JP3995503B2 - 改質装置の起動方法及び改質装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、炭化水素系の原燃料ガスと水蒸気を供給して、原燃料ガスを水蒸気により水素含有ガスに改質処理する処理室が設けられ、その処理室に原燃料ガスを充填した状態で運転を停止するように構成された改質装置の起動方法、及び、炭化水素系の原燃料ガスと水蒸気を供給して、原燃料ガスを水蒸気により水素含有ガスに改質処理する処理室が設けられ、その処理室に原燃料ガスを充填した状態で運転を停止するように構成された改質装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
かかる改質装置は、処理室にて炭化水素系の原燃料ガスを水蒸気により水素含有ガスに改質処理するものであり、生成水素含有ガスは、例えば、燃料電池における発電反応用の燃料ガスとして用いる。
処理室において原燃料ガスと水蒸気とを改質反応させるための改質触媒としては、ニッケル系、ルテニウム等の貴金属系の触媒が用いられるが、改質装置を停止して保管する場合、処理室内に水蒸気が残留していると、残留水蒸気が温度低下により結露して、結露水が改質触媒に吸収されて、改質触媒の活性が低下する虞があり、又、処理室内に空気が浸入すると、改質触媒が酸化されて活性が低下する虞がある。
【0003】
そこで、改質装置においては、停止するときに、処理室内のガスを、窒素、二酸化炭素、アルゴン等の不活性ガスにて置換して、処理室内に不活性ガスを充填するように構成したものがあった。
しかしながら、この改質装置では、処理室内に不活性ガスを充填するために、不活性ガスを供給するための不活性ガス供給設備(例えば、ガスボンベ)を設置する必要があり、この不活性ガス供給設備の維持管理に係わるメンテナンス作業が煩雑であるという問題があった。
そこで、かかる問題を解消するために、改質装置において、停止するときは、処理室内のガスを水素含有ガス生成用の原料である原燃料ガスにて置換して、処理室内に原燃料ガスを充填した状態で運転を停止するように構成したものがある。この改質装置では、不活性ガス供給設備を不要にしながら、改質触媒が結露水を吸収したり、外部から処理室内に空気が浸入して改質触媒が酸化されるといった問題を解消することが可能となる。
【0004】
そして、このように処理室内に原燃料ガスを充填した状態で運転を停止するように構成した改質装置を起動するときは、従来では、処理室内に原燃料ガスを充填したままで、処理室を原燃料ガスの改質処理が可能な温度にまで昇温して、続いて、処理室へ原燃料ガスと水蒸気を供給して、改質処理を開始するようにしていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来では、処理室内に原燃料ガスを充填したままで、処理室を原燃料ガスの改質処理が可能な温度に昇温させるまでの間に、処理室に充填されている原燃料ガスが熱分解を起こして炭素が析出し、その析出炭素が改質触媒に付着して改質性能の低下を来したり、改質装置におけるガス処理経路を閉塞したりするといった不具合が生じるため、改質装置の耐久性が低いという問題があった。
【0006】
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、耐久性を損なうことなく起動可能な改質装置の起動方法及び改質装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
〔請求項1記載の発明〕
請求項1に記載の改質装置の起動方法の特徴は、起動指令に基づいて、加熱部にて前記処理室を加熱する加熱処理を開始し、前記処理室の温度が、原燃料ガスの熱分解による炭素の析出を防止でき且つ水蒸気の結露を防止できる温度(以下、非結露非炭素析出温度と称する場合がある)に昇温すると、前記処理室へ水蒸気を供給して、前記処理室の内部の原燃料ガスを水蒸気にて置換する水蒸気置換処理と、前記処理室の温度が改質処理可能な温度(以下、改質処理可能温度と称する場合がある)に昇温すると、前記処理室へ原燃料ガス及び水蒸気を供給する処理を順次行うことにある。
請求項1に記載の起動方法によれば、起動指令に基づいて、加熱部にて前記処理室を加熱する加熱処理を開始し、先ず、処理室の温度が非結露非炭素析出温度に昇温すると、処理室へ水蒸気を供給して、処理室の内部の原燃料ガスを水蒸気にて置換する水蒸気置換処理を行って、処理室の内部の原燃料ガスを、水蒸気の結露及び原燃料ガスからの炭素の析出を防止しながら、水蒸気にて置換して、処理室の温度が改質処理可能温度に昇温するまでの間は、処理室の内部を水蒸気にてその結露が防止される状態で充填する状態に維持する。
次いで、処理室の温度が、改質処理可能温度に昇温すると、処理室へ原燃料ガス及び水蒸気を供給する処理を行って、原燃料ガスの改質処理を開始する。
つまり、処理室内に原燃料ガスを充填して停止した改質装置を起動するときに、処理室内に原燃料ガスを充填したままで、処理室の温度を改質処理可能温度にまで昇温させてしまうと、原燃料ガスから炭素が析出し、かといって、原燃料ガスからの炭素の析出を防止するために、処理室の温度が非結露非炭素析出温度に昇温するまでに、水蒸気の供給を開始すると、水蒸気が結露する。
そこで、処理室内に原燃料ガスを充填して停止させた改質装置を起動する処理として、上述のように、各処理を順次行うことにより、改質装置を起動するときに、水蒸気の結露及び停止時に充填していた原燃料ガスからの炭素の析出を防止しながら、処理室へ原燃料ガス及び水蒸気の供給を開始して、改質処理を開始することができるのである。
従って、耐久性を損なうことなく起動可能な改質装置の起動方法を提供することができるようになった。
【0008】
〔請求項2記載の発明〕
請求項2に記載の改質装置の起動方法の特徴は、前記処理室の温度が、原燃料ガスの熱分解による炭素の析出を防止でき且つ水蒸気の結露を防止できる温度に昇温するまでの間、及び、前記水蒸気置換処理を行う間は、前記加熱部の温度を設定温度以下となるように運転することにある。
請求項2に記載の起動方法によれば、加熱部により処理室の加熱を開始してから、処理室の温度が非結露非炭素析出温度に昇温し、続いて、処理室へ水蒸気を供給して処理室の内部の原燃料ガスを水蒸気にて置換する水蒸気置換処理が終了するまでの間は、加熱部の温度を設定温度以下となるように運転する。
つまり、処理室の温度を改質処理可能温度にまで昇温する起動運転に要する起動時間は短くすることが好ましい。一方、加熱部にて処理室を加熱するにしても、処理室の各部で加熱部による加熱に対する応答性が異なるので、起動運転の間は、処理室の各部で温度が異なり易くなっている。又、水蒸気置換処理を開始する時点を判断するために、処理室の温度を検出するが、そのように処理室の温度を検出するにしても、処理室の全域の温度を検出することは実用的には困難であるので、処理室の所定の箇所の温度を検出することになる。
そして、起動時間を短くするには、加熱部の加熱力を大きくして運転することになるが、その場合に、処理室の温度だけを検出して、処理室の温度が非結露非炭素析出温度に昇温すると水蒸気置換処理を開始するようにすると、加熱部の加熱力が大きいことにより、処理室における温度検出箇所の温度が非結露非炭素析出温度に昇温するまでの間に、処理室における温度検出箇所以外の箇所の温度が炭素の析出を防止できる温度(以下、非炭素析出温度と称する場合がある)よりも高くなる虞がある。
一方、処理室における温度検出箇所の温度が非結露非炭素析出温度に昇温するまでの間に、処理室における温度検出箇所以外の箇所の温度が非炭素析出温度よりも高くなるのを回避するために、加熱部の加熱力を小さくして運転すると、起動時間が長くなる。
そこで、加熱部により処理室を加熱して起動するときに、設定温度を適宜に設定し、処理室の全域中の最高温度以上であることが明確な加熱部の温度を検出し、その加熱部の温度が設定温度以下となるように加熱部の加熱力を調節して運転するようにすると、処理室の全域又は略全域にわたって非炭素析出温度よりも高くなることを回避しながら、加熱部の加熱力を極力大きくして、処理室の温度が改質処理可能温度になるように起動することが可能となるのである。
