JP3862791B2 - 熱応動式スチ―ムトラップ - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種蒸気使用機器や蒸気配管で発生する復水を自動的に排出するスチ―ムトラップに関し、特に、蒸気と復水で加熱冷却されその温度に応じて膨脹収縮する媒体を含む温度制御機素を用いて、所定温度以下の復水を系外へ排出する熱応動式スチ―ムトラップに関する。
【０００２】
【従来の技術】
熱応動式スチ―ムトラップの基本的構成は、例えば、特開平８−８６３９７号公報から公知である。当該公報から理解されるように、弁ケ―シングで入口と弁室と出口を形成し、弁室と出口の間に導出路を設け、壁部材とダイヤフラムの外周縁を固着して内部に膨脹媒体を封入すると共にダイヤフラムに弁部を設けた温度制御機素を弁室内に配置したもので、膨脹媒体の膨脹収縮に基づくダイヤフラムの変位によって弁部で導出路を開閉するようにしたものである。
【０００３】
弁室内に高温の蒸気が流入してくると、膨脹媒体が膨脹し、ダイヤフラムを閉弁方向に変位せしめて弁部で導出路を閉止する。これによって、蒸気の排出を防止する。低温の復水が流入してくると、膨脹媒体が収縮し、弁室内の流体圧力によってダイヤフラムが開弁方向に変位せしめられて弁部が導出路を開口する。これによって、復水を系外へ排出する。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の熱応動式スチ―ムトラップは、蒸気の凝縮水である復水を自動的に排出するスチ―ムトラップとしての機能を有するのみであり、入口と出口を強制的に連通あるいは遮断したり、排出すべき復水の温度を調節したりすることができなかった。
【０００５】
従って本発明の技術的課題は、強制的に開弁および閉弁操作ができると共に温度調節ができる熱応動式スチ―ムトラップを提供することである。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
上記の技術的課題を解決するために講じた本発明の技術的手段は、弁ケ―シングで入口と弁室と出口を形成し、弁室と出口の間に導出路を設け、壁部材とダイヤフラムの外周縁を固着して内部に膨脹媒体を封入すると共にダイヤフラムに弁部を設けた温度制御機素を弁室内に配置し、膨脹媒体の膨脹収縮に基づくダイヤフラムの変位によって弁部で導出路を開閉するものにおいて、弁室内に温度制御機素を囲うケ―スを取り付け、温度制御機素の壁部材で開閉される導入路と温度制御機素の弁部で開閉される導出路をケ―スに設け、温度制御機素を導入路側あるいは導出路側へ移動させる操作部材をケ―スと弁ケ―シングを気密的に貫通して温度制御機素に連結し、温度制御機素を壁部材が導入路を閉口する状態と壁部材が導入路を開口し弁部と導出路との間の距離が調節される状態に設定できることを特徴とする熱応動式スチ―ムトラップにある。
【０００７】
【発明の実施の形態】
本発明の熱応動式スチ―ムトラップでは、操作部材を外部から操作することにより、温度制御機素を導入路側あるいは導出路側へ移動させて、壁部材が導入路を閉口する状態と壁部材が導入路を開口し弁部と導出路との間の距離が調節される状態に設定できる。壁部材が導入路を閉口する状態とすることにより、入口と出口を強制的に遮断できる。また壁部材が導入路を開口し弁部と導出路との間の距離を小さなものにすれば排出すべき復水の温度を低くでき、逆に距離を大きなものにすれば排出すべき復水の温度を高くでき、さらに距離を大きなものにすれば入口と出口を強制的に連通できる。
【０００８】
【実施例】
上記の技術的手段の具体例を示す実施例を説明する（図１参照）。
本体１と蓋２をボルト（図示せず）で締結して、内部に弁室３を有する弁ケ―シングが形成される。本体１に入口４と出口５が同軸上に形成される。弁室３と出口５との間の隔壁６に、導入路７と導出路８を有し、内部に温度制御機素９を配したケ―ス１０がねじ結合される。導入路７はケ―ス１０の頂壁１１に開けられ、導出路８はケ―ス１０の底壁１２に開けられている。頂壁１１は底壁１２と一体に形成された側壁１３に溶接されている。
【０００９】
