JP3909536B2 - 硬質発泡合成樹脂の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリウレタンフォームなどの発泡合成樹脂の製造方法に関し、詳しくは、特定の発泡剤を用いた硬質発泡合成樹脂の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
イソシアネート基と反応しうる活性水素含有官能基を2個以上有する活性水素化合物とポリイソシアネート化合物とを触媒および発泡剤の存在下に反応させて発泡合成樹脂を製造することは、広く行われている。
活性水素化合物としては、例えばポリヒドロキシ化合物やポリアミン化合物がある。得られる発泡合成樹脂としては、例えばポリウレタンフォーム、ポリイソシアヌレートフォーム、ポリウレアフォームなどがある。また、比較的低発泡の発泡合成樹脂としては、例えば合成木材などがある。
【0003】
上記発泡合成樹脂を製造するための発泡剤としては、種々の化合物が知られているが、主にはトリクロロフルオロメタン(以下、CFC−11)が使用されてきた。また、通常CFC−11とともにさらに水が併用される。さらに、フロス法などで発泡を行う場合には、これらとともにより低沸点の(常温常圧下で気体の)ジクロロジフルオロメタン(以下、CFC−12)が併用されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来広く使用されていたCFC−11やCFC−12などの大気中できわめて安定な塩素化フッ素化炭素(以下、「塩素化フッ素化炭素」を「CFC」という)は、分解されないまま大気層上空のオゾン層にまで達して、そこで紫外線などの作用により分解され、その分解物がオゾン層を破壊するのではないかと考えられるようになった。
【0005】
発泡剤として使用された上記のようなCFCは、その一部が大気中に漏出するため、その使用はオゾン層破壊の原因の一部になるのではないかと危惧されている。分子中に水素原子を有することから大気上空のオゾン層到達前に分解し、危険性が少ないと考えられる、2,2−ジクロロ−1,1,1−トリフルオロエタンや1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン、モノクロロジフルオロメタン等の水素化塩素化フッ素化炭素(以下、「水素化塩素化フッ素化炭素」を「HCFC」という)が発泡剤として提案され、使用が広まっているが、これらの物質もオゾン破壊係数を有しており、本質的な解決策とはなり得ない。したがって、このようなCFCやHCFCに代えて、それよりオゾン層破壊のおそれの少ない発泡剤、および発泡合成樹脂製造技術の開発が望まれている。
【0006】
CFCやHCFCの代替発泡剤として、水素化フッ素化炭素(以下、「水素化フッ素化炭素」を「HFC」という)を使用することが提案されている。
特開平2−235982には、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンがポリウレタンフォームを製造するための発泡剤として使用しうることが記載されている。また特開平5−239251には、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンと水を用いて硬質ポリウレタンフォームを製造する方法が記載されている。
【0007】
しかし、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンのみを発泡剤として用いた場合や1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンと水のみを発泡剤として用いた場合は、均一なセルサイズの発泡合成樹脂が得られ難い問題があった。また、セルが形成される発泡反応初期において、セルが形成されるまでに外的要因でセルの一部が破壊される可能性があり、破壊された場合、発泡合成樹脂の表面平滑性に欠陥が生じ、表面外観が損なわれる問題があった。
【0008】
