが可能な前処理方法を提供することができるようになった。
【0012】
【発明の実施の形態】
〔第1実施形態〕
以下、図面に基づいて、本発明の第1実施形態を説明する。
先ず、本発明の前処理方法を実施する水素含有ガス生成装置の構成について説明する。
図1に示すように、水素含有ガス生成装置は、炭化水素系の原燃料ガスを水蒸気により水素ガスと一酸化炭素ガスを含む水素含有ガスに改質処理する改質部1と、その改質部1にて改質処理された改質処理ガス(水素含有ガスに相当する)中の一酸化炭素を一酸化炭素変成触媒にて二酸化炭素に変成処理する変成部2と、その変成部2にて変成処理された変成処理ガス中の一酸化炭素を一酸化炭素選択酸化触媒にて選択酸化する選択酸化部3とを、改質部1からの改質処理ガス(水素含有ガスに相当する)を変成部2に供給し、且つ、変成部2からの変成処理ガスを選択酸化部3に供給するように接続して構成してある。
【0013】
ガス燃料を燃焼させて改質部1を改質処理可能なように加熱する燃焼部5、水素含有ガス生成装置の起動時に変成部2を変成処理可能なように加熱する変成部用ヒータ6、及び、同様に水素含有ガス生成装置の起動時に選択酸化部3を選択酸化処理可能なように加熱する選択酸化部用ヒータ7を設けてある。ちなみに、変成部用ヒータ6及び選択酸化部用ヒータ7は、いずれも電気ヒータにて構成してある。
【0014】
説明を加えると、改質部1から変成部2に改質処理ガスを供給するように、改質部1の出口と変成部2の入口とを改質処理ガス路10にて接続し、変成部2にて変成処理された変成処理ガスを選択酸化部3に供給するように、変成部2の出口と選択酸化部3の入口とを変成処理ガス路11にて接続してある。
【0015】
燃焼部5には、ブロア13からの空気を燃焼用空気として導く空気供給路14と、ガス燃料を導くガス燃料供給路15を接続し、空気供給路14には燃焼部5への空気の供給を断続する空気用開閉弁18を設け、ガス燃料供給路15には燃焼部5へのガス燃料の供給を断続するガス燃料用開閉弁19を設けてある。
ちなみに、水素含有ガス生成装置にて生成された水素含有ガスが燃料ガスとして燃料電池で消費される場合は、ガス燃料供給路15にて導くガス燃料としては、燃料電池から排出された燃料ガスであるオフガスを用いる。
【0016】
改質部1には、ニッケル系、ルテニウム等の貴金属系の触媒をボール状体やハニカム状体等の担体に担持させた改質触媒を通気可能なように充填してある。
そして、改質部1においては、メタンガスを主成分とする都市ガスが原燃料ガスである場合は、例えば650〜750°C程度の改質処理温度の下で、改質触媒の触媒作用により、メタンガスと水蒸気とが下記の反応式にて改質反応して、水素ガスと一酸化炭素ガスを含む水素含有ガスに改質処理される。
【0017】
【化1】
CH4 +H2O→CO+3H2
【0018】
変成部2には、銅−亜鉛系、鉄−クロム系等の酸化物触媒をボール状体やハニカム状体等の担体に担持させた一酸化炭素変成触媒を通気可能なように充填してある。
そして、変成部2においては、200〜300°Cの範囲、例えば250°C程度の変成処理温度の下で、改質処理ガス中の一酸化炭素ガスと水蒸気とが、一酸化炭素変成触媒の触媒作用により下記の反応式にて変成反応して、一酸化炭素ガスが二酸化炭素ガスに変成処理される。
【0019】
【化2】
CO+H2O→CO2 +H2
【0020】
選択酸化部3には、白金、ルテニウム、ロジウム等の貴金属系の触媒をボール状体やハニカム状体等の担体に担持させた一酸化炭素選択酸化触媒を通気可能なように充填してある。
そして、選択酸化部3においては、70〜120°Cの範囲、例えば、100°C程度の選択酸化処理温度の下で、一酸化炭素選択酸化触媒の触媒作用によって、変成処理ガス中に残っている一酸化炭素ガスが選択酸化される。そして、一酸化炭素ガス濃度の低い(例えば10ppm以下)水素リッチな水素含有ガスを生成するように構成してある。
