JP3913290B2 - 熱応動式スチ―ムトラップ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種蒸気使用機器や蒸気配管で発生する蒸気の凝縮水である復水だけを自動的に排出するスチ―ムトラップに関し、特に、弁室内に流入する復水で加熱や冷却されてその温度に応じて変形する感温応動素子を備え、感温応動素子の変形作用で弁手段を駆動し、所望温度以下の復水だけを系外へ排出する熱応動式スチ―ムトラップに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の熱応動式スチ―ムトラップを特公平6−68352号公報を参照して説明する。これは、感温応動素子に熱膨脹媒体を用いたもので、弁ケ―シングで入口と弁室と出口を形成し、入口と弁室を導入路で連通し、弁室と出口を弁座部を介して連結して、弁座部と導入路に対向して熱膨脹媒体を封入したダイヤフラムを配置したもので、熱膨脹媒体の膨脹収縮作用でダイヤフラムを駆動して、入口と出口を連通遮断するようにしたものである。熱膨脹媒体には水や、水よりも沸点の低い液体との混合物が用いられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の熱応動式スチ―ムトラップでは、ダイヤフラムを、導入路と弁座部の弁口に対向して配置しているために、これら導入路や弁口のエッジ部でダイヤフラムが損傷する問題があった。ダイヤフラムが損傷すると熱膨張媒体が流出してしまい、温度に応じてダイヤフラムが駆動せず、スチ―ムトラップとしての機能を果たすことができなくなるのである。
【0004】
また上記従来のものでは、導入路や弁口の端部に、流体中の錆やゴミ等の異物が滞留して、ダイヤフラムが駆動しても流体を確実にシ―ルすることができなくなり、蒸気を漏洩する問題があった。導入路の弁室側端部や、弁座部の弁口近傍では、流体の流れ方向や流速が大きく変化することにより、流体中の錆やスケ―ル等の異物が滞留しやすいのである。
【0005】
従って本発明の課題は、ダイヤフラムがエッジ部で損傷することがないと共に、異物の滞留による蒸気漏洩が生じないようにすることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために講じた本発明の手段は、弁ケーシングで入口と弁室と出口を形成し、当該弁室内にダイヤフラムをその外周を弁ケーシングに固定して取り付け、当該ダイヤフラム内に熱膨脹媒体を封入して、当該熱膨脹媒体の膨脹収縮により入口と出口を連通遮断するものにおいて、入口と弁室を連通する導入路と、弁室と出口を連通する導出路を設けて、当該導入路の弁室側端部と導出路の弁室側端部を、導入路及び導出路の中心軸に対してそれぞれほぼ直角に、且つ、導入路及び導出路の中心軸よりも下降することにより、当該導入路と導出路の弁室側端部にダイヤフラムが当接することなく配置すると共に、導入路と導出路を区画する弁座部としてのなだらかな勾配を有する凸部のみにダイヤフラムが当接することにより入口と出口を遮断するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
ダイヤフラム内に封入した熱膨脹媒体は、入口から流入する復水が所定温度高い場合には膨脹して、導入路と導出路を区画する弁座部に当接することにより、入口と出口を遮断して高温復水と共に蒸気の排出を防止するが、復水の温度が所定温度低くなると収縮して、弁座部との当接が解除され低温復水を出口から外部へ排出する。
【0008】
ダイヤフラムを、導入路や導出路の弁室側端部に当接することなく、弁座部のみに当接するように配置したことにより、導入路や導出路のエッジ部でダイヤフラムが損傷することがないと共に、異物の滞留に伴うシ―ル性の低下を防止することができ、蒸気を漏洩することがない。
【0009】
【実施例】
図1において、入口1と出口2を形成した本体3と、蓋4をボルト5で締結して弁ケ―シングを構成する。蓋4と本体3の間に弁室6を形成して、入口1と導入路7を介して連通し、出口2と導出路8を介して連通する。
【0010】
弁室6内に円板波板状のダイヤフラム9を、その外周部を本体3と蓋4とで挟み込んで取り付ける。ダイヤフラム9の上部と蓋4の間の空間に熱膨張媒体10を封入する。
【0011】
本体3の中央部で弁室6の中央部に弁座部としてのなだらかな勾配を有する凸部11を設ける。凸部11は、導入路7と導出路8を区画するように、導入路7及び導出路8の中心軸に直交し、ダイヤフラム9の直径に沿う形状に形成する。導入路7の弁室6側端部12と、導出路8の弁室6側端部13は、それぞれほぼ直角に下降して凸部11と接続させ、ダイヤフラム9が下方に変位しても、ダイヤフラム9表面が端部12,13と当接しないようにする。
