JP3910797B2 - はんだ付けシステム - Google Patents

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  • Electric Connection Of Electric Components To Printed Circuits (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子部品を搭載したプリント配線板のような板状の被はんだ付けワークに、通常の一括はんだ付けシステムでは、はんだ付けを行うことができない電子部品(通常は「後付け電子部品」と呼称されている)を、はんだ付け品質良く自動的にはんだ付け(この作業は通常「後付け」と呼称されている)するためのはんだ付けシステムに関する。
【0002】
例えば、リフローはんだ付け作業に伴う高温雰囲気に耐えることができないような非耐熱性の電子部品は、作業者の手作業により後付けされたり、後付け専用のはんだ付け装置(後付け電子部品のみをはんだ付けするので、通常は「部分はんだ付け装置」と呼称されている)によりはんだ付けが行われている。非耐熱性の電子部品の例としては、樹脂ハウジングを備えたコネクタ等のようなリード型電子部品がある。
【0003】
このような部分はんだ付け装置には、ロボットにはんだ鏝と糸はんだを保持させて作業者の手作業を模擬してはんだ付けを行う装置と、後付け電子部品の被はんだ付け部の形状と同じ形状の溶融はんだの噴流波や溶融はんだの盛り上がりをこの被はんだ付け部に接触させてはんだ付けを行う装置、等々がある。しかし、前者のはんだ付け装置では、はんだ付け作業に伴ってはんだボールが多発し易い問題がある。また、後者のはんだ付け装置では、はんだブリッジが発生し易い問題がある。
【0004】
【従来の技術】
従来のはんだ付け装置として、特許第2761204号公報には、プリント配線板の搬送手段にハンドリングロボットを使用した部分はんだ付け装置の技術が説明されている。すなわち、「噴流ハンダ」を形成する「ノズルは基板のハンダ付けすべき位置の面積よりも小さな開口面積に設定され」ていて、「基板のハンダ付け面をノズルからの噴流ハンダに接触または浸漬させたままの状態で、アーム部を作動させて基板を水平面内で移動させることによって、所定面積の部分ハンダ付けを行う」技術である。
【0005】
また、「ハンダ槽でハンダ付けした後の基板を噴流ハンダから上昇させるときに、ロボットで基板を傾斜させる」ことにより、「ハンダのキレをよくすることができ」るように構成した技術である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この従来技術では、プリント配線板を溶融はんだの噴流波に接触させたままの状態で水平面内で移動させるので、コネクタ等のように多数のリード端子が狭い間隔で隣り合って配列(ファインピッチ)された電子部品では、隣り合うリード端子相互および前記リード端子の周囲のプリント配線板上に形成されたランド相互すなわち隣り合う被はんだ付け部間においてはんだブリッジを生じ易く、被はんだ付け部のフィレット形状が不均一になり易い問題がある。
【0007】
また、この従来技術では、はんだ付けが完了した後においてプリント配線板を噴流波から離脱させる際に傾斜させて上昇させているが、これでは部分はんだ付けを行う「所定面積」の最後の部分においてのみはんだブリッジを解消できるが、先に説明したように他の部分においてははんだブリッジを生じる問題がある。
【0008】
さらに、プリント配線板の部分はんだ付けを行う面積部分の寸法が特にはその最大寸法が「ノズル」の長さよりも長い場合には、前記プリント配線板の部分はんだ付けを行う領域を「噴流ハンダに接触または浸漬させたままの状態で」複数回の往復移動等を繰り返してその全域に溶融はんだを接触させる必要があり、この往復移動等に原因してはんだブリッジ等やフィレット形状の不均一が一層発生し易くなる。また、往復移動等に原因してはんだ付け時間が長くなり、その生産性も低下する。
【0009】
本発明の目的は、はんだブリッジを生じることがなくしかも被はんだ付け部のフィレット形状が均一で生産性の高い部分はんだ付けを行うことができるはんだ付けシステムを実現することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明のはんだ付けシステムは、吹き口上に形成される溶融はんだの噴流波の長さを板状の被はんだ付けワーク例えばプリント配線板の部分はんだ付け領域の形状に合わせて調節できるようにしておいて、プリント配線板の一回の搬送でしかも仰角搬送でその部分はんだ付け領域の全領域をはんだ付けできるように構成したところに特徴がある。
(1)板状の被はんだ付けワークを搬送しながらこの板状の被はんだ付けワークの予め決められた所定の範囲の部分はんだ付け領域にのみその一端部側から他端部側へ向けて溶融はんだを連続して順次に接触させてはんだ付けを行うはんだ付けシステムであって、次のように構成する。
【0011】
吹き口を有する吹き口体と、前記吹き口体に前記溶融はんだを供給するとともに前記板状の被はんだ付けワークに接触させる溶融はんだを前記吹き口上に供給する供給手段と、前記吹き口体の吹き口上の溶融はんだの長さを連続的に可変する吹き口長さ可変手段とを備えたはんだ付け装置を備える。
【0012】
また、前記板状の被はんだ付けワークを保持して予め決められた所定の空間範囲においてその3次元空間座標上の位置および姿勢そして搬送方向と搬送速度とから成る搬送ベクトルを任意に選択することが可能な搬送装置を備える。
【0013】
そして、前記搬送装置に保持された板状の被はんだ付けワークの部分はんだ付け領域の前記一端部を前記吹き口上の溶融はんだに接触させてこの接触部分が前記部分はんだ付け領域の前記他端部へ向けて連続して順次に移動するように前記板状の被はんだ付けワークをその板面方向に沿ってかつ仰角方向に搬送させるとともに他方で前記部分はんだ付け領域の一端部が溶融はんだに接触開始する際に前記吹き口体の吹き口の長さを前記一端部の形状に合わせておき前記板状の被はんだ付けワークの搬送に伴って前記吹き口体の吹き口上の溶融はんだを接触させる前記部分はんだ付け領域の形状の変化に合わせて前記吹き口体の吹き口の長さを可変させることで前記部分はんだ付け領域のみにその一端部側から他端部側へ向けて連続して順次に溶融はんだを接触させる制御装置を備えるように構成する。
【0014】
これにより、板状の被はんだ付けワークの部分はんだ付け領域に接触する溶融はんだの長さをこの部分はんだ付け領域の形状に合わせて調節することが可能となり、一回の搬送で部分はんだ付け領域の全領域に溶融はんだを接触させてその被はんだ付け部にはんだ付けを行うことができる。したがって、生産性の高い部分はんだ付けを行うことができる。
【0015】
また、板状の被はんだ付けワークの部分はんだ付け領域が溶融はんだに接触している状態におけるこの板状の被はんだ付けワークの搬送は仰角搬送であり、かつこの仰角搬送は板状の被はんだ付けワークの板面に沿って行われる。したがって、部分はんだ付け領域の被はんだ付け部が溶融はんだから離脱する離脱点の離脱角度が大きくなるとともにこの離脱位置も安定するようになり、はんだブリッジを生じることがなく、しかもフィレット形状の安定したはんだ付け品質の良好な部分はんだ付けを行うことができる。
(2)前記(1)のはんだ付けシステムにおいて、前記板状の被はんだ付けワークの部分はんだ付け領域の予備加熱を行う予備加熱装置を備えるとともに前記板状の被はんだ付けワークを保持する搬送装置が前記予備加熱された板状の被はんだ付けワークを保温するための加熱手段を備え、前記板状の被はんだ付けワークの部分はんだ付け領域を予備加熱した後に前記溶融はんだに接触させるように構成する。
【0016】
