JPH0677639A - フローハンダ付け装置およびリフローハンダ付け装置 - Google Patents

フローハンダ付け装置およびリフローハンダ付け装置

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JPH0677639A
JPH0677639A JP22863892A JP22863892A JPH0677639A JP H0677639 A JPH0677639 A JP H0677639A JP 22863892 A JP22863892 A JP 22863892A JP 22863892 A JP22863892 A JP 22863892A JP H0677639 A JPH0677639 A JP H0677639A
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JP
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printed wiring
preheating
reflow
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JP22863892A
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English (en)
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Kiwao Asano
喜和夫 浅野
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Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】作業員の経験や勘に頼ることなく、自動ハンダ
付け装置の最適運転条件の設定を的確かつ効率良く行え
るようにする。 【構成】印刷配線基板Aに係る条件設定用データは第1
記憶部13に記憶され、初期運転条件演算部14はRO
M11内の材質別の熱伝導率データと条件設定用データ
とに基づいて循環移動式ヒータ2と搬送用コンベア6に
係る初期運転条件を算出する。その初期運転条件を運転
制御部15を介して循環移動式ヒータ2と搬送用コンベ
ア6に与えシミュレーション運転を行う。循環移動式ヒ
ータ2による印刷配線基板Aの予備加熱直後の表面温度
分布データを赤外線カメラ3で測定し、それをコンピュ
ータ10にフィードバックして補正データ演算部16で
初期運転条件に対する補正データを算出し、第2記憶部
17に格納する。最適運転条件演算部18は補正データ
に基づいて最適運転条件を決定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、印刷配線基板に対して
電子部品を自動的にハンダ付けするフローハンダ付け装
置およびリフローハンダ付け装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図10は従来のフローハンダ付け装置の
概略構成を示す平面図、図11はその側面図である。図
において、Aはハンダ付けすべき電子部品aのリードa
1 を差し込んだ印刷配線基板、81は自動フラックス塗
布機、82は予備加熱機、83はハンダ槽、84は洗浄
・冷却機、85は搬送用コンベアである。
【0003】次に、動作を説明する。まず、作業員が自
らの経験に基づいてフローハンダ付けの最適条件を判断
し、それに基づいて予備加熱機82の温度設定を行う。
搬送用コンベア85により印刷配線基板Aを炉内に搬入
する。自動フラックス塗布機81によって印刷配線基板
Aの裏面にフラックスを塗布する。予備加熱機82によ
りフラックス塗布後の印刷配線基板Aを予備加熱する。
さらに、ハンダ槽83によってフローハンダ付けを行
い、その後に洗浄・冷却機84によって洗浄,冷却を行
い、処理済みの印刷配線基板Aを炉外へ搬出する。
【0004】また、図12は従来のリフローハンダ付け
装置の概略構成を示す側面図である。図において、Aは
ハンダ付けすべき電子部品aをクリームハンダbを介し
て仮止め載置した印刷配線基板、91は搬送用コンベ
ア、92は第1予熱上面ヒータ、93は第1予熱下面ヒ
ータ、94は第2予熱上面ヒータ、95は第3予熱上面
ヒータ、96はリフロー上面ヒータ、97はリフロー下
面ヒータ、98は冷却機である。なお、このリフローハ
ンダ付け装置には図10,図11の場合のようなフラッ
クス塗布機81やハンダ槽83はない。
【0005】次に、動作を説明する。まず、作業員が自
らの経験に基づいてリフローハンダ付けの最適条件を判
断し、それに基づいて各ヒータ92〜97の温度設定を
行う。搬送用コンベア91により印刷配線基板Aを炉内
に搬入する。温度設定された予備加熱用の各ヒータ92
〜95によって印刷配線基板Aを予備加熱し、リフロー
用の上下のヒータ96,97でクリームハンダbをリフ
ローし、冷却機98によって冷却することによりリフロ
ーハンダ付けを行い、処理済みの印刷配線基板Aを炉外
へ搬出する。
【0006】図13はリフローハンダ付け装置の動作を
示すフローチャートである。ステップn1で作業員が予
備加熱用の各ヒータ92〜95の温度設定とリフロー用
の上下のヒータ96,97の温度設定と搬送用コンベア
91の搬送スピードとを入力する。ステップn2でそれ
らの条件設定用データをメモリに登録する。ステップn
3で第1予熱上面ヒータ92に対して設定温度データを
送出し、ステップn4でその温度が安定するのを待っ
て、ステップn5に進み、第1予熱下面ヒータ93に対
して設定温度データを送出し、ステップn6でその温度
が安定するのを待って、ステップn7に進む。ステップ
n7で第2予熱上面ヒータ94に対して設定温度データ
を送出し、ステップn8でその温度が安定するのを待っ
て、ステップn9に進み、第3予熱上面ヒータ95に対
して設定温度データを送出し、ステップn10でその温
度が安定するのを待って、ステップn11に進む。ステ
ップn11でリフロー上面ヒータ96に対して設定温度
データを送出し、ステップn12でその温度が安定する
のを待って、ステップn13に進み、リフロー下面ヒー
