JP3907239B2 - ドットインパクト式印字ヘッド - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、伝票、複写紙等の印字に広く使用されているインパクト式プリンタ装置における印字ヘッド、特に低価格で高速の吸引型構造の印字ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】
インパクトプリンタ装置に搭載する印字ヘッドは、印字速度が低速であるが、安価な吸引型構造のヘッドと、印字速度が高速であるが、高価な釈放型構造のヘッド、および圧電型構造のヘッドに大別される。
インパクトプリンタは、伝票、複写紙印字用途では安定した需要があり、昨今、高速印字の範疇では、需要増加の傾向にある。従来、吸引型構造のヘッドは、主として、コイルを巻装したコアベースと、ワイヤを装着した、或いはフリーフライト方式のワイヤに対向して配置されたアーマチァと、アーマチァをコアベースに対向して位置決めしたガイド部材と、コイルに通電するためパルスをON/OFFすることによって揺動するアーマチァの支点押さえ部材と、OFF時にアーマチァを復旧するコイルバネと、アーマチァのストッパ部材で構成されており、安価で提供されている。それに対し、釈放型ヘッドは、主として、永久磁石と、磁気回路を構成する磁性材料部品と、永久磁石の磁束の向きを打ち消す方向にコアに巻装したコイルと、板バネと、板バネに接合したアーマチァおよびワイヤ部材で構成するため、高速印字用途であるが高価である。近年、従来は釈放構造で対応していた高速印字の分野においても低価格の印字ヘッドが要求されつつあり、市場の要求に対応していく必要が出て来ている。
【0003】
図4は従来の吸引型構造の印字ヘッドの一例を示す断面図である。図において、1はノーズ、2はプリント板、3はマグネットベース、4は電磁石のコイル、5はアーマチァ、6はワイヤ、7はワイヤガイド、8は支点押さえ、9はストッパ、10は復旧用コイルスプリング、11はカバーである。
アーマチァ5はヘッドの中心線Oを中心としてドット数に応じた数だけ(例えば、24ドットの場合は24個)放射状に配列されている。各アーマチァ5の内側端部にはそれぞれワイヤ6が固定して接続されている。コイル4もアーマチァ5に対応した数だけ円周上に配置されており、所定のコイル4に通電されコアが励磁されると、アーマチァ5がコイル4のコア側へ吸引される。その際、ワイヤ6はワイヤガイド7に案内されて、図のA方向に突出して用紙(図示せず)上に印字動作を行う。
【0004】
コイル4への通電が停止すると、アーマチァ5は、コイル6の内側に各アーマチァ5に対応して配置した復旧用コイルスプリング10の復元力によりワイヤ6と共にもとの位置に戻され印字動作を終了する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
高速印字、低価格の印字ヘッドで市場の要求に応えるためには、構造的に吸引型の印字ヘッドが適しているが、図4の従来例の吸引型印字ヘッドのように、可動部であるアーマチァ5を電磁石のコアに吸引し、復旧コイルスプリングで復旧させる構造では、印字速度の高速化が困難であり、仮に、投入エネルギを増加して対応しようとすると、高速駆動にしたことによりアーマチァの支点部の早期磨耗を促進することにより、短寿命となって市場に受け入れられないであろう。したがって、吸引型の印字ヘッドで高速印字ができ、寿命的に問題のない印字ヘッドを提供する必要がある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
吸引型構造の印字ヘッドで高速化を図るためには、可動部の固有振動数を上げる必要があり、可動部がコアに吸引されてワイヤが用紙に衝突するまでの時間を短くすることもさることながら、衝突後にワイヤが所定位置まで戻る時間を短くする必要がある。そのためには、該当部分のバネを強くしてバネ定数を高くし、且つそのバネの力を吸引できる磁気回路を備えれば良い。
【0007】
本発明は、このような点に鑑み、次のような構成を有する。即ち、本発明によれば、先端にワイヤを取り付けたアーマチァと、該アーマチァを接合する板バネと、該接合部に関し前記ワイヤと反対側の板バネ基端部の支点をヘッド基準面に対して拘束するガイドピンと、前記アーマチァを前記板バネに抗してワイヤ印字方向に吸引することによりワイヤによる印字動作を行わせ、且つ吸引を解除することにより前記板バネによる該アーマチァの復帰を許容する磁気吸引手段と、前記接合部位に関し前記ワイヤと反対側のアーマチァ基端部を押圧して該アーマチァの動作を安定させる押さえバネと、前記アーマチァをワイヤ印字方向と平行に案内するガイド溝を有するアーマチャガイドとを含んでなり、前記板バネは前記アーマチァを接合する部位よりも基端部の側に切り欠きを有し、前記アーマチァは前記磁気吸引手段に吸引されるアーマチァ吸引面を有し、該吸引面が前記切り欠きより前記磁気吸引手段の側に出っ張る構造としたドットインパクト式印字ヘッドが提供される。
