JP3905927B2 - パチンコ玉発射装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、発射用ハンドルの操作に応じてパチンコ玉を発射するパチンコ玉発射装置に関し、特に、そのハンドルの使用状況を高精度に判断して作動する高機能かつ小型のパチンコ玉発射装置に関する。
【0002】
【従来技術】
従来、発射用ハンドルを遊技者が握ったことを検出するため、発振回路を構成し、この発振回路の構成素子の一部を発射用ハンドルまで延出させたものが知られている。この回路構成では、遊技者がハンドルを握ることによるインピーダンスの変化によって、発振回路の発振が停止もしくは開始するものとし、その発振回路の発振状態を検出する。即ち、発振の有無により、遊技者が発射用ハンドルを把持している状態を検出しているのである。
【0003】
また、発射部の動力源として、交流電源の周波数に同期した回転速度(いわゆる同期速度)で回転する同期モータ、あるいは同期速度より僅かに遅い速度で回転する誘導モータが用いられており、上記発振状態検出回路の検出信号に応じてこれら交流モータへの電力供給を制御している。なお、これらのモータの回転速度は一定に維持されるのが通常であり、パチンコ玉の発射の強さは、発射用ハンドルの回転位置によってバネの引っ張り強度を変えて調整している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来のパチンコ玉発射装置は、次のような問題があった。
発射用ハンドルの把持状態を検出するために利用される発振回路としては、簡易的な高周波発振回路であるLC発振回路、例えばコルピッツ形やハートレー形発振回路が一般的に用いられている。これらは、簡易的な発振回路とは言っても、帰還回路を有するため、その回路構成部品は多数に及び、かつ、発振状態を持続させるための増幅率やインピーダンスの調整に手間がかかってしまう。
【0005】
また、この様な発振回路が発振しているか否かの二値判断により遊技者による遊技状況を判断するのには、その検出精度には限界がある。即ち、インピーダンスは、環境の湿度変化や遊技者の発汗の状態、あるいは遊技者の年齢,体質等によってもかなりばらつくので、これらを正しく判断することは極めて困難であった。
【0006】
更に、発射部の動力源として交流モータを採用すれば、モータ自体が大型化し、電源としての交流電源を必要とする。このため、発振回路用の直流電源の他に交流電源ラインを引き回さなくてはならず、配線処理が煩雑であった。また、上記のように多数の複雑かつ大型の構成要素の集合体である従来のパチンコ玉発射装置は、極めて大型であり、パチンコ機の発射用ハンドルが取り付けられる部分の背面ほぼ一杯の空間を占有していた。
本発明のパチンコ玉発射装置は、煩雑な回路調整や配線引き回しを省略しつつ発射用ハンドルの把持状態を高精度に検出し、しかもその占有体積を小型化することを目的としてなされ、次の構成を採った。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明のパチンコ玉発射装置は、
発射部へ供給されたパチンコ玉を、発射用ハンドルの操作に応じてパチンコ台へ向けて発射する発射パチンコ玉発射装置において、
前記発射用ハンドルにまで回路構成素子を延出させた共振回路と、
前記発射部の動力源となるステッピングモータと、
前記共振回路に共振周波数近傍の周波数で共振励起用の電力信号を出力すると共に、該共振回路の共振状態を検出し、その共振状態の検出結果に応じて前記ステッピングモータへ送出する駆動信号を制御する制御部と、
前記制御部から出力される電力信号を正弦波の形態で前記共振回路に加える変換回路と
を備え、
前記制御部は、少なくともディジタル出力ポートとアナログ入力ポートを備えた1チップマイクロプロセッサからなり、
前記ディジタル出力ポートの一つの電圧を所定周期でオン・オフすると共に、該オン・オフ周期を、該共振回路の前記共振周波数の近傍を含む所定の範囲で可変すると共に、該ディジタル出力ポートを前記変換回路を介して前記共振回路の電源ラインに接続し、前記電力信号を出力する手段と
前記共振回路の出力を前記1チップマイクロプロセッサの前記アナログ入力ポートに接続し、該可変されたディジタル出力ポートのオン・オフ周期に対応して前記アナログ入力ポートに得られる電圧を読み取る読取手段と、
該読み取った電圧と前記ディジタル出力ポートのオン・オフの周期との関係から、前記発射用ハンドルにまで回路構成素子が延出された共振回路の共振周波数を特定することにより、前記発射用ハンドルに対する把持の状態を判別する判別手段と
を備え、更に
前記共振回路と前記制御部と前記変換回路とを、一の制御回路に組み込んだことを要旨とする。
【0008】
また、本発明のパチンコ玉発射装置として、制御部を1チップマイクロプロセッサから構成し、この制御部において、共振励起用の電力の周波数を可変し、可変した周波数と共振状態の検出結果とから、共振状態の検出条件を学習するものも構成可能である。
【0009】
更に、この1チップマイクロプロセッサにより、
共振回路に接続された出力ポートのオン・オフ周期を、共振回路の共振周波数の近傍を含む範囲で可変する可変手段と、
可変された出力ポートのオン・オフ周期に対応してアナログポートに得られる電圧を読み取る読取手段と、
読み取ったオン・オフ周期と電圧との関係から発射用ハンドルに対する把持の状態を判別する判別手段と
を構成することができ、
この場合には、発射用ハンドルの把持の状態を一層正確に検出することができる。
【0010】
【作用】
以上のように構成された本発明の検出装置では、簡単な共振回路を用意し、制御部である1チップマイクロプロセッサの出力ポートを変換回路を介して共振回路の電源ラインに接続すると共に、ディジタル出力ポートの電圧を所定周期でオン・オフし、電力信号を出力する。この結果、共振回路に対して変換回路を介して共振励起用の電力を正弦波の形態で供給することができる。しかも、制御部である1チップマイクロプロセッサは、その共振の状態をアナログ入力ポートを介して読み取ることで、発射用ハンドルの把持状態を検出する。制御部は、その検出結果に応じて発射部の動力源となるステッピングモータへ駆動信号を、直接送出する。かかる装置では、共振回路と制御部と変換回路とが、一の制御回路に組み込まれているので、小型が可能となり、更にパチンコ玉発射装置との一体化による占有体積の縮小化が可能となる。また、こうした構成とは別に、制御部において、共振励起用の電力の周波数を可変し、可変した周波数と共振状態の検出結果とから、共振状態の検出条件を学習するものとすれば、判断の精度が低下しないようにすることができる。
【0011】
【実施例】
以上説明した本発明の構成、作用を一層明らかにするために、以下本発明のパチンコ玉発射装置の好適な実施例について説明する。まず、本発明の一実施例としてのパチンコ玉発射装置30を搭載するパチンコ機1について、図1の正面図を参照して説明する。
【0012】
図1に示すように、パチンコ機1の額縁状に形成された前面枠2の開口には金枠3が周設され、その金枠3にはガラス扉枠4と前面板5とが開閉自在に設けられている。ガラス扉枠4の後方には、前面枠2の裏面に固定される遊技盤固定枠(図示せず)に着脱自在に取り付けられ遊技盤6が配設されている。遊技盤6の前面には、パチンコ球を誘導する誘導レール8がほぼ円上に立設され、この誘導レール8によって囲まれた領域に遊技領域9が構成されている。
【0013】
遊技領域9のほぼ中央には、変動入賞装置10が設けられている。変動入賞装置10とは、一対の開閉翼片11a,11bを有し、一定の条件下においてこの開閉翼片11a,11bを一定時間(例えば、30秒)経過するまで、または一定個数(例えば、10個)入賞するまで開放し、かつそのような開放状態を数回(例えば、16回)繰り返して短時間に多量の入賞球を発生させる大当たり動作を行なう。
【0014】
また、変動入賞装置10の下方には、複数のデジタル表示器よりなる可変表示器12が形成されており、その表示態様は、遊技領域9の下方に設けられる始動入賞口13a〜13cにパチンコ球が入賞することにより変化し始め、前記前面枠2に設けられたストップスイッチ14を押圧、あるいは一定時間(例えば、5秒)経過したとき停止する。そして、この停止したときの可変表示器12の表示態様が予め定められた表示態様(例えば、同一の数字3桁)であるとき、上記変動入賞装置10が大当たり動作を実行するようになっている。
【0015】
更に、遊技領域9には、前述した変動入賞装置10および始動入賞口13a〜13cの他に一般入賞口15a〜15dが設けられ、また、前述したいずれの入賞装置、あるいは入賞口にも入賞しなかったパチンコ球が誘導されるアウト口16が形成されている。この他、前面板5には、入賞球の発生により払い出された景品球(パチンコ球)を優先的に貯溜すると共に、かつパチンコ球を発射位置に誘導する上皿18が取り付けられている。また、前面枠2の下方であって発射用ハンドル20の側方には、上皿18に貯溜し切れなかった景品球を貯溜する下皿23が取り付けられている。
【0016】
また、前面枠2の下方には、遊技者により操作される発射用ハンドル20が突設されている。この発射用ハンドル20には、パチンコ球の弾発力を調節する調節レバーXが回動自在に設けられている。遊技者は、この調節レバーXを時計方向に回すことで、パチンコ玉の発射強度を強めることができる。この調節レバーXは金属製の環状部材から構成されるもので、後述する様に、パチンコ玉発射装置30の並列共振回路38を構成する回路素子の一部に兼用される。
【0017】
次に、発射用ハンドル20取り付け位置のパチンコ機1の背面に配設されるパチンコ玉発射装置30の構造につき、図2を参照して説明する。図示するように、発射用ハンドル20の取り付け位置の背面には、ステッピングモータからなる発射モータ32およびその発射モータ32の回転力によって駆動される球発射機構40が配設されている。
【0018】
球発射機構40は、コイルバネ42、このコイルバネ42にて付勢される打球杆44、図示しないカム機構により打球杆44にパチンコ球の打球動作を行なわせる係止レバー46等からなる周知のものである。発射モータ32が回転すると、図示しないカム機構の回転によって、最初、係止レバー46が打球杆44を、コイルバネ42に抗して、図示左方向に引きつける。これに伴い、コイルバネ42は徐々に伸張する。発射モータ32が所定角度回転すると、カム機構と係止レバー46との係止がはずれ、打球杆44はコイルバネ42の力で一気に元の位置に戻ろうとし、その際、パチンコ球を打球する。打球杆44がパチンコ球を打球する強さは、打球杆44が戻るときのコイルバネ42の伸長の状態、即ち係止レバー46の係止がはずれる位置により決まる。この位置は、発射用ハンドル20の調節レバーXの回転量により定まるから、結局、パチンコ球は、調節レバーXの位置に対応した強さで発射されることになる。
【0019】
従って、以上説明した球発射機構40により、調節レバーXの回転量に比例した速度でパチンコ玉を発射することができ、かつ、発射モータ32の1回転で1個のパチンコ球を発射することができる。このため、発射モータ32の回転数を制御することで単位時間当たりのパチンコ玉の発射数を調節したり、パチンコ玉の発射を停止することができる。
【0020】
この様にパチンコ玉発射の発射状態を決定する発射モータ32の回転数制御は、発射モータ32の近傍に配置された制御回路34にて実行される。この制御回路34および発射モータ32からなるパチンコ玉発射装置30の電気回路ブロック図を、図3に示した。
【0021】
図示するように制御回路34は、周辺回路を1チップに収納したワンチップ・マイクロコンピュータ(以下、MPUという)35を中心として構成される。本実施例では、このMPU35として、東芝製TMP68HC11A8を使用した。すなわちMPU35は、コアとなるCPU35a、後述する各種プログラムを記憶しているROM35b、情報の一時的な記憶を行なうRAM35c、時間をカウントしたり必要なタイミングで割込を発生するカウンタ・タイマ35d、MPU35の外部回路と各種情報の入出力をサポートする入出力ポート(以下、I/Oポートという)35e、ポートPAに入力するアナログ信号をディジタル信号に変換する8ビットのA/Dコンバータ35fとからなる。
【0022】
カウンタタイマ35dは、MPU35に外付けされたクリスタル36により定まるクロック周波数をカウントし、そのカウント値とCPU35aによりセットされた値CXとが一致したとき、CPU35aへカウントアップ信号を送出する。この信号は、CPU35aに対して割込処理を要求する割込信号として扱われる。従って、この割込要求により起動される割込処理ルーチンで、他の処理と共に再度セット値CXをセットするものとすれば、CPU35aは、クロック周波数を所望の分周比を分周して定まる時間間隔で、特定の割込処理を起動・実行することができる。この処理の中で、カウンタタイマ35dへのセット値CXを適宜変更して分周比を可変すれば、割込処理を起動するインターバルを可変することも容易である。
【0023】
MPU35の出力ポートPΦ1〜PΦ4の4つは、発射モータ32の各相励磁信号として利用される。前述のごとく、本実施例の発射モータ32はステッピングモータにより構成されている。このため、各励磁相への励磁タイミングを制御して直流電圧を印加するだけで、その回転数を正確に制御することができる。そこで、MPU35の4つの出力ポートPΦ1〜PΦ4を発射モータ32の各相励磁信号に割り当て、この発射モータ32を直接駆動するのである。なお、発射モータ32を駆動するのに十分な電流を供給するドライバが、MPU35のポートPΦ1〜PΦ4と発射モータ32との間に設けられているが、その図示は省略した。
【0024】
MPU35の他の出力ポートPSからは、MPU35の処理により、所定周期の矩形波が出力される。このポートPSには、実施例では、矩形波を正弦波へ変換する矩形波−正弦波変換回路(以下、波形変換回路という)37を接続している。これは、後述する共振回路38での共振条件を単純なものとするためであるが、矩形波に重畳されている高周波成分の影響を無視すれば、この波形変換回路37はなくても構成することができる。波形変換回路37は、歪みの少ない正弦波を得るためには矩形波の基本波のみを取り出すアクティブ帯域フィルタにより構成され、最も簡単には矩形波のレベルをシフトさせるレベルシフト回路や簡単な積分回路により構成される。この他、MPU35の複数の出力ポートを抵抗ネットワークに接続して構成したディジタル−アナログ変換器を用いて擬似的な正弦波を出力する構成や、アナログ出力を直接サポートするMPU35を用いて同様に正弦波を出力する構成等をとるこも差し支えない。
【0025】
波形変換回路37の出力する正弦波信号は、コイルLとコンデンサCの並列共振回路38の電源として利用され、その並列共振回路38に共振によって流れる電流iが電流検出回路39にて検出され、電圧信号としてMPU35のアナログ入力ポートPAへ入力される。
【0026】
前述した発射用ハンドル20の調節レバーXは、この並列共振回路38と電気的に接続されている。従って、遊技者が調節レバーXを把持して遊技を開始すると、図3に示すように遊技者の呈するインピーダンスZが調節レバーXを介して並列共振回路38に並列接続され、並列共振回路38の共振状態に影響を及ぼす。
【0027】
以上のように構成された本実施例のパチンコ玉発射装置30は、次のように作動する。図4および図5は、MPU35のROM35bに格納されているメイン・プログラムおよびカウンタタイマ35dのカウントアップ割込み時に実行されるカウンタタイマ割込みプログラムのフローチャートである。これら2つのプログラムは相互に密接な関係で処理されることから、両図を相互参照しながらパチンコ玉発射装置30の動作を説明する。
【0028】
まず、パチンコ玉発射装置30に電源が投入されると、MPU35はメイン・プログラムをROM35bから読み込み、初期処理を実行する(ステップ100)。ここで初期処理とは、RAM35cのチェックを始めとしたハードチェックを実行した後に、カウンタタイマ割込みプログラムで利用されるカウンタタイマ35dおよびフラグFに初期値をセットする処理である。こうした初期処理(ステップ100)が終了すると、MPU35は基準Qの記憶処理(ステップ110)に移行する。
【0029】
ここで基準Qの記憶処理(ステップ110)とは、発射用ハンドル20の調整レバーXまでを含んだ並列共振回路38の共振の鋭さQの判断基準を記憶する処理である。基準の鋭さQは、予め所定値として与えても良いし、電源投入直後に遊技者が調整レバーXに触っていないという前提が成り立つなら、電源投入直後に学習しても差し支えない。以下、MPU35は、ステップ120以下の処理を実行するが、初期処理によりセット値CXが設定されたカウンタタイマ35dからの割込信号により、CPU35aは、基準Qの記憶の直後から、図5に示すカウンタタイマ割込みプログラムの処理を、所定のインターバルで繰り返し実行する。以下、図5に示すカウンタタイマ割込処理ルーチンについて説明する。
【0030】
この割込処理ルーチンを起動すると、CPU35aは、出力ポートPSの出力状態がハイレベル「H」であるか否かを判断し(ステップ200)、既に出力が「H」であればこれをロウレベル「L」に変更し(ステップ210)、出力が「L」であればこれを「H」へ変更する(ステップ220)。その後、周波数の増減指示を示すフラグFの状態を確認し(ステップ230)、フラグFが「H」であればカウンタタイマ35dのセット値CXをインクリメント(ステップ240)、フラグFが「L」であればセット値CXをデクリメントする(ステップ250)。
【0031】
このカウンタタイマ35dのセット値のインクリメントあるいはデクリメント処理により、出力ポートPSの出力が「H」から「L」、「L」から「H」に変化する期間は漸増あるいは漸減することになる。換言するならば、この処理により出力ポートPSから出力される矩形波の周期Tは徐々に長くあるいは短く変更され、その周期Tの増減を切り替えるスイッチとしてフラグFが利用されるのである。
【0032】
カウンタタイマ35dのセット値CXをインクリメントした場合にはその値が上限値CH以上となったか否かを判断し(ステップ260)、上限値CH以上となった場合には、周期の増加は限界に至ったとして、フラグFを「L」へセットし(ステップ270)、本プログラムの1回の処理を終了する。同様に、カウンタタイマ35dのセット値CXをデクリメントした場合には、その値が下限値CL以下となったか否かを判断し(ステップ280)、下限値以下となった場合にはフラグFを「H」にセットして(ステップ29)プログラムを終了する。
【0033】
図6は、このカウンタタイマ割込みプログラムによりMPU35の出力ポートPSから出力される矩形波信号、この矩形波信号を入力する波形変換回路37から得られる正弦波信号を説明するための説明図である。この図からも容易に理解されるように、このカウンタタイマ割込プログラムにより並列共振回路38に印加される交流信号の周波数fは漸増あるいは漸減する。本実施例では、並列共振回路38の共振周波数fQは約8.5[KHz]に設計されており、その共振周波数fQを中心として出力ポートPSから出力される信号の周波数がスキャンするようにセット値CXの上限値CHおよび下限値CLが決定され、実施例では、約7[KHz]〜約10[KHz]の周波数帯でスキャンが繰り返される。
【0034】
図4に示した基準Qの記憶処理(ステップ110)として、基準Qを学習する構成をとる場合には、電源投入直後に、このカウンタタイマ割込みプログラム(図5)の周波数スキャンにより周波数帯7〜10[KHz]の交流信号を並列共振回路38へ印加し、各周波数での電流検出回路39からの出力値inを読み込むことで並列共振回路38の共振の鋭さQを検出し、これを記憶する。ただし、この場合には、発射用ハンドル20の調整レバーXを遊技者が握っていないことが前提となる。図7は、この基準Qの記憶処理(ステップ110)により、学習もしくは予め設定される周波数特性を示すグラフである。図に実線により示した特性が、基準Qとして、RAM35cの所定領域に記憶される。
【0035】
上記初期処理(ステップ100)および基準Qの記憶処理(ステップ110)によりパチンコ機1の初期状態が確定されると、パチンコ玉発射装置30は定常処理(ステップ120〜180)に入り、電源がオフされるまでこの定常処理を繰り返し実行する。なお、改めて言うまでもなく、この定常処理の繰り返し期間にも、図5に示したカウンタタイマ割込プログラムは、CPU35aが設定するタイミングで繰り返し実行されている。
【0036】
定常処理の始めには、カウンタタイマ35dの現在のセット値CXおよびフラグFの値を入力し(ステップ120)、その時の電流検出回路39の出力値inを記憶する(ステップ130)。この処理により、カウンタタイマ割込みプログラムの実行によって並列共振回路38に印加されている交流信号の周波数f値、周波数スキャン状態(漸増あるいは漸減)、そして並列共振回路38の共振状態を入力することができる。
【0037】
次に、前回の状態からフラグFが値を反転させたか否かを判断し(ステップ140)、未だに反転していなければステップ120〜ステップ140の処理を繰り返し実行する。すなわち、並列共振回路38に印加される交流信号の周波数が7〜10[KHz]を1回スキャンし終わるまでステップ120〜ステップ140を繰り返し実行する。
ステップ140の判断処理によりフラグFが反転したと判定されたとき、すなわち、交流信号の周波数が7〜10[KHz]を1回スキャンし終わったと判断されたときは、その1回の周波数スキャンにより得られたデータに基づき現在の並列共振回路38の共振の鋭さQを算出し(図7の点線参照)、次回の処理のためにこれまでに得られたデータを消去する(ステップ150)。
【0038】
そして、次のステップ160にて、ステップ150にて算出された現在の共振の鋭さQと前記ステップ110にて記憶された基準Qとが近似しているか否かを判断する。ここで近似するか否かの判断とは、図7に示すような共振周波数fQのずれ幅Δf、共振周波数での最大インピーダンスの差異ΔZ、最大インピーダンスが1/2となる周波数幅fzの差などを単独に、あるいはこれらの情報を適宜組み合わせ、共振状態の変化を判断することである。
【0039】
このステップ160により基準Qと現在のQとが近似しないと判断されたとき、すなわち遊技者が調節レバーXに触れることで並列共振回路38の共振状態が大きく変化したと判断されたときは、出力ポートPΦ1〜PΦ4から励磁信号を出力を出力して発射モータ32を所定回転数で回転制御し、かつモニタ1処理を実行する(ステップ170)。なお、モニタ1処理とは基準Qと現在のQとのずれ量を学習記憶し、並列共振回路38に与える遊技者固有のインピーダンスの影響度を測定し、前記ステップ160にて実行した近似判断の精度を向上させる処理等を言う。
【0040】
一方、ステップ160の近似判断処理により基準Qと現在のQとが近似していると判断されたときは、上記ステップ170に替えて出力ポートPΦ1〜PΦ4からの励磁信号出力を停止して発射モータ32の回転を止めたり、モニタ2処理を実行する(ステップ180)。ここで言うモニタ2処理とは、ステップ160にて算出された基準Qと現在のQとのずれ量から、湿度や温度等の環境変化あるいは経時変化による基準Qの微妙な変化を記憶し、ステップ160の処理に利用する基準Qの値を更新するなどの処理を言う。
【0041】
なお、予め与えた基準Qに対して、近似・非近似だけの判断で、発射用ハンドル20の調整レバーXへの遊技者の接触の有無を判断するだけであれば、これらのモニタ1処理,モニタ2処理は、必ずしも行なう必要はない。
【0042】
以上のように構成される本実施例のパチンコ玉発射装置30によれば、次のような効果が得られる。
遊技者が調節レバーXを把持している遊技状態を検出するために、本実施例ではコイルLおよびコンデンサCとからなる簡単な回路構成の並列共振回路38を採用している。このため、パチンコ玉発射装置30全体としての構成回路素子が大幅に省略され、小型かつ安価に構成することができる。また、従来の発振回路のように増幅率やフィードバック位相などの回路調整を行なうことが一切不要となり、製造工程が簡略化されると共に品質の安定した製品を大量生産することが可能となる。
【0043】
また、遊技者が調節レバーを把持しているか否かの判断は、基準Qと現在のQとの変化状態を共振周波数fQのずれ幅Δf、共振周波数での最大インピーダンスの差異ΔZ、最大インピーダンスが1/2となる周波数幅fzの差などを単独に、あるいはこれらの情報を組み合わせて適宜判断される。従って、従来の発振回路が発振しているか否かの2値判断に比較して判断精度は格段に向上する。しかも、この様な高精度の判断を実行した後には、モニタ1あるいはモニタ2処理を実行して各遊技者固有のインピーダンス情報やパチンコ玉発射装置30の置かれた状況を学習あるいは更新し、上記判断精度が低下しないように各種変化に適応することができる。
【0044】
更に、本実施例のパチンコ玉発射装置30は、パチンコ玉を発射する動力源として、MPU35により直接駆動することができるステッピングモータからなる発射モータ32を採用している。このため、従来の大型の交流モータと比較して、パチンコ玉発射装置30に交流電力ラインの引き回しが不要となり、かつ、小型に構成することが可能となった。
【0045】
この様に本実施例のパチンコ玉発射装置30は極めて容易かつ小型に構成できることから、図2に示すように発射モータ32と制御回路34とを別体構成することなく、一体に構成することも可能となる。しかも、この様に制御回路34と発射モータ32とを一体構成した場合には、その全体占有体積が極めて小さいことから発射用ハンドル20内にその総てを内蔵することもできる。占有体積が極めて小さくできることから、パチンコ機1の発射用ハンドル20背面部分に、その他の構成機器、例えばカード型パチンコ玉貸し機のカードリーダなどを配設することも可能となる。
【0046】
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々の態様で実施できることは勿論である。例えば、本実施例では調節レバーXの把持状態をLC並列共振回路38により検出しているが、これに替えてCR共振回路や直列共振回路を採用してもよい。これら共振回路の共振状態を検出するためにその回路に流れる電流iを検出するのでなく、ブリッジ回路等を利用してその共振回路のインピーダンスを検出したり、電圧と電流との位相差を検出するなど各種の態様で具現化される。また、その共振状態のずれ量判断も、本実施例で示した共振周波数fQのずれ量Δfなどのパラメータに限定されるものでもない。
【0047】
また、本実施例では、遊技者が調節レバーを把持していない状態において並列共振回路38が最も鋭い共振状態を示すようにその回路定数を設計していが、一般的な遊技者が調節レバーを把持している状態において最も鋭い共振状態が得られるように設計してもよい。
更に、MPU35とパチンコ機1の遊技状況を制御する図示しないメイン制御装置とを通信させ、パチンコ機1の遊技状況に応じて遊技者の呈するインピーダンスがどの様に変化するかをモニタして遊技者の心理情報を収集し、その結果に応じてパチンコ機1の制御、例えば表示内容や音楽などを変更してもよい。
【0048】
また、発射用ハンドル20の把持の検出と発射用モータ32の制御とをワンチップ・マイクロコンピュータ35を用いて行なっていることから、未使用の入出力ポートを利用して種々の遊技条件を取り込めば、パチンコ球の発射の禁止条件を複合的に判断して、発射用モータ32を制御することができる。例えば、ホール管理用のコンピュータからの信号や不正検出回路からの信号などにより、発射用モータ32の駆動を禁止して、パチンコ球の発射を停止することができる。また、こうした禁止条件の判別を行なう信号の追加が容易である。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように本実施例のパチンコ玉発射装置によれば、1チップマイクロプロセッサを発振に利用した簡単な構成の共振回路により遊技者の遊技状況を正確に判断することが可能となり、また制御回路から直接駆動可能な小型のステッピングモータを動力源としてパチンコ玉を発射することができる。従って、煩雑な回路調整や配線引き回しを省略しつつ発射用ハンドルの把持状態を高精度に検出し、しかもその占有体積を小型化することができる。また、共振状態の検出条件を学習するものとすれば、判断の精度が低下しないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるパチンコ玉発射装置が備えられるパチンコ機の正面図である。
【図2】そのパチンコ機の発射用ハンドル20周り裏面を示す部分構成図である。
【図3】実施例であるパチンコ玉発射装置30の電気回路を示すブロック図である。
【図4】そのパチンコ玉発射装置30にて実行されるメインプログラムのフローチャートである。
【図5】同じくパチンコ玉発射装置30にて実行されるカウンタタイマ割込みプログラムのフローチャートである。
【図6】そのカウンタタイマ割込みプログラムにて実行される周波数スキャンの説明図である。
【図7】共振状態のずれを判断する各種パラメータの説明図である。
【符号の説明】
1…パチンコ機
20…発射用ハンドル
30…パチンコ玉発射装置
32…発射モータ
34…制御回路
35…MPU
35a…CPU
35b…ROM
35c…RAM
35d…カウンタタイマ
35e…I/Oポート
35f…A/Dコンバータ
37…波形変換回路
38…並列共振回路
39…電流検出回路
40…球発射機構
42…コイルバネ
44…打球杆
46…クラッチ機構
C…コンデンサ
L…コイル
PA…アナログ入力ポート
PS…出力ポート
PΦ1ないし4…出力ポート
X…調節レバー
【産業上の利用分野】
本発明は、発射用ハンドルの操作に応じてパチンコ玉を発射するパチンコ玉発射装置に関し、特に、そのハンドルの使用状況を高精度に判断して作動する高機能かつ小型のパチンコ玉発射装置に関する。
【0002】
【従来技術】
従来、発射用ハンドルを遊技者が握ったことを検出するため、発振回路を構成し、この発振回路の構成素子の一部を発射用ハンドルまで延出させたものが知られている。この回路構成では、遊技者がハンドルを握ることによるインピーダンスの変化によって、発振回路の発振が停止もしくは開始するものとし、その発振回路の発振状態を検出する。即ち、発振の有無により、遊技者が発射用ハンドルを把持している状態を検出しているのである。
