JP3915475B2 - 燃料電池システム - Google Patents

燃料電池システム Download PDF

Info

Publication number
JP3915475B2
JP3915475B2 JP2001340573A JP2001340573A JP3915475B2 JP 3915475 B2 JP3915475 B2 JP 3915475B2 JP 2001340573 A JP2001340573 A JP 2001340573A JP 2001340573 A JP2001340573 A JP 2001340573A JP 3915475 B2 JP3915475 B2 JP 3915475B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oxygen
hydrogen
passage
gas
fuel cell
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2001340573A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003142134A (ja
Inventor
博資 野田
英明 浅井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daikin Industries Ltd filed Critical Daikin Industries Ltd
Priority to JP2001340573A priority Critical patent/JP3915475B2/ja
Publication of JP2003142134A publication Critical patent/JP2003142134A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3915475B2 publication Critical patent/JP3915475B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Landscapes

  • Fuel Cell (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池システムに関し、特に、起動制御対策に係るものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、特開2000−251914号公報に開示されているように、原料ガスを改質装置で改質して燃料ガスを生成し、該燃料ガスを燃料電池に供給して電気エネルギを得る燃料電池システムが知られている。改質装置では、メタンやメタノール等の原料ガスから水素が生成されると共に一酸化炭素を削減することにより、水素を主成分とする燃料ガスが得られる。燃料電池は、酸素極側と水素極側とが電解質膜で区画されて形成されるもので、その酸素極側に酸素含有ガスが、また水素極側に燃料ガスがそれぞれ供給されるようになっている。そして、燃料ガスが改質装置から燃料電池の水素極側へ送られると、燃料ガスの主成分である水素が、電極触媒(主に白金)上で酸素と反応して電気エネルギを得ることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記燃料電池システムにおいては、改質装置で一酸化炭素濃度を低減しているものの、燃料ガスには一酸化炭素が含まれているために、運転温度(例えば、80℃)以下で燃料電池内に燃料ガスを流すと、水素極の電極触媒が一酸化炭素被毒により活性を失ってしまう。上記開示された燃料電池システムでは、起動時に改質装置でバーナ等により加熱を行う方法が記載されているが、この方法でも運転温度まで昇温するのに相当の時間を要する。したがって、燃料電池内が上記運転温度まで昇温するまで燃料電池に燃料ガスを流すことができず、起動するのに相当の時間を要するという問題があった。
【0004】
そこで、起動運転時に燃料電池を昇温させるようにしてもよいが、単に昇温させるのみでは電解質膜が乾燥してしまう。したがって、起動運転時の乾燥による電解質膜の収縮、発電運転中の湿潤による電解質膜の膨張が繰り返されることにより、電解質膜と電極との接合体の劣化を速めてしまうという問題が生じる。
【0005】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、燃料電池システムに所定の改良を施すことで、迅速な起動を行うと共に、電解質膜と電極との接合体の劣化を低減させることを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、起動運転時に酸素含有ガスと燃料ガスとを混合して燃料電池(10)に流入させるようにしたものである。
【0007】
具体的に、第1の解決手段は、酸素含有ガスを供給する酸素通路(20)と、原料ガスから水素主体の燃料ガスを生成する改質装置(30)が設けられた水素通路(21)と、電解質膜と電極との接合体によって酸素極側(11)と水素極側(12)とに区画される一方、酸素極側(11)が上記酸素通路(20)の下流端に接続され、水素極側(12)が上記水素通路(21)の下流端に接続された燃料電池(10)と、起動運転時に燃料電池(10)の電極触媒上で燃料ガス中の水素を酸化反応させるために、酸素通路(20)の酸素含有ガスと水素通路(21)の燃料ガスとを混して燃料電池(10)に流入可能に構成された混合手段(80)とを備えている。
【0008】
そして、上記混合手段( 80 )は、上記酸素通路( 20 )と水素通路( 21 )とを連通させる混合器( 81 )と、上記酸素通路( 20 )における混合器( 81 )の接続部の上流側及び下流側にそれぞれ設けられた酸素開閉機構( 88,89 )と、上記水素通路( 21 )における混合器( 81 )の接続部の上流側及び下流側にそれぞれ設けられた水素開閉機構( 90,91 )と、酸素バイパス開閉機構( 84 )が設けられ、上記酸素開閉機構( 88,89 )及び混合器( 81 )の接続部をバイパスするように該酸素通路( 20 )に接続された酸素バイパス通路( 82 )と、水素バイパス開閉機構( 85 )が設けられ、上記水素開閉機構( 90,91 )及び混合器( 81 )の接続部をバイパスするように該水素通路( 21 )に接続された水素バイパス通路( 83 )とを備えている。
【0009】
また、第2の解決手段は、酸素含有ガスを供給する酸素通路( 20 )と、原料ガスから水素主体の燃料ガスを生成する改質装置( 30 )が設けられた水素通路( 21 )と、電解質膜と電極との接合体によって酸素極側( 11 )と水素極側( 12 )とに区画される一方、酸素極側( 11 )が上記酸素通路( 20 )の下流端に接続され、水素極側( 12 )が上記水素通路( 21 )の下流端に接続された燃料電池( 10 )と、起動運転時に燃料電池( 10 )の電極触媒上で燃料ガス中の水素を酸化反応させるために、酸素通路( 20 )の酸素含有ガスと水素通路( 21 )の燃料ガスとを混して燃料電池( 10 )に流入可能に構成された混合手段( 80 )とを備えている。
【0010】
そして、上記混合手段( 80 )は、上記酸素通路( 20 )と水素通路( 21 )とを連通させる接続通路( 93 )と、上記該接続通路( 93 )に設けられた接続開閉機構( 94 )と、上記酸素通路( 20 )における接続通路( 93 )の接続部の上流側及び下流側にそれぞれ設けられた酸素開閉機構( 88,89 )と、上記水素通路( 21 )における接続通路( 93 )の接続部の上流側及び下流側にそれぞれ設けられた水素開閉機構( 90,91 )とを備えて構成されている。
【0011】
また、第3の解決手段は、上記第1又は第2の解決手段において、混合手段(80)は、酸素含有ガスと燃料ガスとの混合ガスを燃料電池(10)の水素極側(12)にのみ流入させるように構成されている。
【0012】
また、第4の解決手段は、上記第1又は第2の解決手段において、混合手段(80)は、酸素含有ガスと燃料ガスとの混合ガスを燃料電池(10)の酸素極側(11)にのみ流入させるように構成されている。
【0013】
また、第5の解決手段は、上記第1又は第2の解決手段において、混合手段(80)は、酸素含有ガスと燃料ガスとの混合ガスを燃料電池(10)の酸素極側(11)及び水素極側(12)に流入させるように構成されている。
【0014】
また第6の解決手段は、上記第1から第5の何れか1つの解決手段において、発電運転中に酸素含有ガスと燃料ガスとの混合ガスを燃料電池(10)の水素極側(12)に流入可能に構成された再生制御手段(102)を備えている。
【0015】
また、第7の解決手段は、上記第1から第6の何れか1つの解決手段において、上記酸素通路(20)における混合手段( 80 )の上流側に設けられ、酸素含有ガスを加熱する加熱手段(57)と、上記酸素通路(20)における混合手段( 80 )の上流側に設けられ、酸素含有ガスを加湿する加湿手段(49)とを備えている。
【0016】
また第8の解決手段は、上記第1の解決手段において、運転を停止するときに、酸素通路(20)における混合器(81)の接続部の上流側に設けられた酸素開閉機構(88)と、水素通路(21)における混合器(81)の接続部の下流側に設けられた水素開閉機構(91)とを開放すると共に、酸素通路(20)における混合器(81)の接続部の下流側に設けられた酸素開閉機構(89)と、水素通路(21)における混合器(81)の接続部の上流側に設けられた水素開閉機構(90)と、酸素バイパス開閉機構(84)と、水素バイパス開閉機構(85)とを閉鎖する停止制御手段(103)を備えている。
【0017】
また、第9の解決手段は、上記第1の解決手段において、運転を停止するときに、水素通路(21)における混合器(81)の接続部の下流側に設けられた水素開閉機構(91)と、酸素開閉機構(88,89)とを開放すると共に、水素通路(21)における混合器(81)の接続部の上流側に設けられた水素開閉機構(90)と、酸素バイパス開閉機構(84)と、水素バイパス開閉機構(85)とを閉鎖する停止制御手段(103)を備えている。
【0018】
また、第10の解決手段は、上記第2の解決手段において、運転を停止するときに、酸素通路(20)における接続通路(93)の接続部の上流側に設けられた酸素開閉機構(88)と、水素通路(21)における接続通路(93)の接続部の下流側に設けられた水素開閉機構(91)と、接続開閉機構(94)とを開放すると共に、酸素通路(20)における接続通路(93)の接続部の下流側に設けられた酸素開閉機構(89)と、水素通路(21)における接続通路(93)の接続部の上流側に設けられた水素開閉機構(90)とを閉鎖する停止制御手段(103)を備えている。
