JP5249622B2 - 水素含有ガス生成装置の起動方法 - Google Patents
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Description
供給される改質用水を前記改質部を加熱した後の前記改質バーナの燃焼排ガスにより加熱して原燃料に供給する水蒸気を生成する水蒸気生成部と、
前記水蒸気生成部を加熱する補助加熱用電気ヒータとが設けられた水素含有ガス生成装置の起動方法に関する。
ちなみに、この水素含有ガス生成装置にて生成された水素含有ガスは、例えば、燃料電池において発電反応用の燃料ガスとして用いられる。
そして、このような水素含有ガス生成装置には、起動時に、水蒸気生成部の昇温を早くして起動時間を短縮すべく、水蒸気生成部を加熱する補助加熱用電気ヒータが設けられている(例えば、特許文献1参照。)。
ちなみに、例えば、改質部やその後段の反応部が水蒸気の凝縮を防止可能な温度になると、前記改質用水の供給開始条件を満たすと判別し、例えば、改質部やその後段の反応部の温度が原燃料の改質処理が可能な温度になると、前記原燃料の供給開始条件を満たすと判別することになる。
そして、そのように充分高温に加熱されている水蒸気生成部に改質用水が供給されると高温の水蒸気が速やかに生成されるが、水蒸気生成部における改質用水が供給された部分の温度が急激に大きく低下することとなって、水蒸気生成部に大きな熱応力が発生してその水蒸気生成部が損傷する虞があった。
供給される改質用水を前記改質部を加熱した後の前記改質バーナの燃焼排ガスにより加熱して原燃料に混合する水蒸気を生成する水蒸気生成部と、
前記水蒸気生成部を加熱する補助加熱用電気ヒータとが設けられた水素含有ガス生成装置の起動方法であって、
前記改質バーナの燃焼を開始し、その後において改質用水の供給開始条件を満たすと、前記水蒸気生成部への改質用水の供給を開始し、その後において原燃料の供給開始条件を満たすと、水蒸気混合状態の原燃料の前記改質部への供給を開始し、且つ、
前記改質用水の前記水蒸気生成部への供給開始と同時又はその前後において、前記補助加熱用電気ヒータによる加熱を開始する点を特徴とする。
ちなみに、改質用水の供給開始条件を満たしたときの直後においては、水蒸気生成部から改質部に供給される水蒸気の温度が低いため、従来法に比べると改質部の昇温の度合いが少し低下する傾向が見られるものの、改質部を加熱する改質バーナの熱量が大きいため、改質用水の供給開始条件を満たしたときから補助加熱用電気ヒータにて水蒸気生成部を水蒸気の生成が所望通り行えるように加熱することを開始した場合の、改質バーナの燃焼を開始してから原燃料の供給開始条件を満たすまでの時間は、改質バーナの燃焼を開始するときに、併せて補助加熱用電気ヒータにて水蒸気生成部を水蒸気の生成が所望通り行えるように加熱することを開始した場合に比べて、起動時間が大幅に伸びることが無いことも判明した。
しかも、補助加熱用電気ヒータの消費電力を低減することができる。
従って、水蒸気生成部の損傷を抑制し得る水素含有ガス生成装置の起動方法を提供することができるようになった。
供給される改質用水を前記改質部を加熱した後の前記改質バーナの燃焼排ガスにより加熱して原燃料に混合する水蒸気を生成する水蒸気生成部と、
前記水蒸気生成部を加熱する補助加熱用電気ヒータとが設けられた水素含有ガス生成装置の起動方法であって、
前記改質バーナの燃焼を開始し、その後において改質用水の供給開始条件を満たすと、前記水蒸気生成部への改質用水の供給を開始し、その後において原燃料の供給開始条件を満たすと、水蒸気混合状態の原燃料の前記改質部への供給を開始し、且つ、
前記改質バーナの燃焼を開始したとき又はそのときから前記改質用水の供給開始条件が満たされるまでの間において、前記補助加熱用電気ヒータの予備加熱制御操作による加熱を開始し、前記改質用水の前記水蒸気生成部への供給開始と同時又はその前後において、前記補助加熱用電気ヒータの前記予備加熱制御値よりも大きい昇温用加熱制御値による加熱制御操作を開始する点を特徴とする。
