JP3908432B2 - 不揮発性半導体記憶装置及びその書き込み方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は不揮発性半導体記憶装置とその書き込み方法に係り、特にNAND構造を有するメモリセルアレイにおいて、メモリセルへの記憶データの誤書き込みを生じる恐れがないNAND型不揮発性半導体記憶装置とその書き込み方法に関するものである。また、ページ単位での記憶データの書き換えができるNAND型不揮発性半導体記憶装置とその書き換え方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の不揮発性半導体記憶装置にはメモリセルにフローティングゲートを備え、複数の前記メモリセルが隣り合うソース・ドレイン領域を共通にして直列に接続されたNAND束をアレイ状に配列したNAND型不揮発性半導体記憶装置と呼ばれるものがある。
【0003】
このNAND型不揮発性半導体記憶装置において、メモリセルはフローティングゲートとコントロールゲートの積層構造からなるスタックドゲート型の構造を有し、半導体基板表面とフローティングゲートとの間のトンネル酸化膜を介してフローティングゲートに電子を注入又は放出することによりメモリセルのしきい値を変化させ、記憶データの書き込み、読み出し、及び消去動作を行う。
【0004】
従来のNAND型不揮発性半導体記憶装置において、書き込みや読み出し動作は1つのコントロールゲート線(ワード線)に接続された全てのメモリセルに対して同時に行われる。この書き込み/読み出し単位を、以下ページと呼ぶことにする。また消去動作は一つのロウデコーダにより選択される全てのNAND束に対して行われる。この消去単位を以下ブロックと呼ぶ。
【0005】
従来のNAND型フラッシュメモリには、セルフブート書き込み方法(例えばK.D.Suh et al.,IEEE Journal of Solid-State Circuits,vol.30,No.11(1995)参照)が一般に採用されている。
【0006】
この書き込み方法では、NAND束を選択するドレイン側のセレクトゲートトランジスタのゲートにVcc、NAND束内の非選択メモリセルのコントロールゲートに10V程度の中間電位を与え、NAND束のソース側のセレクトゲートトランジスタのゲートに0Vを与えてオフ状態とし、選択されたメモリセルのコントロールゲートに20V程度の書き込み用高電圧Vpgmを与える。
【0007】
“0”データを書き込む場合には、ドレイン側のセレクトゲートトランジスタと非選択メモリセルのチャンネル部を介して、ビット線の0Vが選択されたメモリセルのチャンネル部まで伝達され、トンネル酸化膜に加わる高電界によりトンネル電流がトンネル酸化膜に流れ、電子がフローティングゲートに注入される。このためメモリセルのしきい値が正の側に変化する。
【0008】
また“1”データ書き込みむ場合には、ビット線からセルのチャンネル部を初期充電してドレイン側のセレクトゲートトランジスタをオフ状態にし、その後チャンネル部の電位を非選択メモリセルのコントロールゲートとチャンネル部とのカップリングにより上昇させることでトンネル電流を阻止し、メモリセルの負のしきい値を維持させる。
【0009】
“1”データ書き込み時に消去状態のメモリセルのしきい値を正の方向に変化させないためには、“1”データ書き込み時において、選択メモリセルと同一のNAND束に直列に接続された複数個の非選択メモリセルのコントロールゲートに、できるだけ高い電圧を印加することが望ましい。しかし、非選択メモリセルに高い電圧を印加するほど、逆に“0”データ書き込みのビット線に接続された非選択メモリセルに対しては誤書き込みし易くなるという問題がある。
【0010】
このため、従来は“1”データ書き込み時の選択メモリセルの誤書き込み耐性と、“0”データ書き込み時の非選択メモリセルの誤書き込み耐性が同程度となるように、非選択メモリセルに印加する中間電位を設定している。しかし、従来のNAND型不揮発性半導体記憶装置では、この制限によりページ単位での書き換えを行うと容易に誤書き込みを生じるという問題があった。次にその理由を説明する。
【0011】
通常消去後や読み出し後には、Pウエル領域表面における負のしきい値をもつメモリセルのチャンネル部に多数の電子が存在する。このため、書き込み動作時において書き込み電圧Vpgmが印加される選択メモリセルのチャンネル電位は、電子の再分布により中間電位が印加されるメモリセルのチャンネル電位とほぼ等しくなる。
【0012】
書き込み時にロウデコーダ回路により選択されるNAND束内のメモリセルは1個であるのに対して、例えばNAND束が8個のメモリセルからなる場合、同じNAND束内の非選択メモリセルの数は7個と多数を占めるため、選択されたメモリセルのチャンネル電位は、実効的に非選択メモリセルに印加される中間電位で決定される。
【0013】
このため、従来のNAND型不揮発性半導体記憶装置では、書き込み時の非選択メモリセルのゲート電極に印加される中間電位を10Vより下げれば“1”データ書き込みのメモリセルへの誤書き込みを生じることになる。
【0014】
また、従来のNAND型不揮発性半導体記憶装置において、消去動作がメモリセルアレイのブロックごとに行われ、ページ単位での記憶データの書き換えができないという問題があった。このページ単位の書き換えをブロック内の特定ページアドレスについてのみ連続して実行すれば、同じブロック内の他の7ページのメモリセルの消去しきい値が上昇し“0”データに変化するからである。
【0015】
このため、従来のNAND型不揮発性半導体記憶装置の書き換え単位はブロックに限定されていた。このように、消去単位のブロックと書き込み単位のページが異なるため、従来のNAND型不揮発性半導体記憶装置の制御系にはNAND束を構成するページ分のDRAMやSRAMからなるバッファメモリを内部に備える必要があった。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように従来のNAND型不揮発性半導体記憶装置は、“1”データ書き込みに際し、NAND束内の非選択メモリセルのコントロールゲートにできるだけ高い電圧を印加することが望ましいが、非選択メモリセルに高い電圧を印加するほど“0”データ書き込みのビット線に接続された非選択メモリセルへの誤書き込みを生じ易くなるという問題があった。