【0019】
また、第11の解決手段は、上記第2の解決手段において、運転を停止するときに、水素通路(21)における接続通路(93)の接続部の下流側に設けられた水素開閉機構(91)と、酸素開閉機構(88,89)と、接続開閉機構(94)とを開放すると共に、水素通路(21)における接続通路(93)の接続部の上流側に設けられた水素開閉機構(90)を閉鎖する停止制御手段(103)を備えている。
【0020】
すなわち、上記第1の解決手段では、酸素含有ガスが酸素通路(20)を流れる一方、改質装置(30)によって原料ガスから製造された水素主体の燃料ガスが水素通路(21)を流れる。起動運転時には、混合手段(80)が酸素通路(20)の酸素含有ガスと水素通路(21)の燃料ガスとを混合する。そして、混合された混合ガスが燃料電池(10)内に流入する。燃料電池(10)内では、電極触媒上で混合ガス中の酸素と水素とが反応して発熱すると共に水蒸気を発生させる。したがって、燃料電池(10)内は、この反応熱によって直接加熱されて昇温すると共にこの水蒸気によって直接加湿される。
【0021】
具体的に、起動運転時には、酸素含有ガスと燃料ガスとが酸素通路( 20 )及び水素通路( 21 )に接続された混合器( 81 )で混合される。そして、混合されたガスが燃料電池( 10 )に流入する。燃料電池( 10 )内では、電極触媒上で混合ガス中の水素と酸素とが反応して、発熱すると共に水蒸気を発生させる。したがって、燃料電池( 10 )内が直接加熱されて昇温すると共に加湿される。
【0022】
また、上記第2の解決手段では、起動運転時には、接続開閉機構( 94 )が開放し、酸素含有ガスと燃料ガスとが接続通路( 93 )で混合される。そして、混合されたガスが燃料電池( 10 )内に流入する。燃料電池( 10 )内では、電極触媒上で混合ガス中の水素と酸素とが反応して、発熱すると共に水蒸気を発生させる。したがって、燃料電池( 10 )内が直接加熱されて昇温すると共に加湿される。
【0023】
また、上記第3の解決手段では、上記第1又は第2の解決手段において、起動運転時には、酸素含有ガスと燃料ガスとの混合ガスが燃料電池(10)の水素極側(12)にのみ流入する。そして、水素極側(12)の電極触媒上で混合ガス中の水素と酸素とが反応して、発熱すると共に水蒸気を発生させる。したがって、燃料電池(10)内が直接加熱されて昇温すると共に加湿される。
【0024】
また、上記第4の解決手段では、上記第1又は第2の解決手段において、起動運転時には、酸素含有ガスと燃料ガスとの混合ガスが燃料電池(10)の酸素極側(11)にのみ流入する。そして、酸素極側(11)の電極触媒上で混合ガス中の水素と酸素とが反応して、発熱すると共に水蒸気を発生させる。したがって、燃料電池(10)内が直接加熱されて昇温すると共に加湿される。
【0025】
また、上記第5の解決手段では、上記第1又は第2の解決手段において、起動運転時には、酸素含有ガスと燃料ガスとの混合ガスが燃料電池(10)の酸素極側(11)及び水素極側(12)に流入する。そして、両極側の電極触媒上で混合ガス中の水素と酸素とが反応して、発熱すると共に水蒸気を発生させる。したがって、燃料電池(10)内が直接加熱されて昇温すると共に加湿される。
【0026】
また、上記第6の解決手段では、上記第1から第5の何れか1つの解決手段において、発電運転中において、電極触媒に吸着していた一酸化炭素を脱着するために、又は電解質膜を加湿するために、あるいは燃料電池(10)を昇温させるために、再生制御手段(102)が酸素含有ガスと燃料ガスとを混合し、該混合されたガスを燃料電池(10)の水素極側(12)に流入させる。
【0027】
また、上記第7の解決手段では、起動運転時に、酸素含有ガスが、酸素通路(20)を流れて加熱手段(57)によって加熱されると共に加湿手段(49)によって加湿される。そして、加熱されると共に加湿された酸素含有ガスが燃料電池(10)内に流入し、燃料電池(10)内が、昇温すると共に加湿される。したがって、燃料電池(10)内が直接加熱されて昇温すると共に加湿される。
【0028】
また、上記第8の解決手段では、上記第1の解決手段において、運転を停止するときに、酸素含有ガスが混合器(81)に流入した後、水素通路(21)を流れ、燃料電池(10)の水素極側(12)に流入する。そして、燃料電池(10)の水素極側(12)において、残存水素が酸素含有ガスと共に排出されるために、起電力が急速に低下する。
【0029】
また、上記第9の解決手段では、上記第1の解決手段において、運転を停止するときに、酸素含有ガスが混合器(81)に流入した後、酸素通路(20)及び水素通路(21)を流れ、燃料電池(10)の酸素極側(11)及び水素極側(12)に流入する。そして、燃料電池(10)の水素極側(12)において、残存水素が酸素含有ガスと共に排出されるために、起電力が急速に低下する。
【0030】
また、上記第10の解決手段では、上記第2の解決手段において、運転を停止するときに、酸素含有ガスが接続通路(93)を流れた後、水素通路(21)を流れ、燃料電池(10)の水素極側(12)に流入する。そして、燃料電池(10)の水素極側(12)において、残存水素が酸素含有ガスと共に排出されるために、起電力が急速に低下する。
【0031】
また、上記第11の解決手段では、上記第2の解決手段において、運転を停止するときに、酸素含有ガスが接続通路(93)を流れた後、酸素通路(20)及び水素通路(21)を流れ、燃料電池(10)の酸素極側(11)及び水素極側(12)に流入する。そして、燃料電池(10)の水素極側(12)において、残存水素が酸素含有ガスと共に排出されるために、起電力が急速に低下する。
【0032】
【発明の効果】
従って、上記第1から第11の解決手段によれば、起動運転時に酸素通路(20)の酸素含有ガスと水素通路(21)の燃料ガスとを混合して燃料電池(10)に流入させるようにしたために、燃料電池(10)内における水素の酸化反応により発熱し、水蒸気が発生する。この結果、燃料電池(10)の加熱手段及び加湿手段を別に設けることなく、燃料電池(10)内を昇温させながら加湿することができる。したがって、起動運転時に迅速に燃料電池(10)内を運転温度まで昇温させることができると共に、電解質膜が乾燥するのを防止することができ、電解質膜が劣化するのを抑制することができる。また、燃料ガスに含まれる一酸化炭素が混合ガス中の酸素と反応し、あるいは生成された水蒸気と反応するために、燃料電池(10)内が運転温度に達する前に燃料ガスを流しても電極触媒が一酸化炭素により被毒されることがない。したがって、運転温度に達する前でも燃料ガスを燃料電池(10)内に流すことができると共に、起動運転時において、高濃度の一酸化炭素が燃料電池(10)に流入するのを防止するバイパス通路を設ける必要がなくなり、構成を簡素化することができる。
【0033】
また、上記混合手段( 80 )を混合器( 81 )と開閉機構( 88,89,90,91 )とにより構成するようにしたために、酸素含有ガスと燃料ガスとを確実に混合することができる。また、バイパス通路( 82,83 )を設けるようにしたために、発電運転時において酸素含有ガスと燃料ガスとが混合されるのを確実に防止することができる。
【0034】
また、上記第2の解決手段によれば、上記混合手段( 80 )を接続通路( 93 )と開閉機構( 88,89,90,91 )とにより構成するようにしたために、酸素含有ガスと燃料ガスとを確実に混合することができる。また、接続通路( 93 )に接続開閉機構( 94 )を設けるようにしたために、発電運転時において酸素含有ガスと燃料ガスとが混合されるのを確実に防止することができる。
【0035】
また、上記第4の解決手段によれば、燃料電池(10)の両極に混合ガスを流入させるようにしたために、この間は起電力が発生しない。したがって、例えば、バイポーラ板がカーボン板で作成されているような場合にカーボン腐食を抑制することができる。
【0036】
また、上記第6の解決手段によれば、発電運転中にも酸素含有ガスを水素極側(12)に流入させることができるようにしたために、発電運転中に水素極側(12)の電極触媒に一酸化炭素が吸着しても、吸着した一酸化炭素を脱着することができる。この結果、発電性能が低下するのを防止することができる。
【0037】
また、上記第7の解決手段によれば、起動運転時に酸素含有ガスを加熱する加熱手段(57)と酸素含有ガスを加湿する加湿手段(49)とを設けるようにしたために、確実に燃料電池(10)内を昇温させながら加湿することができる。したがって、起動運転時に迅速に燃料電池(10)内を運転温度まで昇温させることができると共に、電解質膜の乾燥を防止することができ、電解質膜が劣化するのを抑制することができる。
【0038】
また、上記第8及び第10の解決手段によれば、運転停止時に酸素含有ガスが燃料電池(10)の水素極側(12)に流入するようにしたために、反応ガスのパージを迅速且つ確実に行うことができると共に起電力の低下を迅速に行うことができる。また、急速に起電力を低下させることにより、無駄な発電を防止することができ、燃料電池(10)の劣化を防止することができる。更に、運転停止時に酸素含有ガスを水素極側(12)に流入させるようにしたために、安全確保を図ることができると共にカーボン腐食による燃料電池(10)の劣化を防止することができる。また、発電運転中に電極触媒に吸着した一酸化炭素を運転停止時に脱着することができるために、一酸化炭素による性能低下を抑制することができ、安定した発電性能を維持することができる。また、運転停止時に燃料電池(10)内が負圧にならないため、排出ガスが逆流するのを防止することができる。
【0039】
また、上記第9及び第11の解決手段によれば、運転停止時に酸素含有ガスが燃料電池(10)の両極側(11,12)に流入するようにしたために、反応ガスのパージを迅速に行うことができると共に起電力の低下を迅速に且つ確実に行うことができる。また、急速に起電力を低下させることにより、無駄な発電を防止することができ、燃料電池(10)の劣化を防止することができる。更に、運転停止時に酸素含有ガスを両極側(11,12)流入させるようにしたために、安全確保を図ることができると共にカーボン腐食による燃料電池(10)の劣化を防止することができる。また、発電運転中に電極触媒に吸着した一酸化炭素を運転停止時に脱着することができるために、一酸化炭素による性能低下を抑制することができ、安定した発電性能を維持することができる。また、運転停止時に燃料電池(10)内が負圧にならないため、排出ガスが逆流するのを防止することができる。
