JP3906487B2 - ハロゲン原子とアルケニル基を含む液晶性化合物および液晶組成物 - Google Patents

ハロゲン原子とアルケニル基を含む液晶性化合物および液晶組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶組成物の成分として有効な液晶性化合物、これを含む液晶組成物およびこの液晶組成物を用いて構成した液晶組成物に関する。
【0002】
【背景技術】
液晶表示素子は液晶物質がもつ光学異方性および誘電率異方性を利用したものである。その表示方式によってTN型(ねじれネマチック型)、DS型(動的散乱型)、ゲスト・ホスト型、DAP型(配向相変型)、STN型(超ねじれネマチック型)およびTFT型(薄膜トランジスタ型)など各種の方式に分けられるが、最近はTN型、STN型およびTFT型の3種類が主流となっている。
いずれの表示素子に用いられる液晶物質も、水分、空気、熱、光等に安定であることが必要であるうえ、室温を中心としてできるだけ広い温度範囲で液晶相を示し、低粘性であり、相溶性がよく、最適な誘電率異方性値(Δε)を持ち、最適な屈折率異方性値(Δn)、最適な弾性定数比K33/K11(K33:ベンド弾性定数、K11:スプレイ弾性定数)を持たなければならない。しかし、現在のところ単一化合物ではこのような条件をすべて満たす物質はなく、数種の液晶化合物や非液晶化合物を混合して得られる液晶組成物を使用しているのが現状である。
【0003】
液晶組成物を構成している液晶性化合物は、P型液晶性化合物(誘電率異方性値が正)とN型液晶性化合物(誘電率異方性値が負)の2種類に大きく分けることができる。P型液晶性化合物は一般に粘度が高いので、液晶表示素子として実用されている液晶組成物の多くはP型液晶性化合物と粘度の低いN型液晶性化合物との混合物である。
現在液晶表示素子の構成成分として使用されているN型の液晶性化合物の多くは、液晶分子の翼(コアの末端に結合している置換基)に極性基を持たず、その翼がアルキル基、アルコキシ基、あるいはアルケニル基で形成されている。その中でも特に翼にアルケニル基を有するもの(以下単にアルケニル化合物と略称することがある)は、他のN型の液晶性化合物と比して低粘性と、大きな弾性定数比K33/K11を有している。液晶組成物にこのアルケニル化合物を混合することにより、液晶組成物の粘度を低下させて高速応答性を向上させ、また液晶組成物の弾性定数比を大きくして急竣な透過光強度曲線を示すSTN表示方式の液晶表示素子の製造を可能とする。
このように液晶組成物の物性改善に有用であることから、他の液晶性化合物との相溶性の良いアルケニル化合物の開発が望まれている。
特公平03−77175号には一般式(10)で示されるアルケニル化合物が開示されている。この化合物は45℃において結晶相からスメクチック相に転移し、73.5℃においてスメクチック相からネマチック相に転移し、更に95.5℃においてネマチック相から等方性液体に転移する。
【0004】
【化8】
Figure 0003906487
【0005】
この化合物(10)は低粘性を有し、コア部にビシクロヘキサン骨格を有することからスメクチック相を容易に発現するため、これを既存の液晶性化合物と混合しても低温でスメクチック相を発現し易く、液晶組成物中にこの化合物を多量に混合することができない。。
【0006】
「液晶の化学」(学会出版センター)の90頁には、翼中に結合基として酸素原子を含む液晶性化合物は、それを含まないものに比して安定なネマチック相を有するとの記載がある。また、同書の46頁には、結合基として酸素原子を導入することで粘度が上昇するとの記載がある。さらに、一般に翼のアルキル鎖がフッ素原子で置換された液晶性化合物は、置換されていないアルキル鎖を有する液晶性化合物に比べ、相溶性に優れているが粘度が高くなる傾向にあることも知られており、Proceedings of 15th ILCC(第15回国際液晶会議)の58頁の例示されている。
DE4222371には、翼の一方が末端にハロゲン原子を有するアルキル鎖であり、もう一方の翼がアルケニル基である一般式(11)、(12)で示される液晶性化合物が開示されている。
【0007】
【化9】
Figure 0003906487
【0008】
これらの化合物は、フッ素原子と酸素原子の影響により相溶性は改善されていると予想されるが、これらの化合物の翼は酸素原子を結合基としフッ素原子で置換されたアルキル鎖を有するので、フッ素置換されていない化合物に比べ粘度が高いと予想される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、低粘性で、大きな弾性定数比K33/K11を有し、電気的、化学的にも安定であり、かつ既存の液晶性化合物との相溶性についても良好な液晶性化合物、これを含む液晶組成物、およびこれを用いて構成した液晶表示素子を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために鋭意努力した結果、発明者らは本発明を見いだすに至った。すなわち本発明は以下の通りである。
(1) 一般式(1)
【0011】
【化10】
Figure 0003906487
【0012】
(式中、Xはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、またはよう素原子であり、Raは基中の、隣接しないメチレン基が酸素原子、硫黄原子またはカルボニル基で置換されていてもよく、−CHCH−が−CH=CH−または−C≡C−で置換されていてもよい炭素数2から15のアルキレン基を表し、Rbは炭素数2〜1 5のアルケニル基を表し、環A1〜A4はそれぞれに独立して六員環上の1個以上の水素原子がフッ素原子で置換されていてもよい1,4−シクロヘキシレン基または1,4−フェニレン基を表し、Z〜Zはそれぞれに独立して単結合、基中の1個以上の水素原子がフッ素原子で置換されていてもよいエチレン基、ブチレン基、エテニレン基、ブテニレン基、エチニレン基、−CFO−、−OCF−、−CHO−、−OCH−、−COO−または−OCO−を表し、m、nはそれぞれに独立して0または1であるが、m+nは0または1であって、m+nが0であるときは環A3および環A4の少なくとも1つは六員環上の1個以上の水素原子がフッ素原子で置換されていてもよい1,4−フェニレン基である。)で表される液晶性化合物。
(2) 一般式(1)においてXがフッ素原子であり、Z〜Zがそれぞれに独立して単結合、エチレン基またはブチレン基である上記(1)項に記載の液晶性化合物。
(3) 一般式(1)においてRaがアルキレン基またはアルケニレン基である上記(2)項に記載の液晶性化合物。
(4) 一般式(1)においてm、nがともに0である上記(3)項に記載の液晶性化合物。
【0013】
(5) 一般式(1)においてmが0であり、nが1である上記(3)項に記載の液晶性化合物。
) 一般式(1)において環A3および環A4のどちらか一方が六員環上の1個以上の水素原子がフッ素原子で置換されてもよい1,4−フェニレン基であり、他方が1,4−シクロヘキシレン基である上記(4)項に記載の液晶性化合物。
) 一般式(1)において環A3が1,4−シクロヘキシレン基であり、環A2および環A4の一方が1,4−シクロヘキシレン基であり他方が六員環上の1個以上の水素原子がフッ素原子で置換されていてもよい1,4−フェニレン基である上記(5)項に記載の液晶性化合物。
) 上記(1)〜()項のいずれかに記載の液晶性化合物を少なくとも1種類含有することを特徴とする液晶組成物。
) 第一成分として、上記(1)〜()項のいずれかに記載の液晶性化合物を少なくとも1種類含有し、第二成分として、一般式(2)、(3)および(4)
【0014】
【化11】
Figure 0003906487
【0015】
(式中、Rは炭素数1〜10のアルキル基を示し、XはF、Cl、OCF、OCFH、CF、CFHまたはCFHを示し、L、L、LおよびLは相互に独立してHまたはFを示し、ZおよびZは相互に独立して−(CH−、−CH=CH−または単結合を示し、aは1または2を示す。)で表される化合物群から選択される化合物を少なくとも1種類含有することを特徴とする液晶組成物。
10)第一成分として、上記(1)〜(9)項のいずれかに記載の液晶性化合物を少なくとも1種類含有し、第二成分として、一般式(5)、(6)、(7)、(8)および(9)
【0016】
【化12】
Figure 0003906487
【0017】
(式中、R2は基中の隣接しない任意のメチレン基が酸素原子によって置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基または炭素数2〜10のアルケニル基、またはFを示し、環Aはトランス−1,4−シクロヘキシレン基、1,4−フェニレン基または1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基を示し、環Bはトランス−1,4−シクロヘキシレン基、1,4−フェニレン基またはピリミジン−2,5−ジイル基を示し、環Cはトランス−1,4−シクロヘキシレン基または1,4−フェニレン基を示し、Z6は−(CH2)2−、−COO−または単結合を示し、L5およびL6は相互に独立してHまたはFを示し、bおよびcは相互に独立して0または1を示す。)
【0018】
【化13】
Figure 0003906487
【0019】
(式中、R3は炭素数1〜10のアルキル基を示し、L7はHまたはFを示し、dは0または1を示す。)
【0020】
【化14】
Figure 0003906487
【0021】
(式中、R4は炭素数1〜10のアルキル基を示し、環Dおよび環Eは相互に独立してトランス−1,4−シクロヘキシレン基または1,4−フェニレン基を示し、Z7およびZ8は相互に独立して−COO−または単結合を示し、Z9は−COO−または−C≡C−を示し、L8およびL9は相互に独立してHまたはFを示し、X2はF、OCF3、OCF2H、CF3、CF2HまたはCFH2を示すが、X2がOCF3、OCF2H、CF3、CF2HまたはCFH2を示す場合はL8およびL9は共にHを示す。e、fおよびgは相互に独立して0または1を示す。)
【0022】
【化15】
Figure 0003906487
【0023】
(式中、R5およびR6は相互に独立して基中の隣接しない任意のメチレン基(−CH2−)が酸素原子(−O−)によって置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基または炭素数2〜10のアルケニル基を示し、環Gはトランス−1,4−シクロヘキシレン基、1,4−フェニレン基またはピリミジン−2,5−ジイル基を示し、環Hはトランス−1,4−シクロヘキシレン基または1,4−フェニレン基を示し、Z10は−C≡C−、−COO−、−(CH2)2−、−CH=CH−C≡C−または単結合を示し、Z12は−COO−または単結合を示す。)
【0024】
【化16】
Figure 0003906487
【0025】
(式中、RおよびRは相互に独立して基中の隣接しない任意のメチレン基(−CH−)が酸素原子(−O−)によって置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基または炭素数2〜10のアルケニル基を示し、環Iはトランス−1,4−シクロヘキシレン基、1,4−フェニレン基またはピリミジン−2,5−ジイル基を示し、環Jはトランス−1,4−シクロヘキシレン基、環上の1つ以上の水素原子がFで置換されていてもよい1,4−フェニレン基、またはピリミジン−2,5−ジイル基を示し、環Kはトランス−1,4−シクロヘキシレン基または1,4−フェニレン基を示し、Z13およびZ15は相互に独立して−COO−、−(CH−または単結合を示し、Z14は−CH=CH−、−C≡C−、−COO−または単結合を示し、hは0または1を示す。)で表される化合物群から選択される化合物を少なくとも1種類含有することを特徴とする液晶組成物。
11) 第一成分として、第(1)〜()項のいずれかに記載の液晶性化合物を少なくとも1種類含有し、第二成分の一部分として、(9)項に記載の一般式(2)、(3)および(4)で表される化合物群から選択される化合物を少なくとも1種類含有し、第二成分の他の部分として、第(10)項に記載の一般式(5)、(6)、(7)、(8)および(9)で表される化合物群から選択される化合物を少なくとも1種類含有することを特徴とする液晶組成物。