【0017】
また、“1”データ書き込み時の選択メモリセルの誤書き込み耐性と、“0”データ書き込み時の非選択メモリセルの誤書き込み耐性が同程度となるように非選択メモリセルに印加する中間電位を設定しているので、ページ単位での書き換えを行うと容易に誤書き込みを生じるという問題があった。
【0018】
本発明は上記の問題点を解決すべくなされたもので、従来のNAND型不揮発性半導体記憶装置における誤書き込みの発生を回避する手段を提供することを第1の目的とする。また、“1”データ書き込み時の誤書き込みストレスを減少させることにより、記憶データの書き換えを複数ページからなるブロック単位から1ページからなるセクター単位に縮小することが可能なNAND型不揮発性半導体記憶装置を提供することを第2の目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明の不揮発性半導体記憶装置及びその書き込み方法は、選択されたブロックのメモリセルの制御ゲート電圧を0Vに設定し、NAND型メモリセルが形成されるPウエルに、消去電圧よりも低い所定の電圧を印加するチャネル電子放出動作を実行した後、通常のトンネル電流による書き込みを行う手段を具備することを主な特徴とする。
【0020】
具体的には本発明の不揮発性半導体記憶装置の書き込み方法は、第1導電型の第1の半導体領域内に第2導電型の第2の半導体領域を形成し、この第2の半導体領域の表面上に、電気的に書き換え可能な複数の不揮発性メモリセルを直列に接続したNAND束からなるマトリックス状の配列を備える不揮発性半導体記憶装置において、前記NAND束の全てのメモリセルの制御ゲートに第1の電圧を設定し、少なくとも前記第2の半導体領域に前記第1の電圧よりも高い第2の電圧を印加することにより、前記メモリセルのチャンネル内の電子を排出する第1のステップと、引き続き前記NAND束内の選択されたメモリセルの制御ゲートに前記第2の電圧よりも高い第3の電圧を印加することにより、前記メモリセルに記憶データを書き込む第2のステップとを備えることを特徴とする。
【0021】
好ましくは前記不揮発性半導体記憶装置の書き込み方法において、前記第1の半導体領域はP型基板上に形成されたNウエル領域であり、前記第2の半導体領域は前記Nウエル領域内に形成されたPウエル領域であることを特徴とする。
【0022】
また好ましくは前記不揮発性半導体記憶装置の書き込み方法において、前記第1の電圧は接地電圧であり、前記第2の電圧は読み出し動作時に前記NAND束内の非選択メモリセルに印加する電圧にほぼ等しいことを特徴とする。
【0023】
また好ましくは前記不揮発性半導体記憶装置の書き込み方法において、前記第1の電圧は負の電圧であり、前記第2の電圧は接地電圧であることを特徴とする。
【0024】
本発明の不揮発性半導体記憶装置の記憶データの書き換え方法は、ページ単位での書き換え動作の対象とする1ページの選択メモリセルが含まれたメモリセルブロックを選択する第1のステップと、このメモリセルブロックにおける前記1ページの選択メモリセルのページアドレスに対応する制御ゲート線に所定の電圧を印加し、前記メモリセルブロックにおける全ての非選択メモリセルの制御ゲート線に前記所定の電圧よりも高い消去用の高電圧を印加し、かつ前記第1、第2の半導体領域に前記消去用の高電圧を印加することにより前記1ページの選択メモリセルのしきい値を消去状態に設定すると共に、前記メモリセルブロックにおける全ての非選択メモリセルのしきい値を維持する第2のステップと、前記メモリセルブロックの全てのメモリセルの制御ゲート電圧を第1の電圧に設定し、少なくとも前記第2の半導体領域に前記第1の電圧より高い第2の電圧を印加することにより前記メモリセルブロックの全てのメモリセルのチャンネル内の電子を排出する第3のステップと、前記消去状態にされた前記1ページの選択メモリセルに所定の記憶データを書き込む第4のステップとを含むことを特徴とする。
【0025】
本発明の不揮発性半導体記憶装置は、第1導電型の第1の半導体領域内に形成された第2導電型の第2の半導体領域と、この第2の半導体領域の表面上に形成された電気的に書き換え可能な複数の不揮発性メモリセルを直列に接続したNAND束からなるマトリックス状の配列とを備え、消去動作において前記第1、第2の半導体領域にデータ消去用の高電圧を供給し、書き込み動作の第1の期間内において少なくとも前記第2の半導体領域に前記消去用の高電圧より低い第1の電圧を供給し、書き込み動作の第2の期間内において少なくとも前記第2の半導体領域に所定の第2の電圧を供給するバイアス手段と、前記書き込み動作の第1の期間内において前記NAND束内の選択されたメモリセルの制御ゲートに前記第1の電圧より低い第3の電圧を供給し、前記書き込み動作の第2の期間内において前記NAND束内の選択されたメモリセルの制御ゲートに前記第2の電圧より高い書き込み用高電圧を供給するデコード手段とを具備することを特徴とする。
【0026】
好ましくは前記不揮発性半導体記憶装置は、前記NAND束のマトリックス状の配列からなる電流通路の一端にそれぞれ接続されたビット線と、外部から入力された書き込みデータを一時的に記憶し、前記ビット線を介して選択されたメモリセルのデータを読み出すデータラッチ回路とを備え、前記書き込み動作の第1の期間内において前記ビット線と前記データラッチ回路とを電気的に切り離す手段を具備することを特徴とする。
【0027】