【0040】
【発明の実施の形態1】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0041】
図1に示すように、本実施形態1に係る燃料電池システムは、燃料電池(10)と改質装置(30)と混合手段(80)とコントローラ(100)とを備えている。また、この燃料電池システムは、水循環路(65)を備えており、いわゆるコジェネレーションシステムを構成している。
【0042】
上記燃料電池(10)は、固体高分子電解質型に構成されている。この燃料電池(10)では、フッ素系の高分子フィルムからなる電解質膜の両面に触媒粒子を分散させて電極を形成することで、単電池が構成されている。この電極触媒は、主に白金が使用されている。電解質膜表面の電極は、一方が水素極(アノード)となり、他方が酸素極(カソード)となる。上記燃料電池(10)は、バイポーラ板を介して単電池が積層されたスタック(集合電池)を構成している。尚、燃料電池(10)の構造についは、図示を省略する。
【0043】
上記燃料電池(10)では、バイポーラ板と電解質膜の酸素極とにより、酸素極側ガス通路(11)が形成され、バイポーラ板と電解質膜の水素極とにより、水素極側ガス通路(12)が形成されている。酸素極側ガス通路(11)には、その入口側に空気供給管(20)が接続され、その出口側に酸素極排気管(24)が接続されている。空気供給管(20)は、酸素含有ガスである空気が流れる酸素通路を構成している。一方、水素極側ガス通路(12)には、その入口側に水素供給管(21)が接続され、その出口側に水素極排気管(25)が接続されている。水素供給管(21)は、水素通路を構成している。
【0044】
燃料電池(10)には、冷却水回路(60)が接続されている。この冷却水回路(60)は、冷却水が充填された閉回路であって、冷却水ポンプ(61)と第1熱交換器(71)とが接続されている。冷却水回路(60)で冷却水を循環させることによって、燃料電池(10)が所定の運転温度に保たれる。
【0045】
上記空気供給管(20)は、その始端が屋外に開口し、その下流端である終端が燃料電池(10)の酸素極側ガス通路(11)に接続されている。空気供給管(20)には、その始端から終端に向かって順に、ブロワ(23)とガス加熱器(52)と第1加湿器(40)と混合手段(80)とが設けられている。
【0046】
また、空気供給管(20)には、分岐管(22)が設けられている。分岐管(22)は、その始端がブロワ(23)とガス加熱器(52)の間に接続されている。
【0047】
上記第1加湿器(40)は、水蒸気透過膜(41)を備えている。水蒸気透過膜(41)は、水蒸気が透過可能な膜であって、例えばポリビニルアルコール膜等の親水性の膜により構成されている。
【0048】
上記第1加湿器(40)には、第1被加湿側通路(42)と第1排ガス通路(43)とが区画形成されている。第1被加湿側通路(42)と第1排ガス通路(43)とは、上記水蒸気透過膜(41)によって仕切られている。第1被加湿側通路(42)には、空気供給管(20)が接続されており、酸化剤ガスとしての空気が導入される。
【0049】
上記改質装置(30)は、水素供給管(21)に設けられ、原料ガスとして供給された天然ガスから水素主体の燃料ガスを生成するように構成されている。この改質装置(30)には、ガスの流れに沿って順に、脱硫器(31)と、ガス加熱器(52)と、第2加湿器(45)と、本体部(32)とが設けられている。また、改質装置(30)における脱硫器(31)とガス加熱器(52)の間には、空気供給管(20)の分岐管(22)が接続されている。
【0050】
上記脱硫器(31)は、原料ガスとして供給された天然ガスから、硫黄分を吸着除去するように構成されている。
【0051】
上記第2加湿器(45)は、水蒸気透過膜(46)を備えている。この水蒸気透過膜(46)は、水蒸気が透過可能な膜であって、例えばポリビニルアルコール膜等の親水性の膜により構成されている。
【0052】
上記第2加湿器(45)は、第2被加湿側通路(47)と第2排ガス通路(48)とが区画形成されている。第2被加湿側通路(47)と第2排ガス通路(48)とは、上記水蒸気透過膜(46)によって仕切られている。第2被加湿側通路(47)は、改質装置(30)におけるガス加熱器(52)と本体部(32)との間に設けられ、原料ガスが導入される。第2排ガス通路(48)には、水素極排気管(25)が接続されており、燃料電池(10)の水素極側ガス通路(12)から電池排ガスとして排出された水素極排ガスが導入される。第2加湿器(45)は、原料ガスを加湿するためのものである。
【0053】
上記本体部(32)には、ガスの流れに沿って順に、改質器(33)と、変成器(34)と、CO除去器(35)とが設けられている。
【0054】
上記改質器(33)は、部分酸化反応に対して活性を呈する触媒と、水蒸気改質反応に対して活性を呈する触媒とを備えている。改質器(33)では、部分酸化反応及び水蒸気改質反応によって、メタン(CH)を主成分とする天然ガス(即ち、原料ガス)から水素を生成する。
【0055】
上記変成器(34)は、シフト反応(一酸化炭素変成反応)に活性を呈する触媒を備えている。変成器(34)では、シフト反応によって、ガス中の一酸化炭素が削減されると同時に水素が増加する。
【0056】
上記CO除去器(35)は、CO選択酸化反応に活性を呈する触媒を備えている。CO除去器(35)では、CO選択酸化反応によって、ガス中のCOが更に削減される。そして、CO除去器(35)から出た水素主体のガスが、燃料ガスとして水素供給管(21)を流れて、燃料電池(10)の水素極側ガス通路(12)へ供給されるようになっている。
【0057】
上記第1加湿器(40)の第1排ガス通路(43)には、酸素極排気管(24)が接続されている。酸素極排気管(24)は、燃料電池(10)の酸素極側ガス通路(11)から電池排ガスとして排出された酸素極排ガスが導入される。酸素極排気管(24)は、第1加湿器(40)の下流側において熱回収部(27)が設けられている。熱回収部(27)は、改質装置(30)の改質器(33)、変成器(34)、及びCO除去器(35)の近傍に形成されたガスの通路であって、これら改質器(33)等の排熱を回収するように構成されている。
【0058】
上記改質装置(30)には、燃焼器(51)が設けられている。燃焼器(51)には、酸素極排気管(24)の終端と、水素極排気管(25)の終端とが接続されている。燃焼器(51)は、酸素極排ガス中に残存する酸素を利用して、水素極排ガス中に残存する水素を燃焼させるように構成されている。また、燃焼器(51)には、燃焼ガス管(26)の始端が接続されている。燃焼ガス管(26)は、その終端が屋外に開口する共に、その途中にガス加熱器(52)が設けられている。水素極排ガスの燃焼によって生成した高温の燃焼ガスは、この燃焼ガス管(26)を流れて屋外へ排出される。
【0059】
上記ガス加熱器(52)には、空気流路(53)と、原料ガス流路(54)と、燃焼ガス流路(55)とが区画形成されている。ガス加熱器(52)は、その空気流路(53)が空気供給管(20)に接続され、その原料ガス流路(54)が改質装置(30)における脱硫器(31)と第2加湿器(45)の間に接続され、その燃焼ガス流路(55)が燃焼ガス管(26)に接続されている。このガス加熱器(52)は、燃焼ガス流路(55)の燃焼ガスと空気流路(53)の空気とを熱交換させて酸化剤ガスとしての空気を加熱すると同時に、燃焼ガス流路(55)の燃焼ガスと原料ガス流路(54)の原料ガスとを熱交換させて原料ガスを加熱するように構成されている。
【0060】
上記混合手段(80)は、空気供給管(20)と水素供給管(21)とに接続されている。混合手段(80)は、混合器(81)と酸素バイパス通路(82)と水素バイパス通路(83)とを備えている。混合器(81)は、一端が空気供給管(20)における第1加湿器(40)と燃料電池(10)との間に接続され、他端が水素供給管(21)におけるCO除去器(35)と燃料電池(10)との間に接続されている。混合器(81)は、流入した空気と燃料ガスとを混合するように構成されている。
【0061】
上記酸素バイパス通路(82)は、一端が空気供給管(20)における第1加湿器(40)と混合器(81)との間に接続され、他端が空気供給管(20)における混合器(81)と燃料電池(10)との間に接続されている。酸素バイパス通路(82)には、酸素バイパス開閉機構である酸素バイパス開閉弁(84)が設けられている。酸素バイパス開閉弁(84)は、開度調整可能な電動弁により構成されている。
【0062】
上記水素バイパス通路(83)は、一端が水素供給管(21)におけるCO除去器(35)と混合器(81)との間に接続され、他端が水素供給管(21)における混合器(81)と燃料電池(10)との間に接続されている。水素バイパス通路(83)には、水素バイパス開閉機構である水素バイパス開閉弁(85)が設けられている。
【0063】
上記混合手段(80)は、酸素開閉機構である第1酸素開閉弁(88)及び第2酸素開閉弁(89)と、水素開閉機構である第1水素開閉弁(90)及び第2水素開閉弁(91)とを備えている。
【0064】
上記第1酸素開閉弁(88)は、空気供給管(20)における酸素バイパス通路(82)の接続部の下流側で且つ混合器(81)の接続部の上流側に設けられている。第1酸素開閉弁(88)は、開度調整可能な電動弁により構成されている。第2酸素開閉弁(89)は、空気供給管(20)における混合器(81)の接続部の下流側で且つ酸素バイパス通路(82)の接続部の上流側に設けられている。つまり、酸素バイパス通路(82)は、酸素開閉弁(88,89)及び混合器(81)の接続部をバイパスするように空気供給管(20)に接続されている。
【0065】
上記第1水素開閉弁(90)は、水素供給管(21)における水素バイパス通路(83)の接続部の下流側で且つ混合器(81)の接続部の上流側に設けられている。第2水素開閉弁(91)は、水素供給管(21)における混合器(81)の接続部の下流側で且つ水素バイパス通路(83)の接続部の上流側に設けられている。つまり、水素バイパス通路(83)は、水素開閉弁(90,91)及び混合器(81)の接続部をバイパスするように水素供給管(21)に接続されている。
【0066】
上記水循環路(65)は、熱媒水が充填された閉回路である。この水循環路(65)には、熱媒水の循環方向において、循環ポンプ(66)と、第1熱交換器(71)と、第2熱交換器(74)と、貯湯タンク(67)とが順に設けられている。水循環路(65)を循環する熱媒水は、第1熱交換器(71)及び第2熱交換器(74)で加熱され、温水となって貯湯タンク(67)に蓄えられる。そして、貯湯タンク(67)の温水は、必要に応じて給湯に供される。
