JP3915476B2 - 燃料電池システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池システムに関し、特に、発電性能の低下抑制対策に係るものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば、特開平11−283649号公報に開示されているように、原料ガスを改質装置で改質して燃料ガスを生成し、該燃料ガスを燃料電池に供給すると共に、空気を酸化剤ガスとして燃料電池に供給する燃料電池システムが知られている。燃料電池は、電解質膜によって酸素極側ガス流路と水素極側ガス流路とに区画されて形成されるもので、その酸素極側ガス流路に空気が、また水素極側ガス流路に燃料ガスがそれぞれ供給されるようになっている。そして、燃料ガスが改質装置から燃料電池の水素極側ガス流路へ送られると、燃料ガスの主成分である水素が、酸素極側ガス流路の電極触媒上で空気中の酸素と反応して発電が行なわれる。発電中には、燃料電池が発熱して昇温するために、燃料電池に冷却水を流すことによって燃料電池の温度を一定範囲内に維持するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記燃料電池のガス流路では、空気又は燃料ガスに含まれるカチオン等が吸着することがある。そして、カチオン等がガス流路に面する電極触媒に吸着すると、反応面積が減少するために発電性能が低下するという問題が生ずる。つまり、カチオンが混入すると電解質内でプロトンと交換し、導電性が低下するだけでなく電極触媒にも吸着して発電性能を低下させる。さらに、運転の停止時には、安全確保のため及びカーボン腐食による劣化防止のために、反応ガスを早急にパージする必要がある。
【0004】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、燃料電池システムに所定の改良を施すことで、発電性能が低下するのを抑制することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、冷却水を燃料電池(10)のガス流路(11,12)に流入可能に構成するようにしたものである。
【0006】
具体的に、第1の解決手段は、酸素含有ガスが流れる酸素通路(20)と、燃料ガスが流れる水素通路(21)と、冷却水が循環する冷却水回路(60)と、上記酸素通路(20)に接続された酸素ガス流路(11)と、上記水素通路(21)に接続された水素ガス流路(12)と、上記冷却水回路(60)に接続されて冷却水が流れる冷却水流路(13)とが形成された燃料電池(10)と、上記燃料電池(10)の起動時又は停止時に冷却水回路(60)の冷却水をガス流路(11,12)に流入可能に構成された冷却水流入手段(88)とを備えている。
【0007】
そして、上記冷却水流入手段( 88 )は、上記冷却水回路( 60 )における燃料電池( 10 )の上流側と、酸素通路( 20 )における燃料電池( 10 )の上流側と、水素通路( 21 )における燃料電池( 10 )の上流側とを接続する分流通路( 89 )と、上記酸素通路( 20 )における燃料電池( 10 )の下流側と、水素通路( 21 )における燃料電池( 10 )の下流側と、冷却水回路( 60 )とを接続する回収通路( 95 )と、上記燃料電池( 10 )のガス流路( 11,12 )に酸素含有ガス若しくは燃料ガスを流入させるか、又は分流通路( 89 )からの冷却水を流入させるかを切り換える流入切換手段( 100 )とにより構成されている。
【0008】
また、第2の解決手段は、酸素含有ガスが流れる酸素通路( 20 )と、燃料ガスが流れる水素通路( 21 )と、冷却水が循環する冷却水回路( 60 )と、上記酸素通路( 20 )に接続された酸素ガス流路( 11 )と、上記水素通路( 21 )に接続された水素ガス流路( 12 )と、上記冷却水回路( 60 )に接続されて冷却水が流れる冷却水流路( 13 )とが形成された燃料電池( 10 )と、上記燃料電池( 10 )の起動時又は停止時に冷却水回路( 60 )の冷却水をガス流路( 11,12 )に流入可能に構成された冷却水流入手段( 88 )とを備えている。
【0009】
そして、上記冷却水流入手段( 88 )は、上記冷却水回路( 60 )における燃料電池( 10 )の下流側と酸素通路( 20 )における燃料電池( 10 )の上流側と、水素通路( 21 )における燃料電池( 10 )の上流側とを接続する分流通路( 89 )と、上記酸素通路( 20 )における燃料電池( 10 )の下流側と、水素通路( 21 )における燃料電池( 10 )の下流側と、冷却水回路( 60 )とを接続する回収通路( 95 )と、上記燃料電池( 10 )のガス流路( 11,12 )に酸素含有ガス若しくは燃料ガスを流入させるか、又は分流通路( 89 )からの冷却水を流入させるかを切り換える流入切換手段( 100 )とにより構成されている。
【0010】
また、第3の解決手段は、上記第1又は2の解決手段において、冷却水回路(60)の冷却水を酸素ガス流路(11)にのみ流入させるように冷却水流入手段(88)を制御する流入制御手段(111)を備えている。
【0011】
また、第4の解決手段は、上記第1又は2の解決手段において、冷却水回路(60)の冷却水を水素ガス流路(12)にのみ流入させるように冷却水流入手段(88)を制御する流入制御手段(111)を備えている。
【0012】
また、第5の解決手段は、上記第1又は2の解決手段において、冷却水回路(60)の冷却水を酸素ガス流路(11)及び水素ガス流路(12)に流入させるように冷却水流入手段(88)を制御する流入制御手段(111)を備えている。
【0013】
また第6の解決手段は、上記第5の解決手段において、外気温度検出手段(102)を備える一方、流入制御手段(111)は、運転停止中において、上記外気温度検出手段(102)が検出した外気温度が所定温度以下のときに、冷却水回路(60)の冷却水を酸素ガス流路(11)及び水素ガス流路(12)に流入させる。
【0014】
また、第7の解決手段は、上記第1又は第2の解決手段において、燃料電池(10)と分流通路(89)の接続部と回収通路(95)の接続部とをバイパスするように酸素通路(20)に接続され、酸素バイパス開閉機構(24a)が設けられた酸素バイパス通路(24)を備えている。
【0015】
また、第8の解決手段は、上記第1又は第2の解決手段において、燃料電池(10)と分流通路(89)の接続部と回収通路(95)の接続部とをバイパスするように水素通路(21)に接続され、水素バイパス開閉機構(25a)が設けられた水素バイパス通路(25)を備えている。
【0016】
また、第9の解決手段は、上記第1又は第2の解決手段において、燃料電池(10)と分流通路(89)の接続部と回収通路(95)の接続部とをバイパスするように酸素通路(20)に接続され、酸素バイパス開閉機構(24a)が設けられた酸素バイパス通路(24)と、燃料電池(10)と分流通路(89)の接続部と回収通路(95)の接続部とをバイパスするように水素通路(21)に接続され、水素バイパス開閉機構(25a)が設けられた水素バイパス通路(25)とを備えている。
【0017】
また、第10の解決手段は、上記第1の解決手段において、水素通路(21)における分流通路(89)の接続部の上流側に設けられ、原料ガスから燃料ガスを生成する改質装置(30)と、冷却水回路(60)に接続され、上記改質装置(30)の排熱を回収する熱交換部(107)が設けられた排熱回収回路(104)と、冷却水回路(60)の冷却水が上記排熱回収回路(104)に流れるように切換可能に構成された熱回収切換手段(101)と、燃料電池(10)と分流通路(89)の接続部と回収通路(95)の接続部とをバイパスするように水素通路(21)に接続され、水素バイパス開閉機構(25a)が設けられた水素バイパス通路(25)とを備える一方、流入切換手段(100)は、燃料電池(10)の昇温時に分流通路(89)からの冷却水をガス流路(11,12)に流入させるように切り換えるように構成されている。
【0018】
また、第11の解決手段は、上記第2の解決手段において、水素通路(21)における分流通路(89)の接続部の上流側に設けられ、原料ガスから燃料ガスを生成する改質装置(30)と、分流通路(89)に設けられ、上記改質装置(30)の排熱を回収する熱交換部(107)と、燃料電池(10)と分流通路(89)の接続部と回収通路(95)の接続部とをバイパスするように水素通路(21)に接続され、水素バイパス開閉機構(25a)が設けられた水素バイパス通路(25)とを備える一方、流入切換手段(100)は、燃料電池(10)の昇温時に分流通路(89)からの冷却水をガス流路(11,12)に流入させるように切り換えるように構成されている。
【0019】
また、第12の解決手段は、上記第10又は第11の解決手段において、燃料電池(10)と分流通路(89)の接続部と回収通路(95)の接続部とをバイパスするように酸素通路(20)に接続され、酸素バイパス開閉機構(24a)が設けられた酸素バイパス通路(24)を備えている。
【0020】
また、第13の解決手段は、上記第1の解決手段において、酸素通路(20)と水素通路(21)とに接続され、燃料電池(10)の酸素極排ガス中の酸素と水素極排ガス中の水素とを反応させる燃焼器(51)と、冷却水回路(60)に接続され、上記燃焼器(51)の排熱を回収する熱交換部(106)を有する排熱回収回路(104)と、冷却水回路(60)の冷却水が上記排熱回収回路(104)に流れるように切換可能に構成された熱回収切換手段(101)と、燃料電池(10)と分流通路(89)の接続部と回収通路(95)の接続部とをバイパスするように水素通路(21)に接続され、水素バイパス開閉機構(25a)が設けられた水素バイパス通路(25)と、燃料電池(10)と分流通路(89)の接続部と回収通路(95)の接続部とをバイパスするように酸素通路(20)に接続され、酸素バイパス開閉機構(24a)が設けられた酸素バイパス通路(24)とを備える一方、流入切換手段(100)は、燃料電池(10)の昇温時に分流通路(89)からの冷却水をガス流路(11,12)に流入させるように切り換えるように構成されている。
【0021】
また、第14の解決手段は、上記第2の解決手段において、酸素通路(20)と水素通路(21)とに接続され、燃料電池(10)の酸素極排ガス中の酸素と水素極排ガス中の水素とを反応させる燃焼器(51)と、分流通路(89)に設けられ、上記燃焼器(51)の排熱を回収する熱交換部(106)と、燃料電池(10)と分流通路(89)の接続部と回収通路(95)の接続部とをバイパスするように酸素通路(20)に接続され、酸素バイパス開閉機構(24a)が設けられた酸素バイパス通路(24)と、燃料電池(10)と分流通路(89)の接続部と回収通路(95)の接続部とをバイパスするように水素通路(21)に接続され、水素バイパス開閉機構(25a)が設けられた水素バイパス通路(25)とを備える一方、流入切換手段(100)は、燃料電池(10)の昇温時に分流通路(89)からの冷却水をガス流路(11,12)に流入させるように切り換えるように構成されている。
【0022】
また、第15の解決手段は、上記第1の解決手段において、水素通路(21)における分流通路(89)の接続部の上流側に設けられ、原料ガスから燃料ガスを生成する改質装置(30)と、酸素通路(20)と水素通路(21)とに接続され、燃料電池(10)の酸素極排ガス中の酸素と水素極排ガス中の水素とを反応させる燃焼器(51)と、冷却水回路(60)に接続され、上記改質装置(30)及び燃焼器(51)の排熱を回収する熱交換部(106,107)が設けられた排熱回収回路(104)と、冷却水回路(60)の冷却水が上記排熱回収回路(104)に流れるように切換可能に構成された熱回収切換手段(101)と、燃料電池(10)と分流通路(89)の接続部と回収通路(95)の接続部とをバイパスするように酸素通路(20)に接続され、酸素バイパス開閉機構(24a)が設けられた酸素バイパス通路(24)と、燃料電池(10)と分流通路(89)の接続部と回収通路(95)の接続部とをバイパスするように水素通路(21)に接続され、水素バイパス開閉機構(25a)が設けられた水素バイパス通路(25)とを備える一方、流入切換手段(100)は、燃料電池(10)の昇温時に分流通路(89)からの冷却水をガス流路(11,12)に流入させるように切り換えるように構成されている。
【0023】
また、第16の解決手段は、上記第2の解決手段において、水素通路(21)における分流通路(89)の接続部の上流側に設けられ、原料ガスから燃料ガスを生成する改質装置(30)と、酸素通路(20)と水素通路(21)とに接続され、燃料電池(10)の酸素極排ガス中の酸素と水素極排ガス中の水素とを反応させる燃焼器(51)と、分流通路(89)に設けられ、上記改質装置(30)及び燃焼器(51)の排熱を回収する熱交換部(106,107)と、燃料電池(10)と分流通路(89)の接続部と回収通路(95)の接続部とをバイパスするように酸素通路(20)に接続され、酸素バイパス開閉機構(24a)が設けられた酸素バイパス通路(24)と、燃料電池(10)と分流通路(89)の接続部と回収通路(95)の接続部とをバイパスするように水素通路(21)に接続され、水素バイパス開閉機構(25a)が設けられた水素バイパス通路(25)とを備える一方、流入切換手段(100)は、燃料電池(10)の昇温時に分流通路(89)からの冷却水をガス流路(11,12)に流入させるように切り換えるように構成されている。
【0024】
また、第17の解決手段は、上記第1から第16の何れか1つの解決手段において、冷却水回路(60)は、循環する冷却水に含まれる不純物を除去する冷却水洗浄手段(85)を備えている。
【0025】
また、第18の解決手段は、上記第1から第17の何れか1つの解決手段において、冷却水回路(60)は、燃料電池(10)から流出した冷却水を貯留する貯留容器(80)と、該貯留容器(80)に貯留している冷却水を入れ替える入替手段(81)とを備えている。
【0026】
また、第19の解決手段は、上記第13から第16の何れか1つの解決手段において、酸素通路(20)における回収通路(95)の接続部、及び水素通路(21)における回収通路(95)の接続部のうちの少なくとも一方には、気液分離器(28,29)が配設されている。
【0027】
すなわち、上記第1の解決手段では、酸素通路(20)を流れる酸素含有ガスが燃料電池(10)の酸素ガス流路(11)に流入すると共に、水素通路(21)を流れる燃料ガスが燃料電池(10)の水素ガス流路(12)に流入する。一方、燃料電池(10)の冷却水流路(13)には、冷却水回路(60)の冷却水が流入する。そして、冷却水流入手段(88)が切り換わると、冷却水回路(60)の冷却水を燃料電池(10)のガス流路(11,12)に流入させ、燃料電池(10)を加熱又は冷却しながら電極を洗浄する。つまり、ガス流路(11,12)に冷却水を流入させることで、装置を複雑にすることなく、発電運転中にガス流路(11,12)に蓄積された不純物を除去することができると共に燃料電池(10)を加熱又は冷却することができる。更に、冷却水を流入させて電極の洗浄を行うようにしているので、電解質膜を湿潤状態に維持することができ、電解質膜の劣化を抑制することができる。また、冷却水を流入させても起電力が発生しないために、燃料電池(10)が劣化しない。
【0028】