【0021】
そして、本発明においては、後述する前処理を行うための前処理装置Mを設けてある。前処理装置Mは、還元処理用ガスを供給する還元処理用ガス供給源21、その還元処理用ガス供給源21からの還元処理用ガスを導く還元処理用ガス供給路22、その還元処理用ガス供給路22に設けた還元処理用ガス供給側開閉弁23を備えて構成してある。
【0022】
還元処理用ガス供給源21は、窒素ガスに所定の濃度で水素ガスを混合した還元処理用ガスを還元処理用ガス供給路22に供給可能なように構成してあり、例えば、ガスボンベにて構成してある。
【0023】
上述のように構成した水素含有ガス生成装置において、水素含有ガスを生成するための通常運転(水素含有ガス生成運転に相当する)は、以下のように行う。水素含有ガス生成装置を起動するときは、空気用開閉弁18及びガス燃料用開閉弁19を開弁して燃焼部5を燃焼させて、改質部1を予め設定した改質処理温度になるように加熱し、変成部用ヒータ6を加熱作動させて、変成部2を予め設定した変成処理温度になるように加熱し、並びに、選択酸化部用ヒータ7を加熱作動させて、選択酸化部3を予め設定した選択酸化処理温度になるように加熱する。
【0024】
そして、改質部1が改質処理温度になり、変成部2が変成処理温度になり、並びに、選択酸化部3が選択酸化処理温度になると、改質部1の入口1iから原燃料ガスと水蒸気との混合気を改質部1に供給する。すると、原燃料ガスと水蒸気との混合気が改質部1を通流して改質処理され、その改質処理ガスが改質処理ガス路10を通じて変成部2を通流して変成処理され、その変成処理ガスが変成処理ガス路11を通じて選択酸化部3を通流して選択酸化処理され、そのように酸化処理されて一酸化炭素濃度が低くなった水素含有ガスが生成ガスとして選択酸化部3の出口3oから排出されるというように、ガス処理通流経路にてガスを通流させて、水素含有ガスを生成する。
【0025】
通常運転中は、改質部1における改質反応は吸熱反応であるため、改質部1を改質処理温度に維持するように燃焼部5の燃焼は継続するが、変成部2における変成反応及び選択酸化部3における選択酸化反応は発熱反応であるため、変成部用ヒータ6及び選択酸化部用ヒータ7の加熱作動は停止させて、冷却用流体を通流させるように構成した冷却用流体通流部やファン等の冷却手段により、変成部2と選択酸化部3をそれぞれ変成処理温度、選択酸化処理温度に維持する。
【0026】
以下、水素含有ガス生成装置の前処理方法について説明する。
水素含有ガス生成装置の前処理は、一酸化炭素変成触媒を還元するための還元処理用ガスを、選択酸化部3を通じて変成部2と改質部1に順次供給して、還元処理用ガスにて、選択酸化部3の一酸化炭素選択酸化触媒を活性化すると共に、変成部2の一酸化炭素変成触媒を還元処理することにより行う。
【0027】
前処理装置Mを用いて上述した前処理方法を行うときの操作方法について説明する。
前処理装置Mの還元処理用ガス供給路22の先端を、選択酸化部3の出口3oに接続する。
そして、空気用開閉弁18及びガス燃料用開閉弁19を開弁して燃焼部5を燃焼させて、改質部1を、予め設定した前処理用温度になるように加熱し、変成部用ヒータ6を加熱作動させて、変成部2を予め設定した還元処理用温度になるように加熱し、並びに、選択酸化部用ヒータ7を加熱作動させて、選択酸化部3を予め設定した活性化処理用温度になるように加熱する。尚、前処理用温度は、前処理において改質部1を通流する還元処理用ガスに含まれる水蒸気の結露を防止可能な温度に設定する。
【0028】