温度制御機素９は、壁部材１４とダイヤフラム１５と固着壁部材１６の外周縁が溶接され、壁部材１４とダイヤフラム１５の間に膨脹媒体１７が入れられて栓部材１８で密封され、ダイヤフラム１５に弁部１９が溶接されたものである。壁部材１４は導入路７に対向し、温度制御機素９が上方に引き上げられると上面で導入路７を閉口できる。弁部１９は導出路８に対向し、下面で導出路８を開閉する。膨脹媒体１７は、水、水より沸点の低い液体、或いはそれらの混合物で形成される。
【００１０】
温度制御機素９に操作部材２０の下端が溶接されている。操作部材２０はケ―ス１０の頂壁１１から蓋２を貫通して外部に突出し、外部から操作することにより温度制御機素９を上下に移動させることができる。温度制御機素９はケ―ス１０の側壁１３の内周に形成された複数個のリブ２１によって上下に案内される。操作部材２０とケ―ス１０の頂壁１１の間にシ―ル部材２２を介在させ、操作部材２０と蓋２の間にシ―ル部材２３を介在させる。
【００１１】
通常のスチ―ムトラップとして機能させる場合は、温度制御機素９を図１の状態に設定して使用する。導入路７から温度制御機素９の周りに流入する流体の温度が低い場合、膨脹媒体１７は収縮し、図１に示すようにダイヤフラム１５が持上げられ、弁部１９が導出路８を開口する。これにより低温流体即ち復水が導出路８から出口５に排出される。低温流体の排出によって導入路７から温度制御機素９の周りに流入する流体の温度が高くなると、膨脹媒体１７は膨脹し、ダイヤフラム１５が押し下げられ、弁部１９が導出路８を閉口する。これにより高温流体即ち蒸気の流出を防止する。
【００１２】
排出すべき復水の温度を高くする場合は、図１に示す状態から操作部材２０を引き上げて、弁部１９と導出路８の間の距離を大きくする。これにより復水の温度がより高温になってから弁部１９が導出路８を閉口する。操作部材２０をさらに引き上げて、弁部１９が導出路８を閉口できない状態とすることにより、入口４と出口５を強制的に連通することができる。また操作部材２０をさらに引き上げて、壁部材１４で導入路７を閉口させることにより、入口４と出口５を強制的に遮断することができる。
【００１３】
【発明の効果】
本発明は下記の特有の効果を生じる。
上記のように本発明によれば、操作部材を外部から操作することにより、通常のスチ―ムトラップとしての機能に加えて、入口と出口を強制的に連通および遮断する機能と、排出すべき復水の温度を調節する機能を有する熱応動式スチ―ムトラップを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施例の熱応動式スチ―ムトラップの断面図である。
【符号の説明】
１ 本体
２ 蓋
３ 弁室
４ 入口
５ 出口
７ 導入路
８ 導出路
９ 温度制御機素
１０ ケ―ス
１４ 壁部材
１５ ダイヤフラム
１７ 膨脹媒体
１９ 弁部
２０ 操作部材
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種蒸気使用機器や蒸気配管で発生する復水を自動的に排出するスチ―ムトラップに関し、特に、蒸気と復水で加熱冷却されその温度に応じて膨脹収縮する媒体を含む温度制御機素を用いて、所定温度以下の復水を系外へ排出する熱応動式スチ―ムトラップに関する。
【０００２】
【従来の技術】
熱応動式スチ―ムトラップの基本的構成は、例えば、特開平８−８６３９７号公報から公知である。当該公報から理解されるように、弁ケ―シングで入口と弁室と出口を形成し、弁室と出口の間に導出路を設け、壁部材とダイヤフラムの外周縁を固着して内部に膨脹媒体を封入すると共にダイヤフラムに弁部を設けた温度制御機素を弁室内に配置したもので、膨脹媒体の膨脹収縮に基づくダイヤフラムの変位によって弁部で導出路を開閉するようにしたものである。
【０００３】
弁室内に高温の蒸気が流入してくると、膨脹媒体が膨脹し、ダイヤフラムを閉弁方向に変位せしめて弁部で導出路を閉止する。これによって、蒸気の排出を防止する。低温の復水が流入してくると、膨脹媒体が収縮し、弁室内の流体圧力によってダイヤフラムが開弁方向に変位せしめられて弁部が導出路を開口する。これによって、復水を系外へ排出する。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の熱応動式スチ―ムトラップは、蒸気の凝縮水である復水を自動的に排出するスチ―ムトラップとしての機能を有するのみであり、入口と出口を強制的に連通あるいは遮断したり、排出すべき復水の温度を調節したりすることができなかった。
【０００５】