12) 第()〜(11)項のいずれかに記載の液晶組成物を用いて構成した液晶表示素子。
【0026】
一般式(1)で表される本発明の液晶性化合物は、一方の翼の末端に一個のハロゲン原子が導入され、もう一方の翼にアルケニル基が導入されていることを特徴とする。このような構造とすることにより、一般式(1)で表される液晶性化合物はいずれも、翼の末端にハロゲンが導入されているにも係わらず、特異的に粘性の上昇がなく、なおかつ既存の液晶性化合物への相溶性も良好である。従って、本発明の化合物を液晶組成物の成分として用いた場合、好ましい特性を有する新たな液晶組成物を提供し得る。
例えば化合物(1−(4−(4−エテニルシクロヘキシル)シクロヘキシル)−4−(3−フルオロプロピル)ベンゼン)(化合物No.139)は、後述の実施例7(比較例1)で示すように、1−(4−(4−エテニルシクロヘキシル)シクロヘキシル)−4−プロピルベンゼンと比較して粘性は同程度であるが、実施例8(比較例2)で示すように既存の液晶組成物への相溶性に優れる。したがって、No.139の化合物は液晶組成物に多量に混合することができ、その結果粘度の低い液晶組成物が得られる。よってこのNo.139の化合物はSTN用表示素子の組成物成分として有用である。
【0027】
一般式(1)で表される本発明の液晶性化合物は、上記のようにいずれも優れた特性を持つが、このうち特に一般式(1)中のXがフッ素原子または塩素原子である化合物(特にフッ素原子の場合)は低い粘度を有する化合物として好ましく、Z1〜Z3が単結合、エチレン基、ブチレン基、エテニレン基またはブテニレン基である化合物、Raが炭素数2から9(特に炭素数2から7)のアルキレン基またはアルケニレン基であるものが好ましい特性を有する。このような化合物の中で、一般式(1−1)〜(1−18)で示される化合物がさらに低粘性と良好な相溶性を持つ点で好ましい。
【0028】
【化17】
Figure 0003906487
【0029】
【化18】
Figure 0003906487
【0030】
なお各式中、Ra1 は炭素数2から9のアルキレン基またはアルケニレン基を示し、Rb、環T1〜T4はそれぞれに独立して六員環上の1個以上の水素原子がフッ素原子で置換されていてもよい1,4−フェニレン基を示し、Z11、Z22およびZ33はそれぞれに独立して共有結合、エチレン基、ブチレン基、エテニレン基またはブテニレン基を示す。
これらの化合物の中で、一般式(1−1)〜(1−4)で示される2環系の化合物はきわめて相溶性が良好で、粘性も低いという優れた特性を有する。これらの中で比較すると(1−1)は液晶相温度範囲が広く、低粘性であり、(1−2)および(1−3)は低粘性であるうえ、特に良好な相溶性を持ち、(1−4)はΔnが大きいという特徴を有する。このためこれらの2環系化合物は、低粘性が必要とされる液晶組成物の成分として有用である。
一般式(1−5)〜(1−10)で表される3環系化合物は比較的高い透明点と低粘性を有し、相溶性もきわめて良好である。これらの中で比較すると(1−5)は、液晶組成物中にこれを加えることで液晶組成物の透明点を大きく上昇させることができ、(1−6)〜(1−8)は液晶相温度範囲を広げ、きわめて低粘性で、特に良好な相溶性を示し、(1−9)、(1−10)はΔnが大きいという特徴を有する。
一般式(1−11)〜(1−18)で表される4環系化合物はいずれもきわめて透明点が高く、相溶性も良好であるという特徴を有し、液晶組成物中にこれを加えることで液晶組成物の透明点を大きく上昇させことができる。この中でも特に(1−16)と(1−18)は透明点が高く、相溶性も良好であり、Δnが大きく、比較的低粘性であるという特徴を有するきわめて優れた化合物である。
【0031】
一般式(1)におけるRa、および一般式(1−1)〜(1−18)中のRa1 がアルキレン基、アルケニレン基である化合物はいずれも好特性を示すが、特に熱および光に対して安定であることが求められる場合はRaまたはRa1 をアルキレン基とし、低粘性と広い液晶相温度範囲が求められる場合はRaまたはRa1 をアルケニレン基とし、大きなΔnが求められる場合はRaまたはRa1 をアルキニレン基とすることで、所望の特性を有する化合物とすることができる。一般式(1)における環A1〜A4で示される位置に六員環上の1個以上の水素原子がフッ素原子で置換されていてもよい1,4−フェニレン基を多数配置することでΔnの大きな化合物にが得られ、、また環A1〜A4で示される位置に1,4−シクロヘキシレン基を多数配置することで低い粘度の化合物が得られ、1,4−フェニレン基上の水素原子がフッ素原子で置換されていない化合物は液晶相温度範囲が広く、1,4−フェニレン基上の水素原子がフッ素原子で置換された化合物は相溶性が良い。
【0032】
一般式(1)における結合基Z1〜Z3および化合物(1−1)〜(1−18)中の結合基Z11、Z22、Z33が共有結合の場合には低い粘度の化合物が得られ、に、これらの結合基がエチレン基あるいはブチレン基である化合物は相溶性が良く、これらの結合基がエテニレン基あるいはブテニレン基である化合物は液晶相温度範囲が広く、これらの結合基がエチニレン基である化合物はΔnが大きい。一般式(1)におけるRbが分子末端にエテニレン基である場合には低い粘度の化合物が得られ、Rbを分子内にエテニレン基を有するものとすることで液晶相温度範囲が広い化合物が得られ、また、Rb分子内にエテニレン基を分子末端にエテニル基を有するものとすることで低粘性で比較的広い液晶相温度範囲の化合物とすることができる。
すなわち本発明の化合物は、翼、環および結合基を適宜選択することによって所望の特性を持つ化合物を得ることができる。こうして得られた本発明の化合物は従来のアルケニル化合物に比して既存の液晶組成物への混合比を大きくすることが可能であり、そうすることで液晶表示素子として求められる特性を有する液晶組成物を製造できる。
【0033】
本発明の一般式(1)で示される化合物は、例えば以下に示す方法その他の公知の方法により効率的に合成することができる。
なお、反応式に示した化合物において、環P、P1はそれぞれに独立して六員環上の1個以上の水素原子がフッ素原子で置換されていてもよい1,4−フェニレン基を、l、l1およびl2は0〜2の整数を、Ra1、Rcは炭素数1〜14のアルキレン基またはアルケニレン基を、Rdは炭素数1〜14のアルキル基またはアルケニル基を、kは1または3を、k1は0または2を示す。
「本発明化合物の合成」
A) 中間体(11)、(13)、(15)の合成:
a) フルオロアルキルアルコールを臭素化して得られたフルオロアルキルブロミド(1)とトリフェニルホスフィンとをベンゼンあるいはトルエンなどの溶媒中で加熱還流しホスホニウム塩(2)を合成する。同様にしてアルケニルアルコールからホスホニウム塩(4)を合成する。
エーテルあるいはテトラヒドロフラン(以下THFと略す)などの非プロトン性溶媒中で、ホスホニウム塩(2)にアルコキシド等の塩基を作用させてイリドとし、これに市販のシクロヘキサンジオンモノエチレンケタール(5)を−50℃〜溶媒の沸点の温度で作用させ、シクロヘキシリデン誘導体(6)を得る。エタノールや酢酸エチルなどの反応に関与しない溶媒、あるいはそれらの混合溶媒中で、シクロヘキシリデン誘導体(6)にPd/CあるいはラネーNi等の触媒の存在下で水素添加し化合物(7)を合成する。
b) また、エーテルあるいはTHFなどの非プロトン性溶媒中で、メトキシメチルトリフェニルホスホニウムクロリドにアルコキシド等の塩基を作用させイリドとし、これに市販のシクロヘキサンジオンモノエチレンケタール(5)を−50℃〜溶媒の沸点の温度で作用させ、シクロヘキシリデン誘導体(8)を得る。この化合物(8)を希塩酸とTHFの混合溶媒などの弱酸性溶媒中で攪拌し、シクロヘキサンカルボアルデヒド誘導体(9)を得る。
ホスホニウム塩(2)を前述と同様にして(イリドとし、)これにこの化合物(9)を作用させ、次いでここで得られたシスオレフィン誘導体にスルフィン酸ナトリウムを作用させてトランスオレフィン誘導体(10)を得る。
化合物(7)または(10)を酸性条件下で攪拌しフルオロアルキル基を含むシクロヘキサノン誘導体(11)を合成する。
c) 化合物(5)をシクロヘキサノン誘導体(12)またはベンザルデヒド誘導体(14)に代える以外は化合物(11)を得る方法と同様にして化合物(13)または(15)を得ることができる。
【0034】
【化19】
Figure 0003906487
【0035】
B) 中間体(19)、(27)の合成:
d) 酸性条件下、ベンザルデヒド誘導体(14)にトリメチレングリコールを作用させて化合物(16)を得る。エーテルやTHF等の非プロトン性溶媒中、−50℃〜溶媒の沸点の温度で、アルキルブロミド誘導体(17)とマグネシウムとを作用させてグリニヤール試薬を得、これに化合物(16)をニッケルアセチルアセトナート等の触媒の存在下で作用させて化合物(18)を得る。この化合物(18)に、クロロホルム、塩化メチレン等の塩素系溶媒中、塩化アルミニウム等の触媒の存在下で臭素を作用させてブロモベンゼン誘導体(19)を得る。 なおこの式中のP1にフッ素原子が結合している場合は、化合物(18)をリチオ化し、次いで臭素を作用させることでも好適に臭素化できる。以下のベンゼン誘導体の臭素化の場合も同様である。
【0036】
【化20】
Figure 0003906487
【0037】
e) 一般式(19)においてlが0の場合は以下の方法で好適にビフェニル誘導体(19)(l=0)を合成できる。
化合物(16)にブチルリチウムなどのリチオ化試薬を作用させて得られる化合物(20)に塩化亜鉛を作用させた後、THFなどの反応に関与しない溶媒中、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム等の触媒の存在下でブロモベンゼン誘導体(22)を作用させてビフェニル誘導体(23)を得る。この化合物(23)に塩素系溶媒中、塩化アルミニウム等の触媒の存在下、臭素を作用させてブロモベンゼン誘導体(19)(l=0)を得る。
【0038】
【化21】
Figure 0003906487
【0039】
f) 化合物(19)を蟻酸のトルエン溶液のような酸性溶媒中で加熱攪拌しベンザルデヒド誘導体(24)を得る。化合物(5)をベンザルデヒド誘導体(24)に代える以外は化合物(11)を得る方法と同様にして化合物(25)を得る。ピリジン、ジメチルホルムアミド(以下DMFと略す)などの極性非プロトン溶媒中、加熱下、化合物(25)にシアン化銅を作用させてシアノ化合物(26)を得る。この化合物(26)に、トルエン等の反応に関与しない溶媒中、0℃以下で、ジイソブチルアルミニウムヒドリド(以下DIBALと略す。)を作用させてベンザルデヒド誘導体(27)を合成することができる。
【0040】
【化22】
Figure 0003906487
【0041】
C)「アルケニル部位の構築法」
このようにして得られた末端にRa部を有し他の末端にカルボニル基を有する中間体にWittig反応を応用することにより、一般式(1)で表される化合物のRb部のアルケニル基を構築することができる。
D) 式(1−1)の化合物
エーテルあるいはTHFなどの非プロトン性溶媒中、メトキシメチルトリフェニルホスホニウムクロリドにアルコキシド等の塩基を作用させイリドとし、これにシクロヘキサノン誘導体(13)を−50度〜溶媒の沸点で作用させ、シクロヘキシリデン誘導体(28)を得る。この化合物(28)を希塩酸とTHFの混合溶媒などの弱酸性溶媒中で攪拌し、シクロヘキサンカルボアルデヒド誘導体(29)を得る。アルキルまたはアルケニルホスホニウム塩と塩基より調製したイリドに化合物(29)を作用させ、シスオレフィンを有する化合物(30)を得る。化合物(30)にスルフィン酸ナトリウムを作用させトランスオレフィンを有する化合物(31)を合成できる。化合物(31)は式(1−1)に含まれる化合物である。
【0042】
【化23】
Figure 0003906487
【0043】