ちなみに、改質用水の供給開始条件を満たしたときの直後においては、水蒸気生成部から改質部に供給される水蒸気の温度が低いため、従来法に比べると改質部の昇温の度合いが少し低下する傾向が見られるものの、改質部を加熱する改質バーナの熱量が大きいため、改質用水の供給開始条件を満たしたときから補助加熱用電気ヒータにて水蒸気生成部を水蒸気の生成が所望通り行えるように昇温用加熱制御操作を開始した場合の、改質バーナの燃焼を開始してから原燃料の供給開始条件を満たすまでの時間は、改質バーナの燃焼を開始するときに、併せて補助加熱用電気ヒータにて水蒸気生成部を水蒸気の生成が所望通り行えるように昇温用加熱制御操作を開始した場合に比べて、起動時間が大幅に伸びることが無いことも判明した。
しかも、補助加熱用電気ヒータの消費電力を低減することができる。
従って、耐久性を向上し得る水素含有ガス生成装置の起動方法を提供することができるようになった。
前記水蒸気生成部の温度が起動時補助加熱停止用の設定温度に達すると、前記補助加熱用電気ヒータによる加熱を停止させる点を特徴とする。
そこで、前記起動時補助加熱停止用の設定温度として、水蒸気生成部に改質用水を供給している状態で、補助加熱用電気ヒータによる加熱を停止させても、水蒸気生成部を改質バーナの燃焼排ガスによる加熱により水蒸気の生成が可能な状態に維持することができる水蒸気生成部の温度に設定する。
そして、起動時間を短縮すべく、起動時に補助加熱用電気ヒータによる加熱を行うにしても、水蒸気生成部の温度が起動時補助加熱停止用の設定温度に達すると、補助加熱用電気ヒータによる加熱を停止させるようにすることにより、水蒸気生成部を水蒸気の生成が可能な状態に維持することができながら、補助加熱用電気ヒータによる加熱を不必要に行うことを回避することができて、補助加熱用電気ヒータの消費電力を低減することができるのである。
従って、水蒸気生成部の損傷を抑制することができ、しかも、補助加熱用電気ヒータの消費電力を低減できる水素含有ガス生成装置の起動方法を提供することができるようになった。
運転を停止させるときに前記改質部及びそれに連なる流路に原燃料が充填されている点を特徴とする。
そして、水素含有ガス生成装置を起動するときに、改質部及びそれに連なる流路に水蒸気を供給して、改質部及びそれに連なる流路に充填されている原燃料をそれらから排出する。
そして、充填用ガスとして原燃料を用いることにより、ボンベ等の充填用ガスの供給設備を不要とすることができるが、改質部内の原燃料が水蒸気が混合されていない状態で改質処理温度近くまで加熱されると、原燃料の熱分解により炭素が析出して触媒を劣化させたり、反応部を閉塞させたりする虞がある。
そして、そのように多量の改質用水を水蒸気生成部に供給するようにしても、そのときの水蒸気生成部の温度を低くすることが可能となるので、水蒸気生成部に大きな熱応力が発生するのを抑制することができて、水蒸気生成部の耐久性を低下させることがない。
従って、原燃料が充填用ガスとして改質部及びそれに連なる流路に充填されている場合に、原燃料を的確に排出して炭素析出による不具合を回避することができながら、水蒸気生成部の損傷を抑制し得る水素含有ガス生成装置の起動方法を提供することができるようになった。
蛇行状の膨出部を備えた流路形成体と通流室形成体とが、伝熱板の両側に振り分けられた状態で、且つ、前記流路形成体については、その周縁部分及び前記膨出部における隣接する膨出部分の間に相当する部分の夫々を溶接する状態で溶接接続され、
前記水蒸気生成部が、前記伝熱板と前記通流室形成体との間に形成された通流室を通して前記改質バーナからの燃焼排ガスを通流させ、且つ、前記伝熱板と前記流路形成体との間に形成される蛇行状の流路に改質用水を供給して水蒸気を生成するように構成されている点を特徴とする。