従って本発明の技術的課題は、強制的に開弁および閉弁操作ができると共に温度調節ができる熱応動式スチ―ムトラップを提供することである。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
上記の技術的課題を解決するために講じた本発明の技術的手段は、弁ケ―シングで入口と弁室と出口を形成し、弁室と出口の間に導出路を設け、壁部材とダイヤフラムの外周縁を固着して内部に膨脹媒体を封入すると共にダイヤフラムに弁部を設けた温度制御機素を弁室内に配置し、膨脹媒体の膨脹収縮に基づくダイヤフラムの変位によって弁部で導出路を開閉するものにおいて、弁室内に温度制御機素を囲うケ―スを取り付け、温度制御機素の壁部材で開閉される導入路と温度制御機素の弁部で開閉される導出路をケ―スに設け、温度制御機素を導入路側あるいは導出路側へ移動させる操作部材をケ―スと弁ケ―シングを気密的に貫通して温度制御機素に連結し、温度制御機素を壁部材が導入路を閉口する状態と壁部材が導入路を開口し弁部と導出路との間の距離が調節される状態に設定できることを特徴とする熱応動式スチ―ムトラップにある。
【０００７】
【発明の実施の形態】
本発明の熱応動式スチ―ムトラップでは、操作部材を外部から操作することにより、温度制御機素を導入路側あるいは導出路側へ移動させて、壁部材が導入路を閉口する状態と壁部材が導入路を開口し弁部と導出路との間の距離が調節される状態に設定できる。壁部材が導入路を閉口する状態とすることにより、入口と出口を強制的に遮断できる。また壁部材が導入路を開口し弁部と導出路との間の距離を小さなものにすれば排出すべき復水の温度を低くでき、逆に距離を大きなものにすれば排出すべき復水の温度を高くでき、さらに距離を大きなものにすれば入口と出口を強制的に連通できる。
【０００８】
【実施例】
上記の技術的手段の具体例を示す実施例を説明する（図１参照）。
本体１と蓋２をボルト（図示せず）で締結して、内部に弁室３を有する弁ケ―シングが形成される。本体１に入口４と出口５が同軸上に形成される。弁室３と出口５との間の隔壁６に、導入路７と導出路８を有し、内部に温度制御機素９を配したケ―ス１０がねじ結合される。導入路７はケ―ス１０の頂壁１１に開けられ、導出路８はケ―ス１０の底壁１２に開けられている。頂壁１１は底壁１２と一体に形成された側壁１３に溶接されている。
【０００９】
温度制御機素９は、壁部材１４とダイヤフラム１５と固着壁部材１６の外周縁が溶接され、壁部材１４とダイヤフラム１５の間に膨脹媒体１７が入れられて栓部材１８で密封され、ダイヤフラム１５に弁部１９が溶接されたものである。壁部材１４は導入路７に対向し、温度制御機素９が上方に引き上げられると上面で導入路７を閉口できる。弁部１９は導出路８に対向し、下面で導出路８を開閉する。膨脹媒体１７は、水、水より沸点の低い液体、或いはそれらの混合物で形成される。
【００１０】
温度制御機素９に操作部材２０の下端が溶接されている。操作部材２０はケ―ス１０の頂壁１１から蓋２を貫通して外部に突出し、外部から操作することにより温度制御機素９を上下に移動させることができる。温度制御機素９はケ―ス１０の側壁１３の内周に形成された複数個のリブ２１によって上下に案内される。操作部材２０とケ―ス１０の頂壁１１の間にシ―ル部材２２を介在させ、操作部材２０と蓋２の間にシ―ル部材２３を介在させる。
【００１１】
通常のスチ―ムトラップとして機能させる場合は、温度制御機素９を図１の状態に設定して使用する。導入路７から温度制御機素９の周りに流入する流体の温度が低い場合、膨脹媒体１７は収縮し、図１に示すようにダイヤフラム１５が持上げられ、弁部１９が導出路８を開口する。これにより低温流体即ち復水が導出路８から出口５に排出される。低温流体の排出によって導入路７から温度制御機素９の周りに流入する流体の温度が高くなると、膨脹媒体１７は膨脹し、ダイヤフラム１５が押し下げられ、弁部１９が導出路８を閉口する。これにより高温流体即ち蒸気の流出を防止する。
【００１２】
排出すべき復水の温度を高くする場合は、図１に示す状態から操作部材２０を引き上げて、弁部１９と導出路８の間の距離を大きくする。これにより復水の温度がより高温になってから弁部１９が導出路８を閉口する。操作部材２０をさらに引き上げて、弁部１９が導出路８を閉口できない状態とすることにより、入口４と出口５を強制的に連通することができる。また操作部材２０をさらに引き上げて、壁部材１４で導入路７を閉口させることにより、入口４と出口５を強制的に遮断することができる。