タ97に対して設定温度データを送出し、ステップn1
4でその温度が安定するのを待って、ステップn15に
進む。ステップn15では各ヒータ92〜97の温度と
搬送用コンベア91の搬送スピードが安定するのを目視
確認し、ステップn16では作業員によって1回目の温
度測定が行われ、ステップn17で作業員によって温度
と時間とが分析/判定される。そして、ステップn18
で2回目の温度設定が上記と同様に繰り返され、ステッ
プn19で2回目の温度測定が作業員により行われ、ス
テップn20で作業員によって温度と時間とが分析/判
定される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来においては、フロ
ーハンダ付け装置にあってもリフローハンダ付け装置に
あっても、最適条件を作業員が自らの経験や勘に頼って
判断し設定していたために、最適な運転条件を設定する
ことがかなりむずかしいものとなっていた。最適条件の
判断の仕方は作業員によって異なるし、未熟練者である
と判断ミスを犯すおそれもある。作業員の配置転換があ
ると、それに伴って生じる習熟度の低下に対処しなけれ
ばならない。そして、設定された運転条件に不具合があ
ると、ハンダ付け性に不良が生じるという問題があっ
た。
【0008】本発明は、このような事情に鑑みて創案さ
れたものであって、作業員の経験や勘に頼ることなく、
フローハンダ付け装置およびリフローハンダ付け装置の
最適運転条件の設定を的確かつ効率良く行えるようにす
ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係るフローハン
ダ付け装置は、入力された印刷配線基板に関するデータ
を条件設定用データとして記憶する手段と、その条件設
定用データに基づいて印刷配線基板予備加熱に係る初期
運転条件を算出する手段と、その初期運転条件に従って
シミュレーション運転を行う手段と、予備加熱直後の印
刷配線基板の温度分布データを測定する手段と、得られ
た温度分布データをフィードバックして初期運転条件デ
ータに対する補正データを算出する手段と、その補正デ
ータに基づいて最適運転条件を決定する手段とを備えた
ことを特徴とするものである。
【0010】また、本発明に係るリフローハンダ付け装
置は、入力された印刷配線基板に関するデータを条件設
定用データとして記憶する手段と、その条件設定用デー
タに基づいて印刷配線基板予備加熱およびハンダリフロ
ーに係る初期運転条件を算出する手段と、その初期運転
条件に従ってシミュレーション運転を行う手段と、予備
加熱直後の印刷配線基板の温度分布データを測定する手
段と、ハンダリフロー直後の印刷配線基板の温度分布デ
ータを測定する手段と、得られた予備加熱直後およびハ
ンダリフロー直後の各温度分布データをフィードバック
して初期運転条件データに対する補正データを算出する
手段と、その補正データに基づいて最適運転条件を決定
する手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0011】
【作用】前者のフローハンダ付け装置によれば、コンピ
ュータに印刷配線基板についての条件設定用データを入
力し、設定した予備加熱に係る初期運転条件のもとでシ
ミュレーション運転を行って補正データを得る。その補
正データに基づいて予備加熱についての最適運転条件が
自動的に決定される。
【0012】また、後者のリフローハンダ付け装置によ
れば、コンピュータに印刷配線基板についての条件設定
用データを入力し、設定した予備加熱およびハンダリフ
ローに係る初期運転条件のもとでシミュレーション運転
を行って補正データを得る。
【0013】その補正データに基づいて予備加熱および
ハンダリフローについての最適運転条件が自動的に決定
される。
【0014】
【実施例】以下、本発明に係る自動ハンダ付け装置の実
施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【0015】第1実施例 第1実施例はフローハンダ付け装置に係るものである。
図1はフローハンダ付け装置の概略構成を示す側面図で
ある。図において、Aはハンダ付けすべき電子部品のリ
ードを差し込んだ印刷配線基板、1はフラックス塗布
機、2は予備加熱機としての循環移動式ヒータ、3は予
備加熱直後の印刷配線基板Aを測温するための赤外線カ
メラ、4はハンダ槽、5は洗浄・冷却機、6は搬送用コ
ンベアである。部分拡大図で示すように、循環移動式ヒ
ータ2は、縦横に規則的に配置された多数のノズル状熱
風吹き出し口2aの組み合わせにより回路ブロック別加
熱機として構成されている。この循環移動式ヒータ2
は、搬送用コンベア6による印刷配線基板Aの搬送に同
期して同一方向に移動しながら印刷配線基板Aを回路ブ
ロック別に加熱するようになっている。循環移動式ヒー
タ2として熱風方式を採用したのは、被加熱物体である
印刷配線基板Aの色相変化による影響が非常に少なく均
一加熱に適しているからである。
【0016】10は装置全体の制御を司るコンピュータ
である。このコンピュータ10は、図2の機能ブロック
図に表すような機能を有している。すなわち、装置全体
の制御を司るプログラムとともに物質の材質の相違によ
る熱伝導率データを予め格納しているROM(リードオ
ンリーメモリ)11と、印刷配線基板Aに関するデータ
として基板の材質(紙フェノール樹脂,ガラスエポキシ
樹脂など),大きさ(縦×横×厚さ),搭載する電子部
品のボディ材質,リード材質,ランド面積,基準スペッ
ク(温度,時間の規定)などのデータのほか、フローハ
ンダ付けのための環境条件(室温,湿度など)の条件設
定用データを入力するためのデータ入力インターフェイ
ス部12と、その条件設定用データを格納しておくため
の第1記憶部13と、入力された条件設定用データとR
OM11から読み出した熱伝導率データとに基づいて印
刷配線基板Aについての予備加熱時の温度上昇カーブを
推測し、さらに、基準スペック(温度,時間の規定)と
の比較/判定によって初期運転条件として循環移動式ヒ
ータ2の温度設定と加熱時間と搬送用コンベア6の搬送
スピードとを算出する初期運転条件演算部14と、算出
された運転条件を循環移動式ヒータ2,搬送用コンベア
6の各駆動部に伝える運転制御部15とを備えている。