そのような蛇行状の流路を形成するに当たっては、蛇行状の膨出部を備えた流路形成体をその周縁部分及び前記膨出部における隣接する膨出部分の間に相当する部分の夫々を溶接する状態で伝熱板に溶接接続して、伝熱板と流路形成体との間に蛇行状の流路を形成するようにすることにより、例えば、通流室内に邪魔板を配設して蛇行状の流路を形成する場合に比べて、構成を簡略化することができる。
従って、小型低廉化を図った水蒸気生成部を備える場合においても、水蒸気生成部の損傷を抑制し得る水素含有ガス生成装置の起動方法を提供することができるようになった。
以下、図面に基づいて、本発明を燃料電池用の水素含有ガス生成装置に適用した場合の第1実施形態を説明する。
図1は、本発明に係る水素含有ガス生成装置Pを備えた燃料電池発電装置を示し、この燃料電池発電装置は、炭化水素系の原燃料ガスを原料として水素ガスを主成分とする水素含有ガスを生成する前記水素含有ガス生成装置Pと、その水素含有ガス生成装置Pにて生成された水素含有ガスが燃料ガスとして供給されて発電する燃料電池Gと、運転を制御する制御部Cとを備えて構成されている。
前記脱硫後原燃料用熱交換器Eaは、前記改質室3から排出された改質ガスを通流させる上流側熱交換用通流室10と、前記脱硫室1にて脱硫処理されて改質室3に供給する脱硫後の原燃料ガスを通流させる脱硫後原燃料通流室11とを熱交換自在に設けて構成され、前記脱硫前原燃料用熱交換器Ebは、前記上流側熱交換用通流室10から排出された改質ガスを通流させる下流側熱交換用通流室12と、前記脱硫室1にて脱硫処理する原燃料ガスを通流させる脱硫前原燃料通流室13とを熱交換自在に設けて構成されている。
蛇行状の膨出部56bを備えた流路形成体56と皿状の通流室形成体57とが、伝熱板55の両側に振り分けられた状態で、且つ、前記流路形成体56については、その周縁部分及び前記膨出部56bにおける隣接する膨出部分の間に相当する部分の夫々を溶接する状態で伝熱板55に溶接接続され、前記通流室形成体57については、その周縁部分を溶接する状態で伝熱板55に溶接接続されている。
そして、前記水蒸気生成部Jが、前記伝熱板55と前記通流室形成体57との間に形成された加熱用排ガス通流室8を通して前記燃焼室6から排出される改質バーナ17の燃焼排ガスを通流させ、且つ、前記伝熱板55と前記流路形成体56との間に形成される蛇行状の蒸発処理流路2に改質用水を供給して水蒸気を生成するように構成されている。
前記排ガス通流室8は、蛇行状の前記蒸発処理流路2に沿って燃焼排ガスを蛇行状に上部から通流させるように形成され、例えば、前記排ガス通流室8内に蛇行状流路を形成するための複数の邪魔板59を配設したり、プレス加工によって形成されている。
前記水蒸気生成用の補助加熱用電気ヒータ27は、前記水蒸気生成部Jの前記流路形成体56に当て付けた状態で設けられて、その補助加熱用電気ヒータ4にて蛇行状の前記蒸発処理流路2を加熱するように構成されている。
皿状の改質室形成体51と皿状の燃焼室形成体52とが、伝熱板53の両側に振り分けられた状態で、且つ、夫々の周縁部分を溶接する状態で伝熱板53に溶接接続されている。
そして、前記伝熱板53と前記改質室形成体51との間に、前記改質室3が形成され、前記伝熱板53と前記燃焼室形成体52との間に、前記燃焼室6が形成され、更に、その燃焼室6を形成する燃焼室形成体52を覆うように断熱材54が設けられている。
そして、前記改質室3内に、炭化水素系の原燃料ガスを水蒸気を用いて水素ガスを主成分とするガスに改質処理するルテニウム、ニッケル等の改質反応用触媒19が充填されている。
ちなみに、前記改質室3では、原燃料ガスがメタンガスを主成分とする天然ガスベースの都市ガス(13A)である場合は、改質反応用触媒19の触媒作用により、例えば600〜750°Cの範囲の改質処理温度の下で、原燃料ガスと水蒸気とを改質反応させて、水素ガスを主成分とする改質ガスを生成させる。
