JP3862780B2 - 熱応動式スチ―ムトラップ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種蒸気使用機器や蒸気配管で発生する復水を自動的に排出するスチ―ムトラップに関し、特に、蒸気と復水で加熱冷却されその温度に応じて膨脹収縮する媒体を含む温度制御機素を用いて、所望温度以下の復水を系外へ排出する熱応動式スチ―ムトラップに関する。
【0002】
【従来の技術】
熱応動式スチ―ムトラップの基本的構成は、例えば、特開平8−28787号公報から公知である。当該公報から理解されるように、入口と弁室と出口を形成した弁ケ―シングと、弁室と出口を連通する導出路を形成した弁座部材と、上下二つの壁部材の間にダイヤフラムの外周縁を固着して上壁部材とダイヤフラムの間に膨脹媒体を封入しダイヤフラムに弁部材を取り付けた温度制御機素を具備し、弁座部材を弁室と出口の間に取り付け、弁部材を弁座部材に対面させて温度制御機素を弁室に取り付け、弁ケ―シングの内周壁と温度制御機素の外周との間に流体通過用の隙間を設け、弁部材の弁座部材への着座時に弁座部材の導出路を閉止するシ―ル面を弁部材に形成したものである。
【0003】
弁室内の温度が上昇すると膨脹媒体が膨脹し、ダイヤフラムを介して弁部材が弁座部材に着座して導出路を閉止する。これによって、蒸気の漏出を防止する。弁室内の温度が低下すると膨脹媒体が収縮し、弁部材が弁座部材から離座して導出路を開口する。これによって、復水を系外へ排出する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来のものでは、弁部材の離着座によって開閉される導出路を温度制御機素とは別の弁座部材に形成しなければならず、部品点数が多くなるという問題点があった。
【0005】
従って、本発明の技術的課題は、温度制御機素に導出路を形成して部品点数を減少できる熱応動式スチ―ムトラップを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の技術的課題を解決するために講じた本発明の技術的手段は、弁ケ―シングに入口と弁室と出口を形成し、上下二つの壁部材の間にダイヤフラムの外周縁を固着して上壁部材とダイヤフラムの間に膨脹媒体を封入しダイヤフラムに弁部材を取り付けた温度制御機素を弁室内に取り付け、弁ケ―シングの内周壁と温度制御機素の外周との間に流体通過用の隙間を設け、下壁部材に中心に開口した導入路と導入路の周囲に開口した導出路を形成し、下壁部材下面の導入路と導出路との間の導出路の周囲を弁ケーシングに圧接して密封し、弁部材の下壁部材への着座時に下壁部材の導出路を閉止するシ―ル面を弁部材に形成し、弁部材のシール面が下壁部材の導出路を閉止することにより蒸気の漏出を防止することを特徴とする熱応動式スチ―ムトラップにある。
【0007】
【発明の実施の形態】
弁室内温度の上昇によって膨脹媒体が膨脹すると、ダイヤフラムを介して弁部材が下壁部材に着座し、弁部材のシ―ル面が下壁部材の導出路を閉止する。これによって蒸気の漏出を防止する。弁室内温度の低下によって膨脹媒体が収縮すると、弁部材が下壁部材から離座して導出路を開口する。これによって弁室3内の復水を下壁部材に形成した流入路から流出路を通して出口に排出する。このように本発明は、弁部材の離着座によって開閉される導出路を温度制御機素の下壁部材に形成したものであるので、導出路を形成するための弁座部材が不要となる。これによって部品点数を減少することが可能となる。
【0008】
【実施例】
上記の技術的手段の具体例を示す実施例を説明する(図1参照)。
図1において、上ケ―シング1と下ケ―シング2とをねじ結合して、内部に弁室3を有する弁ケ―シングが形成される。上ケ―シング1に弁室3に連通する入口4が形成され、下ケ―シング2に弁室3から連通する出口5が形成される。
【0009】
弁室3内に、温度制御機素6が配置される。温度制御機素6は、注入口7を形成した上壁部材8と、ダイヤフラム9と、弁部材10と、導入路11と導出路12を形成した下壁部材13と、上壁部材8とダイヤフラム9の間に封入した膨脹媒体14とで構成される。導出路12は下壁部材13の中心に開口し、導入路11は導出路12の周囲りに4つ開口している。
【0010】
ダイヤフラム9と弁部材10は溶接(参照番号15)によって固着される。また上壁部材8とダイヤフラム9と下壁部材13は夫々の外周縁が溶接(参照番号16)によって固着される。上壁部材8とダイヤフラム9との間の密閉空間に注入口7から膨脹媒体14が注入され、栓部材17で塞がれる。膨脹媒体14は、水、水より沸点の低い液体、或いはそれらの混合物で形成される。
【0011】