【0008】
記アーマチァ吸引面の前記切り欠きよりの出っ張り量は、前記板バネ基端部の支点側で多く、前記接合部の側で少なく、前記アーマチァの吸引面は磁気吸引手段の吸引面の延長線に対し板バネ基端部の支点側でテーパ状に近づけた構造である。
【0009】
前記アーマチァは前記接合部においてレーザ溶接により前記板バネに固定されている。また、レーザ溶接した前記アーマチァと前記板バネとの接合部は接着剤が塗布されている。
一実施例では、前記板バネは支点を形成する基端部でリング状に一体で該リング状の基端部から各アーマチァ接合部へ放射状に多数配列されて成り、接合された各アーマチァの基端部を押圧する押さえバネは各アーマチァ毎に独立して設けられている。
【0010】
他の実施例では、アーマチァの基端部を押圧する押さえバネは、各アーマチァ毎に独立して設けられており、各々のバネの一端に接するように配したネジでバネ圧を調整できるようになっている。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は本発明のインパクト型プリンタ装置の印字ヘッドの実施形態(実施例)を示す断面図である。図1において、1はノーズ、2はプリント板、3はマグネットベース、4は電磁石のコイル、5はアーマチァ、6はワイヤ、7はワイヤガイド、9はストッパ、11はカバー、12はアーマチァガイドである。
【0012】
アーマチァ5はヘッドの中心線Oを中心としてドット数に応じた数だけ(例えば、24ドットの場合は24個)放射状に配列されている。各アーマチァ5の内側端部にはそれぞれワイヤ6が固定して接続されている。マグネットベース3のコア部分には電磁石を形成するコイル4を巻装して、コイル4のリード端子をプリント板2に接続する。コイル4もアーマチァ5に対応した数だけ円周上に配置されており、プリント板2により所定のコイル4に通電され該当するコアが励磁されると、アーマチァ5がコイル4の側へ吸引される。その際、ワイヤ6はワイヤガイド7に案内されて、図のA方向に突出して印字動作を行う。以上は図4に示した従来例と同様である。
【0013】
図2及び図3において、板バネ20はその支点を形成する基端部20aがガイドピン21によりアーマチァガイド12の円筒状の周囲部、即ちヘッド基準面23に拘束されている。一方、板バネ20はその内側の先端部20bにおいてレーザ溶接等によりアーマチァ5を接合・固定している。この接合部20bには図示しないが接着剤が塗布されている。
【0014】
アーマチァ5は板バネ20よりも内方の位置でアーマチァガイド12のガイド溝12aに案内されており、コイル4のコア4aが励磁された時、アーマチァ5はアーマチァガイド12のガイド溝12aに沿って案内され、位置決めされる。コイル4への通電が停止されると、板バネ20の復旧力により、アーマチァ5はストッパ9(図1)に当接する位置まで復帰する。
【0015】
板バネ20はその基端部20aとアーマチァ5を接合する部位20bとの間に開口状の切り欠き20cを有する。コイル4のコア4aに対して吸引されるアーマチァ5の吸引面は切り欠き20aよりコア4aの側へ出っ張っており、その出っ張り量は、板バネ20の基端部の支点20aの側で多く、アーマチァ5との接合部20bの側で少なくなるように形成され、アーマチァ5の吸引面はコア4aの吸引面の延長線上に近づけた構造としてある。即ち、図2及び図3には明瞭に示していないが、アーマチァ5のコアとの対向面5c(図1)のみ、板バネ20の切り欠き20cよりコイル4の側に出っ張る構造である。
【0016】
したがって、アーマチァ5がコア4aに吸引される際のアーマチァとコアの当接角度を小さくして吸引力の損失を低減することが出来る。即ち、吸引時のアーマチァとコアは出来る限り平行であるのが望ましい。
また、アーマチァ5の回転中心部分、即ち板バネ20の基端部支点20aに隣接するアーマチァ5の基端部分5aに、この基端部分5aを押圧する押さえバネ22を配置している。この押さえバネ22はアーマチァ5の高周波振動や板バネ20の横ぶれ等の雑振動を抑制する。
【0017】
この押さえバネ22は、各アーマチァ5に対して個々に設けられ、その形状としては、図3に概略示したコイルスプリングが適当であり、押さえ力を調整するためにネジ25(図1)が設けられ、このネジ25を回転させることで外部から押え力を調節できる。この押さえバネ22は、アーマチァ5の基端部分5aをアーマチァガイド12の円筒状の周囲部に対して押圧する。