従って、耐久性を損なうことなく起動可能で、しかも起動時間を短縮し得る改質装置の起動方法を提供することができるようになった。
【0009】
〔請求項3記載の発明〕
請求項3に記載の改質装置の特徴構成は、前記処理室の温度を検出する処理室温度検出手段と、前記処理室への水蒸気の供給を断続する水蒸気断続手段と、前記処理室への原燃料ガスの供給を断続する原燃料ガス断続手段とが設けられ、
改質装置の運転を管理する制御手段が、起動指令に基づいて、加熱部にて前記処理室を加熱する加熱処理を開始し、前記処理室温度検出手段の検出情報に基づいて、前記処理室の温度が、原燃料ガスの熱分解による炭素の析出を防止でき且つ水蒸気の結露を防止できる温度に昇温すると、前記処理室へ水蒸気を供給して、前記処理室の内部の原燃料ガスを水蒸気にて置換する水蒸気置換処理と、前記処理室の温度が改質処理可能な温度に昇温すると、前記処理室へ原燃料ガス及び水蒸気を供給する処理を順次行うように、前記水蒸気断続手段及び前記原燃料ガス断続手段の作動を制御するように構成されていることにある。
請求項3に記載の特徴構成によれば、制御手段は、起動指令に基づいて、加熱部にて前記処理室を加熱する加熱処理を開始し、次いで、処理室温度検出手段の検出情報に基づいて、処理室の温度が非結露非炭素析出温度に昇温すると、処理室へ水蒸気を供給して、処理室の内部の原燃料ガスを水蒸気にて置換する水蒸気置換処理と、処理室の温度が改質処理可能温度に昇温すると、処理室へ原燃料ガス及び水蒸気を供給する処理を順次行うので、処理室の内部に充填されていた原燃料ガスが、水蒸気の結露及び原燃料ガスからの炭素の析出が防止されながら、水蒸気にて置換され、処理室の温度が改質処理可能温度に昇温するまでの間は、処理室の内部が水蒸気にてその結露が防止される状態で充填され、次いで、処理室の温度が、改質処理可能温度に昇温すると、処理室へ原燃料ガス及び水蒸気が供給されて、原燃料ガスの改質処理が開始される。
つまり、水蒸気の結露及び停止時に充填されて原燃料ガスからの炭素の析出が防止されながら、処理室へ原燃料ガス及び水蒸気の供給が開始されて、改質処理が開始される。
従って、耐久性を損なうことなく起動可能な改質装置を提供することができるようになった。
【0010】
〔請求項4記載の発明〕
請求項4に記載の改質装置の特徴構成は、前記加熱部の温度を検出する加熱部温度検出手段が設けられ、
前記制御手段が、前記処理室の温度が原燃料ガスの熱分解による炭素の析出を防止でき且つ水蒸気の結露を防止できる温度に昇温するまでの間、及び、前記水蒸気置換処理を行う間は、前記加熱部温度検出手段の検出情報に基づいて、前記加熱部の温度を設定温度以下となるように前記加熱部の加熱作動を制御するように構成されていることにある。
請求項4に記載の特徴構成によれば、制御手段は、処理室温度検出手段及び加熱部温度検出手段の検出情報に基づいて、加熱部により処理室の加熱を開始してから、処理室の温度が非結露非炭素析出温度に昇温し、続いて、処理室へ水蒸気を供給して処理室の内部の原燃料ガスを水蒸気にて置換する水蒸気置換処理が終了するまでの間は、加熱部の温度を設定温度以下となるように加熱部の加熱作動を制御する。
つまり、処理室の温度を改質処理可能温度にまで昇温する起動運転に要する起動時間は短くすることが好ましい。一方、加熱部にて処理室を加熱するにしても、処理室の各部で加熱部による加熱に対する応答性が異なるので、起動運転の間は、処理室の各部で温度が異なり易くなっている。又、水蒸気置換処理を開始する時点を判断するために、処理室温度検出手段にて処理室の温度を検出するが、そのように処理室の温度を検出するにしても、処理室の全域の温度を検出することは実用的には困難であるので、処理室の所定の箇所の温度を検出することになる。
そして、起動時間を短くするには、加熱力を大きくするように加熱部の加熱作動を制御することになるが、その場合に、処理室の温度だけを検出して、処理室の温度が非結露非炭素析出温度に昇温すると水蒸気置換処理を開始するようにすると、加熱部の加熱力が大きいことにより、処理室における温度検出箇所の温度が非結露非炭素析出温度に昇温するまでの間に、処理室における温度検出箇所以外の箇所の温度が非炭素析出温度よりも高くなる虞がある。
一方、処理室における温度検出箇所の温度が非結露非炭素析出温度に昇温するまでの間に、処理室における温度検出箇所以外の箇所の温度が非炭素析出温度よりも高くなるのを回避するために、加熱力を小さくするように加熱部の加熱作動を制御すると、起動時間が長くなる。
そこで、加熱部により処理室を加熱して起動するときに、設定温度を適宜に設定し、処理室の全域中の最高温度以上であることが明確な加熱部の温度を加熱部温度検出手段にて検出し、その検出温度が設定温度以下となるように加熱部の加熱作動を制御して運転するようにすると、処理室の全域又は略全域にわたって非炭素析出温度よりも高くなることを回避しながら、加熱部の加熱力を極力大きくして、処理室の温度が改質処理可能温度になるように起動することが可能となるのである。
従って、耐久性を損なうことなく起動可能で、しかも起動時間を短縮し得る改質装置を提供することができるようになった。
【0011】
【発明の実施の形態】
〔第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態を説明する。
図1は、改質装置Rを備えた水素含有ガス生成装置を示し、水素含有ガス生成装置は、供給される炭化水素系の原燃料ガスを脱硫する脱硫部1と、供給される原料水を加熱して水蒸気を生成する水蒸気生成部2と、脱硫部1で脱硫された脱硫原燃料ガスを水蒸気生成部2で生成された水蒸気を用いて水素ガスと一酸化炭素ガスを含むガスに改質処理する改質装置Rと、その改質装置Rから供給される改質処理ガス中の一酸化炭素ガスを水蒸気を用いて二酸化炭素ガスに変成処理する変成部5と、水素含有ガス生成装置の運転を管理する制御手段としての制御部Cと、その制御部Cに対して運転情報を指令する操作部Sを備えて構成して、一酸化炭素ガス濃度の低い水素リッチな水素含有ガスを生成するように構成してある。
【0012】
改質装置Rは、改質触媒が充填されて、脱硫原燃料ガスを水蒸気を用いて改質処理する処理室としての改質部3と、ガス燃料を燃焼させて改質部3を改質処理可能なように加熱する燃焼部4(加熱部に相当する)とを備えて構成してある。
【0013】
脱硫部1においては、例えば200°C程度の反応温度にて脱硫触媒により原燃料ガス中の硫黄化合物が水素化され、その水素化物が酸化亜鉛に吸着されて脱硫される。脱硫部1には、起動時に脱硫部1を脱硫処理温度に加熱する電気ヒータ等からなる起動用ヒータ1hを設けてある。
【0014】
改質部3においては、メタンガスを主成分とする都市ガスが原燃料ガスである場合は、改質触媒の触媒作用により、例えば650〜750°C程度の加熱下でメタンガスと水蒸気とが下記の反応式にて改質反応して、水素ガスと一酸化炭素ガスを含むガスに改質処理される。
【0015】
【化1】
CH4 +H2O→CO+3H2
【0016】
変成部5においては、改質処理ガス中の一酸化炭素ガスと水蒸気とが、変成触媒の触媒作用により、例えば200°C程度の反応温度にて下記の反応式にて変成反応して、一酸化炭素ガスが二酸化炭素ガスに変成処理される。変成部5には、起動時に変成部5を変成処理温度に加熱する電気ヒータ等からなる起動用ヒータ5hを設けてある。
【0017】
【化2】
CO+H2O→CO2 +H2
【0018】
脱硫部1には、原燃料ガスを導く原燃料ガス供給路7を接続し、脱硫部1にて脱硫処理された脱硫原燃料ガスに、水蒸気生成部2で生成された水蒸気を混合してその混合気を改質部3へ供給するように、脱硫部1と改質部3とを脱硫ガス路8にて接続すると共に、水蒸気生成部2で生成された水蒸気を導く水蒸気供給路9を脱硫ガス路8に接続し、改質部3から変成部5に改質処理ガスを供給するように、改質部3と変成部5とを改質処理ガス路10にて接続し、変成部5にて変成処理された変成処理ガスを生成ガスとして生成ガス路12にてガス消費先に供給する。例えば、ガス消費先が燃料電池である場合は、生成ガスを電池反応用の燃料ガスとして燃料電池に供給する。