なおRbが2個以上の隣接しない二重結合を有するアルケニル基である場合は、以下の方法により好適にそれを合成することができる。エーテルあるいはTHFなどの非プロトン性溶媒中、ホスホニウム塩(4)にアルコキシド等の塩基を作用させてイリドとし、これにシクロヘキサンカルバルデヒド誘導体(29)を−50度〜溶媒の沸点で作用させ、シスオレフィンを含む化合物(32)を得る。塩化メチレン、クロロホルム等の塩素系溶媒中、この化合物(32)にメタクロロ過安息香酸(以下mCPBAと略す。)を作用させ、内部オレフィンのみを選択的にエポキシ化した化合物(33)を得る。この場合、末端オレフィンもエポキシ化されていても今後の反応において何等問題は生じない。トルエンなどの反応に関与しない溶媒中、エポキシ化合物(33)にジブロモトリフェニルホスホラン等の臭素化試薬を作用させ、1,2−トランスジブロモ体(34)を得る。この化合物(34)を酢酸などの酸性溶媒中で攪拌し化合物(35)を得ることができる。化合物(35)は式(1−1)に含まれる化合物である。
【0044】
【化24】
Figure 0003906487
【0045】
E) 式(1−2)の化合物
エーテルあるいはTHFなどの非プロトン性溶媒中、化合物(17)とマグネシウムを−50℃〜溶媒の沸点で反応させてグリニヤール試薬を得、これにシクロヘキサノン誘導体(11)を0℃〜溶媒の沸点で作用させ、次いで酸により脱水し、水素添加することで化合物(36)を得る。化合物(18)を化合物(36)に代える以外は化合物(19)を得る方法と同様にしてブロモベンゼン誘導体(37)を得ることができる。化合物(24)を化合物(37)に代える以外は化合物(27)を得る方法と同様にしてベンザルデヒド誘導体(38)を得ることができる。化合物(29)を化合物(38)に代える以外は式(1−1)の化合物を得る方法と同様にして式(1−2)の化合物を得ることができる。
【0046】
【化25】
Figure 0003906487
【0047】
F) 式(1−3)の化合物
化合物(13)をシクロヘキサンジオンモノエチレンケタール(5)に代える以外は化合物(29)を得る方法と同様にして化合物(41)を得ることができる。さらに化合物(41)にこの操作を繰り返すことにより化合物(42)を得ることができる。エーテルあるいはTHFなどの非プロトン性溶媒中、化合物(15)とマグネシウムとを−50℃〜溶媒の沸点で反応させてグリニヤール試薬を得、これにシクロヘキサノン誘導体(5)または化合物(42)を0℃〜溶媒の沸点で作用させ、次いで酸により脱水し、水素添加することで化合物(43)を得る。化合物(43)を酸性溶液中で加熱攪拌しシクロヘキサノン誘導体(44)を得る。化合物(13)を化合物(44)に代える以外は式(1−1)の化合物を得る方法と同様にして式(1−3)の化合物を得ることができる。
式(1−4)の化合物
化合物(29)を化合物(27)に代える以外は式(1−1)の化合物を得る方法と同様にして式(1−4)の化合物を得ることができる。
【0048】
【化26】
Figure 0003906487
【0049】
G) 式(1−5)の化合物
エーテルあるいはTHFなどの非プロトン性溶媒中、化合物(45)とマグネシウムとを−50℃〜溶媒の沸点で反応させてグリニヤール試薬を得、これにシクロヘキサノン誘導体(13)を0℃〜溶媒の沸点で作用させ、次いで酸により脱水し、化合物(46)を得る。化合物(46)をPd/C等の触媒の存在下、加圧下で水素添加し化合物(47)を得る。化合物(47)を酸性溶液中で加熱攪拌しベンザルデヒド誘導体(48)を得る。化合物(29)を化合物(48)に代える以外は式(1−1)の化合物を得る方法と同様にして式(1−5)の化合物を得ることができる。
【0050】
【化27】
Figure 0003906487
【0051】
H) 式(1−6)〜式(1−9)の化合物
エーテルあるいはTHFなどの非プロトン性溶媒中、化合物(15)とマグネシウムとを−50℃〜溶媒の沸点で反応させてグリニヤール試薬を得る。シクロヘキサノン誘導体(12)またはシクロヘキサノン誘導体(12)よりウィッティヒ反応を用いて得られる化合物(49)に上記のグリニヤール試薬を0℃〜溶媒の沸点で作用させ、次いで酸により脱水し、水素添加することで化合物(50)を得る。化合物(50)を酸性溶液中で加熱し、得られた化合物にメトキシメチルトリフェニルホスホニウムクロリドを用いたウィッティヒ反応を加え、次いで酸により脱保護し化合物(51)を得る。化合物(29)を化合物(51)に代える以外は式(1−1)の化合物を得る方法と同様にして式(1−6)の化合物を得ることができる。
エーテルあるいはTHFなどの非プロトン性溶媒中、化合物(37)とマグネシウムとを−50℃〜溶媒の沸点で反応させてグリニヤール試薬を得、これにシクロヘキサノン誘導体(5)または化合物(42)を0℃〜溶媒の沸点で作用させ、次いで酸により脱水し、水素添加し、さらに酸性溶液中で加熱攪拌することでシクロヘキサノン誘導体(53)を得る。化合物(13)をシクロヘキサノン誘導体(53)に代える以外は式(1−1)の化合物を得る方法と同様にして式(1−7)の化合物を得ることができる。
エーテルあるいはTHFなどの非プロトン性溶媒中、化合物(17)とマグネシウムとを−50℃〜溶媒の沸点で反応させてグリニヤール試薬を得、これにシクロヘキサノン誘導体(13)を0℃〜溶媒の沸点で作用させ、次いで酸により脱水し、水素添加し化合物(55)を得る。化合物(18)を化合物(55)に代える以外は化合物(19)を得る方法と同様にしてブロモベンゼン誘導体(56)を得ることができる。化合物(37)を化合物(56)に代える以外は式(1−2)の化合物を得る方法と同様にして式(1−8)の化合物を得ることができる。
化合物(37)を化合物(25)に代える以外は式(1−7)の化合物を得る方法と同様にして式(1−9)の化合物を得ることができる。
【0052】
【化28】
Figure 0003906487
【0053】
I) 式(1−10)〜式(1−12)の化合物
化合物(16)を化合物(37)に代える以外は化合物(19)を得る方法と同様にして化合物(59)の化合物を得ることができる。化合物(37)を化合物(59)に代える以外は式(1−2)の化合物を得る方法と同様にして式(1−10)の化合物を得ることができる。
化合物(25)を化合物(19)に代える以外は化合物(27)を得る方法と同様にして化合物(60)を得ることができる。化合物(5)を化合物(60)に代える以外は化合物(42)を得る方法と同様にして化合物(61)を得ることができる。エタノールなどのアルコール系溶媒中、室温以下で、化合物(61)に水素化ほう素ナトリウムなどの還元剤を作用させ、次いで臭化水素酸、三臭化りんなどの臭素化試薬を作用させ化合物(62)を得る。化合物(19)または化合物(62)を用いて作ったグリニヤール試薬に、シクロヘキサノン誘導体(13)を作用させ、次いで脱水、水素添加して化合物(63)を得る。化合物(47)を化合物(63)に代える以外は式(1−5)の化合物を得る方法と同様にして式(1−11)の化合物を得ることができる。
化合物(11)を化合物(48)に代える以外は式(1−2)の化合物を得る方法と同様にして、l2が1または2である化合物(65)を得ることができる。
l2が0である化合物(65)は下式のようにして合成することができる。まずアルコール誘導体(66)を酸性溶液中で攪拌し化合物(67)を得る。この化合物(67)を用いて、SYNTHESIS OF ACETYLENES,ALLENES AND CUMULENES(BRANDSMA VERKRUIJSSE)12〜13頁に記載の方法によりグリニヤール試薬を調製し、このグリニヤール試薬に−50℃〜溶媒の沸点で化合物(13)を作用させ、次いで酸により脱水、さらに水素添加して化合物(64)を合成することができる。
【0054】
【化29】
Figure 0003906487
【0055】
J) 式(1−13)〜式(1−15)の化合物
化合物(25)を化合物(56)に代える以外は式(1−9)の化合物を得る方法と同様にして式(1−13)の化合物を得ることができる。
式(1−14)の化合物
化合物(5)を化合物(12)に代えるか、または化合物(42)を化合物(49)に代える以外は式(1−7)の化合物を得る方法と同様にして式(1−14)の化合物を得ることができる。
式(1−15)の化合物
化合物(5)を化合物(44)に代える以外は化合物(42)を得る方法と同様にして化合物(71)を得る。化合物(44)または(71)にエタノールなどのアルコール系溶媒中、室温以下で、水素化ほう素ナトリウムなどの還元剤を作用させ、アルコール誘導体(72)を得る。化合物(72)を塩酸のTHF溶液中で攪拌し化合物(73)を得る。この化合物(73)を用いて、SYNTHESIS OF ACETYLENES,ALLENES AND CUMULENES(BRANDSMA VERKRUIJSSE)12〜13頁に記載の方法によりグリニヤール試薬を調製し、このグリニヤール試薬に−50℃〜溶媒の沸点で化合物(12)を作用させ、次いで酸により脱水、さらに水素添加して化合物(74)を合成する。化合物(43)を化合物(74)に代える以外は式(1−3)の化合物を得る方法と同様にして式(1−15)の化合物を得ることができる。
【0056】
【化30】
Figure 0003906487
【0057】
K) 式(1−16)〜式(1−19)の化合物
化合物(37)を化合物(56)に代える以外は式(1−10)の化合物を得る方法と同様にして式(1−16)の化合物を得ることができる。
式(1−17)の化合物
化合物(15)を化合物(25)に代える以外は式(1−6)の化合物を得る方法と同様にして式(1−17)の化合物を得ることができる。
式(1−18)の化合物
化合物(15)を化合物(59)に代える以外は式(1−3)の化合物を得る方法と同様にして式(1−18)の化合物を得ることができる。
【0058】
【化31】
Figure 0003906487
【0059】
一般式(1)のXがフッ素原子以外の場合は以下のようにしてハロゲンを導入することができる。
アルコールをトリメチルシリル基(以下TMSと略す)で保護したアルキルまたはアルケニル基をウィッティヒ反応等により翼に導入し、化合物(78)を得ることができる。この化合物を酸により脱保護し化合物(79)を得る。この化合物(79)に塩化亜鉛を触媒として塩化水素を作用させて、水酸基を塩素化するなど、第4版実験化学講座19の438〜446頁に記載の方法を用いることにより、化合物(80)を得ることができる。
一般式(I)のRa中にアルキニレンを有する化合物は以下の方法によって得ることができる。
基中のアルコールが保護されたアルキルトリフェニルホスホニウム塩(82)と塩基より調製したイリドにアルデヒド誘導体(81)を作用させオレフィン誘導体(83)を得る。クロロホルム、酢酸、エ−テル等を溶媒として、化合物(83)に臭素を作用させて二重結合を臭素化するなど、第4版実験化学講座19の416〜419頁に記載の方法により、化合物(84)を得る。
アルコール系溶媒中で、化合物(84)に水酸化カリウムを作用させる等、第4版実験化学講座19の298〜308頁に記載の方法により、脱ハロゲン化水素反応を行うことで、基中にアルキニレンを有する化合物(85)を得る。化合物(85)を酸により脱保護し、得られる化合物(86)のアルデヒドのみを保護することによりアルコール誘導体(87)を得る。
化合物(87)にジエチルアミノサルファートリフルオライド(以下DASTと略す)を作用させるか、あるいは化合物(79)化ら化合物(80)を得るのと同様の方法で、ハロゲン化することにより化合物(88)を得ることができる。化合物(47)を化合物(88)に代える以外は式(1ー5)の化合物を得る場合と同様にして化合物(89)を得ることができる。
【0060】
【化32】
Figure 0003906487
【0061】
一般式(I)の結合基Z1〜Z3の少なくとも1個がエテニレンまたはブテニレンである化合物は以下の方法によって得ることができる。
一般式(1)のZ3がエテニレンまたはブテニレンである化合物(93)は、アルデヒド誘導体(90)にホスホニウム塩(91)をウィッティヒ反応を用いて作用させて得られたシスオレフィン誘導体を、酸により異性化するか、あるいは化合物(32)から化合物(35)を得た方法と同様にして異性化することにより化合物(92)を得た後、化合物(47)を化合物(92)に代える以外は式(1−5)の化合物を得る方法と同様にして得ることができる。ただし式中のRaおよびRb中にアルケニレンを含む場合は適宜異性化することが必要である。