そして、改質部1が前処理用温度になり、変成部2が還元処理用温度になり、並びに、選択酸化部3が活性化処理用温度になると、還元処理用ガス供給側開閉弁23を開弁して、図1において破線矢印にて示すように、還元処理用ガスを還元処理用ガス供給路22を通じて、所定の流量で選択酸化部3の出口3oに供給して、還元処理用ガスを、選択酸化部3、変成処理ガス路11、変成部2、改質処理ガス路10、改質部1を順次経る経路、即ち、水素含有ガス生成装置に本来備えられているガス処理通流経路を逆方向に通流させて、改質部1の入口1iから排出させ、所定時間が経過すると、還元処理用ガス供給側開閉弁23を閉弁して前処理を終了する。
【0029】
つまり、前処理では、選択酸化部3を通流する還元処理用ガスにて一酸化炭素選択酸化触媒を活性化処理し、選択酸化部3から流出して変成部2を通流する還元処理用ガスにて一酸化炭素変成触媒を還元処理する。尚、変成部2から流出して改質部1を通流する還元処理用ガスには、変成部2における一酸化炭素変成触媒との還元反応により発生した水蒸気が含まれているが、改質部1は前処理用温度に加熱されていて、還元処理用ガス中の水蒸気が結露することがないので、改質触媒が結露水を吸収して活性が低下するといった不具合の発生を防止することができる。
【0030】
上述した活性化処理用温度は、例えば、80〜250°Cの範囲で設定する。
【0031】
還元処理用ガス中の水素濃度が1%増加すると、還元反応に伴って、一酸化炭素変成触媒の温度が25°C程度高くなる傾向があり、一方、一酸化炭素変成触媒が還元反応によって昇温したとしても、変成処理温度以下に止めておくのが、一酸化炭素変成触媒の劣化を防止する上で好ましい。
そこで、変成処理温度を例えば250°Cに設定する場合は、還元処理用温度を200°Cに設定し、還元処理用ガス中の水素濃度は、2%以下の所定の濃度、例えば1%に設定する。
【0032】
尚、上述した前処理は、水素含有ガス生成装置の出荷前に行うのに適しているが、水素含有ガス生成装置をユーザーに設置した後でも行うことができる。その場合は、原燃料ガスを改質部1に供給するために改質部1の入口1iに接続した原燃料ガス供給路、及び、選択酸化部3の出口3oから排出される生成ガスを消費先に供給するために選択酸化部3の出口3oに接続した生成ガス路を外して行うことになる。
【0033】
以下、本発明の第2及び第4の各実施形態を説明するが、各実施形態において、第1実施形態と同じ構成要素や同じ作用を有する構成要素については、重複説明を避けるために、同じ符号を付すことにより説明を省略し、主として、第1実施形態と異なる構成を説明する。
【0034】
〔第2実施形態〕
以下、第2実施形態を説明する。
図2に示すように、第2実施形態では、上記の第1実施形態において説明した水素含有ガス生成装置の構成から、改質部1を省略して、水素含有ガス供給源(図示省略)からの水素含有ガスを変成部2の入口2iに供給するように構成した以外は、第1実施形態と同様に構成してある。尚、水素含有ガス供給源としては、例えば、都市ガス、プロパン、ブタン、メタノール、エタノール等の炭化水素系の原料を水蒸気にて水素含有ガスに改質処理するように構成した改質装置を用いる。あるいは、供給される炭化水素系の原料の一部を燃焼用空気にて燃焼させると共に、その燃焼熱により炭化水素系の原料を熱分解させて水素含有ガスを生成するように構成した部分燃焼装置を用いる。
【0035】
つまり、第2実施形態の水素含有ガス生成装置は、水素含有ガス中の一酸化炭素を一酸化炭素変成触媒にて二酸化炭素に変成処理する変成部2と、その変成部2にて変成処理された変成処理ガス中の一酸化炭素を一酸化炭素選択酸化触媒にて選択酸化する選択酸化部3とを、変成部2からの変成処理ガスを選択酸化部3に供給するように接続して構成してある。
【0036】
前処理装置Mは、上記の第1実施形態と同様に構成してある。
【0037】
