JP3907400B2 - ダミーウェハー - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体集積回路や半導体メモリの製造プロセスのダミー処理を行う際に好適に用いられ、特に、スパッタリングやCVD(Chemical Vapor Deposition)法等による薄膜成長工程、プラズマエッチングや反応性イオンエッチング等のドライエッチング工程、プラズマクリーニング等の各種処理工程におけるダミー処理に用いて好適なダミーウェハーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体製造プロセスにおいては、例えば、プラズマエッチング装置、CVD装置、スパッタリング装置等の各種処理装置の稼働テスト、バッチ処理時のウェハーの枚数合わせ、ローディング効果対策等のために、実際のICパターンが形成されていないダミーウェハーを用いて各種処理を行う、いわゆるダミー処理が行われている。また、プラズマCVD装置等の各種プラズマ装置の反応室のクリーニングをプラズマクリーニングにより行う場合に、例えば、基板保持電極をプラズマから保護するためにもダミーウェハーが用いられる。
【0003】
一般に、半導体製造プロセスにおいては、ダミーウェハーとして、実際の半導体製造プロセスに用いられるシリコンウェハーと同一のウェハーが用いられていた。このシリコンウェハーは、ほとんど使い捨てに近いものであるため、その使用量は実際の半導体デバイス製造用のウェハーとほぼ同数であった。そのため、約半数のシリコンウェハーが無駄になってしまい、半導体デバイスの製造コストを押し上げる一因になっていた。
また、半導体デバイスの需要が旺盛になると、半導体デバイス製造用のシリコンウェハー、およびダミーウェハーの消費量が増加するために、シリコンウェハーの供給が間に合わなくなり、その原料であるポリシリコンの供給もたちまち逼迫してしまうという状況にあった。そこで、石英、ガラス、セラミックス等の電気絶縁性の材料で構成したダミーウェハーが製作され、寿命延長でのコスト低減がなされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来のダミーウェハには、次のような問題点があった。
(1) 半導体製造プロセスにおいては、シリコンウェハーを検知するのに光センサを用いているが、石英製のダミーウェハーや、アルミナ(Al23)や窒化アルミニウム(AlN)等のセラミックス製のダミーウェハーは、透明もしくは半透明であるから、光センサで検知されない場合がある。そこで、検知を容易にするために、表面を粗くして光透過を防いだり、あるいは光透過防止膜を施す等を行う必要がある。
【0005】
(2) アルミナ(Al23)や窒化アルミニウム(AlN)等のセラミックス製のダミーウェハーは、シリコンウェハーより比重が大であるから、その重量により搬送系に負担を及ぼすという問題点がある。
このため、ダミーウェハーとして利用するためには軽量化する必要があり、セラミックス製のダミーウェハーの厚さを薄くして、全体の重量をシリコンウェハーの重量に略一致させる試みがなされているが、ダミーウェハーの薄型化は破損の原因になる。
(3) 石英製のダミーウェハーや、アルミナ(Al23)や窒化アルミニウム(AlN)等のセラミックス製のダミーウェハーは、表面が硬いため、密着性、弾力性がなく、搬送中やセッテング時に割れや欠け、ダストの発生が多い。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、軽量で、搬送性が良く、破損やダストの発生が少なく、光センサによる検知が可能で、繰り返し使用することができると共に、安価な、ダミーウェハーを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は次の様なダミーウェハーを採用した。
すなわち、本発明の請求項1記載のダミーウェハーは、板状の基体の一方の主面または両方の主面に、接着剤層を介して樹脂フィルムを形成してなることを特徴とする。
【0008】
このダミーウェハーでは、板状の基体の一方の主面または両方の主面に、樹脂フィルムを接着剤層を介して形成したことにより、略同様の厚みを有するセラミックス製のウェハー単体に比べて軽量化される。また、基体の主面を樹脂フィルムで覆っていることから、ダミーウェハーの表面が破損したり、ダストが発生する等のおそれがなくなる。