また、冷却水回路( 60 )の冷却水は、分流通路( 89 )と燃料電池( 10 )の冷却水流路( 13 )とに分流して流れる。分流通路( 89 )の冷却水は、酸素通路( 20 )又は水素通路( 21 )を流れた後、燃料電池( 10 )の酸素ガス流路( 11 )又は水素ガス流路( 12 )を流れて電極を洗浄する。そして、酸素ガス流路( 11 )又は水素ガス流路( 12 )から流出した冷却水が回収通路( 95 )を流れ、これら冷却水は、冷却水回路( 60 )に回収され、上記燃料電池( 10 )の冷却水流路( 13 )を流れた冷却水と合流する。
【0029】
また、上記第2の解決手段では、冷却水回路( 60 )の冷却水は、燃料電池( 10 )の冷却水流路( 13 )を流れた後に分流して、一部が分流通路( 89 )を流れる。分流通路( 89 )の冷却水は、酸素通路( 20 )又は水素通路( 21 )を流れた後、燃料電池( 10 )の酸素ガス流路( 11 )又は水素ガス流路( 12 )を流れて電極を洗浄する。そして、酸素ガス流路( 11 )又は水素ガス流路( 12 )から流出した冷却水が回収通路( 95 )を流れ、冷却水回路( 60 )に回収される。
【0030】
また、上記第3の解決手段では、上記第1又は第2の解決手段において、冷却水回路(60)の冷却水が、燃料電池(10)の酸素ガス流路(11)にのみ流入する。
【0031】
また、上記第4の解決手段では、上記第1又は第2の解決手段において、冷却水回路(60)の冷却水が、燃料電池(10)の水素ガス流路(12)にのみ流入する。
【0032】
また、上記第5の解決手段では、上記第1又は第2の解決手段において、冷却水回路(60)の冷却水が、燃料電池(10)の酸素ガス流路(11)及び水素ガス流路(12)に流入する。
【0033】
また、上記第6の解決手段では、上記第5の解決手段において、運転停止中において、外気温度検出手段(102)が検出した外気温度が所定温度以下のときに、冷却水回路(60)の冷却水が酸素ガス流路(11)及び水素ガス流路(12)を流れる。つまり、外気温度が所定温度以下となって、ガス流路(11,12)内の水分が凍結する恐れがあるときに、冷却水を流通させることで、凍結を防止する。
【0034】
また、上記第7の解決手段では、上記第1又は第2の解決手段において、酸素通路(20)の酸素バイパス開閉機構(24a)が開放すると、酸素通路(20)の酸素含有ガスは、燃料電池(10)の酸素ガス流路(11)に流入することなく酸素通路(20)を流れる。
【0035】
また、上記第8の解決手段では、上記第1又は第2の解決手段において、水素通路(21)の水素バイパス開閉機構(25a)が開放すると、水素通路(21)の燃料ガスは、燃料電池(10)の水素ガス流路(12)に流入することなく水素通路(21)を流れる。
【0036】
また、上記第9の解決手段では、上記第1又は第2の解決手段において、酸素通路(20)の酸素バイパス開閉機構(24a)と水素通路(21)の水素バイパス開閉機構(25a)とが開放すると、酸素通路(20)の酸素含有ガスが、燃料電池(10)の酸素ガス流路(11)に流入することなく酸素通路(20)を流れる。また、水素通路(21)の燃料ガスが、燃料電池(10)の水素ガス流路(12)に流入することなく水素通路(21)を流れる。
【0037】
また、上記第10の解決手段では、上記第1の解決手段において、水素バイパス開閉機構(25a)が開放すると、水素通路(21)の改質装置(30)によって原料ガスから生成された燃料ガスが水素バイパス通路(25)を流れるので、燃料電池(10)の水素ガス流路(12)に流入することなく水素通路(21)を流れる。一方、冷却水回路(60)の冷却水は、熱回収切換手段(101)の切換により、排熱回収回路(104)を流れる。排熱回収回路(104)では、熱交換部(107)において改質装置(30)の排熱を回収して冷却水が加熱される。そして、加熱された冷却水が、流入切換手段(100)の切り換えにより、燃料電池(10)の酸素ガス流路(11)又は水素ガス流路(12)にそれぞれ流入して、燃料電池(10)を加湿しながら加熱する。つまり、例えば、起動時に、加熱された冷却水をガス流路(11,12)に流入させることで、ガス流路(11,12)や電極に蓄積された不純物を除去しながら、燃料電池(10)を迅速に昇温させることができる。更に、改質装置(30)の排熱を利用して燃料電池(10)を昇温させるので、熱効率が向上する。
【0038】
また、上記第11の解決手段では、上記第2の解決手段において、水素バイパス開閉機構(25a)が開放すると、水素通路(21)の改質装置(30)によって原料ガスから生成された燃料ガスが水素バイパス通路(25)を流れるので、燃料電池(10)の水素ガス流路(12)に流入することなく水素通路(21)を流れる。一方、冷却水回路(60)の冷却水は、流入切換手段(100)の切り換えにより、一部が分流通路(89)を流れる。分流通路(89)では、熱交換部(107)において改質装置(30)の排熱を回収して冷却水が加熱される。そして、加熱された冷却水が燃料電池(10)の酸素ガス流路(11)又は水素ガス流路(12)にそれぞれ流入して、燃料電池(10)を加湿しながら加熱する。つまり、例えば、起動時に、加熱された冷却水をガス流路(11,12)に流入させることで、ガス流路(11,12)や電極に蓄積された不純物を除去しながら、燃料電池(10)を迅速に昇温させることができる。更に、改質装置(30)の排熱を利用して燃料電池(10)を昇温させるので、熱効率が向上する。
【0039】
また、上記第12の解決手段では、上記第10又は第11の解決手段において、酸素バイパス開閉機構(24a)が開放すると、酸素含有ガスが酸素バイパス通路(24)を流れ、燃料電池(10)の酸素ガス流路(11)に流入することなく酸素通路(20)を流れる。
【0040】
また、上記第13の解決手段では、上記第1の解決手段において、酸素バイパス開閉機構(24a)及び水素バイパス開閉機構(25a)が開放すると、燃料ガスが燃料電池(10)に流入することなく水素バイパス通路(25)を流れ、酸素含有ガスが燃料電池(10)に流入することなく酸素通路(20)を流れる。燃料ガス及び酸素含有ガスは、燃焼器(51)に流入して発熱反応を行う。一方、冷却水回路(60)の冷却水は、熱回収切換手段(101)の切り換えにより、排熱回収回路(104)を流れる。排熱回収回路(104)では、熱交換部(106)において燃焼器(51)の排熱を回収して冷却水が加熱される。そして、加熱された冷却水が、流入切換手段(100)の切り換えにより、燃料電池(10)の酸素ガス流路(11)又は水素ガス流路(12)にそれぞれ流入して、燃料電池(10)を加湿しながら加熱する。つまり、例えば、起動時に、加熱された冷却水をガス流路(11,12)に流入させることで、ガス流路(11,12)に蓄積された不純物を除去しながら、燃料電池(10)を迅速に昇温させることができる。更に、燃焼器(51)の排熱を利用して燃料電池(10)を昇温させるので、熱効率が向上する。
【0041】
また、上記第14の解決手段では、上記第2の解決手段において、酸素バイパス開閉機構(24a)及び水素バイパス開閉機構(25a)が開放すると、燃料ガスが燃料電池(10)に流入することなく水素バイパス通路(25)を流れ、酸素含有ガスが燃料電池(10)に流入することなく酸素通路(20)を流れる。燃料ガス及び酸素含有ガスは、燃焼器(51)に流入して発熱反応を行う。一方、冷却水回路(60)の冷却水は、流入切換手段(100)の切り換えにより、一部が分流通路(89)を流れる。分流通路(89)では、熱交換部(106)において燃焼器(51)の排熱を回収して冷却水が加熱される。そして、加熱された冷却水が燃料電池(10)の酸素ガス流路(11)又は水素ガス流路(12)にそれぞれ流入して、燃料電池(10)を加湿しながら加熱する。つまり、例えば、起動時に、加熱された冷却水をガス流路(11,12)に流入させることで、ガス流路(11,12)や電極に蓄積された不純物を除去しながら、燃料電池(10)を迅速に昇温させることができる。更に、燃焼器(51)の排熱を利用して燃料電池(10)を昇温させるので、熱効率が向上する。
【0042】
また、上記第15の解決手段では、上記第1の解決手段において、酸素バイパス開閉機構(24a)及び水素バイパス開閉機構(25a)が開放すると、水素通路(21)の改質装置(30)によって原料ガスから生成された燃料ガス燃料ガスが燃料電池(10)に流入することなく水素バイパス通路(25)を流れ、酸素含有ガスが燃料電池(10)に流入することなく酸素通路(20)を流れる。燃料ガス及び酸素含有ガスは、燃焼器(51)に流入して発熱反応を行う。一方、冷却水回路(60)の冷却水は、熱回収切換手段(101)の切り換えにより、排熱回収回路(104)を流れる。排熱回収回路(104)では、熱交換部(106,107)において改質装置(30)及び燃焼器(51)の排熱を回収して冷却水が加熱される。そして、加熱された冷却水が、流入切換手段(100)の切り換えにより、燃料電池(10)の酸素ガス流路(11)又は水素ガス流路(12)にそれぞれ流入して、燃料電池(10)を加湿しながら加熱する。つまり、例えば、起動時に、加熱された冷却水をガス流路(11,12)に流入させることで、ガス流路(11,12)や電極に蓄積された不純物を除去しながら、燃料電池(10)を迅速に昇温させることができる。更に、改質装置(30)及び燃焼器(51)の排熱を利用して燃料電池(10)を昇温させるので、熱効率が向上する。
【0043】
また、上記第16の解決手段では、上記第2の解決手段において、酸素バイパス開閉機構(24a)及び水素バイパス開閉機構(25a)が開放すると、水素通路(21)の改質装置(30)によって原料ガスから生成された燃料ガス燃料ガスが燃料電池(10)に流入することなく水素バイパス通路(25)を流れ、酸素含有ガスが燃料電池(10)に流入することなく酸素通路(20)を流れる。燃料ガス及び酸素含有ガスは、燃焼器(51)に流入して発熱反応を行う。一方、冷却水回路(60)の冷却水は、流入切換手段(100)の切り換えにより、一部が分流通路(89)を流れる。分流通路(89)では、熱交換部(106,107)において改質装置(30)及び燃焼器(51)の排熱を回収して冷却水が加熱される。そして、加熱された冷却水が燃料電池(10)の酸素ガス流路(11)又は水素ガス流路(12)にそれぞれ流入して、燃料電池(10)を加湿しながら加熱する。つまり、例えば、起動時に、加熱された冷却水をガス流路(11,12)に流入させることで、ガス流路(11,12)に蓄積された不純物を除去しながら、燃料電池(10)を迅速に昇温させることができる。更に、改質装置(30)及び燃焼器(51)の排熱を利用して燃料電池(10)を昇温させるので、熱効率が向上する。
【0044】
また、上記第17の解決手段では、上記第1から第16の何れか1つの解決手段において、冷却水洗浄手段(85)によって不純物が除去された冷却水が燃料電池(10)のガス流路(11,12)に流入する。
【0045】
また、上記第18の解決手段では、上記第1から第17の何れか1つの解決手段において、冷却水回路(60)の冷却水が、燃料電池(10)から流出した後、貯留容器(80)に貯留される。貯留容器(80)の冷却水が入替手段(81)によって、入れ替えられる。
【0046】
また、上記第19の解決手段では、上記第13から第16の何れか1つの解決手段において、燃料電池(10)のガス流路(11,12)から流出したガスに含まれる冷却水が気液分離器(28,29)で確実にガスから分離される。
【0047】
【発明の効果】
従って、上記解決手段によれば、冷却水を燃料電池(10)のガス流路(11,12)に流入させるようにしたために、電解質膜を湿潤状態に維持しながら、ガス流路(11,12)及び電極触媒に吸着されたカチオン等の不純物を除去しつつ、燃料電池(10)を加熱又は冷却することができる。この結果、発電性能が低下するのを抑制すると共に、燃料電池(10)の劣化を抑制することができる。また、燃料電池(10)の冷却水を流入させるようにしたために、不活性ガスボンベ等を使用する必要がなく、装置が複雑になることがない。また、起電力を発生しないために、燃料電池(10)を劣化させることがない。また、加熱された冷却水を起動時に燃料電池(10)のガス流路(11,12)に流入させるときには、燃料電池(10)が迅速に昇温するために、電極に使用される白金が改質ガスによってCO被毒するのを防止すべく起動に時間がかかってしまうという事態を回避することができる。
【0048】
また、上記第5の解決手段によれば、燃料電池(10)の両ガス流路(11,12)に冷却水を流入させるようにしたために、起電力を発生させることなく確実に電池の昇温や反応ガスのパージをすることができる。
【0049】
また、上記第6の解決手段によれば、運転停止中において、外気温度が低下したときに冷却水を流通させるようにしたために、ガス流路(11,12)における水分の凍結に起因する電池スタックの破壊を防止することができる。
【0050】
また、上記第10、第11及び第12の解決手段によれば、改質装置(30)の排熱を回収して燃料電池(10)を昇温させるようにしたために、排熱を有効利用することができ、熱効率を向上させることができる。また、起動時には、燃料電池(10)を加湿しながら迅速に昇温させることができる。また、水素バイパス通路(25)を設けるようにしたために、水素ガス流路(12)に冷却水のみを流入させることができる。
【0051】
また、上記第12の解決手段によれば、酸素バイパス通路(24)及び水素バイパス通路(25)を設けるようにしたために、酸素ガス流路(11)及び水素ガス流路(12)に冷却水のみを流入させることができる。
【0052】
また、上記第13及び第14の解決手段によれば、燃焼器(51)の排熱を回収して燃料電池(10)を昇温させるようにしたために、排熱を有効利用することができ、熱効率を向上させることができる。また、起動時には、燃料電池(10)を加湿しながら迅速に昇温させることができる。また、酸素バイパス通路(24)及び水素バイパス通路(25)を設けるようにしたために、酸素ガス流路(11)及び水素ガス流路(12)に冷却水のみを流入させることができる。
【0053】
また、上記第15及び第16の解決手段によれば、改質装置(30)及び燃焼器(51)の排熱を回収して燃料電池(10)を昇温させるようにしたために、更に熱効率を向上させることができる。また、起動時には、燃料電池(10)を加湿しながら迅速に昇温させることができる。また、酸素バイパス通路(24)及び水素バイパス通路(25)を設けるようにしたために、酸素ガス流路(11)及び水素ガス流路(12)に冷却水のみを流入させることができる。
【0054】
また、上記第17の解決手段によれば、冷却水に含まれる不純物を除去するようにしたために、冷却水中の不純物が燃料電池(10)のガス流路(11,12)や電極に付着するのを防止することができる。この結果、発電性能が低下するのを更に抑制することができる。
【0055】
また、上記第18の解決手段によれば、冷却水回路(60)を循環する冷却水を入れ替え可能になり、きれいな冷却水を循環させることができる。この結果、発電性能が低下するのを更に抑制することができる。
【0056】
また、上記第19の解決手段によれば、気液分離器(28,29)を配設するようにしたために、燃料電池(10)から流出したガスに含まれる冷却水をガスから分離することができる。この結果、冷却水が燃焼器(51)に流入するのを確実に防止することができて、燃焼器(51)での反応を効率よく行うことができる。