【0067】
上記第1熱交換器(71)には、冷却水流路(72)と水流路(73)とが区画形成されている。第1熱交換器(71)は、その冷却水流路(72)が冷却水回路(60)に接続され、その水流路(73)が水循環路(65)に接続されている。この第1熱交換器(71)は、冷却水流路(72)の冷却水と水流路(73)の熱媒水とを熱交換させるように構成されている。
【0068】
上記第2熱交換器(74)には、燃焼ガス流路(75)と水流路(76)とが区画形成されている。第2熱交換器(74)は、その燃焼ガス流路(75)が燃焼ガス管(26)に接続され、その水流路(76)が水循環路(65)に接続されている。この第2熱交換器(74)は、燃焼ガス流路(75)の燃焼ガスと水流路(76)の熱媒水とを熱交換させるように構成されている。
【0069】
上記コントローラ(100)は、起動制御手段である起動制御部(101)と、再生制御手段である再生制御部(102)と、停止制御手段である停止制御部(103)とを備えている。
【0070】
上記起動制御部(101)は、起動するときに両酸素開閉弁(88,89)及び両水素開閉弁(90,91)を開放すると共に、酸素バイパス開閉弁(84)及び水素バイパス開閉弁(85)を閉鎖して運転する起動運転を行うように構成されている。起動制御部は、燃料電池(10)内の温度が運転温度、例えば、80℃になるまで起動運転を行い、燃料電池(10)内の温度が運転温度に達すると、発電運転に切り換えるように構成されている。
【0071】
起動運転では、空気と燃料ガスとの混合ガスが燃料電池(10)の両極側ガス通路(11,12)に流入し、燃料電池(10)内において電極触媒上で酸素と水素とが反応して発熱すると共に水蒸気が発生する。そして、燃料電池(10)内が加湿されながら運転温度まで昇温する。つまり、運転温度以下で発電を行うと燃料ガス中の一酸化炭素により電極触媒が被毒して活性を失うために、発電を行う前に起動運転を行って燃料電池(10)内を運転温度まで昇温させるようにしている。また、単に燃料電池(10)内を昇温させるのみでは、電解質膜が乾燥して収縮してしまうので、起動運転中においても乾燥を防止することにより、発電中の湿潤による膨張と乾燥による収縮との繰り返しによる劣化を防止するようにしている。また、電解質膜は、乾燥するとpH値上昇により破壊することがあるために、起動運転中に燃料電池内が加湿されることによって電解質膜の破壊を防止することができる。また、混合ガスを流入させる起動運転を行うことにより、水素極の電極触媒に吸着した一酸化炭素を電極触媒から脱着することもできる。
【0072】
上記再生制御部(102)は、発電運転中において水素極の電極触媒を再生するときには、第1酸素開閉弁(88)、酸素バイパス開閉弁(84)及び両水素開閉弁(90,91)を開放すると共に、第2酸素開閉弁(89)及び水素バイパス開閉弁(85)を閉鎖して運転する再生運転を行うように構成されている。再生運転では、混合ガスが燃料電池(10)の水素極側ガス通路(12)に流入するために、発電運転中に水素極の電極触媒に吸着した一酸化炭素が電極触媒から脱着する。また、上記再生制御部(102)は、燃料電池(10)内を加湿するために又は昇温させるために再生運転を行うように構成されている。つまり、混合ガスが流入すると発熱反応が起こるために、再生制御部(102)は、燃料電池(10)内が昇温すると共に水が生成されて加湿されるために、混合ガスを流入させるようになっている。
【0073】
上記停止制御部(103)は、運転を停止するときに、両酸素開閉弁(88,89)及び第2水素開閉弁(91)を開放すると共に、第1水素開閉弁(90)、バイパス開閉弁(84)及び水素バイパス開閉弁(85)を閉鎖して運転を行う停止運転を所定時間だけ行った後に運転を停止するように構成されている。停止運転では、空気が両極側ガス通路(11,12)に流入するために、水素極側ガス通路(12)に残存する水素が排出されて、迅速に起電力が低下する。また、停止運転では、空気が燃料電池(10)の水素極側ガス通路(12)に流入するために、発電運転中に水素極の電極触媒に吸着した一酸化炭素が脱着し、電極触媒が再生される。
【0074】
−運転動作−
上記燃料電池システムの起動運転、発電運転、再生運転及び停止運転における運転動作について説明する。
【0075】
先ず、起動運転の運転動作について説明する。起動運転では、両酸素開閉弁(88,89)及び両水素開閉弁(90,91)が開放されると共に、酸素バイパス開閉弁(84)及び水素バイパス開閉弁(85)が閉鎖される。空気供給管(20)には酸化剤ガスとしての空気が流入し、水素供給管(21)には原料ガスが流入する。原料ガスとして、メタンを主成分とする天然ガスが使用されている。
【0076】
空気供給管(20)に流入した空気は、一部が分岐管(22)に分流する一方、残りの空気がガス加熱器(52)の空気流路(53)、第1加湿器(40)の第1被加湿側通路(42)を通過した後、混合器(81)に流入する。起動運転時には、空気供給管(20)の空気は、ガス加熱器(52)であまり加熱されず、また、第1加湿器(40)であまり加湿されない。
【0077】
一方、水素供給管(21)に流入した原料ガスは、脱硫器(31)へ導入され、原料ガスに含まれる硫黄分が除去される。そして、分岐管(22)から流入した空気と合流した後、ガス加熱器(52)の原料ガス流路(54)、第2加湿器(45)の第2被加湿側通路(47)、改質器(33)、変成器(34)及びCO除去器(35)を通過する。
【0078】
改質器(33)では、メタンの部分酸化反応と水蒸気改質反応とが行われ、水素と一酸化炭素とが生成する。改質器(33)から流出した反応後のガスは、変成器(34)へ送られる。このガスには、水蒸気改質反応に用いられなかった水蒸気が残存している。変成器(34)では、シフト反応が行われ、一酸化炭素が減少すると同時に水素が増加する。変成器(34)から出たガスは、CO除去器(35)へ導入される。変成器(34)からCO除去器(35)へ送られるガスは、水素が主成分となっているものの、未だに一酸化炭素を含んでいる。CO除去器(35)では、CO選択酸化反応が行われ、一酸化炭素が削減されて燃料ガスとなる。この燃料ガスは、混合器(81)へ送られる。
【0079】
混合器(81)では、空気供給管(20)の空気と水素供給管(21)の燃料ガスとが混合されて混合ガスとなる。この混合ガスは、空気供給管(20)又は水素供給管(21)を流れて燃料電池(10)に流入する。そして、酸素極側ガス通路(11)又は水素極側ガス通路(12)において、電極触媒上で混合ガス中の酸素と水素とが反応して発熱すると共に水蒸気が生成される。この結果、燃料電池(10)内が直接加熱されて迅速に昇温すると共に加湿される。そして、燃料電池(10)内の温度が運転温度に達すると、起動運転を終了し、発電運転に切り換わる。
【0080】
発電運転では、両酸素開閉弁(88,89)及び両水素開閉弁(90,91)が閉鎖されると共に、酸素バイパス開閉弁(84)及び水素バイパス開閉弁(85)が開放される。酸素バイパス開閉弁(84)は、所定開度に開放されて空気流量が調整されている。
【0081】
発電運転において、空気供給管(20)に流入した空気は、その一部が分岐管(22)を通じて改質装置(30)へ送られ、残りの空気が酸化剤ガスとしてガス加熱器(52)の空気流路(53)へ導入される。この空気は、空気流路(53)を流れる間に燃焼ガス流路(55)の燃焼ガスから吸熱する。
【0082】
ガス加熱器(52)において加熱された空気は、第1加湿器(40)の第1被加湿側通路(42)へ流入する。一方、第1加湿器(40)の第1排ガス通路(43)には、酸素極排ガスが導入されている。そして、第1被加湿側通路(42)の空気には、水蒸気透過膜(41)を透過した酸素極排ガス中の水蒸気が供給される。
【0083】
そして、加熱されて加湿された空気は、酸素バイパス通路(82)を経由して燃料電池(10)の酸素極側ガス通路(11)に流入する。酸素極側ガス通路(11)へ導入される空気を第1加湿器(40)で加湿しておくことで、燃料電池(10)における電解質膜の乾燥を防止している。
【0084】
一方、水素供給管(21)に流入した原料ガスは、脱硫器(31)で原料ガスに含まれる硫黄分が除去され、分岐管(22)からの空気が混入された後に、ガス加熱器(52)の原料ガス流路(54)へ導入される。この原料ガスは、原料ガス流路(54)を流れる間に燃焼ガス流路(55)の燃焼ガスから吸熱する。
【0085】
ガス加熱器(52)において加熱された原料ガスは、第2加湿器(45)の第2被加湿側通路(47)へ流入する。一方、第2加湿器(45)の第2排ガス通路(48)には、水素極排ガスが導入されている。そして、第2被加湿側通路(47)の原料ガスには、水蒸気透過膜(46)を透過した水素極排ガス中の水蒸気が供給される。
【0086】
第2加湿器(45)で加湿された原料ガスは、改質器(33)へ導入され、メタンの部分酸化反応と水蒸気改質反応とにより、水素と一酸化炭素が生成される。改質器(33)から流出した反応後のガスは、変成器(34)へ送られ、シフト反応により、一酸化炭素が減少すると同時に水素が増加する。変成器(34)から出たガスは、CO除去器(35)へ導入され、CO選択酸化反応によってガス中の一酸化炭素を更に削減する。そして、CO除去器(35)で一酸化炭素を削減されたガスは、燃料ガスとして水素バイパス通路(83)を経由して燃料電池(10)の水素極側ガス通路(12)へ供給される。
【0087】
発電運転において、燃料電池(10)には、水素極側ガス通路(12)へ燃料ガスが供給され、酸素極側ガス通路(11)へ空気が供給される。燃料電池(10)は、燃料ガス中の水素を燃料とし、空気中の酸素を酸化剤として発電を行う。
【0088】
燃料電池(10)の酸素極側ガス通路(11)からは、電池排ガスとして酸素極排ガスが排出される。この酸素極排ガスには、電池反応に使われなかった余剰酸素が含まれている。また、酸素極排ガス中には、電池反応によって生じた水蒸気が含まれている。この酸素極排ガスは、酸素極排気管(24)を通じて第1加湿器(40)の第1排ガス通路(43)へ導入される。上述のように、酸素極排ガス中の水蒸気は、水蒸気透過膜(41)を透過して第1被加湿側通路(42)の空気へ供給される。第1加湿器(40)において水蒸気を奪われた酸素極排ガスは、熱回収部(27)を流れる。酸素極排ガスは、熱回収部(27)において改質器(33)、変成器(34)、及びCO除去器(35)の排熱を回収して燃焼器(51)へ送り込まれる。
【0089】