これにより、少なくとも部分はんだ付け領域が予備加熱された板状の被はんだ付けワークの予備加熱温度を低下させることなく、この板状の被はんだ付けワークを予備加熱装置からはんだ付け装置へ搬送することが可能となり、はんだ濡れ性やスルーホールヘのはんだ濡れ上がりの良好な部分はんだ付けを行うことができるようになる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明にかかるはんだ付けシステムは、次のような実施形態例において実施することができる。なお、板状の被はんだ付けワークは、多数の電子部品を搭載しはんだ付けが完了したプリント配線板である。そして、本実施形態例のはんだ付けシステムは、このプリント配線板に例えば非耐熱性電子部品のコネクタ等の電子部品を後付けする場合に使用するはんだ付けシステムである。
【0018】
なお、本実施形態例のはんだ付けシステムは、プリント配線板の特定の領域にのみ溶融はんだを接触させて部分はんだ付けを行うはんだ付けシステムであるので、通常のはんだ付け装置を使用してはんだ付けを行うことができないような電子部品のはんだ付けも行うこともできる。例えば、重量が大きい電子部品や形状が極めて大きい電子部品をプリント配線板にはんだ付けする場合等である。
(1)構成
図1ないし図6を参照して、本発明にかかるはんだ付けシステムの実施形態例を説明する。
【0019】
図1は、本実施形態のはんだ付けシステムの構成例を示す図で、プリント配線板の搬送装置として工業用ロボットを使用した例である。また、図2は、フラックス塗付装置および予備加熱装置を備えたはんだ付けシステムを説明するための図で、プリント配線板の搬送装置として工業用ロボットを使用し、さらにフラックス塗布装置と第1のはんだ付け装置と第2のはんだ付け装置とを備えたはんだ付けシステムの構成例を示している。
【0020】
さらに、図3および図4は、それぞれはんだ付け装置の構成を説明するための図で、それぞれ(a)は縦断面図、(b)は吹き口の構成を示す斜視図である。また、図5は、予備加熱装置の構成を説明するための図で、(a)は縦断面図、(b)は吹き口の構成を示す斜視図である。さらに、図6は、フラックス塗布装置の構成を説明するための図で、(a)は発泡式フラックス塗布装置の縦断面図、(b)は噴霧式フラックス塗布装置の縦断面図、(c)は吹き口の構成を示す斜視図である。
【0021】
すなわち、プリント配線板3はハンドリング装置2を備えた工業用ロボット1で搬送する。この工業用ロボット1は、J1、J2およびJ3の3つのアーム4,5,6の角度をそれぞれ可変する3つの軸(J1軸7、J2軸8、J3軸9)と、R1,R2およびR3の3つのアーム10,11,12をそれぞれ旋回させる3つの軸(Rl軸13、R2軸14、R3軸15)を備えて基台16上に配置され、R3アーム12の先端には後づけされるコネクタ75を搭載したプリント配線板3を保持するハンドリング装置2を備えている。これにより、ハンドリング装置2に保持されたプリント配線板3の3次元空間座標上における位置および姿勢を任意に制御することができる。
【0022】
なお、ハンドリング装置2は、プリント配線板3の両側端部を挟持する保持爪18と、この保持爪18の開閉を駆動するモータ19および送りねじ20とを備えている。すなわち、モータ19により送りねじ20を矢印A方向に回転させて保持爪18を矢印B方向に開閉することにより、プリント配線板3の両側端部を挟持して保持する構成である。
【0023】
もちろん、プリント配線板3を保持して3次元空間座標上における位置および姿勢を任意に制御することができる搬送装置であれば、他の搬送装置を使用してもよい。例えば、図示しないがX−Y−Zテーブル装置の先端に、X軸方向に回転するアクチュエータ、Y軸方向に回転するアクチュエータおよびZ軸方向に回転するアクチュエータを設けて、6軸制御が可能に構成し、その先端にハンドリング装置を設けるようにすることもできる。すなわち、他の公知技術も使用することができる。ここでプリント配線基板3の姿勢は、3次元空間座標(X,Y,Z)において、プリント配線板3が例えばX,Y平面となす角度およびZ軸に対する向きを表わしている。
【0024】
そして、図2においては、この工業用ロボット1の作業可能範囲に、フラックス塗布装置21および予備加熱装置22、はんだ付け装置23を配置してはんだ付けシステムを構成してある。なお、はんだ付け装置23は、1個であってもよいが、第1のはんだ付け装置23aと第2のはんだ付け装置23bとを備えてあり、それぞれ異なる性質の公知の噴流波を用いるように構成することにより、はんだ付け性に優れたはんだ付けを行うことができるようになる。
【0025】
工業用ロボット1は専用のロボット制御装置25を備え、このロボット制御装置25は予め教示されたかもしくはプログラミングされた作業手順に従ってハンドリング装置2に挟持したプリント配線板3の3次元空間座標上の位置および姿勢そして搬送ベクトルすなわち搬送方向と搬送速度が制御(制御信号Scによって制御)される。
【0026】
他方で、はんだ付け装置23は、図1および図2そして特に図3に詳しく示すように、図示しないヒータにより加熱されて溶融状態のはんだ(溶融はんだ)27をはんだ槽28に収容してあり、これをモータ29に駆動されたポンプ30により吸い込み口31から吸い込んで吹き口体32へ供給し、この吹き口体32の吹き口33から溶融はんだ27を噴流させて噴流波34を形成する構成である。
【0027】
このはんだ付け装置23は、吹き口体32の吹き口33にシャッタ35を備えていて、このシャッタ35を接続部36を介してアクチュエータ37により矢印C方向に駆動して吹き口33の長さを可変することができるように構成してある。すなわち、吹き口33の長さを調節することにより噴流波34の長さ(図3(a)の図上の横方向の長さ)を任意に調節することができるように構成してある。
【0028】
なお、第1のはんだ付け装置23aおよび第2のはんだ付け装置23bの基本的な構成は同様であるが、吹き口33の形状等の構成を公知の技術からそれぞれ選択することにより、プリント配線板3の実装状態に適した噴流波34を形成することができるようになり、良好なはんだ付け性を得ることができる。
【0029】
ところで、図3に示すはんだ付け装置は、一枚のシャッタ35ではんだの吹き口33の長さを調節する構成である。これに対し図4に示すはんだ付け装置は、2枚のシャッタ35a,35bではんだの吹き口33の長さを調節する構成である。すなわち、第1のシャッタ35aと第2のシャッタ35bを吹き口33の両側から矢印C方向に移動させて両開き調節できるように構成したものであり、それぞれのシャッタ35a,35bに対応する第1のアクチュエータ37aと第2のアクチュエータ37bでそれぞれの接続部36a,36bを介してシャッタ35a,35bの開閉調節を行う構成である。
【0030】
図4に示すはんだ付け装置の長所は、両シャッタ35a,35bの開閉量が同一量となるようにしてはんだの吹き口33の長さ調節を行うと、はんだの吹き口33の位置(中心位置)を常に同じ位置にすることができる点である。また、同じ吹き口長さの吹き口33を吹き口体32のどの位置にも(図4の吹き口体32において右側寄りにも左側寄りにも)形成できる点である。すなわち、両シャッタ35a,35b間の間隔(吹き口の長さ)を保持したままで両シャッタ35a,35bを図の左右方向に並行移動させればよいのである。
【0031】
ちなみに、この図4に例示する吹き口体32およびシャッタ35の構成は、以下に説明する予備加熱装置22やフラックス塗布装置21にも適用できる。なお、アクチュエータ37の制御については後述する。
【0032】
次に、予備加熱装置22は、図2そして特に図5に詳しく示すように、反射板40を背面に備えた複数の赤外線ヒータ41の中央に吹き口体42の加熱媒体の吹き口43を設けてあり、具体的にはこの吹き口43から熱風が吹き出すように構成してある。熱風はモータ44に駆動された送風ファン45により供給される。すなわち、吸い込み口46から吸い込んだ雰囲気を吹き口体42に供給し、この吹き口体42内に設けてある熱風用ヒータ47で加熱して吹き口43から吹き出させる仕組みである。
【0033】