一般式(1)の結合基Z1およびZ2がエテニレンまたはブテニレンである化合物も同様にして得ることができる。
一般式(1)の結合基Z1〜Z3の少なくとも1個が−CF2CH2−または−CH2CF2−である化合物は以下の方法によって得ることができる。
一般式(1)の結合基Z3が−CF2CH2−である化合物(97)は、酸クロリド誘導体(94)に化合物(95)より調製したグリニヤール試薬を作用させ、得られたケトン誘導体(96)をDASTによりフッ素化して得ることができる。なお、この方法はどの結合基が-CH2CF2-または-CF2CH2-であっても適用できる。
【0062】
【化33】
Figure 0003906487
【0063】
一般式(1)の結合基Z1〜Z3の少なくとも1個が−CF2O−または−OCF2−である化合物は以下の方法によって得ることができる。
Z3が−CF2O−である化合物(103)は、化合物(98)から調製したグリニヤール試薬に二硫化炭素を作用させてジチオカルボン酸誘導体(99)を合成し、これに塩化チオニルを作用させて化合物(100)を得た後、これに化合物(101)を作用し化合物(102)とし、これにDASTを作用して得ることができる。なおこの方法はどの場合にも適用できる。
一般式(I)の結合基Z1〜Z3の少なくとも1個が−CH2O−または−OCH2−である化合物は以下の方法によって得ることができる。
Z3が−CH2O−である化合物(105)は、塩基の存在下で化合物(101)を化合物(104)に作用させることで得ることができる。なおこの方法はZ1またはZ2が-CH2-である場合にも適用できる。
【0064】
【化34】
Figure 0003906487
【0065】
一般式(1)の結合基Z1〜Z3の少なくとも1個が−C≡C−である化合物は以下の方法によって得ることができる。
Z3が−C≡C−である化合物(109)は、化合物(106)にTetrahedron Letters 50,pp4467−4470,(1975)に記載の方法を用いることにより得ることができる。Z1およびZ2が−C≡C−である場合も同様である。
一般式(1)の結合基Z1〜Z3の少なくとも1個が−COO−または−OCO−である化合物は以下の方法によって得ることができる。
Z3が−COO−である化合物(112)は、酸クロリド誘導体(94)に塩基の存在下で化合物(110)を作用させて化合物(111)を得た後、化合物(47)を化合物(111)に代える以外は式(1−5)の化合物を得る方法と同様にして得ることができる。
【0066】
【化35】
Figure 0003906487
【0067】
本発明により提供される液晶組成物は、一般式(1)で表される液晶性化合物を少なくとも1種類含む組成物(以下これを第一成分という)であるが、これに加え、第二成分として既述参照の一般式(2)、(3)および(4)からなる群から選ばれる少なくとも1種類の化合物(以下第二A成分と称する)および/または一般式(5)、(6)、(7)、(8)および(9)からなる群から選ばれる少なくとも1種類の化合物(以下第二B成分と称する)を混合したものが好ましく、さらに、しきい値電圧、液晶相温度範囲、屈折率異方性値、誘電率異方性値および粘度等を調整する目的で、公知の化合物を第三成分として混合することもできる。
上記第二A成分のうち、一般式(2)で表される化合物の好適例として次の(2−1)〜(2−15)を、一般式(3)で表される化合物の好適例として(3−1)〜(3−48)を、一般式(4)で表される化合物の好適例として(4−1)〜(4−55)を、それぞれ挙げることができる。
これら一般式(2)〜(4)で表される化合物は、正の誘電率異方性値を有し、熱安定性や化学的安定性が非常に優れている。これら一般式(2)〜(4)で表される化合物の液晶組成物への添加量は、液晶組成物の全重量に対して1〜99重量%の範囲が適するが、好ましくは10〜97重量%、より好ましくは40〜95重量%である。
【0068】
【化36】
Figure 0003906487
【0069】
【化37】
Figure 0003906487
【0070】
【化38】
Figure 0003906487
【0071】
【化39】
Figure 0003906487
【0072】
【化40】
Figure 0003906487
【0073】
【化41】
Figure 0003906487
【0074】
【化42】
Figure 0003906487
【0075】
【化43】
Figure 0003906487
【0076】
【化44】
Figure 0003906487
【0077】
次に、前記第二B成分のうち、一般式(5)、(6)および(7)で表される化合物の好適例として、それぞれ(5−1)〜(5−24)、(6−1)〜(6−3)および(7−1)〜(7−17)を挙げることができる。
これらの一般式(5)〜(7)で示される化合物は、正の大きな誘電率異方性値を有し、組成物成分として特にしきい値電圧を小さくする目的で使用される。また、粘度の調整、屈折率異方性値の調整および液晶相温度範囲を広げる等の目的や、さらに急峻性を改良する目的にも使用される。
【0078】
【化45】
Figure 0003906487
【0079】
【化46】
Figure 0003906487
【0080】
【化47】
Figure 0003906487
【0081】
また第二B成分のうち、一般式(8)および(9)に含まれる化合物の好適例として、それぞれ(8−1)〜(8−8)および(9−1)〜(9−12)を挙げることができる。
これら一般式(8)および(9)で示される化合物は、負または弱い正の誘電率異方性値を有し、そのうち一般式(8)で示される化合物は主として液晶組成物の粘度低下や屈折率異方性値の調整の目的に使用され、また一般式(9)で示される化合物は液晶相温度範囲を広げる目的および/または屈折率異方性値の調整を目的に使用される。
【0082】
【化48】
Figure 0003906487
【0083】
【化49】
Figure 0003906487
【0084】
上記の一般式(5)〜(9)で表される化合物は、特にSTN型表示方式や通常のTN型表示方式用の液晶組成物を調製する場合に有用な化合物であり、これらの化合物の液晶組成物への添加量は、液晶組成物の全重量に対して1〜99重量%の範囲が適するが、好ましくは10〜97重量%、より好ましくは40〜95重量%の範囲である。
本発明に従い提供される液晶組成物は、一般式(1)で示される液晶性化合物の少なくとも1種類を0.1〜99重量%の割合で含有することが、優良な特性を発現せしめるために好ましい。
該液晶組成物はそれ自体公知の方法、例えば種々の成分を高温度下で相互に溶解させる方法等により一般に調製される。また、必要により、適当な添加物を加えることによって、意図する用途に応じた改良がなされ、最適化される。このような添加物は当該業者によく知られており、文献などに詳細に記載されている。通常、液晶のらせん構造を誘起して必要なねじれ角を調整し、逆ねじれを防ぐといった効果を有するキラルドープ剤などが添加される。
また、メロシアニン系、スチリル系、アゾ系、アゾメチン系、アゾキシ系、キノフタロン系、アントラキノン系およびテトラジン系等の二色性色素を添加すれば、GH型用の液晶組成物として使用することもできる。本発明に係る組成物は、ネマチック液晶をマイクロカプセル化して作製したNCAPや、液晶中に三次元網目状高分子を形成して作製したポリマー分散型液晶表示素子(PDLCD)例えばポリマーネットワーク液晶表示素子(PNLCD)用をはじめ、複屈折制御(ECB)型やDS型用の液晶組成物としても使用できる。
【0085】
本発明の化合物を含有する液晶組成物例として以下のものを示すことができる。なお、化合物のNo.は後述の実施例中に示されるそれと同一である。また1,4−シクロヘキシレン、アルキル鎖中の二重結合はすべてトランス体である。
【0085】
【化50】
Figure 0003906487
【0086】
【化51】
Figure 0003906487
【0087】
【化52】
Figure 0003906487
【0088】
【化53】
Figure 0003906487
【0089】
【化54】
Figure 0003906487
【0090】
【化55】
Figure 0003906487
【0091】
【化56】
Figure 0003906487
【0092】
【化57】
Figure 0003906487
【0093】
【化58】
Figure 0003906487
【0094】
【化59】
Figure 0003906487
【0095】
【化60】
Figure 0003906487
【0096】
【化61】
Figure 0003906487
【0097】
【化62】
Figure 0003906487
【0098】
【化63】
Figure 0003906487
【0099】
【化64】
Figure 0003906487
【0100】
【化65】
Figure 0003906487
【0101】
【化66】
Figure 0003906487
【0102】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明する。なお、各実施例中において、Cは結晶、Sはスメクチック相、Nはネマチック相、Iは等方性液体相を示し、相転移点の単位は全て℃である。
実施例1
1−(4−(4−エテニルシクロヘキシル)シクロヘキシル)−4−(3−フルオロプロピル)ベンゼン(一般式(1)において、X=F、Ra=−(CH2)3−、m=0、n=1、環A2=1,4−フェニレン、環A3=環A4=1,4−シクロヘキシレン、Z2=Z3=単結合、Rb=−CH=CH2−である化合物(No.139))の製造
(第一段)
乾燥したメトキシメチルトリフェニルホスホニウムクロリド55.0g(160mmol)にTHF600mlを加え、次いで室温でカリウム−t−ブトキシド17.8g(159mmol)を加え、約1時間攪拌した。この反応液に室温で市販の4−ブロモベンザルデヒド25.0g(135mmol)の100mlTHF溶液を滴下し約2時間攪拌した後、反応液に水600mlを加え、生成物をトルエンで抽出した。抽出液を食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、次いで溶媒を留去した。残分を、展開溶媒としてトルエンを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製し、かくして得られた精製物を室温で、2N塩酸300mlとTHF300mlの混合溶媒中で5時間攪拌した後、生成物をトルエンで抽出した。抽出液を飽和重曹水と水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、トルエンを留去して、4−ブロモベンジルアルデヒド23.8g(120mmol)を得た。このものの4−ブロモベンザルデヒドからの収率は88.9%であった。
【0103】
(第二段)
乾燥したメトキシメチルトリフェニルホスホニウムクロリド55.0g(160mmol)に、THF600mlを加え、次いで室温でカリウム−t−ブトキシド17.8g(159mmol)を加え、約1時間攪拌した。この反応液に室温で上記の4−ブロモベンジルアルデヒド23.8g(120mmol)の100mlTHF溶液を滴下し、約2時間攪拌した後、反応液に水600mlを加え、生成物をトルエンで抽出した。抽出液を食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、次いで溶媒を留去した。残分を、展開溶媒としてトルエンを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製し、かくして得られた精製物を室温で、2N塩酸300mlとTHF300mlの混合溶液中で5時間攪拌した後、生成物をトルエンで抽出した。抽出液を飽和重曹水と水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、トルエンを留去して、4−ブロモフェネチルアルデヒド18.8g(88.2mmol)を得た。このものの4−ブロモベンジルアルデヒドからの収率は73.5%であった。