また好ましくは、前記不揮発性半導体記憶装置は、前記書き込み動作終了後にベリファイ読み出しを行う手段をさらに備え、前記ベリファイ読み出しを行う手段は、メモリセルのしきい値が所定の値に変化している場合には追加書き込み動作を禁止する手段と、メモリセルのしきい値が所定の値に変化していない場合には追加書き込み動作の第1の期間内に前記第1の電圧を少なくとも前記第2の半導体領域に供給する手段と、追加書き込み動作の第2の期間内に前記書き込み用高電圧より所定の電圧だけ高い第2の書き込み用高電圧を前記選択されたメモリセルの制御ゲートに供給する書き込み制御手段とからなることを特徴とする。
【0028】
本発明の不揮発性半導体記憶装置は、NAND束のマトリックス状の配列からなる電流通路の一端にそれぞれ接続された第1のセレクトゲートトランジスタと、この第1のセレクトゲートトランジスタを介して前記電流通路の一端にそれぞれ接続されたビット線と、外部から入力された書き込みデータを一時的に記憶し、書き込みデータに基づき所定の電圧を前記ビット線にそれぞれ供給するデータラッチ回路と、前記NAND束のマトリックス状の配列からなる電流通路の他端にそれぞれ接続された第2のセレクトゲートトランジスタと、消去動作において、前記第1、第2の半導体領域に消去用高電圧を供給し、書き込み動作の第1の期間内において、少なくとも前記第2の半導体領域に前記消去用高電圧より低い第1の電圧を供給し、書き込み動作の第2の期間内において、少なくとも前記第2の半導体領域に所定の第2の電圧を供給するバイアス手段と、前記書き込み動作の第1の期間内において、前記NAND束内の全てのメモリセルの制御ゲートに前記第1の電圧より低い第3の電圧を供給し、前記書き込み動作の第2の期間内において、前記NAND束内の選択されたメモリセルの制御ゲートに前記第2の電圧より高い書き込み用高電圧を供給すると共に、前記NAND束内の非選択メモリセルの制御ゲートに所定の前記書き込み用高電圧より低い第4の電圧を供給するデコード手段とを備え、前記デコード手段は、前記書き込み動作の第2の期間内において、NAND束内の非選択のメモリセルの制御ゲートに前記第4の電圧を供給した後に、前記第1のセレクトゲートトランジスタのゲート電極に、前記ビット線電位が低レベルの場合に前記第1のセレクトゲートトランジスタが導通状態となるような所定の電圧を供給することを特徴とする。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。はじめに、図1、図2及び図3を用いて、本発明の第1の実施の形態に係るNAND型不揮発性半導体記憶装置の構成例について説明する。
【0030】
図1は第1の実施の形態に係るNAND型不揮発性半導体記憶装置のメモリセル部の断面構造である。このメモリセルはコントロールゲート1乃至8とフローティングゲート9乃至16とを積層したスタックドゲート型のゲート構造を備え、8個のメモリセルが直列に接続されて1つのNAND束を構成している。
【0031】
コントロールゲート1乃至8とフローティングゲート9乃至16との間には厚さ15nm程度の酸化膜が形成され、フローティングゲート9乃至16とP−ウエル領域23との間には、厚さ8nmのトンネル酸化膜が形成される。これらの8個のメモリセルの電流通路は、セレクトゲートトランジスタ17、18を介してソース線19とビット線21に接続され、Pウエル領域23内のメモリセルとセレクトゲートトランジスタのチャンネルとの間には、N+型拡散層22からなるソース・ドレイン領域がイオン注入法により形成される。
【0032】
セレクトゲートトランジスタ17のドレイン側N+型拡散層22は、タングステンが埋め込まれたコンタクトホール20を介して2層目メタルからなるビット線21に接続される。このビット線21は、メモリセル領域に隣接して設けられたデータラッチ回路に電気的に接続される。
【0033】
また、8個のメモリセルの電流通路は、セレクトゲートトランジスタ18のソース側N+型拡散層22と、タングステンが埋め込まれたコンタクトホール20とを介して1層目メタルからなるソース線19に電気的に接続される。Pウエル領域23はNウエル領域24内に形成され、周辺回路のPウエル領域(図示せず)から切り離されている。また、Nウエル領域24は周辺回路のPウエル領域やNウエル領域と同様にP型基板25内に形成される。
【0034】
図2は、2個のセレクトゲートトランジスタ17、18の間に直列に接続された8個のメモリセルからなるNAND束が、Pウエル内にマトリックス状に配置されたメモリセルアレイの回路構成を示す平面図である。図2において、図1に対応する部分には同様の参照番号を付している。
【0035】
図2に示すように、メモリセルアレイのカラム方向に沿ってn本(nは自然数)のビット線21−1乃至21−nが配置され、各ビット線に沿ってそれぞれ8個のNAND束が配置され、ドレイン側セレクトトランジスタのドレイン電極は各ビット線21−1乃至21−nに接続される。選択されたNAND束のセレクトゲート線とコントロールゲート線8本には、それぞれのNAND束に対応して設けられたロウデコーダ回路から所定の電圧が供給される。
【0036】
さらに具体的に示せば、ロウデコーダ1からはドレイン側セレクトゲート線1−17、ソース側セレクトゲート線1−18、メモリセルのコントロールゲート線1−1乃至1−8の計10本のゲート線がメモリセル領域に出力され、対応するセレクトゲートトランジスタとメモリセルのゲートにそれぞれ接続される。
【0037】
同様にして、ロウデコーダ2からは、ドレイン側セレクトゲート線2−17、ソース側セレクトゲート線2−18、メモリセルのコントロールゲート線2−1乃至2−8の計10本のゲート線がメモリセル領域に出力され、対応するトランジスタのゲートに接続される。ロウデコーダ3乃至8(図示せず)も同様に構成される。
【0038】
簡単のため、図2には10本のゲート線を接続したロウデコーダ回路8個とn本のビット線を有する場合が示されているが、第1の実施の形態では256MbのNAND型不揮発性半導体記憶装置を実施の対象としているので、例えば、カラム方向に沿ったビット線の数は4096本である。
【0039】