図1中の23は、改質部3から排出される改質処理ガスの一部を、脱硫処理用の水素源として脱硫部1に供給する水添用リサイクル路である。
【0019】
燃焼部4には、ブロア13からの空気を燃焼用空気として導く空気供給路14と、ガス燃料を導くガス燃料供給路15を接続してある。ちなみに、水素含有ガス生成装置にて生成された生成ガスが燃料ガスとして燃料電池で消費される場合は、ガス燃料供給路15にて導くガス燃料としては、燃料電池から排出された燃料ガスであるオフガスを用いる。
【0020】
原燃料ガス供給路7には、脱硫部1、即ち改質部3への原燃料ガスの供給を断続する原燃料ガス断続手段としての原燃料ガス用開閉弁16、及び、脱硫部1への原燃料ガスの供給量を調節する原燃料ガス供給量調整弁17を設け、水蒸気供給路9には、改質部3への水蒸気の供給を断続する水蒸気断続手段としての水蒸気用開閉弁18を設け、空気供給路14には燃焼部4への空気の供給を断続する空気用開閉弁19を設け、ガス燃料供給路15には燃焼部4へのガス燃料の供給を断続するガス燃料用開閉弁20、及び、ガス燃料の供給量を調節するガス燃料流量制御弁25を設け、生成ガス路12には、水素含有ガス生成装置からの生成ガスの流出を断続する生成ガス用開閉弁21を設けてある。
【0021】
更に、改質部3には、その内部の改質反応領域において温度が最も高くなる箇所の温度を検出するように、処理室温度検出手段としての改質部温度センサ22を設けてある。ちなみに、脱硫部1、脱硫ガス路8、改質部3、改質処理ガス路10、変成部5から成るガス処理経路においては、改質部3が最も高温になるので、改質部温度センサ22は、ガス処理経路における最高温部の温度を検出することになる。
【0022】
制御部Cは、操作部Sからの制御情報、及び、改質部温度センサ22の検出情報に基づいて、原燃料ガス用開閉弁16、原燃料ガス供給量調整弁17、水蒸気用開閉弁18、空気用開閉弁19、ガス燃料用開閉弁20、ガス燃料流量制御弁25及び生成ガス用開閉弁21夫々の作動を制御するように構成してある。
【0023】
次に、上述のように構成した水素含有ガス生成装置の運転方法について説明する。
水素含有ガス生成装置は、後述する原燃料ガス置換処理を行って、改質部3及び変成部5に脱硫原燃料ガスを充填した状態で停止してあり、そして、このように原燃料ガス置換処理を行って停止させた水素含有ガス生成装置を起動するときは、起動指令に基づいて、起動用ヒータ1hにて脱硫部1を加熱し、燃焼部4にて改質部4を加熱し、起動用ヒータ5hにて変成部5を加熱する加熱処理を開始し、改質部3及び変成部5の温度が、脱硫原燃料ガスの熱分解による炭素の析出を防止でき且つ水蒸気の結露を防止できる温度、即ち、非結露非炭素析出温度に昇温すると、改質部3へ水蒸気を供給して、改質部3及び変成部5の内部の脱硫原燃料ガスを水蒸気にて置換する水蒸気置換処理を行い、続いて、改質部3の温度が改質処理可能温度に昇温すると、改質部3へ脱硫原燃料ガス及び水蒸気を供給する処理対象ガス供給処理を行う。
【0024】
水素含有ガス生成装置を停止するときは、水蒸気生成部2から改質部3への水蒸気の供給を継続し且つ脱硫部1から改質部3への脱硫原燃料ガスの供給を停止して、改質部3及び変成部5の内部のガスを水蒸気にて置換する水蒸気置換処理を行い、続いて、改質部3及び変成部5の温度が非結露非炭素析出温度に下がると、改質部3への水蒸気の供給を停止し且つ脱硫部1から改質部3へ脱硫原燃料ガスを供給して、改質部3及び変成部5の内部の水蒸気を脱硫原燃料ガスで置換する原燃料ガス置換処理を行う。
【0025】
非結露非炭素析出温度は、予め試験を行って定めるが、以下、非結露非炭素析出温度を定めるための試験について説明する。
試験は、改質部3をその最高温部の温度が種々の温度になるように加熱して、各温度毎に、原燃料ガスとしての都市ガスを改質部3に充填して、充填状態で保持する時間(以下、充填保持時間と略記する場合がる)と炭素析出量との関係を調べた。その結果を図9に示す。都市ガスの組成は、メタン88vol%、エタン6vol%、プロパン3vol%、ブタン3vol%である。
試験は、充填保持時間の最短時間を20時間に設定して、炭素析出量を調べた。この充填保持時間の最短時間20時間というのは、上述の方法にて起動するのに要する時間や、上述の方法にて停止するのに要する時間に対してかなり長い時間であり、20時間の間に炭素の析出がなければ、上述の方法にて起動したり、上述の方法にて停止したりしても、ガス処理経路内において炭素の析出が起こらないと判断することができるものである。
【0026】
図9に示すように、充填保持時間が20時間のときの炭素の析出の状態を調べた結果、最高温部の温度が500°Cのときは炭素の析出が見られ、最高温部の温度が500°Cよりも低くなるに伴って、炭素の析出量が少なくなり、450°以下では、炭素の析出が起こらなかった。念のため、充填保持時間が20時間では炭素の析出が起こらなかった450°以下の範囲で、充填保持時間が1000時間のときの炭素の析出の状態を調べた結果、450°Cのときは炭素の析出量が0.02gとわずかであり、400°C以下では、炭素の析出が起こらなかった。
【0027】
従って、非結露非炭素析出温度は、450°C以下に設定するのが好ましく、400°C以下に設定するのがより好ましい。
又、非結露非炭素析出温度は、水蒸気の結露を防止できる温度に設定する必要があり、当然のことであるが、水蒸気が結露する温度は、原燃料ガスが熱分解して炭素が析出する温度よりも低いので、非結露非炭素析出温度の設定範囲の下限値は、水蒸気の結露を防止できる温度に定める。
【0028】
そして、上述の運転方法にて起動したり停止したりするように構成するに当たって、ガス処理経路内の温度を検出して、ガス処理経路内の温度が非結露非炭素析出温度であることを判別するように構成する場合、ガス処理経路における最高温部の温度が原燃料ガスからの炭素の析出を防止できる温度以下であり、且つ、最低温部の温度が水蒸気の結露を防止できる温度以上であることを判別する必要がある。その場合、ガス処理経路における最高温部の温度に基づいて、ガス処理経路内の温度が非結露非炭素析出温度であることを判別するには、ガス処理経路内の温度が非結露非炭素析出温度であることを示すガス処理経路内の最高温部の温度を、予め調べて設定することになるが、その温度は、ガス処理経路の最低温部の温度が水蒸気の結露を防止できる温度以上になる状態で、原燃料ガスからの炭素の析出を防止できる温度以下に設定する必要がある。以下、そのようにガス処理経路における最高温部の温度を対象にして設定した温度を、置換切り換え用設定温度と称する。
ちなみに、ガス処理経路における最高温部と最低温部との関係は、水素含有ガス生成装置の仕様により異なるので、置換切り換え用設定温度は、水素含有ガス生成装置の仕様に応じて設定することになるが、例えば、一般的には、ガス処理経路における最高温部の温度が350°Cのときは、最低温部の温度は、水蒸気の結露を防止できる温度以上であるので、置換切り換え用設定温度は、例えば、350〜450°Cの範囲で設定するのが好ましく、350〜400°Cの範囲で設定するのが一層好ましい。ちなみに、最高温部の温度が400°Cのときは、最低温部の温度は120°C程度である。
【0029】
そして、上記の運転方法にて起動したり停止したりする場合、ガス処理経路の最高温部の検出温度と置換切り換え用設定温度に基づいて、行うことになる。
【0030】
本発明においては、制御部Cを用いて、上述の如き運転方法を自動的に行わせるように構成してある。