(第三段)
上記の4−ブロモフェネチルアルデヒド10.0g(46.9mmol)をエタノール300mlに溶解し、これに10℃以下で水素化ほう素ナトリウム1.6g(26mmol)を加え、約5時間攪拌した。反応物を濾過し、濾液中の生成物を酢酸エチルで抽出した。抽出液を水、6N塩酸及び食塩水でこの順に洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥し、次いで減圧にて酢酸エチルを留去した。残分を減圧蒸留にて精製して、3−(4−ブロモフェニル)プロピルアルコール7.8g(36.3mmol)を得た。このものの4−ブロモフェネチルアルデヒドからの収率は77.4%であった。
【0104】
(第四段)
上記の3−(4−ブロモフェニル)プロピルアルコール7.8g(36.3mmol)をエチレングリコールジメチルエーテル100mlに溶解し、これに室温でDAST9.0g(55.8mmol)を滴下し、約3時間攪拌した。反応液に水100mlを加え、生成物をトルエンで抽出した。抽出液を水、飽和重曹水及び水でこの順に洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、トルエンを留去して、1−(3−フルオロプロピル)−4−ブロモベンゼン5.5g(25.3mmol)を得た。このものの3−(4−ブロモフェニル)プロピルアルコールからの収率は69.7%であった。
(第五段)
乾燥したメトキシメチルトリフェニルホスホニウムクロリド45.0g(131mmol)に、THF500mlを加え、次いで室温でカリウム−t−ブトキシド14.5g(130mmol)を加え、約1時間攪拌した。この反応液に室温でビシクロヘキサンジオンモノプロピレンケタール30.0g(119mmol)の200mlTHF溶液を滴下し、約2時間攪拌した後、反応液に水800mlを加え、生成物をトルエンで抽出した。抽出液を食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、次いで溶媒を留去した。残分を、展開溶媒としてトルエン/酢酸エチル=3/1混合溶媒を用いたカラムクロマトグラフィーにより精製した。かくして得られた精製物を室温で、2N塩酸300mlとアセトン300mlの混合溶媒中で10時間攪拌した後、生成物をトルエンで抽出した。抽出液を飽和重曹水と水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、トルエンを留去した。残分をヘプタン/酢酸エチル=3/1混合溶媒で再結晶して無色結晶の4−(4−オキシシクロヘキシル)シクロヘキサンカルバルデヒドプロピレンケタール20.7g(77.7mmol)を得た。このもののビシクロヘキサンジオンモノプロピレンケタールからの収率は65.3%であった。
【0105】
(第六段)
エーテル50ml中で、
乾燥したマグネシウムと第四段で合成した1−(3−フルオロプロピル)−4−ブロモベンゼン5.5g(25.3mmol)とから室温で調製したグリニヤール試薬に、室温で上記の4−(4−オキシシクロヘキシル)シクロヘキサンカルバルデヒドプロピレンケタール6.7g(25.2mmol)のエーテル20ml溶液を滴下し、室温で5時間攪拌した。反応液を6N塩酸に加え、生成物を酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和重曹水と水でこの順で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、酢酸エチルを減圧にて留去した。残分約12gをトルエン100mlに溶解し、これにイオン交換樹脂(アンバーリスト15)1.0gを加えて、5時間加熱還流した。イオン交換樹脂を濾別し、濾液を飽和重曹水と水でこの順で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、トルエンを減圧にて留去した。残分8.0gを展開溶媒としてヘプタン/酢酸エチル=3/1混合溶媒を用いたカラムクロマトグラフィーにより精製した。かくして得られた精製物約7gをエタノール/酢酸エチル=1/1混合溶媒100mlに溶解し、これに触媒として10%ラネーニッケル(ラネーNDHT−90、川研ファインケミカル(株)製)3.5gを加えて水素添加した。触媒を濾別し、濾液を濃縮した後、残分をヘプタン/酢酸エチル=3/1混合溶媒で再結晶して無色固体約5gを得た。これをトルエン100mlに溶解し、蟻酸10mlを加えて、5時間加熱還流した。反応液を水、飽和重曹水及び食塩水でこの順で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、トルエンを減圧にて留去して、4−(4−(3−フルオロプロピル)フェニル)シクロヘキシルシクロヘキサンカルバルデヒド2.5g(7.6mmol)を得た。このものの1−(3−フルオロプロピル)−4−ブロモベンゼンからの収率は30.0%であった。
【0106】
(第七段)
乾燥したメチルトリフェニルホスホニウムアイオダイド6.1g(15.1mmol)にTHF80mlを加え、次いで室温でカリウム−t−ブトキシド1.6g(14.3mmol)を加え、約1時間攪拌した。この反応液に室温で上記の4−(4−(3−フルオロプロピル)シクロヘキシル)シクロヘキサンカルバルデヒド2.5g(7.6mmol)の20mlTHF溶液を滴下し、約2時間攪拌した。反応液に水50mlを加え、生成物をトルエンで抽出した。抽出液を食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥し、次いで溶媒を留去した。残分を、展開溶媒としてヘプタンを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製した。かくして得られた精製物をヘプタン/エタノール=1/1で再結晶して1−(4−(4−エテニルシクロヘキシル)シクロヘキシル)−4−(3−フルオロプロピル)ベンゼン0.62g(1.9mmol)を得た。このものの4−(4−(3−フルオロプロピル)フェニル)シクロヘキシルシクロヘキサンカルバルデヒドからの収率は25.0%であった。また相転移点はSB−N点139.7℃。N−I点141.6℃。さらに各種スペクトルデータはその構造をよく支持した。
1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):7.10(s,4H)、5.79(m,1H)、4.92(m,2H)、4.70(t,1H)、4.17(t,1H)、2.71(t,2H)、2.68〜1.07(m,22H)。
GC−MS M+329。
【0107】
実施例2
1−(4−(2−(4−(1−ブテニル)シクロヘキシル)エチル)シクロヘキシル)−4−(3−フルオロプロピル)ベンゼン((I)式において、X=F、Ra=−(CH2)3−、m=0、n=1、環A2=1,4−フェニレン、環A3=環A4=1,4−シクロヘキシレン、Z2=単結合、Z3=−C2H4−、Rb=−CH=CH−C2H5である化合物(No.161))の製造
(第一段)
乾燥したエーテル50ml中で、マグネシウムと実施例1第四段で合成した1−(3−フルオロプロピル)−4−ブロモベンゼン5.5g(25.3mmol)とから室温で調製したグリニヤール試薬に、室温で市販のシクロヘキサンジオン モノエチレンケタール3.9g(25.0mmol)のエーテル20ml溶液を滴下し、室温で5時間攪拌した。反応液を6N塩酸50mlに加え、生成物を酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和重曹水と水でこの順で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、酢酸エチルを減圧にて留去した。残分をトルエン100mlに溶解し、これにイオン交換樹脂(アンバーリスト15)1gを加えて、5時間加熱還流した。イオン交換樹脂を濾別し、濾液を飽和重曹水と水でこの順に洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、トルエンを減圧にて留去した。残分5.2gを展開溶媒としてヘプタン/酢酸エチル=3/1混合溶媒を用いたカラムクロマトグラフィーにより精製した。かくして得られた精製物を約5gをエタノール/酢酸エチル=1/1混合溶媒80mlに溶解し、これに触媒として10%ラネーニッケル2.5gを加えて水素添加した。触媒を濾別し、濾液を濃縮した。この濃縮物をトルエン100mlに溶解し、蟻酸10mlを加えて、5時間加熱還流した。反応液を水、飽和重曹水及び食塩水でこの順に洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、トルエンを減圧にて留去して、4−(4−(3−フルオロプロピル)フェニル)シクロヘキサノン3.5g(14.9mmol)を得た。このものの1−(3−フルオロプロピル)−4−ブロモベンゼンからの収率は58.9%であった。
【0108】
(第二段)
乾燥したメトキシメチルトリフェニルホスホニウムクロリド5.5g(16.0mmol)に、THF60mlを加え、次いで室温でカリウム−t−ブトキシド1.8g(16mmol)を加え、約1時間攪拌した。この反応液に室温で上記の4−(4−(3−フルオロプロピル)フェニル)シクロヘキサノン3.5g(14.9mmol)の10mlTHF溶液を滴下し、約2時間攪拌した。反応液に水60mlを加え、生成物をトルエンで抽出した。抽出液を食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を留去した。残分を、展開溶媒としてトルエンを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製し、かくして得られた精製物を室温で、2N塩酸30mlとTHF30mlの混合溶媒中で5時間攪拌した後、生成物をトルエンで抽出した。抽出液を飽和重曹水と水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、トルエンを留去して、4−(4−(3−フルオロプロピル)フェニル)シクロヘキサンカルバルデヒド3.0g(12.1mmol)を得た。このものの4−(4−(3−フルオロプロピル)フェニル)シクロヘキサノンからの収率は81.2%であった。
(第三段)
乾燥したメトキシメチルトリフェニルホスホニウムクロリド4.30g(12.5mmol)に、THF50mlを加え、次いで室温でカリウム−t−ブトキシド1.38g(12.3mmol)を加え、約1時間攪拌した。この反応液に室温で上記の4−(4−(3−フルオロプロピル)フェニル)シクロヘキサンカルバルデヒド3.00g(12.1mmol)の10mlTHF溶液を滴下し約2時間攪拌した。反応液に水50mlを加え、生成物をトルエンで抽出した。抽出液を食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、次いで溶媒を留去した。残分を、展開溶媒としてトルエンを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製した。かくして得られた精製物を室温で、2N塩酸30mlとTHF30mlの混合溶媒中で5時間攪拌した後、生成物をトルエンで抽出した。抽出液を飽和重曹水と水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、トルエンを留去して、2−(4−(4−(3−フルオロプロピル)フェニル)シクロヘキシル)エタナール2.63g(10.0mmol)を得た。このものの4−(4−(3−フルオロプロピル)フェニル)シクロヘキサンカルバルデヒドからの収率は82.6%であった。
【0109】
(第四段)