また、シミュレーション運転時に赤外線カメラ3によっ
て得られた予備加熱直後の印刷配線基板Aの表面温度分
布データを前記データ入力インターフェイス部12を介
して入力し、その表面温度分布データと前記初期運転条
件演算部14が先に推定した温度上昇カーブとの比較/
判定により所要の補正データを算出する補正データ演算
部16と、算出された補正データを格納しておくための
第2記憶部17と、2回目のシミュレーション運転時に
赤外線カメラ3によって得られた表面温度分布データと
初期運転条件演算部14が推定した温度上昇カーブと補
正データ演算部16により算出された補正データとに基
づいて算出される循環移動式ヒータ2の温度設定と加熱
時間と搬送用コンベア6の搬送スピードを最適運転条件
として算出し運転制御部15を介して循環移動式ヒータ
2および搬送用コンベア6の各駆動部に送出する最適運
転条件演算部18とを備えている。
【0017】さらに、新たな印刷配線基板Aについてデ
ータ入力インターフェイス部12を介して入力されてき
た新規の条件設定用データとすでに第1記憶部13に格
納されている条件設定用データとを比較して両者が所定
の範囲内で近似しているデータかどうかを判定する比較
/判定部19と、その比較の結果近似するものであると
判定したときに第2記憶部17に格納されている補正デ
ータのうち最も近似する補正データを選択しその選択し
た補正データを初期運転条件演算部14または最適運転
条件演算部18に与える補正データ選択部20とを備
え、これらで近似する補正データに基づいてフローハン
ダ付け装置を補正制御するニューラルネットワークを構
成している。
【0018】次に、動作を説明する。ハンダ付けの最適
運転条件をコンピュータ10を用いて判定させるように
するため、生産スタート時に、印刷配線基板Aに関する
データとして基板の材質,大きさ,搭載する電子部品の
ボディ材質,リード材質,ランド面積,基準スペック
(温度,時間の規定)のほか、フローハンダ付けのため
の環境条件(室温,湿度など)をコンピュータ10に入
力する。そのように入力された条件設定用データはデー
タ入力インターフェイス部12を介して第1メモリ13
に格納される(図3のステップS1参照)。次いで、初
期運転条件演算部14は、その入力された条件設定用デ
ータと予めROM11に格納されている熱伝導率データ
とに基づいた演算処理により、当該の印刷配線基板Aに
ついての予備加熱時の温度上昇カーブを推測し、さら
に、基準スペック(温度,時間の規定)との比較/判定
により、初期運転条件として循環移動式ヒータ2の温度
設定と加熱時間と搬送用コンベア6の搬送スピードとを
算出する(同ステップS2参照)。その初期運転条件の
データを運転制御部15を介して循環移動式ヒータ2お
よび搬送用コンベア6の各駆動部に送出する。それらの
駆動部では、まず1回目のシミュレーション運転のため
に、循環移動式ヒータ2の温度設定、コンベア幅、搬送
スピード、ハンダ付けのための環境条件(室温,湿度な
ど)の設定が自動的に行われる(同ステップS3参
照)。その設定の完了に引き続いて印刷配線基板Aの自
動搬入を開始する。
【0019】搬入されてきた印刷配線基板Aは、搬送用
コンベア6によってフラックス塗布機1に搬入され、フ
ラックス塗布機1においてフラックスを塗布された後、
予備加熱機としての循環移動式ヒータ2の配置箇所へと
搬入される。循環移動式ヒータ2は、搬送用コンベア6
の搬送スピードに応じた速度で循環移動し、その多数の
ノズル状熱風吹き出し口2aからの熱風吹き出しによ
り、フラックス塗布後の印刷配線基板Aを回路ブロック
別に予備加熱する。これは、フラックス塗布後の最も重
要な工程の一つである予備加熱を的確かつ効率良く行う
ためである。
【0020】予備加熱が正しく行われるか否かでハンダ
付けの良否が決定されるといっても過言ではない。フロ
ーハンダ付けの場合、リフローハンダ付けとは異なり、
フラックスは印刷配線基板Aの裏面に均一に塗布するた
めに液状となっている。したがって、塗布後は不要な溶
剤を速やかに蒸発させなければならない。つまり、予備
加熱によって溶剤を蒸発させながら、フラックスの活性
化を促進させることにより、樹脂分を介して電子部品の
リードと基板上のランドとを粘着させ、フラックスの流
動を防止しながらの効果的なハンダ付けを行うことが重
要である。また、ハンダ付けの際に印刷配線基板Aが受
ける熱的衝撃を緩和するためにも効率の良い予備加熱を
行って、印刷配線基板Aとハンダとの温度差を小さくし
ておく必要がある。さらに、チップ部品のハンダ付けを
行う場合などでは、予備加熱が効率良く行われていない
と、基板の裏面に溶剤が多く残留付着することになり、
チップ部品がハンダに浸されたときに残留した溶剤がガ
ス化し、そのガスがチップ部品の周囲でハンダを排除す
るためにハンダの濡れ性が悪化することになるが、この
ような不都合を避ける必要もある。
【0021】これらの諸点を勘案して確実なハンダ付け
を実現するために、前述したとおり、多数のノズル状熱
風吹き出し口2aを有する循環移動式ヒータ2により、
フラックス塗布後の印刷配線基板Aを回路ブロック別に
予備加熱することで、的確かつ効率の良い予備加熱を行
うようにしてある。
【0022】予備加熱の直後において赤外線カメラ3に
より印刷配線基板Aの表面温度分布を測温し(同ステッ
プS5参照)、得られた表面温度分布データをコンピュ
ータ10にフィードバックする。その表面温度分布デー
タはデータ入力インターフェイス部12を介して補正デ
ータ演算部16に入力される。補正データ演算部16
は、初期運転条件演算部14が先に推定した温度上昇カ
ーブと入力した表面温度分布データとの比較/判定を行
って補正データを算出し、第2記憶部17に送り、第2
記憶部17において補正データを格納する(同ステップ
S6参照)。一方、予備加熱された印刷配線基板Aは、
ハンダ槽4に搬入されてハンダ付けされ、さらに洗浄・
冷却機5によって洗浄され冷却された後、炉外へと搬出
される。以上により1回目のシミュレーション運転が終
了し、そのときの補正データが収集され第2記憶部17
に格納されたことになる。
【0023】次に、2回目のシミュレーション運転に入