以下、水素含有ガス生成装置の運転を制御するための制御部Cの制御動作を、図4に示すタイムチャートに基づいて説明する。制御部Cには、非結露非炭素析出温度(例えば、400°C)に設定した置換切り換え用設定温度、及び、原燃料ガスの改質処理が可能な改質処理可能温度に設定した改質処理開始用設定温度(例えば、650°C)を記憶させてある。又、制御部Cには、後述するように設定した第1設定時間及び第2設定時間を記憶させてある。
【0031】
詳細は後述するが、水素含有ガス生成装置が停止されたときは、原燃料ガス用開閉弁16、水蒸気用開閉弁18、空気用開閉弁19、ガス燃料用開閉弁20及び生成ガス用開閉弁21は全て閉弁状態であり、上述の如き改質部3及び変成部5を含むガス処理経路内には脱硫原燃料ガスが封入された状態に保持されている。
操作部Sから起動指令が指令されると、空気用開閉弁19及びガス燃料用開閉弁20を開弁して、燃焼部4を燃焼させると共に、ガス燃料流量制御弁25を所定の設定開度に調節する。つまり、燃焼部4が所定の設定燃焼量にて燃焼されて、改質部3の加熱が開始される。尚、起動指令に基づいて、起動用ヒータ1hを加熱作動させて脱硫部1の加熱を開始し、起動用ヒータ5hを加熱作動させて変成部5の加熱を開始するが、これらの起動用ヒータ1h,5hは、改質部温度センサ22の検出温度が改質処理開始用設定温度に上昇して、起動運転が終了すると停止される。
【0032】
そして、改質部温度センサ22の検出温度が置換切り換え用設定温度に上昇すると、水蒸気用開閉弁18及び生成ガス用開閉弁21を開弁して、以降、この状態を、改質部温度センサ22の検出温度が改質処理開始用設定温度に上昇するまで維持する。つまり、ガス処理経路内の脱硫原燃料ガスが水蒸気にて生成ガス路12を通じて装置外に押し出されて、改質部3及び変成部5を含むガス処理経路の内部の脱硫原燃料ガスが水蒸気にて置換される水蒸気置換処理が実行され、以降、ガス処理経路を水蒸気が通流する状態が、改質部温度センサ22の検出温度が改質処理開始用設定温度に上昇するまで継続される。尚、起動運転においては、改質部温度センサ22の検出温度に基づいて、水蒸気置換処理を開始する時点を判別するが、改質部温度センサ22の検出温度が置換切り換え用設定温度に上昇する以前に、脱硫部1は起動用ヒータ1hにより既に脱硫処理温度に加熱され、変成部5は起動用ヒータ5hにより既に変成処理温度に加熱されていて、水蒸気の結露が防止される温度に昇温している。従って、水蒸気置換処理が行われても、脱硫部1及び変成部5のそれぞれで水蒸気が結露することはない。
【0033】
改質部温度センサ22の検出温度が改質処理開始用設定温度に上昇すると、原燃料ガス用開閉弁16を開弁し、以降、操作部Sから停止指令が指令されるまで、その状態を維持する。つまり、原燃料ガスが脱硫部1へ供給され、脱硫部1にて脱硫された脱硫原燃料ガスに、水蒸気生成部2にて生成された水蒸気が混合されて、その混合気が改質部3へ供給され、もって、改質処理が開始されて、水素生成ガスの生成が開始され、以降、操作部Sから停止指令が指令されるまで、水素生成ガスの生成が継続される。
従って、水蒸気の結露及び停止時に充填していた脱硫原燃料ガスからの炭素の析出を防止しながら、改質部3へ脱硫原燃料ガス及び水蒸気を供給して、改質処理を開始し、水素含有ガスの生成を開始することができる。
【0034】
操作部Sから停止指令が指令されると、空気用開閉弁19及びガス燃料用開閉弁20を閉弁すると共に、原燃料ガス用開閉弁16を閉弁し、以降、この状態を、改質部温度センサ22の検出温度が置換切り換え用設定温度にまで下がるまで維持する。つまり、燃焼部4の燃焼が停止されると共に、ガス処理経路内のガスが水蒸気にて置換される水蒸気置換処理が実行され、以降、ガス処理経路を水蒸気が通流する状態が、改質部温度センサ22の検出温度が置換切り換え用設定温度にまで下がるまで継続される。
【0035】
続いて、改質部温度センサ22の検出温度が置換切り換え用設定温度にまで下がると、水蒸気用開閉弁18を閉弁すると共に、原燃料ガス用開閉弁16を開弁し、その後、第1設定時間が経過すると、生成ガス用開閉弁21を閉弁し、その後、第2設定時間が経過すると、原燃料ガス用開閉弁16を閉弁する。
尚、第1設定時間は、水蒸気用開閉弁18を閉弁すると共に、原燃料ガス用開閉弁16を開弁した後、ガス処理経路内の水蒸気の全てが装置外に押し出されて、ガス処理経路内が脱硫原燃料ガスにて置換されるのに要する時間以上に設定してある。又、第2設定時間は、ガス処理経路内の温度が常温に下がった状態でも、ガス処理経路内に外気圧以上で脱硫原燃料ガスが封入される状態に維持できるようにガス処理経路内に脱硫原燃料ガスを封入できる時間以上に設定してある。
つまり、ガス処理経路内の水蒸気が脱硫原燃料ガスにて装置外に押し出されて、改質部3及び変成部5を含むガス処理経路の内部の水蒸気が脱硫原燃料ガスにて置換される原燃料ガス置換処理が実行され、ガス処理経路には、脱硫原燃料ガスが、ガス処理経路内の温度が常温に下がった状態でも、外気圧以上に維持される状態で封入されるので、ガス処理経路内に空気が入り込むのが防止される。
【0036】
従って、硫黄成分による改質触媒の被毒、改質触媒及び変成触媒の水分吸収、並びに、改質触媒及び変成触媒の酸化を防止して、改質及び変成性能の低下を防止することができる。
【0037】
以下、本発明の第2ないし第8の各実施形態を説明するが、各実施形態において、第1実施形態と同じ構成要素や同じ作用を有する構成要素については、重複説明を避けるために、同じ符号を付すことにより説明を省略し、主として、第1実施形態と異なる構成を説明する。
【0038】
〔第2実施形態〕
以下、本発明の第2実施形態を説明する。
第2実施形態においては、水素含有ガス生成装置の構成は、上記の第1実施形態と同様であり、その水素含有ガス生成装置の運転する運転方法、及び、その運転方法を実行するための制御部Cの制御動作が、上記の第1実施形態と異なる。
【0039】
以下、水素含有ガス生成装置の運転方法について説明する。
水素含有ガス生成装置は、後述する原燃料ガス置換処理を行って停止してあり、そして、このように原燃料ガス置換処理を行って停止させた水素含有ガス生成装置を起動するときは、第1実施形態と同様に、改質部3及び変成部5の温度が非結露非炭素析出温度に昇温すると、改質部3へ水蒸気を供給して、改質部3及び変成部5の内部の脱硫原燃料ガスを水蒸気にて置換する水蒸気置換処理を行い、続いて、改質部3の温度が改質処理可能温度に昇温すると、改質部3へ脱硫原燃料ガス及び水蒸気を供給する処理対象ガス供給処理を行う。
【0040】
水素含有ガス生成装置を停止するときは、改質部3及び変成部5の温度が、非結露非炭素析出温度に下がると、脱硫部1から改質部3への脱硫原燃料ガスの供給を継続する状態で、改質部3への水蒸気の供給を停止して、改質部3及び変成部5の内部のガスを脱硫原燃料ガスで置換する原燃料ガス置換処理を行う。
【0041】
以下、制御部Cの制御動作を、図5に示すタイムチャートに基づいて説明する。尚、制御部Cには、第1実施形態と同様に、置換切り換え用設定温度、改質処理開始用設定温度、第1設定時間及び第2設定時間を記憶させてある。
【0042】
起動時の制御動作は、上記の第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
操作部Sから停止指令が指令されると、空気用開閉弁19及びガス燃料用開閉弁20を閉弁し、以降、この状態を、改質部温度センサ22の検出温度が置換切り換え用設定温度にまで下がるまで維持する。つまり、燃焼部4の燃焼が停止され、ガス処理経路内を脱硫原燃料ガスと水蒸気との混合気が通流する状態が、改質部温度センサ22の検出温度が置換切り換え用設定温度にまで下がるまで継続される。
【0043】
続いて、改質部温度センサ22の検出温度が置換切り換え用設定温度にまで下がると、水蒸気用開閉弁18を閉弁し、その後、第1設定時間が経過すると、生成ガス用開閉弁21を閉弁し、その後、第2設定時間が経過すると、原燃料ガス用開閉弁16を閉弁する。