なお、赤外線ヒータ41の表面には温度センサ48を設けてあり、図示しない温度制御装置によりこの赤外線ヒータ41の表面温度が予め指示された温度になるようにこの赤外線ヒータ41に供給する電力を制御する仕組みである。また、吹き口43にも温度センサ49を設けてあり、図示しない温度制御装置によりこの熱風温度が予め指示された温度になるように熱風用ヒータ47に供給する電力を制御する仕組みである。
【0034】
そして、はんだ付け装置23と同様に、吹き口体42の吹き口43にシャッタ50を備えていて、このシャッタ50を接続部51を介してアクチュエータ52により矢印D方向に駆動して吹き口43の長さを可変することができるように構成してある。すなわち、吹き口43の長さを調節することにより熱風を吹きつける領域の長さ(図5(a)の図上の横方向の長さ)を任意に調節することができるように構成してある。なお、39は筐体である。
【0035】
また、フラックス塗布装置21は、図2そして特に図6に詳しく示すように、予備加熱装置22と同様にしてフラックス53を塗布する領域の長さを任意に調節することができるように構成してある。
【0036】
すなわち、図6(a)の例は発泡式のフラックス塗布装置21の構成例であり、フラックス槽54に収容したフラックス53中に発泡管55を備えた吹き口体56を設けてある。そして、この発泡管55にガス供給パイプ57から大気や窒素ガス等のガスを供給することによりフラックス53中に気泡が発生してフラックス53が発泡し、吹き口体56のフラックスの吹き口58から発泡フラックス53aが噴流する。
【0037】
そして、はんだ付け装置23と同様に、吹き口体56の吹き口58にシャッタ59を備えていて、このシャッタ59を接続部60を介してアクチュエータ61により矢印E方向に駆動して吹き口58の長さを可変することができるように構成してある。すなわち、吹き口58の長さを調節することにより発泡フラックス53aの噴流の長さを調節し、フラックス53を塗布する領域の長さ(図6(a)の図上の横方向の長さ)を任意に調節することができるように構成してある。
【0038】
図6(b)の例は噴霧式のフラックス塗布装置21の構成例であり、吹き口体56内に設けた噴霧ノズル63からフラックス53を噴霧して供給し、この吹き口体56のフラックスの吹き口58から噴霧フラックス53bを吹き出す構成である。これらは筐体64内に設けられている。なお、噴霧ノズル63には噴霧制御装置65からフラックス供給パイプ66によりフラックス53が供給され、フラックス53の噴霧タイミングが制御される。
【0039】
そして、前記と同様に、吹き口体56の吹き口58にシャッタ59を備えていて、このシャッタ59を接続部60を介してアクチュエータ61により駆動して吹き口58の長さを可変することができるように構成してある。すなわち、吹き口58の長さを調節することにより噴霧フラックス53bの吹き出す長さを調節し、フラックス53を塗布する領域の長さ(図6(b)の図上の横方向の長さ)を任意に調節することができるように構成してある。
【0040】
その他に、図示しないが、フラックス塗布装置21を図3に示すはんだ付け装置23と同様な構成として、溶融はんだ27の代わりにフラックス53の液を収容し、ポンプで吹き口体の吹き口にフラックス53の液を供給してフラックス53の液の噴流波を形成し、このフラックス53の噴流波にプリント配線板3を接触させる構成の液流式のフラックス塗布装置を使用することもできる。
【0041】
そして、これらはんだ付け装置23(第1のはんだ付け装置23aと第2のはんだ付け装置23b)と予備加熱装置22およびフラックス塗布装置21は、図2に示す主制御装置26により各アクチュエータ37,52,61を制御してそれらの吹き口33,43,58の長さを制御し、これらの長さを目的とする長さに任意に連続的に調節することができる。なお、これらのアクチュエータ37,52,61は、図示しないがアブソリュート型のリニアエンコーダを備えていて、主制御装置26との間の通信(通信信号SSW1,SSW2,SSW3,SSW4,SST ,SSF ,)により吹き口33,43,58の長さを直接にフィードバック制御することができる構成である。また、図6(b)に示すフラックス塗布装置21を使用する場合には、この他に噴霧タイミングの制御も行う構成であり、同様に通信(通信信号SF )により直接に制御される。
【0042】
主制御装置26はコンピュータシステムにより構成され、キーボード等の指示操作部26aと、LCD等の表示部26bとを備えている。そして、その通信ポートを介して外部機器と通信しながらその制御を行う。また、ロボット制御装置25との間においても通信(通信信号SR )により連係した制御が可能であり、工業用ロボット1ヘの搬送指示を行うことと併せてその搬送状態を把握し、プリント配線板3の搬送状態に連係してはんだ付け装置23や予備加熱装置22およびフラックス塗布装置21の制御を行う分散処理の構成である。
(2)はんだ付け手順
次に、以上のように構成されたはんだ付けシステムにおいて、プリント配線板の部分はんだ付けがどのように行われるかを図7ないし図11を参照して説明する。
【0043】
図7は、部分はんだ付けを行うプリント配線板の一例を示す図で、その被はんだ付け面を示した図である。すなわち、既にQFP IC68やSOP IC69そしてPOWER TR70やMM TR71さらにはチップ抵抗72やチップコンデンサ73、電解コンデンサ74等々の電子部品がはんだ付けされていて、これに非耐熱性のコネクタ75を部分はんだ付けにより後付けする作業を行うプリント配線板3の例である。
【0044】
図7において、コネクタ75は図に示す面とは反対側の面に搭載される。そして、その多数配列されたリード端子75aがプリント配線板3のランド3aの中央部のスルーホールに挿通されて、図に示す面のランド3aとの間で被はんだ付け部76を構成している。図7の例ではコネクタ75について14個の被はんだ付け部76が長方形の領域に配列され、プリント配線板3上の平面座標において座標(Xl ,Yl )を起点としてX座標方向に短辺長さLXl およびY座標方向の長辺長さLYl の長方形の範囲の部分はんだ付け領域77(この例ではコネクタ75とほぼ同じ座標位置)を構成している。なお、原点座標は(X0 ,Y0 )である。
【0045】
すなわち、プリント配線板3の被はんだ付け面における座標(Xl ,Yl )、(X2 ,Yl )、(X2 ,Y2 )および(Xl ,Y2 )に囲まれた長方形の範囲に部分はんだ付け領域77を構成している。但し、LXl =X2 −Xl であり、LYl =Y2 −Yl である。
【0046】
したがって、座標(Xl ,Yl )を起点としてX軸方向の短辺長さLXl とY軸方向の長辺長さLYl の長方形の範囲(すなわち、部分はんだ付け領域77の一端部(前端部)77aから他端部(後端部)77bまで)に溶融はんだ27を接触させることにより、コネクタ75の後付け、すなわち部分はんだ付けを行うことができる。もちろん、この部分はんだ付け領域77または各被はんだ付け部76にフラックス53を塗布し、この部分はんだ付け領域77または各被はんだ付け部76の予備加熱を行った後に溶融はんだ27の供給すなわち噴流波34との接触が行われる。
【0047】
この場合、予備加熱を前記部分はんだ付け領域77または各被はんだ付け部76に限らずに、プリント配線板3の全面を予備加熱するようにしてもよいが、既にはんだ付けされている電子部品に対して熱ストレスを与えない範囲の温度にする必要がある。
【0048】
また、以上の座標データ(Xl ,Yl )、(X2 ,Yl )、(X2 ,Y2 )および(Xl ,Y2 )は予め主制御装置26に記憶してあり、これらの座標データをロボット制御装置25へ送信することにより、工業用ロボット1のハンドリング装置2に保持されたプリント配線板3の部分はんだ付け領域77を、フラックス塗布装置21や予備加熱装置22そしてはんだ付け装置23の各吹き口58,43,33の位置に整合させて搬送することができるように構成されている。