【0057】
【発明の実施の形態1】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0058】
図1に示すように、本実施形態1に係る燃料電池システムは、酸素通路(20)と水素通路(21)と燃料電池(10)と冷却水回路(60)とコントローラ(110)とを備えている。また、この燃料電池システムは、水循環路(65)を備えており、いわゆるコジェネレーションシステムを構成している。
【0059】
上記酸素通路(20)は、燃料電池(10)に酸素含有ガスである空気を供給する空気供給管(20a)と、燃料電池(10)から排出された酸素極排ガスが流れる酸素極排気管(20b)とにより構成されている。上記水素通路(21)は、燃料電池(10)に燃料ガスを供給する水素供給管(21a)と、燃料電池(10)から排出された水素極排ガスが流れる水素極排気管(21b)とにより構成されている。
【0060】
上記燃料電池(10)は、固体高分子電解質型に構成されている。この燃料電池(10)では、フッ素系の高分子フィルムからなる電解質膜の両面に触媒粒子を分散させて電極を形成することで、単電池が構成されている。この電極触媒は、主に白金が使用されている。電解質膜表面の電極は、一方が水素極(アノード)となり、他方が酸素極(カソード)となる。上記燃料電池(10)は、バイポーラ板を介して単電池が積層されたスタック(集合電池)を構成している。尚、燃料電池(10)の構造についは、図示を省略する。
【0061】
上記燃料電池(10)では、バイポーラ板と電解質膜の酸素極とにより、酸素極側ガス流路(11)が形成され、バイポーラ板と電解質膜の水素極とにより、水素極側ガス流路(12)が形成されている。また、燃料電池(10)は、冷却水流路(13)が形成されている。該冷却水流路(13)は、上記冷却水回路(60)に接続されている。
【0062】
上記空気供給管(20a)は、燃料電池(10)の酸素極側ガス流路(11)の入口側に接続され、酸素極排気管(20b)は、酸素極側ガス流路(11)の出口側に接続されている。一方、水素供給管(21a)は、燃料電池(10)の水素極側ガス流路(12)の入口側に接続され、水素極排気管(21b)は、水素極側ガス流路(12)の出口側に接続されている。
【0063】
上記空気供給管(20a)は、その始端が屋外に開口し、その下流端である終端が燃料電池(10)の酸素極側ガス流路(11)に接続されている。空気供給管(20a)には、その始端から終端に向かって順に、ブロワ(23)とガス加熱器(52)と第1加湿器(40)とが設けられている。
【0064】
上記空気供給管(20a)は、分岐管(22)が設けられている。分岐管(22)は、その始端がブロワ(23)とガス加熱器(52)の間に接続されている。
【0065】
上記第1加湿器(40)は、水蒸気透過膜(41)を備えている。水蒸気透過膜(41)は、水蒸気が透過可能な膜であって、例えばポリビニルアルコール膜等の親水性の膜により構成されている。
【0066】
上記第1加湿器(40)は、上記水蒸気透過膜(41)によって第1被加湿側通路(42)と第1排ガス通路(43)とに区画形成されている。第1被加湿側通路(42)には、空気供給管(20a)が接続されており、酸化剤ガスとしての空気が導入される。
【0067】
上記水素供給管(21a)は、原料ガスとしての天然ガスが供給される一方、その下流端である終端が燃料電池(10)の水素極側ガス流路(12)に接続れている。水素供給管(21a)は、改質装置(30)が設けられている。該改質装置(30)は、原料ガスから水素主体の燃料ガスを生成するように構成されている。この改質装置(30)には、ガスの流れに沿って順に、脱硫器(31)とガス加熱器(52)と第2加湿器(45)と本体部(32)とが設けられている。また、改質装置(30)における脱硫器(31)とガス加熱器(52)の間には、空気供給管(20a)の分岐管(22)が接続されている。
【0068】
上記脱硫器(31)は、原料ガスから硫黄分を吸着除去するように構成されている。
【0069】
上記第2加湿器(45)は、水蒸気透過膜(46)を備えている。この水蒸気透過膜(46)は、水蒸気が透過可能な膜であって、例えばポリビニルアルコール膜等の親水性の膜により構成されている。
【0070】
上記第2加湿器(45)は、上記水蒸気透過膜(46)によって第2被加湿側通路(47)と第2排ガス通路(48)とに区画形成されている。第2被加湿側通路(47)は、改質装置(30)におけるガス加熱器(52)と本体部(32)との間に設けられ、原料ガスが導入される。第2排ガス通路(48)には、上記水素極排気管(21b)が接続されており、燃料電池(10)の水素極側ガス流路(12)から電池排ガスとして排出された水素極排ガスが流れる。第2加湿器(45)は、原料ガスを加湿するためのものである。
【0071】
上記本体部(32)は、ガスの流れに沿って順に、改質器(33)と変成器(34)とCO除去器(35)とが設けられている。
【0072】
上記改質器(33)は、部分酸化反応に対して活性を呈する触媒と、水蒸気改質反応に対して活性を呈する触媒とを備えている。改質器(33)では、部分酸化反応及び水蒸気改質反応によって、メタンを主成分とする天然ガス(即ち、原料ガス)から水素を生成する。
【0073】
上記変成器(34)は、シフト反応(一酸化炭素変成反応)に活性を呈する触媒を備えている。変成器(34)では、シフト反応によって、ガス中の一酸化炭素が削減されると同時に水素が増加する。
【0074】
上記CO除去器(35)は、CO選択酸化反応に活性を呈する触媒を備えている。CO除去器(35)では、CO選択酸化反応によって、ガス中のCOが更に削減される。そして、CO除去器(35)から出た水素主体のガスが、燃料ガスとして水素供給管(21a)を流れて、燃料電池(10)の水素極側ガス流路(12)へ供給されるようになっている。
【0075】
上記酸素極排気管(20b)は、燃料電池(10)の酸素極側ガス流路(11)から電池排ガスとして排出された酸素極排ガスが流れる。酸素極排気管(20b)は、第1加湿器(40)の第1排ガス通路(43)が接続されている。酸素極排気管(20b)は、第1加湿器(40)の上流側に第1気液分離器(28)が、第1加湿器(40)の下流側に熱回収部(27)がそれぞれ設けられている。第1気液分離器(28)は、流入した酸素極排ガスがその上端部から流出するように酸素極排気管(20b)に接続されている。熱回収部(27)は、改質装置(30)の改質器(33)、変成器(34)、及びCO除去器(35)の近傍に形成されたガスの通路であって、これら改質器(33)等の排熱を回収するように構成されている。
【0076】
上記水素極排気管(21b)は、燃料電池(10)の水素極側ガス流路(12)から電池排ガスとして排出された水素極排ガスが流れる。水素極排気管(21b)は、第2加湿器(45)の第2排ガス通路(48)が接続されている。水素極排気管(21b)は、第2加湿器(45)の上流側に第2気液分離器(29)が設けられている。第2気液分離器(29)は、流入した水素極排ガスがその上端部から流出するように水素極排気管(21b)に接続されている。
【0077】
上記空気供給管(20a)は、酸素バイパス通路である酸素バイパス管(24)が接続されている。該酸素バイパス管(24)は、一端が空気供給管(20a)における第1加湿器(40)と燃料電池(10)との間に接続され、他端が酸素極排気管(20b)における燃料電池(10)と第1加湿器(40)との間に接続されている。酸素バイパス管(24)は、酸素バイパス開閉機構である酸素バイパス電磁弁(24a)が設けられている。つまり、酸素通路(20)は、酸素バイパス電磁弁(24a)が設けられた酸素バイパス管(24)を備えている。
【0078】
上記水素供給管(21a)は、水素バイパス通路である水素バイパス管(25)が接続されている。該水素バイパス管(25)は、一端が水素供給管(21a)におけるCO除去器(35)と燃料電池(10)との間に接続され、他端が水素極排気管(21b)における燃料電池(10)と第2加湿器(45)との間に接続されている。水素バイパス管(25)は、水素バイパス開閉機構である水素バイパス電磁弁(25a)が設けられている。つまり、水素通路(21)は、水素バイパス電磁弁(25a)が設けられた水素バイパス管(25)を備えている。
【0079】
上記酸素極排気管(20b)の終端と、水素極排気管(21b)の終端とは、燃焼器(51)に接続されている。該燃焼器(51)は、酸素極排ガス中に残存する酸素を利用して、水素極排ガス中に残存する水素を燃焼させるように構成されている。
【0080】
上記燃焼器(51)は、燃焼ガス管(26)が接続されている。燃焼ガス管(26)は、始端が燃焼器(51)に接続される一方、終端が屋外に開口し、その途中でガス加熱器(52)に接続されている。水素極排ガスの燃焼によって生成した高温の燃焼ガスは、この燃焼ガス管(26)を流れて屋外へ排出される。
【0081】
上記ガス加熱器(52)は、空気流路(53)と原料ガス流路(54)と燃焼ガス流路(55)とが区画形成されている。ガス加熱器(52)は、その空気流路(53)が空気供給管(20a)に接続され、その原料ガス流路(54)が改質装置(30)における脱硫器(31)と第2加湿器(45)との間に接続され、その燃焼ガス流路(55)が燃焼ガス管(26)に接続されている。ガス加熱器(52)は、燃焼ガス流路(55)の燃焼ガスと空気流路(53)の空気とを熱交換させて酸化剤ガスとしての空気を加熱すると同時に、燃焼ガス流路(55)の燃焼ガスと原料ガス流路(54)の原料ガスとを熱交換させて原料ガスを加熱するように構成されている。
【0082】
上記冷却水回路(60)は、冷却水が充填された閉回路であって、冷却水ポンプ(61)と冷却水電磁弁(62)と燃料電池(10)と第1熱交換器(71)と貯留容器(80)とイオン交換樹脂(85)とが接続されている。冷却水ポンプ(61)と冷却水電磁弁(62)とが配管接続されている。冷却水電磁弁(62)と、燃料電池(10)における冷却水流路(13)の流入端とが配管接続されている。燃料電池(10)における冷却水流路(13)の流出端と、第1熱交換器(71)の一端とが配管接続されている。第1熱交換器(71)の一端と、貯留容器(80)とが配管接続され、第1熱交換器(71)で熱交換された冷却水が貯留容器(80)に貯留されるようになっている。冷却水回路(60)では、冷却水を循環させることによって燃料電池(10)が所定の運転温度に保たれる。
【0083】
上記貯留容器(80)は、冷却水回路(60)の冷却水を貯留するように構成されている。貯留容器(80)は、貯留している冷却水を入れ替える入替手段(81)が設けられている。該入替手段(81)は、貯留容器(80)の上部に接続された補給管(82)と、貯留容器(80)の下部に接続された排出管(83)と、該排出管(83)に設けられた排出電磁弁(84)とにより構成されている。補給管(82)は、水道水を貯留容器(80)に流入させるように構成されている。排出管(83)は、貯留容器(80)の冷却水を排出するためのものである。
【0084】
上記イオン交換樹脂(85)は、貯留容器(80)における下部と配管接続される一方、冷却水ポンプ(61)と配管接続されている。イオン交換樹脂(85)は、冷却水洗浄手段を構成している。つまり、イオン交換樹脂(85)は、例えば、水中に存在するカチオンを吸着除去するビーズ状のカチオン交換樹脂により構成され、冷却水回路(60)を循環する冷却水に含まれる不純物を除去する。
【0085】
上記冷却水回路(60)には、冷却水流入手段(88)が接続されている。該冷却水流入手段(88)は、分流通路(89)と、開閉機構である酸素供給電磁弁(92)と、開閉機構である水素供給電磁弁(93)と、回収通路(95)と、開閉機構である酸素排出電磁弁(98)と、開閉機構である水素排出電磁弁(99)とを備えている。
【0086】
上記分流通路(89)は、第1分流通路(90)と第2分流通路(91)とにより構成されている。第1分流通路(90)は、一端が冷却水回路(60)における冷却水電磁弁(62)と燃料電池(10)との間に接続され、他端が空気供給管(20a)における酸素バイパス管(24)の接続部と燃料電池(10)との間に接続されている。第1分流通路(90)は、開閉機構である第1分流電磁弁(90a)が設けられている。第2分流通路(91)は、一端が空気供給管(20a)における酸素バイパス管(24)の接続部と燃料電池(10)との間に接続され、他端が水素供給管(21a)における水素バイパス管(25)の接続部と燃料電池(10)との間に接続されている。第2分流通路(91)は、開閉機構である第2分流電磁弁(91a)が設けられている。
【0087】
尚、第2分流通路(91)は、一端が空気供給管(20a)における酸素バイパス管(24)の接続部と燃料電池(10)との間に接続される構成に代え、一端が第1分流通路(90)における第1分流電磁弁(90a)の冷却水回路(60)の接続端寄りに接続される構成であってもよい。
【0088】
上記酸素供給電磁弁(92)は、空気供給管(20a)における酸素バイパス管(24)の接続部と、分流通路(89)の接続部との間に設けられている。上記水素供給電磁弁(93)は、水素供給管(21a)における水素バイパス管(25)の接続部と、分流通路(89)の接続部との間に設けられている。
【0089】
上記回収通路(95)は、第1回収通路(96)と第2回収通路(97)とにより構成されている。第1回収通路(96)は、一端が酸素極排気管(20b)の第1気液分離器(28)の下端部に接続され、他端が冷却水回路(60)における貯留容器(80)の内部に開口している。第1回収通路(96)は、開閉機構である第1回収電磁弁(96a)が設けられている。第2回収通路(97)は、一端が水素極排気管(21b)の第2気液分離器(29)の下端部に接続され、他端が第1回収通路(96)における第1回収電磁弁(96a)の貯留容器(80)開口端寄りに接続されている。第2回収通路(97)は、開閉機構である第2回収電磁弁(97a)が設けられている。
【0090】
上記酸素排出電磁弁(98)は、酸素極排気管(20b)における第1気液分離器(28)と酸素バイパス管(24)の接続部との間に設けられている。上記水素排出電磁弁(99)は、水素極排気管(21b)における第2気液分離器(29)と水素バイパス管(25)の接続部との間に設けられている。
【0091】
上記第1分流電磁弁(90a)と、第2分流電磁弁(91a)と、第1回収電磁弁(96a)、と第2回収電磁弁(97a)と、酸素供給電磁弁(92)と、水素供給電磁弁(93)と、酸素排出電磁弁(98)と、水素排出電磁弁(99)とにより流入切換手段(100)が構成されている。
【0092】
上記冷却水回路(60)は、排熱回収回路(104)が接続されている。排熱回収回路(104)は、一端が冷却水回路(60)における冷却水ポンプ(61)と冷却水電磁弁(62)との間に接続され、他端が冷却水回路(60)における冷却水電磁弁(62)と分流通路(89)の接続部との間に接続されている。排熱回収回路(104)は、上流側から順に、開閉機構である熱回収電磁弁(105)と、燃焼熱交換部(106)と、改質熱交換部(107)とが設けられている。
【0093】