上述のように構成した水素含有ガス生成装置において、水素含有ガスを生成するための通常運転は、以下のように行う。
水素含有ガス生成装置を起動するときは、変成部用ヒータ6を加熱作動させて、変成部2を変成処理温度になるように加熱し、並びに、選択酸化部用ヒータ7を加熱作動させて、選択酸化部3を選択酸化処理温度になるように加熱する。
そして、変成部2が変成処理温度になり、並びに、選択酸化部3が選択酸化処理温度になると、変成部2の入口2iから水素含有ガスを供給して、通常運転を開始する。つまり、水素含有ガスが変成部2を通流して変成処理され、その変成処理ガスが変成処理ガス路11を通じて選択酸化部3を通流して選択酸化され、そのように選択酸化処理されて一酸化炭素濃度が低くなった水素含有ガスが生成ガスとして選択酸化部3の出口3oから排出されるというように、ガス処理通流経路にてガスを通流させて、水素含有ガスを生成する。
【0038】
通常運転中は、変成部用ヒータ6及び選択酸化部用ヒータ7の加熱作動は停止させて、冷却用流体を通流させるように構成した冷却用流体通流部やファン等の冷却手段により、変成部2と選択酸化部3をそれぞれ変成処理温度、選択酸化処理温度に維持する。
【0039】
以下、上記のように構成した水素含有ガス生成装置の前処理方法について説明する。
水素含有ガス生成装置の前処理は、一酸化炭素変成触媒を還元するための還元処理用ガスを、選択酸化部3を通じて変成部2に供給して、還元処理用ガスにて、選択酸化部3の一酸化炭素選択酸化触媒を活性化すると共に、変成部2の一酸化炭素変成触媒を還元処理することにより行う。
前処理装置Mを用いて上述した前処理方法を行うときの操作方法は、上記の第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0040】
〔第3実施形態〕
以下、第3実施形態を説明する。
図3に示すように、第3実施形態では、上記の第1実施形態において説明した水素含有ガス生成装置の構成において、更に、炭化水素系の原燃料ガスを脱硫触媒にて脱硫する脱硫部26と、改質処理用の水蒸気を生成する水蒸気生成部4とを設け、脱硫部26からの脱硫原燃料ガスを改質部1に供給するように、脱硫部26と改質部1とを脱硫原燃料ガス路28にて接続し、水蒸気生成部4からの水蒸気を脱硫原燃料ガス路28に供給するように、水蒸気生成部4と脱硫原燃料ガス路28とを水蒸気供給路9にて接続し、その水蒸気供給路9には改質部への水蒸気の供給を断続する水蒸気用開閉弁17を設けてある。
つまり、改質触媒は硫黄成分により被毒を起こす虞があるので、原燃料ガスに硫黄成分が含まれている場合は、脱硫部26を設けて、その脱硫部26にて脱硫した脱硫原燃料ガスを改質部1に供給する。ちなみに、原燃料ガスの一例としての都市ガスには、付臭剤等の硫黄成分が含まれている。
【0041】
脱硫部26について説明を加えると、脱硫部26には、銅系、ニッケル系等の酸化物触媒をボール状体やハニカム状体等の担体に担持させた脱硫触媒を通気可能なように充填してある。
そして、脱硫部26においては、例えば150〜270°Cの範囲の脱硫処理温度で、原燃料ガス中の硫黄化合物が水素化され、その水素化物が吸着されて脱硫される。ちなみに、脱硫部26における脱硫反応は発熱反応である。脱硫部26には、水素含有ガス生成装置の起動時に脱硫部26を脱硫処理可能なように加熱する脱硫部用ヒータ27を設けてある。ちなみに、脱硫部用ヒータ27は、変成部用ヒータ6等と同様に、電気ヒータにて構成してある。
そして、脱硫部26から改質部1に脱硫原燃料ガスを供給するように、脱硫部26の出口と改質部1の入口とを脱硫原燃料ガス路28にて接続してある。
【0042】
前処理装置Mは、上記の第1実施形態と同様に構成してある。
【0043】
上述のように構成した水素含有ガス生成装置において、水素含有ガスを生成するための通常運転は、以下のように行う。