【0049】
次に、通常採用されているはんだ付けプロセスに沿って、はんだ付けの作業とその手順を説明する。なお、通常は、フラックス塗布工程→予備加熱工程→はんだ付け工程の順にはんだ付け作業が行われる。そのため、図2に例示するように、フラックス塗布装置21、予備加熱装置22およびはんだ付け装置23が順に配置され、この配置順に沿って工業用ロボット1のハンドリング装置2に保持したプリント配線板3を搬送するように構成してあるので以上の3つの工程を順に説明する。
【0050】
1.フラックス塗布工程
図8を参照して、フラックス塗布工程においてどのようにしてプリント配線板にフラックスを塗布するかを説明する。図8は、フラックス塗布工程を説明するための図で、(a)はフラックス吹き口にプリント配線板が搬送される状態を示す平面図、(b)は噴霧式フラックス塗布装置を使用した場合を示す図で(a)の縦断面を示す図、(c)は発泡式フラックス塗布装置を使用した場合を示す図で(a)の縦断面を示す図である。
【0051】
すなわち、図2に示す主制御装置26によりフラックス塗布装置21のアクチュエータ61を制御し、その吹き口58の長さがLXl になるようにシャッタ59が制御される。そして、噴霧式のフラックス塗布装置を使用した場合においては、図8(a)、(b)に示すようにプリント配線板3を搬送ベクトル▲1▼方向に搬送し、プリント配線板3の部分はんだ付け領域77の前端部77aすなわち座標(Xl ,Yl )と(X2 ,Yl )がフラックスの吹き口58の上方に位置到達したとき噴霧制御装置65に噴霧を開始させる(主制御装置26から噴霧制御装置65へ噴霧開始命令を送信:信号SF )。
【0052】
そして、プリント配線板3の部分はんだ付け領域77の後端部77bすなわち座標(X2 ,Y2 )と(Xl ,Y2 )がフラックスの吹き口56の上方位置に到達したとき噴霧制御装置65に噴霧を停止させる(主制御装置26から噴霧制御装置65へ噴霧停止命令を送信:信号SF )なお、主制御装置26はロボット制御装置25との通信により、ハンドリング装置2に保持されたプリント配線板3の搬送位置すなわち搬送座標を受信し、その位置を把握している。したがって、主制御装置26は、プリント配線板3の部分はんだ付け領域77がどの位置に搬送されているかを認識している。
【0053】
このようにして、プリント配線板3の座標(Xl ,Yl )、(X2 ,Yl )、(X2 ,Y2 )および(Xl ,Y2 )に囲まれた長方形の部分はんだ付け領域77にのみフラックス53を塗布することができる。
【0054】
しかも、部分はんだ付け領域77の大きさ(特にLXl の長さ)に合わせて吹き口体56に設けたシャッタ59を調節してフラックスの吹き口58の長さを調節し、一回の搬送で目的とする部分はんだ付け領域の全体にフラックス53を塗布することができる。したがって、生産性を高くすることができる。
【0055】
また、図8(a)、(c)に示すように発泡式のフラックス塗布装置21を使用した場合においても同様に、主制御装置26によりフラックス塗布装置21のアクチュエータ61を制御し、その吹き口58の長さがLXl になるようにシャッタ59が制御される。
【0056】
そして、先ずプリント配線板3を搬送ベクトル▲1▼方向に搬送し、プリント配線板3の部分はんだ付け領域77の前端部77aすなわち座標(Xl ,Yl )と(X2 ,Yl )がフラックスの吹き口58に接近したときプリント配線板3の姿勢を保持したまま搬送ベクトル▲2▼方向に下降させ、このプリント配線板3の座標(Xl ,Yl )と(X2 ,Yl )をフラックスの吹き口58上の発泡フラックス53aに接触させる。
【0057】
続いてプリント配線板3の姿勢を保持したまま搬送ベクトル▲3▼方向へ搬送し、長さLYl だけ搬送してすなわちプリント配線板3の部分はんだ付け領域77の後端部77bの座標(X2 ,Y2 )と(Xl ,Y2 )がフラックスの吹き口58上に到達したとき搬送ベクトル▲4▼方向へ上昇搬送し、続いて搬送ベクトル▲5▼方向へ搬送する。すなわち、このプリント配線板3の部分はんだ付け領域77の後端部77bの座標(X2 ,Y2 )と(Xl ,Y2 )を発泡フラックス53aから離脱させる。
【0058】
このようにして、プリント配線板3の座標(Xl ,Yl )、(X2 ,Yl )、(X2 ,Y2 )および(Xl ,Y2 )に囲まれた長方形の部分はんだ付け領域77にのみ発泡フラックス53aを接触させ、この部分はんだ付け領域77にのみフラックス53を塗布することができる。
【0059】
しかも、部分はんだ付け領域77の大きさ(特にLXl の長さ)に合わせて吹き口体56に設けたシャッタ59を調節してフラックスの吹き口58の長さを調節し、一回の搬送で目的とする部分はんだ付け領域77の全体にフラックス53を塗布することができる。したがって、生産性を高くすることができる。
【0060】
2.予備加熱工程
図9を参照して、予備加熱工程においてどのようにしてプリント配線板の予備加熱を行うかを説明する。図9は、予備加熱工程を説明するための図で、(a)は予備加熱装置の加熱媒体吹き口すなわち熱風吹き口にプリント配線板が搬送される状態を説明する平面図、(b)は(a)の縦断面を示す図である。
【0061】
すなわち、フラックス塗布工程と同様に、主制御装置26により予備加熱装置22のアクチュエータ52を制御し、その吹き口43の長さがLXl になるようにシャッタ50が制御される。
【0062】
そして、先ずプリント配線板3を搬送ベクトル▲1▼方向に搬送し、プリント配線板3の部分はんだ付け領域77の前端部77a側の座標(Xl ,Yl )と(X2 ,Yl )が熱風の吹き口43に接近したときプリント配線板3の姿勢を保持したまま搬送ベクトル▲2▼方向に下降させ、このプリント配線板3の部分はんだ付け領域77の前端部77a側の座標(Xl ,Yl )と(X2 ,Yl )を熱風の吹き口43上の至近距離に接近させる。
【0063】
続いてプリント配線板3の姿勢を保持したまま搬送ベクトル▲3▼方向へ搬送し、長さLYl だけ搬送したときすなわちプリント配線板3の部分はんだ付け領域77の後端部77b側の座標(X2 ,Y2 )と(Xl ,Y2 )が熱風の吹き口43上に到達したとき搬送ベクトル▲4▼方向ヘ搬送し、続いて搬送ベクトル▲5▼方向へ搬送する。すなわち、このプリント配線板3の部分はんだ付け領域77の後端部77b側の座標(X2 ,Y2 )と(Xl ,Y2 )を熱風の吹き口43から遠ざけて離脱させる。
【0064】
このようにして、プリント配線板3の座標(Xl ,Yl )、(X2 ,Yl )、(X2 ,Y2 )および(Xl ,Y2 )に囲まれた長方形の部分はんだ付け領域77に熱風を吹きつけて、この部分はんだ付け領域77の予備加熱を行うことができる。
【0065】
しかも、部分はんだ付け領域77の大きさ(特にLXl の長さ)に合わせて吹き口体42に設けたシャッタ50を調節して熱風の吹き口43の長さを調節し、一回の搬送で目的とする部分はんだ付け領域77を予備加熱することができる。したがって、生産性を高くすることができる。
【0066】
なお、熱風の吹き口43の周囲には赤外線ヒータ41を設け、さらに反射板40を設けてプリント配線板3の被はんだ付け面に効率良く赤外線が照射されるように構成してある。そのため、前記の部分はんだ付け領域77の周辺領域も加熱され、この部分はんだ付け領域77に熱風により供給された熱量が周辺領域に逃散し難くなり、この部分はんだ付け領域77の予備加熱を容易に行うことができるようになる。
【0067】
また、予備加熱工程から後述のはんだ付け工程にプリント配線板3が搬送される際に、部分はんだ付け領域77の予備加熱温度が低下し難くなり、適正な予備加熱温度を保持したままプリント配線板3をはんだ付け工程へ搬送することができるようになる。
【0068】
3.はんだ付け工程