る。1回目のシミュレーション運転時の実測データを基
にして、再び、循環移動式ヒータ2の温度設定と加熱時
間と搬送用コンベア6の搬送スピードや環境条件(室
温,湿度など)の初期運転条件が算出され(同ステップ
S7参照)、運転制御部15を介してその初期運転条件
データを循環移動式ヒータ2および搬送用コンベア6に
送出して自動設定を再度行い(同ステップS8参照)、
その設定が完了すると次の印刷配線基板Aを搬入する。
その印刷配線基板Aは、前回同様に、フラックス塗布機
1によってフラックスが塗布され、循環移動式ヒータ2
によって回路ブロック別に予備加熱され、赤外線カメラ
3によって表面温度分布データを測定され(同ステップ
S10参照)、ハンダ槽4によってハンダ付けされ、洗
浄・冷却機5によって洗浄および冷却された後、炉外へ
搬出される。そして、この2回目のシミュレーション運
転時の補正データが補正データ演算部16によって算出
され、第2記憶部17に格納される(同ステップS11
参照)。これによって2回目のシミュレーション運転が
完了する。
【0024】そして、最適運転条件演算部18は、得ら
れた表面温度分布データと初期運転条件演算部14が推
定した温度上昇カーブと補正データ演算部16により算
出された補正データとに基づいて循環移動式ヒータ2の
温度設定と加熱時間と搬送用コンベア6の搬送スピード
を最適運転条件として算出し(同ステップS12参
照)、運転制御部15を介して循環移動式ヒータ2およ
び搬送用コンベア6の各駆動部に送出する。これによ
り、最適運転条件が最終的に決定されたことになる(同
ステップS13参照)。
【0025】以上のように、2回のシミュレーション運
転を経て得られた最適運転条件に基づき、以降のハンダ
付け実運転を実行する。すなわち、従来例のように作業
員の経験や勘に頼るのではなく、コンピュータ10の制
御によってフローハンダ付け装置の最適運転条件の設定
を的確かつ効率良く行い、その最適運転条件に従って印
刷配線基板Aを自動的にハンダ付けしていく。したがっ
て、品質の良いハンダ付けが可能となり、歩留まりの改
善を通じての生産性の向上を図ることができる。
【0026】別の仕様の印刷配線基板Aが供給されてき
たときには、その新たな印刷配線基板Aについて新規の
条件設定用データをデータ入力インターフェイス部12
を介して入力する。この場合にはニューラルネットワー
クが有効に機能する。すなわち、比較/判定部19は、
入力されてきた新規の条件設定用データとすでに第1記
憶部13に格納されている条件設定用データとを比較し
て両者が所定の範囲内で近似しているデータかどうかを
判定する。そして、その比較の結果近似するものである
と判定したときには、補正データ選択部20を機能さ
せ、第2記憶部17に格納されている補正データのうち
最も近似する補正データを選択しその選択した補正デー
タを初期運転条件演算部14または最適運転条件演算部
18に与えてシミュレーション運転と最適運転条件の決
定および設定を行う。このようにニューラルネットワー
クを構築することで、最適運転条件をより迅速かつ正確
に決定することができる。
【0027】なお、何らかの異常によって実温度が設定
温度から外れるようになった場合に、フローハンダ付け
装置の運転を停止するとともに警報ブザーを鳴動させた
り、警報ランプを点滅させたりするように構成すること
によって、信頼性の一層の向上と安全性確保とを図るよ
うにすることは好ましいことである。
【0028】図3は以上で説明した最適運転条件決定の
ための動作を概略的なフローチャートに示したものであ
る。ステップS1においてコンピュータ10に入力され
てきた条件設定用データを第1記憶部13に格納する。
ステップS2で熱伝導率データと入力された条件設定用
データとに基づいて予備加熱の温度上昇カーブを推測
し、初期運転条件(ヒータ温度、コンベア搬送スピー
ド)を算出する。ステップS3で1回目のシミュレーシ
ョン運転のために初期運転条件データと環境条件(室
温,湿度など)を設定する。ステップS4で温度が安定
するのを待ってステップS5に進み、赤外線カメラ3に
より表面温度分布データを測定し、ステップS6で表面
温度分布データをコンピュータ10にフィードバックし
て補正データを算出し第2記憶部17に格納する。そし
て、ステップS7で2回目のシミュレーション運転のた
めに補正データを加味して再度初期運転条件(ヒータ温
度、コンベア搬送スピード)を算出し、ステップS8で
2回目のシミュレーション運転のために初期運転条件デ
ータと環境条件(室温,湿度など)を設定し、ステップ
S9で温度が安定するのを待ち、ステップS10で赤外
線カメラ3により表面温度分布データを測定し、ステッ
プS11で表面温度分布データをコンピュータ10にフ
ィードバックして補正データを算出し第2記憶部17に
格納する。そして、ステップS12で最終的に最適運転
条件を算出し、ステップS13でその最適運転条件を設
定する。
【0029】第2実施例 第2実施例はリフローハンダ付け装置に係るものであ
る。図4はリフローハンダ付け装置の概略構成を示す側
面図、図2はその斜視図である。図において、Aはハン
ダ付けすべき電子部品aをクリームハンダbを介して仮
止め状態に載置してある印刷配線基板、30は印刷配線
基板Aを炉内で搬送していく搬送用コンベア、31は搬
送用コンベア30の搬送経路の上側に配置された予備加
熱用上面循環移動式ヒータ、32は搬送経路の下側に配
置された予備加熱用下面循環移動式ヒータ、33は予備
加熱部の直後に配置されて予備加熱直後の印刷配線基板
Aを測温するための第1赤外線カメラ、34は第1赤外
線カメラ33を被覆する耐熱ガラス、35は耐熱ガラス
34に埋め込まれた温度センサ、36は冷却用ノズルで
あり、この第1赤外線カメラ33および付属部品は搬送
経路の上下に一対設けられている。41は第1赤外線カ
メラ33の直後で搬送経路の上側に配置されたリフロー
用上面循環移動式ヒータ、42は搬送経路の下側に配置
されたリフロー用下面循環移動式ヒータ、43はリフロ
ー部の直後に配置されてリフロー直後の印刷配線基板A
を測温するための第2赤外線カメラ、44は第2赤外線
カメラ43を被覆する耐熱ガラス、45は耐熱ガラス4
4に埋め込まれた温度センサ、46は冷却用ノズルであ