この改質バーナ17は、複数の第1噴出孔17aを長手方向に並べて列状に備えた第1噴出管17Aと複数の第2噴出孔17bを長手方向に並べて列状に備えた第2噴出管17Bとを第1噴出孔17aの噴出方向と第2噴出孔17bの噴出方向とが交差するように並べて設けて構成されている。
更に、燃焼室6内における改質バーナ17よりも上方側に、白金、パラジウム等から成る燃焼触媒を保持させた燃焼触媒保持体18が配設されている。
又、前記改質室3を改質処理可能なように加熱するには、オフガスだけでは不足する場合、その不足分を補うように、原燃料ガスを燃焼用燃料として、燃焼用空気に混合させた状態で、第1噴出管17Aに追加供給するように構成されている。
ちなみに、前記変成室4では、変成反応用触媒の触媒作用により、改質室3から供給される改質ガス中の一酸化炭素と水蒸気とを、例えば、150〜400°Cの範囲の変成処理温度の下で変成反応させる。
図1に示すように、起動時に選択酸化室5を加熱する選択酸化処理用の起動用電気ヒータ30が設けられ、又、この選択酸化室5内の選択酸化反応用触媒の温度を検出するように、選択酸化温度センサTmが設けられている。
ちなみに、前記選択酸化室5では、選択酸化反応用触媒の触媒作用により、例えば80〜200°Cの選択酸化処理温度の下で、変成処理後の改質ガス中に残存している一酸化炭素ガスが選択酸化除去される。
前記発電用原燃料供給路31には、改質処理用の原燃料ガスの供給を断続する発電用原燃料断続弁V1、及び、改質処理用の原燃料ガスの供給量を調節する発電用原燃料調節弁V2が設けられている。
なお、図示しないが、前記変成室4と前記選択酸化室5とを接続するガス処理流路32の途中に、熱交換器とドレントラップを設置し、前記選択酸化室5に供給されるガスの温度や露点を制御するように構成しても良い。また、前記熱交換器には所望の温度の冷却水を流すように構成しても良い。
前記燃料ガス流路33と前記オフガス路38とを前記燃料電池Gを迂回して接続するバイパス路44が設けられ、前記燃料ガス流路33における前記オフガス路38の接続箇所よりも前記燃料電池Gの側の箇所に、その燃料電池Gへの燃料ガスの供給を断続する燃料ガス断続弁V5が設けられ、前記バイパス路44には、そのバイパス路44を開閉するバイパス開閉弁V6が設けられ、前記オフガス路38における前記バイパス路44の接続箇所よりも上流側の箇所に電池下流側開閉弁V7が設けられている。
前記バーナ用原燃料供給路41には、前記改質バーナ17への原燃料ガスの供給を断続するバーナ用原燃料断続弁V3、及び、このバーナ用原燃料供給路41を通して供給する原燃料ガスの供給量を調節するバーナ用原燃料調節弁V4が設けられている。
改質用水を改質用水ポンプ42にて供給する改質用水供給流路43が前記蒸発処理流路2の下端に接続され、前記加熱用排ガス通流室8による加熱により前記蒸発処理流路2にて生成された水蒸気を導く前記水蒸気流路34が、前記脱硫室1と前記脱硫後原燃料通流室11とを接続するガス処理流路32に接続されて、前記改質室3に供給される脱硫後の原燃料ガスに水蒸気を混合させるように構成されている。
この水素含有ガス生成装置を起動するときは、前記改質バーナ17の燃焼を開始し、その後において改質用水の供給開始条件を満たすと、前記水蒸気生成部Jへの改質用水の供給を開始し、その後において原燃料ガスの供給開始条件を満たすと、水蒸気混合状態の原燃料ガスの前記改質室3への供給を開始し、且つ、前記改質用水の前記水蒸気生成部Jへの供給開始と同時に、前記補助加熱用電気ヒータ27による加熱を開始する。
又、前記水蒸気生成部温度センサTsにて検出される水蒸気生成部Jの温度(以下、水蒸気生成部温度と記載する場合がある)が起動時補助加熱停止用設定温度に達すると、前記補助加熱用電気ヒータ27による加熱を停止させる。