一方、燃料電池(10)の水素極側ガス通路(12)からは、電池排ガスとして水素極排ガスが排出される。この水素極排ガスには、電池反応に使われなかった水素が残存している。また、水素極排ガス中には、電池反応によって生じた水蒸気が含まれている。この水素極排ガスは、水素極排気管(25)を通じて第2加湿器(45)の第2排ガス通路(48)へ導入される。上述のように、水素極排ガス中の水蒸気は、水蒸気透過膜(46)を透過して第2被加湿側通路(47)の原料ガスへ供給される。第2加湿器(45)において水蒸気を奪われた水素極排ガスは、燃焼器(51)へ送り込まれる。
【0090】
燃焼器(51)は、酸素極排ガス中の酸素を利用して、水素極排ガス中の水素を燃焼させる。この水素極排ガスの燃焼によって、高温の燃焼ガスが生成する。この燃焼ガスは、燃焼ガス管(26)を流れて第2熱交換器(74)の燃焼ガス流路(75)へ導入され、水流路(76)の熱媒水に対して放熱する。
【0091】
この放熱した燃焼ガスは、ガス加熱器(52)の燃焼ガス流路(55)へ導入され、空気流路(53)の空気及び原料ガス流路(54)の原料ガスに対して更に放熱する。その後、燃焼ガスは、燃焼ガス流路(55)から出て屋外へ排気される。
【0092】
冷却水ポンプ(61)を運転すると、冷却水回路(60)において冷却水が循環する。冷却水ポンプ(61)から吐出された冷却水は、燃料電池(10)へ送られて吸熱する。この冷却水の吸熱により、燃料電池(10)が所定の運転温度(例えば、80℃程度)に保たれる。燃料電池(10)で吸熱した冷却水は、第1熱交換器(71)の冷却水流路(72)へ導入され、水流路(73)の熱媒水に対して放熱する。この放熱した冷却水は、冷却水ポンプ(61)に吸入される。そして、冷却水ポンプ(61)が放熱後の冷却水を再び燃料電池(10)へ向けて送り出し、この循環が繰り返される。
【0093】
循環ポンプ(66)を運転すると、水循環路(65)において熱媒水が循環する。貯湯タンク(67)の底部から流出した熱媒水は、循環ポンプ(66)によって第1熱交換器(71)の水流路(73)へ送り込まれ、冷却水流路(72)の冷却水から吸熱する。
【0094】
その後、熱媒水は、第2熱交換器(74)の水流路(76)へ導入され、燃焼ガス流路(75)の燃焼ガスから吸熱する。そして、第2熱交換器(74)から出た熱媒水は、貯湯タンク(67)へ送り返され、温水として貯留される。貯湯タンク(67)に温水として蓄えられた熱媒水は、給湯に利用される。
【0095】
上記発電運転中において、水素極の電極触媒を再生するときには、再生運転が行われる。再生運転では、第1酸素開閉弁(88)、酸素バイパス開閉弁(84)及び両水素開閉弁(90,91)が開放されると共に、第2酸素開閉弁(89)及び水素バイパス開閉弁(85)が閉鎖される。空気供給管(20)の空気の一部が酸素バイパス通路(82)を流れて燃料電池(10)の酸素側ガス通路(11)に流入する一方、残りの空気は混合器(81)に流入し、水素供給管(21)から流入した燃料ガスと混合されて混合ガスとなる。この混合ガスは、燃料電池(10)の水素極側ガス通路(12)に流入し、電極触媒に吸着していた一酸化炭素を脱着する。このようにして水素極の電極触媒が再生される。
【0096】
次に、運転を停止する際の停止運転における運転動作について説明する。停止運転では、両酸素開閉弁(88,89)及び第2水素開閉弁(91)を開放すると共に、第1水素開閉弁(90)、バイパス開閉弁(84)及び水素バイパス開閉弁(85)を閉鎖して、所定時間だけ運転が行われる。
【0097】
空気供給管(20)の空気の一部が混合器(81)に流入し、残りの空気が燃料電池の酸素極側ガス通路(11)に流入する。混合器(81)に流入した空気は、水素極側ガス通路(12)に流入する。水素極側ガス通路(12)において、空気が残存水素を排出するために、急速に起電力が低下する。また、水素極側ガス通路(12)では、空気が発電運転中に電極触媒に吸着した一酸化炭素を脱着する。そして、所定時間後に運転が停止する。
【0098】
−実施形態1の効果−
本実施形態1によれば、起動運転時に酸素通路(20)の酸素含有ガスと水素通路(21)の水素含有ガスとを混合して燃料電池(10)に流入させるようにしたために、燃料電池(10)内における水素の酸化反応により発熱し、水蒸気が発生する。この結果、燃料電池(10)の加熱手段及び加湿手段を別に設けることなく、燃料電池(10)内を昇温させながら加湿することができる。したがって、起動運転時に迅速に燃料電池(10)内を運転温度まで昇温させることができると共に、電解質膜が乾燥するのを防止することができ、電解質膜が劣化するのを抑制することができる。また、燃料ガスに含まれる一酸化炭素が混合ガス中の酸素と反応し、あるいは生成された水蒸気と反応するために、燃料電池(10)内が運転温度に達する前に燃料ガスを流しても電極触媒が一酸化炭素により被毒されることがない。したがって、運転温度に達する前でも燃料ガスを燃料電池(10)内に流すことができると共に、起動運転時において、高濃度の一酸化炭素が燃料電池(10)に流入するのを防止するバイパス通路を設ける必要がなくなり、構成を簡素化することができる。
【0099】
また、起動運転時において、燃料電池(10)の両極側(11,12)に混合ガスを流入させるようにしたために、この間は起電力が発生しない。したがって、例えば、バイポーラ板がカーボン板で作成されているような場合にカーボン腐食を抑制することができる。
【0100】
また、混合手段(80)を混合器(81)と開閉弁(88,89,90,91)とにより構成するようにしたために、酸素含有ガスと燃料ガスとを確実に混合することができる。また、バイパス通路(82,83)を設けるようにしたために、発電運転時において酸素含有ガスと燃料ガスとが混合されるのを確実に防止することができる。
【0101】
また、発電運転中にも酸素含有ガスを水素極側(12)に流入させることができるようにしたために、発電運転中に水素極側(12)の電極触媒に一酸化炭素が吸着しても、吸着した一酸化炭素を脱着することができる。この結果、発電性能が低下するのを防止することができる。
【0102】
また、運転停止時に酸素含有ガスが燃料電池(10)の両極側(11,12)に流入するようにしたために、反応ガスのパージを迅速且つ確実に行うことができると共に起電力の低下を迅速に且つ確実に行うことができる。また、急速に起電力を低下させることにより、無駄な発電を防止することができ、燃料電池(10)の劣化を防止することができる。更に、運転停止時に酸素含有ガスを両極側(11,12)に流入させるようにしたために、安全確保を図ることができると共にカーボン腐食による燃料電池(10)の劣化を防止することができる。また、発電運転中に電極触媒に吸着した一酸化炭素を運転停止時に脱着することができるために、一酸化炭素による性能低下を抑制することができ、安定した発電性能を維持することができる。また、運転停止時に燃料電池(10)内が負圧にならないため、排出ガスが逆流するのを防止することができる。
【0103】
【発明の実施の形態2】
実施形態2に係る燃料電池システムは、図2に示すように、実施形態1と異なり、混合手段(80)が混合器(81)に代えて接続通路(93)を備えている。
【0104】
接続通路(93)は、一端が空気供給管(20)における両酸素開閉弁(88,89)の間に接続され、他端が水素供給管における両水素開閉弁(90,91)の間に接続されている。接続通路(93)は、接続開閉機構である接続開閉弁(94)が設けられている。接続開閉弁は、開度調整可能な電動弁により構成されている。
【0105】
尚、両バイパス通路(82,83)は、省略されている。
【0106】
コントローラ(100)の起動制御部(101)は、運転起動するときに両酸素開閉弁(88,89)、両水素開閉弁(90,91)及び接続開閉弁(94)を開放して運転する起動運転を行うように構成されている。起動運転では、接続開閉弁(94)の開度が所定開度に調整される。起動制御部は、燃料電池(10)内の温度が運転温度、例えば、80℃になるまで起動運転を行い、燃料電池(10)内の温度が運転温度に達すると、発電運転に切り換えるように構成されている。発電運転では、接続開閉弁(94)が閉鎖される。
【0107】
再生制御部(102)は、発電運転中において水素極の電極触媒を再生するときに、第1酸素開閉弁(88)、第2酸素開閉弁(89)及び両水素開閉弁(90,91)を開放すると共に接続開閉弁(94)の開度を調整して運転する再生運転を行うように構成されている。
【0108】
停止制御部(103)は、運転を停止するときに、両酸素開閉弁(88,89)、第2水素開閉弁(91)及び接続開閉弁(94)を開放すると共に、第1水素開閉弁(90)を閉鎖して運転する停止運転を所定時間だけ行った後に運転を停止するように構成されている。
【0109】
−運転動作−
起動運転では、両酸素開閉弁(88,89)、両水素開閉弁(90,91)及び接続開閉弁(94)を開放して運転を行う。空気供給管(20)を流れる空気と水素供給管(21)を流れる燃料ガスとが、混合手段(80)で混合されて混合ガスとなる。この混合ガスは、空気供給管(20)又は水素供給管(21)を流れて燃料電池(10)に流入する。そして、酸素極側ガス通路(11)又は水素極側ガス通路(12)において、電極触媒上で混合ガス中の酸素と水素とが反応して発熱すると共に水蒸気が生成される。この結果、燃料電池(10)内が直接加熱されて迅速に昇温すると共に加湿される。
【0110】
そして、燃料電池内の温度が運転温度に達すると、起動運転を終了し、発電運転に切り換わる。発電運転では、接続開閉弁(94)を閉鎖する。発電運転では、実施形態1と同様な運転動作が行われる。
【0111】
上記発電運転時において水素極の電極触媒を再生する再生運転時には、接続開閉弁(94)の開度を調整し、水素極側ガス通路(12)に流入する空気量を調整する。このようにすることで、空気供給管(20)の空気と水素供給管(21)の燃料ガスとが混合手段(80)で混合され、水素極側ガス通路(12)に流入して、電極触媒に吸着していた一酸化炭素を脱着する。
【0112】
停止運転時には、両酸素開閉弁(88,89)、第2水素開閉弁(91)及び接続開閉弁(94)を開放すると共に、第1水素開閉弁(90)を閉鎖して所定時間だけ運転を行う。燃料電池(10)の両極側ガス通路(11,12)に混合ガスが流入し、水素極側ガス通路(12)では、混合ガス中の空気が発電運転中に電極触媒に吸着した一酸化炭素を脱着する。また、水素極側ガス通路(12)において、流入した空気によって残存水素が排出されるために、急速に起電力が低下する。
【0113】
−実施形態2の効果−