り、この第2赤外線カメラ43および付属部品は搬送経
路の上下に一対設けられている。50はリフロー部の直
後に配置された冷却機である。
【0030】図5の部分拡大図で示すように、各循環移
動式ヒータ31,32,41,42は、縦横に規則的に
配置された多数のノズル状熱風吹き出し口51,52の
組み合わせにより回路ブロック別加熱機として構成され
ている。これらの循環移動式ヒータ31,32,41,
42は、搬送用コンベア30による印刷配線基板Aの搬
送に同期して同一方向に移動しながら印刷配線基板Aを
回路ブロック別に加熱するようになっている。循環移動
式ヒータ31,32,41,42として熱風方式を採用
したのは、被加熱物体である印刷配線基板Aの色相変化
による影響が非常に少なく均一加熱に適しているからで
ある。
【0031】60は装置全体の制御を司るコンピュータ
である。このコンピュータ60は、図6の機能ブロック
図に表すような機能を有している。すなわち、装置全体
の制御を司るプログラムとともに物質の材質の相違によ
る熱伝導率データを予め格納しているROM(リードオ
ンリーメモリ)61と、印刷配線基板Aに関するデータ
として基板の材質(紙フェノール樹脂,ガラスエポキシ
樹脂など),大きさ(縦×横×厚さ),搭載する電子部
品のボディ材質,リード材質,ランド面積,基準スペッ
ク(予備加熱およびハンダリフローについての温度,時
間の規定)などの条件設定用データを入力するためのデ
ータ入力インターフェイス部62と、その条件設定用デ
ータを格納しておくための第1記憶部63と、入力され
た条件設定用データとROM61から読み出した熱伝導
率データとに基づいて印刷配線基板Aについての予備加
熱時の温度上昇カーブおよびハンダリフロー時の温度上
昇カーブを推測し、さらに、基準スペック(予備加熱お
よびハンダリフローについての温度,時間の規定)との
比較/判定によって初期運転条件として各循環移動式ヒ
ータ31,32,41,42の温度設定と加熱時間と搬
送用コンベア30の搬送スピードとを算出する初期運転
条件演算部64と、算出された運転条件を各循環移動式
ヒータ31,32,41,42および搬送用コンベア3
0の各駆動部に伝える運転制御部65とを備えている。
また、シミュレーション運転時に第1赤外線カメラ33
によって得られた予備加熱直後の印刷配線基板Aの表面
温度分布データ、ならびに、第2赤外線カメラ43によ
って得られたハンダリフロー直後の表面温度分布データ
を前記データ入力インターフェイス部62を介して入力
し、それら予備加熱直後およびハンダリフロー直後の表
面温度分布データと前記初期運転条件演算部64が先に
推定したそれぞれの温度上昇カーブとの比較/判定によ
り所要の補正データを算出する補正データ演算部66
と、算出された補正データを格納しておくための第2記
憶部67と、2回目のシミュレーション運転時に第1お
よび第2の赤外線カメラ33,43のそれぞれによって
得られた表面温度分布データと初期運転条件演算部14
が推定した各温度上昇カーブと補正データ演算部66に
より算出された補正データとに基づいて算出される各循
環移動式ヒータ31,32,41,42の温度設定と加
熱時間と搬送用コンベア30の搬送スピードを最適運転
条件として算出し運転制御部65を介して各循環移動式
ヒータ31,32,41,42および搬送用コンベア3
0の各駆動部に送出する最適運転条件演算部68とを備
えている。さらに、新たな印刷配線基板Aについてデー
タ入力インターフェイス部62を介して入力されてきた
新規の条件設定用データとすでに第1記憶部63に格納
されている条件設定用データとを比較して両者が所定の
範囲内で近似しているデータかどうかを判定する比較/
判定部69と、その比較の結果近似するものであると判
定したときに第2記憶部67に格納されている補正デー
タのうち最も近似する補正データを選択しその選択した
補正データを初期運転条件演算部64または最適運転条
件演算部68に与える補正データ選択部70とを備え、
これらで近似する補正データに基づいてリフローハンダ
付け装置を補正制御するニューラルネットワークを構成
している。
【0032】次に、動作を説明する。ハンダ付けの最適
運転条件をコンピュータ60を用いて判定させるように
するため、生産スタート時に、印刷配線基板Aに関する
データとして基板の材質,大きさ,搭載する電子部品の
ボディ材質,リード材質,ランド面積,基準スペック
(予備加熱およびハンダリフローについての温度,時間
の規定)などの条件設定用データをコンピュータ60に
入力する。そのように入力された条件設定用データはデ
ータ入力インターフェイス部62を介して第1記憶部6
3に格納される(図7のステップS31参照)。次い
で、初期運転条件演算部64は、その入力された条件設
定用データと予めROM61に格納されている熱伝導率
データとに基づいた演算処理により、当該の印刷配線基
板Aについての予備加熱時の温度上昇カーブおよびハン
ダリフロー時の温度上昇カーブを推測し、さらに、基準
スペック(予備加熱およびハンダリフローについての温
度,時間の規定)との比較/判定により、初期運転条件
として予備加熱用上面循環移動式ヒータ31,予備加熱
用下面循環移動式ヒータ32,リフロー用上面循環移動
式ヒータ41およびリフロー用下面循環移動式ヒータ4
2の各温度設定と加熱時間と搬送用コンベア30の搬送
スピードとを算出する(図7のステップS32参照)。
その初期運転条件のデータを運転制御部65を介して各
循環移動式ヒータ31,32,41,42および搬送用
コンベア30の各駆動部に送出する。それらの駆動部で
は、まず1回目のシミュレーション運転のために、各循
環移動式ヒータ31,32,41,42の温度設定、コ
ンベア幅、搬送スピードなどの設定が自動的に行われる
(図7のステップS33参照)。そして、各設定温度お
よび搬送スピードの安定の後に、印刷配線基板Aの炉内
への自動搬入を開始する。
【0033】搬入されてきた印刷配線基板Aは、予備加
熱用上面循環移動式ヒータ31と予備加熱用下面循環移
動式ヒータ32とによるサンドイッチ方式で上下から予
備加熱される。すなわち、各循環移動式ヒータ31,3
2は、搬送用コンベア30の搬送スピードに応じた速度