上記燃焼熱交換部(106)は、燃焼器(51)に近接して配置され、該燃焼器(51)の排熱により排熱回収回路(104)の冷却水を加熱するように構成されている。つまり、燃焼熱交換部(106)は、燃焼器(51)の排熱を回収するようになっている。上記改質熱交換部(107)は、改質器(33)、変成器(34)及びCO除去器(35)に近接して配置され、これら改質器(33)等の排熱により排熱回収回路(104)の冷却水を加熱するように構成されている。つまり、改質熱交換部(107)は、改質装置(30)の排熱を回収するようになっている。
【0094】
上記冷却水電磁弁(62)と熱回収電磁弁(105)とは、冷却水回路(60)の冷却水が、排熱回収回路(104)に流れるように流れを切り換える熱回収切換手段(101)を構成している。
【0095】
上記水循環路(65)は、熱媒水が充填された閉回路である。この水循環路(65)には、熱媒水の循環方向において、循環ポンプ(66)と第1熱交換器(71)と第2熱交換器(74)と貯湯タンク(67)とが順に設けられている。水循環路(65)を循環する熱媒水は、第1熱交換器(71)及び第2熱交換器(74)で加熱され、温水となって貯湯タンク(67)に蓄えられる。そして、貯湯タンク(67)の温水は、必要に応じて給湯に供される。
【0096】
上記第1熱交換器(71)は、冷却水流路(72)と水流路(73)とが区画形成されている。第1熱交換器(71)は、その冷却水流路(72)が冷却水回路(60)に接続され、その水流路(73)が水循環路(65)に接続されている。この第1熱交換器(71)は、冷却水流路(72)の冷却水と水流路(73)の熱媒水とを熱交換させるように構成されている。
【0097】
上記第2熱交換器(74)は、燃焼ガス流路(75)と水流路(76)とが区画形成されている。第2熱交換器(74)は、その燃焼ガス流路(75)が燃焼ガス管(26)に接続され、その水流路(76)が水循環路(65)に接続されている。この第2熱交換器(74)は、燃焼ガス流路(75)の燃焼ガスと水流路(76)の熱媒水とを熱交換させるように構成されている。
【0098】
上記空気供給管(20a)付近には、外気温度検出手段である外気温度センサ(102)が配置されている。
【0099】
上記コントローラ(110)は、流入制御手段(111)である流入制御部(111)と入替制御部(112)とを備えている。
【0100】
上記流入制御部(111)は、燃料電池(10)を昇温させるための運転である起動運転時に燃料電池(10)を昇温させると共に電極の洗浄を行うために、流入切換手段(100)の切り換えを行うと共に熱回収切換手段(101)の切り換えを行い、加熱された冷却水を燃料電池(10)の酸素極側ガス流路(11)及び水素極側ガス流路(12)に流入させるように構成されている。起動運転時には、燃料電池(10)を昇温させる一方、電極の洗浄を行う。
【0101】
具体的には、流入制御部(111)は、起動運転時に、第1分流電磁弁(90a)と第2分流電磁弁(91a)と第1回収電磁弁(96a)と第2回収電磁弁(97a)とを開放すると共に、酸素供給電磁弁(92)と酸素排出電磁弁(98)と水素供給電磁弁(93)と水素排出電磁弁(99)とを閉鎖するように構成されている。また、流入制御部(111)は、起動運転時に熱回収切換手段(101)を切り換え、排熱回収回路(104)に冷却水を流入させるように構成されている。つまり、流入制御部(111)は、起動運転時に排熱回収電磁弁(105)を開放すると共に、冷却水電磁弁(62)を閉鎖するように構成されている。また、流入制御部(111)は、起動運転時に酸素バイパス電磁弁(24a)と水素バイパス電磁弁(25a)とを開放するように構成されている。
【0102】
上記流入制御部(111)は、燃料電池の温度が所定の運転温度(例えば、80℃)に達すると、流入切換手段(100)及び熱回収切換手段(101)の切り換えを行うように構成されている。つまり、流入制御部(111)は、酸素供給電磁弁(92)と酸素排出電磁弁(98)と水素供給電磁弁(93)と水素排出電磁弁(99)とを開放すると共に、第1分流電磁弁(90a)と第2分流電磁弁(91a)と第1回収電磁弁(96a)と第2回収電磁弁(97a)とを閉鎖することにより、流入切換手段(100)の切り換えを行うように構成されている。また、流入制御部(111)は、冷却水電磁弁(62)を開放すると共に、排熱回収電磁弁(105)を閉鎖することにより、熱回収切換手段(101)の切り換えを行うように構成されている。また、流入制御部(111)は、同時に酸素バイパス電磁弁(24a)と水素バイパス電磁弁(25a)とを閉鎖するように構成されている。つまり、燃料電池(10)の各ガス流路(11,12)に空気又は燃料ガスが流入して、発電運転が行われる。
【0103】
上記流入制御部(111)は、運転を停止するときに、燃料電池(10)の温度を低下させる一方、ガス流路(11,12)を洗浄すると共にガス流路(11,12)内の残留ガスをパージするために、流入切換手段(100)の切り換えを行い、燃料電池(10)のガス流路(11,12)に冷却水を流入させるように構成されている。つまり、燃料電池(10)の停止時に電極を洗浄するように、冷却水回路(60)の冷却水をガス流路(11,12)に流入させるように構成されている。
【0104】
即ち、流入制御部(111)は、運転を停止するときに、第1分流電磁弁(90a)と第2分流電磁弁(91a)と第1回収電磁弁(96a)と第2回収電磁弁(97a)とを開放すると共に、酸素供給電磁弁(92)と酸素排出電磁弁(98)と水素供給電磁弁(93)と水素排出電磁弁(99)とを閉鎖するように構成されている。尚、運転を停止するときには、冷却水電磁弁(62)が開放され、排熱回収電磁弁(105)が閉鎖された状態にある。また、運転を停止するときには、ブロワ(23)をすぐに停止すると共に改質装置(30)への原料ガスの流入を停止させる。
【0105】
上記流入制御部(111)は、運転停止中において、外気温度センサ(102)が検出した外気温度が所定温度以下になると、凍結防止のため、冷却水回路(60)の冷却水を酸素ガス流路(11)及び水素ガス流路(12)に流入させるように構成されている。具体的に、流入制御部(111)は、運転停止中において外気温度が所定温度以下になると、冷却水ポンプ(61)を駆動する一方、第1分流電磁弁(90a)と第2分流電磁弁(91a)と第1回収電磁弁(96a)と第2回収電磁弁(97a)と冷却水電磁弁(62)とを開放すると共に、酸素供給電磁弁(92)と酸素排出電磁弁(98)と水素供給電磁弁(93)と水素排出電磁弁(99)とを閉鎖するように構成されている。
【0106】
上記入替制御部(112)は、定期的に排出電磁弁(84)を開放して冷却水回路(60)の冷却水を排出すると共に、貯留容器(80)に補給管(82)から水道水を補給するように構成されている。つまり、冷却水回路(60)の冷却水が定期的に入れ替えられ、汚れた冷却水が循環するのを防止するようになっている。
【0107】
−運転動作−
上記燃料電池システムの運転動作を説明する。
【0108】
上記燃料電池システムを起動するときには、空気供給管(20a)の空気及び水素供給管(21a)の燃料ガスが燃料電池(10)をバイパスするように流通させる。そして、冷却水回路(60)の冷却水を加熱して燃料電池(10)に流入させ、電極を洗浄しながら燃料電池(10)を昇温させる。
【0109】
以下、具体的に説明する。起動時には、第1分流電磁弁(90a)と第2分流電磁弁(91a)と第1回収電磁弁(96a)と第2回収電磁弁(97a)と排熱回収電磁弁(105)と酸素バイパス電磁弁(24a)と水素バイパス電磁弁(25a)とを開放すると共に、酸素供給電磁弁(92)と酸素排出電磁弁(98)と水素供給電磁弁(93)と水素排出電磁弁(99)と冷却水電磁弁(62)とを閉鎖する一方、ブロワ(23)と冷却水ポンプ(61)とを駆動する。
【0110】
空気供給管(20)には酸化剤ガスとしての空気が流入し、水素供給管(21)には原料ガスが流入する。原料ガスとして、メタンを主成分とする天然ガスが使用されている。
【0111】
空気供給管(20)に流入した空気は、一部が分岐管(22)に分流する一方、残りの空気がガス加熱器(52)の空気流路(53)、第1加湿器(40)の第1被加湿側通路(42)を通過した後、酸素バイパス管(24)に流入する。酸素バイパス管(24)に流入した空気は、酸素極排気管(20b)を流れ、第1加湿器(40)を通過した後、熱回収部(27)でCO除去器(35)、変成器(34)及び改質器(33)の排熱を回収して燃焼器(51)に流入する。
【0112】
一方、水素供給管(21)に流入した原料ガスは、脱硫器(31)へ導入され、原料ガスに含まれる硫黄分が除去される。そして、分岐管(22)から流入した空気と合流した後、ガス加熱器(52)の原料ガス流路(54)、第2加湿器(45)の第2被加湿側通路(47)、改質器(33)、変成器(34)及びCO除去器(35)を通過する。
【0113】
改質器(33)では、メタンの部分酸化反応と水蒸気改質反応とが行われ、水素と一酸化炭素とが生成する。改質器(33)から流出した反応後のガスは、変成器(34)へ送られる。このガスには、水蒸気改質反応に用いられなかった水蒸気が残存している。変成器(34)では、シフト反応が行われ、一酸化炭素が減少すると同時に水素が増加する。変成器(34)から出たガスは、CO除去器(35)へ導入される。変成器(34)からCO除去器(35)へ送られるガスは、水素が主成分となっているものの、未だに一酸化炭素を含んでいる。CO除去器(35)では、CO選択酸化反応が行われ、一酸化炭素が削減されて燃料ガスとなる。この燃料ガスは、水素バイパス管(25)に流入した後、水素極排気管(21b)を流れ、燃焼器(51)に流入する。
【0114】
燃焼器(51)では、空気中の酸素を利用して、燃焼ガス中の水素を燃焼させる。この燃焼によって燃焼器(51)が発熱している。
【0115】
一方、冷却水ポンプ(61)が駆動すると、貯留容器(80)の冷却水が冷却水回路(60)を循環する。貯留容器(80)の冷却水は、イオン交換樹脂(85)を通過して、冷却水に含まれるカチオン等の不純物が吸着除去され、冷却水ポンプ(61)によって吐出される。冷却水ポンプ(61)から吐出された冷却水は、排熱回収回路(104)に流入する。排熱回収回路(104)を流れる冷却水は、燃焼熱交換部(106)に流入し、燃焼器(51)の排熱により加熱される。加熱された冷却水は、改質熱交換部(107)に流入し、改質器(33)、変成器(34)及びCO除去器(35)の排熱により更に加熱され、冷却水回路(60)に戻る。
【0116】
排熱回収回路(104)で加熱され、冷却水回路(60)に戻った冷却水は、分流して、その一部が燃料電池(10)の冷却水流路(13)に流入し、残りが第1分流通路(90)に流入する。第1分流通路(90)の冷却水は、更に分流して、その一部が空気供給管(20a)を流れて燃料電池(10)の酸素極側ガス流路(11)に流入し、残りが第2分流通路(91)を流れた後、水素供給管(21a)を流れて燃料電池(10)の水素極側ガス流路(12)に流入する。
【0117】
冷却水流路(13)に流入した冷却水は、燃料電池(10)を加熱して冷却水回路(60)を流れ、第1熱交換器(71)に流入する。第1熱交換器(71)では、冷却水が水循環路(65)の熱媒水と熱交換して冷却される。この冷却された冷却水は、冷却水回路(60)を流れ、貯留容器(80)に戻って貯留される。
【0118】
酸素極側ガス流路(11)又は水素極側ガス流路(12)に流入した冷却水は、各ガス流路(11,12)において燃料電池(10)を加熱する。つまり、燃焼器(51)、改質器(33)、変成器(34)及びCO除去器(35)で回収した排熱を燃料電池(10)の昇温に利用している。このとき、冷却水が、電解質膜を湿潤状態に維持する一方、各ガス流路(11,12)や電極に吸着していた不純物を脱着し、電極の洗浄が行われる。この冷却水は、第1回収通路(96)又は第2回収通路(97)を流れて第1気液分離器(28)又は第2気液分離器(29)に流入する。気液分離器(28,29)に流入した冷却水は、その下端部から流出した後に合流し、貯留容器(80)に流入する。このような循環が繰り返される。
【0119】
そして、燃料電池(10)の温度が上昇して、所定の運転温度に達すると、流入切換手段(100)及び熱回収切換手段(101)が切り換わり、発電運転を行う。発電運転では、酸素供給電磁弁(92)と酸素排出電磁弁(98)と水素供給電磁弁(93)と水素排出電磁弁(99)と冷却水電磁弁(62)とが開放すると共に、第1分流電磁弁(90a)と第2分流電磁弁(91a)と第1回収電磁弁(96a)と第2回収電磁弁(97a)と排熱回収電磁弁(105)とが閉鎖する。また、酸素バイパス電磁弁(24a)と水素バイパス電磁弁(25a)とが閉鎖する。
【0120】
発電運転において、空気供給管(20)に流入した空気は、その一部が分岐管(22)を通じて改質装置(30)へ送られ、残りの空気が酸化剤ガスとしてガス加熱器(52)の空気流路(53)へ導入される。この空気は、空気流路(53)を流れる間に燃焼ガス流路(55)の燃焼ガスから吸熱する。
【0121】
ガス加熱器(52)において加熱された空気は、第1加湿器(40)の第1被加湿側通路(42)へ流入する。一方、第1加湿器(40)の第1排ガス通路(43)には、酸素極排ガスが導入されている。そして、第1被加湿側通路(42)の空気には、水蒸気透過膜(41)を透過した酸素極排ガス中の水蒸気が供給される。
【0122】
そして、加熱されて加湿された空気は燃料電池(10)の酸素極側ガス通路(11)に流入する。酸素極側ガス通路(11)へ導入される空気を第1加湿器(40)で加湿しておくことで、燃料電池(10)における電解質膜の乾燥を防止している。
【0123】
一方、水素供給管(21)に流入した原料ガスは、脱硫器(31)で原料ガスに含まれる硫黄分が除去され、分岐管(22)からの空気が混入された後に、ガス加熱器(52)の原料ガス流路(54)へ導入される。この原料ガスは、原料ガス流路(54)を流れる間に燃焼ガス流路(55)の燃焼ガスから吸熱する。
【0124】
ガス加熱器(52)において加熱された原料ガスは、第2加湿器(45)の第2被加湿側通路(47)へ流入する。一方、第2加湿器(45)の第2排ガス通路(48)には、水素極排ガスが導入されている。そして、第2被加湿側通路(47)の原料ガスには、水蒸気透過膜(46)を透過した水素極排ガス中の水蒸気が供給される。
【0125】
第2加湿器(45)で加湿された原料ガスは、改質器(33)へ導入され、メタンの部分酸化反応と水蒸気改質反応とにより、水素と一酸化炭素が生成される。改質器(33)から流出した反応後のガスは、変成器(34)へ送られ、シフト反応により、一酸化炭素が減少すると同時に水素が増加する。変成器(34)から出たガスは、CO除去器(35)へ導入され、CO選択酸化反応によってガス中の一酸化炭素を更に削減する。そして、CO除去器(35)で一酸化炭素を削減されたガスは、燃料ガスとして水素バイパス通路(83)を経由して燃料電池(10)の水素極側ガス通路(12)へ供給される。
【0126】
発電運転において、燃料電池(10)には、水素極側ガス通路(12)へ燃料ガスが供給され、酸素極側ガス通路(11)へ空気が供給される。燃料電池(10)は、燃料ガス中の水素を燃料とし、空気中の酸素を酸化剤として発電を行う。
【0127】