図10を参照して、はんだ付け工程においてどのようにしてプリント配線板に溶融はんだを供給するかを説明する。図10は、はんだ付け工程を説明するための図で、(a)ははんだ付け装置のはんだ吹き口ひいては噴流波にプリント配線板が搬送される状態を説明する平面図、(b)は(a)の縦断面を示す図である。
【0069】
なお、図2に例示するように、本実施形態例でははんだ付け工程を2つの工程(第1のはんだ付け工程と第2のはんだ付け工程)から構成し、それぞれ第1のはんだ付け装置23aと第2のはんだ付け装置23bとを別々に配置してあるが、両はんだ付け工程においてプリント配線板3を噴流波34に接触させる態様は同様であるので、第1のはんだ付け装置23a(第1のはんだ付け工程)を例にして説明する。
【0070】
すなわち、フラックス塗布工程と同様に、主制御装置26により第1のはんだ付け装置23aのアクチュエータ37を制御し、その吹き口33の長さがLXl になるようにシャッタ35が制御され、はんだの吹き口33上に形成される噴流波34の長さがLXl になるように制御される。
【0071】
そして、ハンドリング装置2に保持されたプリント配線板3を、図10(b)に示すように搬送ベクトル▲1▼,▲2▼,▲3▼,▲4▼および▲5▼の方向へ順次搬送する。すなわち、まず、水平成分方向に対して仰角θl に保持させ、この保持状態を維持したまま搬送ベクトル▲1▼方向に搬送する。
【0072】
続いて、プリント配線板3の部分はんだ付け領域77の前端部77a側の座標(Xl ,Yl )と(X2 ,Yl )がはんだの吹き口33すなわち噴流波34に接近したときプリント配線板3の姿勢を仰角θl に保持したまま搬送ベクトル▲2▼方向に下降させ、このプリント配線板3の部分はんだ付け領域77の前端部77aの座標(Xl ,Yl )と(X2 ,Yl )を噴流波34に接触させる。
【0073】
続いてプリント配線板3の姿勢を仰角θl に保持したまま搬送ベクトル▲3▼方向すなわちプリント配線板3の仰角θl と同じ仰角θl で搬送し、長さLYl だけ搬送したときすなわちプリント配線板3の部分はんだ付け領域77の後端部77bの座標(X2 ,Y2 )と(Xl ,Y2 )が噴流波34上に到達したときプリント配線板3の姿勢を仰角θl に保持したまま搬送ベクトル▲4▼方向へ搬送し、続いて搬送ベクトル▲5▼方向へ搬送する。
【0074】
すなわち、このプリント配線板3の部分はんだ付け領域77の後端部77bの座標(X2 ,Y2 )と(Xl ,Y2 )を噴流波34から遠ざけて離脱させる。
【0075】
このようにして、プリント配線板3の座標(Xl ,Yl )、(X2 ,Yl )、(X2 ,Y2 )および(Xl ,Y2 )に囲まれた長方形の部分はんだ付け領域77に噴流波34を接触させて、この部分はんだ付け領域77の被はんだ付け部76に溶融はんだ27を供給することができる。
【0076】
そして、プリント配線板3を仰角θl 方向に角度を付与して搬送させながら噴流波34に接触させているので、部分はんだ付け領域77の被はんだ付け部76が噴流波34から離脱する離脱点(ピールバックポイント)が安定するとともに噴流波34を形成する溶融はんだ27の離間性が向上し、被はんだ付け部76に良好で安定したフィレット形状が得られるとともにはんだブリッジ現象を生じることがなくなり、特にファインピッチの電子部品を後付けする場合においても、良好なはんだ付け品質を得ることができるようになる。水平搬送では、ファインピッチの電子部品の後付けの際にはんだブリッジを発生し、これを除去することができない。
【0077】
すなわち、被はんだ付け部76が噴流波34から離脱する際に、この離脱点(ピールバックポイント)においてこのプリント配線板3の板面ひいては被はんだ付け部76と噴流波34との成す角度を大きくすることが可能となり、その結果、この離脱点がプリント配線板3の搬送にともなってその搬送方向に不規則に移動し難くなる。また、被はんだ付け部76から噴流波34が離脱する際にこの噴流波34がこの被はんだ付け部76から溶融はんだ27を剥がしとり易くなる。したがって、前者によりフィレット形状が安定し、後者によりはんだブリッジが発生しなくなる。
【0078】
なお、この仰角θl は、通常2°〜8°程度の範囲において良好なはんだ付け品質が得られるが、後付けされる電子部品の種類ひいてはその被はんだ付け部76の配列状態(例えば、被はんだ付け部76相互の間隔やその面積、被はんだ付け部76の配列状態、被はんだ付け部76の形状(円形や四角形、精円、等々)、電子部品のリード端子の形状(丸や四角形)、等々)に合わせて設定する。しかも、工業用ロボット1を使用しているので、この搬送仰角θl の調節は制御プログラムの変更のみで容易に対応することができる。
【0079】
このように、本実施形態例のはんだ付けシステムでは良好なはんだ付け性が得られる。しかも、部分はんだ付け領域77の大きさ(特にLXl の長さ)に合わせて吹き口体32に設けたシャッタ35を調節してはんだの吹き口33の長さひいては噴流波34の長さを調節し、一回の搬送で目的とする部分はんだ付け領域77の被はんだ付け部76の全てに溶融はんだを供給してはんだ付けを行うことができる。したがって、生産性を高くすることができる。
【0080】
4.はんだ付け工程におけるその他の搬送態様例
図11を参照して、プリント配線板に溶融はんだを供給するその他の搬送態様例を説明する。図11は、はんだ付け工程におけるその他の搬送態様例を説明するための図で、(a)、(b)、(c)は、図10(b)に相当する図でありそれぞれのはんだ付け態様例を示す図である。
【0081】
すなわち、図11(a)の例は、プリント配線板3を当初より仰角θ2 で保持して搬送方向も仰角θ2 である搬送ベクトル▲1▼方向に搬送し、続いてプリント配線板3を仰角θ2 で保持したまま搬送ベクトル▲2▼方向に搬送して部分はんだ付け領域77の前端部77a側の座標(Xl ,Yl )と(X2 ,Yl )を噴流波34に接触開始させ、その後において搬送ベクトル▲3▼方向すなわち仰角θ2 で搬送するように構成した例である。
【0082】
そして、部分はんだ付け領域77の後端部77b側の座標(X2 ,Y2 )と(Xl ,Y2 )が噴流波34に接触したとき、プリント配線板3を仰角θ2 で保持したまま搬送ベクトル▲4▼方向へ搬送して部分はんだ付け領域77を噴流波34から離脱させ、その後、プリント配線板3を仰角θ2 で保持したままで搬送ベクトル▲5▼方向すなわちプリント配線板3の保持仰角θ2 と同じ仰角θ2 で搬送するように構成した例である。
【0083】
また、図11(b)の例は、当初はプリント配線板3を水平に保持してしかも水平に搬送ベクトル▲1▼方向に搬送し、部分はんだ付け領域77の前端部77aが噴流波34上に到達したとき矢印▲2▼に示すように仰角θ3 に保持角度を変えてこの前端部77aを噴流波34に接触開始させる。続いて、プリント配線板3の保持仰角θ3 と同じ仰角θ3 で搬送ベクトル▲3▼方向に搬送するように構成した例である。
【0084】
そして、部分はんだ付け領域77の後端部77bが噴流波34に接触したとき、プリント配線板3を矢印▲4▼方向へ保持角度を変えて水平に保持して部分はんだ付け領域77を噴流波34から離脱させ、その後、プリント配線板3を水平に保持したままで搬送ベクトル▲5▼方向すなわち水平方向に搬送するように構成した例である。
【0085】
さらに、図11(c)の例は、当初はプリント配線板3を水平に保持してしかも水平に搬送ベクトル▲1▼方向に搬送し、部分はんだ付け領域77の前端部77aが噴流波34上に到達したとき▲2▼に示すように仰角θ4 に保持角度を変えてこの前端部77aを噴流波34に接触開始させる。続いて、プリント配線板3の保持仰角θ4 と同じ仰角θ4 で搬送ベクトル▲3▼方向に搬送するように構成した例である。
【0086】
そして、部分はんだ付け領域77の後端部77bが噴流波34に接触したとき、プリント配線板3を仰角θ4 で保持したまま搬送ベクトル▲4▼方向へ搬送して部分はんだ付け領域77を噴流波34から離脱させ、その後、プリント配線板3を仰角θ4 に保持したままで搬送ベクトル▲5▼方向すなわち水平方向に搬送するように構成した例である。