で循環移動し、その多数のノズル状熱風吹き出し口51
からの熱風吹き出しにより印刷配線基板Aを回路ブロッ
ク別に予備加熱する。
【0034】これは、最も重要な工程の一つである予備
加熱を的確かつ効率良く行うためである。
【0035】予備加熱が正しく行われるか否かでリフロ
ーハンダ付けの良否が決定されるといっても過言ではな
い。リフローハンダ付けの場合、液体フラックスの塗布
後に溶融したハンダの中に印刷配線基板の裏面を浸して
ハンダ付けするフローハンダ付けとは違って、使用する
ハンダ材料はペースト状のフラックス(天然/合成樹脂
+溶剤+増粘剤、チクソ剤+活性剤)とハンダ粉末とを
混合したものである。
【0036】フラックスの主成分である天然/合成樹脂
とは松ヤニと活性化させたロジンとを指す。これは電子
部品aを固定するための粘性基材であるが、これ以外に
酸化銅の洗浄作用やリフロー時のハンダ付け接合部の再
酸化防止効果も発揮する。前記溶剤(カルビトール系,
エーテル系)を用いて調整を行い、ハンダ粉末とフラッ
クスの分離抑制とチクソ性の向上のために増粘剤とチク
ソ剤とを付与し、さらに、ハンダ付け性を向上させるべ
く活性剤(アミン塩酸系,有機酸系)を添加する。すな
わち、ペースト状ハンダとは、ペースト状のフラックス
を使用し、これとハンダ粉末とを混合させたものをい
う。上述したフラックスの調整剤である溶剤について
は、印刷配線基板Aの銅箔面にペーストハンダを自動機
(印刷機,ディスペンサ等)で塗布する場合にペースト
状になっていた方が都合が良いことから、この溶剤を用
いることとしている。そのため、予備加熱で余分な溶剤
は揮発させ、リフロー時に残留した溶剤による飛散など
の発生を防止するとともに、電子部品や基板に対しても
リフロー時の急熱に起因した曲がりや反りや微小クラッ
クの発生を防止する。このような理由から、予備加熱が
効率良く行われないと、上記のような様々の問題が生
じ、リフローハンダ付けの品質を保持することが困難に
なることが理解されよう。また、フラックス成分の中の
一つである活性剤を活性化させ、印刷配線基板A上の銅
箔表面の酸化物,水酸化物を化学的に除去することから
も予備加熱を効率良く行うことが重要となる。さらに、
予備加熱によって、印刷配線基板Aと搭載電子部品のリ
ードとの温度差をリフロー前に極力少なくしておくこと
が重要である。つまり、予備加熱が効率良く行われてい
ないと、次の工程のリフロー時におけるリフローハンダ
付けの際に、印刷配線基板と搭載電子部品のリードとの
間で温度ムラができたり、電子部品の電極相互間でも温
度差ができることになり、リフロー時のマンハッタン現
象やブリッジ現象などを引き起こす原因となる。本発明
では各循環移動式ヒータ31,32をノズル状熱風吹き
出し口51の集合体とすることにより回路ブロック別の
予備加熱を可能となし、予備加熱の効率を高めハンダ付
け品質の安定的保持を目指している。
【0037】さらに、本発明では、リフロー部において
もヒータとして循環移動式ヒータ41,42を採用して
いる。リフローハンダ付けの場合、効率良い予備加熱も
重要であるが、ハンダ付け性はリフロー工程で完全に決
定されるといっても過言でない。すなわち、リフロー部
において、最終的にペーストハンダは融点以上の温度に
加熱されて溶融し、基板と電子部品リードとがハンダ付
けされるからである。
【0038】リフロー時には、ハンダは母材金属に対し
て濡れ現象を生じるとともに、母材金属表面で拡散現象
を起こす。母材金属が銅(Cu)である場合、ハンダの
中のスズ(Sn)が母材金属と反応して、Cu6
5 、Cu3 Snの金属間化合物を生成する。金属間化
合物の生成の度合いは母材金属の表面状態や加熱時間に
よって変化する。もし、予備加熱が効率良く行われてい
ないと、前記の酸化物,水酸化物に対する化学的除去が
不完全になりやすく、母材金属(銅箔)の表面状態が悪
くなる。また、リフロー時でも加熱が効率良く行われな
いと、基板上に温度のムラが生じ、部分的に発生する昇
温速度の低い部分では加熱時間が不充分となりがちであ
る。この場合には、金属間化合物の形成が不完全なもの
となる危険度が高く、ハンダ付け部の劣化の原因とな
る。つまり、製品化した後にハンダ付け部に少しの衝撃
や振動が加わってもクラック発生を招いたりする。本発
明では、これらの諸問題の対策も含めて、リフロー時に
おいてもハンダ付け品質の向上を重視し、リフロー部の
ヒータとして回路ブロック別の加熱が可能な循環移動式
ヒータ41,42を採用しているのである。
【0039】動作説明を続ける。予備加熱用上面循環移
動式ヒータ31と予備加熱用下面循環移動式ヒータ32
とは搬送用コンベア30と同期して移動しながら印刷配
線基板Aの上面と下面に対して回路ブロック別の予備加
熱を行う。そして、予備加熱の直後において上下一対の
第1赤外線カメラ33により印刷配線基板Aの上面と下
面との予備加熱直後の表面温度分布を測温している(図
8のステップS43参照)。なお、第1赤外線カメラ3
3は耐熱ガラス34で覆われて保護されており、冷却用
ノズル36により耐熱ガラス34内に冷風を吹き込むこ
とで赤外線カメラ33を冷却している。そして、温度セ
ンサ35による検出温度が所定範囲内に収まり、かつ、
急激な温度上昇が起きないように制御している。
【0040】一方、予備加熱された印刷配線基板Aは、
リフロー部に搬入され、リフロー用上面循環移動式ヒー
タ41とリフロー用下面循環移動式ヒータ42とによる
サンドイッチ方式で上下から加熱される。すなわち、各
循環移動式ヒータ41,42は、搬送用コンベア30の
搬送スピードに応じた速度で循環移動し、印刷配線基板
Aの上面と下面とに対して回路ブロック別にリフロー加
熱して、ペーストハンダを溶融する。そして、リフロー
加熱の直後において上下一対の第2赤外線カメラ43に
より印刷配線基板Aの上面と下面とのハンダリフロー直
後の表面温度分布を測温する(図8のステップS44参
照)。この、第2赤外線カメラ43も耐熱ガラス44で
覆われて保護されており、冷却用ノズル46により耐熱
ガラス44内に冷風を吹き込むことで赤外線カメラ43
を冷却している。そして、温度センサ45による検出温
度が所定範囲内に収まり、かつ、急激な温度上昇が起き
ないように制御している。