n本のビット線にはn個のデータラッチ回路DL1乃至DLnが接続される。これらのデータラッチ回路DL1乃至DLnは、書き込み時にはインターフェイス回路を介して入力される外部からの書き込みデータを記憶すると共に、読み出し時にはメモリセルの記憶データによって変化するビット線の電位をセンスして読み出しデータを記憶する。記憶された読み出しデータは、前述のインターフェイス回路を介して外部にシリアルに読み出すことができる。
【0040】
メモリセルのソース線19は、メモリセル領域内で共通に接続され、メモリセル領域の外側に配置されたソース線バイアス回路26に接続される。メモリセルが形成されるPウエル領域23はNウエル領域24により囲まれており、Pウエル領域23には、Pウエルバイアス回路27から電位が与えられ、Nウエル領域24にはNウェルバイアス回路28から電位が与えられる。これらのPウエルバイアス回路27とNウエルバイアス回路28は、メモリセル領域外の周辺回路に配置される。
【0041】
図3にPウエルバイアス回路27とNウエルバイアス回路28の制御系のブロック構成を示す。図3において、図2に対応する部分には同一の参照番号を付している。なお、ロウデコーダ29とメモリセルアレイ30は、この制御系の説明に必要な範囲内で図2の回路を簡略化して示しいる。
【0042】
外部からのコマンド信号はI/F回路31に入力され、コマンドデコーダ32で所要のデータにデコードされる。デコードされたコマンド信号は、それぞれチャンネル電子排出動作制御回路33と、読み出し制御回路34と、消去制御回路35と、書き込み制御回路36に、それぞれ所定のタイミングで入力される。
【0043】
チャンネル電子排出動作制御回路33及び読み出し制御回路34の出力信号はバイアス電圧Vreadの昇圧回路39の出力を制御し、消去制御回路35の出力信号は消去電位の昇圧回路38の出力を制御し、書き込み制御回路36の出力信号は、書き込み電圧Vpgmの昇圧回路37と前記Vreadの昇圧回路39の出力を制御する。
【0044】
これらの制御回路の出力信号は、ロウデコーダ29、ソース線バイアス回路26、Pウエルバイアス回路27、Nウエルバイアス回路28にも供給され、後述する動作を可能にしている
書き込み電圧Vpgmの昇圧回路37の出力はロウデコーダ29を介してメモリセルアレイ30の選択されたワード線に印加され、消去電位の昇圧回路38の出力はPウエルバイアス回路27とNウエルバイアス回路28を介して、Pウエル領域23とNウエル領域24に印加される。
【0045】
また、昇圧回路38の出力は、ロウデコーダ29を介して選択されたブロック内の非選択ワード線に印加される。また、Vreadの昇圧回路39の出力は、通常の読み出し動作と同様に読み出し時にロウデコーダ29を介して非選択メモリセルのコントロールゲート線に印加され、NAND束につながる非選択メモリセルをオン状態にするのに用いられる。
【0046】
また、本発明では後に説明するように、従来のセルフブート“1”書き込みにおける誤書き込み防止に用いる中間電圧と前記読み出しに用いるVreadとを共用することができるため、図3に示すPウエルバイアス回路27とNウエルバイアス回路28の制御系のブロック構成では、Vreadの昇圧回路39の出力をPウエルバイアス回路27とNウエルバイアス回路28にも供給している。このとき設計条件により、Pウエル領域23のみにVreadの昇圧回路39の出力を印加することも可能である。
【0047】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態では、図4のタイミング波形図を参照して、第1の実施の形態で説明したNAND型不揮発性半導体記憶装置の書き込み動作について述べる。書き込み動作の開始時には書き込みデータを1バイトづつ外部から入力し、データラッチ回路DL1乃至DLnに記憶させる。
【0048】
次に、書き込み動作に先立ち本発明の主な特徴をなすチャンネル電子排出動作を実施する。チャンネル電子排出動作はメモリセルのチャンネルの電子をPウエル側に排出するための動作であり、このチャンネル電子排出動作に引き続き書き込み動作を行えば、NAND型不揮発性半導体記憶装置の誤書き込み特性を大幅に改善することができる。
【0049】
先に述べたように、通常NAND型不揮発性半導体記憶装置の消去動作や読み出し動作の後には、Pウエル領域の表面に形成された負のしきい値をもつメモリセルのチャンネル部に多数の電子が存在する。このため、電子の再分布により、書き込み動作時において書き込み電圧Vpgmが印加される選択されたメモリセルのチャンネル電位は、中間電位が印加されるメモリセルのチャンネル電位とほぼ等しくなる。
【0050】
図4のタイミング波形図において、縦の破線の左側に示されるように、本発明では書き込み動作に先立ってチャンネル電子排出動作を実施することにより、書き込み動作の開始前にメモリセルのチャンネル部に存在する電子をPウエル側に吐き出すことが可能となり、引き続き行う書き込み時において、メモリセルのチャンネル部には電子が存在しない状況を作り出すことができる。
【0051】
この結果、選択されたメモリセルのチャンネル電位と非選択メモリセルのチャンネル電位は異なる値をとることが可能になり、高い書き込み電圧が印加される選択メモリセルのチャンネル電位は、中間電位が印加される非選択メモリセルのチャンネル電位より高くなる。このとき、メモリセルのチャンネル部には電子が存在しないので、従来のチャンネルブート効果における中間電位の役割はほぼ消滅することになる。
【0052】
従って、チャンネル電子排出動作を伴う本発明の書き込み方法では、書き込み時における非選択メモリセルのコントロールゲートに印加する中間電位を従来より低く設定しても、“1”書き込みの選択メモリセルに対する誤書き込みの耐性を大幅に向上させることができる。また、非選択メモリセルの中間電位が低く設定されているので、データ書き込みの際、非選択メモリセルのコントロールゲートに加わる中間電位のストレスによる非選択メモリセルへの誤書き込みの耐性も大幅に改善することができる。
【0053】