【0009】
前記樹脂フィルムは、耐熱性樹脂フィルムとすることが好ましい。
前記基体は、石英、ガラス、セラミックス、シリコン、カーボンのいずれか1種とすることが好ましい。
前記接着剤層は、熱硬化性接着剤または2液硬化型接着剤とすることが好ましい。
前記接着剤層は、エラストマー成分を少なくとも1種含有することが好ましい。
【0010】
前記接着剤層および/または前記樹脂フィルムは、光が透過し難い物質を含有することが好ましい。
この光を400〜800nmの波長領域の可視光線とすると、この可視光線の透過率は、好ましくは50%以下である。
前記接着剤層および/または前記樹脂フィルムは、光が透過し難い物質を含有していることにより、入射する可視光線の光量の多くを吸収する。すなわち、可視光線の透過する光量は、接着剤層および/または樹脂フィルムが無い場合と比べて少なくなる。これにより、ダミーウェハーの表面の透明性が低下して着色を帯びることとなり、光センサ等の受光器で検知が可能になる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のダミーウェハーの一実施形態について図面に基づき説明する。なお、以下に示す実施形態のダミーウェハーは本発明のダミーウェハーの一例を示すものであり、本発明は下記の実施形態のみに限定されるものではない。
【0012】
図1は、本実施形態のダミーウェハーを示す断面図であり、このダミーウェハーは、半導体集積回路や半導体メモリの製造プロセスにおいて用いられるシリコンウェハーと略同一の径で、その重量がシリコンウェハーと略同一の重量となるように構成されている。
このダミーウェハーの主要部であるウェハー基体(板状の基体)1の表面(一方の主面)1aには、接着剤層2を介して耐熱性樹脂フィルム3が形成されている。
【0013】
ウェハー基体1を構成する材料としては、石英、ガラス、セラミックス、シリコン、カーボンのいずれかが好適に用いられる。
セラミックスとしては、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、ジルコニア、ムライト、ステアタイト、炭化珪素のいずれかが好適に用いられる。
【0014】
耐熱性樹脂フィルム3の膜厚は10〜600μmの範囲内にすることが好ましく、25〜150μmの範囲がさらに好ましい。膜厚が10μmよりも薄くなると、加工性の点で問題が生じたり、ダストによる傷がウェハー基体1に到達する可能性が生じる。また、600μmよりも厚くなると、熱伝導性が悪くなる場合や、反りやその厚さのために搬送性に不具合を生じる場合がある。
また、本実施形態のダミーウェハーを静電吸着により保持する場合、吸着力を確保する点からは耐熱性樹脂フィルムは薄い方が有利であるが、機械的保持など他の方法による保持の場合はその限りではない。
【0015】
耐熱性樹脂フィルム3としては、ポリイミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、シリコ−ン樹脂フィルム、アラミドフィルム、ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)フィルム、ポリエーテルサルホン(PES)フィルム、ポリサルホン(PSF)フィルム、ポリエーテルイミド(PEI)フィルム、ポリフェニレンサルファイド(PPS)フィルム、ポリベンゾイミダゾール(PBI)フィルム等を挙げることができる。
【0016】
これらの樹脂フィルムの中で総合的に特に好ましい樹脂フィルムは、ポリイミドフィルム、ポリエーテルイミド(PEI)フィルムである。
ポリイミドフィルムとしては、カプトン(Kapton:デュポン社製)、アピカル(鐘淵化学工業社製)、ユーピレックス(宇部興産社製)、ニトミッド(日東電気工業社製)等がある。
また、ポリエーテルイミド(PEI)フィルムとしては、スペリオフィルム(三菱樹脂社製)等がある。
【0017】
これら以外に150℃以上の耐熱性があるプラスチックフィルムとしては、例えば、延伸ポリエチレンテレフタレート、延伸ナイロン、セルローストリアセテート等があげられるが、ダミーウェハーの用途からは耐熱性に優れる上述した樹脂フィルムの方が好ましい。