【００１３】
【発明の効果】
本発明は下記の特有の効果を生じる。
上記のように本発明によれば、操作部材を外部から操作することにより、通常のスチ―ムトラップとしての機能に加えて、入口と出口を強制的に連通および遮断する機能と、排出すべき復水の温度を調節する機能を有する熱応動式スチ―ムトラップを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施例の熱応動式スチ―ムトラップの断面図である。
【符号の説明】
１ 本体
２ 蓋
３ 弁室
４ 入口
５ 出口
７ 導入路
８ 導出路
９ 温度制御機素
１０ ケ―ス
１４ 壁部材
１５ ダイヤフラム
１７ 膨脹媒体
１９ 弁部
２０ 操作部材
Claims (1)
- 弁ケ―シングで入口と弁室と出口を形成し、弁室と出口の間に導出路を設け、壁部材とダイヤフラムの外周縁を固着して内部に膨脹媒体を封入すると共にダイヤフラムに弁部を設けた温度制御機素を弁室内に配置し、膨脹媒体の膨脹収縮に基づくダイヤフラムの変位によって弁部で導出路を開閉するものにおいて、弁室内に温度制御機素を囲うケ―スを取り付け、温度制御機素の壁部材で開閉される導入路と温度制御機素の弁部で開閉される導出路をケ―スに設け、温度制御機素を導入路側あるいは導出路側へ移動させる操作部材をケ―スと弁ケ―シングを気密的に貫通して温度制御機素に連結し、温度制御機素を壁部材が導入路を閉口する状態と壁部材が導入路を開口し弁部と導出路との間の距離が調節される状態に設定できることを特徴とする熱応動式スチ―ムトラップ。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP29439496A JP3862791B2 (ja) | 1996-10-15 | 1996-10-15 | 熱応動式スチ―ムトラップ |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP29439496A JP3862791B2 (ja) | 1996-10-15 | 1996-10-15 | 熱応動式スチ―ムトラップ |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10122488A JPH10122488A (ja) | 1998-05-15 |
| JP3862791B2 true JP3862791B2 (ja) | 2006-12-27 |
Family
ID=17807175
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP29439496A Expired - Fee Related JP3862791B2 (ja) | 1996-10-15 | 1996-10-15 | 熱応動式スチ―ムトラップ |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3862791B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN104061428A (zh) * | 2014-06-11 | 2014-09-24 | 成都科力夫科技有限公司 | 一种疏水装置 |
| JP6531310B1 (ja) * | 2018-04-17 | 2019-06-19 | 株式会社エコファースト | 監視システム |
-
1996
- 1996-10-15 JP JP29439496A patent/JP3862791B2/ja not_active Expired - Fee Related
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| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH10122488A (ja) | 1998-05-15 |
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Legal Events
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