第2の実施の形態では、非選択メモリセルのコントロールゲートに与えられる中間電位は4V程度に設定される。これは“0”データ書き込みの際、選択されたメモリセルよりビット線側に配置された書き込み状態のメモリセルをオン状態にする必要があることから、中間電圧の値として“0”データ書き込みセルのしきい値より高い電圧を印加するためである。
【0054】
このように、第2の実施の形態では、例えば書き込み時の非選択メモリセルの中間電位を、非選択メモリセルのコントロールゲート線に印加する読み出し時における電圧Vreadと等しくすることができる。このため、中間電位の昇圧回路とVreadの昇圧回路とを共用することが可能となり(図3の昇圧回路39参照)、チップサイズが縮される利点がある。
【0055】
次に、第2の実施の形態の書き込み動作と各信号の動作タイミングについて、図4を用いてさらに具体的に説明する。チャンネル電子排出動作時には、データラッチ回路とビット線間の高耐圧トランジスタをオフ状態にし、また、メモリ領域外のソース線バイアス回路26とセルアレイ内のソース線19とを電気的に切り離し、ビット線及びソース線をフローティング状態にしてチャンネル電子排出動作を実施する。
【0056】
さらに、選択ブロックのロウデコーダ回路から出力される選択及び非選択メモリセルのコントロールゲート線(図4の選択及び非選択ワード線)の電圧は0Vに設定され、ドレイン側のセレクトゲート線SGDとソース側のセレクトゲート線SGS、及びP型基板も0Vに設定される。
【0057】
この状態でPウエルバイアス回路27とNウエルバイアス回路28から、Pウエル23とNウエル24に5V程度のチャンネル電子排出電圧を印加する。図4ではVread電圧を5Vとして説明している。
【0058】
このチャンネル電子排出電圧は、記憶データが書き込まれたメモリセルのしきい値をチャンネル電子排出動作時間内に低下させるほど高くはなく、また消去されたメモリセルの負のしきい値の絶対値より大きな電圧に設定される。Pウエル領域23に5Vを印加することでデプレッション化していた消去状態のメモリセルのチャンネル部に蓄えられた電子がPウエル領域23の側に吐き出される。
【0059】
このとき、ビット線とソース線に接続されたPウエル領域23内のN+型拡散層は順方向接続となるため、ビット線とソース線の電位は前述のチャンネル電子排出電圧より若干低い電圧になる。チャンネル電子排出動作の最後にPウエル領域23とNウエル領域24に印加した5Vを0Vに戻し、引き続き通常の書き込み動作が行われる。
【0060】
チャンネル中の電子の排出に要する時間は、通常のトンネル電流による書き込みや消去に要する時間に比べて短い。このため、チャンネル電子排出動作による書き込み時間の増加量は小さく実用上の問題にはならない。チャンネル電子排出動作と引き続き行う書き込み動作との間に数msec以上の間隔があると、熱的に発生した電子がメモリセルのチャンネル部に再度集まるため本発明の効果は得られない。このため、この間の時間は数10μsec程度に短くすることが望ましい。Nウエル領域24にもPウエル領域23と同電位を印加するのは、両者の間のPN接合が順方向にバイアスされのを防止するためである。
【0061】
前述のように、P型基板25内にNウエル領域24を形成し、さらにそのNウエル領域内にPウエル領域23を形成する構造のほか、基板25としてN型のウエハを使用し、Nウエルバイアス回路28とNウエル24を電気的に切り離し、Nウエル領域をフローティングにしてもNウエルからP型基板25に電流は流れることはないため、同じ効果が得られる。
【0062】
N型基板内にPウエル領域23を形成しても同様な効果が得られる。この場合は、チャンネル電子排出動作時にPウエル領域23と前記N型基板に同時に5Vを印加する。また、前記同様にPウエル領域23のみにチャンネル電子排出電圧を印加することも可能である。
【0063】
次に、チャンネル電子排出動作に引き続き実行される書き込み動作について説明する。書き込み動作の時間t1で選択ブロック内の8本のコントロールゲート信号を全てVread電圧に昇圧する。このVread電圧は、読み出し時に選択NAND束内の非選択メモリセルに印加される電圧であり、“0”データが書き込まれた非選択メモリセルのしきい値より2V程度高い電圧が好ましい。
【0064】
近年、不揮発性半導体記憶装置の電源電圧として、一般に3.3Vが用いられるため、メモリセルのしきい値の上限より2V程高い5Vの電圧Vreadは、不揮発性半導体記憶装置内の昇圧回路(図3の昇圧回路39)により形成される。また時間t1では、データラッチに記憶された書き込みデータに従い、ビット線ごとにビット線電位が0V、又は電源電圧Vddに設定される。
【0065】
まず、書き込みデータが“1”の場合について説明する。時間t1から時間t2の間、ドレイン側のセレクトゲート線の電圧SGDは0Vであり、ドレイン側セレクトゲートトランジスタはオフ状態となっている。このため、NAND束内のドレイン側のセレクトゲートトランジスタに隣接するメモリセルのチャンネル電位は、Vread電圧とメモリセルのカップリング比で決まる値まで上昇する。
【0066】
例えばメモリセルのしきい値が2Vであると仮定する。このメモリセルの表面ポテンシャルはおよそ1.5V程度まで上昇する。この結果セレクトゲートトランジスタのしきい値電圧が1Vであるとすれば、ドレイン側セレクトゲートトランジスタはオフ状態を維持する。
【0067】
次に、時間t2において、選択メモリセルのコントロールゲート線に書き込み用高電圧Vpgmが供給される。本発明では前述のチャンネル電子排出動作によりすでにチャンネル下の電子が全て排出されているため、選択された書き込みメモリセルのチャンネルポテンシャルは書き込み用高電圧Vpgmに近い値まで上昇する。このため、選択された“1”データ書き込みメモリセルの消去しきい値は、従来のNAND型不揮発性半導体記憶装置に比べて変化し難い。
【0068】
次に、書き込みデータが“0”の場合について説明する。データ書き込み情報“0”を記憶するデータラッチ回路に接続されたビット線の電位は、0Vに設定され、ドレイン側セレクトゲート線の電圧SGDが時間t2で2.5Vに上昇すればドレイン側セレクトゲートトランジスタはオン状態となる。