また、特開平3−7738には、1,1,1,2−テトラフルオロエタンを発泡剤として使用しうることが記載されている。しかし、1,1,1,2−テトラフルオロエタンのみを発泡剤として用いた場合は、フロスボイドが生じやすく、表面外観等に悪い影響をもたらす問題があった。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は前述の課題を解決すべくなされたものであり、イソシアネート基と反応しうる活性水素含有官能基を2個以上有する活性水素化合物とポリイシソアネート化合物とを発泡剤の存在下に反応させて発泡合成樹脂を製造する方法において、水と、炭素数3〜6の炭化水素から選ばれる少なくとも1種、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(HFC−245fa)、および1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC−134a)の3種とからなり、HFC−245faとHFC−134aとの割合が重量比で20〜99/1〜80の割合であり、かつ前記3種の合計量に対する炭素数3〜6の炭化水素の割合が超20重量%以下(ただし、0重量%を除く。)である発泡剤を用いることを特徴とする硬質発泡合成樹脂の製造方法を提案するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明はHFC−245faとHFC−134aを併用することを特徴とする。これらの発泡剤を併用することにより、本発明では均一なセルを有する良好な発泡合成樹脂が得られる。
【0011】
HFC−245faを単独で使用した場合は、均一なセルサイズの発泡合成樹脂が得られ難い。また、セルが形成される発泡反応初期において、セルが形成されるまでに外的要因でセルの一部が破壊される可能性があり、破壊された場合、発泡合成樹脂の表面平滑性に欠陥が生じ、表面外観が損なわれる。また、HFC−134aを単独で用いると、フロスボイドが生じやすく、表面外観等に悪い影響をもたらす。いずれの場合も、大型の成形物を成形すると、熱伝導率や、表面外観、寸法安定性が悪い問題がある。
【0012】
HFC−245faとHFC−134aとの使用比率は重量比で20〜99/1〜80であり、40〜99/1〜60であることが特に好ましい。
本発明において、発泡剤として、水と、炭素数3〜6の炭化水素から選ばれる少なくとも1種、HFC−245fa及びHFC−134aの3種とを併用する。水の使用量は後述するとおりである。
【0013】
水を除く全発泡剤における、炭素数3〜6の炭化水素の割合は20重量%以下(ただし、0重量%を除く。)であり、10重量%以下が好ましく、5重量%以下が特に好ましい。
炭素数3〜6の炭化水素の割合が20重量%を超えると発泡剤成分の引火性が顕著になるため、好ましくない。炭化水素を併用することにより、見かけ上発泡剤沸点が上昇するため、HFC−134a成分の割合が比較的多い系でも作業性が向上する。
【0014】
炭素数3〜6の炭化水素としては、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、シクロペンタン、n−ヘキサン、イソヘキサン、シクロヘキサン、などがある。シクロペンタンが好ましい。
【0015】
炭素数3〜6の炭化水素から選ばれる少なくとも1種、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンおよび1,1,1,2−テトラフルオロエタンの使用比率はこの順に重量比で1〜20/15〜80/1〜75であることが好ましい。該使用比率は1〜10/15〜80/19〜75が好ましく、1〜5/40〜80/19〜50が特に好ましい。
【0016】
本発明において使用できる活性水素化合物としては、2個以上の水酸基を有する化合物として広く使用されているポリオールが好ましい。2個以上のフェノール性水酸基を有する化合物(例えば、フェノール樹脂初期縮合物)やアミンなども活性水素化合物として用いることができる。本発明において活性水素化合物としては下記に説明するポリオールのみを使用するか、ポリオールとフェノール性水酸基を有する化合物やアミンの併用が好ましい。
【0017】
ポリオールとしては、ポリエーテル系ポリオール、ポリエステル系ポリオール、主鎖が炭化水素系ポリマーからなり末端部分に水酸基を導入してなるポリマー(以下、末端に水酸基を有する炭化水素系ポリマーという)、多価アルコールなどが挙げられる。
活性水素化合物は、ポリオールのみからなることが好ましく、ポリエーテル系ポリオールのみからなるか、またはそれを主成分としてポリエステル系ポリオールの少量や末端に水酸基を有する炭化水素系ポリマーの少量との混合物であることが特に好ましい。
【0018】
ポリエーテル系ポリオールとしては、環状エーテルが反応しうる活性水素を含有する化合物をイニシエータとして触媒の存在下、環状エーテルを反応させて得られるものが好ましい。
【0019】
イニシエータとしては次の化合物またはそれらの化合物に少量の環状エーテルを付加した化合物が挙げられる。それらの2種以上の混合物をイニシエータとして使用してもよい。
エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、グリセリン、トリメチロールプロパン、1,2,6−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ジグリセリン、テトラメチロールシクロヘキサン、メチルグルコシド、ソルビトール、マンニトール、ズルシトール、シュークロース等の多価アルコール、糖類。ビスフェノールA、フェノール−ホルムアルデヒド初期縮合物等の多価フェノール。モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、イソプロパノールアミン、N−(2−アミノエチル)エタノールアミン等のアルカノールアミン。エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ピペラジン、アニリン、アンモニア、N−アミノメチルピペラジン、N−(2−アミノエチル)ピペラジン、4−メチル−1,3−フェニレンジアミン、2−メチル−1,3−フェニレンジアミン、4,4’−ジフェニルメタンジアミン、キシリレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等のアミン。
【0020】
本発明に使用する環状エーテルとしては環内に1個の酸素原子を有する3〜6員環の環状エーテル化合物があり、具体的には下記の化合物が挙げられる。
エチレンオキシド、プロピレンオキシド、イソブチレンオキシド、1−ブチレンオキシド、2−ブチレンオキシド、トリメチルエチレンオキシド、テトラメチルエチレンオキシド、ブタジエンモノオキシド、スチレンオキシド、α−メチルスチレンオキシド、エピクロロヒドリン、エピフルオロヒドリン、エピブロモヒドリン、グリシドール、ブチルグリシジルエーテル、ヘキシルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、2−クロロエチルグリシジルエーテル、ο−クロロフェニルグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、シクロヘキセンオキシド、ジヒドロナフタレンオキシド、3,4−エポキシ−1−ビニルシクロヘキサン等の3員環状エーテル基を有する化合物。オキセタン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等の4〜6員環状エーテル基を有する化合物。
【0021】
好ましくは、3員環状エーテル基を1個有する化合物(モノエポキシド)であり、特に好ましい環状エーテルは、炭素数2〜4のアルキレンオキシドであるエチレンオキシド、プロピレンオキシド、イソブチレンオキシド、1−ブテンオキシド、2−ブテンオキシドである。最も好ましい環状エーテルはプロピレンオキシド、またはプロピレンオキシドとエチレンオキシドの組み合わせである。
環状エーテルは2種以上併用でき、その場合、それらを混合して反応させたり、順次反応させたりできる。
【0022】
ポリエステルポリオールとしては、例えば多価アルコールと多価カルボン酸との重縮合によって得られるポリエステルポリオールがある。そのほか、ヒドロキシカルボン酸の重縮合、環状エステル(ラクトン)の重合、ポリカルボン酸無水物への環状エーテルの重付加、廃ポリエチレンテレフタレートのエステル交換反応により得られるポリエステルポリオールなどがある。
末端に水酸基を有する炭化水素系ポリマーとしては水添ポリブタジエンポリオール、ポリブタジエンポリオールなどが挙げられる。
【0023】
多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、グリセリン、トリメチロールプロパン、1,2,6−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ジグリセリン、テトラメチロールシクロヘキサン、メチルグルコシド、ソルビトール、マンニトール、ズルシトール、シュークロース等の多価アルコール、糖類などが挙げられる。
【0024】
また、ポリオールとして、ポリマーポリオールまたはグラフトポリオールと呼ばれる主にポリエーテル系ポリオール中にビニルポリマーの微粒子が分散したポリオール組成物を使用することもできる。
【0025】
発泡合成樹脂として、特に硬質ポリウレタンフォームを製造する場合にはポリオールの水酸基価は、200mg〜1000mgKOH/gが好ましく、350〜600mgKOH/gが特に好ましい。ポリオールは混合物であってもよく、その場合、それらの水酸基価の平均が200mg〜1000mgKOH/g、特に350〜600mgKOH/gであることが好ましい。
【0026】