【0087】
このように、プリント配線板3の部分はんだ付け領域77を噴流波34に接触させて搬送する際には仰角搬送するようにすれば、その他の態様すなわちプリント配線板3を噴流波34に接触開始させる態様や噴流波34から離脱させる態様については、プリント配線板3の実装状態に合わせて適宜選択すればよい。例えば、部分はんだ付け領域77の前端部77aのさらに前方部分や後端部77bのさらに後方部分に高さの高い電子部品が搭載されていてこの電子部品が噴流波34に接触し易い等々の状態により、最適な搬送態様を選択すればよいのである。
【0088】
(3)多様な形状の部分はんだ付け領域への態様例
図12を参照して、各種形状の部分はんだ付け領域の部分はんだ付けを行う場合の実施形態例においては、どのようにはんだ付けが行われるかを説明する。
【0089】
図12は、はんだ付け工程における第三の実施形態例を説明するための図で、(a)は、はんだ付け装置23のはんだの吹き口33ひいては噴流波34にプリント配線板3が搬送される状態を説明する平面図であり、図10(a)に対応する図である。また、図12(a)に併せて示したグラフは、プリント配線板3の搬送ベクトルYY に対するはんだの吹き口33の長さひいては噴流波34の長さXX の制御関係を説明する図であり、縦軸YY1は搬送ベクトルYY で移動したときの部分はんだ付け領域77のY軸上の位置を表し、横軸は噴流波34の長さXX を表している。なお、図12(a)に例示するプリント配線板3では、部分はんだ付け領域77が一方の方向(図の左側)へ広がる台形状の場合を示している。
【0090】
同様に、図12(b)は、部分はんだ付け領域77が両方の方向(図の左右方向)ヘ広がる台形状の場合を示している。また、図12(c)は、部分はんだ付け領域77が円形状の場合を示している。
【0091】
これらの態様例を説明するに当たり、部分はんだ付け領域77にフラックス53を塗布したり、部分はんだ付け領域77を予備加熱したり、部分はんだ付け領域77に噴流波34に接触させる際の搬送態様は前記(2)に説明した通りであり、特に噴流波34に接触させて搬送する際にはプリント配線板3が仰角搬送される。
【0092】
図7に示したプリント配線板3にコネクタ75を後付けする前記(2)のはんだ付け手順例では、平面外形形状が長方形のプリント配線板3の辺に平行にコネクタ75およびその部分はんだ付け領域が形成されている手順例であった。そのため、プリント配線板3を工業用ロボット1のハンドリング装置2により保持して搬送する際に、吹き口33の長さを可変する必要はなかった。すなわち、部分はんだ付け領域77であり、フラックス53を塗布する領域や予備加熱領域は平行な帯状の形状を成していたからである。
【0093】
ところが、図12に例示するプリント配線板3の例では、部分はんだ付け領域77が台形状や円形状の特別な形状を形成している例である。このような例は、後付け部品の形状の多様化に伴って頻繁化するようになってきている。
【0094】
このような場合は、プリント配線板3の搬送に伴って各吹き口58,43,33の長さを可変するように制御することによって、前記(2)と同様の手順で一連のはんだ付けを行うことができるようになる。
【0095】
すなわち、図12(a)の例では、部分はんだ付け領域77の長さLX2 の前端部77aが噴流波34に接触開始した際には吹き口33の長さひいては噴流波34の長さをLX2 としておいて、プリント配線板3を部分はんだ付け領域77の図の右側縁に沿うところの搬送ベクトルYY に沿って搬送しつつ、部分はんだ付け領域77の長さLX3 の後端部77bが噴流波34に接触するまでの過程においてこの搬送に合わせて吹き口33の長さひいては噴流波34の長さをグラフに示すようにLX3 になるように制御する。
【0096】
なお、図12(a)に示すプリント配線板3の部分はんだ付け領域77の座標は、(X5 ,Y5 )、(X6 ,Y5 )、(X6 ,Y6 )および(X7 ,Y6 )であり、LX2 =X5 −X6 でLX3 =X7 −X6 である。
【0097】
これにより、台形の部分はんだ付け領域77に噴流波34を接触させて溶融はんだ27を供給することができるようになる。しかも一回の搬送で部分はんだ付け領域77の全領域に噴流波34を接触させることができるので生産性を極めて高くすることができる。
【0098】
同様に、図12(b)の例では、部分はんだ付け領域77の長さLX4 の前端部77aが噴流波34に接触開始した際には吹き口33の長さひいては噴流波34の長さをLX4 としておいて、プリント配線板3を部分はんだ付け領域77の図の右側縁に沿うところの搬送ベクトルYY ′に沿って搬送しつつ、部分はんだ付け領域77の長さLX5 の後端部77bが噴流波34に接触するまでの過程においてこの搬送に合わせて吹き口33の長さひいては噴流波34の長さをグラフに示すようにLX5 になるように制御する。
【0099】
なお、図12(b)に示すプリント配線板3の部分はんだ付け領域77の座標は、(X8 ,Y8 )、(X9 ,Y8 )、(X10,Y9 )および(Xl1,Y9 )であり、LX4 =X8 −X9 でLX5 =Xl1−Xl0である。
【0100】
これにより、前記(a)と同様に台形の部分はんだ付け領域77に噴流波34を接触させて溶融はんだ27を供給することができるようになる。しかも一回の搬送で部分はんだ付け領域77の全領域に噴流波34を接触させることができるので生産性を極めて高くすることができる。
【0101】
さらに、図12(c)の例では、円形の部分はんだ付け領域77の前端部77a(長さは概ね0)が噴流波34に接触開始した際には吹き口33の長さひいては噴流波34の長さを概ね0としておいて、プリント配線板3を円形の部分はんだ付け領域77の右側縁に沿うところの円弧状搬送ベクトルYY ″に沿って搬送しつつ、吹き口33の長さひいては噴流波34の長さをグラフに示すように最大で直径LX6 となるように制御する。
【0102】
なお、図12(c)に示すプリント配線板3の部分はんだ付け領域77の座標は、前端部77aが(Xl2,Y12)であり、後端部77bが(Xl2,Y13)である。そして、この前端部77aの座標(Xl2,Y12)と後端部77bの座標(Xl2,Y13)との間隔すなわちLX6 =Y13−Y12を直径とする円形領域である。
【0103】
これにより、前記(a)と同様に円形の部分はんだ付け領域77に噴流波34を接触させて溶融はんだ27を供給することができるようになる。しかも一回の搬送で部分はんだ付け領域77の全領域に噴流波34を接触させることができるので生産性を極めて高くすることができる。
【0104】
すなわち、一方ではんだの吹き口33の図の右端ひいては噴流波34の図の右端と部分はんだ付け領域77の図の右側縁の外形線が重なるようにプリント配線板3を搬送し、他方で吹き口33の左端縁ひいては噴流波34の左端が部分はんだ付け領域77の図の左側の外形線と重なるようにシャッタ35の位置を制御することにより、ただ一回その部分はんだ付け領域77の形状に沿ってプリント配線板3を搬送するだけで、複雑な部分はんだ付け領域77の形状に合わせて噴流波34の長さを変えてその隅々に噴流波34を接触させて溶融はんだ27を供給することができるようになる。
【0105】
もちろん、フラックス塗布工程および予備加熱工程においても、その吹き口は同様に制御される。
【0106】
(4)両開きシャッタを備えたはんだ付け装置を使用した場合の態様例
図13を参照して、両開きシャッタを備えたはんだ付け装置を使用して、各種形状の部分はんだ付け領域の部分はんだ付けをどのように行うかを説明する。図13は、両開きシャッタを備えたはんだ付け装置のはんだ付け工程を説明するための図である。なお、本実施形態例において部分はんだ付けを行うプリント配線板は、図12に示したプリント配線板3と同じプリント配線板である。
【0107】