前記水蒸気生成部Jへの改質用水の供給の開始は、前記改質用水ポンプ42の作動を開始することにより行う。
この実施形態では、前記改質温度センサTrにて検出される改質室温度が改質用水供給開始用設定温度になると、前記改質用水の供給開始条件を満たすと判別するように構成されている。この改質用水供給開始用設定温度は、原燃料ガスの熱分解を防止でき且つ水蒸気の凝縮を防止できる温度、例えば100〜450°Cの間で設定されている。
そして、この起動時の改質用水ポンプ42の作動は、前記水蒸気生成部Jへの改質用水の供給流量が起動時用設定流量となるように行う。
この起動時用設定流量は、原燃料ガス改質処理用の水蒸気を生成するための改質用水の流量以上の流量(例えば、改質処理用の水蒸気生成用の流量の1〜5倍程度)に設定される。
また、この起動時用設定流量は、前記改質用水ポンプ42の作動を開始してから一定時間(1〜10分程度)の間だけ改質処理用の水蒸気生成用の流量の1〜5倍程度に設定し、起動時に改質室3及びそれに連なる流路に充填されている原燃料ガスが的確に排出された後に、改質処理用の水蒸気生成用の流量の0〜1.5倍程度に設定変更しても良い。
前記水蒸気混合状態の原燃料ガスの前記改質室3への供給の開始は、前記改質用水ポンプ42の制御値を前記起動時用設定流量から原燃料ガス改質処理用の水蒸気を生成するための改質用水の流量と同等の流量(例えば、改質処理用の水蒸気生成用の流量の1〜1.5倍程度)が確保できる制御値に変更した状態で、前記発電用原燃料断続弁V1を開弁して、前記脱硫室1への原燃料ガスの供給を開始することにより行う。
以下、この制御部Cによる制御動作を説明する。
図4のフローチャートに示すように、前記制御部Cは、起動タイミングになると、改質バーナ17の燃焼を開始して、改質室3を改質処理可能な温度に加熱してその改質室3での原燃料ガスの改質処理を開始する起動運転処理を実行し、その起動運転処理が終了すると、前記燃料電池Gの発電電力を電気負荷に応じて調節する通常運転処理を実行し、停止タイミングになると、水素含有ガス生成部Pの運転を停止する停止処理が実行され、前記脱硫室1、前記改質室3、前記変成室4及び前記選択酸化室5並びにそれらを接続するガス処理流路32に原燃料ガスが充填された状態で保持される。
図5のフローチャートにて示すように、前記起動タイミングになると、前記燃料ガス断続弁V5及び電池下流側開閉弁V7を閉弁し、且つ、前記バイパス開閉弁V6を開弁して、後述する停止処理により、前記改質室3、前記変成室4、前記選択酸化室5及びそれらを接続するガス処理流路32に充填されていた原燃料ガスが前記改質バーナ17に供給される状態とし、続いて、前記燃焼用送風機39の作動を開始し、且つ、イグナイタを作動させた状態でバーナ用原燃料断続弁V3を開弁して、前記改質バーナ17の燃焼を開始させる燃焼開始処理を実行し、その燃焼開始処理と同時に、前記起動用電気ヒータ28,29,30による加熱を開始する(ステップ#1,2)。
また、前記補助加熱用電気ヒータ27の出力制御は、ON/OFF制御やPID制御等の通常用いられる電気ヒータの制御方法が採用可能である。
続いて、待機用設定時間が経過すると、前記燃料ガス断続弁V5及び電池下流側開閉弁V7を開弁し、且つ、前記バイパス開閉弁V6を閉弁して、前記燃料電池Gへの燃料ガスの供給を開始し、通常運転処理モードへ移行する(ステップ#11,12)。
ちなみに、前記待機用設定時間は、例えば、前記脱硫室1への原燃料ガスの供給を開始してから、水素含有ガス生成装置Pで生成される水素含有ガスが燃料電池Gに供給可能な組成に安定するのに要する時間に設定される。
制御部Cは、この通常運転処理では、前記燃料電池Gの発電電力を電気負荷に応じて調節するように、原燃料ガスの供給量を調節すべく前記発電用原燃料調節弁V2を制御し、且つ、予め設定されたS/C(改質室3への原燃料ガス供給量に対する水蒸気供給量の比)になるように、改質用水の供給量を調節すべく前記改質用水ポンプ42を制御する。ちなみに、S/Cは、改質室3への原燃料ガス供給量(炭素のモル数)に対する水蒸気供給量(モル数)の比にて、例えば、2.5〜3.5程度に設定される。