水素含有ガス生成装置を起動するときは、脱硫部用ヒータ27を加熱作動させて、脱硫部26を予め設定した脱硫処理温度になるように加熱し、空気用開閉弁18及びガス燃料用開閉弁19を開弁して燃焼部5を燃焼させて、改質部1を改質処理温度になるように加熱し、変成部用ヒータ6を加熱作動させて、変成部2を変成処理温度になるように加熱し、並びに、選択酸化部用ヒータ7を加熱作動させて、選択酸化部3を選択酸化処理温度になるように加熱する。
【0044】
そして、脱硫部26が脱硫処理温度になり、改質部1が改質処理温度になり、変成部2が変成処理温度になり、並びに、選択酸化部3が選択酸化処理温度になると、脱硫部26の入口から原燃料ガスを供給し、水蒸気用開閉弁17を開弁して、改質部1の入口から脱硫原燃料ガスと水蒸気との混合気を改質部1に供給する。すると、脱硫原燃料ガスと水蒸気との混合気が改質部1を通流して改質処理され、その改質処理ガスが改質処理ガス路10を通じて変成部2を通流して変成処理され、その変成処理ガスが変成処理ガス路11を通じて選択酸化部3を通流して選択酸化処理され、そのように酸化処理されて一酸化炭素濃度が低くなった水素含有ガスが生成ガスとして選択酸化部3の出口3oから排出されるというように、ガス処理通流経路にてガスを通流させて、水素含有ガスを生成する。
【0045】
通常運転中は、改質部1における改質反応は吸熱反応であるため、改質部1を改質処理温度に維持するように燃焼部5の燃焼は継続するが、脱硫部26における脱硫反応、変成部2における変成反応及び選択酸化部3における選択酸化反応は発熱反応であるため、脱硫部用ヒータ27、変成部用ヒータ6及び選択酸化部用ヒータ7の加熱作動は停止させて、冷却用流体を通流させるように構成した冷却用流体通流部やファン等の冷却手段により、変成部2と選択酸化部3をそれぞれ変成処理温度、選択酸化処理温度に維持する。
【0046】
以下、上記のように構成した水素含有ガス生成装置の前処理方法について説明する。
水素含有ガス生成装置の前処理は、一酸化炭素変成触媒を還元するための還元処理用ガスを、選択酸化部3を通じて変成部2と改質部1と脱硫部26に順次供給して、その還元処理用ガスにて、選択酸化部3の一酸化炭素選択酸化触媒の活性化処理、変成部2の一酸化炭素変成触媒の還元処理、並びに、脱硫部26の脱硫触媒の還元処理をすることにより行う。
【0047】
前処理装置Mを用いて上述した前処理方法を行うときの操作方法について説明する。
前処理装置Mの還元処理用ガス供給路22の先端を、選択酸化部3の出口3oに接続する。
そして、水蒸気用開閉弁17を閉弁し、次いで、空気用開閉弁18及びガス燃料用開閉弁19を開弁して燃焼部5を燃焼させて、改質部1を、予め設定した前処理用温度になるように加熱し、脱硫部用ヒータ27を加熱作動させて、脱硫部26を予め設定した脱硫部用の還元処理温度になるように加熱し、変成部用ヒータ6を加熱作動させて、変成部2を予め設定した変成部用の還元処理用温度になるように加熱し、並びに、選択酸化部用ヒータ7を加熱作動させて、選択酸化部3を予め設定した活性化処理用温度になるように加熱する。
【0048】
そして、改質部1が前処理用温度になり、脱硫部26が脱硫部用の還元処理温度になり、変成部2が変成部用の還元処理用温度になり、並びに、選択酸化部3が活性化処理用温度になると、還元処理用ガス供給側開閉弁23を開弁して、図3において破線矢印にて示すように、還元処理用ガスを還元処理用ガス供給路22を通じて、所定の流量で選択酸化部3の出口3oに供給して、還元処理用ガスを、選択酸化部3、変成処理ガス路11、変成部2、改質処理ガス路10、改質部1、脱硫原燃料ガス路28、脱硫部26を順次経る経路、即ち、水素含有ガス生成装置に本来備えられているガス処理通流経路を逆方向に通流させて、脱硫部26の入口26iから排出させ、所定時間が経過すると、還元処理用ガス供給側開閉弁23を閉弁して前処理を終了する。