上記の2−(4−(4−(3−フルオロプロピル)フェニル)シクロヘキシル)エタナール2.63g(10.0mmol)をエタノール30mlに溶解し、これに10℃以下で水素化ほう素ナトリウム0.19g(5.0mmol)を徐々に加え、3時間攪拌した。反応液に1N塩酸30mlを徐々に加え、生成物をトルエンで抽出した。抽出液を食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧にてトルエンを留去して、2−(4−(4−(3−フルオロプロピル)フェニル)シクロヘキシル)エチルアルコール2.37g(8.96mmol)を得た。このものの2−(4−(4−(3−フルオロプロピル)フェニル)シクロヘキシル)エタナールからの収率は89.6%であった。
(第五段)
上記の2−(4−(4−(3−フルオロプロピル)フェニル)シクロヘキシル)エチルアルコール2.37g(8.96mmol)を47%臭化水素酸30ml中に加え、10時間加熱還流した。生成物をトルエンで抽出し、抽出液を飽和重曹水と食塩水でこの順に洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、トルエンを減圧にて留去した。残分を、展開溶媒としてヘプタンを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製し、精製物をヘプタン/エタノール=1/1混合溶媒で再結晶して、2−(4−(4−(3−フルオロプロピル)フェニル)シクロヘキシル)エチルブロミド1.98g(6.05mmol)を得た。このものの2−(4−(4−(3−フルオロプロピル)フェニル)シクロヘキシル)エチルアルコールからの収率は67.5%であった。
【0110】
(第六段)
乾燥したエーテル20ml中で、マグネシウムと上記の2−(4−(4−(3−フルオロプロピル)フェニル)シクロヘキシル)エチルブロミド1.98g(6.05mmol)とから室温で調製したグリニヤール試薬に、室温で市販のシクロヘキサンジオン モノエチレンケタール0.94g(6.02mmol)のエーテル5ml溶液を滴下し、室温で5時間攪拌した。反応液を6N塩酸30mlに加え、生成物を酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和重曹水と水でこの順で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、酢酸エチルを減圧にて留去した。残分をトルエン20mlに溶解し、これにイオン交換樹脂(アンバーリスト10)0.2gを加えて、5時間加熱還流した。イオン交換樹脂を濾別し、濾液を飽和重曹水と水でこの順で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、トルエンを減圧にて留去した。残分を展開溶媒としてヘプタン/酢酸エチル=3/1混合溶媒を用いたカラムクロマトグラフィーにより精製した。かくして得られた精製物をエタノール/酢酸エチル=1/1混合溶媒20mlに溶解し、これに触媒として10%ラネーニッケル1gを加えて水素添加した。触媒を濾別し、濾液を濃縮した。この濃縮物をトルエン20mlに溶解し、蟻酸2mlを加えて、5時間加熱還流した。反応液を水、飽和重曹水及び食塩水でこの順に洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、トルエンを減圧にて留去して、4−(2−(4−(4−(3−フルオロプロピル)フェニル)シクロヘキシル)エチル)シクロヘキサノン1.03g(2.99mmol)を得た。このものの2−(4−(4−(3−フルオロプロピル)フェニル)シクロヘキシル)エチルブロミドからの収率は49.4%であった。
【0111】
(第七段)
乾燥したメトキシメチルトリフェニルホスホニウムクロリド1.10g(3.21mmol)に、THF10mlを加え、次いで室温でカリウム−t−ブトキシド0.36g(3.21mmol)を加え、約1時間攪拌した。この反応液に室温で上記の4−(2−(4−(4−(3−フルオロプロピル)フェニル)シクロヘキシル)エチル)シクロヘキサノン1.03g(2.99mmol)の10mlTHF溶液を滴下し、約2時間攪拌した後、反応液に水20mlを加え、生成物をトルエン抽出した。抽出液を食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、次いで溶媒を留去した。残分を、展開溶媒としてトルエンを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製し、かくして得られた精製物を室温で、2N塩酸10mlとTHF10mlの混合溶媒中で5時間攪拌した後、生成物をトルエン抽出した。抽出液を飽和重曹水と水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、トルエンを留去して、4−(2−(4−(4−(3−フルオロプロピル)フェニル)シクロヘキシル)エチル)シクロヘキサンカルバルデヒド0.97g(2.71mmol)を得た。このものの4−(2−(4−(4−(3−フルオロプロピル)フェニル)シクロヘキシル)エチル)シクロヘキサノンからの収率は90.6%であった。
【0112】
(第八段)
乾燥したプロピルトリフェニルホスホニウムクロリド1.15g(2.98mmol)に、THF10mlを加え、次いで室温でカリウム−t−ブトキシド0.34g(3.03mmol)を加え、約1時間攪拌した。この反応液に室温で上記の4−(2−(4−(4−(3−フルオロプロピル)フェニル)シクロヘキシル)エチル)シクロヘキサンカルバルデヒド0.97g(2.71mmol)の10mlTHF溶液を滴下し、約2時間攪拌した。反応液に水20mlを加え、生成物をトルエンで抽出した。抽出液を食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、次いで溶媒を留去した。残分を、展開溶媒としてヘプタンを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製した。かくして得られた精製物をトルエン20mlに溶解し、これにスルフィン酸ナトリウム0.3gを加え5時間攪拌した。反応液を飽和重曹水と水でこの順に洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、トルエンを減圧にて留去した。残分を、展開溶媒としてヘプタンを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製し、かくして得られた精製物をヘプタン/エタノール=1/1混合溶媒で再結晶して、1−(4−(2−(4−(1−ブテニル)シクロヘキシル)エチル)シクロヘキシル)−4−(3−フルオロプロピル)ベンゼン0.32g(0.83mmol)を得た。このものの4−(2−(4−(4−(3−フルオロプロピル)フェニル)シクロヘキシル)エチル)シクロヘキサンカルバルデヒドからの収率は30.6%であった。1H−NMRはよく構造を支持した。GC−MS M+385。
【0113】
実施例3(参考例)
1−(4−(4−(3−フルオロプロピル)シクロヘキシル)フェニル)−4−(4−エテニルシクロヘキシル)ベンゼン((I)式において、X=F、Ra=−(CH−、m=1、n=1、環A1=環A4=1,4−シクロヘキシレン、環A2=環A3=1,4−フェニレン、Z=Z=Z=単結合、Rb=−CH=CHである化合物(No.496))の製造
(第一段)
市販の4−フェニルシクロヘキサノン100g(574mmol)をクロロホルム1lに溶解し、これに鉄粉4gを加えた後、0℃で臭素91.8g(574っもl)を滴下し3時間撹拌した。反応液を水洗し、減圧にてクロロホルムを留去した。残分をトルエン20mlに溶解し、この溶液を無水硫酸マグネシウムにより乾燥した後、減圧にてトルエンを留去した。残分をヘプタン/酢酸エチル=3/1混合溶媒で再結晶することにより4−(4−ブロモフェニル)シクロヘキサノン67.0g(265mmol)を得た。このものの4−フェニルシクロヘキサノンからの収率は46.2%であった。
(第二段)
乾燥したメトキシメチルトリフェニルホスホニウムクロリド55.0g(160mmol)に、THF600mlを加え、次いで室温でカリウム−t−ブトキシド17.8g(159mmol)を加え、約1時間撹拌した。この反応液に室温で上記の4−(4−ブロモフェニル)シクロヘキサノン35g(138mmol)の100mlTHF溶液を滴下し、約2時間撹拌した。反応液に水600mlを加え、生成物をトルエンで抽出した。抽出液を食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、次いで溶媒を留去した。残分を、展開溶媒としてトルエンを用いたてカラムクロマトグラフィーにより精製した。かくして得られた精製物を室温で、2N塩酸300mlとTHF300mlの混合溶媒中で5時間撹拌した後、生成物をトルエンで抽出した。抽出液を飽和重曹水と水で順次洗浄し
、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、トルエンを留去して、4−(4−ブロモフェニル)シクロヘキサンカルバルデヒド28.8g(108mmol)を得た。このものの4−(4−ブロモフェニル)シクロヘキサノンからの収率は78.3%であった。
【0114】
(第三段)
乾燥したメチルトリフェニルホスホニウムアイオダイド10.0g(24.7mmol)に、THF100mlを加え、次いで室温でカリウム−t−ブトキシド2.77g(24.7mmol)を加え、約1時間攪拌した。この反応液に室温で上記の4−(4−ブロモフェニル)シクロヘキサンカルバルデヒド6.40g(24.0mmol)の20mlTHF溶液を滴下し、約2時間攪拌した後、反応液に水100mlを加え、生成物をトルエンで抽出した。抽出液を食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を留去した。残分を、展開溶媒としてヘプタンを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製し、かくして得られた精製物をヘプタン/エタノール=1/1混合溶媒で再結晶して、1−ブロモ−4−(4−エテニルシクロヘキシル)ベンゼン5.30g(20.0mmol)を得た。このものの4−(4−ブロモフェニル)シクロヘキサンカルバルデヒドからの収率は83.3%であった。
(第四段)
市販の3−フルオロプロピルブロミド100g(709mmol)とトリフェニルホスフィン186g(709mmol)とをベンゼン1l中で30時間加熱還流し、生成物を濾別して、3−フルオロプロピルトリフェニルホスホニウムブロミド98.0g(242mmol)を得た。このものの3−フルオロプロピルブロミドからの収率は34.1%であった。
【0115】
(第五段)
乾燥した上記の3−フルオロプロピルホスホニウムブロミド45.0g(112mmol)に、THF500mlを加え、次いで−20℃でカリウム−t−ブトキシド12.3g(110mmol)を加え、約1時間攪拌し、室温まで加温しさらに1時間攪拌した。この反応液に室温で、実施例3第一段で合成した4−(4−ブロモフェニル)シクロヘキサノン25.0g(98.8mmol)の100mlTHF溶液を滴下し、約2時間攪拌した後、反応液に水500mlを加え、生成物をトルエンで抽出した。抽出液を食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、次いで溶媒を留去した。残分を、展開溶媒としてヘプタンを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製し、かくして得られた精製物を触媒としてPd/Cを用いて、エタノール/酢酸エチル=1/1混合溶媒中で水素添加した。触媒を濾別し、濾液の溶媒を減圧にて留去して1−ブロモ−4−(4−(3−フルオロプロピル)シクロヘキシル)ベンゼン17.9g(59.8mmol)を得た。このものの4−(4−ブロモフェニル)シクロヘキサノンからの収率は60.5%であった。
(第六段)