燃料電池(10)の酸素極側ガス通路(11)からは、電池排ガスとして酸素極排ガスが排出される。この酸素極排ガスには、電池反応に使われなかった余剰酸素が含まれている。また、酸素極排ガス中には、電池反応によって生じた水蒸気が含まれている。この酸素極排ガスは、酸素極排気管(24)を通じて第1気液分離器(28)に流入する。第1気液分離器(28)に流入した酸素極排ガスは、その上端部から流出し、第1加湿器(40)の第1排ガス通路(43)へ導入される。上述のように、酸素極排ガス中の水蒸気は、水蒸気透過膜(41)を透過して第1被加湿側通路(42)の空気へ供給される。第1加湿器(40)において水蒸気を奪われた酸素極排ガスは、熱回収部(27)を流れる。酸素極排ガスは、熱回収部(27)において改質器(33)、変成器(34)、及びCO除去器(35)の排熱を回収して燃焼器(51)へ送り込まれる。
【0128】
一方、燃料電池(10)の水素極側ガス通路(12)からは、電池排ガスとして水素極排ガスが排出される。この水素極排ガスには、電池反応に使われなかった加湿水素が残存している。この水素極排ガスは、水素極排気管(25)を通じて第2気液分離器(29)に流入する。第2気液分離器(29)に流入した水素極排ガスは、その上端部から流出して第2加湿器(45)の第2排ガス通路(48)へ導入される。上述のように、水素極排ガス中の水蒸気は、水蒸気透過膜(46)を透過して第2被加湿側通路(47)の原料ガスへ供給される。第2加湿器(45)において水蒸気を奪われた水素極排ガスは、燃焼器(51)へ送り込まれる。
【0129】
燃焼器(51)は、酸素極排ガス中の酸素を利用して、水素極排ガス中の水素を燃焼させる。この水素極排ガスの燃焼によって、高温の燃焼ガスが生成する。この燃焼ガスは、燃焼ガス管(26)を流れて第2熱交換器(74)の燃焼ガス流路(75)へ導入され、水流路(76)の熱媒水に対して放熱する。
【0130】
この放熱した燃焼ガスは、ガス加熱器(52)の燃焼ガス流路(55)へ導入され、空気流路(53)の空気及び原料ガス流路(54)の原料ガスに対して更に放熱する。その後、燃焼ガスは、燃焼ガス流路(55)から出て屋外へ排気される。
【0131】
冷却水ポンプ(61)を運転すると、冷却水回路(60)において冷却水が循環する。冷却水ポンプ(61)から吐出された冷却水は、燃料電池(10)の冷却水流路(13)へ送られて吸熱する。この冷却水の吸熱により、燃料電池(10)が所定の運転温度(例えば、80℃程度)に保たれる。燃料電池(10)で吸熱した冷却水は、第1熱交換器(71)の冷却水流路(72)へ導入され、水流路(73)の熱媒水に対して放熱する。この放熱した冷却水は、貯留容器(80)に貯留される。そして、冷却水ポンプ(61)が貯留容器(80)の冷却水を再び燃料電池(10)へ向けて送り出し、この循環が繰り返される。
【0132】
循環ポンプ(66)を運転すると、水循環路(65)において熱媒水が循環する。貯湯タンク(67)の底部から流出した熱媒水は、循環ポンプ(66)によって第1熱交換器(71)の水流路(73)へ送り込まれ、冷却水流路(72)の冷却水から吸熱する。
【0133】
その後、熱媒水は、第2熱交換器(74)の水流路(76)へ導入され、燃焼ガス流路(75)の燃焼ガスから吸熱する。そして、第2熱交換器(74)から出た熱媒水は、貯湯タンク(67)へ送り返され、温水として貯留される。貯湯タンク(67)に温水として蓄えられた熱媒水は、給湯に利用される。
【0134】
次に、運転を停止するときの運転動作について説明する。運転を停止する際には、流入切換手段(100)を切り換え、燃料電池(10)のガス流路(11,12)に冷却水を流入させる。具体的には、第1分流電磁弁(90a)と第2分流電磁弁(91a)と第1回収電磁弁(96a)と第2回収電磁弁(97a)とが開放すると共に、酸素供給電磁弁(92)と酸素排出電磁弁(98)と水素供給電磁弁(93)と水素排出電磁弁(99)とが閉鎖する。一方、冷却水ポンプ(61)は、所定時間だけ駆動を継続する。尚、このとき、冷却水電磁弁(62)は開放し、排熱回収電磁弁(105)は閉鎖している。また、酸素バイパス電磁弁(24a)と水素バイパス電磁弁(25a)とは、閉鎖している。また、ブロワ(23)をすぐに停止すると共に改質装置(30)への原料ガスの流入を停止する。
【0135】
冷却水ポンプ(61)から吐出された冷却水は、一部が分流通路(89)に分流して燃料電池(10)の酸素極側ガス流路(11)及び水素極側ガス流路(12)に流入し、残りが燃料電池(10)の冷却水流路(13)に流入する。各ガス流路(11,12)に冷却水が流入することにより、残留ガスが排出される。このとき、起電力が発生することがなく、安全に且つ確実に残留ガスがパージされる。また、ガス流路(11,12)や電極に吸着していた不純物が脱着されて、電極が洗浄される。燃料電池(10)は、冷却水流路(13)及び両ガス流路(11,12)の冷却水によって冷却される。そして、冷却水ポンプ(61)は、所定時間だけ駆動した後、停止する。
【0136】
運転停止中において、外気温度が所定温度(例えば、4℃)以下になると、冷却水ポンプ(61)が駆動する。貯留容器(80)の冷却水が、冷却水回路(60)を循環して酸素ガス流路(11)及び水素ガス流路(12)に流入する。したがって、外気温度が低下しても、ガス流路(11,12)中の水分が凍結するのを防止することができる。
【0137】
貯留容器(80)の冷却水は、定期的に入れ替えられる。つまり、定期的に排出電磁弁(84)が開放して冷却水回路(60)の冷却水が排出されると共に、貯留容器(80)に補給管(82)から水道水が補給される。このようにして、冷却水が入れ替えられ、汚れた冷却水が循環するのを防止している。
【0138】
−実施形態1の効果−
本実施形態1によれば、冷却水を燃料電池(10)のガス流路(11,12)に流入させるようにしたために、電解質膜を湿潤状態に維持しながら、ガス流路(11,12)及び電極触媒に吸着されたカチオン等の不純物を除去しつつ、燃料電池(10)を加熱又は冷却することができる。この結果、発電性能が低下するのを抑制すると共に、燃料電池(10)の劣化を抑制することができる。また、燃料電池(10)の冷却水を流入させるようにしたために、不活性ガスボンベ等を使用する必要がなく、装置が複雑になることがない。また、起電力を発生しないために、燃料電池(10)を劣化させることがない。また、加熱された冷却水を起動時に燃料電池(10)のガス流路(11,12)に流入させるようにしたために、燃料電池(10)が迅速に昇温する。この結果、電極に使用される白金が改質ガスによってCO被毒するのを防止すべく起動に時間がかかってしまうという事態を回避することができる。
【0139】
また、燃料電池(10)の両ガス流路(11,12)に冷却水を流入させるようにしたために、起電力を発生させることなく確実に電池の昇温や反応ガスのパージをすることができる。
【0140】
また、運転停止中において、外気温度が低下したときに冷却水を流通させるようにしたために、ガス流路(11,12)における水分の凍結に起因する電池スタックの破壊を防止することができる。
【0141】
また、改質装置(30)及び燃焼器(51)の排熱を回収して燃料電池(10)を昇温させるようにしたために、熱効率を向上させることができる。また、起動時には、燃料電池(10)を加湿しながら迅速に昇温させることができる。また、酸素バイパス管(24)及び水素バイパス管(25)を設けるようにしたために、燃料電池(10)のガス流路(11,12)に冷却水のみを流入させることができる。
【0142】
また、冷却水に含まれる不純物を除去するようにしたために、冷却水中の不純物が燃料電池(10)のガス流路(11,12)や電極に付着するのを防止することができる。この結果、発電性能が低下するのを更に抑制することができる。
【0143】
また、冷却水回路(60)を循環する冷却水を入れ替え可能になり、きれいな冷却水を循環させることができる。この結果、発電性能が低下するのを更に抑制することができる。
【0144】
また、気液分離器(28,29)を配設するようにしたために、燃料電池(10)のガス流路(11,12)から流出したガスに含まれる冷却水をガスから分離することができる。この結果、冷却水が燃焼器(51)に流入するのを確実に防止することができて、燃焼器(51)での反応を効率よく行うことができる。
【0145】
(変形例)
本変形例に係る燃料電池システムは、図示省略するが、貯留容器(80)の入替手段(81)が省略されている。つまり、貯留容器(80)の補給管(82)及び排出管(83)が省略されている。また、コントローラ(110)は、入替制御部(112)が省略されている。
【0146】
その他の構成、作用及び効果は同様である。
【0147】
【発明の実施の形態2】
実施形態2に係る燃料電池システムは、図2に示すように、実施形態1と異なり、排熱回収回路(104)の改質熱交換部(107)が省略されている。
【0148】
つまり、排熱回収回路(104)は、一端が冷却水回路(60)における冷却水ポンプ(61)と冷却水電磁弁(62)との間に接続され、他端が冷却水回路(60)における冷却水電磁弁(62)と分流通路(89)の接続部との間に接続されている。排熱回収回路(104)は、上流側から順に、開閉機構である熱回収電磁弁(105)と、燃焼熱交換部(106)とが設けられている。
【0149】
上記燃焼熱交換部(106)は、燃焼器(51)に近接して配置され、該燃焼器(51)の排熱により排熱回収回路(104)の冷却水を加熱するように構成されている。つまり、燃焼熱交換部(106)は、燃焼器(51)の排熱を回収するようになっている。
【0150】
したがって、起動運転時には、冷却水ポンプ(61)が駆動し、貯留容器(80)の冷却水が冷却水回路(60)を循環する。貯留容器(80)の冷却水は、イオン交換樹脂(85)を通過して、冷却水に含まれるカチオン等の不純物が吸着除去され、冷却水ポンプ(61)によって吐出される。冷却水ポンプ(61)から吐出された冷却水は、排熱回収回路(104)に流入する。排熱回収回路(104)を流れる冷却水は、燃焼熱交換部(106)に流入し、燃焼器(51)の排熱により加熱される。加熱された冷却水は、冷却水回路(60)に戻る。
【0151】
排熱回収回路(104)で加熱され、冷却水回路(60)に戻った冷却水は、分流して、その一部が燃料電池(10)の冷却水流路(13)に流入し、残りが第1分流通路(90)に流入する。第1分流通路(90)の冷却水は、更に分流して、その一部が空気供給管(20a)を流れて燃料電池(10)の酸素極側ガス流路(11)に流入し、残りが第2分流通路(91)を流れた後、水素供給管(21a)を流れて燃料電池(10)の水素極側ガス流路(12)に流入する。
【0152】
冷却水流路(13)に流入した冷却水は、燃料電池(10)を加熱して冷却水回路(60)を流れ、第1熱交換器(71)に流入する。第1熱交換器(71)では、冷却水が水循環路(65)の熱媒水と熱交換して冷却される。この冷却された冷却水は、冷却水回路(60)を流れ、貯留容器(80)に戻って貯留される。
【0153】
酸素極側ガス流路(11)及び水素極側ガス流路(12)に流入した冷却水は、各ガス流路(11,12)において燃料電池(10)を加熱する。つまり、燃焼器(51)で回収した排熱を燃料電池(10)の昇温に利用している。このとき、冷却水が、電解質膜を湿潤状態に維持する一方、各ガス流路(11,12)や電極に吸着していた不純物を脱着し、電極の洗浄が行われる。この冷却水は、第1回収通路(96)又は第2回収通路(97)を流れ、第1気液分離器(28)又は第2気液分離器(29)を通過した後に合流し、貯留容器(80)に流入する。このような循環が繰り返される。
【0154】
−実施形態2の効果−
本実施形態2によれば、燃焼器(51)の排熱を回収して燃料電池(10)を昇温させるようにしたために、排熱を有効利用することができ、熱効率を向上させることができる。また、起動時には、燃料電池(10)を加湿しながら迅速に昇温させることができる。また、酸素バイパス管(24)及び水素バイパス管(25)を設けるようにしたために、燃料電池(10)のガス流路(11,12)に冷却水のみを流入させることができる。
【0155】
その他の構成、作用及び効果は実施形態1と同様である。
【0156】
【発明の実施の形態3】
実施形態3に係る燃料電池システムは、図3に示すように、実施形態1と異なり、排熱回収回路(104)の燃焼熱交換部(106)が省略されている。
【0157】
つまり、排熱回収回路(104)は、一端が冷却水回路(60)における冷却水ポンプ(61)と冷却水電磁弁(62)との間に接続され、他端が冷却水回路(60)における冷却水電磁弁(62)と分流通路(89)の接続部との間に接続されている。排熱回収回路(104)は、上流側から順に、開閉機構である熱回収電磁弁(105)と、改質熱交換部(107)とが設けられている。
【0158】
上記改質熱交換部(107)は、改質器(33)、変成器(34)及びCO除去器(35)に近接して配置され、これら改質器(33)等の排熱により排熱回収回路(104)の冷却水を加熱するように構成されている。つまり、改質熱交換部(107)は、改質装置(30)の排熱を回収するようになっている。
【0159】
したがって、起動運転時には、冷却水ポンプ(61)が駆動し、貯留容器(80)の冷却水が冷却水回路(60)を循環する。貯留容器(80)の冷却水は、イオン交換樹脂(85)を通過して、冷却水に含まれるカチオン等の不純物が吸着除去され、冷却水ポンプ(61)によって吐出される。冷却水ポンプ(61)から吐出された冷却水は、排熱回収回路(104)に流入する。排熱回収回路(104)を流れる冷却水は、改質熱交換部(107)に流入し、改質器(33)、変成器(34)及びCO除去器(35)の排熱により加熱され、冷却水回路(60)に戻る。
【0160】
排熱回収回路(104)で加熱され、冷却水回路(60)に戻った冷却水は、分流して、その一部が燃料電池(10)の冷却水流路(13)に流入し、残りが第1分流通路(90)に流入する。第1分流通路(90)の冷却水は、更に分流して、その一部が空気供給管(20a)を流れて燃料電池(10)の酸素極側ガス流路(11)に流入し、残りが第2分流通路(91)を流れた後、水素供給管(21a)を流れて燃料電池(10)の水素極側ガス流路(12)に流入する。
【0161】
冷却水流路(13)に流入した冷却水は、燃料電池(10)を加熱して冷却水回路(60)を流れ、第1熱交換器(71)に流入する。第1熱交換器(71)では、冷却水が水循環路(65)の熱媒水と熱交換して冷却される。この冷却された冷却水は、冷却水回路(60)を流れ、貯留容器(80)に戻って貯留される。
【0162】
酸素極側ガス流路(11)及び水素極側ガス流路(12)に流入した冷却水は、各ガス流路(11,12)において燃料電池(10)を加熱する。つまり、改質器(33)、変成器(34)及びCO除去器(35)で回収した排熱を燃料電池(10)の昇温に利用している。このとき、冷却水が、電解質膜を湿潤状態に維持する一方、各ガス流路(11,12)や電極に吸着していた不純物を脱着し、電極の洗浄が行われる。この冷却水は、第1回収通路(96)又は第2回収通路(97)を流れ、第1気液分離器(28)又は第2気液分離器(29)を通過した後に合流し、貯留容器(80)に流入する。このような循環が繰り返される。
【0163】
−実施形態3の効果−
本実施形態3によれば、改質装置(30)の排熱を回収して燃料電池(10)を昇温させるようにしたために、排熱を有効利用することができ、熱効率を向上させることができる。また、起動時には、燃料電池(10)を加湿しながら迅速に昇温させることができる。また、酸素バイパス管(24)及び水素バイパス管(25)を設けるようにしたために、燃料電池(10)のガス流路(12)に冷却水のみを流入させることができる。
【0164】