【0018】
一方、アーマチァ5の背面にある前述のストッパ9(図1)はアーマチァ5のダンピングを抑制するもので、このストッパ9はその背面にあるカバー1により保持されている。
なお、マグネットベース(図1)は鉄−コバルト合金からなり、アーマチァ本体部分5aは珪素鋼板で構成されている。しかし、アーマチァ本体部分5aを含むこれらの部材を鉄−コバルト合金で構成することも可能である。
【0019】
以上、添付図面を参照して本発明の実施例について詳細に説明したが、本発明は上記の実施例に限定されるものではなく、本発明の精神ないし範囲内において種々の形態、変形、修正等が可能であることに留意すべきである。
例えば、アーマチァ5は放射状に多数配列されているので、板バネ20は上記実施例のように各アーマチァに対応して別個に作製されるのではなく、支点を形成する基端部20aでリング状に一体で、リング状の基端部から各アーマチァ接合部20bへ放射状に延びたような形状とすることもできる。また、アーマチァ5の基端部を押圧する押さえバネ22も図示の実施例では各アーマチァ毎に個々に設けたコイルスプリング22で構成したが、多数のアーマチァに共通なもの(例えば、リング状のもの)を使用することも可能である。
【0020】
【発明の効果】
以上に説明したような、本発明によれば、吸引型構造の印字ヘッドにおいて、アーマチァを含む可動部のバネ定数を高く設定することができ、その可動部を吸引するに足る磁気回路を構成することができる。これにより、可動部が電磁石のコアに吸引されてワイヤが用紙に衝突した後、ワイヤが所定位置まで戻る時間を短くすることができので、吸引型構造で低価格でありながら、高速印字の可能な印字ヘッドを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の実施例に係る吸引型インパクト型プリンタの印字ヘッドを示す断面図である。
【図2】同実施例をカバーを取り外した状態でみた部分斜視図である。
【図3】同実施例をカバーを取り外した状態でみた部分平面図である。
【図4】従来の吸引型インパクト型プリンタの印字ヘッドを示す断面図である。
【符号の説明】
1…ノーズ
2…プリント板
3…マグネットベース
4…電磁石コイル
5…アーマチァ
6…ワイヤ
7…ワイヤガイド
9…ストッパ
11…カバー
12…アーマチァガイド
12a…ガイド溝
20…板バネ
20a…基端部
20b…接合部
20c…切り欠き
21…ガイドピン
22…押さえバネ
23…基準面(アマーチャガイド)

Claims (6)

  1. 先端にワイヤを取り付けたアーマチァと、該アーマチァを接合部位にて接合する板バネと、該接合部位に関し前記ワイヤと反対側の板バネ基端部の支点をヘッド基準面に対して拘束する手段と、前記アーマチァを前記板バネに抗してワイヤ印字方向に吸引することによりワイヤによる印字動作を行わせ、且つ吸引を解除することにより前記板バネによる該アーマチァの復帰を許容する磁気吸引手段と、前記接合部位に関し前記ワイヤと反対側のアーマチァの基端部を押圧して該アーマチァの動作を安定させる押さえバネと、前記アーマチァをワイヤ印字方向と平行に案内するガイド溝を有するアーマチャガイドとを含んでなり、前記板バネは前記アーマチァを接合する部位よりも基端部の側に切り欠きを有し、前記アーマチァは前記磁気吸引手段に吸引される吸引面を有し、該アーマチァ吸引面が前記切り欠きより前記磁気吸引手段の側に出っ張る構造としたことを特徴とするドットインパクト式印字ヘッド。
  2. 前記アーマチァ吸引面の前記切り欠きよりの出っ張り量は、前記板バネ基端部の支点側で多く、前記接合部位の側で少なく、前記アーマチァ吸引面は磁気吸引手段の吸引面の延長線に対し板バネ基端部の支点側でテーパ状に近づけた構造であることを特徴とする請求項に記載の印字ヘッド。
  3. 前記アーマチァは前記接合部位においてレーザ溶接により前記板バネに固定されていることを特徴とする請求項1に記載の印字ヘッド。
  4. レーザ溶接した前記アーマチァと前記板バネとの接合部は接着剤が塗布されていることを特徴とする請求項に記載の印字ヘッド。
  5. 前記板バネは支点を形成する基端部でリング状に一体で各アーマチァ接合部位へ放射状に多数配列されて成り、接合された各アーマチァの基端部を押圧する押さえバネは各アーマチァ毎に独立して設けられていることを特徴とする請求項1に記載の印字ヘッド。
  6. アーマチァの基端部を押圧する押さえバネは、各アーマチァ毎に独立して設けられており、各々のバネの一端に接するように配したネジでバネ圧を調整できることを特徴とする請求項1に記載の印字ヘッド。
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