【0012】
図1に示す状態は、熱膨張媒体10が収縮してダイヤフラム9が凸部11から離れ、導入路7と導出路8すなわち入口1と出口2が区画されずに連通している状態を示す。従って、図示しない蒸気使用機器や蒸気配管と接続した入口1から流入してきた低温復水は、ダイヤフラム9の下面を流下して出口2から外部へ排出される。
【0013】
低温の復水が排出され、高温の復水が弁室6内に流入してくると、熱膨張媒体10が膨脹してダイヤフラム9が下方へ変位し凸部11と当接することにより、導入路7と導出路8は区画され、導出路8への流体の流下がなくなり、高温復水と蒸気の外部への排出が防止される。
【0014】
ダイヤフラム9が凸部11に当接した場合に、ダイヤフラム9の下表面は、導入路7の端部12や導出路8の端部13に接触することはなく、従って、それらのエッジ部で損傷することがない。また、ダイヤフラム9の当接する凸部11はなだらかな勾配で形成してあり、復水の流れ方向や流速が大きく変化することがないために、錆やゴミやスケ―ル等の異物が滞留することがなく、従って、ダイヤフラム9下表面と凸部11のシ―ルは確実なものとなり、蒸気を外部へ漏洩することがない。
【0015】
本実施例においては、入口1と出口2として説明したが、入口と出口を反対にすることもできるものである。
【0016】
【発明の効果】
上記のように本発明では、ダイヤフラムを、導入路や導出路の弁室側端部に当接することなく、弁座部のみに当接するように配置したことにより、導入路や導出路のエッジ部でのダイヤフラムの損傷を防止することができると共に、異物の滞留による蒸気漏洩を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱応動式スチ―ムトラップの実施例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 入口
2 出口
3 本体
6 弁室
7 導入路
8 導出路
9 ダイヤフラム
10 熱膨脹媒体
11 凸部
Claims (1)
- 弁ケーシングで入口と弁室と出口を形成し、当該弁室内にダイヤフラムをその外周を弁ケーシングに固定して取り付け、当該ダイヤフラム内に熱膨脹媒体を封入して、当該熱膨脹媒体の膨脹収縮により入口と出口を連通遮断するものにおいて、入口と弁室を連通する導入路と、弁室と出口を連通する導出路を設けて、当該導入路の弁室側端部と導出路の弁室側端部を、導入路及び導出路の中心軸に対してそれぞれほぼ直角に、且つ、導入路及び導出路の中心軸よりも下降することにより、当該導入路と導出路の弁室側端部にダイヤフラムが当接することなく配置すると共に、導入路と導出路を区画する弁座部としてのなだらかな勾配を有する凸部のみにダイヤフラムが当接することにより入口と出口を遮断することを特徴とする熱応動式スチームトラップ。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP17587796A JP3913290B2 (ja) | 1996-06-14 | 1996-06-14 | 熱応動式スチ―ムトラップ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP17587796A JP3913290B2 (ja) | 1996-06-14 | 1996-06-14 | 熱応動式スチ―ムトラップ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH102486A JPH102486A (ja) | 1998-01-06 |
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Family
ID=16003780
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP17587796A Expired - Fee Related JP3913290B2 (ja) | 1996-06-14 | 1996-06-14 | 熱応動式スチ―ムトラップ |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3913290B2 (ja) |
-
1996
- 1996-06-14 JP JP17587796A patent/JP3913290B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH102486A (ja) | 1998-01-06 |
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