つまり、ガス処理経路内のガスが脱硫原燃料ガスにて装置外に押し出されて、改質部3及び変成部5を含むガス処理経路の内部の水蒸気が脱硫原燃料ガスにて置換される原燃料ガス置換処理が実行され、ガス処理経路には、脱硫原燃料ガスが、ガス処理経路内の温度が常温に下がった状態でも、外気圧以上に維持される状態で封入されるので、ガス処理経路内に空気が入り込むのが防止される。
【0044】
従って、硫黄成分による改質触媒の被毒、改質触媒及び変成触媒の水分吸収、並びに、改質触媒及び変成触媒の酸化を防止して、改質及び変成性能の低下を防止することができる。
【0045】
〔第3実施形態〕
以下、本発明の第3実施形態を説明する。
先ず、水素含有ガス生成装置の構成について説明する。
図2に示すように、水素含有ガス生成装置は、上記の第1及び第2の各実施形態の水素含有ガス生成装置の構成に加えて、変成部5にて変成処理した変成処理ガス中に残っている一酸化炭素ガスを選択的に酸化する選択酸化部6を設けて構成してある。この第3実施形態の水素含有ガス生成装置は、上記の第1及び第2の各実施形態の水素含有ガス生成装置よりも更に一酸化炭素濃度の低い(例えば10ppm以下)水素含有ガスを生成することが可能である。
図2に示すように、変成部5から選択酸化部6に変成処理ガスを供給するように、変成部5と選択酸化部6とを変成処理ガス路11にて接続し、生成ガス路12は選択酸化部6に接続して、選択酸化部6にて選択酸化した後の変成処理ガスを生成ガスとして生成ガス路12にてガス消費先(例えば、燃料電池)に供給するように構成してある。
【0046】
選択酸化部6においては、例えばルテニウムの触媒作用によって、変成処理ガス中に残っている一酸化炭素ガスが選択酸化される。選択酸化部6には、起動時に選択酸化部6を選択酸化処理温度に加熱する電気ヒータ等からなる起動用ヒータ6hを設けてある。
【0047】
次に、上述のように構成した水素含有ガス生成装置の運転方法について説明する。
水素含有ガス生成装置は、後述する原燃料ガス置換処理を行って、改質部3、変成部5及び選択酸化部6に脱硫原燃料ガスを充填した状態で停止してあり、そして、このように原燃料ガス置換処理を行って停止させた水素含有ガス生成装置を起動するときは、起動指令に基づいて、起動用ヒータ1hにて脱硫部1を加熱し、燃焼部4にて改質部4を加熱し、起動用ヒータ5hにて変成部5を加熱し、起動用ヒータ6hにて選択酸化部6を加熱する加熱処理を開始し、改質部3、変成部5及び選択酸化部6の温度が、非結露非炭素析出温度に昇温すると、改質部3へ水蒸気を供給して、改質部3、変成部5及び選択酸化部6の内部の脱硫原燃料ガスを水蒸気にて置換する水蒸気置換処理を行い、続いて、改質部3の温度が改質処理可能温度に昇温すると、改質部3へ脱硫原燃料ガス及び水蒸気を供給する処理対象ガス供給処理を行う。
【0048】
水素含有ガス生成装置を停止するときは、水蒸気生成部2から改質部3への水蒸気の供給を継続し且つ脱硫部1から改質部3への脱硫原燃料ガスの供給を停止して、改質部3、変成部5及び選択酸化部6の内部のガスを水蒸気にて置換する水蒸気置換処理を行い、続いて、改質部3、変成部5及び選択酸化部6の温度が非結露非炭素析出温度に下がると、改質部3への水蒸気の供給を停止し且つ脱硫部1から改質部3へ脱硫原燃料ガスを供給して、改質部3、変成部5及び選択酸化部6の内部の水蒸気を脱硫原燃料ガスで置換する原燃料ガス置換処理を行う。
【0049】
次に、上述の如き運転方法を実行するための制御部Cの制御動作を説明する。制御部Cは、図4に示すタイムチャートに基づいて上述の第1実施形態において説明した制御動作と同様の制御動作を実行する。但し、置換切り換え用設定温度、第1設定時間及び第2設定時間の設定の仕方が、第1実施形態と異なる。
【0050】
尚、起動運転においては、改質部温度センサ22の検出温度に基づいて、水蒸気置換処理を開始する時点を判別するが、改質部温度センサ22の検出温度が置換切り換え用設定温度に上昇する以前に、脱硫部1は起動用ヒータ1hにより既に脱硫処理温度に加熱され、変成部5は起動用ヒータ5hにより既に変成処理温度に加熱され、選択酸化部6は起動用ヒータ6hにより既に選択酸化処理温度に加熱されていて、水蒸気の結露が防止される温度に昇温している。従って、水蒸気置換処理が行われても、脱硫部1、変成部5及び選択酸化部6のそれぞれで水蒸気が結露することはない。
【0051】
第3実施形態においては、ガス処理経路は、脱硫部1、脱硫ガス路8、改質部3、改質処理ガス路10、変成部5、変成処理ガス路11、選択酸化部6から成る。
従って、置換切り換え用設定温度としては、ガス処理経路における最高温部の温度を対象にして設定するので、置換切り換え用設定温度は、上述のように改質部3、変成部5及び選択酸化部6を含むガス処理経路の最低部の温度が水蒸気の結露を防止できる温度以上になる状態で、原燃料ガスの炭素の析出を防止できる温度以下に設定する。
ちなみに、上述の第1実施形態と同様に、置換切り換え用設定温度の設定範囲としては、例えば、350〜450°Cの範囲が好ましく、350〜400°Cの範囲がより好ましい。
【0052】
第1設定時間は、水蒸気用開閉弁18を閉弁すると共に、原燃料ガス用開閉弁16を開弁した後、上述のように改質部3、変成部5及び選択酸化部6を含むガス処理経路内の水蒸気の全てが装置外に押し出されて、ガス処理経路内が脱硫原燃料ガスにて置換されるのに要する時間以上に設定してある。又、第2設定時間は、上述のガス処理経路内の温度が常温に下がった状態でも、ガス処理経路内に外気圧以上で脱硫原燃料ガスが封入される状態に維持できるようにガス処理経路内に脱硫原燃料ガスを封入できる時間以上に設定してある。
【0053】
〔第4実施形態〕
以下、本発明の第4実施形態を説明する。
第4実施形態においては、水素含有ガス生成装置の構成は、上記の第3実施形態と同様である。
【0054】
次に、上述のように構成した水素含有ガス生成装置の運転方法について説明する。
水素含有ガス生成装置は、後述する原燃料ガス置換処理を行って停止してあり、そして、このように原燃料ガス置換処理を行って停止させた水素含有ガス生成装置を起動するときは、第3実施形態と同様に、改質部3、変成部5及び選択酸化部6の温度が、非結露非炭素析出温度に昇温すると、改質部3へ水蒸気を供給して、改質部3、変成部5及び選択酸化部6の内部の脱硫原燃料ガスを水蒸気にて置換する水蒸気置換処理を行い、続いて、改質部3の温度が改質処理可能温度に昇温すると、改質部3へ脱硫原燃料ガス及び水蒸気を供給する処理対象ガス供給処理を行う。
【0055】
水素含有ガス生成装置を停止するときは、改質部3、変成部5及び選択酸化部6の温度が、非結露非炭素析出温度に下がると、脱硫部1から改質部3への脱硫原燃料ガスの供給を継続する状態で、改質部3への水蒸気の供給を停止して、改質部3、変成部5及び選択酸化部6の内部のガスを脱硫原燃料ガスで置換する原燃料ガス置換処理を行う。
【0056】
次に、上述の如き運転方法を実行するための制御部Cの制御動作を説明する。制御部Cは、図5に示すタイムチャートに基づいて上述の第2実施形態において説明した制御動作と同様の制御動作を実行する。但し、置換切り換え用設定温度、第1設定時間及び第2設定時間は、第2実施形態と異なり、第3実施形態と同様に設定してある。
【0057】
〔第5実施形態〕
以下、本発明の第5実施形態を説明する。
先ず、水素含有ガス生成装置の構成について説明する。
図3に示すように、水素含有ガス生成装置は、上記の第1及び第2の各実施形態の水素含有ガス生成装置の構成において、脱硫器1を省略し、原燃料ガス供給路7を直接に改質部3に接続し、原燃料ガス供給路7を通流する原燃料ガスに水蒸気生成部2で生成された水蒸気を混合するように、水蒸気供給路9を原燃料ガス供給路7に接続してある。
【0058】
第5実施形態においては、脱硫部1を備えていないので、改質部3には、直接原燃料ガスが供給されるので、原燃料ガスとしては、硫黄成分を含有していないか、あるいは、硫黄成分の含有量が少なくて改質触媒に被毒を与えないような炭化水素系のガスを用いるのが好ましい。
【0059】