【0049】
つまり、前処理では、選択酸化部3を通流する還元処理用ガスにて一酸化炭素選択酸化触媒を活性化処理し、選択酸化部3から流出して変成部2を通流する還元処理用ガスにて一酸化炭素変成触媒を還元処理し、改質部1から流出して脱硫部26を通流する還元処理ガスにて脱硫触媒を還元処理する。尚、変成部2から流出して改質部1を通流する還元処理用ガスには、変成部2における一酸化炭素変成触媒との還元反応により発生した水蒸気が含まれているが、第1実施例と同様に、改質部1は前処理用温度に加熱されていて、還元処理用ガス中の水蒸気が結露することがないので、改質触媒が結露水を吸収して活性が低下するといった不具合の発生を防止することができる。
【0050】
〔第4実施形態〕
以下、第4実施形態を説明する。
図4に示すように、第4実施形態においては、上記の第1実施形態において説明した水素含有ガス生成装置の構成において、更に、改質処理用の水蒸気を供給するための水蒸気生成部4を設け、改質部1の入口1iに炭化水素系の原燃料ガスを供給する原燃料ガス供給路8を接続し、その原燃料ガス供給路8を通流する原燃料ガスに水蒸気生成部4で生成された水蒸気を混合すべく、水蒸気生成部4からの水蒸気を導く水蒸気供給路9を原燃料ガス供給路8に接続し、選択酸化部3の出口3oから排出される生成ガスを消費先に供給すべく、生成ガス路12を選択酸化部3の出口3oに接続してある。
【0051】
原燃料ガス供給路8には、改質部1への原燃料ガスの供給を断続する原燃料ガス用開閉弁16を設け、水蒸気供給路9には、改質部1への水蒸気の供給を断続する水蒸気用開閉弁17を設け、生成ガス路12には、水素含有ガス生成装置からの生成ガスの流出を断続する生成ガス用開閉弁20を設けてある。
【0052】
前処理装置Mは、上記の第1実施形態の構成に加えて、還元処理用ガスを排出する還元処理用ガス排出路24、及び、その還元処理用ガス排出路24に設けた還元処理用ガス排出側開閉弁25を備えて構成してある
そして、還元処理用ガス供給路22は、生成ガス路12において生成ガス用開閉弁20よりも上流側の箇所に接続し、還元処理用ガス排出路24は、原燃料ガス供給路8において原燃料ガス用開閉弁16よりも下流側の箇所に接続してある。
【0053】
上述のように構成した水素含有ガス生成装置において、通常運転は以下のように行う。
尚、後述する前処理を行うとき以外は、還元処理用ガス供給側開閉弁23及び還元処理用ガス排出側開閉弁25は常時閉弁状態に維持されている。
詳細な説明は省略するが、通常運転を停止するときは、原燃料ガス供給路8、改質部1、改質処理ガス路10、変成部2、変成処理ガス路11、選択酸化部3、生成ガス路12を順次経るガス処理通流経路内のガスを保管用ガスにて置換した状態で、原燃料ガス用開閉弁16、水蒸気用開閉弁17及び生成ガス用開閉弁20を閉弁して、ガス処理通流経路内に保管用ガスを封入し、ガス処理通流経路内に外気が浸入するのを防止して、改質触媒、一酸化炭素変成触媒及び一酸化炭素選択酸化触媒の各触媒の酸化を防止している。保管用ガスとしては、窒素、二酸化炭素、アルゴン等の不活性ガスや、原燃料ガス等、各触媒の活性を低下させることのないガスを用いる。
【0054】
第1実施形態と同様に起動処理を行って、改質部1が改質処理温度になり、変成部2が変成処理温度になり、並びに、選択酸化部3が選択酸化処理温度になると、原燃料ガス用開閉弁16、水蒸気用開閉弁17及び生成ガス用開閉弁20を開弁して、改質部1への原燃料ガス及び水蒸気の供給を開始して、水素含有ガスを生成する通常運転を開始する。つまり、原燃料ガスと水蒸気との混合気が改質部1を通流して改質処理され、その改質処理ガスが改質処理ガス路10を通じて変成部2を通流して変成処理され、その変成処理ガスが変成処理ガス路11を通じて選択酸化部3を通流して選択酸化処理され、そのように酸化処理されて一酸化炭素濃度が低くなった水素含有ガスが生成ガスとして生成ガス路12を通じて排出されるというように、ガス処理通流経路にてガスを通流させて、水素含有ガスを生成する。