上記の1−ブロモ−4−(4−(3−フルオロプロピル)シクロヘキシル)ベンゼン5.70g(19.0mmol)をTHF50mlに溶解し、これを窒素雰囲気下で−50℃まで冷却した。これにノルマルブチルリチウムの1.63Mヘキサン溶液12.3ml(20.0mmol)を滴下し、0.5時間攪拌し、次いでこの溶液に塩化亜鉛の0.5MTHF溶液40ml(20mmol)をそのままの滴下し、5分間攪拌した後、室温に加温して1時間攪拌した。この反応液にテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム0.5gを加え、次いで実施例3第三段で合成した1−ブロモ−4−(4−エテニルシクロヘキシル)ベンゼン5.30g(20.0mmol)のTHF20ml溶液を滴下し、5時間加熱還流した。この反応液を6N塩酸100mlに加え、生成物をトルエンで抽出した。抽出液を飽和重曹水と水でこの順に洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、トルエンを減圧にて留去した。残分を、展開溶媒としてヘプタンを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製し、精製物をヘプタン/酢酸エチル=1/1混合溶媒で再結晶して、1−(4−(4−(3−フルオロプロピル)シクロヘキシル)フェニル)−4−(4−エテニルシクロヘキシル)ベンゼン2.81g(6.94mmol)を得た。このものの1−ブロモ−4−(4−(3−フルオロプロピル)シクロヘキシル)ベンゼンからの収率は36.5%であった。1H−NMRはよくこの構造を支持した。GC−MS M+405。
【0116】
実施例4
1−(4−(3−ブテニル)シクロヘキシル)−4−(3−フルオロプロピル)ベンゼン((1)式において、X=F、Ra=−(CH2)3−、m=n=0、環A3=1,4−フェニレン、環A4=1,4−シクロヘキシレン、Z3=単結合、Rb=−C2H4−CH=CH2である化合物(No.37))の製造
(第一段)
乾燥した1,3−ジオキサン−2−イル−エチルトリフェニルホスホニウムブロミド11.4g(24.9mmol)に、THF100mlを加え、次いで室温でカリウム−t−ブトキシド2.77g(24.7mmol)を加え、約1時間攪拌した。この反応液に室温で、実施例2第一段で合成した4−(4−(3−フルオロプロピル)フェニル)シクロヘキサノン5.5g(23.5mmol)の20mlTHF溶液を滴下し、約2時間攪拌した。反応液に水100mlを加え、生成物をトルエン抽出した。抽出液を食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、次いで溶媒を留去した。残分を、展開溶媒としてヘプタン/酢酸エチル=3/1混合溶媒を用いたカラムクロマトグラフィーにより精製した。かくして得られた精製物をエタノール/酢酸エチル=1/1混合溶媒中で、触媒としてPd/Cを用いて、水素添加した。触媒を濾別し、濾液を濃縮した後、残分をヘプタン/酢酸エチル=5/1混合溶媒で再結晶して、1−(4−(1,3−ジオキサン−2−イルエチル)シクロヘキシル−4−(3−フルオロプロピル)ベンゼン4.1g(12.3mmol)を得た。このものの4−(4−(3−フルオロプロピル)フェニル)シクロヘキサノンからの収率は52.3%であった。
【0117】
(第二段)
上記の1−(4−(1,3−ジオキサン−2−イルエチル)シクロヘキシル−4−(3−フルオロプロピル)ベンゼン4.1g(12.3mmol)を室温で2N塩酸30mlとTHF30mlの混合溶媒中で5時間攪拌した後、生成物をトルエンで抽出した。抽出液を飽和重曹水と水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、トルエンを留去して、3−(4−(4−(3−フルオロプロピル)フェニル)シクロヘキシル)プロパナール2.9g(11.3mmol)を得た。このものの1−(4−(1,3−ジオキサン−2−イルエチル)シクロヘキシル−4−(3−フルオロプロピル)ベンゼンからの収率は91.9%であった。
(第三段)
乾燥したメチルトリフェニルホスホニウムアイオダイド5.00g(12.3mmol)にTHF50mlを加え、次いで室温でカリウム−t−ブトキシド1.38g(12.3mmol)を加え、約1時間攪拌した。この反応液に室温で上記の3−(4−(4−(3−フルオロプロピル)フェニル)シクロヘキシル)プロパナール2.9g(11.3mmol)の10mlTHF溶液を滴下し、約2時間攪拌した後、反応液に水50mlを加え、生成物をトルエンで抽出した。抽出液を食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、次いで溶媒を留去した。残分を、展開溶媒としてヘプタンを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製し、かくして得られた精製物をヘプタン/エタノール=1/1混合溶媒で再結晶して1−(4−(3−ブテニル)シクロヘキシル)−4−(3−フルオロプロピル)ベンゼン(0.83g(3.0mmol)を得た。このものの3−(4−(4−(3−フルオロプロピル)フェニル)シクロヘキシル)プロパナールからの収率は26.6%であった。1H−NMRはよくこの構造を支持した。GC−MS M+251。
【0118】
実施例5
1−(4−エテニルシクロヘキシル)−4−(3−フルオロプロピル)ベンゼン((1)式において、X=F、Ra=−(CH2)4−、m=n=0、環A3=1,4−フェニレン、環A4=1,4−シクロヘキシレン、Z3=単結合、Rb=−CH=CH2である化合物(No.36))の製造
(第一段)
実施例3第四段で合成した乾燥した3−フルオロプロピルホスホニウムブロミド20.0g(49.8mmol)にTHF200mlを加え、次いで−20℃でカリウム−t−ブトキシド5.5g(49.0mmol)を加え、約1時間攪拌し、室温に加温しさらに1時間攪拌した。この反応液に市販の4−ブロモベンザルデヒド9.0g(48.6mmol)の20mlTHF溶液を滴下し、約2時間攪拌した後、反応液に水200mlを加え、生成物をトルエンで抽出した。抽出液を食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、次いで溶媒を留去した。残分を、展開溶媒としてヘプタンを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製した。かくして得られた精製物を、触媒としてPd/Cを用いてエタノール/酢酸エチル=1/1混合溶媒中で水素添加した。触媒を濾別し、濾液の溶媒を減圧にて留去して1−ブロモ−4−(4−フルオロブチル)ベンゼン8.2g(35.5mmol)を得た。このものの4−ブロモベンザルデヒドからの収率は73.0%であった。
【0119】
(第二段)
乾燥したTHF40ml中で、マグネシウムと上記の1−ブロモ−4−(4−フルオロブチル)ベンゼン8.2g(35.5mmol)とから室温で調製したグリニヤール試薬に、室温で市販のシクロヘキサンジオン モノエチレンケタール5.6g(35.9mmol)のTHF10ml溶液を滴下し、室温で5時間攪拌した。反応液を6N塩酸50mlに加え、生成物を酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和重曹水と水でこの順で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、酢酸エチルを減圧にて留去した。残分をトルエン100mlに溶解し、これにイオン交換樹脂(アンバーリスト15)0.8gを加えて、5時間加熱還流した。イオン交換樹脂を濾別し、濾液を飽和重曹水と水でこの順で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、トルエンを減圧にて留去した。残分を展開溶媒としてヘプタン/酢酸エチル=3/1混合溶媒を用いたカラムクロマトグラフィーにより精製した。かくして得られた精製物をエタノール/酢酸エチル=1/1混合溶媒20mlに溶解し、これに触媒として10%ラネーニッケル(ラネーNDHT−90、川研ファインケミカル(株)製)3gを加えて、水素添加した。触媒を濾別し、濾液を濃縮した。この濃縮物をトルエン100mlに溶解し、蟻酸8mlを加えて5時間加熱還流した。反応液を水、飽和重曹水及び食塩水でこの順に洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、トルエンを減圧にて留去して、4−(4−(4−フルオロブチル)フェニル)シクロヘキサノン6.2g(25.0mmol)を得た。このものの1−ブロモ−4−(4−フルオロブチル)ベンゼンからの収率は70.4%であった。
【0120】
(第三段)
乾燥したメトキシメチルトリフェニルホスホニウムクロリド10.0g(29.1mmol)に、THF70mlを加え、次いで室温でカリウム−t−ブトキシド3.25g(29.0mmol)を加え、約1時間攪拌した。この反応液に室温で上記の4−(4−(4−フルオロブチル)フェニル)シクロヘキサノン6.2g(25.0mmol)の30mlTHF溶液を滴下し、約2時間攪拌した後、反応液に水100mlを加え、生成物をトルエンで抽出した。抽出液を食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、次いで溶媒を留去した。残分を、展開溶媒としてトルエンを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製し、かくして得られた精製物を室温で、2N塩酸50mlとTHF50mlの混合溶媒中で5時間攪拌した後、生成物をトルエン抽出した。抽出液を飽和重曹水と水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、トルエンを留去して、4−(4−(4−フルオロブチル)フェニル)シクロヘキサンカルバルデヒド5.20g(19.8mmol)を得た。このものの4−(4−(4−フルオロブチル)フェニル)シクロヘキサノンからの収率は79.2%であった。
【】
(第四段)
乾燥したメチルトリフェニルホスホニウムアイオダイド10.0g(24.7mmol)に、THF100mlを加え、次いで室温でカリウム−t−ブトキシド2.77g(24.7mmol)を加え約1時間攪拌した。この反応液に室温で上記の4−(4−(4−フルオロブチル)フェニル)シクロヘキサンカルバルデヒド5.20g(19.8mmol)の20mlTHF溶液を滴下し、約2時間攪拌した後、反応液に水100mlを加え、生成物をトルエンで抽出した。抽出液を食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、次いで溶媒を留去した。残分を、展開溶媒としてヘプタンを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製し、かくして得られた精製物をヘプタン/エタノール=1/1混合溶媒で再結晶して1−(4−エテニルシクロヘキシル)−4−(3−フルオロプロピル)ベンゼンを1.02g(3.92mmol)得た。このものの4−(4−(4−フルオロブチル)フェニル)シクロヘキサンカルバルデヒドからの収率は19.8%であった。1H−NMRはよくこの構造を支持した。GC−MS M+261。
実施例1から5および発明の詳細な説明の欄における記述を基に、次の化合物No.1〜No.516を製造することができる。
【0121】
【化67】
Figure 0003906487
【0122】
【化68】
Figure 0003906487
【0123】
【化69】
Figure 0003906487
【0124】
【化70】
Figure 0003906487
【0125】
【化71】
Figure 0003906487
【0126】
【化72】
Figure 0003906487
【0127】
【化73】
Figure 0003906487
【0128】
【化74】
Figure 0003906487
【0129】
【化75】
Figure 0003906487
【0130】
【化76】
Figure 0003906487
【0131】
【化77】
Figure 0003906487
【0132】
【化78】
Figure 0003906487
【0133】
【化79】
Figure 0003906487
【0134】
【化80】
Figure 0003906487
【0135】
【化81】
Figure 0003906487
【0136】
【化82】
Figure 0003906487
【0137】
【化83】