【0069】
このため、ビット線の電位0Vが非選択メモリセルのチャンネルを介して選択メモリセルのチャンネル部まで伝達され、選択メモリセルのトンネル酸化膜にはトンネル現象を生じるに十分な電界が印加される。
【0070】
前述のチャンネル電子排出動作は、メモリセルのコントロールゲートに0Vを供給し、Pウエル領域23に5Vを供給することにより、メモリセルのチャンネル中における不要な電子を排出する例について説明したが、メモリセルのコントロールゲートにマイナス5Vを供給し、セルPウエルを0Vに接地する方法を用いても同一の効果が得られる。この場合ロウデコーダ内に負の電圧を発生する回路が必要になる。
【0071】
次に、図5を用いて本発明の第3の実施の形態について説明する。第3の実施の形態では、図5に示す処理フローを参照して、第1の実施の形態で説明したNAND型不揮発性半導体記憶装置のオート書き込み動作について説明する。
【0072】
NAND型不揮発性半導体記憶装置において読み出し動作を行うためには、
“0”データが書き込まれたメモリセルのしきい値が、読み出し電圧Vreadより低くなるように制御する必要がある。しかし、メモリセルの書き込み特性は各メモリセルごとに異なり、ロウデコーダにより選択されたページ内の全てのメモリセルに対して同一条件で書き込みを実行すると、もっとも書き込みの速いメモリセルのしきい値がVread以上になるという問題がある。
【0073】
このため、従来は書き込み電圧Vpgmを低い値から徐々に変化させ、書き込み後にベリファイ読み出し動作を行いながら“0” データ書き込みメモリセルのしきい値の上限がある値以下になるように設定するオート書き込み動作が採用されている。
【0074】
このオート書き込み動作では、毎回の書き込み動作後にベリファイ読み出し動作が行われるため、選択されたNAND束におけるしきい値が負のメモリセルのチャンネル部には、読み出し時にメモリセルのソース線から供給された電子が残留している。
【0075】
図5に示す第3の実施の形態におけるオート書き込み動作の処理フローでは、ステップS1でデータラッチに書き込みデータをロードし、S2で書き込み動作を開始し、S3でチャンネル電子排出動作を行い、S4でフローティングゲートへのトンネル書き込み動作を行い、S5でベリファイ読み出し動作を実施し、その結果メモリセルのしきい値電圧が所定の値に達していればS6で書き込み動作を終了し、所定の値に達していなければS3に戻って再度ベリファイ読み出しまでの処理フローを繰り返す。
【0076】
図5に示すように、ベリファイ読み出し動作S5の後、毎回書き込み動作の直前にチャンネル電子排出動作S3を実行することにより、本発明のオート書き込み動作では、選択されたNAND束内のメモリセルのチャンネル部に電子が残留しないように制御している。
【0077】
次に、再度図1乃至図4を参照して、本発明の第4の実施の形態について説明する。第4の実施の形態では、第1、第2の実施の形態で説明したNAND型不揮発性半導体記憶装置の書き換え動作について説明する。
【0078】
本発明の不揮発性半導体記憶装置の書き換え単位はページ単位である。つまり1つのコントロールゲートに接続された1ページ内の全てのメモリセルは同時に消去され、その後このページ内の全てのメモリセルに同時にデータが書き込まれることにより、ページ単位での書き換え動作を行うことが可能である。
【0079】
先に述べたように、従来のNAND型フラッシュメモリにおいて、このページ単位の書き換えをブロック内の特定ページアドレスについてのみ連続して実行すれば、同一ブロック内の他の7ページのメモリセルの消去しきい値が上昇し、
“0”データに変化してしまうという問題があった。
【0080】
このため、従来のNAND型フラッシュメモリの書き換え単位はブロックに限定され、消去単位のブロックと書き込み単位のページが異なるためDRAMやSRAMからなるバッファメモリを内部に備える必要があった。しかし、前記第2の実施の形態で説明したチャンネル電子排出動作を伴う書き込み動作を応用した不揮発性半導体記憶装置では、ページ単位での書き換え動作が可能となり、
DRAMやSRAMからなるバッファメモリが不要となるため、制御チップを縮小することが可能になる。
【0081】
次に、本発明におけるページ単位の書き換え動作を詳細に説明する。まず選択されたブロックの選択されたページアドレスに対応するコントロールゲート線(選択ワード線)にロウデコーダ回路から0Vを供給し、他の7本のコントロールゲート線(非選択ワード線)に20V程度の消去用高電圧を供給する。この状態でPウエル領域23とNウエル領域24にもこの消去用高電圧を供給する。
【0082】
この消去動作により、選択されたページアドレスの全てのメモリセルが負のしきい値を有する消去状態に変化し、残りのNAND束内の非選択メモリセルのしきい値は前の状態が維持される。非選択ワード線に20V程度の消去用高電圧を供給する手段として、図3に示すように、消去電圧をロウデコーダ29を介して非選択ワード線のみに供給する方法のほかに、非選択ブロックのコントロールゲート線を全てフローティング状態にして、非選択ブロックのコントロールゲート線をセルチャンネル部とコントロール線間のカップリングにより、ほぼ消去用高電圧まで上昇する方法がある。
【0083】
このように全てのメモリセルの内、消去動作が行われるのは選択されたページアドレスに対応したメモリセルのみとなる。消去動作が行われたメモリセルの負のしきい値電圧が深くなりすぎれば、チャンネル中の不要な電子を排出するために必要なチャンネル電子排出動作時におけるPウエル領域23とNウエル領域24に供給する電圧も高く設定しなければならない。このため、チャンネル電子排出動作にかかる時間が長くなるという問題がある。
【0084】