【0018】
接着剤層2は、層状またはフィルム状の接着剤により構成されるもので、25℃における動的弾性率が104MPa以下である。また、可視光線を透過し難い物質、例えば着色成分を含有しており、厚みが50μmの場合、その400〜800nmの波長領域(可視光領域)における透過率は50%以下である。
この接着剤層2は、ウェハー基体1、耐熱性樹脂フィルム3のそれぞれに対する接着力及び耐熱性に優れていることが必要であり、熱硬化性接着剤または2液硬化型接着剤が好ましい。例えば、ポリエステル系、ポリウレタン系、ポリイミド系、エポキシ系、変性ポリアミド系、ゴム系等の接着剤が有効であり、これ等の接着剤は単独で、または混合物として用いることができる。これらの中でもエポキシ系接着剤は接着性および耐熱性の点から特に好ましい。
【0019】
この接着剤層2には、アルミナ、ほう化ジルコニウム、窒化硼素、シリカ等の熱伝導性を高めることができる粒径5μm以下のフィラーを、固形分比で5〜80%分散させて用いると効果的である。なお、熱伝導性の効果に反して接着性が低下する場合や、端面から金属汚染となる場合もあるため、使用に際しては十分な配慮が必要である。
【0020】
この接着剤層2の塗膜の厚みは、接着力を維持できる2〜40μmの厚みが適当であり、5〜25μmの範囲内とするのが製造および加工性の点から最も好ましいが、接着剤層が応力緩和機能を備えている点やダミーウェハーの重量を軽くするために接着剤層を厚くすることが有効な場合もあり、接着力不足さえなければ厚さをどの様にしても差し支えない。
【0021】
ここで、特に好ましく使用されるエポキシ系接着剤について例をあげて説明する。
エポキシ樹脂としては、限定はないが、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するものが好適に用いられる。例えば、グリシジルエーテル類、グリシジルエステル類、グリシジルアミン類、線状脂肪族エポキシド、脂環式エポキシド等である。
【0022】
グリシジルエーテル類としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、ビスフェノールS、テトラメチルビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールF、テトラメチルビスフェノールAD、テトラメチルビスフェノールS、テトラクロロビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールA等の二価フェノール類のジグリシジルエーテル;フェノールノボラック、クレゾールノボラック、ブロム化フェノールノボラック等のノボラック樹脂のポリグリシジルエーテル;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブタンジオール等のアルキレングリコールまたはポリアルキレングリコールのジグリシジルエーテル等があげられる。
【0023】
グリシジルエステル類としては、例えば、ヘキサヒドロフタル酸のグリシジルエステルやダイマー酸のグリシジルエステル等があげられ、グリシジルアミン類としては、例えば、トリグリシジルアミノジフェニルメタン、トリグリシジルアミノフェノール、トリグリシジルイソシアヌレート等があげられる。
線状脂肪族エポキシドとしては、例えば、エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ化大豆油等があげられ、脂環式エポキシドとしては、例えば、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチルカルボキシレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルカルボキシレート等があげられる。
これらのエポキシ樹脂は、単独または混合して使用することができる。
【0024】