【0055】
以下、水素含有ガス生成装置の前処理方法について説明する。
水素含有ガス生成装置の前処理は、第1実施形態と同様に、一酸化炭素変成触媒を還元するための還元処理用ガスを、選択酸化部3を通じて変成部2と改質部1に順次供給して、還元処理用ガスにて、選択酸化部3の一酸化炭素選択酸化触媒を活性化すると共に、変成部2の一酸化炭素変成触媒を還元処理することにより行う。
【0056】
前処理装置Mを用いて上述した前処理方法を行うときの操作方法について説明する。
原燃料ガス用開閉弁16、水蒸気用開閉弁17、生成ガス用開閉弁20、還元処理用ガス供給側開閉弁23及び還元処理用ガス排出側開閉弁25を閉弁した状態で、空気用開閉弁18及びガス燃料用開閉弁19を開弁して燃焼部5を燃焼させて、改質部1を前処理用温度になるように加熱し、変成部用ヒータ6を加熱作動させて、変成部2を還元処理用温度になるように加熱し、並びに、選択酸化部用ヒータ7を加熱作動させて、選択酸化部3を活性化処理用温度になるように加熱する。
【0057】
そして、改質部1が前処理用温度になり、変成部2が還元処理用温度になり、並びに、選択酸化部3が活性化処理用温度になると、還元処理用ガス供給側開閉弁23及び還元処理用ガス排出側開閉弁25を開弁して、図4において破線矢印にて示すように、還元処理用ガスを還元処理用ガス供給路22を通じて、所定の流量で生成ガス路12に供給して、還元処理用ガスを、生成ガス路12、選択酸化部3、変成処理ガス路11、変成部2、改質処理ガス路10、改質部1、原燃料ガス供給路8を順次経る経路、即ち、水素含有ガス生成装置に本来備えられているガス処理通流経路を逆方向に通流させて、還元処理用ガス排出路24から排出させ、所定時間が経過すると、還元処理用ガス供給側開閉弁23及び還元処理用ガス排出側開閉弁25を閉弁して前処理を終了する。
【0058】
水素含有ガス生成装置を前処理装置Mと共にユーザーに設置することにより、例えばメンテナンス時に前処理装置Mを用いて上述した前処理を行うことが可能である。この場合は、運転中に一酸化炭素変成触媒が酸化したり一酸化炭素選択酸化触媒の活性が低下したりして、水素含有ガス生成能力が低下しても、適宜、前処理装置Mを用いて上述した前処理を行うことにより、一酸化炭素変成触媒を還元処理すると共に一酸化炭素選択酸化触媒を活性化処理して、水素含有ガス生成能力を向上させることが可能となる。
【0059】
〔別実施形態〕
次に別実施形態を説明する。
(イ) 上記の第4実施形態において、還元処理用ガス排出路24を改質処理ガス路10に接続すると共に、改質処理ガス路10において還元処理用ガス排出路24の接続箇所よりも上流側の部分に開閉弁を設けて、前処理を行うときは、前記開閉弁を閉弁して、還元処理用ガスを改質部1の手前で排出させて、改質部1を通流させないように構成しても良い。この場合は、前処理中は、燃焼部5を燃焼させて改質部1を前処理用温度に加熱する操作が不要となる。
【0060】
(ロ) 上記の第4実施形態において、原燃料ガス用開閉弁16、水蒸気用開閉弁17、生成ガス用開閉弁20、還元処理用ガス供給側開閉弁23及び還元処理用ガス排出側開閉弁25それぞれの開閉制御、空気用開閉弁18及びガス燃料用開閉弁19の開閉制御を含む燃焼部5の燃焼作動の制御、並びに、変成部用ヒータ6及び選択酸化部用ヒータ7それぞれの加熱作動の制御を、上述した前処理方法のように実行する前処理用制御部と、その前処理用制御部に前処理の開始を指令する指令部を設けて、前処理における制御を自動的に実行するように構成しても良い。