例えば、読み出し時において、非選択コントロールゲート線に印加する5V程度のVread電圧をチャンネル電子排出動作にも共通に使用する場合、消去後のメモリセルのしきい値はマイナス5Vとマイナス1Vの間に入るように制御しなければならない。このため、消去の速いメモリセルのしきい値がマイナス5V以下とならないよう、前記消去動作後に10V程度の低い書き込み電圧を選択コントロールゲート線に印加して、選択ページアドレスの全てのメモリセルに弱い書き込みを行う。
【0085】
この弱い書き込み動作の結果、深い消去しきい値のメモリセルはマイナス5Vより高く、かつ、マイナス1V以上には消去メモリセルのしきい値が存在しない状態を作り出すことができる。このようにして、消去メモリセルのしきい値は所定の値に制御することができる。引き続きページ消去されたメモリセルに図5に示す処理フローで書き込みが行われる。
【0086】
書き込み時の非選択コントロールゲート線の電位は、読み出し時の非選択コントロールゲート線の電位Vreadと同じに設定しているため、特定ページで前記ページ単位の書き換え動作を繰り返し行っても、書き込みストレスは読み出し時のストレスと同程度でしかないので非選択メモリセルへの誤書き込みを生じる恐れはない。
【0087】
読み出し時の非選択メモリセルのストレス時間に対して書き込み時のストレス時間は8倍程度長い。また、1×106回の書き換え保証回数中に1つのNAND束内の全てのページが均等に書き換えられると仮定すれば、あるページの受ける書き換えによるストレス回数は7×106回となる。
【0088】
このため、書き込みによるストレス時間の合計は、読み出し回数換算で5.6×107回となる。NAND型不揮発性半導体記憶装置の読み出し回数の実力が1×108回程度であるため、前述のページ単位の書き換えを実行しても1×106回の書き換えを保証することができる。
【0089】
このように、第4の実施の形態によればページ単位の書き換え動作が可能になるため、現在のNAND型不揮発性半導体記憶装置の8Mバイトの消去単位を、512バイトのページ単位での消去にまで縮小することができる。このため、従来のNAND型不揮発性半導体記憶装置におけるブロック管理コントローラの制御動作を簡素化し、バッファメモリの少ない小さなコントローラを備えたチップサイズの小さいNAND型不揮発性半導体記憶装置を実現することができる。
【0090】
なお本発明は上記の実施の形態に限定されることはない。その他本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々変形して実施することができる。
【0091】
【発明の効果】
上述したように本発明のNAND型不揮発性半導体記憶装置によれば、選択されたブロックのメモリセルの制御ゲート電圧を0Vに設定し、NAND型メモリセルが形成されるPウエル領域に消去電圧よりも低い所定の電圧を印加するチャネル電子排出動作を実行した後、通常のトンネル電流による書き込みを行うことにより、メモリセルへの記憶データの誤書き込みを生じる恐れがないNAND型不揮発性半導体記憶装置とその書き込み方法、オート書き込み方法、及びページ単位での記憶データの書き換えができるNAND型不揮発性半導体記憶装置とその書き換え方法を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置のメモリセル部の断面図。
【図2】本発明の不揮発性半導体記憶装置のメモリセル部と周辺回路の配置を示す図。
【図3】本発明の不揮発性半導体記憶装置の周辺回路における制御系のブロック構成を示す図。
【図4】本発明の不揮発性半導体記憶装置のメモリセルへの書き込み方式を示すタイミング波形図。
【図5】本発明の半導体記憶装置の書き込み動作における処理フローを示す図
【符号の説明】
1〜8…メモリセルのコントロールゲート
9〜16…メモリセルのフローティングゲート
17、18…セレクトゲートトランジスタのコントロールゲート
19…ソース線
20…ソース側、ドレイン側コンタクト
21…ビット線
22…ソース、ドレインN+拡散層
23…Pウエル領域
24…Nウエル領域
25…P型基板
26…ソース線バイアス回路
27…Pウエルバイアス回路
28…Nウエルバイアス回路
29…ロウデコーダ
30…メモリセルアレイ
31…I/F回路
32…コマンドデコーダ
33…チャンネル電子排出動作制御回路
34…読み出し制御回路
35…消去制御回路
36…書き込み制御回路
37…昇圧回路(Vpgm)
38…昇圧回路(消去電位)
39…昇圧回路(Vread)
1-1〜1-8、2-1〜2-8、7-1〜7-8、8-1〜8-8…メモリセルのゲートコントロール線
1-17〜1-18、2-17〜2-18、7-17〜7-18、8-17〜8-18…セレクトゲートトランジスタのコントロールゲート線
21-1〜21-n…ビット線
Claims (9)
- 第1導電型の第1の半導体領域内に第2導電型の第2の半導体領域を形成し、
この第2の半導体領域の表面上に、電気的に書き換え可能な複数の不揮発性メモリセルを直列に接続したNAND束からなるマトリックス状の配列を備える不揮発性半導体記憶装置の記憶データの書き込み方法において、
前記NAND束の全てのメモリセルの制御ゲートに第1の電圧を設定し、
少なくとも前記第2の半導体領域に前記第1の電圧よりも高い第2の電圧を印加することにより、前記メモリセルのチャンネル内の電子を排出する第1のステップと、
引き続き前記NAND束内の選択されたメモリセルの制御ゲートに前記第2の電圧よりも高い第3の電圧を印加することにより、前記メモリセルに記憶データを書き込む第2のステップと、
を備えることを特徴とする不揮発性半導体記憶装置の書き込み方法。 - 前記第1の半導体領域はP型基板上に形成されたNウエル領域であり、前記第2の半導体領域は前記Nウエル領域内に形成されたPウエル領域であることを特徴とする請求項1記載の不揮発性半導体記憶装置の書き込み方法。
- 前記第1の電圧は接地電圧であり、前記第2の電圧は読み出し動作時に前記NAND束内の非選択メモリセルに印加する電圧にほぼ等しいことを特徴とする請求項1記載の不揮発性半導体記憶装置の書き込み方法。
- 前記第1の電圧は負の電圧であり、前記第2の電圧は接地電圧であることを特徴とする請求項1記載の不揮発性半導体記憶装置の書き込み方法。