上記エポキシ樹脂の硬化剤としては、例えば、ビス(4−アミノフェニル)スルホン、ビス(4−アミノフェニル)メタン、1,5−ジアミノナフタリン、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、2,6−ジクロロ−1,4−ベンゼンジアミン、1,3−(p−アミノフェニル)プロパン、m−キシレンジアミン等の芳香族アミン系化合物、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、テトラエチレンペンタミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ヘキサメチレンジアミン、メンセンジアミン、イソフォロンジアミン、ビス(4−アミノ−3−メチルジシクロヘキシル)メタン、ポリメチレンジアミン、ポリエーテルジアミン等の脂肪族アミン系化合物、ポリアミノアミド系化合物、ドデシル無水コハク酸、ポリアジピン酸無水物、ポリアゼライン酸無水物等の脂肪族酸無水物、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸等の脂環式酸無水物、無水フタル酸、無水トリメリット酸、トリメリット酸トリグリセライド、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、エチレングリコールビストリメリテート、グリセロールトリストリメリテート等の芳香族酸無水物、ジシアンジアミド、有機酸ジヒドラジッド等の塩基性活性水素化合物類、イミダゾール化合物類、ルイス酸およびブレステッド酸塩類、ポリメルカプタン化合物類、フェノール樹脂類、ユリア樹脂類、メラミン樹脂類、イソシアネートおよびブロックイソシアネート化合物類があげられる。
【0025】
本実施形態のダミーウェハーにおいては、ウェハー基体1と耐熱性樹脂フィルム3の熱膨張率が異なる場合が多く、それらの熱膨張率の差がダミーウェハーの反りを増大させないために2つの方法をとることができる。
第1の方法は、耐熱性樹脂フィルム3をウェハー基体1の両面に貼り合わせ応力を拮抗させることで、片面のみに貼り合わせた場合に比べ反りを減少させることができる。
【0026】
しかし、それぞれのダミーウェハーの目的から、裏面のみにしか耐熱性樹脂フィルム3を貼り合わせることができない場合が多く、そのため、第2の方法として、接着剤にエラストマー成分を加えることで接着剤層2の弾性率を低下させ、耐熱性樹脂フィルム3とウェハー基体1の熱膨張率差による応力を緩和させ、その結果、ダミーウェハーの反りを低下させる方法が特に有効である。
【0027】
上記の接着剤に加えるエラストマー成分は、特に規定されないが、例えば、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、二トリルゴム、ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム、アクリルゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、多硫化ゴムなどのゴム類、また、熱可塑性エラストマー(以下、TPEと略称する)としてスチレン系TPE、オレフィン系TPE、ウレタン系TPE、エステル系TPE、アミド系TPE、天然ゴム系TPE、ポリ塩化ビニル(PVC)系TPEを挙げることができる。
【0028】
これらのエラストマー成分は、単独もしくは併用して用いることができる。また、接着剤に添加する方法としては、エラストマー成分を溶融等により液状化して接着剤に添加する方法、または固形の状態で接着剤に相溶させる方法、あるいは微細化して接着剤に添加することで固形のまま接着剤中に分散させる方法等がある。
【0029】
上記の接着剤は、必要に応じて溶剤を添加することができる。
ダミーウェハーが主に真空中で使用されることから、乾燥等により十分に脱溶剤が行える範囲であれば特に問題はない。
【0030】
本実施形態のダミーウェハーは、次に挙げる各製造方法によって作製することができる。
「製造方法1」
まず、耐熱性樹脂フィルム3に接着剤をコーターを用いて塗布する。次いで、この接着剤付き耐熱性樹脂フィルム3を、接着剤側をウェハー基体1の表面1aに対向させた状態で、ロールラミネータ、あるいは真空加圧加熱装置等を用いてウェハー基体1の表面1aに圧着し、両者を貼り合わせ一体化し、本実施形態のダミーウェハーとする。
【0031】
「製造方法2」