又、制御部Cは、通常運転処理では、前記改質温度センサTrの検出温度が改質処理用設定温度(例えば600〜750°C)になるように、バーナ用原燃料調節弁V4を調節し、且つ、前記改質バーナ17へ設定空気比となる量の燃焼用空気を供給するように、燃焼用送風機39を制御し、並びに、選択酸化温度センサTmの検出温度が選択酸化用設定温度(例えば、80〜200°C)になるように、冷却用送風機(図示省略)を制御する。
前記停止タイミングになると、前記改質用水ポンプ42の作動は継続した状態で、前記発電用原燃料断続弁V1を閉弁して前記脱硫部1への原燃料ガスの供給を停止し、前記選択酸化用送風機24の作動を停止して選択酸化用空気の供給を停止する。
この状態では、水蒸気生成部Jへの改質用水の供給が継続されているので、その水蒸気生成部Jにて生成された水蒸気が前記改質室3に供給され、その改質室3、変成室4、選択酸化室5及びそれらを接続するガス処理流路32に残留していた改質ガスが水蒸気によって置換される。
なお、バーナ用原燃料断続弁V3の閉弁と前記燃焼用送風機39の停止が適宜行なわれ、前記改質バーナ17の燃焼が適宜停止され、水素含有ガス生成装置Pの温度は低下する。また、前記改質用水ポンプ42も適宜停止され、前記水蒸気の供給が停止される。
続いて、前記改質温度センサTrにて検出される改質室温度が置換切り替え用設定温度に低下すると、前記発電用原燃料断続弁V1を開弁することにより、前記脱硫室1に原燃料ガスを供給して、改質室3、変成室4、選択酸化室5及びそれらを接続するガス処理流路32に原燃料ガスが充填される。
前記置換切り替え用設定温度は、原燃料ガスの熱分解を防止でき且つ水蒸気の凝縮を防止できる温度として、前記改質温度センサTrの測定温度が、例えば、105〜450°Cの間に設定される。
なお、前記燃料ガス断続弁V5、前記バイパス開閉弁V6、電池下流側開閉弁V7などの開閉操作は、燃料電池システム構成の種類によって、それぞれ適切な方法で行なわれる。
以下、第2実施形態を説明する。
この第2実施形態では、水素含有ガス生成装置を起動するときは、前記改質バーナ17の燃焼を開始し、その後において改質用水の供給開始条件を満たすと、前記水蒸気生成部Jへの改質用水の供給を開始し、その後において原燃料ガスの供給開始条件を満たすと、水蒸気混合状態の原燃料ガスの前記改質室3への供給を開始し、且つ、前記改質バーナ17の燃焼を開始したときにおいて、前記補助加熱用電気ヒータ27の予備加熱制御操作による加熱を開始し、前記改質用水の前記水蒸気生成部Jへの供給開始と同時に、前記補助加熱用電気ヒータ27の前記予備加熱制御値よりも大きい昇温用加熱制御値による加熱制御操作を開始する。
ちなみに、前記予備加熱制御値は、前記蒸発処理流路2を改質バーナ17からの燃焼排ガスと共に補助加熱用電気ヒータ27にて加熱しても、改質用水の供給開始条件を満たした時点で、前記水蒸気生成部Jへ改質用水を供給しても前記水蒸気生成部Jに大きな応力がかからない程度の温度に維持できる制御値に設定され、例えば、水蒸気生成部温度センサTsにて計測される温度として0〜50℃程度の間の温度の値をその制御値として制御することができる。この制御値は、水蒸気生成部温度センサTsの設置位置によって、ヒータ制御のオーバーシュート等を考慮して選択されることが好ましい。
また、前記補助加熱用電気ヒータ27の出力制御は、ON/OFF制御やPID制御等の通常用いられる制御方法が採用可能である。
以下、図6に示すフローチャートに基づいて、この制御部Cによる起動運転処理における制御動作を説明する。