- 第1導電型の第1の半導体領域内に第2導電型の第2の半導体領域を形成し、
この第2の半導体領域の表面上に電気的に書き換え可能な複数の不揮発性メモリセルを直列に接続したNAND束からなるマトリックス状の配列を備える不揮発性半導体記憶装置の記憶データの書き換え方法において、
ページ単位での書き換え動作の対象とする1ページの選択メモリセルが含まれたメモリセルブロックを選択する第1のステップと、
このメモリセルブロックにおける前記1ページの選択メモリセルのページアドレスに対応する制御ゲート線に所定の電圧を印加し、前記メモリセルブロックにおける全ての非選択メモリセルの制御ゲート線に前記所定の電圧よりも高い消去用の高電圧を印加し、かつ、前記第1、第2の半導体領域に前記消去用の高電圧を印加することにより前記1ページの選択メモリセルのしきい値を消去状態に設定すると共に、前記メモリセルブロックにおける全ての非選択メモリセルのしきい値を維持する第2のステップと、
前記メモリセルブロックの全てのメモリセルの制御ゲート電圧を第1の電圧に設定し、少なくとも前記第2の半導体領域に前記第1の電圧より高い第2の電圧を印加することにより前記メモリセルブロックの全てのメモリセルのチャンネル内の電子を排出する第3のステップと、
前記消去状態にされた前記1ページの選択メモリセルに所定の記憶データを書き込む第4のステップと、
を含むことを特徴とする不揮発性半導体記憶装置の書き換え方法。 - 第1導電型の第1の半導体領域内に形成された第2導電型の第2の半導体領域と、
この第2の半導体領域の表面上に形成された電気的に書き換え可能な複数の不揮発性メモリセルを直列に接続したNAND束からなるマトリックス状の配列とを備えた不揮発性半導体記憶装置において、
消去動作において前記第1、第2の半導体領域にデータ消去用の高電圧を供給し、書き込み動作の第1の期間内において少なくとも前記第2の半導体領域に前記消去用の高電圧より低い第1の電圧を供給し、書き込み動作の第2の期間内において少なくとも前記第2の半導体領域に所定の第2の電圧を供給するバイアス手段と、
前記書き込み動作の第1の期間内において前記NAND束内の選択されたメモリセルの制御ゲートに前記第1の電圧より低い第3の電圧を供給し、前記書き込み動作の第2の期間内において前記NAND束内の選択されたメモリセルの制御ゲートに前記第2の電圧より高い書き込み用高電圧を供給するデコード手段とを具備することを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。 - 前記不揮発性半導体記憶装置は、前記NAND束のマトリックス状の配列からなる電流通路の一端にそれぞれ接続されたビット線と、
外部から入力された書き込みデータを一時的に記憶し、前記ビット線を介して選択されたメモリセルのデータを読み出すデータラッチ回路とを備え、
前記書き込み動作の第1の期間内において前記ビット線と前記データラッチ回路とを電気的に切り離す手段を具備することを特徴とする請求項6記載の不揮発性半導体記憶装置。 - 前記不揮発性半導体記憶装置は、前記書き込み動作終了後にベリファイ読み出しを行う手段をさらに備え、
前記ベリファイ読み出しを行う手段は、メモリセルのしきい値が所定の値に変化している場合には追加書き込み動作を禁止する手段と、メモリセルのしきい値が所定の値に変化していない場合には追加書き込み動作の第1の期間内に前記第1の電圧を少なくとも前記第2の半導体領域に供給する手段と、追加書き込み動作の第2の期間内に前記書き込み用高電圧より所定の電圧だけ高い第2の書き込み用高電圧を前記選択されたメモリセルの制御ゲートに供給する書き込み制御手段と、からなることを特徴とする請求項6記載の不揮発性半導体記憶装置。 - 第1導電型の第1の半導体領域と、
前記第1の半導体層領域に形成された第2導電型の第2の半導体領域と、
第2の半導体領域の表面上に形成された電気的に書き換え可能な複数の不揮発性メモリセルとを備え、
前記複数の不揮発性メモリセルは、この不揮発性メモリセルを複数個直列に接続したNAND束のマトリックス状の配列からなり、
このNAND束のマトリックス状の配列からなる電流通路の一端にそれぞれ接続された第1のセレクトゲートトランジスタと、
この第1のセレクトゲートトランジスタを介して前記電流通路の一端にそれぞれ接続されたビット線と、
外部から入力された書き込みデータを一時的に記憶し、書き込みデータに基づき所定の電圧を前記ビット線にそれぞれ供給するデータラッチ回路と、
前記NAND束のマトリックス状の配列からなる電流通路の他端にそれぞれ接続された第2のセレクトゲートトランジスタと、
消去動作において、前記第1、第2の半導体領域に消去用高電圧を供給し、書き込み動作の第1の期間内において、少なくとも前記第2の半導体領域に前記消去用高電圧より低い第1の電圧を供給し、書き込み動作の第2の期間内において、少なくとも前記第2の半導体領域に所定の第2の電圧を供給するバイアス手段と、
前記書き込み動作の第1の期間内において、前記NAND束内の全てのメモリセルの制御ゲートに前記第1の電圧より低い第3の電圧を供給し、前記書き込み動作の第2の期間内において、前記NAND束内の選択されたメモリセルの制御ゲートに前記第2の電圧より高い書き込み用高電圧を供給すると共に、前記NAND束内の非選択メモリセルの制御ゲートに所定の前記書き込み用高電圧より低い第4の電圧を供給するデコード手段とを備え、
前記デコード手段は、前記書き込み動作の第2の期間内において、NAND束内の非選択のメモリセルの制御ゲートに前記第4の電圧を供給した後に、前記第1のセレクトゲートトランジスタのゲート電極に、前記ビット線電位が低レベルの場合に前記第1のセレクトゲートトランジスタが導通状態となるような所定の電圧を供給することを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。
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