まず、耐熱性樹脂フィルム3の表面に、片側の面に剥離用テープが貼着された接着剤フィルムを対向させ、ロールラミネータ等を用いてこれらを圧着させて貼り合わせ一体化する。次いで、この剥離用テープを剥離して接着剤フィルムの片側の面を露出させ、この露出面をウェハー基体1の表面1aに対向させた状態で、ロールラミネータ、あるいは真空加圧加熱装置等を用いて接着剤フィルムをウェハー基体1の表面1aに圧着させ、両者を貼り合わせ一体化し、本実施形態のダミーウェハーとする。
【0032】
「製造方法3」
まず、ウェハー基体1の表面1aに、片側の面に剥離用テープが貼着された接着剤フィルムを対向させ、ロールラミネータ等を用いてこれらを圧着させて貼り合わせ一体化する。次いで、この剥離用テープを剥離して接着剤フィルムの片側の面を露出させ、この露出面を耐熱性樹脂フィルム3の表面に対向させ、ロールラミネータ、あるいは真空加圧加熱装置等を用いて耐熱性樹脂フィルム3をウェハー基体1の表面1aに圧着し、両者を貼り合わせ一体化し、本実施形態のダミーウェハーとする。
【0033】
【実施例】
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明する。なお、以下に示す実施例は、本発明の一例を示すものであるから、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
「接着剤の作成」
実施例、比較例を作成するに当たって、次の接着剤3種を予め作成した。これらはそれぞれの実施例、比較例に使用されるが、塗布方法によって粘度調整のための溶剤の追加などを除き、組成の変更は行わなかった。
【0034】
(接着剤A)
エポキシ樹脂(エピコートYL979、油化シェル社製)50部
クレゾール型フェノール樹脂(CKM2400、昭和高分子社製)50部
アクリロニトリル−ブタジエンゴム(ニッポール1001、日本ゼオン社製)50部
ジシアンジアミド(和光純薬社製)2部
メチルエチルケトン 適宜
【0035】
(接着剤B)
エポキシ樹脂 (エピコートYL979、油化シェル社製)100部
ポリアミド樹脂(プラタボンダM−995、日本リルサン社製)200部
ノボラックフェノール樹脂(タマノル752、荒川化学社製)50部
ジシアンジアミド(和光純薬社製)0.25部
メチルエチルケトン 適宜
【0036】
(接着剤C)
エポキシ樹脂(エピコートYL979、油化シェル社製)100部
片末端エポキシ変性シリコーンオイル(X−22−173B、信越化学工業社製)18部
ノボラックフェノール樹脂(タマノル752、荒川化学社製)50部
ジシアンジアミド(和光純薬社製)0.5部
カーボンブラック粉末(三菱化学社製)0.2部
メチルエチルケトン 適宜
【0037】
「実施例1」
厚さ25μmのポリイミドフィルム(商品名カプトン、東レ・デュポン社製)に塗工装置を用いて接着剤Aを塗布し、塗工装置に付属した乾燥装置で170℃で乾燥させて接着剤付きポリイミドフィルムを作成した。これをロールラミネーターを使用して、φ150mm、厚さ625μmのシリコンウェハーの裏面に貼り合せ、熱風オーブン中で150℃、4時間加熱し、実施例1のポリイミドフィルム付きダミーウェハーを得た。
【0038】
「実施例2」
実施例1と同様の方法により、厚さ50μmのポリイミドフィルム(商品名カプトン、東レ・デュポン社製)に厚さ20μmの接着剤Bを積層させた接着剤付きポリイミドフィルムを作成した。これをφ150mm、厚さ500μmのカーボンウェハーに真空プレス装置を使用して120℃、100kgの荷重で貼り合せ、真空プレスしたまま2時間加熱して接着剤Bを硬化させ、実施例2のポリイミドフィルム付きダミーウェハーを得た。
【0039】
「実施例3」
φ150mm、厚さ600μmの石英ウェハーの全面に接着剤Cを10μ厚さにスクリーン印刷して接着剤付き石英ウエハーを作成した。これを実施例2と同じ条件で、厚さ25μmのアラミドフィルム(商品名アラミカ、旭化成社製)と積層して、実施例3のアラミドフィルム付きダミーウェハーを得た。
【0040】
「実施例4」
φ150mm、厚さ400μmのSiCウェハーの片面に、予め接着剤Cをバインダーに塗工し、乾燥させてフィルム化した厚さ20μmの接着剤Cのシートを重ね合せ、さらにその上に、片面をプラズマ処理して接着性を向上させた厚さ200μmのテフロン(PTFE)フィルムを重ねて、実施例1と同様の方法で貼り合わせた後、熱風乾燥器で加熱して、実施例4のテフロンフィルム付きダミーウェハーを得た。