尚、起動運転処理における制御動作は、上記の第1実施形態において説明した図5に示すフローチャートと、ステップ#2及びステップ#4以外は同様であるので、ステップ#2及びステップ#4について説明して、その他のステップについては説明を省略する。
以下、第3実施形態を説明する。
この第3実施形態においても、上記の第1実施形態と同様に、前記改質バーナ17の燃焼を開始し、その後において改質用水の供給開始条件を満たすと、前記水蒸気生成部Jへの改質用水の供給を開始し、その後において原燃料ガスの供給開始条件を満たすと、水蒸気混合状態の原燃料ガスの前記改質室3への供給を開始し、且つ、前記改質用水の前記水蒸気生成部Jへの供給開始と同時に、前記補助加熱用電気ヒータ27による加熱を開始する。
但し、上記の第1実施形態においては、水蒸気生成部Jの温度が起動時補助加熱停止用設定温度になると、補助加熱用電気ヒータ27による加熱を停止させたが、この第3実施形態では、補助加熱用電気ヒータ27による加熱を停止させることなく、水蒸気生成部Jの温度が所定の水蒸気生成用の設定温度になるように補助加熱用電気ヒータ27による加熱を制御することを継続する。
以下、図7に示すフローチャートに基づいて、この制御部Cによる起動運転処理における制御動作を説明する。
尚、起動運転処理における制御動作は、上記の第1実施形態において説明した図5に示すフローチャートと、ステップ#4までは同様であるので、ステップ#4以降について説明して、その他のステップについては説明を省略する。
ステップ#4からステップ#8までは、改質温度センサTrにて検出される改質室温度が前記改質用水供給開始用設定温度以上になると、前記改質用水ポンプ42の作動を前記起動時用設定流量にて開始して、前記水蒸気生成部Jの蒸発処理流路2への改質用水の供給を開始し、その改質用水ポンプ42の作動開始と同時に、前記補助加熱用電気ヒータ27による加熱を昇温用加熱制御操作にて開始する。
続いて、前記改質温度センサTrにて検出される改質室温度が前記原燃料供給開始用設定温度以上になるまで、前記水蒸気生成部温度センサTsにて検出される水蒸気生成部温度が起動用設定温度になるように、前記補助加熱用電気ヒータ27による加熱を制御し、前記改質温度センサTrにて検出される改質室温度が前記原燃料供給開始用設定温度以上になると、前記発電用原燃料断続弁V1を開弁して前記脱硫室1への原燃料ガスの供給を開始し、前記選択酸化用送風機24の作動を開始して選択酸化用空気の供給を開始し、起動用電気ヒータ28,29,30による加熱制御操作を停止すると共に、前記補助加熱用電気ヒータ27による加熱制御操作を停止する。
なお、第3実施形態において図7に示しているステップ#9及びステップ#10は、第1実施形態において図5に示したステップ#11及びステップ#12と同様の操作である。
次に別実施形態を説明する。
(イ) 上記の第1及び第3の各実施形態においては、改質用水の水蒸気生成部Jへの供給開始と同時に、前記補助加熱用電気ヒータ27による加熱を開始する場合について例示したが、燃料電池システム内での改質用水ポンプ42から水蒸気生成部Jまでの配管容積等を考慮して、改質用水の水蒸気生成部Jへの供給開始よりも少し前、あるいは、改質用水の水蒸気生成部Jへの供給開始よりも少し後に、前記補助加熱用電気ヒータ27による加熱を開始するように構成しても良い。
ちなみに、改質用水の水蒸気生成部Jへの供給開始よりも少し前は、前記改質温度センサTrにて検出される改質室温度が改質用水供給開始用設定温度よりも少し低い温度(例えば、1〜10°C)になることにより判別するように構成しても良い。又、改質用水の水蒸気生成部Jへの供給開始よりも少し後は、前記改質温度センサTrにて検出される改質室温度が改質用水供給開始用設定温度よりも少し高い温度(例えば、1〜10°C)になることにより判別するように構成しても良い。
尚、改質用水の水蒸気生成部Jへの供給開始よりも少し前、及び、少し後の判別は、上記の(イ)の別実施形態において説明したのと同様に判別するように構成しても良い。