次に、上述のように構成した水素含有ガス生成装置の運転方法について説明する。
水素含有ガス生成装置は、後述する原燃料ガス置換処理を行って、改質部3及び変成部5に原燃料ガスを充填した状態で停止してあり、そして、このように原燃料ガス置換処理を行って停止させた水素含有ガス生成装置を起動するときは、起動指令に基づいて、燃焼部4にて改質部4を加熱し、起動用ヒータ5hにて変成部5を加熱する加熱処理を開始し、改質部3及び変成部5の温度が、非結露非炭素析出温度に昇温すると、改質部3へ水蒸気を供給して、改質部3及び変成部5の内部の原燃料ガスを水蒸気にて置換する水蒸気置換処理を行い、続いて、改質部3の温度が改質処理可能温度に昇温すると、改質部3へ原燃料ガス及び水蒸気を供給する処理対象ガス供給処理を行う。
【0060】
水素含有ガス生成装置を停止するときは、水蒸気生成部2から改質部3への水蒸気の供給を継続し且つ改質部3への原燃料ガスの供給を停止して、改質部3及び変成部5の内部のガスを水蒸気にて置換する水蒸気置換処理を行い、続いて、改質部3及び変成部5の温度が非結露非炭素析出温度に下がると、改質部3への水蒸気の供給を停止し且つ改質部3へ原燃料ガスを供給して、改質部3及び変成部5の内部の水蒸気を原燃料ガスで置換する原燃料ガス置換処理を行う。
【0061】
次に、上述の如き運転方法を実行するための制御部Cの制御動作を説明する。制御部Cは、図4に示すタイムチャートに基づいて上述の第1実施形態において説明した制御動作と同様の制御動作を実行する。但し、置換切り換え用設定温度、第1設定時間及び第2設定時間の設定の仕方が、第1実施形態と異なる。
【0062】
第3実施形態においては、ガス処理経路は、改質部3、改質処理ガス路10、変成部5から成る。
従って、置換切り換え用設定温度としては、ガス処理経路における最高温部の温度を対象にして設定するので、置換切り換え用設定温度は、上述のようなガス処理経路の最低部の温度が水蒸気の結露を防止できる温度以上になる状態で、原燃料ガスの炭素の析出を防止できる温度以下に設定する。
ちなみに、上述の第1実施形態と同様に、置換切り換え用設定温度の設定範囲としては、例えば、350〜450°Cの範囲が好ましく、350〜400°Cの範囲がより好ましい。
【0063】
第1設定時間は、水蒸気用開閉弁18を閉弁すると共に、原燃料ガス用開閉弁16を開弁した後、上述のガス処理経路内の水蒸気の全てが装置外に押し出されて、ガス処理経路内が原燃料ガスにて置換されるのに要する時間以上に設定してある。又、第2設定時間は、上述のガス処理経路内の温度が常温に下がった状態でも、ガス処理経路内に外気圧以上で脱硫原燃料ガスが封入される状態に維持できるように、ガス処理経路内に脱硫原燃料ガスを封入できる時間以上に設定してある。
【0064】
〔第6実施形態〕
以下、本発明の第6実施形態を説明する。
第6実施形態においては、水素含有ガス生成装置の構成は、上記の第5実施形態と同様である。
【0065】
次に、上述のように構成した水素含有ガス生成装置の運転方法について説明する。
水素含有ガス生成装置は、後述する原燃料ガス置換処理を行って停止してあり、そして、このように原燃料ガス置換処理を行って停止させた水素含有ガス生成装置を起動するときは、第5実施形態と同様に、改質部3及び変成部5の温度が、非結露非炭素析出温度に昇温すると、改質部3へ水蒸気を供給して、改質部3及び変成部5の内部の原燃料ガスを水蒸気にて置換する水蒸気置換処理を行い、続いて、改質部3の温度が改質処理可能温度に昇温すると、改質部3へ原燃料ガス及び水蒸気を供給する処理対象ガス供給処理を行う。
【0066】
水素含有ガス生成装置を停止するときは、改質部3及び変成部5の温度が、非結露非炭素析出温度に下がると、改質部3への原燃料ガスの供給を継続する状態で、改質部3への水蒸気の供給を停止して、改質部3及び変成部5の内部のガスを原燃料ガスで置換する原燃料ガス置換処理を行う。
【0067】
次に、上述の如き運転方法を実行するための制御部Cの制御動作を説明する。制御部Cは、図5に示すタイムチャートに基づいて上述の第2実施形態において説明した制御動作と同様の制御動作を実行する。但し、置換切り換え用設定温度、第1設定時間及び第2設定時間は、第2実施形態と異なり、第5実施形態と同様に設定してある。
【0068】
〔第7実施形態〕
以下、本発明の第7実施形態を説明する。
図6に示すように、第7実施形態においては、水素含有ガス生成装置は、上記の第1実施形態の水素含有ガス生成装置の構成に加えて、燃焼部4の温度を検出する燃焼部温度センサ24を設け、改質部温度センサ22は、改質部3の内部の改質反応領域における温度分布において最も広い範囲を占める温度、即ち、改質処理が主として行われる温度を検出するように設けてある。ちなみに、燃焼部温度センサ24は、改質部3の改質反応領域における最高温度に極力近い温度を検出するように、例えば、改質部3と燃焼部4とを区画する伝熱壁における燃焼部4の側の温度等を検出するように設けてある。
【0069】
以下、水素含有ガス生成装置の運転方法について説明する。
水素含有ガス生成装置は、後述する原燃料ガス置換処理を行って停止してあり、そして、このように原燃料ガス置換処理を行って停止させた水素含有ガス生成装置を起動するときは、第1実施形態と同様に、起動指令に基づいて、起動用ヒータ1hにて脱硫部1を加熱し、燃焼部4にて改質部4を加熱し、起動用ヒータ5hにて変成部5を加熱する加熱処理を開始し、改質部3及び変成部5の温度が非結露非炭素析出温度に昇温すると、改質部3へ水蒸気を供給して、改質部3及び変成部5の内部の脱硫原燃料ガスを水蒸気にて置換する水蒸気置換処理を行い、続いて、改質部3の温度が改質処理可能温度に昇温すると、改質部3へ脱硫原燃料ガス及び水蒸気を供給する処理対象ガス供給処理を行う。
更に、第7実施形態においては、改質部3の温度が非結露非炭素析出温度に昇温するまでの間、及び、水蒸気置換処理を行う間は、燃焼部4の温度を起動時加熱用設定温度以下となるように運転する。
【0070】
水素含有ガス生成装置を停止するときは、第1実施形態と同様に、水蒸気生成部2から改質部3への水蒸気の供給を継続し且つ脱硫部1から改質部3への脱硫原燃料ガスの供給を停止して、改質部3及び変成部5の内部のガスを水蒸気にて置換する水蒸気置換処理を行い、続いて、改質部3及び変成部5の温度が非結露非炭素析出温度に下がると、改質部3への水蒸気の供給を停止し且つ脱硫部1から改質部3へ脱硫原燃料ガスを供給して、改質部3及び変成部5の内部の水蒸気を脱硫原燃料ガスで置換する原燃料ガス置換処理を行う。
【0071】
以下、制御部Cの制御動作を、図7に示すタイムチャートに基づいて説明する。尚、制御部Cには、起動時加熱用設定温度、起動時置換切り換え用設定温度、停止時置換切り換え用設定温度、改質処理開始用設定温度、第1設定時間、第2設定時間及び後述するように設定した第3設定時間を記憶させてある。
【0072】
本第7実施形態においては、改質部温度センサ22の検出温度が250°Cのときは、ガス処理経路における最低温部の温度は、水蒸気の結露を防止できる温度以上であるので、非結露非炭素析出温度に設定する起動時置換切り換え用設定温度は、例えば、250〜450°Cの範囲で設定するのが好ましく、300〜400°Cの範囲で設定するのが一層好ましく、本第7実施形態においては300°Cに設定してある。ちなみに、改質部温度センサ22の検出温度が250°Cのときは、最低温部の温度は約105°C程度である。
停止時置換切り換え用設定温度は、第1実施形態と同様に、400°C、即ち非結露非炭素析出温度に設定してあり、又、起動時加熱用設定温度も、非結露非炭素析出温度、例えば400°Cに設定してある。
【0073】
詳細は後述するが、水素含有ガス生成装置が停止されたときは、原燃料ガス用開閉弁16、水蒸気用開閉弁18、空気用開閉弁19、ガス燃料用開閉弁20及び生成ガス用開閉弁21は全て閉弁状態であり、上述の如き改質部3及び変成部5を含むガス処理経路内には脱硫原燃料ガスが封入された状態に保持されている。