上記ポリオール以外に活性水素化合物として使用できる2個以上のフェノール性水酸基を有する化合物としては、ビスフェノールA等のフェノール類の他、該フェノール類をアルカリ触媒の存在下で過剰のホルムアルデヒド類と縮合結合させたレゾール型初期縮合物、このレゾール型初期縮合物を合成する際に非水系で反応させたベンジリック型初期縮合物、過剰のフェノール類を酸触媒の存在下でホルムアルデヒド類と反応させたノボラック型初期縮合物などが挙げられる。これらの初期縮合物の分子量は、200〜10000程度が好ましい。
【0027】
上記においてフェノール類とは、ベンゼン環を形成する骨格の1個以上の炭素原子が直接水酸基と結合したものを意味し、その同一構造内に他の置換結合基を有するものも含まれる。代表的なものとしては、フェノール、クレゾール、ビスフェノールA、レゾルシノールなどがある。また、ホルムアルデヒド類は、特に限定されないが、ホルマリン、パラホルムアルデヒドなどが好ましい。
【0028】
上記ポリオール以外に活性水素化合物として使用できるアミンとしては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、イソプロパノールアミン、N−(2−アミノエチル)エタノールアミン等のアルカノールアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ピペラジン、N−アミノメチルピペラジン、N−(2−アミノエチル)ピペラジン、4−メチル−1,3−フェニレンジアミン、2−メチル−1,3−フェニレンジアミン、4,4’−ジフェニルメタンジアミン、キシリレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等の多価アミンが挙げられる。
【0029】
ポリイソシアネート化合物としては、イソシアネート基を平均して2個以上有する芳香族系、脂環族系、または脂肪族系のポリイソシアネート、それら2種以上の混合物、およびそれらを変性して得られる変性ポリイソシアネートがある。具体的には、例えば2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート(通称クルードMDI)、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどのポリイソシアネートやそれらのプレポリマー型変性体、ヌレート変性体、ウレア変性体、カルボジイミド変性体などがある。
【0030】
活性水素化合物とポリイソシアネート化合物を反応させる際、通常、触媒の使用が必要とされる。触媒としては、活性水素含有基とイソシアネート基の反応を促進させる有機スズ化合物などの金属化合物系触媒やトリエチレンジアミンなどの3級アミン触媒などが使用されうる。また、カルボン酸金属塩などのイソシアネート基どうしを反応させる多量化触媒も目的に応じて使用されうる。
【0031】
さらに、良好な気泡を形成するための整泡剤も多くの場合使用される。整泡剤としては、例えばシリコーン系整泡剤や含フッ素化合物系整泡剤などがある。その他、任意に使用しうる配合剤としては、例えば充填剤、安定剤、着色剤、難燃剤などがある。
【0032】
これらの原料を使用し発泡合成樹脂が得られる。発泡合成樹脂としてはポリウレタンフォーム、ウレタン変性ポリイソシアヌレートフォーム、ポリウレアフォーム、マイクロセルラーポリウレタンエラストマー、マイクロセルラーポリウレタンウレアエラストマー、マイクロセルラーポリウレアエラストマー等がある。ポリウレタンフォームは大別して硬質ポリウレタンフォーム、軟質ポリウレタンフォーム、半硬質ポリウレタンフォームがある。本発明における発泡合成樹脂はワンショット法、スプレー法、プレポリマー法、準プレポリマー法、RIM法などで製造できる。
【0033】
本発明は、発泡合成樹脂として、硬質ポリウレタンフォーム、ウレタン変性ポリイソシアヌレートフォーム、その他の硬質発泡合成樹脂を製造する方法である。本発明における発泡剤であるHFC−245faとHFC−134aの使用量は、活性水素化合物に対してHFC−245faとHFC−134aの合計が5〜150重量%が好ましく、20〜60重量%が特に好ましい。
【0034】
活性水素化合物に対して炭素数3〜6の炭化水素とHFC−245faとHFC−134aとの合計は、5〜180重量%が好ましく、20〜70重量%が特に好ましい。
また、それとともに、活性水素化合物(水は活性水素化合物としては含めない)に対して、水は1〜10重量%使用することが好ましく、1〜5重量%使用することがより好ましい。
【0035】