本実施形態2によれば、混合手段(80)を接続通路(93)と開閉弁(88,89,90,91)とにより構成するようにしたために、酸素含有ガスと燃料ガスとを確実に混合することができる。また、接続通路(93)に接続開閉弁(94)を設けるようにしたために、発電運転時において酸素含有ガスと燃料ガスとが混合されるのを確実に防止することができる。
【0114】
その他の構成、作用及び効果は実施形態1と同様である。
【0115】
【発明の実施の形態3】
実施形態3に係る燃料電池システムは、図3に示すように、実施形態1と異なり、起動運転時において空気供給管(20)の空気を加熱する加熱手段(57)と該空気を加湿する加湿手段(49)を備えている。
【0116】
上記加熱手段(57)は、空気供給管(20)におけるガス加熱器(52)と第1加湿器(40)との間に近接して配置され、空気供給管(20)を加熱するように構成されている。加熱手段(57)は、起動運転時に燃料電池(10)に供給される空気を加熱するためのものである。
【0117】
上記加湿手段(49)は、空気供給管(20)における第1加湿器(40)と混合手段(80)との間に設けられている。加湿手段(49)は、例えば、貯湯タンク(67)内の水蒸気を利用して、空気供給管(20)内の空気を加湿するように構成されている。
【0118】
コントローラ(100)の起動制御部(101)は、起動運転時に加熱手段(57)及び加湿手段(49)を駆動するように構成されている。つまり、起動運転時には、燃料電池(10)が、加熱手段(57)及び加湿手段(49)により加熱されて加湿された空気によって加熱されて加湿されるようになっている。
【0119】
起動制御部(101)は、実施形態1と異なり、起動運転時に両酸素開閉弁(88,89)、両水素開閉弁(90,91)及び水素バイパス開閉弁(85)を閉鎖すると共に、酸素バイパス開閉弁(84)を開放するように構成されている。つまり、起動運転時には、燃料電池(10)に加熱されて加湿された空気のみが燃料電池(10)に流入し、燃料ガスが流入しないようになっている。
【0120】
また、起動制御部(101)は、起動運転から発電運転に切り換えるときに加熱手段(57)及び加湿手段(49)の駆動を停止させるように構成されている。
【0121】
また、起動制御部(101)は、発電運転に切り換える際に両酸素開閉弁(88,89)及び両水素開閉弁(90,91)を閉鎖すると共に、酸素バイパス開閉弁(84)及び水素バイパス開閉弁(85)を開放するように構成されている。つまり、発電運転時には、各開閉弁は、実施形態1における発電運転時の開閉状態と同じ状態となる。
【0122】
再生制御部(102)及び停止制御部(103)は、実施形態1における再生制御部(102)及び停止制御部(103)と同様に構成されている。
【0123】
尚、本実施形態3における混合手段(80)は、起動運転時に混合ガスを生成するためのものではなく、再生運転時又は停止運転時に混合ガスを生成するためのものである。したがって、起動運転時には混合ガスは生成されない。
【0124】
−運転動作−
起動運転では、加熱手段(57)及び加湿手段(49)が駆動する一方、両酸素開閉弁(88,89)、両水素開閉弁(90,91)及び水素バイパス開閉弁(85)が閉鎖すると共に、酸素バイパス開閉弁(84)が開放する。空気供給管(20)の空気は、ガス加熱器(52)を通過して加熱手段(57)の近傍を通過する。このとき、空気供給管(20)の空気が、加熱手段(57)によって加熱される。この加熱された空気は、第1加湿器(40)を通過し、加湿手段(49)に流入して加湿される。加湿手段(49)で加湿された空気は、酸素バイパス通路(82)を流れて燃料電池(10)の酸素極側ガス通路(11)に流入する。加熱されて加湿された空気が、燃料電池(10)内を加湿しながら昇温させる。尚、起動運転時には、水素供給管(21)の燃料ガスは、燃料電池(10)に流入しない。
【0125】
そして、燃料電池(10)内の温度が運転温度に達すると、起動運転を終了し、発電運転に切り換わる。このとき、加熱手段(57)及び加湿手段(49)の駆動が停止される。つまり、発電運転時において、空気供給管(20)の空気は、ガス加熱器(52)で加熱され、第1加湿器(40)で加湿された後、燃料電池(10)に流入する。
【0126】
発電運転時、再生運転時及び停止運転時の運転動作は、実施形態1における発電運転時の運転動作と同様であるので、説明を省略する。
【0127】
−実施形態3の効果−
本実施形態3によれば、起動運転時に酸素含有ガスを加熱する加熱手段(57)と酸素含有ガスを加湿する加湿手段(49)とを設けるようにしたために、確実に燃料電池(10)内を昇温させながら加湿することができる。したがって、起動運転時に迅速に燃料電池(10)内を運転温度まで昇温させることができると共に、電解質膜の乾燥を防止することができ、電解質膜が劣化するのを抑制することができる。
【0128】
また、空気供給管(20)の酸素含有ガスと水素供給管(21)の燃料ガスとの混合手段(80)を設けるようにしたために、例えば、混合ガスを燃料電池(10)に流入させることによって、水素極の電極触媒を再生することができる。
【0129】
その他の構成、作用及び効果は実施形態1と同様である。
【0130】
【発明の実施の形態4】
実施形態4の燃料電池システムは、図4に示すように、実施形態3と異なり、混合手段(80)が、混合器(81)に代えて接続通路(93)を備えている。
【0131】
接続通路(93)は、一端が空気供給管(20)における両酸素開閉弁(88,89)の間に接続され、他端が水素供給管における両水素開閉弁(90,91)の間に接続されている。接続通路(93)は、接続開閉機構である接続開閉弁(94)が設けられている。接続開閉弁(94)は、開度調整可能な電動弁により構成されている。
【0132】
起動制御部(101)は、起動運転時に、両酸素開閉弁(88,89)を開放すると共に、両水素開閉弁(90,91)及び接続開閉弁(94)を閉鎖するように構成されている。
【0133】
再生制御部(102)は、発電運転中において水素極の電極触媒を再生するときに、第1酸素開閉弁(88)、第2酸素開閉弁(89)及び両水素開閉弁(90,91)を開放すると共に、接続開閉弁(94)の開度を調整して運転する再生運転を行うように構成されている。
【0134】
停止制御部(103)は、運転を停止するときに、両酸素開閉弁(88,89)、第2水素開閉弁(91)及び接続開閉弁(94)を開放すると共に、第1水素開閉弁(90)を閉鎖して運転する停止運転を所定時間だけ行った後に運転を停止するように構成されている。
【0135】
したがって、起動運転時には、空気供給管(20)の空気は、加熱手段(57)で加熱されると共に加湿手段(49)で加湿される。また、発電運転時には、空気供給管(20)の空気は、ガス加熱器(52)で加熱されると共に第1加湿器(40)で加湿される。
【0136】
その他の構成、作用及び効果は実施形態2及び3と同様である。
【0137】
【発明のその他の実施の形態】
上記実施形態1及び2について、起動制御部(101)は、起動運転時に、第2酸素開閉弁(89)及び第2水素開閉弁(91)を開放する構成に代え、第2酸素開閉弁(89)のみを開放し、第2水素開閉弁(91)を閉鎖する構成にしてもよい。つまり、起動運転時に混合ガスを酸素極側ガス通路(11)にのみ流入させる構成にしてもよい。また、起動制御部(101)は、起動運転時に、第2酸素開閉弁(89)及び第2水素開閉弁(91)を開放する構成に代え、第2水素開閉弁(91)のみを開放し、第2酸素開閉弁(89)を閉鎖する構成にしてもよい。つまり、起動運転時に混合ガスを水素極側ガス通路(12)にのみ流入させる構成にしてもよい。このような構成にしても、同様な効果を得ることができる。
【0138】
また、上記各実施形態について、再生制御部(102)及び停止制御部(103)を省略する構成にしてもよい。また、何れか一方のみを省略する構成にしてもよい。
【0139】
また、上記各実施形態について、停止制御部(103)は、停止運転時において、混合手段(80)に流入した空気を燃料電池(10)の両極側ガス通路(11,12)に流入する構成に代え、水素極側ガス通路(12)にのみ流入させる構成にしてもよい。
【0140】
また、上記実施形態3及び4について、混合手段(80)を省略する構成にしてもよい。
【0141】
また、上記実施形態3について、起動制御部(101)は、起動運転時に実施形態1と同様な状態に混合手段(80)の各開閉弁を制御する構成であってもよい。つまり、起動制御部(101)は、起動運転時において、加熱手段(57)及び加湿手段(49)を駆動する一方、両酸素開閉弁(88,89)及び両水素開閉弁(90,91)を開放すると共に、酸素バイパス開閉弁(84)及び水素バイパス開閉弁(85)を閉鎖するように構成してもよい。このような構成にすることで、起電力を発生することなく燃料電池(10)内の温度を更に迅速に上昇させることができる。また、起動運転時において、混合ガスが酸素極側ガス通路(11)又は水素極側ガス通路(12)に流入する構成にしてもよい。
【0142】
また、上記実施形態4について、起動制御部(101)は、起動運転時に実施形態2と同様な状態に混合手段(80)の各開閉弁を制御する構成であってもよい。つまり、起動制御部(101)は、起動運転時において、加熱手段(57)及び加湿手段(49)を駆動する一方、両酸素開閉弁(88,89)、両水素開閉弁(90,91)及び接続開閉弁(94)を開放するように構成してもよい。このような構成にすることで、起電力を発生することなく燃料電池(10)内の温度を更に迅速に上昇させることができる。また、起動運転時において、混合ガスが酸素極側ガス通路(11)又は水素極側ガス通路(12)に流入する構成にしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1に係る燃料電池システムの全体構成を示す配管系統図である。
【図2】実施形態2に係る燃料電池システムの全体構成を示す配管系統図である。
【図3】実施形態3に係る燃料電池システムの全体構成を示す配管系統図である。
【図4】実施形態4に係る燃料電池システムの全体構成を示す配管系統図である。
【符号の説明】
(10) 燃料電池
(11) 酸素極側ガス通路
(12) 水素極側ガス通路
(20) 空気供給管
(21) 水素供給管
(30) 改質装置
(49) 加湿手段
(57) 加熱手段
(80) 混合手段
(81) 混合器
(82) 酸素バイパス通路
(83) 水素バイパス通路
(84) 酸素バイパス開閉弁
(85) 水素バイパス開閉弁
(88) 第1酸素開閉弁
(89) 第2酸素開閉弁
(90) 第1水素開閉弁
(91) 第2水素開閉弁
(93) 接続通路
(94) 接続開閉弁
(102) 再生制御部
(103) 停止制御部