そして、図13(a)は、はんだ付け装置23のはんだの吹き口33ひいては噴流波34にプリント配線板3が搬送される状態を示す平面図であり,図10(a)に対応する図である。また、図13(a)の下部に併せて示したグラフおよび図13(b),(c)のグラフは、いづれもプリント配線板3の搬送ベクトルYY に対するはんだの吹き口33の長さひいては噴流波34の長さXXl,XX2の制御関係を示す図である。
【0108】
図13(a)に示す例においては、プリント配線板3の左側に図示したグラフは第1のシャッタ35aの制御関係を示す図で、プリント配線板3の右側に図示したグラフは第2のシャッタ35bの制御関係を示す図である。そして、縦軸YY1は搬送ベクトルYY で搬送したときの部分はんだ付け領域77のY軸の位置を表し、横軸は、第1のシャッタ35aおよび第2のシャッタ35bで制御される左右の噴流波34の長さXXl,XX2をXs を基準として表している。なお、吹き口33の長さXX は、XX =XXl+XX2である。
【0109】
図13(a)に示した例は、プリント配線板3の部分はんだ付け領域77の座標が、(X5 ,Y5 )、(X6 ,Y5 )、(X6 ,Y6 )および(X7 ,Y6 )であり、LX2 =X5 −X6 でLX3 =X7 −X6 である。
【0110】
そして、部分はんだ付け領域77の長さLX2 の前端部77aが噴流波34に接触開始した際には第1のシャッタ35aの開口長さをLX2 /2とし、第2のシャッタ35bの開口長さもLX1 /2に制御する。すなわち、吹き口33の長さを(LX2 /2)+(LX2 /2)=LX2 に制御する。
【0111】
そして、プリント配線板3をその側端縁と同じ方向すなわちY軸方向の搬送ベクトルYY に沿って搬送しつつ、部分はんだ付け領域77の長さLX3 の後端部77bが噴流波34に接触するまでの過程において、この搬送に合わせて第1のシャッタ35aの開口長さをプリント配線板3の部分はんだ付け領域77の左端側のX座標の変化(X5 →X7 )に合わせて制御する。すなわち、搬送ベクトルYY 方向に沿って変化するX座標の値の変化に合わせて第1のシャッタ35aの開口長さを制御する。
【0112】
これにより、台形の部分はんだ付け領域77に噴流波34を接触させて溶融はんだ27を供給することができるようになる。しかも一回の搬送で部分はんだ付け領域77の全領域に噴流波34を接触させることができるので生産性を極めて高くすることができる。
【0113】
なお、搬送ベクトルYY 方向から見た部分はんだ付け領域77の右端側のX座標はX6 で変化がないので、第2のシャッタ35bの開口長さは一定でよい。
【0114】
次に、図13(b)に示す例は、プリント配線板3の部分はんだ付け領域77の座標が、(X8 ,Y8 )、(X9 ,Y8 )、(X10,Y9 )および(X11,Y9 )の範囲であり、LX4 =X8 −X9 でLX5 =X11 −X10である。
【0115】
そして、部分はんだ付け領域77の長さLX4 の前端部77aが噴流波34に接触開始した際には第1のシャッタ35aの開口長さをLX4 /2とし、第2のシャッタ35bの開口長さもLX4 /2に制御する。すなわち、吹き口33の長さを(LX4 /2)+(LX4 /2)=LX4 に制御する。
【0116】
そして、プリント配線板3をその側端縁と同じ方向すなわちY軸方向の搬送ベクトルYY に沿って搬送しつつ、部分はんだ付け領域77の長さLX5 の後端部77bが噴流波34に接触するまでの過程において、この搬送に合わせて第1のシャッタ35aの開口長さをプリント配線板3の部分はんだ付け領域77の左端側のX座標の変化(X8 →X11)に合わせて制御する。すなわち、搬送ベクトルYY 方向に沿って変化するX座標の値の変化に合わせて第1のシャッタ35aの開口長さを制御する。
【0117】
また、この搬送に合わせて第2のシャッタ35bの開口長さをプリント配線板3の部分はんだ付け領域77の右端側のX座標の変化(X9 →X10)に合わせて制御する。すなわち、搬送ベクトルYY 方向に沿って変化するX座標の値の変化に合わせて第2のシャッタ35bの開口長さを制御する。
【0118】
これにより、台形の部分はんだ付け領域77に噴流波34を接触させて溶融はんだ27を供給することができるようになる。しかも一回の搬送で部分はんだ付け領域77の全領域に噴流波34を接触させることができるので生産性を極めて高くすることができる。
【0119】
これにより、前記(a)と同様に台形の部分はんだ付け領域77に噴流波34を接触させて溶融はんだ27を供給することができるようになる。しかも一回の搬送で部分はんだ付け領域77の全領域に噴流波34を接触させることができるので生産性を極めて高くすることができる。
【0120】
さらに、図13(c)に示す例では、円形の部分はんだ付け領域77の前端部77a(長さは概ね0)が噴流波34に接触開始した際には吹き口33の長さひいては噴流波34の長さを概ね0としておいて、プリント配線板3をその側端縁と同じ方向すなわちY軸方向の搬送ベクトルYY 方向に搬送しつつ、第1のシャッタ35aの開口の長さと第2のシャッタ35bの開口の長さをグラフに示すように最大でLX6 /2となるようにそれぞれ半円関数状に制御する。
【0121】
なお、図13(c)に示すプリント配線板3の部分はんだ付け領域77の座標は、前端部77aが(X12,Y12)であり、後端部77bが(X12,Y13)である。そして、この前端部77aの座標(X12,Y12)と後端部77bの座標(X12,Y13)との間隔すなわちLX6 =Y13−Y12を直径とする円形領域である。
【0122】
これにより、前記(a)と同様に円形の部分はんだ付け領域77に噴流波34を接触させて溶融はんだ27を供給することができるようになる。しかも一回の搬送で部分はんだ付け領域77の全領域に噴流波34を接触させることができるので生産性を極めて高くすることができる。
【0123】
すなわち、Y座標方向の搬送ベクトルYY に沿ってプリント配線板3を搬送した際のY座標(YY1)の変化に合わせて、第1のシャッタ35aおよび第2のシャッタ35bの開口長さを、部分はんだ付け領域77の左端のX座標(XX1)の変化および右端のX座標(XX2)の変化に合わせて制御すればよいのである。そしてこれにより、ただ一回搬送ベクトルYY 方向にプリント配線板3を搬送するだけで、複雑な部分はんだ付け領域77の形状に合わせて噴流波34の長さを変えてその隅々に噴流波34を接触させて溶融はんだ27を供給することができるようになる。
【0124】
もちろん、同様の開口制御手段(第1のシャッタ35aと第2のシャッタ35b)をフラックス塗布装置21および予備加熱装置22に設ければ、当該フラックス塗布工程および予備加熱工程においても以上の説明と同様に制御することにより、部分はんだ付け領域77へのフラックス塗布および予備加熱を行うことができるようになる。
【0125】
また、図示はしないが、第1のシャッタ35aと第2のシャッタ35bとを並行して図の左右方向に移動させれば、吹き口33の長さを変えることなくそのX座標を変えることができる。したがって、プリント配線板3に斜め方向に(例えば、四角形のプリント配線板3に対角線方向に)部分はんだ付け領域77が形成されている場合においても、このプリント配線板3をY座標方向のみに搬送することにより当該の部分はんだ付け領域77の全域に噴流波34を接触させることができる。
【0126】
すなわち、プリント配線板3を斜め搬送することなく(Y軸方向とX軸方向とに併せて搬送することなく1軸の搬送で)部分はんだ付けを行うこともできる。そしてこれにより、工業用ロボット1によるプリント配線板3の搬送ベクトルの制御を容易にすることができるようになり、この工業用ロボット1の関節を1軸減ずることも可能となる。
【0127】
(5)4軸制御の工業用ロボットを用いたはんだ付けシステム