Figure 0003906487
【0138】
【化84】
Figure 0003906487
【0139】
【化85】
Figure 0003906487
【0140】
【化86】
Figure 0003906487
【0141】
【化87】
Figure 0003906487
【0142】
【化88】
Figure 0003906487
【0143】
【化89】
Figure 0003906487
【0144】
【化90】
Figure 0003906487
【0145】
【化91】
Figure 0003906487
【0146】
【化92】
Figure 0003906487
【0147】
【化93】
Figure 0003906487
【0148】
【化94】
Figure 0003906487
【0149】
【化95】
Figure 0003906487
【0150】
【化96】
Figure 0003906487
【0151】
【化97】
Figure 0003906487
【0152】
【化98】
Figure 0003906487
【0153】
【化99】
Figure 0003906487
【0154】
【化100】
Figure 0003906487
【0155】
【化101】
Figure 0003906487
【0156】
【化102】
Figure 0003906487
【0157】
【化103】
Figure 0003906487
【0158】
【化104】
Figure 0003906487
【0159】
【化105】
Figure 0003906487
【0160】
【化106】
Figure 0003906487
【0161】
【化107】
Figure 0003906487
【0162】
【化108】
Figure 0003906487
【0163】
実施例6(使用例1)
4−(4−プロピルシクロヘキシル)ベンゾニトリル 24%
4−(4−ペンチルシクロヘキシル)ベンゾニトリル 36%
4−(4−ヘプチルシクロヘキシル)ベンゾニトリル 25%
4−(4−(4−ペンチルシクロヘキシル)フェニル)ベンゾニトリル 15%
からなる液晶組成物(A1)を調製した。このネマチック液晶組成物の透明点は72.4℃、セル厚9μmでのしきい値電圧は1.78V、Δεは11.0、Δnは0.137、20℃における粘度は27.0mPa・sであった。この液晶組成物85%と本発明の実施例1の化合物(1−(4−(4−エテニルシクロヘキシル)シクロヘキシル)−4−(3−フルオロプロピル)ベンゼン)化合物(No.139)15%とからなる液晶組成物(B1)を調製した。このものの透明点は78.2℃、セル厚8.7μmでのしきい値電圧は1.83V、Δεは9.7、Δnは0.131、20℃における粘度は27.0mPa・sであった。上記液晶組成物の混合比から外挿法で算出した実施例1の化合物の物性値はそれぞれ、透明点は111.1℃、Δεは2.3、Δnは0.095、20℃における粘度は27.8.mPaSであった。また、この組成物を−20℃のフリーザーに60日間放置したが結晶およびスメクチック相の析出は認められなかった。
【0164】
実施例7(比較例1)
上記の液晶組成物(A1)85%と(1−(4−(4−エテニルシクロヘキシル)シクロヘキシル)−4−プロピルベンゼン)15%とからなる液晶組成物(B2)を調製した。このものの20℃における粘度は26.8mPa・sであった。また液晶組成物(A1)の混合比から算出したこのものの20℃における外挿粘度は27.0mPaSであった。
【0165】
実施例8(比較例2)
上記の液晶組成物(A1)50%と(1−(4−(4−エテニルシクロヘキシル)シクロヘキシル)−4−プロピルベンゼン)50%とからなる液晶組成物(B3)を調製した。一方、液晶組成物(A1)50%と実施例1の化合物(1−(4−(4−エテニルシクロヘキシル)シクロヘキシル)−4−(3−フルオロプロピル)ベンゼン)化合物(No.139))50%とからなる液晶組成物(B4)を調製した。これらの液晶組成物B3とB4をそれぞれ−20℃のフリーザーに60日間放置したところ、B4の場合は結晶の析出は認められなかったが、B3の場合は3日目で結晶の析出が認められた。
【0166】
実施例9(比較例3)
上記の液晶組成物(B1)の電圧保持率は25℃で94.0%、100℃で1時間加熱した後25℃まで放冷した状態で92.3%であった。一方、上記の液晶組成物(B2)の電圧保持率は25℃で93.7%、100℃で1時間加熱した後25℃まで放冷した状態で92.0%であった。
【0167】
【発明の効果】
本発明の化合物は、既存のアルケニル化合物と同様に粘度が低く、大きな弾性定数比K33/K11を有していながら、なおかつ相溶性が良いという好特性を有するものである。これらの化合物を成分として含む液晶組成物は、該化合物が有する良好な相溶性と低粘性を反映して、低粘性でありかつ大きな弾性定数比を有し、よってSTN表示様式に用いられる液晶表示素子として非常に優れたものである。

Claims (12)

  1. 一般式(1)
    Figure 0003906487
    (式中、Xはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、またはよう素原子を示し、Raは基中の隣接しない任意のメチレン基が酸素原子、硫黄原子またはカルボニル基で置換されていてもよく、−CHCH−が−CH=CH−または−C≡C−で置換されていてもよい炭素数2から15のアルキレン基を示し、Rbは炭素数2〜15のアルケニル基を示し、環A1〜A4はそれぞれに独立して六員環上の1個以上の水素原子がフッ素原子で置換されていてもよい1,4−シクロヘキシレン基または1,4−フェニレン基を示し、Z〜Zはそれぞれに独立して単結合、基中の1個以上の水素原子がフッ素原子で置換されていてもよいエチレン基、ブチレン基、エテニレン基、ブテニレン基、エチニレン基、−CFO−、−OCF−、−CHO−、−OCH−、−COO−または−OCO−を示し、m及びnはそれぞれに独立して0または1を示すが、m+nは0または1であって、m+nが0であるときは環A3および環A4の少なくとも1つは六員環上の1個以上の水素原子がフッ素原子で置換されていてもよい1,4−フェニレン基である。)で表される液晶性化合物。
  2. 一般式(1)においてXがフッ素原子であり、Z〜Zがそれぞれに独立して単結合、エチレン基またはブチレン基である請求項1に記載の液晶性化合物。
  3. 一般式(1)においてRaがアルキレン基またはアルケニレン基である請求項2に記載の液晶性化合物。
  4. 一般式(1)においてm、nがともに0である請求項3に記載の液晶性化合物。
  5. 一般式(1)においてmが0であり、nが1である請求項3に記載の液晶性化合物。
  6. 一般式(1)において環A3および環A4のどちらか一方が六員環上の1個以上の水素原子がフッ素原子で置換されてもよい1,4−フェニレン基であり、他方が1,4−シクロヘキシレン基である請求項4に記載の液晶性化合物。
  7. 一般式(1)において環A3が1,4−シクロヘキシレン基であり、環A2および環A4のどちらか一方が1,4−シクロヘキシレン基であり他方が六員環上の1個以上の水素原子がフッ素原子で置換されていてもよい1,4−フェニレン基である請求項5に記載の液晶性化合物。
  8. 請求項1〜のいずれかに記載の液晶性化合物を少なくとも1種類含有することを特徴とする液晶組成物。
  9. 第一成分として、請求項1〜のいずれかに記載の液晶性化合物を少なくとも1種類含有し、第二成分として、一般式(2)、(3)および(4)
    Figure 0003906487
    (式中、Rは炭素数1〜10のアルキル基を示し、XはF、Cl、OCF、OCFH、CF、CFHまたはCFHを示し、L、L、LおよびLは相互に独立してHまたはFを示し、ZおよびZは相互に独立して−(CH−、−CH=CH−または単結合を示し、aは1または2を示す。)で表される化合物群から選択される化合物を少なくとも1種類含有することを特徴とする液晶組成物。
  10. 第一成分として、請求項1〜のいずれかに記載の液晶性化合物を少なくとも1種類含有し、第二成分として、一般式(5)、(6)、(7)、(8)および(9)
    Figure 0003906487
    (式中、Rは基中の隣接しない任意のメチレン基が酸素原子によって置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基または炭素数2〜10のアルケニル基、またはFを示し、環Aはトランス−1,4−シクロヘキシレン基、1,4−フェニレン基、または1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基を示し、環Bはトランス−1,4−シクロヘキシレン基、1,4−フェニレン基、またはピリミジン−2,5−ジイル基を示し、環Cはトランス−1,4−シクロヘキシレン基または1,4−フェニレン基を示し、Zは−(CH−、−COO−または単結合を示し、LおよびLは相互に独立してHまたはFを示し、bおよびcは相互に独立して0または1を示す。)
    Figure 0003906487
    (式中、Rは炭素数1〜10のアルキル基を示し、LはHまたはFを示し、dは0または1を示す。)
    Figure 0003906487
    (式中、Rは炭素数1〜10のアルキル基を示し、環Dおよび環Eは相互に独 立してトランス−1,4−シクロヘキシレン基または1,4−フェニレン基を示し、ZおよびZは相互に独立して−COO−または単結合を示し、Zは−COO−または−C≡C−を示し、XはF、OCF、OCFH、CF、CFHまたはCFHを示し、LおよびLは相互に独立してHまたはFを示すが、XがOCF、OCFH、CF、CFHまたはCFHを示す場合はLおよびLは共にHを示し、e、fおよびgは相互に独立して0または1を示す。)
    Figure 0003906487
    (式中、RおよびRは相互に独立して基中の隣接しない任意のメチレン基が酸素原子によって置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基または炭素数2〜10のアルケニル基を示し、環Gはトランス−1,4−シクロヘキシレン基、1,4−フェニレン基、またはピリミジン−2,5−ジイル基を示し、環Hはトランス−1,4−シクロヘキシレン基、または1,4−フェニレン基を示し、Z10は−C≡C−、−COO−、−(CH−、−CH=CH−C≡C−または単結合を示し、Z12は−COO−または単結合を示す。)
    Figure 0003906487
    (式中、RおよびRは相互に独立して基中の隣接しない任意のメチレン基が酸素原子によって置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基または炭素数2〜10のアルケニル基を示し、環Iはトランス−1,4−シクロヘキシレン基、1,4−フェニレン基、またはピリミジン−2,5−ジイル基を示し、環Jはトランス−1,4−シクロヘキシレン基、環上の1つ以上の水素原子がFで置換されていてもよい1,4−フェニレン基、またはピリミジン−2,5−ジイル基を示し、環Kはトランス−1,4−シクロヘキシレン基または1,4−フェニレン基を示し、Z13およびZ15は相互に独立して−COO−、−(CH−または単結合を示し、Z14は−CH=CH−、−C≡C−、−COO−または単結合を示し、hは0または1を示す。)で表される化合物群から選択される化合物を少なくとも1種類含有することを特徴とする液晶組成物。
  11. 第一成分として、請求項1〜のいずれかに記載の液晶性化合物を少なくとも1種類含有し、第二成分の一部分として、請求項9に記載の一般式(2)、(3)および(4)からなる群から選択される化合物を少なくとも1種類含有し、第二成分の他の部分として、請求項10に記載の一般式(5)、(6)、(7)、(8)および(9)からなる群から選択される化合物を少なくとも1種類含有することを特徴とする液晶組成物。
  12. 請求項11のいずれかに記載の液晶組成物を用いて構成した液晶表示素子。
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