温度制御機素6は、上壁部材8と上ケ―シング1の間に配置された固定部材18によって、下壁部材13下面の導出路12の周囲が下ケ―シング2の横断壁に圧接されガスケット19によって密封される。固定部材18は多数の細孔が形成されスクリ―ンを兼ねている。下ケ―シング2の横断壁には下壁部材13の導出路12に連通する連通路20が開口されている。下ケ―シング2の内周壁21には複数個のリブ22が形成され、夫々のリブ22の間が下ケ―シング2の内周壁21と温度制御機素6の外周との間の流体通過用の隙間を成す。弁部材10の下面に下壁部材13への着座時に下壁部材13の導出路12を閉止するシ―ル面23が形成される。
【0012】
弁室3内の温度が上昇すると膨脹媒体14が膨脹する。膨脹媒体14の膨脹によってダイヤフラム9が下方に変位し、弁部材10が下壁部材13に着座する。弁部材10が下壁部材13に着座すると、弁部材10のシ―ル面23が下壁部材13の導出路12を閉止する。これによって蒸気の漏出を防止する。弁室3内の温度が低下すると膨脹媒体14が収縮する。膨脹媒体14の収縮によってダイヤフラム9が上方に変位し、弁部材10のシ―ル面23が下壁部材13の導出路12を開口する。これによって弁室3内の復水を下壁部材13の流入路11から流出路12を通して出口5に排出する。
【0013】
【発明の効果】
本発明は下記の特有の効果を生じる。
上記のように本発明による熱応動式スチ―ムトラップは、弁部材の離着座によって開閉される導出路を温度制御機素の下壁部材に形成することにより、部品点数を減少することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱応動式スチ―ムトラップの実施例の断面図
【符号の説明】
1 上ケ―シング
2 下ケ―シング
3 弁室
4 入口
5 出口
6 温度制御機素
8 上壁部材
9 ダイヤフラム
10 弁部材
11 導入路
12 導出路
13 下壁部材
14 膨脹媒体
18 固定部材
19 ガスケット
21 下ケ―シングの内周壁
22 リブ
23 弁部材のシ―ル面
Claims (1)
- 弁ケ―シングに入口と弁室と出口を形成し、上下二つの壁部材の間にダイヤフラムの外周縁を固着して上壁部材とダイヤフラムの間に膨脹媒体を封入しダイヤフラムに弁部材を取り付けた温度制御機素を弁室内に取り付け、弁ケ―シングの内周壁と温度制御機素の外周との間に流体通過用の隙間を設け、下壁部材に中心に開口した導入路と導入路の周囲に開口した導出路を形成し、下壁部材下面の導入路と導出路との間の導出路の周囲を弁ケーシングに圧接して密封し、弁部材の下壁部材への着座時に下壁部材の導出路を閉止するシ―ル面を弁部材に形成し、弁部材のシール面が下壁部材の導出路を閉止することにより蒸気の漏出を防止することを特徴とする熱応動式スチ―ムトラップ。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP12231196A JP3862780B2 (ja) | 1996-04-18 | 1996-04-18 | 熱応動式スチ―ムトラップ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12231196A JP3862780B2 (ja) | 1996-04-18 | 1996-04-18 | 熱応動式スチ―ムトラップ |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH09280491A JPH09280491A (ja) | 1997-10-31 |
JP3862780B2 true JP3862780B2 (ja) | 2006-12-27 |
Family
ID=14832822
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12231196A Expired - Fee Related JP3862780B2 (ja) | 1996-04-18 | 1996-04-18 | 熱応動式スチ―ムトラップ |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3862780B2 (ja) |
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1996
- 1996-04-18 JP JP12231196A patent/JP3862780B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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JPH09280491A (ja) | 1997-10-31 |
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