Claims (11)

  1. 酸素含有ガスを供給する酸素通路(20)と、
    原料ガスから水素主体の燃料ガスを生成する改質装置(30)が設けられた水素通路(21)と、
    電解質膜と電極との接合体によって酸素極側(11)と水素極側(12)とに区画される一方、酸素極側(11)が上記酸素通路(20)の下流端に接続され、水素極側(12)が上記水素通路(21)の下流端に接続された燃料電池(10)と、
    起動運転時に燃料電池(10)の電極触媒上で燃料ガス中の水素を酸化反応させるために、酸素通路(20)の酸素含有ガスと水素通路(21)の燃料ガスとを混して燃料電池(10)に流入可能に構成された混合手段(80)とを備え
    上記混合手段( 80 )は、
    上記酸素通路( 20 )と水素通路( 21 )とを連通させる混合器( 81 )と、
    上記酸素通路( 20 )における混合器( 81 )の接続部の上流側及び下流側にそれぞれ設けられた酸素開閉機構( 88,89 )と、
    上記水素通路( 21 )における混合器( 81 )の接続部の上流側及び下流側にそれぞれ設けられた水素開閉機構( 90,91 )と、
    酸素バイパス開閉機構( 84 )が設けられ、上記酸素開閉機構( 88,89 )及び混合器( 81 )の接続部をバイパスするように該酸素通路( 20 )に接続された酸素バイパス通路( 82 )と、
    水素バイパス開閉機構( 85 )が設けられ、上記水素開閉機構( 90,91 )及び混合器( 81 )の接続部をバイパスするように該水素通路( 21 )に接続された水素バイパス通路( 83 )とを備えて構成されている
    ことを特徴とする燃料電池システム。
  2. 酸素含有ガスを供給する酸素通路( 20 )と、
    原料ガスから水素主体の燃料ガスを生成する改質装置( 30 )が設けられた水素通路( 21 )と、
    電解質膜と電極との接合体によって酸素極側( 11 )と水素極側( 12 )とに区画される一方、酸素極側( 11 )が上記酸素通路( 20 )の下流端に接続され、水素極側( 12 )が上記水素通路( 21 )の下流端に接続された燃料電池( 10 )と、
    起動運転時に燃料電池( 10 )の電極触媒上で燃料ガス中の水素を酸化反応させるために、酸素通路( 20 )の酸素含有ガスと水素通路( 21 )の燃料ガスとを混して燃料電池( 10 )に流入可能に構成された混合手段( 80 )とを備え、
    上記混合手段( 80 )は、
    上記酸素通路( 20 )と水素通路( 21 )とを連通させる接続通路( 93 )と、
    上記該接続通路( 93 )に設けられた接続開閉機構( 94 )と、
    上記酸素通路( 20 )における接続通路( 93 )の接続部の上流側及び下流側にそれぞれ設けられた酸素開閉機構( 88,89 )と、
    上記水素通路( 21 )における接続通路( 93 )の接続部の上流側及び下流側にそれぞれ設けられた水素開閉機構( 90,91 )とを備えて構成されている
    ことを特徴とする燃料電池システム。
  3. 請求項1又は2において、
    混合手段(80)は、酸素含有ガスと燃料ガスとの混合ガスを燃料電池(10)の水素極側(12)にのみ流入させるように構成されている
    ことを特徴とする燃料電池システム。
  4. 請求項1又は2において、
    混合手段(80)は、酸素含有ガスと燃料ガスとの混合ガスを燃料電池(10)の酸素極側(11)にのみ流入させるように構成されている
    ことを特徴とする燃料電池システム。
  5. 請求項1又は2において、
    混合手段(80)は、酸素含有ガスと燃料ガスとの混合ガスを燃料電池(10)の酸素極側(11)及び水素極側(12)に流入させるように構成されている
    ことを特徴とする燃料電池システム。
  6. 請求項1からの何れか1項において、
    発電運転中に酸素含有ガスと燃料ガスとの混合ガスを燃料電池(10)の水素極側(12)に流入可能に構成された再生制御手段(102)を備えている
    ことを特徴とする燃料電池システム。
  7. 請求項1からの何れか1項において、
    上記酸素通路(20)における混合手段( 80 )の上流側に設けられ、酸素含有ガスを加熱する加熱手段(57)と、
    上記酸素通路(20)における混合手段( 80 )の上流側に設けられ、酸素含有ガスを加湿する加湿手段(49)とを備えている
    ことを特徴とする燃料電池システム。
  8. 請求項1において、
    運転を停止するときに、酸素通路(20)における混合器(81)の接続部の上流側に設けられた酸素開閉機構(88)と、水素通路(21)における混合器(81)の接続部の下流側に設けられた水素開閉機構(91)とを開放すると共に、酸素通路(20)における混合器(81)の接続部の下流側に設けられた酸素開閉機構(89)と、水素通路(21)における混合器(81)の接続部の上流側に設けられた水素開閉機構(90)と、酸素バイパス開閉機構(84)と、水素バイパス開閉機構(85)とを閉鎖する停止制御手段(103)を備えている
    ことを特徴とする燃料電池システム。
  9. 請求項1において、
    運転を停止するときに、水素通路(21)における混合器(81)の接続部の下流側に設けられた水素開閉機構(91)と、酸素開閉機構(88,89)とを開放すると共に、水素通路(21)における混合器(81)の接続部の上流側に設けられた水素開閉機構(90)と、酸素バイパス開閉機構(84)と、水素バイパス開閉機構(85)とを閉鎖する停止制御手段(103)を備えている
    ことを特徴とする燃料電池システム。
  10. 請求項2において、
    運転を停止するときに、酸素通路(20)における接続通路(93)の接続部の上流側に設けられた酸素開閉機構(88)と、水素通路(21)における接続通路(93)の接続部の下流側に設けられた水素開閉機構(91)と、接続開閉機構(94)とを開放すると共に、酸素通路(20)における接続通路(93)の接続部の下流側に設けられた酸素開閉機構(89)と、水素通路(21)における接続通路(93)の接続部の上流側に設けられた水素開閉機構(90)とを閉鎖する停止制御手段(103)を備えている
    ことを特徴とする燃料電池システム。
  11. 請求項2において、
    運転を停止するときに、水素通路(21)における接続通路(93)の接続部の下流側に設けられた水素開閉機構(91)と、酸素開閉機構(88,89)と、接続開閉機構(94)とを開放すると共に、水素通路(21)における接続通路(93)の接続部の上流側に設けられた水素開閉機構(90)を閉鎖する停止制御手段(103)を備えている
    ことを特徴とする燃料電池システム。
JP2001340573A 2001-11-06 2001-11-06 燃料電池システム Expired - Fee Related JP3915475B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001340573A JP3915475B2 (ja) 2001-11-06 2001-11-06 燃料電池システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001340573A JP3915475B2 (ja) 2001-11-06 2001-11-06 燃料電池システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003142134A JP2003142134A (ja) 2003-05-16
JP3915475B2 true JP3915475B2 (ja) 2007-05-16