本発明は、特にハロゲン化炭化水素系発泡剤の使用量の多い分野である硬質発泡合成樹脂の製造において有用であり、硬質ポリウレタンフォーム、ウレタン変性ポリイソシアヌレートフォーム、その他の硬質発泡合成樹脂の製造において有用である。硬質ポリウレタンフォームの製造に特に適する。活性水素化合物として、水酸基価200〜1000mgKOH/gのポリオールを用いて硬質ポリウレタンフォームを製造する方法として特に適する。
【0036】
【実施例】
以下に、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
下記のポリオールa〜dを表1に示した重量比率(E〜G)で使用した。発泡剤としては、HFC−245faとHFC−134aとシクロペンタンとを表2に示した重量比率(H〜N)で混合したものを使用した。
【0037】
ポリオールa:グリセリンにプロピレンオキシドを反応させて得られた水酸基価420のポリエーテルポリオール。
ポリオールb:シュークロースにプロピレンオキシドを反応させた後、エチレンオキシドを反応させて得られた、オキシエチレン基含有量10重量%の水酸基価450のポリエーテルポリオール。
ポリオールc:エチレンジアミンにプロピレンオキシドを反応させて得られた水酸基価440のポリエーテルポリオール。
ポリオールd:4−メチル−1,3−フェニレンジアミンにプロピレンオキシドを反応させた後、エチレンオキシドを反応させて得られた、オキシエチレン基含有量15重量%の水酸基価450のポリエーテルポリオール。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
発泡評価は次のように行った。すなわち、上記E〜Gの比率で混合してなるポリオール100重量部に対し、水2重量部と表3、4に示した種類と使用量(重量部)の発泡剤、シリコーン系整泡剤2重量部、および、触媒としてN,N−ジメチルシクロヘキシルアミンをゲルタイムが45秒となるための必要量を混合しポリオール混合液を得た。該ポリオール混合液と、ポリメチレンポリフェニルイソシアネートとを、インデックスが110となるように、液温20℃で混合し、200mm×200mm×200mmの木製のボックス内に投入し、発泡させ硬質ポリウレタン発泡体を得た。なお、発泡剤の使用量は発泡合成樹脂体のコア密度が30±2kg/m3 となるように調整した。
【0041】
次に得られた硬質ポリウレタン発泡体を評価した。発泡剤のポリオール混合物に対する相溶性および発泡体外観の評価は、○:良好、△:可(やや良好)、×:不可(不良)、の判定基準で行った。寸法安定性の評価は−30℃で24時間放置する前後での発泡体のコア部の厚み方向の変化率を測定した。寸法変化率が3%未満を○(良好で使用上問題なし)、3%超〜5%未満を△(可、使用上問題は少ない)、5%超を×(不可、使用上問題あり)、の判定基準で行った。熱伝導率の評価は、熱伝導率の値が0.0150kcal/mhr℃以下を○(良好で使用上問題なし)、0.0150kcal/mhr℃超0.0165kcal/mhr℃以下を△(可、使用上問題は少ない)、とした。結果を表に示す。
【0042】
【表3】
【0043】
【表4】
【0044】
【発明の効果】
本発明は、オゾン層破壊のおそれのある、CFCやHCFCを実質的に使用することなく、良好な発泡合成樹脂を製造できるという効果を有する。
Claims (3)
- イソシアネート基と反応しうる活性水素含有官能基を2個以上有する活性水素化合物とポリイシソアネート化合物とを発泡剤の存在下に反応させて発泡合成樹脂を製造する方法において、水と、炭素数3〜6の炭化水素から選ばれる少なくとも1種、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(HFC−245fa)、および1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC−134a)の3種とからなり、HFC−245faとHFC−134aとの割合が重量比で20〜99/1〜80の割合であり、かつ前記3種の合計量に対する炭素数3〜6の炭化水素の割合が20重量%以下(ただし、0重量%を除く。)である発泡剤を用いることを特徴とする硬質発泡合成樹脂の製造方法。
- 前記発泡剤の炭素数3〜6の炭化水素から選ばれる少なくとも1種、HFC−245faおよびHFC−134aの重量比が、1〜20/15〜80/1〜75の割合である、請求項1に記載の硬質発泡合成樹脂の製造方法。
- イソシアネート基と反応しうる活性水素含有官能基を2個以上有する活性水素化合物として、水酸基価200〜1000mgKOH/gのポリオールを用いる請求項1、または2に記載の硬質発泡合成樹脂の製造方法。
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