その他の構成、作用及び効果は実施形態1と同様である。
【0165】
【発明の実施の形態4】
実施形態4に係る燃料電池システムは、図4に示すように、排熱回収回路(104)が省略されている。そして、冷却水回路(60)の冷却水電磁弁(62)が省略されている。本実施形態に係る燃料電池システムは、運転を停止するときにのみ、燃料電池(10)のガス流路(11,12)に冷却水を流入させるようになっている。
【0166】
上記流入制御部(111)は、起動運転時には、酸素バイパス電磁弁(24a)と水素バイパス電磁弁(25a)とを開放する一方、酸素供給電磁弁(92)と酸素排出電磁弁(98)と水素供給電磁弁(93)と水素排出電磁弁(99)とを閉鎖するように構成されている。尚、起動運転時には、冷却水ポンプ(61)は、駆動しない。
【0167】
上記流入制御部(111)は、運転を停止するときに、燃料電池(10)の温度を低下させる一方、電極を洗浄すると共にガス流路(11,12)内の残留ガスをパージするために、流入切換手段(100)の切り換えを行い、燃料電池(10)のガス流路(11,12)に冷却水を流入させるように構成されている。つまり、流入制御部(111)は、運転を停止するときに、第1分流電磁弁(90a)と第2分流電磁弁(91a)と第1回収電磁弁(96a)と第2回収電磁弁(97a)とを開放すると共に、酸素供給電磁弁(92)と酸素排出電磁弁(98)と水素供給電磁弁(93)と水素排出電磁弁(99)とを閉鎖するように構成されている。尚、運転を停止するときには、すぐにブロワ(23)が停止すると共に改質装置(30)への原料ガスの供給が停止される。
【0168】
尚、貯留容器(80)は、入替手段(81)が省略されている。
【0169】
したがって、運転を停止する際には、流入切換手段(100)を切り換え、燃料電池(10)のガス流路(11,12)に冷却水を流入させる。具体的には、第1分流電磁弁(90a)と第2分流電磁弁(91a)と第1回収電磁弁(96a)と第2回収電磁弁(97a)とが開放すると共に、酸素供給電磁弁(92)と酸素排出電磁弁(98)と水素供給電磁弁(93)と水素排出電磁弁(99)とが閉鎖する。一方、冷却水ポンプ(61)は、所定時間だけ駆動を継続する。尚、このとき、酸素バイパス電磁弁(24a)と水素バイパス電磁弁(25a)とは、閉鎖している。また、ブロワ(23)をすぐに停止すると共に改質装置への原料ガスの流入を停止する。
【0170】
冷却水ポンプ(61)から吐出された冷却水は、一部が分流通路(89)に分流して燃料電池(10)の酸素極側ガス流路(11)及び水素極側ガス流路(12)に流入し、残りが燃料電池(10)の冷却水流路(13)に流入する。各ガス流路(11,12)に冷却水が流入することにより、残留ガスが排出される。このとき、起電力が発生することがなく、安全に且つ確実に残留ガスがパージされる。また、ガス流路(11,12)や電極に吸着していた不純物が脱着されて、電極の洗浄が行われる。燃料電池(10)は、冷却水流路(13)及び両ガス流路(11,12)の冷却水によって冷却される。そして、冷却水ポンプ(61)は、所定時間だけ駆動した後、停止する。
【0171】
その他の構成、作用及び効果は実施形態1と同様である。
【0172】
(第1変形例)
本変形例に係る燃料電池システムは、図示省略するが、水素バイパス管(25)が省略されている。
【0173】
流入制御部(111)は、運転を停止するときに、燃料電池(10)の温度を低下させる一方、電極を洗浄すると共にガス流路(11,12)内の残留ガスをパージするために、第1分流電磁弁(90a)と第2分流電磁弁(91a)と第1回収電磁弁(96a)と第2回収電磁弁(97a)とを開放すると共に、酸素供給電磁弁(92)と酸素排出電磁弁(98)と水素供給電磁弁(93)と水素排出電磁弁(99)とを閉鎖するように構成されている。また、流入制御部(111)は、運転を停止するときに、ブロワ(23)を停止すると共に原料ガスの改質装置(30)への供給が停止される。
【0174】
その他の構成、作用及び効果は同様である。
【0175】
(第2変形例)
本変形例に係る燃料電池システムは、図示省略するが、酸素バイパス管(24)が省略されている。
【0176】
上記流入制御部(111)は、運転を停止するときに、燃料電池(10)の温度を低下させる一方、電極を洗浄すると共にガス流路(11,12)内の残留ガスをパージするために、第1分流電磁弁(90a)と第2分流電磁弁(91a)と第1回収電磁弁(96a)と第2回収電磁弁(97a)とを開放すると共に、酸素供給電磁弁(92)と酸素排出電磁弁(98)と水素供給電磁弁(93)と水素排出電磁弁(99)とを閉鎖するように構成されている。また、流入制御部(111)は、運転を停止するときに、ブロワ(23)が停止されると共に改質装置(30)への原料ガスの供給が停止される。
【0177】
その他の構成、作用及び効果は同様である。
【0178】
【発明の実施の形態5】
実施形態5の燃料電池システムは、図5に示すように、実施形態1と異なり、排熱回収回路(104)が省略されると共に、酸素バイパス管(24)及び水素バイパス管(25)が省略されている。そして、冷却水回路(60)の冷却水電磁弁(62)が省略されている。本実施形態に係る燃料電池システムは、運転を停止するときにのみ、燃料電池(10)のガス流路(11,12)に冷却水を流入させるようになっている。
【0179】
上記流入制御部(111)は、運転を停止するときに、燃料電池(10)の温度を低下させる一方、電極を洗浄すると共にガス流路(11,12)内の残留ガスをパージするために、流入切換手段(100)の切り換えを行い、燃料電池(10)のガス流路(11,12)に冷却水を流入させるように構成されている。つまり、流入制御部(111)は、運転を停止するときに、第1分流電磁弁(90a)と第2分流電磁弁(91a)と第1回収電磁弁(96a)と第2回収電磁弁(97a)とを開放すると共に、酸素供給電磁弁(92)と酸素排出電磁弁(98)と水素供給電磁弁(93)と水素排出電磁弁(99)とを閉鎖するように構成されている。運転を停止するときには、すぐにブロワ(23)が停止すると共に改質装置(30)への原料ガスの供給が停止される。
【0180】
したがって、運転を停止する際には、流入切換手段(100)を切り換え、燃料電池(10)のガス流路(11,12)に冷却水を流入させる。具体的には、第1分流電磁弁(90a)と第2分流電磁弁(91a)と第1回収電磁弁(96a)と第2回収電磁弁(97a)とが開放すると共に、酸素供給電磁弁(92)と酸素排出電磁弁(98)と水素供給電磁弁(93)と水素排出電磁弁(99)とが閉鎖する。このとき、ブロワ(23)をすぐに停止すると共に改質装置への原料ガスの流入を停止する。一方、冷却水ポンプ(61)は、所定時間だけ駆動を継続する。
【0181】
冷却水ポンプ(61)から吐出された冷却水は、一部が分流通路(89)に分流して燃料電池(10)の酸素極側ガス流路(11)及び水素極側ガス流路(12)に流入し、残りが燃料電池(10)の冷却水流路(13)に流入する。各ガス流路(11,12)に冷却水が流入することにより、残留ガスが排出される。このとき、起電力が発生することがなく、安全に且つ確実に残留ガスがパージされる。また、ガス流路(11,12)や電極に吸着していた不純物が脱着されて、電極が洗浄される。燃料電池(10)は、冷却水流路(13)及び両ガス流路(11,12)の冷却水によって冷却される。そして、冷却水ポンプ(61)は、所定時間だけ駆動した後、停止する。
【0182】
その他の構成、作用及び効果は実施形態1と同様である。
【0183】
(変形例)
本変形例に係る燃料電池システムは、図示省略するが、貯留容器(80)の入替手段(81)が省略されている。つまり、貯留容器(80)の補給管(82)及び排出管(83)が省略されている。また、コントローラ(110)は、入替制御部(112)が省略されている。
【0184】
その他の構成、作用及び効果は同様である。
【0185】
【発明の実施の形態6】
実施形態6に係る燃料電池システムは、図6に示すように、実施形態1と異なり、燃料電池(10)の冷却水流路(13)から流出した冷却水を分流するように構成されている。
【0186】
つまり、第1分流通路(90)は、一端が冷却水回路(60)における燃料電池(10)と第1熱交換器(71)との間に接続され、他端が水素供給管(21a)における水素供給電磁弁(93)と燃料電池(10)との間に接続されている。第1分流通路(90)は、第1分流電磁弁(90a)が設けられている。第2分流通路(91)は、一端が水素供給管(21a)における水素供給電磁弁(93)と燃料電池(10)との間に接続され、他端が空気供給管(20a)における酸素供給電磁弁(92)の接続部と燃料電池(10)との間に接続されている。
【0187】
第1分流通路(90)は、実施形態1と異なり、燃焼熱交換部(106)と、改質熱交換部(107)とが設けられている。尚、排熱回収回路(104)は、省略されている。
【0188】
上記燃焼熱交換部(106)は、第1分流通路(90)における第1分流電磁弁(90a)の下流側に配置されている。上記燃焼熱交換部(106)は、燃焼器(51)に近接して配置され、該燃焼器(51)の排熱により第1分流通路(90)の冷却水を加熱するように構成されている。
【0189】
上記改質熱交換部(107)は、第1分流通路(90)における燃焼熱交換部(106)の下流側に配置されている。改質熱交換部(107)は、改質器(33)、変成器(34)及びCO除去器(35)に近接して配置され、これら改質器(33)等の排熱により第1分流通路(90)の冷却水を加熱するように構成されている。
【0190】
冷却水電磁弁(62)は、実施形態1と異なり、冷却水回路(60)における第1分流通路(90)の接続部と第1熱交換器(71)の間に設けられている。冷却水電磁弁(62)と第1分流電磁弁(90a)とが、熱回収切換手段(101)を構成している。
【0191】
コントローラ(110)の流入制御部(111)は、起動運転時に燃料電池(10)を昇温させると共に電極の洗浄を行うために、流入切換手段(100)の切り換えを行うと共に熱回収切換手段(101)の切り換えを行い、加熱された冷却水を燃料電池(10)のガス流路(11,12)に流入させるように構成されている。
【0192】
具体的に、流入制御部(111)は、起動運転時に、第1分流電磁弁(90a)と第2分流電磁弁(91a)と第1回収電磁弁(96a)と第2回収電磁弁(97a)とを開放すると共に、酸素供給電磁弁(92)と酸素排出電磁弁(98)と水素供給電磁弁(93)と水素排出電磁弁(99)と冷却水電磁弁(62)とを閉鎖するように構成されている。また、流入制御部(111)は、起動運転時に酸素バイパス電磁弁(24a)と水素バイパス電磁弁(25a)とを開放するように構成されている。
【0193】
上記流入制御部(111)は、燃料電池の温度が所定の運転温度(例えば、80℃)に達すると、流入切換手段(100)の切り換えを行うように構成されている。つまり、流入制御部(111)は、酸素供給電磁弁(92)と酸素排出電磁弁(98)と水素供給電磁弁(93)と水素排出電磁弁(99)とを開放すると共に、第1分流電磁弁(90a)と第2分流電磁弁(91a)と第1回収電磁弁(96a)と第2回収電磁弁(97a)とを閉鎖することにより、流入切換手段(100)の切り換えを行うように構成されている。また、流入制御部(111)は、冷却水電磁弁(62)を開放するように構成されている。また、流入制御部(111)は、同時に酸素バイパス電磁弁(24a)と水素バイパス電磁弁(25a)とを閉鎖するように構成されている。各ガス流路(11,12)に空気又は燃料ガスが流入して、発電運転が行われる。
【0194】
上記流入制御部(111)は、運転を停止するときに、燃料電池(10)の温度を低下させるために、冷却水が冷却水流路(13)にのみ流入するように流入切換手段(100)の切り換えを行うように構成されている。つまり、流入制御部(111)は、運転を停止するときに、第1分流電磁弁(90a)と第1回収電磁弁(96a)と第2回収電磁弁(97a)と酸素供給電磁弁(92)と酸素排出電磁弁(98)と水素供給電磁弁(93)と水素排出電磁弁(99)とを閉鎖すると共に、冷却水電磁弁(62)を開放するように構成されている。
【0195】
−運転動作−
酸素通路(20)における空気の流通動作及び水素通路(21)における燃焼ガスの流通動作については、実施形態1と同様であるので、ここでは説明を省略し、冷却水の循環動作についてのみ説明する。
【0196】
起動運転時には、冷却水ポンプ(61)が駆動し、貯留容器(80)の冷却水が冷却水回路(60)を循環する。貯留容器(80)の冷却水は、イオン交換樹脂(85)を通過して、冷却水に含まれるカチオン等の不純物が吸着除去され、冷却水ポンプ(61)によって吐出される。冷却水ポンプ(61)から吐出された冷却水は、燃料電池(10)の冷却水流路(13)を通過した後、分流し、その一部が第1分流通路(90)に流入する。
【0197】
第1分流通路(90)に流入した冷却水は、燃焼熱交換部(106)に流入し、燃焼器(51)の排熱により加熱される。加熱された冷却水は、改質熱交換部(107)に流入し、改質器(33)、変成器(34)及びCO除去器(35)の排熱により更に加熱される。この加熱された冷却水は、分流して、一部が第2分流通路(91)に流入した後、空気供給管(20a)を流れて燃料電池(10)の酸素極側ガス流路(11)に流入する。また、分流された残りの冷却水は、水素供給管(21a)を流れて燃料電池(10)の水素極側ガス流路(12)に流入する。
【0198】
酸素極側ガス流路(11)又は水素極側ガス流路(12)に流入した冷却水は、各ガス流路(11,12)において燃料電池(10)を加熱する。つまり、燃焼器(51)、改質器(33)、変成器(34)及びCO除去器(35)で回収した排熱を燃料電池(10)の昇温に利用している。このとき、冷却水が、電解質膜を湿潤状態に維持する一方、各ガス流路(11,12)や電極に吸着していた不純物を脱着し、電極の洗浄が行われる。この冷却水は、第1回収通路(96)又は第2回収通路(97)を流れ、第1気液分離器(28)又は第2気液分離器(29)を通過した後に合流し、貯留容器(80)に流入する。このような循環が繰り返される。
【0199】
そして、燃料電池(10)の温度が上昇して、所定の運転温度に達すると、流入切換手段(100)及び熱回収切換手段(101)が切り換わり、発電運転を行う。発電運転では、酸素供給電磁弁(92)と酸素排出電磁弁(98)と水素供給電磁弁(93)と水素排出電磁弁(99)と冷却水電磁弁(62)とが開放すると共に、第1分流電磁弁(90a)と第2分流電磁弁(91a)と第1回収電磁弁(96a)と第2回収電磁弁(97a)とが閉鎖する。また、酸素バイパス電磁弁(24a)と水素バイパス電磁弁(25a)とが閉鎖する。
【0200】
次に、運転を停止するときの運転動作について説明する。運転を停止する際には、第1分流電磁弁(90a)と第1回収電磁弁(96a)と第2回収電磁弁(97a)と酸素供給電磁弁(92)と酸素排出電磁弁(98)と水素供給電磁弁(93)と水素排出電磁弁(99)とを閉鎖すると共に、冷却水電磁弁(62)を開放する。一方、冷却水ポンプ(61)は、所定時間だけ駆動を継続する。尚、酸素バイパス電磁弁(24a)と水素バイパス電磁弁(25a)とは、閉鎖している。また、ブロワ(23)をすぐに停止すると共に改質装置(30)への原料ガスの流入を停止する。
【0201】