Family

ID=19154752

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001340573A Expired - Fee Related JP3915475B2 (ja) 2001-11-06 2001-11-06 燃料電池システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3915475B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4814493B2 (ja) * 2004-03-02 2011-11-16 本田技研工業株式会社 燃料電池システム
JP2005259663A (ja) * 2004-03-15 2005-09-22 Ebara Ballard Corp 燃料電池発電方法および燃料電池発電システム
JP2006059741A (ja) * 2004-08-23 2006-03-02 Toshiba Fuel Cell Power Systems Corp 燃料電池装置及びその運転方法
JP4905847B2 (ja) 2005-11-30 2012-03-28 トヨタ自動車株式会社 燃料電池システム
JP5023568B2 (ja) * 2006-06-21 2012-09-12 株式会社エクォス・リサーチ 燃料電池システム及びその制御方法
FI119490B (fi) * 2006-06-22 2008-11-28 Waertsilae Finland Oy Esilämmitysjärjestely polttokennolaitteistossa
JP5331905B2 (ja) * 2012-01-19 2013-10-30 Jx日鉱日石エネルギー株式会社 燃料電池システムの運転方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003142134A (ja) 2003-05-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4892770B2 (ja) 燃料電池用加湿装置
JP3685936B2 (ja) 固体高分子型燃料電池システム
JP3809646B2 (ja) 燃料電池装置
KR100724017B1 (ko) 연료 전지 시스템과 그의 운전 방법
JP2000156236A5 (ja)
JP3915475B2 (ja) 燃料電池システム
JP3879480B2 (ja) 燃料電池システム
JP3915476B2 (ja) 燃料電池システム
JP3960002B2 (ja) 燃料電池システム
JP2003017098A (ja) 燃料電池システム
JP3950562B2 (ja) 固体高分子型燃料電池システム
JP2003017097A (ja) ガス加湿装置及び燃料電池システム
JP3895899B2 (ja) 固体高分子型燃料電池発電装置及び固体高分子型燃料電池の運転方法
JP3956755B2 (ja) 燃料電池発電システム
WO2005020360A1 (ja) 燃料電池システム、燃料電池システムの起動方法
JP3924198B2 (ja) 燃料電池システム及び燃料電池システムの起動方法
JP4610906B2 (ja) 燃料電池発電システム及び燃料電池発電システムの起動方法
JP3732004B2 (ja) 一酸化炭素除去装置およびその運転方法
JP3561659B2 (ja) 燃料電池システム
JP2003157878A (ja) 燃料電池システム
JP2003100327A (ja) 燃料電池システム
JP2004213979A (ja) 燃料電池システムの起動方法及び燃料電池システム
JP2003017108A (ja) 改質装置及び燃料電池システム
JPH08315845A (ja) リン酸型燃料電池発電装置
JP2007059173A (ja) 燃料電池システム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040927

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20061010

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061017

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061215

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070116

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070129

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110216

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110216

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120216

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees