JP3906441B2 - 電子部品焼成用道具材 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、セラミック電子部品を焼成する際に使用する道具材の製造方法に関するものである。
【002】
【従来の技術】
フェライトやセラミックコンデンサー、サーミスターなどの電子部品を焼成する場合、一般にムライト質、コージェライト質、アルミナ質、炭化珪素質等の耐熱衝撃性に優れた緻密タイプの匣鉢、棚板、セッター等の焼成道具材が段詰みして使用される。しかしフェライト等のセラミック電子部品は高純度で反応性に富む原料からなるものが多く、焼成用道具材にSiO2を多く含むものを使用するとSiO2との間に反応を生じ、透磁率が低下するといった欠点を生ずる。そこで、従来はこれらの耐熱衝撃性焼成用道具材の上に高純度アルミナ質のセッターを積載したり、被焼成物と接する面に高純度アルミナ、マグネシア、ジルコニア等の難反応性物質をコーティングする方法がとられており、窯詰時や窯出時の組立てや分解が容易でフェライトと全く反応しない棚板や割れ、亀裂、剥離等を防止したジルコニア質コート層を有する匣鉢、棚板、セッター等が焼成用道具材として開示されている。(例えば、特開昭63−217190公報や特開平3−177383号公報等)
【003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、匣鉢、棚板、セッターの表面に難反応性物質のコーティングを施す場合、ムライト質、コージェライト質、アルミナ質等の道具材と高純度ジルコニア等の非反応性コーティング層との熱膨張率の差などから、長期にわたって使用していくとコートの亀裂、剥離が起こり易くなる。
【004】
そこで、本発明者は、前記の問題点である、基材とコートとの剥離防止について種々研究した結果、シリカ質中空球を基材中に含有させることにより、初期の課題が解決される事を見出し、本発明は、これらの知見に基づいて成されたものである。
【005】
したがて、本発明が解決しようとする課題は、道具材と熱膨張率の異なるコートとの剥離防止である。
【006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は主成分がアルミナ−シリカから成る電子部品焼成用道具材においてアルミナ質基材が80〜97重量%に対してシリカ質中空球を3〜20重量%含有させる事によって、焼成後の製品の中心線平均粗さが50ミクロン以上となる電子部品焼成用道具材を得る。この道具材表面にイットリア安定化ジルコニアまたは、カルシア安定化ジルコニアコート材を噴霧した後、1400℃以上でコーティング材を焼成することによって、道具材とコーティング材の接触面積が大きくなり、剥離し難くなることを要旨とする。この時、シリカ質中空球としては、フライアッシュバルーン、シリカバルーン、シラスバルーン等が単味もしくは複数の組み合せから成る物が用いられる。
【007】
【作用】
電子部品焼成用道具材の製造においてアルミナ基材が80〜97重量%に対してシリカ質中空球を3〜20重量%含有させ,1600℃以上で焼成する。このとき,1600℃以上の温度で焼成することによってシリカ質中空球は溶融し,球形を保つことができず,結果として道具材表面が荒れて道具材表面の中心線平均粗さが50ミクロン以上となる道具材が得られる。道具材表面にジルコニア材を噴霧した後、1400℃以上でコーティング材を焼成することによって道具材表面とコーティング材の接触面積が大きくなり,剥離しがたくなる。
【008】
次に、本発明の電子部品焼成用道具材の製造方法について説明する。まず、本発明の焼成用道具材の基材としては、アルミナ、ムライト、コーディライトなどのアルミナ質耐火原料が基材として使用され、アルミナ質耐火原料が80〜97重量%使用できる。
アルミナ成分が80重量%未満の場合はSiO2がムライトとしてではなくフリーのSiO2として存在し、ジルコニアコート焼付け時の際に基材に含まれるフリーのSiO2がジルコニアコーティング側に移動するため好ましくない。アルミナ成分が97重量%を超える場合は基材の熱衝撃に対する耐スポーリング性が低下するため好ましくない。基材の製造方法としては、主原料粉末の混合時にシリカ質中空球を添加し、混練後、プレス又は鋳込み等により成形し、乾燥させた後、1600℃以上で焼成させることによって道具材を得る。この道具材表面の中心線平均粗さが50ミクロン以上となる電子部品焼成用道具材を得る。
【009】
次に、本発明のコーティング層の製造方法について説明する。電融ジルコニアと超微粉ジルコニアと液体バインダーを混合してスラリー化した後、スプレーガンにてコーティング材を噴霧し、焼成済みの道具材表面にコーティング材を付着させる。ジルコニアコーティング材が付着した道具材を1400℃以上の温度で5時間以上保持して道具材にコーティング材を焼き付ける。
【010】
【実施例】
以下に本発明の実施例を示し、本発明の特徴とするところをより一層明確にする。
【011】
(実施例1)
通常の耐火物を製造するのと同様の方法で、電融アルミナ、電融ムライト、アルミナ粉およびシリカ質中空球を混合、5%PVA水溶液を3wt%加えて混練、150×150×5mmの形状にプレス成形後、100℃で24時間乾燥させて基材成形体を製造した。この時のAl2O3は85重量%、SiO2は15重量%である。基材成形体を100℃で24時間乾燥させた後、1700℃で5時間保持して焼成した。この時シリカ質中空球としてはシラスバルーンを用い添加量は3重量%である。
【012】
(実施例2)
実施例1と同様の方法でAl2O3は90重量%、SiO2は10重量%からなる基材を得た。この時シリカ質中空球としてはシラスバルーンを用い添加量は10重量%である。
【013】
(実施例3)
実施例1と同様の方法でAl2O3は90重量%、SiO2は10重量%からなる基材を得た。この時シリカ質中空球としてはフライアッシュバルーンを用い添加量は10重量%である。
【014】
(実施例4)
実施例1と同様の方法でAl2O3は90重量%、SiO2は10重量%からなる基材を得た。この時シリカ質中空球としてはシリカバルーンを用い添加量は5重量%である。
【015】
実施例1〜4の基材表面の中心線平均粗さを株式会社東京精密製の表面粗さ形状測定機(サーフコム550A)を用いて測定した。また、JISR2213−1995により基材の曲げ強さを測定した。この時、曲げ強さが5MPa以下の場合は繰返し使用した場合基材に割れが発生する。次にこの基材に粒径5〜15μmの電融イットリア安定化ジルコニア粉末(ZrO2 92重量%、Y2O38重量%)70重量%と粒径0.1〜1μmの共沈法によるイットリア安定化ジルコニア粉末(ZrO2 95重量%、Y2O3 5重量%)30重量%の割合で混合し、これに5%PVA水溶液を加えてスラリー化しコーティング材とした。このコーティング材を上記の基材成形体表面にスプレーガンにて噴霧し厚さ0.2mmまでコーティング材を堆積させた。それを100℃24時間乾燥させた後、1400℃で5時間保持して焼成し、ジルコニアコーティング層が形成された電子部品焼成用道具材を作製した。表1に上記実施例1〜4について、焼成体の中心線平均粗さとおよび1300℃で加熱後、室温までの強制空冷を200回繰返し、コーティング層の剥離の有無および道具材の割れについて調べた結果を表1に示す。
【016】
(比較例1)
比較のため実施例1と同様の方法でAl2O3は90重量%、SiO2は10重量%からなる基材を得た。この時シリカ質中空球を添加していない。
(比較例2)
実施例1と同様の方法でAl2O3は90重量%、SiO2は10重量%からなる基材を得た。この時シリカ質中空球としてはシラスバルーンを用い添加量は25重量%である。
(比較例3)
実施例1と同様の方法でAl2O3は90重量%、SiO2は10重量%からなる基材を得た。この時シリカ質中空球としてはフライアッシュバルーンを用い添加量は25重量%である。
この場合の基材表面の中心線平均粗さを実施例1〜4と同様の方法により調べた結果を表1に示す。また、コーティング層の剥離の有無について実施例1〜4と同様の方法により調べた結果を表1に示す。
【017】
【表1】
【018】
表1に示すように、シリカ質中空球の添加量が3、5、10重量%添加した実施例1〜4では、シリカ質中空球を添加しなかった場合や25重量%添加した比較例1〜3に比べて、コーティング層が繰返し加熱による剥離を生じないことがわかる。
【019】
以上の説明のように、本発明のセラミックス焼成用道具材の製造においてシリカ質中空球を3〜20重量%含有させ、1600℃以上で焼成する事によって道具材表面の中心線平均粗さが50ミクロン以上となる道具材が得られる。道具材表面にジルコニアコート材を噴霧した後、1400℃以上でコーティング材を焼成することによって道具材表面とコーティング材の接触面積が大きくなり、剥離し難くなる。
Claims (2)
- アルミナ質耐火原料80〜97重量%とシリカ質中空球を3〜20重量%を混練,成形,1600℃以上で焼成して得られる電子部品焼成用道具材で、材料の表面の中心線平均粗さが50ミクロン以上の電子部品焼成用道具材の製造方法
- アルミナ質耐火原料80〜97重量%とシリカ質中空球を3〜20重量%を混練,成形,1600℃以上で焼成して得られる基材にジルコニアコート材を塗付したのち、焼き付けることを特徴とする電子部品焼成用道具材の製造方法
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