冷却水ポンプ(61)の駆動により、貯留容器(80)の冷却水が冷却水回路(60)を循環する。貯留容器(80)の冷却水は、イオン交換樹脂(85)を通過して、冷却水に含まれるカチオン等の不純物が吸着除去され、冷却水ポンプ(61)によって吐出される。冷却水ポンプ(61)から吐出された冷却水は、燃料電池(10)の冷却水流路(13)に流入し、燃料電池(10)を冷却すると共に加熱される。この加熱された冷却水は、冷却水回路(60)を流れて第1熱交換器(71)に流入し、水循環路(65)の熱媒水と熱交換して冷却される。第1熱交換器(71)で冷却された冷却水は、冷却水回路(60)を流れ、貯留容器(80)に流入する。
【0202】
その他の構成、作用及び効果は実施形態1と同様である。
【0203】
(変形例)
本変形例に係る燃料電池システムは、図示省略するが、貯留容器(80)の入替手段(81)が省略されている。つまり、貯留容器(80)の補給管(82)及び排出管(83)が省略されている。また、コントローラ(110)は、入替制御部(112)が省略されている。
【0204】
その他の構成、作用及び効果は同様である。
【0205】
【発明の実施の形態7】
実施形態7に係る燃料電池システムは、図7に示すように、実施形態6と異なり、第1分流通路(90)の改質熱交換部(107)が省略されている。
【0206】
つまり、第1分流通路(90)は、一端が冷却水回路(60)における燃料電池(10)と冷却水電磁弁(62)との間に接続され、他端が水素供給管(21a)における水素供給電磁弁(93)と燃料電池(10)との間に接続されている。第1分流通路(90)は、上流側から順に、開閉機構である第1分流電磁弁(90a)と燃焼熱交換部(106)とが設けられている。
【0207】
上記燃焼熱交換部(106)は、燃焼器(51)に近接して配置され、該燃焼器(51)の排熱により第1分流通路(90)の冷却水を加熱するように構成されている。
【0208】
したがって、起動運転時には、冷却水ポンプ(61)が駆動し、貯留容器(80)の冷却水が冷却水回路(60)を循環する。貯留容器(80)の冷却水は、イオン交換樹脂(85)を通過して、冷却水に含まれるカチオン等の不純物が吸着除去され、冷却水ポンプ(61)によって吐出される。冷却水ポンプ(61)から吐出された冷却水は、燃料電池(10)の冷却水流路(13)を通過した後、分流し、その一部が第1分流通路(90)に流入する。
【0209】
第1分流通路(90)に流入した冷却水は、燃焼熱交換部(106)に流入し、燃焼器(51)の排熱により加熱される。加熱された冷却水は、分流して、一部が第2分流通路(91)に流入した後、空気供給管(20a)を流れて燃料電池(10)の酸素極側ガス流路(11)に流入する。また、分流された残りの冷却水は、水素供給管(21a)を流れて燃料電池(10)の水素極側ガス流路(12)に流入する。
【0210】
酸素極側ガス流路(11)又は水素極側ガス流路(12)に流入した冷却水は、各ガス流路(11,12)において燃料電池(10)を加熱する。つまり、燃焼器(51)の排熱を燃料電池(10)の昇温に利用している。このとき、冷却水が、電解質膜を湿潤状態に維持する一方、各ガス流路(11,12)や電極に吸着していた不純物を脱着し、電極の洗浄が行われる。この冷却水は、第1回収通路(96)又は第2回収通路(97)を流れ、第1気液分離器(28)又は第2気液分離器(29)を通過した後に合流し、貯留容器(80)に流入する。このような循環が繰り返される。
【0211】
そして、燃料電池(10)の温度が上昇して、所定の運転温度に達すると、流入切換手段(100)及び熱回収切換手段(101)が切り換わり、発電運転を行う。
【0212】
−実施形態7の効果−
本実施形態7によれば、燃焼器(51)の排熱を回収して燃料電池(10)を昇温させるようにしたために、排熱を有効利用することができ、熱効率を向上させることができる。また、起動時には、燃料電池(10)を加湿しながら迅速に昇温させることができる。また、酸素バイパス管(24)及び水素バイパス管(25)を設けるようにしたために、燃料電池(10)のガス流路(12)に冷却水のみを流入させることができる。
【0213】
その他の構成、作用及び効果は実施形態6と同様である。
【0214】
【発明の実施の形態8】
実施形態8に係る燃料電池システムは、図8に示すように、実施形態6と異なり、第1分流通路(90)の燃焼熱交換部(106)が省略されている。
【0215】
つまり、第1分流通路(90)は、一端が冷却水回路(60)における燃料電池(10)と冷却水電磁弁(62)との間に接続され、他端が水素供給管(21a)における水素供給電磁弁(93)と燃料電池(10)との間に接続されている。第1分流通路(90)は、上流側から順に、開閉機構である第1分流電磁弁(90a)と改質熱交換部(107)とが設けられている。
【0216】
上記改質熱交換部(107)は、改質器(33)、変成器(34)及びCO除去器(35)に近接して配置され、これら改質器(33)等の排熱により第1分流通路(90)の冷却水を加熱するように構成されている。
【0217】
したがって、起動運転時には、冷却水ポンプ(61)が駆動し、貯留容器(80)の冷却水が冷却水回路(60)を循環する。貯留容器(80)の冷却水は、イオン交換樹脂(85)を通過して、冷却水に含まれるカチオン等の不純物が吸着除去され、冷却水ポンプ(61)によって吐出される。冷却水ポンプ(61)から吐出された冷却水は、燃料電池(10)の冷却水流路(13)を通過した後、分流し、その一部が第1分流通路(90)に流入する。
【0218】
第1分流通路(90)に流入した冷却水は、改質熱交換部(107)に流入し、改質器(33)、変成器(34)及びCO除去器(35)の排熱により加熱される。この加熱された冷却水は、分流して、一部が第2分流通路(91)に流入した後、空気供給管(20a)を流れて燃料電池(10)の酸素極側ガス流路(11)に流入する。また、分流された残りの冷却水は、水素供給管(21a)を流れて燃料電池(10)の水素極側ガス流路(12)に流入する。
【0219】
酸素極側ガス流路(11)又は水素極側ガス流路(12)に流入した冷却水は、各ガス流路(11,12)において燃料電池(10)を加熱する。つまり、改質器(33)、変成器(34)及びCO除去器(35)の排熱を燃料電池(10)の昇温に利用している。このとき、冷却水が、電解質膜を湿潤状態に維持する一方、各ガス流路(11,12)や電極に吸着していた不純物を脱着し、電極の洗浄が行われる。この冷却水は、第1回収通路(96)又は第2回収通路(97)を流れ、第1気液分離器(28)又は第2気液分離器(29)を通過した後に合流し、貯留容器(80)に流入する。このような循環が繰り返される。
【0220】
そして、燃料電池(10)の温度が上昇して、所定の運転温度に達すると、流入切換手段(100)及び熱回収切換手段(101)が切り換わり、発電運転を行う。
【0221】
−実施形態8の効果−
本実施形態8によれば、改質装置(30)の排熱を回収して燃料電池(10)を昇温させるようにしたために、排熱を有効利用することができ、熱効率を向上させることができる。また、起動時には、燃料電池(10)を加湿しながら迅速に昇温させることができる。また、酸素バイパス管(24)及び水素バイパス管(25)を設けるようにしたために、燃料電池(10)のガス流路(12)に冷却水のみを流入させることができる。
【0222】
その他の構成、作用及び効果は実施形態6と同様である。
【0223】
【発明の実施の形態9】
実施形態9に係る燃料電池システムは、図9に示すように、実施形態6と異なり、第1分流通路(90)の燃焼熱交換部(106)と改質熱交換部(107)とが省略されている。本実施形態に係る燃料電池システムは、運転を停止するときにのみ、燃料電池(10)のガス流路(11,12)に冷却水を流入させるようになっている。
【0224】
上記流入制御部(111)は、起動運転時には、酸素バイパス電磁弁(24a)と水素バイパス電磁弁(25a)とを開放する一方、酸素供給電磁弁(92)と酸素排出電磁弁(98)と水素供給電磁弁(93)と水素排出電磁弁(99)とを閉鎖するように構成されている。尚、起動運転時には、冷却水ポンプ(61)は、駆動しない。
【0225】
上記流入制御部(111)は、運転を停止するときに、燃料電池(10)の温度を低下させる一方、電極を洗浄すると共にガス流路(11,12)内の残留ガスをパージするために、流入切換手段(100)の切り換えを行い、燃料電池(10)のガス流路(11,12)に冷却水を流入させるように構成されている。つまり、流入制御部(111)は、運転を停止するときに、第1分流電磁弁(90a)と第2分流電磁弁(91a)と第1回収電磁弁(96a)と第2回収電磁弁(97a)とを開放すると共に、冷却水電磁弁(62)と酸素供給電磁弁(92)と酸素排出電磁弁(98)と水素供給電磁弁(93)と水素排出電磁弁(99)とを閉鎖するように構成されている。尚、運転を停止するときには、すぐにブロワ(23)が停止すると共に改質装置(30)への原料ガスの供給が停止される。
【0226】
尚、貯留容器(80)は、入替手段(81)が省略されている。
【0227】
したがって、運転を停止する際には、第1分流電磁弁(90a)と第2分流電磁弁(91a)と第1回収電磁弁(96a)と第2回収電磁弁(97a)と酸素供給電磁弁(92)と酸素排出電磁弁(98)と水素供給電磁弁(93)と水素排出電磁弁(99)とが閉鎖すると共に、冷却水電磁弁(62)が開放する。一方、冷却水ポンプ(61)は、所定時間だけ駆動を継続する。尚、酸素バイパス電磁弁(24a)と水素バイパス電磁弁(25a)とは、閉鎖している。また、ブロワ(23)をすぐに停止すると共に改質装置(30)への原料ガスの流入を停止する。
【0228】
冷却水ポンプ(61)の駆動により、貯留容器(80)の冷却水が冷却水回路(60)を循環する。貯留容器(80)の冷却水は、イオン交換樹脂(85)を通過して、冷却水に含まれるカチオン等の不純物が吸着除去され、冷却水ポンプ(61)によって吐出される。冷却水ポンプ(61)から吐出された冷却水は、燃料電池(10)の冷却水流路(13)に流入し、燃料電池(10)を冷却すると共に加熱される。この加熱された冷却水は、冷却水回路(60)を流れて第1熱交換器(71)に流入し、水循環路(65)の熱媒水と熱交換して冷却される。第1熱交換器(71)で冷却された冷却水は、冷却水回路(60)を流れ、貯留容器(80)に流入する。
【0229】
その他の構成、作用及び効果は実施形態6と同様である。
【0230】
(第1変形例)
本変形例に係る燃料電池システムは、図示省略するが、水素バイパス管(25)が省略されている。
【0231】
流入制御部(111)は、運転を停止するときに、燃料電池(10)の温度を低下させる一方、電極を洗浄すると共にガス流路(11,12)内の残留ガスをパージするために、第1分流電磁弁(90a)と第2分流電磁弁(91a)と第1回収電磁弁(96a)と第2回収電磁弁(97a)とを開放すると共に、冷却水電磁弁(62)と酸素供給電磁弁(92)と酸素排出電磁弁(98)と水素供給電磁弁(93)と水素排出電磁弁(99)とを閉鎖するように構成されている。運転を停止するときに、ブロワ(23)を停止すると共に原料ガスの改質装置(30)への供給が停止される。
【0232】
その他の構成、作用及び効果は同様である。
【0233】
(第2変形例)
本変形例に係る燃料電池システムは、図示省略するが、酸素バイパス管(24)が省略されている。
【0234】
上記流入制御部(111)は、運転を停止するときに、燃料電池(10)の温度を低下させる一方、電極を洗浄すると共にガス流路(11,12)内の残留ガスをパージするために、第1分流電磁弁(90a)と第2分流電磁弁(91a)と第1回収電磁弁(96a)と第2回収電磁弁(97a)とを開放すると共に、冷却水電磁弁(62)と酸素供給電磁弁(92)と酸素排出電磁弁(98)と水素供給電磁弁(93)と水素排出電磁弁(99)とを閉鎖するように構成されている。また、流入制御部(111)は、運転を停止するときに、ブロワ(23)が停止されると共に改質装置(30)への原料ガスの供給が停止される。
【0235】
その他の構成、作用及び効果は同様である。
【0236】
【発明の実施の形態10】
実施形態10の燃料電池システムは、図10に示すように、実施形態6と異なり、第1分流通路(90)の燃焼熱交換部(106)及び改質熱交換部(107)が省略されると共に、酸素バイパス管(24)及び水素バイパス管(25)が省略されている。本実施形態に係る燃料電池システムは、運転を停止するときにのみ、燃料電池(10)のガス流路(11,12)に冷却水を流入させるようになっている。
【0237】
上記流入制御部(111)は、運転を停止するときに、燃料電池(10)の温度を低下させる一方、電極を洗浄すると共にガス流路(11,12)内の残留ガスをパージするために、流入切換手段(100)の切り換えを行い、燃料電池(10)のガス流路(11,12)に冷却水を流入させるように構成されている。つまり、流入制御部(111)は、運転を停止するときに、第1分流電磁弁(90a)と第2分流電磁弁(91a)と第1回収電磁弁(96a)と第2回収電磁弁(97a)とを開放すると共に、冷却水電磁弁(62)と酸素供給電磁弁(92)と酸素排出電磁弁(98)と水素供給電磁弁(93)と水素排出電磁弁(99)とを閉鎖するように構成されている。運転を停止するときには、すぐにブロワ(23)が停止すると共に改質装置(30)への原料ガスの供給が停止される。
【0238】
したがって、運転を停止する際には、第1分流電磁弁(90a)と第2分流電磁弁(91a)と第1回収電磁弁(96a)と第2回収電磁弁(97a)と酸素供給電磁弁(92)と酸素排出電磁弁(98)と水素供給電磁弁(93)と水素排出電磁弁(99)とを閉鎖すると共に、冷却水電磁弁(62)を開放する。このとき、ブロワ(23)をすぐに停止すると共に改質装置(30)への原料ガスの流入を停止する。一方、冷却水ポンプ(61)は、所定時間だけ駆動を継続する。
【0239】
冷却水ポンプ(61)の駆動により、貯留容器(80)の冷却水が冷却水回路(60)を循環する。貯留容器(80)の冷却水は、イオン交換樹脂(85)を通過して、冷却水に含まれるカチオン等の不純物が吸着除去され、冷却水ポンプ(61)によって吐出される。冷却水ポンプ(61)から吐出された冷却水は、燃料電池(10)の冷却水流路(13)に流入し、燃料電池(10)を冷却すると共に加熱される。この加熱された冷却水は、冷却水回路(60)を流れて第1熱交換器(71)に流入し、水循環路(65)の熱媒水と熱交換して冷却される。第1熱交換器(71)で冷却された冷却水は、冷却水回路(60)を流れ、貯留容器(80)に流入する。
【0240】
その他の構成、作用及び効果は実施形態6と同様である。
【0241】
(変形例)
本変形例に係る燃料電池システムは、図示省略するが、貯留容器(80)の入替手段(81)が省略されている。つまり、貯留容器(80)の補給管(82)及び排出管(83)が省略されている。また、コントローラ(110)は、入替制御部(112)が省略されている。
【0242】
その他の構成、作用及び効果は同様である。
【0243】
【発明のその他の実施の形態】
上記各実施形態について、イオン交換樹脂(85)を省略する構成であってもよい。
【0244】
また、上記各実施形態について、外気温センサ(102)を省略すると共に、流入制御部(111)は、外気温度が所定温度以下のときに、凍結防止のために冷却水回路(60)の冷却水をガス流路(11,12)に流入させる構成を省略してもよい。