【0041】
「比較例1」
φ150mm、厚さ625μmのシリコンウェハー単体を比較例1として使用した。
「比較例2」
φ150mm、厚さ500μmのカーボンウェハー単体を比較例2として使用した。
「比較例3」
φ150mm、厚さ600μmの石英ウェハー単体を比較例3として使用した。
「比較例4」
φ150mm、厚さ625μmのSiCウェハー単体を比較例4として使用した。
【0042】
このようにして得られた実施例1〜4及び比較例1〜4のダミーウェハーについて、下記の各評価項目について評価試験を行った。
▲1▼ ダストかみ込み時吸着力低下
高抵抗セラミックを表面に有する静電チャック(双極、電極面積50mm×50mm)にダミーウェハーを乗せ、ダミーウェハーを水平方向に一定の速度(20mm/1min)で引っ張りながら、静電チャックに2.5kVの直流電圧を印加してダミーウェハーを吸着させた。このときの水平方向に掛かる力を電極面積で割った値をせん断吸着力とし、ダミーウェハー裏面の中心付近にダストとして20μmの球状シリカ20個を付着させ、同様にダスト付着時のせん断吸着力を測定した。初期の吸着力を100としたときのダスト付着時の吸着力を求め、ダストによる吸着力低下の影響を評価した。
【0043】
▲2▼ キズ
実施例1〜4及び比較例1〜4それぞれのダミーウェハーをアルミナを吸着面に有するメカチャック装置に設置・押圧・離脱する操作を100回繰り返した。その後実施例1〜4及び比較例1〜4それぞれのダミーウェハーの裏面及びメカチャック表面を観察し、傷の発生の状況を観察した。
ここでは、傷の発生が全く認められないものを「○」、傷の発生が少しでも認められたものを「×」とした。
【0044】
▲3▼ センサー認識性
実施例1〜4及び比較例1〜4それぞれのダミーウェハーをレーザー位置検出センサーを備えた搬送装置を使用して、レーザーで位置を検出し、次の動作に進む操作を20回連続で行なわせ、検出エラーの有無によりセンサー認識性を評価した。
ここでは、50回の操作で問題なく位置検出できたものを「○」、1回でも位置検出エラーが発生したものを「×」とした。
【0045】
▲4▼ 搬送性
実施例1〜4及び比較例1〜4それぞれのダミーウェハーを搬送装置を使用して、ウェハーカセットから取出し、所定の位置に設置する動作を50回行わせ、所定の位置に設置できた場合を「○」、1回でも所定の位置に設置できなかった場合を「×」とした。
【0046】
▲5▼ 反り
3次元レーザー測定器を用い、ダミーウェハー面の最下点と最高点の差を反りとした。
【0047】
▲6▼ 耐熱性
実施例1〜4及び比較例1〜4それぞれのダミーウェハーを真空容器中の試料台上に設置し、枠状のリングで機械的に押し付け固定した。その後、この真空容器内をドライポンプにより2.0Paに減圧し、試料台中に設置したヒーターによりダミーウェハー表面の温度が150℃になるように加熱したまま5時間放置した。その後、室温・大気圧まで戻し、ウェハー基体と耐熱性樹脂フィルム、接着剤層の剥離、ボイド、変質等の状況を観察した。
【0048】
以上の評価試験結果を表1及び表2に示す。
【表1】
Figure 0003907400
【0049】
【表2】
Figure 0003907400
【0050】
実施例1〜4のダミーウェハーは、ダストかみ込み時吸着力低下が95以上であり、ダスト付着時のせん断吸着力が優れていることが分かった。また、キズの発生が全く認められず、破損が極めて少ないことが確かめられた。また、センサー認識性については、検出エラーが全く認められず、光センサーによる検知が良好に行われることが分かった。
また、搬送性については、所定の位置に設置できなかったものが全く無く、搬送性が向上していることが認められた。
【0051】
また、反りについては、比較例の樹脂フィルムを貼り合わせていないものに比べて大きくなっていたが、いずれも0.5mm以下であり、問題のないレベルであった。
また、耐熱性については、剥離、ボイドなどダミーウェハーの機能に影響を及ぼす様な問題の発生したものはなかった。
【0052】
一方、比較例1は、センサー認識性、搬送性については問題が無かったものの、ダストかみ込み時吸着力低下が58と大きく低下しており、ダスト付着時のせん断吸着力が劣っていることが明らかになった。また、キズの発生が認められ、破損のおそれがあることが分かった。