【0003】
また、発射部の動力源として、交流電源の周波数に同期した回転速度(いわゆる同期速度)で回転する同期モータ、あるいは同期速度より僅かに遅い速度で回転する誘導モータが用いられており、上記発振状態検出回路の検出信号に応じてこれら交流モータへの電力供給を制御している。なお、これらのモータの回転速度は一定に維持されるのが通常であり、パチンコ玉の発射の強さは、発射用ハンドルの回転位置によってバネの引っ張り強度を変えて調整している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来のパチンコ玉発射装置は、次のような問題があった。
発射用ハンドルの把持状態を検出するために利用される発振回路としては、簡易的な高周波発振回路であるLC発振回路、例えばコルピッツ形やハートレー形発振回路が一般的に用いられている。これらは、簡易的な発振回路とは言っても、帰還回路を有するため、その回路構成部品は多数に及び、かつ、発振状態を持続させるための増幅率やインピーダンスの調整に手間がかかってしまう。
【0005】
また、この様な発振回路が発振しているか否かの二値判断により遊技者による遊技状況を判断するのには、その検出精度には限界がある。即ち、インピーダンスは、環境の湿度変化や遊技者の発汗の状態、あるいは遊技者の年齢,体質等によってもかなりばらつくので、これらを正しく判断することは極めて困難であった。
【0006】
更に、発射部の動力源として交流モータを採用すれば、モータ自体が大型化し、電源としての交流電源を必要とする。このため、発振回路用の直流電源の他に交流電源ラインを引き回さなくてはならず、配線処理が煩雑であった。また、上記のように多数の複雑かつ大型の構成要素の集合体である従来のパチンコ玉発射装置は、極めて大型であり、パチンコ機の発射用ハンドルが取り付けられる部分の背面ほぼ一杯の空間を占有していた。
本発明のパチンコ玉発射装置は、煩雑な回路調整や配線引き回しを省略しつつ発射用ハンドルの把持状態を高精度に検出し、しかもその占有体積を小型化することを目的としてなされ、次の構成を採った。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明のパチンコ玉発射装置は、
発射部へ供給されたパチンコ玉を、発射用ハンドルの操作に応じてパチンコ台へ向けて発射する発射パチンコ玉発射装置において、
前記発射用ハンドルにまで回路構成素子を延出させた共振回路と、
前記発射部の動力源となるステッピングモータと、
前記共振回路に共振周波数近傍の周波数で共振励起用の電力信号を出力すると共に、該共振回路の共振状態を検出し、その共振状態の検出結果に応じて前記ステッピングモータへ送出する駆動信号を制御する制御部と、
前記制御部から出力される電力信号を正弦波の形態で前記共振回路に加える変換回路と
を備え、
前記制御部は、少なくともディジタル出力ポートとアナログ入力ポートを備えた1チップマイクロプロセッサからなり、
前記ディジタル出力ポートの一つの電圧を所定周期でオン・オフすると共に、該オン・オフ周期を、該共振回路の前記共振周波数の近傍を含む所定の範囲で可変すると共に、該ディジタル出力ポートを前記変換回路を介して前記共振回路の電源ラインに接続し、前記電力信号を出力する手段と
前記共振回路の出力を前記1チップマイクロプロセッサの前記アナログ入力ポートに接続し、該可変されたディジタル出力ポートのオン・オフ周期に対応して前記アナログ入力ポートに得られる電圧を読み取る読取手段と、
該読み取った電圧と前記ディジタル出力ポートのオン・オフの周期との関係から、前記発射用ハンドルにまで回路構成素子が延出された共振回路の共振周波数を特定することにより、前記発射用ハンドルに対する把持の状態を判別する判別手段と
を備え、更に
前記共振回路と前記制御部と前記変換回路とを、一の制御回路に組み込んだことを要旨とする。
【0008】
また、本発明のパチンコ玉発射装置として、制御部を1チップマイクロプロセッサから構成し、この制御部において、共振励起用の電力の周波数を可変し、可変した周波数と共振状態の検出結果とから、共振状態の検出条件を学習するものも構成可能である。
【0009】
更に、この1チップマイクロプロセッサにより、
共振回路に接続された出力ポートのオン・オフ周期を、共振回路の共振周波数の近傍を含む範囲で可変する可変手段と、
可変された出力ポートのオン・オフ周期に対応してアナログポートに得られる電圧を読み取る読取手段と、
読み取ったオン・オフ周期と電圧との関係から発射用ハンドルに対する把持の状態を判別する判別手段と
を構成することができ、
この場合には、発射用ハンドルの把持の状態を一層正確に検出することができる。
【0010】
【作用】