【0041】第1赤外線カメラ33によって得られた予
備加熱直後の印刷配線基板Aの上面と下面の表面温度分
布データと、第2赤外線カメラ43によって得られたハ
ンダリフロー直後の印刷配線基板Aの上面および下面の
表面温度分布データとをコンピュータ60にフィードバ
ックする。それらの表面温度分布データはデータ入力イ
ンターフェイス部62を介して補正データ演算部66に
入力される。補正データ演算部66は、初期運転条件演
算部64が先に推定した予備加熱およびリフロー加熱に
ついての温度上昇カーブと入力した表面温度分布データ
との比較/判定を行って補正データを算出し、第2記憶
部67に送り、第2記憶部67において補正データを格
納する(図8のステップS45参照)。
【0042】リフロー加熱が行われた印刷配線基板A
は、さらに冷却機50に搬送されて冷却処理され、炉外
に搬出されることでリフローハンダ付けが完了する。以
上により1回目のシミュレーション運転が終了し、その
ときの予備加熱およびハンダリフローについての補正デ
ータが収集され第2記憶部67に格納されたことにな
る。
【0043】次に、2回目のシミュレーション運転に入
る。1回目のシミュレーション運転時の実測データを基
にして、再び、循環移動式ヒータ31,32,41,4
2の温度設定と加熱時間と搬送用コンベア30の搬送ス
ピードの初期運転条件が算出され(図8のステップS4
6参照)、運転制御部65を介してその初期運転条件デ
ータを各循環移動式ヒータ31,32,41,42およ
び搬送用コンベア30に送出して自動設定を再度行い
(同ステップS47参照)、その設定が完了すると次の
印刷配線基板Aを搬入する。その印刷配線基板Aは、前
回同様に、循環移動式ヒータ31,32による予備加
熱、上下一対の第1赤外線カメラ33による予備加熱直
後の印刷配線基板Aの上面および下面の表面温度分布デ
ータの測定(図9のステップS56参照)、循環移動式
ヒータ41,42によるハンダリフロー、および、上下
一対の第2赤外線カメラ43によるハンダリフロー直後
の印刷配線基板Aの上面および下面の表面温度分布デー
タの測定(同ステップS57参照)が行われ、冷却機5
0を経て炉外へ搬出される。そして、この2回目のシミ
ュレーション運転時の予備加熱およびハンダリフローに
係る補正データが補正データ演算部66によって算出さ
れ、第2記憶部67に格納される(同ステップS58参
照)。これによって2回目のシミュレーション運転が完
了する。
【0044】そして、最適運転条件演算部68は、得ら
れた予備加熱およびハンダリフローに係る表面温度分布
データと初期運転条件演算部64が推定した温度上昇カ
ーブと補正データ演算部66により算出された補正デー
タとに基づいて各循環移動式ヒータ31,32,41,
42の温度設定と加熱時間と搬送用コンベア30の搬送
スピードを最適運転条件として算出し(同ステップS5
9参照)、運転制御部65を介して循環移動式ヒータ3
1,32,41,42および搬送用コンベア30の各駆
動部に送出する。これにより、最適運転条件が最終的に
決定されたことになる(同ステップS60参照)。
【0045】以上のように2回のシミュレーション運転
を経て得られた最適運転条件に基づき、以降のリフロー
ハンダ付け実運転を実行する。すなわち、従来例のよう
に作業員の経験や勘に頼るのではなく、コンピュータ6
0の制御によってリフローハンダ付け装置の最適運転条
件の設定を的確かつ効率良く行い、その最適運転条件に
従って印刷配線基板Aを自動的にリフローハンダ付けし
ていく。したがって、品質の良いハンダ付けが可能とな
り、歩留まりの改善を通じての生産性の向上を図ること
ができる。
【0046】別の仕様の印刷配線基板Aが供給されてき
たときには、その新たな印刷配線基板Aについて新規の
条件設定用データをデータ入力インターフェイス部62
を介して入力する。この場合にはニューラルネットワー
クが有効に機能する。すなわち、比較/判定部69は、
入力されてきた新規の条件設定用データとすでに第1記
憶部63に格納されている条件設定用データとを比較し
て両者が所定の範囲内で近似しているデータかどうかを
判定する。そして、その比較の結果近似するものである
と判定したときには、補正データ選択部70を機能さ
せ、第2記憶部67に格納されている予備加熱およびハ
ンダリフローに係る補正データのうち最も近似する補正
データを選択しその選択した補正データを初期運転条件
演算部64または最適運転条件演算部68に与えてシミ
ュレーション運転と最適運転条件の決定および設定を行
う。このようにニューラルネットワークを構築すること
で、最適運転条件をより迅速かつ正確に決定することが
できる。
【0047】なお、何らかの異常によって実温度が設定
温度から外れるようになった場合に、フローハンダ付け
装置の運転を停止するとともに警報ブザーを鳴動させた
り、警報ランプを点滅させたりするように構成すること
によって、信頼性の一層の向上と安全性確保とを図るよ
うにすることは好ましいことである。また、炉内に窒素
供給口を設けて、窒素リフローとして使用できるように
してもよい。
【0048】図7ないし図9は以上で説明したリフロー
ハンダ付け装置における最適運転条件決定のための動作
を概略的なフローチャートに示したものである。ステッ
プS31においてコンピュータ60に入力されてきた条
件設定用データを第1記憶部63に格納する。ステップ
S32で熱伝導率データと入力された条件設定用データ
とに基づいて予備加熱およびハンダリフローに係る温度
上昇カーブを推測し、初期運転条件(ヒータ温度、コン
ベア搬送スピード)を算出する。ステップS33で1回
目のシミュレーション運転のために初期運転条件データ
を設定する。ステップS34で予備加熱用上面循環移動
式ヒータ31に対して温度設定を行い、ステップS35
で温度が安定するのを待ってステップS36に進み、予
備加熱用下面循環移動式ヒータ32に対して温度設定を
行い、ステップS37で温度が安定するのを待ってステ
ップS38に進み、リフロー用上面循環移動式ヒータ4
1に対して温度設定を行い、ステップS39で温度が安
定するのを待ってステップS40に進み、リフロー用下
面循環移動式ヒータ42に対して温度設定を行い、ステ
ップS41で温度が安定するのを待ってステップS42