【0245】
また、上記各実施形態について、流入制御部(111)は、冷却水が酸素極側ガス流路にのみ流入するように流入切換手段(100)を切り換える構成であってもよい。
【0246】
また、上記各実施形態について、流入制御部(111)は、冷却水が水素極側ガス流路にのみ流入するように流入切換手段(100)を切り換える構成であってもよい。
【0247】
また、上記実施形態2,3,7及び8について、入替手段(81)及びコントローラ(110)の入替制御部(112)を省略する構成であってもよい。
【0248】
また、上記各実施形態について、第1気液分離器(28)を省略する構成であってもよい。また、第2気液分離器(29)を省略する構成であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1に係る燃料電池システムの全体構成を示す配管系統図である。
【図2】実施形態2に係る燃料電池システムの全体構成を示す配管系統図である。
【図3】実施形態3に係る燃料電池システムの全体構成を示す配管系統図である。
【図4】実施形態4に係る燃料電池システムの全体構成を示す配管系統図である。
【図5】実施形態5に係る燃料電池システムの全体構成を示す配管系統図である。
【図6】実施形態6に係る燃料電池システムの全体構成を示す配管系統図である。
【図7】実施形態7に係る燃料電池システムの全体構成を示す配管系統図である。
【図8】実施形態8に係る燃料電池システムの全体構成を示す配管系統図である。
【図9】実施形態9に係る燃料電池システムの全体構成を示す配管系統図である。
【図10】実施形態10に係る燃料電池システムの全体構成を示す配管系統図である。
【符号の説明】
(10) 燃料電池
(11) 酸素極側ガス流路
(12) 水素極側ガス流路
(13) 冷却水流路
(20) 酸素通路
(21) 水素通路
(24) 酸素バイパス管
(24a) 酸素バイパス電磁弁
(25) 水素バイパス管
(25a) 水素バイパス電磁弁
(30) 改質装置
(51) 燃焼器
(60) 冷却水回路
(80) 貯留容器
(81) 入替手段
(85) イオン交換樹脂
(88) 冷却水流入手段
(89) 分流通路
(95) 回収通路
(100) 流入切換手段
(101) 熱回収切換手段
(102) 外気温度センサ
(104) 排熱回収通路
(106) 燃焼熱交換部
(107) 改質熱交換部
(111) 流入制御部

Claims (19)

  1. 酸素含有ガスが流れる酸素通路(20)と、
    燃料ガスが流れる水素通路(21)と、
    冷却水が循環する冷却水回路(60)と、
    上記酸素通路(20)に接続された酸素ガス流路(11)と、上記水素通路(21)に接続された水素ガス流路(12)と、上記冷却水回路(60)に接続されて冷却水が流れる冷却水流路(13)とが形成された燃料電池(10)と、
    上記燃料電池(10)の起動時又は停止時に冷却水回路(60)の冷却水をガス流路(11,12)に流入可能に構成された冷却水流入手段(88)とを備え
    上記冷却水流入手段( 88 )は、
    上記冷却水回路( 60 )における燃料電池( 10 )の上流側と、酸素通路( 20 )における燃料電池( 10 )の上流側と、水素通路( 21 )における燃料電池( 10 )の上流側とを接続する分流通路( 89 )と、
    上記酸素通路( 20 )における燃料電池( 10 )の下流側と、水素通路( 21 )における燃料電池( 10 )の下流側と、冷却水回路( 60 )とを接続する回収通路( 95 )と、
    上記燃料電池( 10 )のガス流路( 11,12 )に酸素含有ガス若しくは燃料ガスを流入させるか、又は分流通路( 89 )からの冷却水を流入させるかを切り換える流入切換手段( 100 )とにより構成されている
    ことを特徴とする燃料電池システム。
  2. 酸素含有ガスが流れる酸素通路( 20 )と、
    燃料ガスが流れる水素通路( 21 )と、
    冷却水が循環する冷却水回路( 60 )と、
    上記酸素通路( 20 )に接続された酸素ガス流路( 11 )と、上記水素通路( 21 )に接続された水素ガス流路( 12 )と、上記冷却水回路( 60 )に接続されて冷却水が流れる冷却水流路( 13 )とが形成された燃料電池( 10 )と、
    上記燃料電池( 10 )の起動時又は停止時に冷却水回路( 60 )の冷却水をガス流路( 11,12 )に流入可能に構成された冷却水流入手段( 88 )とを備え、
    上記冷却水流入手段( 88 )は、
    上記冷却水回路( 60 )における燃料電池( 10 )の下流側と酸素通路( 20 )における燃料電池( 10 )の上流側と、水素通路( 21 )における燃料電池( 10 )の上流側とを接続する分流通路( 89 )と、
    上記酸素通路( 20 )における燃料電池( 10 )の下流側と、水素通路( 21 )における燃料電池( 10 )の下流側と、冷却水回路( 60 )とを接続する回収通路( 95 )と、
    上記燃料電池( 10 )のガス流路( 11,12 )に酸素含有ガス若しくは燃料ガスを流入させるか、又は分流通路( 89 )からの冷却水を流入させるかを切り換える流入切換手段( 100 )とにより構成されている
    ことを特徴とする燃料電池システム。
  3. 請求項1又は2において、
    冷却水回路(60)の冷却水を酸素ガス流路(11)にのみ流入させるように冷却水流入手段(88)を制御する流入制御手段(111)を備えている
    ことを特徴とする燃料電池システム。
  4. 請求項1又は2において、
    冷却水回路(60)の冷却水を水素ガス流路(12)にのみ流入させるように冷却水流入手段(88)を制御する流入制御手段(111)を備えている
    ことを特徴とする燃料電池システム。
  5. 請求項1又は2において、
    冷却水回路(60)の冷却水を酸素ガス流路(11)及び水素ガス流路(12)に流入させるように冷却水流入手段(88)を制御する流入制御手段(111)を備えている
    ことを特徴とする燃料電池システム。
  6. 請求項5において、
    外気温度検出手段(102)を備える一方、
    流入制御手段(111)は、運転停止中において、上記外気温度検出手段(102)が検出した外気温度が所定温度以下のときに、冷却水回路(60)の冷却水を酸素ガス流路(11)及び水素ガス流路(12)に流入させる
    ことを特徴とする燃料電池システム。
  7. 請求項1又は2において、
    燃料電池(10)と分流通路(89)の接続部と回収通路(95)の接続部とをバイパスするように酸素通路(20)に接続され、酸素バイパス開閉機構(24a)が設けられた酸素バイパス通路(24)を備えている
    ことを特徴とする燃料電池システム。
  8. 請求項1又は2において、
    燃料電池(10)と分流通路(89)の接続部と回収通路(95)の接続部とをバイパスするように水素通路(21)に接続され、水素バイパス開閉機構(25a)が設けられた水素バイパス通路(25)を備えている
    ことを特徴とする燃料電池システム。
  9. 請求項1又は2において、
    燃料電池(10)と分流通路(89)の接続部と回収通路(95)の接続部とをバイパスするように酸素通路(20)に接続され、酸素バイパス開閉機構(24a)が設けられた酸素バイパス通路(24)と、
    燃料電池(10)と分流通路(89)の接続部と回収通路(95)の接続部とをバイパスするように水素通路(21)に接続され、水素バイパス開閉機構(25a)が設けられた水素バイパス通路(25)とを備えている
    ことを特徴とする燃料電池システム。
  10. 請求項1において、
    水素通路(21)における分流通路(89)の接続部の上流側に設けられ、原料ガスから燃料ガスを生成する改質装置(30)と、
    冷却水回路(60)に接続され、上記改質装置(30)の排熱を回収する熱交換部(107)が設けられた排熱回収回路(104)と、
    冷却水回路(60)の冷却水が上記排熱回収回路(104)に流れるように切換可能に構成された熱回収切換手段(101)と、
    燃料電池(10)と分流通路(89)の接続部と回収通路(95)の接続部とをバイパスするように水素通路(21)に接続され、水素バイパス開閉機構(25a)が設けられた水素バイパス通路(25)とを備える一方、
    流入切換手段(100)は、燃料電池(10)の昇温時に分流通路(89)からの冷却水をガス流路(11,12)に流入させるように切り換えるように構成されている
    ことを特徴とする燃料電池システム。
  11. 請求項2において、
    水素通路(21)における分流通路(89)の接続部の上流側に設けられ、原料ガスから燃料ガスを生成する改質装置(30)と、
    分流通路(89)に設けられ、上記改質装置(30)の排熱を回収する熱交換部(107)と、
    燃料電池(10)と分流通路(89)の接続部と回収通路(95)の接続部とをバイパスするように水素通路(21)に接続され、水素バイパス開閉機構(25a)が設けられた水素バイパス通路(25)とを備える一方、
    流入切換手段(100)は、燃料電池(10)の昇温時に分流通路(89)からの冷却水をガス流路(11,12)に流入させるように切り換えるように構成されている
    ことを特徴とする燃料電池システム。
  12. 請求項10又は11において、
    燃料電池(10)と分流通路(89)の接続部と回収通路(95)の接続部とをバイパスするように酸素通路(20)に接続され、酸素バイパス開閉機構(24a)が設けられた酸素バイパス通路(24)を備えている
    ことを特徴とする燃料電池システム。
  13. 請求項1において、
    酸素通路(20)と水素通路(21)とに接続され、燃料電池(10)の酸素極排ガス中の酸素と水素極排ガス中の水素とを反応させる燃焼器(51)と、
    冷却水回路(60)に接続され、上記燃焼器(51)の排熱を回収する熱交換部(106)を有する排熱回収回路(104)と、
    冷却水回路(60)の冷却水が上記排熱回収回路(104)に流れるように切換可能に構成された熱回収切換手段(101)と、
    燃料電池(10)と分流通路(89)の接続部と回収通路(95)の接続部とをバイパスするように水素通路(21)に接続され、水素バイパス開閉機構(25a)が設けられた水素バイパス通路(25)と、
    燃料電池(10)と分流通路(89)の接続部と回収通路(95)の接続部とをバイパスするように酸素通路(20)に接続され、酸素バイパス開閉機構(24a)が設けられた酸素バイパス通路(24)とを備える一方、
    流入切換手段(100)は、燃料電池(10)の昇温時に分流通路(89)からの冷却水をガス流路(11,12)に流入させるように切り換えるように構成されている
    ことを特徴とする燃料電池システム。
  14. 請求項2において、
    酸素通路(20)と水素通路(21)とに接続され、燃料電池(10)の酸素極排ガス中の酸素と水素極排ガス中の水素とを反応させる燃焼器(51)と、
    分流通路(89)に設けられ、上記燃焼器(51)の排熱を回収する熱交換部(106)と、
    燃料電池(10)と分流通路(89)の接続部と回収通路(95)の接続部とをバイパスするように酸素通路(20)に接続され、酸素バイパス開閉機構(24a)が設けられた酸素バイパス通路(24)と、
    燃料電池(10)と分流通路(89)の接続部と回収通路(95)の接続部とをバイパスするように水素通路(21)に接続され、水素バイパス開閉機構(25a)が設けられた水素バイパス通路(25)とを備える一方、
    流入切換手段(100)は、燃料電池(10)の昇温時に分流通路(89)からの冷却水をガス流路(11,12)に流入させるように切り換えるように構成されている
    ことを特徴とする燃料電池システム。
  15. 請求項1において、
    水素通路(21)における分流通路(89)の接続部の上流側に設けられ、原料ガスから燃料ガスを生成する改質装置(30)と、
    酸素通路(20)と水素通路(21)とに接続され、燃料電池(10)の酸素極排ガス中の酸素と水素極排ガス中の水素とを反応させる燃焼器(51)と、
    冷却水回路(60)に接続され、上記改質装置(30)及び燃焼器(51)の排熱を回収する熱交換部(106,107)が設けられた排熱回収回路(104)と、
    冷却水回路(60)の冷却水が上記排熱回収回路(104)に流れるように切換可能に構成された熱回収切換手段(101)と、
    燃料電池(10)と分流通路(89)の接続部と回収通路(95)の接続部とをバイパスするように酸素通路(20)に接続され、酸素バイパス開閉機構(24a)が設けられた酸素バイパス通路(24)と、
    燃料電池(10)と分流通路(89)の接続部と回収通路(95)の接続部とをバイパスするように水素通路(21)に接続され、水素バイパス開閉機構(25a)が設けられた水素バイパス通路(25)とを備える一方、
    流入切換手段(100)は、燃料電池(10)の昇温時に分流通路(89)からの冷却水をガス流路(11,12)に流入させるように切り換えるように構成されている
    ことを特徴とする燃料電池システム。
  16. 請求項2において、
    水素通路(21)における分流通路(89)の接続部の上流側に設けられ、原料ガスから燃料ガスを生成する改質装置(30)と、
    酸素通路(20)と水素通路(21)とに接続され、燃料電池(10)の酸素極排ガス中の酸素と水素極排ガス中の水素とを反応させる燃焼器(51)と、
    分流通路(89)に設けられ、上記改質装置(30)及び燃焼器(51)の排熱を回収する熱交換部(106,107)と、
    燃料電池(10)と分流通路(89)の接続部と回収通路(95)の接続部とをバイパスするように酸素通路(20)に接続され、酸素バイパス開閉機構(24a)が設けられた酸素バイパス通路(24)と、
    燃料電池(10)と分流通路(89)の接続部と回収通路(95)の接続部とをバイパスするように水素通路(21)に接続され、水素バイパス開閉機構(25a)が設けられた水素バイパス通路(25)とを備える一方、流入切換手段(100)は、燃料電池(10)の昇温時に分流通路(89)からの冷却水をガス流路(11,12)に流入させるように切り換えるように構成されている
    ことを特徴とする燃料電池システム。
  17. 請求項1から16の何れか1項において、
    冷却水回路(60)は、循環する冷却水に含まれる不純物を除去する冷却水洗浄手段(85)を備えている
    ことを特徴とする燃料電池システム。
  18. 請求項1から17の何れか1項において、
    冷却水回路(60)は、燃料電池(10)から流出した冷却水を貯留する貯留容器(80)と、
    該貯留容器(80)に貯留している冷却水を入れ替える入替手段(81)とを備えていることを特徴とする燃料電池システム。
  19. 請求項13から16の何れか1項において、
    酸素通路(20)における回収通路(95)の接続部、及び水素通路(21)における回収通路(95)の接続部のうちの少なくとも一方には、気液分離器(28,29)が配設されている
    ことを特徴とする燃料電池システム。
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