【0061】
(ハ) 上記の第4実施形態の構成に、更に、脱硫部26を追加して、その脱硫部26の入口に原燃料ガス供給路8を接続し、脱硫部26と改質部1とを脱硫原燃料ガス路28にて接続し、水蒸気供給路9を脱硫原燃料ガス路28に接続して、水素含有ガス生成装置を構成し、その水素含有ガス生成装置に第4実施形態と同様の前処理装置Mを設けても良い。尚、前処理装置Mの還元処理用ガス排出路24は、第4実施形態と同様に、原燃料ガス供給路8において原燃料ガス用開閉弁16よりも下流側の箇所に接続する。
【0062】
(ニ) 上記の各実施形態において、改質処理ガス路10や変成処理ガス路11に、通流するガスの温度を調節するための熱交換器等を設けても良い。
【0063】
(ホ) 還元処理用ガスの組成は、上記の実施形態において例示した組成に限定されるものではない。例えば、窒素ガス以外のアルゴンガス、ヘリウムガス等の不活性ガスに、水素又は一酸化炭素等の還元用ガスを所定の濃度で混合したガス、あるいは、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス等のうちの2種以上を含む不活性ガスに、水素又は一酸化炭素等の還元用ガスを所定の濃度で混合したガスを用いることが可能である。
【0064】
(ヘ) 上記の第1、第2及び第4の各実施形態において、都市ガスを原燃料ガスとして用いる場合は、都市ガスには硫黄成分から成る付臭剤が含まれているので、都市ガスを脱硫処理する脱硫器を設けて、その脱硫器で脱硫した都市ガスを原料とするのが好ましい。
原燃料ガスの具体例としては、都市ガスに限定されるものではなく、プロパン、ブタン等、種々の炭化水素系のガスを用いることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る水素含有ガス生成装置の系統図
【図2】第2実施形態に係る水素含有ガス生成装置の系統図
【図3】第3実施形態に係る水素含有ガス生成装置の系統図
【図4】第4実施形態に係る水素含有ガス生成装置の系統図
【符号の説明】
1 改質部
2 変成部
3 選択酸化部
26 脱硫部

Claims (3)

  1. 水素含有ガス中の一酸化炭素を一酸化炭素変成触媒にて二酸化炭素に変成処理する変成部と、その変成部にて変成処理された変成処理ガス中の一酸化炭素を一酸化炭素選択酸化触媒にて選択酸化する選択酸化部とが、前記変成部からの変成処理ガスを前記選択酸化部に供給するように接続された水素含有ガス生成装置の前処理方法であって、
    前記一酸化炭素変成触媒を還元するための還元処理用ガスを、前記選択酸化部を通じて前記変成部に供給して、前記一酸化炭素変成触媒を還元処理する水素含有ガス生成装置の前処理方法。
  2. 炭化水素系の原燃料ガスを水蒸気により、水素ガスと一酸化炭素ガスを含む前記水素含有ガスに改質処理する改質部が設けられ、その改質部と前記変成部とが、前記改質部からの前記水素含有ガスを前記変成部に供給するように接続され、
    前記還元処理用ガスを、前記選択酸化部を通じて前記変成部と前記改質部に順次供給して、前記一酸化炭素変成触媒を還元処理する請求項1記載の水素含有ガス生成装置の前処理方法。
  3. 炭化水素系の原燃料ガスを脱硫触媒にて脱硫する脱硫部が設けられ、その脱硫部と前記改質部とが、前記脱硫部からの脱硫原燃料ガスを前記改質部に供給するように接続され、
    前記還元処理用ガスを、前記選択酸化部を通じて前記変成部と前記改質部と前記脱硫部に順次供給して、前記一酸化炭素変成触媒を還元処理する請求項2記載の水素含有ガス生成装置の前処理方法。
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