操作部Sから起動指令が指令されると、空気用開閉弁19及びガス燃料用開閉弁20を開弁して燃焼部4を燃焼させると共に、生成ガス用開閉弁21を開弁し、以降、燃焼部温度センサ24の検出温度が起動時加熱用設定温度になるように、ガス燃料流量制御弁25を制御する。尚、起動指令に基づいて、起動用ヒータ1hを加熱作動させて脱硫部1の加熱を開始し、起動用ヒータ5hを加熱作動させて変成部5の加熱を開始するが、これらの起動用ヒータ1h,5hは、改質部温度センサ22の検出温度が改質処理開始用設定温度に上昇して、起動運転が終了すると停止される。
【0074】
そして、改質部温度センサ22の検出温度が起動時置換切り換え用設定温度に上昇すると、水蒸気用開閉弁18を開弁し、以降、第3設定時間が経過するまでの間は、燃焼部温度センサ24の検出温度が起動時加熱用設定温度に維持するようにガス燃料流量制御弁25を制御する制御を継続し、第3設定時間が経過すると、改質部温度センサ22の検出温度が改質処理開始用設定温度になるようにガス燃料流量制御弁25を制御し、改質部温度センサ22の検出温度が改質処理開始用設定温度に上昇すると、原燃料ガス用開閉弁16を開弁し、以降、操作部Sから停止指令が指令されるまで、その状態を維持する。
【0075】
尚、第3設定時間は、水蒸気用開閉弁18を開弁した後、ガス処理経路内の脱硫原燃料ガスの全てが装置外に押し出されて、ガス処理経路内が水蒸気にて置換されるのに要する時間以上に設定してある。
要するに、第3設定時間が経過する間に、ガス処理経路内の脱硫原燃料ガスが水蒸気にて生成ガス路12を通じて装置外に押し出されて、改質部3及び変成部5を含むガス処理経路の内部の脱硫原燃料ガスが水蒸気にて置換される水蒸気置換処理が実行されることになる。
【0076】
つまり、第7実施形態では、改質部温度センサ22の検出温度が起動時置換切り換え用設定温度に上昇するまでの間、及び、水蒸気置換処理が行われる間は、燃焼部4の温度が、非炭素析出温度に設定された起動時加熱用設定温度以下になるように制御される。
従って、改質部3内に温度分布があっても、改質部3内の全域が非炭素析出温度以下となるように制御されるので、停止時に充填していた脱硫原燃料ガスからの炭素の析出を上記の第1ないし第6の各実施形態におけるよりも一層確実に防止できながら、改質部3へ脱硫原燃料ガス及び水蒸気を供給して、改質処理を開始し、水素含有ガスの生成を開始することができる。
【0077】
操作部Sから停止指令が指令されると、空気用開閉弁19及びガス燃料用開閉弁20を閉弁すると共に、原燃料ガス用開閉弁16を閉弁し、以降、この状態を、改質部温度センサ22の検出温度が停止時置換切り換え用設定温度にまで下がるまで維持する。つまり、燃焼部4の燃焼が停止されると共に、ガス処理経路内のガスが水蒸気にて置換される水蒸気置換処理が実行され、以降、ガス処理経路を水蒸気が通流する状態が、改質部温度センサ22の検出温度が停止時置換切り換え用設定温度にまで下がるまで継続される。
続いて、改質部温度センサ22の検出温度が停止時置換切り換え用設定温度にまで下がると、水蒸気用開閉弁18を閉弁すると共に、原燃料ガス用開閉弁16を開弁し、その後、第1設定時間が経過すると、生成ガス用開閉弁21を閉弁し、その後、第2設定時間が経過すると、原燃料ガス用開閉弁16を閉弁する。
【0078】
つまり、ガス処理経路内の水蒸気が脱硫原燃料ガスにて装置外に押し出されて、改質部3及び変成部5を含むガス処理経路の内部の水蒸気が脱硫原燃料ガスにて置換される原燃料ガス置換処理が実行され、ガス処理経路には、脱硫原燃料ガスが、ガス処理経路内の温度が常温に下がった状態でも、外気圧以上に維持される状態で封入されるので、ガス処理経路内に空気が入り込むのが防止される。
【0079】
〔第8実施形態〕
以下、本発明の第8実施形態を説明する。
第8実施形態においては、水素含有ガス生成装置の構成は、上記の第7実施形態と同様であり、その水素含有ガス生成装置の運転する運転方法、及び、その運転方法を実行するための制御部Cの制御動作が、上記の第7実施形態と異なる。
【0080】
以下、水素含有ガス生成装置の運転方法について説明する。
水素含有ガス生成装置は、後述する原燃料ガス置換処理を行って停止してあり、そして、このように原燃料ガス置換処理を行って停止させた水素含有ガス生成装置を起動する起動方法は、第7実施形態と同様であるので、説明を省略する。
【0081】
水素含有ガス生成装置を停止するときは、第2実施形態と同様に、改質部3及び変成部5の温度が、非結露非炭素析出温度に下がると、脱硫部1から改質部3への脱硫原燃料ガスの供給を継続する状態で、改質部3への水蒸気の供給を停止して、改質部3及び変成部5の内部のガスを脱硫原燃料ガスで置換する原燃料ガス置換処理を行う。
【0082】
以下、制御部Cの制御動作を、図8に示すタイムチャートに基づいて説明する。尚、制御部Cには、第7実施形態と同様に、起動時加熱用設定温度、起動時置換切り換え用設定温度、停止時置換切り換え用設定温度、改質処理開始用設定温度、第1設定時間、第2設定時間及び第3設定時間を記憶させてある。
【0083】
起動時の制御動作は、上記の第7実施形態と同様であるので、説明を省略する。
操作部Sから停止指令が指令されると、空気用開閉弁19及びガス燃料用開閉弁20を閉弁し、以降、この状態を、改質部温度センサ22の検出温度が停止時置換切り換え用設定温度にまで下がるまで維持する。つまり、燃焼部4の燃焼が停止され、ガス処理経路内を脱硫原燃料ガスと水蒸気との混合気が通流する状態が、改質部温度センサ22の検出温度が停止時置換切り換え用設定温度にまで下がるまで継続される。
【0084】
続いて、改質部温度センサ22の検出温度が停止時置換切り換え用設定温度にまで下がると、水蒸気用開閉弁18を閉弁し、その後、第1設定時間が経過すると、生成ガス用開閉弁21を閉弁し、その後、第2設定時間が経過すると、原燃料ガス用開閉弁16を閉弁する。
つまり、ガス処理経路内のガスが脱硫原燃料ガスにて装置外に押し出されて、改質部3及び変成部5を含むガス処理経路の内部の水蒸気が脱硫原燃料ガスにて置換される原燃料ガス置換処理が実行され、ガス処理経路には、脱硫原燃料ガスが、ガス処理経路内の温度が常温に下がった状態でも、外気圧以上に維持される状態で封入されるので、ガス処理経路内に空気が入り込むのが防止される。
【0085】
〔別実施形態〕
次に別実施形態を説明する。
(イ) 上記の各実施形態においては、起動時の水蒸気置換処理の後、改質処理が開始されるまでの間は、生成ガス用開閉弁21を開弁状態に維持して、水蒸気を流しつづける場合について例示したが、水蒸気置換処理が終わると、一旦、水蒸気用開閉弁18及び生成ガス用開閉弁21を閉弁して、水蒸気を封入状態に維持し、改質処理の開始時に、再び、水蒸気用開閉弁18及び生成ガス用開閉弁21を開弁するように構成しても良い。
又、第1及び第3の各実施形態においては、停止時の水蒸気置換処理の後、原燃料ガス置換処理が開始されるまでの間は、生成ガス用開閉弁21を開弁状態に維持して、水蒸気を流しつづける場合について例示したが、水蒸気置換処理が終わると、一旦、水蒸気用開閉弁18及び生成ガス用開閉弁21を閉弁して、水蒸気を封入状態に維持し、原燃料ガス置換処理の開始時に、再び、水蒸気用開閉弁18及び生成ガス用開閉弁21を開弁するように構成しても良い。
【0086】
(ロ) 上記の各実施形態においては、停止時に、原燃料ガス置換処理が終了すると、生成ガス用開閉弁21及び原燃料ガス用開閉弁16を閉弁して、ガス処理経路が常温に下がっても負圧にならない状態でガス処理経路内に脱硫原燃料ガスを封入する場合について例示したが、原燃料ガス置換処理の終了後も生成ガス用開閉弁21及び原燃料ガス用開閉弁16を開弁状態に維持して、原燃料ガス供給量調整弁17の調節により、ガス処理経路内に外部から空気が入り込まないように、微量の脱硫原燃料ガスを流しつづけるように構成しても良い。
【0087】
