JP3910376B2 - 壁点検口の隠蔽構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、住宅建物内において、パイプスペースの壁点検口の納まりを綺麗に見せる隠蔽構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、マンションなどの多層階の住宅建物においては、上層階からの排水パイプなどを納めたパイプスペースが設けられている。このパイプスペースは、各階層の居室との間が仕切られて別空間となされているが、パイプスペースと居室との間の壁面には、壁点検口が設けられ、定期的な守備点検が行えるようになされている。
【0003】
従来より、このようなパイプスペースの壁点検口は、点検口周縁に樹脂製や金属製の枠が設けられ、そこにパネルをビス止めする構成となされていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の壁点検口の場合、枠やビスなどが居室の壁面に露出することとなるので、意匠上、居室内の美観が損なわれるといった不都合を生じることとなる。
【0005】
また、共同住宅などの場合、パイプスペース内には、他住戸からの排水管が設けられているのがほとんどである。したがって、壁点検口が常時目に入ると、自分の住戸内を他住戸の排水が流れているといったことが意識されてしまい、心理的抵抗を生じてしまう。
【0006】
そのため、パイプスペースを収納などに隣接して設け、この収納内とパイプスペースとの間を連通するように壁点検口を設けることで、普段目につかない位置に壁点検口を設けるといったことが行われているが、この場合、保守点検の度に、収納内の収納物を取り出さなければならず、煩わしいといった不都合を生じることとなる。
【0007】
本発明は、係る実情に鑑みてなされたものであって、使い勝手に優れ、かつ、綺麗に納めることができる壁点検口構造を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明の壁点検口の隠蔽構造は、収納に隣接してパイプスペースが設けられ、このパイプスペースは、居室に面した壁面に壁点検口が設けられるとともに、この壁面の部分まで扉枠が設けられ、この壁点検口は、収納前面に設けられる収納扉を開けた状態で露出し、閉じた状態で隠蔽されるとともに、開けた際に折りたたまれた収納扉を壁面側にまとめてスライド移動させることにより、収納全体を開口できるようになされたものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0010】
図1ないし図3は、壁点検口10の隠蔽構造の全体構成の概略を示している。
【0011】
すなわち、この壁点検口10の隠蔽構造は、収納2に隣接してパイプスペース1が設けられ、このパイプスペース1は、居室3に面した壁面11に壁点検口10が設けられ、この壁点検口10は、収納前面に設けられる収納扉21を開けた状態で露出し、閉じた状態で隠蔽されてなるものである。
【0012】
パイプスペース1は、幅約75cm、奥行き約60cmに形成されている。このパイプスペース1は、多層階の住宅建物において、各階層間を高さ方向に連通するように設けられており、その内部には、各階層からの排水管12が設けられるようになされている。
【0013】
このパイプスペース1のうち、居室3に面した壁面11には、床面4からの高さが約1m程度の所に、約30cm×約30cmの大きさの壁点検口10が設けられている。この壁点検口10は、開口部周縁に金属製または樹脂製の枠体10aを設けるようになされており、この枠体10aの部分に、パネル10bをビス止めすることによって、通常時は閉じられた状態となされている。また、壁点検口10は、枠体10aにパネル10bをビス止めして壁点検口10を閉じた状態で、壁面11とパネル10bとを面一にできるようになされている。
【0014】
収納2は、幅約2m、奥行き約60cm、高さ約220cmに形成され、上記パイプスペース1に隣接するようになされている。その内部は、収納棚2aとハンガーパイプ2bとが設けられている。この収納2の内部のレイアウトについては特に限定されるものではなく、使用者の使い勝手に応じて適宜変更される。この収納2の前面には、収納扉21を取り付けるための扉枠22が設けられる。この扉枠22は、収納2の前面のみならず、パイプスペース1の居室3に面した壁面11も含むようになされており、この扉枠22の内側に、壁点検口10が納まるようになされている。
【0015】
収納扉21は、三つの折れ戸から構成され、すべての折れ戸を引き伸ばした状態で、この扉枠22の内側全体に納まって、この扉枠22の内側全体を閉じることができるようになされている。
【0016】
このようにして構成される壁点検口10の隠蔽構造によると、収納2を開閉する収納扉21を閉じることによって、収納2のみならず、パイプスペース1の壁点検口10も隠すことができるので、居室3からの視界に壁点検口10が入ることも無く、壁点検口10周りを綺麗に納めることができる。
【0017】
また、この壁点検口10を隠している収納扉21を開ければ、壁点検口10は、容易に居室3に露出することとなる。したがって、パイプスペース1内の排水管12などの保守点検を行うような場合には、居室3側からこの壁点検口10を介して容易に行うことができる。
【0018】
さらに、図4に示すように、この収納2は、パイプスペース1の壁面11の部分まで扉枠22が設けられているので、開けた際に折り畳まれた収納扉21を、パイプスペース1の壁面11側にまとめてスライド移動させることにより、収納2全体を開口させることができる。通常だと、開けた際に折り畳まれた収納扉21が収納2の前面の何れかの位置に位置することとなるが、このように収納扉21を壁面11の部分にスライド移動させることにより、収納2全体を開口させることが可能となる。したがって、この収納2は、収納扉21が邪魔になることなく、収納2内の模様替えなどを容易に行うことができる。
【0019】
なお、本実施の形態において、パイプスペース1、壁点検口10、収納2のそれぞれの大きさについては、特に限定されるものではなく、居室3の間取りなどに応じて適宜変更される。
【0020】
また、本実施の形態において、壁点検口10は、枠体10aにパネル10bをビス止めするようになされているが、この壁点検口10としては、特に限定されるものではなく、例えば、枠体10aにパネル10bをマグネット(図示省略)で止めるようになされたものであってもよいし、枠体10aに嵌め込んだパネル10bを、樹脂製の枠材(図示省略)で止めるようになされたものなどであってもよい。
【0021】
さらに、本実施の形態において、収納扉21は、折れ戸によって構成されているが、この収納扉21としては、特に限定されるものではなく、例えば、開き戸であってもよいし、引き戸であってもよいし、伸縮戸などであってもよい。
【0022】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によると、壁点検口を居室に面して壁面に設けているので、点検作業を容易に行うことができる。また、この壁点検口は、普段は、収納前面に設けられる収納扉によって隠蔽されるので、壁点検口周りの枠体や固定ビスなどが目立つ事も無く、綺麗に納めることができる。さらに、収納は、開けた際に折りたたまれた収納扉を壁面側にまとめてスライド移動させることにより、収納全体を開口できるとともに、このように収納全体を開口した状態でも、折りたたまれた収納扉によって壁点検口を隠蔽することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る壁点検口の隠蔽構造を示す正面図である。
【図2】本発明に係る壁点検口の隠蔽構造において、収納扉の内側を示す正面図である。
【図3】本発明に係る壁点検口の隠蔽構造を示す水平断面図である。
【図4】本発明に係る壁点検口の隠蔽構造の使用状態を示す水平断面図である。
【符号の説明】
1 パイプスペース
10 壁点検口
11 壁面
2 収納
21 収納扉
3 居室
Claims (1)
- 収納に隣接してパイプスペースが設けられ、このパイプスペースは、居室に面した壁面に壁点検口が設けられるとともに、この壁面の部分まで扉枠が設けられ、この壁点検口は、収納前面に設けられる収納扉を開けた状態で露出し、閉じた状態で隠蔽されるとともに、開けた際に折りたたまれた収納扉を壁面側にまとめてスライド移動させることにより、収納全体を開口できるようになされたことを特徴とする壁点検口の隠蔽構造。
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