図11(a)に示すはんだ付け態様におけるプリント配線板3の搬送態様では、このプリント配線板3の姿勢が仰角θ2 に固定されしかもこのプリント配線板3の搬送方向も仰角θ2 方向である。したがって、工業用ロボットのX−Y平面すなわち設置平面を当初から予めθ2 だけ傾斜しておけば、4軸制御の工業用ロボットで図11(a)に示すはんだ付け作業を行うことができる。すなわち、4軸制御の工業用ロボットで本発明のはんだ付けシステムを構成することができる。
【0128】
(6)保温手段を備えたハンドリング装置
図14を参照して、プリント配線板を保温するための加熱手段をハンドリング装置に設けた構成例を説明する。
【0129】
図14は、保温手段を備えたハンドリング装置を説明するための図である。すなわち、図14に示すように、ヒータ78と反射板79とにより熱線をプリント配線板3に照射し、保温できるように構成する。他の保温手段としては、熱風を吹きつけるように構成したり、さらには熱線と熱風とを併用するように構成してもよい。
【0130】
このように、ハンドリング装置2に保温手段を設けることにより、図2に示すように予備加熱装置22からはんだ付け装置23にプリント配線板3を搬送する期間において、プリント配線板3の予備加熱温度の低下を防止することができるようになり、目的とする精密な予備加熱温度を維持したままその部分はんだ付け領域77を噴流波34に接触させることができるるようになる。したがって、目的とするはんだ付け条件を確実に維持して良好なはんだ付けを行うことができるようになる。具体的には、良好なはんだ濡れ性が得られるようになるとともに、プリント配線板3のスルーホール内へも確実に溶融はんだ27が濡れ上がるようになる。
【0131】
【発明の効果】
以上のように本発明のはんだ付けシステムによれば、多様な形状の部分はんだ付け領域を一回の搬送ではんだ付けすることができるとともに、はんだブリッジを生じることがなく被はんだ付け部のフィレット形状が均一で安定な部分はんだ付けを行うことができるようになる。特にファインピッチの後付け部品を品質良く後付けすることができるようになる。したがって、はんだ付け品質が高く生産性の高い部分はんだ付けを行うことができるようになる。
【0132】
また、ハンドリング装置に保温手段を設けることにより、プリント配線板の予備加熱温度を低下させることなく溶融はんだの噴流波に接触させることができるようになり、はんだ濡れ性に優れ、プリント配線板のスルーホール内へのはんだ濡れ上がりに優れたはんだ付けを行うことが可能となる。特に、熱容量が大きく、スルーホール長の長い多層プリント配線板においては、僅かな予備加熱温度の低下によりスルーホール内ヘのはんだ濡れ上がりが低下し易いので、ハンドリング装置に保温手段を設けることにより、多層プリント配線板の部分はんだ付けを行う場合に優れたはんだ付け性を得ることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のはんだ付けシステムの構成例を示す図である。
【図2】フラックス塗付装置および予備加熱装置を備えたはんだ付けシステムを説明するための図である。
【図3】はんだ付け装置の構成を説明するための図である。
【図4】はんだ付け装置の構成を説明するための図である。
【図5】予備加熱装置の構成を説明するための図である。
【図6】フラックス塗布装置の構成を説明するための図である。
【図7】部分はんだ付けを行うプリント配線板の一例を示す図である。
【図8】フラックス塗布工程を説明するための図である。
【図9】予備加熱工程を説明するための図である。
【図10】はんだ付け工程を説明するための図である。
【図11】はんだ付け工程におけるその他の搬送態様例を説明するための図である。
【図12】はんだ付け工程における第三の実施形態例を説明するための図である。
【図13】両開きシャッタを備えたはんだ付け装置のはんだ付け工程を説明するための図である。
【図14】保温手段を備えたハンドリング装置を説明するための図である。
【符号の説明】
1 工業用ロボット
2 ハンドリング装置
3 プリント配線板
3a ランド
4 J1アーム
5 J2アーム
6 J3アーム
7 J1軸
8 J2軸
9 J3軸
10 R1アーム
11 R2アーム
12 R3アーム
13 R1軸
14 R2軸
15 R3軸
16 基台
18 保持爪
19 モータ
20 送りねじ
21 フラックス塗布装置
22 予備加熱装置
23 はんだ付け装置
23a 第1のはんだ付け装置
23b 第2のはんだ付け装置
25 ロボット制御装置
26 主制御装置
26a 指示操作部
26b 表示部
27 溶融はんだ
28 はんだ槽
29 モータ
30 ポンプ
31 吸い込み口
32 吹き口体
33 吹き口
34 噴流波
35 シャッタ
35a 第1のシャッタ
35b 第2のシャッタ
36 接続部
36a 第1の接続部
36b 第2の接続部
37 アクチュエータ
37a 第1のアクチュエータ
37b 第2のアクチュエータ
39 筐体
40 反射板
41 赤外線ヒータ
42 吹き口体
43 吹き口
44 モータ
45 送風ファン
46 吸い込み口
47 熱風用ヒータ
48 温度センサ
49 温度センサ
50 シャッタ
51 接続部
52 アクチュエータ
53 フラックス
53a 発泡フラックス
53b 噴霧フラックス
54 フラックス槽
55 発泡管
56 吹き口体
57 ガス供給パイプ
58 吹き口
59 シャッタ
60 接続部
61 アクチュエータ
63 噴霧ノズル
64 筐体
65 噴霧制御装置
66 フラックス供給パイプ
68 QFP IC
69 SOP IC
70 POWER TR
71 MM TR
72 チップ抵抗
73 チップコンデンサ
74 電解コンデンサ
75 コネクタ
75a リード端子
76 被はんだ付け部
77 部分はんだ付け領域
77a 一端部(前端部)
77b 他端部(後端部)
78 ヒータ
79 反射板

Claims (2)

  1. 板状の被はんだ付けワークを搬送しながらこの板状の被はんだ付けワークの予め決められた所定の範囲の部分はんだ付け領域にのみその一端部側から他端部側へ向けて溶融はんだを連続して順次に接触させてはんだ付けを行うはんだ付けシステムであって、
    吹き口を有する吹き口体と、前記吹き口体に前記溶融はんだを供給するとともに前記板状の被はんだ付けワークに接触させる溶融はんだを前記吹き口上に供給する供給手段と、前記吹き口体の吹き口上の溶融はんだの長さを連続的に可変する吹き口長さ可変手段とを備えたはんだ付け装置と、
    前記板状の被はんだ付けワークを保持して予め決められた所定の空間範囲においてその3次元空間座標上の位置および姿勢そして搬送方向と搬送速度とから成る搬送ベクトルを任意に選択することが可能な搬送装置と、前記搬送装置に保持された板状の被はんだ付けワークの部分はんだ付け領域の前記一端部を前記吹き口上の溶融はんだに接触させてこの接触部分が前記部分はんだ付け領域の前記他端部へ向けて連続して順次に移動するように前記板状の被はんだ付けワークをその板面方向に沿ってかつ仰角方向に搬送させるとともに他方で前記部分はんだ付け領域の一端部が溶融はんだに接触開始する際に前記吹き口体の吹き口の長さを前記一端部の形状に合わせておき前記板状の被はんだ付けワークの搬送に伴って前記吹き口体の吹き口上の溶融はんだを接触させる前記部分はんだ付け領域の形状の変化に合わせて前記吹き口体の吹き口の長さを可変させることで前記部分はんだ付け領域のみにその一端部側から他端部側へ向けて連続して順次に溶融はんだを接触させる制御装置とを備えて成ることを特徴とするはんだ付けシステム。
  2. 前記板状の被はんだ付けワークの部分はんだ付け領域の予備加熱を行う予備加熱装置を備えるとともに前記板状の被はんだ付けワークを保持する搬送装置が前記予備加熱された板状の被はんだ付けワークを保温するための加熱手段を備え、
    前記板状の被はんだ付けワークの部分はんだ付け領域を予備加熱した後に前記溶融はんだに接触させることを特徴とする請求項1記載のはんだ付けシステム。
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