また、比較例2おいても、ダストかみ込み時吸着力低下が67と大きく低下しており、ダスト付着時のせん断吸着力が劣っていることが明らかになった。
【0053】
比較例3は、搬送性については問題が無かったものの、ダストかみ込み時吸着力低下が48と大きく低下しており、ダスト付着時のせん断吸着力が劣っていることが明らかになった。また、キズの発生が認められ、破損のおそれがあることが分かった。センサー認識性についても、検出エラーが認められ、光センサーで検知されないおそれがあることが確かめられた。
比較例4は、ダストかみ込み時吸着力低下が42と大きく低下しており、キズ、センサー認識性、搬送性についても劣っていることが確かめられた。
【0054】
以上説明した様に、本実施形態のダミーウェハーによれば、ウェハー基体1の表面1aに接着剤層2を介して耐熱性樹脂フィルム3を形成したので、略同様の厚みを有するセラミックス製のウェハー単体等に比べて軽量化することができ、搬送性も向上する。
また、ウェハー基体1の表面1aを光を透過し難い耐熱性樹脂フィルム3で覆った構成としたので、ダミーウェハーの表面が破損したり、ダストが発生する等のおそれがなく、光センサによる検知が可能である。
【0055】
以上、本発明のダミーウェハーの一実施形態について図面に基づき説明してきたが、具体的な構成は本実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で設計の変更等が可能である。
例えば、本実施形態では、ウェハー基体1の表面1aに、接着剤層2を介して耐熱性樹脂フィルム3を形成した構成としたが、上述した様に、ウェハー基体1の裏面にも、接着剤層2を介して耐熱性樹脂フィルム3を形成した構成としてももちろんよい。
【0056】
また、接着剤層2に光が透過し難い物質を含有した構成としたが、光が透過し難い物質は、耐熱性樹脂フィルム3に含有させてもよく、また、接着剤層2及び耐熱性樹脂フィルム3に含有させてもよい。
また、本実施形態のダミーウェハーは、半導体製造プロセスにおいて用いられるシリコンウェハーと略同一の径で、その重量がシリコンウェハーと略同一の重量となるように構成したが、その径や重量については適宜変更可能であり、シリコンウェハーと全く同一とする必要性は全く無い。
【0057】
【発明の効果】
以上説明した様に、本発明のダミーウェハーによれば、板状の基体の一方の主面または両方の主面に、接着剤層を介して樹脂フィルムを形成したので、略同様の厚みを有するセラミックス製のウェハー単体等に比べて軽量化することができ、搬送性も向上する。
また、基体の一方の主面または両方の主面を、樹脂フィルムで覆った構成としたので、ダミーウェハーの表面が破損したり、ダストが発生する等のおそれがない。
【0058】
また、前記樹脂フィルムに光を透過し難い物質を混入すれば、光センサによる検知が可能となり、光センサで検知されないおそれはない。
以上により、軽量で、搬送性が良く、破損やダストの発生が少なく、光センサによる検知が可能で、繰り返し使用することができると共に、安価な、ダミーウェハーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態のダミーウェハーを示す断面図である。
【符号の説明】
1 ウェハー基体(板状の基体)
1a 表面(一方の主面)
2 接着剤層
3 耐熱性樹脂フィルム

Claims (3)

  1. 石英、ガラス、セラミックス、シリコン、カーボンのいずれか1種からなる板状の基体の一方の主面または両方の主面に、熱硬化性接着剤または2液硬化型接着剤からなる接着剤層を介して耐熱性樹脂フィルムを形成してなることを特徴とするダミーウェハー。
  2. 前記接着剤層は、エラストマー成分を少なくとも1種含有してなることを特徴とする請求項1記載のダミーウェハー。
  3. 前記接着剤層および/または前記耐熱性樹脂フィルムは、光が透過し難い物質を含有してなることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1項記載のダミーウェハー。
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