に進み、各循環移動式ヒータ31,32,41,42の
温度と搬送用コンベア30の搬送スピードとが安定する
のを待ち、ステップS43で第1赤外線カメラ33によ
り予備加熱直後の印刷配線基板Aの上面および下面の表
面温度分布データを測定し、ステップS44で第2赤外
線カメラ43によりハンダリフロー直後の表面温度分布
データを測定し、ステップS45でそれらの表面温度分
布データをコンピュータ60にフィードバックして補正
データを算出し第2記憶部67に格納する。そして、ス
テップS46で2回目のシミュレーション運転のために
補正データを加味して再度初期運転条件(ヒータ温度、
コンベア搬送スピード)を算出し、ステップS47〜S
54で2回目のシミュレーション運転のために上記と同
様に初期運転条件データを設定し、ステップS55で温
度が安定するのを待ち、ステップS56,S57で第1
および第2の赤外線カメラ33,43により表面温度分
布データを測定し、ステップS58で表面温度分布デー
タをコンピュータ60にフィードバックして補正データ
を算出し第2記憶部67に格納する。そして、ステップ
S59で最終的に最適運転条件を算出し、ステップS6
0でその最適運転条件を設定する。
【0049】
【発明の効果】本発明に係るフローハンダ付け装置によ
れば、印刷配線基板についての条件設定用データを入力
するだけでコンピュータが自動的に予備加熱に係る初期
運転条件を設定しシミュレーション運転を行い最適運転
条件を決定するので、印刷配線基板予備加熱に係る最適
条件の設定を作業員の経験や勘に頼っていた従来例に比
べて、フローハンダ付け装置における予備加熱について
の最適運転条件の設定をミスなく的確かつ効率良く行う
ことができる。
【0050】また、本発明に係るリフローハンダ付け装
置によれば、印刷配線基板についての条件設定用データ
を入力するだけでコンピュータが自動的に予備加熱およ
びハンダリフローに係る初期運転条件を設定しシミュレ
ーション運転を行い最適運転条件を決定するので、印刷
配線基板予備加熱およびハンダリフローに係る最適条件
の設定を作業員の経験や勘に頼っていた従来例に比べ
て、リフローハンダ付け装置における予備加熱およびハ
ンダリフローについての最適運転条件の設定をミスなく
的確かつ効率良く行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係るフローハンダ付け装
置の概略構成を示す側面図である。
【図2】第1実施例に係るフローハンダ付け装置に用い
られるコンピュータの機能的ブロック図である。
【図3】第1実施例に係るフローハンダ付け装置の動作
説明に供するフローチャートである。
【図4】本発明の第2実施例に係るリフローハンダ付け
装置の概略構成を示す側面図である。
【図5】本発明の第2実施例に係るリフローハンダ付け
装置の概略構成を示す斜視図である。
【図6】第2実施例に係るリフローハンダ付け装置に用
いられるコンピュータの機能的ブロック図である。
【図7】第2実施例に係るリフローハンダ付け装置の動
作説明に供するフローチャートである。
【図8】第2実施例に係るリフローハンダ付け装置の動
作説明に供するフローチャート(図7の続き)である。
【図9】第2実施例に係るリフローハンダ付け装置の動
作説明に供するフローチャート(図8の続き)である。
【図10】従来のフローハンダ付け装置の概略構成を示
す平面図である。
【図11】従来のフローハンダ付け装置の概略構成を示
す側面図である。
【図12】従来のリフローハンダ付け装置の概略構成を
示す側面図である。
【図13】従来のリフローハンダ付け装置の動作説明に
供するフローチャートである。
【符号の説明】
A 印刷配線基板 1 フラックス塗布機 2 循環移動式ヒータ 2a ノズル状熱風吹き出し口 3 赤外線カメラ 4 ハンダ槽 5 洗浄・冷却機 6 搬送用コンベア 10,60 コンピュータ 11,61 ROM 12,62 データ入力インターフェイス部 13,63 第1記憶部 14,64 初期運転条件演算部 15,65 運転制御部 16,66 補正データ演算部 17,67 第2記憶部 18,68 最適運転条件演算部 19,69 比較/判定部 20,70 補正データ選択部 30 搬送用コンベア 31 予備加熱用上面循環移動式ヒータ 32 予備加熱用下面循環移動式ヒータ 33 第1赤外線カメラ 41 リフロー用上面循環移動式ヒータ 42 リフロー用下面循環移動式ヒータ 43 第2赤外線カメラ 50 冷却機

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力された印刷配線基板に関するデータ
    を条件設定用データとして記憶する手段と、その条件設
    定用データに基づいて印刷配線基板予備加熱に係る初期
    運転条件を算出する手段と、その初期運転条件に従って
    シミュレーション運転を行う手段と、予備加熱直後の印
    刷配線基板の温度分布データを測定する手段と、得られ
    た温度分布データをフィードバックして初期運転条件デ
    ータに対する補正データを算出する手段と、その補正デ
    ータに基づいて最適運転条件を決定する手段とを備えた
    ことを特徴とするフローハンダ付け装置。
  2. 【請求項2】 入力された印刷配線基板に関するデータ
    を条件設定用データとして記憶する手段と、その条件設
    定用データに基づいて印刷配線基板予備加熱およびハン
    ダリフローに係る初期運転条件を算出する手段と、その
    初期運転条件に従ってシミュレーション運転を行う手段
    と、予備加熱直後の印刷配線基板の温度分布データを測
    定する手段と、ハンダリフロー直後の印刷配線基板の温
    度分布データを測定する手段と、得られた予備加熱直後
    およびハンダリフロー直後の各温度分布データをフィー
    ドバックして初期運転条件データに対する補正データを
    算出する手段と、その補正データに基づいて最適運転条
    件を決定する手段とを備えたことを特徴とするリフロー
    ハンダ付け装置。
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