あるいは、ガス処理経路内の圧力を検出する圧力センサを設けて、その圧力センサにて、脱硫原燃料ガスを封入した状態でのガス処理経路内の圧力を検出して、その検出圧力が、予め外気圧よりも多少高い圧力に設定した設定圧力に下がると、原燃料ガス用開閉弁16を開弁して、脱硫原燃料ガスを追加供給することにより、ガス処理経路内が負圧にならないように維持するように構成しても良い。この場合、ガス処理経路内に脱硫原燃料ガスを封入する圧力を低くすることができるので、水素含有ガス生成装置の耐圧仕様を低くすることが可能となり、コストダウンを図ることができる。
【0088】
(ハ) ガス処理経路内の温度が非結露非炭素析出温度であることを判別するための具体構成としては、上記の実施形態において例示した構成、即ち、ガス処理経路における最高温部の温度に基づいて判別する構成に限定されるものではない。
例えば、ガス処理経路における最低温部の温度に基づいて判別するように構成してもよいし、ガス処理経路における最高温部及び最低温部両方の温度に基づいて判別するように構成しても良い。
あるいは、起動時は、燃焼部3の燃焼開始後の時間経過に基づいて判別するように構成してもよいし、停止時は、燃焼部3の燃焼停止後の時間経過に基づいて判別するように構成してもよい。
【0089】
(ニ) 上記の第1ないし第6の各実施形態においては、操作部Sからの起動指令に基づいて、生成ガス用開閉弁21を閉弁状態に維持する状態で、空気用開閉弁19及びガス燃料用開閉弁20を開弁して燃焼部4を燃焼させて、改質部3を置換切り換え用設定温度にまで昇温させるように制御する場合について例示した。これに代えて、操作部Sからの起動指令に基づいて、生成ガス用開閉弁21を開弁した後、空気用開閉弁19及びガス燃料用開閉弁20を開弁して燃焼部4を燃焼させて、改質部3の昇温を開始するように制御しても良い。この場合は、水素含有ガス生成装置の耐圧仕様を低くすることが可能となるので、コストダウンを図ることができる。
【0090】
(ホ) 上記の実施形態においては、水添用リサイクル路23を改質処理ガス路10に接続して、脱硫部1における脱硫処理用の水素源として、改質部3から排出される改質処理ガスの一部を用いる場合について例示したが、これに代えて、水添用リサイクル路23を生成ガス路12に接続して、脱硫部1における脱硫処理用の水素源として、変成部5から排出される変成処理ガスの一部を用いても良い。
【0091】
(ヘ) 本発明の運転方法を実行するに当たって、上記の実施形態においては、原燃料ガス用開閉弁16、水蒸気用開閉弁18、空気用開閉弁19、ガス燃料用開閉弁20、ガス燃料流量制御弁25及び生成ガス用開閉弁21の操作は、制御部Cを用いて自動操作するように構成する場合について例示したが、手動操作にて行うように構成しても良い。
【0092】
(ト) 上記の第7又は第8の各実施形態において説明した運転方法を、第3実施形態において例示した構成、即ち、第7実施形態の構成に加えて選択酸化部6を設けた構成の水素含有ガス生成装置、あるいは、第5実施形態において例示した構成、即ち、第7実施形態の構成から脱硫部1を省略した構成の水素含有ガス生成装置において実行するようにしても良い。
【0093】
(チ) 上記の第7又は第8の各実施形態において、改質部温度センサ22及び燃焼部温度センサ24それぞれの温度検出場所は変更可能である。
例えば、改質部温度センサ22は、第1実施形態と同様に、改質部3の改質反応領域において温度が最も高くなる箇所の温度や、改質反応領域における平均温度に相当する温度を呈する箇所の温度を検出しても良い。又、燃焼部温度センサ24は、燃焼部3の燃焼室内の温度を検出しても良い。
【0094】
(リ) 上記の実施形態においては、本発明の改質装置Rを用いて水素含有ガス生成装置を構成する場合について例示したが、改質装置Rは、単独で使用することも可能である。改質装置Rを単独で使用する場合は、上記の実施形態において、脱硫部1、変成部5及び選択酸化部6を省略して、原燃料ガス供給路7及び生成ガス路12をそれぞれ直接に改質部3に接続し、制御部Cは、上記の各実施形態と同様の制御動作を実行するように、構成すれば良い。
【0095】
(ヌ) 原燃料ガスの具体例としては、上記の実施形態において例示した都市ガスに限定されるものではなく、プロパン、ブタン等、種々の炭化水素系のガスを用いることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1及び第2実施形態に係る水素含有ガス生成装置の系統図
【図2】第3及び第4実施形態に係る水素含有ガス生成装置の系統図
【図3】第5及び第6実施形態に係る水素含有ガス生成装置の系統図
【図4】第1、第3及び第5実施形態に係る水素含有ガス生成装置の制御動作のタイムチャートを示す図
【図5】第2、第4及び第6実施形態に係る水素含有ガス生成装置の制御動作のタイムチャートを示す図
【図6】第7及び第8実施形態に係る水素含有ガス生成装置の系統図
【図7】第7実施形態に係る水素含有ガス生成装置の制御動作のタイムチャートを示す図
【図8】第8実施形態に係る水素含有ガス生成装置の制御動作のタイムチャート
【図9】温度及び充填保持時間と炭素析出量との関係を示す図
【符号の説明】
3 処理室
4 加熱部
16 原燃料ガス断続手段
18 水蒸気断続手段
22 処理室温度検出手段
24 加熱部温度検出手段
C 制御手段

Claims (4)

  1. 炭化水素系の原燃料ガスと水蒸気を供給して、原燃料ガスを水蒸気により水素含有ガスに改質処理する処理室が設けられ、
    その処理室に原燃料ガスを充填した状態で運転を停止するように構成された改質装置の起動方法であって、
    起動指令に基づいて、加熱部にて前記処理室を加熱する加熱処理を開始し、前記処理室の温度が、原燃料ガスの熱分解による炭素の析出を防止でき且つ水蒸気の結露を防止できる温度に昇温すると、前記処理室へ水蒸気を供給して、前記処理室の内部の原燃料ガスを水蒸気にて置換する水蒸気置換処理と、前記処理室の温度が改質処理可能な温度に昇温すると、前記処理室へ原燃料ガス及び水蒸気を供給する処理を順次行う改質装置の起動方法。
  2. 前記処理室の温度が、原燃料ガスの熱分解による炭素の析出を防止でき且つ水蒸気の結露を防止できる温度に昇温するまでの間、及び、前記水蒸気置換処理を行う間は、前記加熱部の温度を起動時加熱用設定温度以下となるように運転する請求項1記載の改質装置の起動方法。
  3. 炭化水素系の原燃料ガスと水蒸気を供給して、原燃料ガスを水蒸気により水素含有ガスに改質処理する処理室が設けられ、
    その処理室に原燃料ガスを充填した状態で運転を停止するように構成された改質装置であって、
    前記処理室の温度を検出する処理室温度検出手段と、前記処理室への水蒸気の供給を断続する水蒸気断続手段と、前記処理室への原燃料ガスの供給を断続する原燃料ガス断続手段とが設けられ、
    改質装置の運転を管理する制御手段が、起動指令に基づいて、加熱部にて前記処理室を加熱する加熱処理を開始し、前記処理室温度検出手段の検出情報に基づいて、前記処理室の温度が、原燃料ガスの熱分解による炭素の析出を防止でき且つ水蒸気の結露を防止できる温度に昇温すると、前記処理室へ水蒸気を供給して、前記処理室の内部の原燃料ガスを水蒸気にて置換する水蒸気置換処理と、前記処理室の温度が改質処理可能な温度に昇温すると、前記処理室へ原燃料ガス及び水蒸気を供給する処理を順次行うように、前記水蒸気断続手段及び前記原燃料ガス断続手段の作動を制御するように構成されている改質装置。
  4. 前記加熱部の温度を検出する加熱部温度検出手段が設けられ、
    前記制御手段が、前記処理室の温度が原燃料ガスの熱分解による炭素の析出を防止でき且つ水蒸気の結露を防止できる温度に昇温するまでの間、及び、前記水蒸気置換処理を行う間は、前記加熱部温度検出手段の検出情報に基づいて、前記加熱部の温度を起動時加熱用設定温度以下となるように前記加熱部の加熱作動を制御するように構成されている請求項3記載の改質装置。
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