原燃料ガスの供給開始条件を満たすことの判別は、上記の第1ないし第3の各実施形態においては、改質室温度が原燃料供給開始用設定温度以上になることにより行う場合について例示したが、これに限定されるものではなく、例えば、改質バーナ17の燃焼開始後の経過時間が原燃料供給開始用の設定時間を経過することにより行うように構成しても良い。
3 改質部
8 通流室
17 改質バーナ
27 補助加熱用電気ヒータ
32 流路
55 伝熱板
56 流路形成体
56b 膨出部
57 通流室形成体
J 水蒸気生成部
Claims (5)
- 水蒸気との混合状態で供給される炭化水素系の原燃料を改質バーナによる加熱状態で改質処理して水素ガスを主成分とする改質ガスを生成する改質部と、
供給される改質用水を前記改質部を加熱した後の前記改質バーナの燃焼排ガスにより加熱して原燃料に混合する水蒸気を生成する水蒸気生成部と、
前記水蒸気生成部を加熱する補助加熱用電気ヒータとが設けられた水素含有ガス生成装置の起動方法であって、
前記改質バーナの燃焼を開始し、その後において改質用水の供給開始条件を満たすと、前記水蒸気生成部への改質用水の供給を開始し、その後において原燃料の供給開始条件を満たすと、水蒸気混合状態の原燃料の前記改質部への供給を開始し、且つ、
前記改質用水の前記水蒸気生成部への供給開始と同時又はその前後において、前記補助加熱用電気ヒータによる加熱を開始する水素含有ガス生成装置の起動方法。 - 水蒸気との混合状態で供給される炭化水素系の原燃料を改質バーナによる加熱状態で改質処理して水素ガスを主成分とする改質ガスを生成する改質部と、
供給される改質用水を前記改質部を加熱した後の前記改質バーナの燃焼排ガスにより加熱して原燃料に混合する水蒸気を生成する水蒸気生成部と、
前記水蒸気生成部を加熱する補助加熱用電気ヒータとが設けられた水素含有ガス生成装置の起動方法であって、
前記改質バーナの燃焼を開始し、その後において改質用水の供給開始条件を満たすと、前記水蒸気生成部への改質用水の供給を開始し、その後において原燃料の供給開始条件を満たすと、水蒸気混合状態の原燃料の前記改質部への供給を開始し、且つ、
前記改質バーナの燃焼を開始したとき又はそのときから前記改質用水の供給開始条件が満たされるまでの間において、前記補助加熱用電気ヒータの予備加熱制御操作による加熱を開始し、前記改質用水の前記水蒸気生成部への供給開始と同時又はその前後において、前記補助加熱用電気ヒータの前記予備加熱制御値よりも大きい昇温用加熱制御値による加熱制御操作を開始する水素含有ガス生成装置の起動方法。 - 前記水蒸気生成部の温度が起動時補助加熱停止用の設定温度に達すると、前記補助加熱用電気ヒータによる加熱を停止させる請求項1又は2に記載の水素含有ガス生成装置の起動方法。
- 運転を停止させるときに前記改質部及びそれに連なる流路に原燃料が充填されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の水素含有ガス生成装置の起動方法。
- 蛇行状の膨出部を備えた流路形成体と通流室形成体とが、伝熱板の両側に振り分けられた状態で、且つ、前記流路形成体については、その周縁部分及び前記膨出部における隣接する膨出部分の間に相当する部分の夫々を溶接する状態で溶接接続され、
前記水蒸気生成部が、前記伝熱板と前記通流室形成体との間に形成された通流室を通して前記改質バーナからの燃焼排ガスを通流させ、且つ、前記伝熱板と前記流路形成体との間に形成される蛇行状の流路に改質用水を供給して水蒸気を生成するように構成されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の水素含有ガス生成装置の起動方法。
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