以上のように構成された本発明の検出装置では、簡単な共振回路を用意し、制御部である1チップマイクロプロセッサの出力ポートを変換回路を介して共振回路の電源ラインに接続すると共に、ディジタル出力ポートの電圧を所定周期でオン・オフし、電力信号を出力する。この結果、共振回路に対して変換回路を介して共振励起用の電力を正弦波の形態で供給することができる。しかも、制御部である1チップマイクロプロセッサは、その共振の状態をアナログ入力ポートを介して読み取ることで、発射用ハンドルの把持状態を検出する。制御部は、その検出結果に応じて発射部の動力源となるステッピングモータへ駆動信号を、直接送出する。かかる装置では、共振回路と制御部と変換回路とが、一の制御回路に組み込まれているので、小型が可能となり、更にパチンコ玉発射装置との一体化による占有体積の縮小化が可能となる。また、こうした構成とは別に、制御部において、共振励起用の電力の周波数を可変し、可変した周波数と共振状態の検出結果とから、共振状態の検出条件を学習するものとすれば、判断の精度が低下しないようにすることができる。
【0011】
【実施例】
以上説明した本発明の構成、作用を一層明らかにするために、以下本発明のパチンコ玉発射装置の好適な実施例について説明する。まず、本発明の一実施例としてのパチンコ玉発射装置30を搭載するパチンコ機1について、図1の正面図を参照して説明する。
【0012】
図1に示すように、パチンコ機1の額縁状に形成された前面枠2の開口には金枠3が周設され、その金枠3にはガラス扉枠4と前面板5とが開閉自在に設けられている。ガラス扉枠4の後方には、前面枠2の裏面に固定される遊技盤固定枠(図示せず)に着脱自在に取り付けられ遊技盤6が配設されている。遊技盤6の前面には、パチンコ球を誘導する誘導レール8がほぼ円上に立設され、この誘導レール8によって囲まれた領域に遊技領域9が構成されている。
【0013】
遊技領域9のほぼ中央には、変動入賞装置10が設けられている。変動入賞装置10とは、一対の開閉翼片11a,11bを有し、一定の条件下においてこの開閉翼片11a,11bを一定時間(例えば、30秒)経過するまで、または一定個数(例えば、10個)入賞するまで開放し、かつそのような開放状態を数回(例えば、16回)繰り返して短時間に多量の入賞球を発生させる大当たり動作を行なう。
【0014】
また、変動入賞装置10の下方には、複数のデジタル表示器よりなる可変表示器12が形成されており、その表示態様は、遊技領域9の下方に設けられる始動入賞口13a〜13cにパチンコ球が入賞することにより変化し始め、前記前面枠2に設けられたストップスイッチ14を押圧、あるいは一定時間(例えば、5秒)経過したとき停止する。そして、この停止したときの可変表示器12の表示態様が予め定められた表示態様(例えば、同一の数字3桁)であるとき、上記変動入賞装置10が大当たり動作を実行するようになっている。
【0015】
更に、遊技領域9には、前述した変動入賞装置10および始動入賞口13a〜13cの他に一般入賞口15a〜15dが設けられ、また、前述したいずれの入賞装置、あるいは入賞口にも入賞しなかったパチンコ球が誘導されるアウト口16が形成されている。この他、前面板5には、入賞球の発生により払い出された景品球(パチンコ球)を優先的に貯溜すると共に、かつパチンコ球を発射位置に誘導する上皿18が取り付けられている。また、前面枠2の下方であって発射用ハンドル20の側方には、上皿18に貯溜し切れなかった景品球を貯溜する下皿23が取り付けられている。
【0016】
また、前面枠2の下方には、遊技者により操作される発射用ハンドル20が突設されている。この発射用ハンドル20には、パチンコ球の弾発力を調節する調節レバーXが回動自在に設けられている。遊技者は、この調節レバーXを時計方向に回すことで、パチンコ玉の発射強度を強めることができる。この調節レバーXは金属製の環状部材から構成されるもので、後述する様に、パチンコ玉発射装置30の並列共振回路38を構成する回路素子の一部に兼用される。
【0017】
次に、発射用ハンドル20取り付け位置のパチンコ機1の背面に配設されるパチンコ玉発射装置30の構造につき、図2を参照して説明する。図示するように、発射用ハンドル20の取り付け位置の背面には、ステッピングモータからなる発射モータ32およびその発射モータ32の回転力によって駆動される球発射機構40が配設されている。
【0018】
球発射機構40は、コイルバネ42、このコイルバネ42にて付勢される打球杆44、図示しないカム機構により打球杆44にパチンコ球の打球動作を行なわせる係止レバー46等からなる周知のものである。発射モータ32が回転すると、図示しないカム機構の回転によって、最初、係止レバー46が打球杆44を、コイルバネ42に抗して、図示左方向に引きつける。これに伴い、コイルバネ42は徐々に伸張する。発射モータ32が所定角度回転すると、カム機構と係止レバー46との係止がはずれ、打球杆44はコイルバネ42の力で一気に元の位置に戻ろうとし、その際、パチンコ球を打球する。打球杆44がパチンコ球を打球する強さは、打球杆44が戻るときのコイルバネ42の伸長の状態、即ち係止レバー46の係止がはずれる位置により決まる。この位置は、発射用ハンドル20の調節レバーXの回転量により定まるから、結局、パチンコ球は、調節レバーXの位置に対応した強さで発射されることになる。
【0019】
従って、以上説明した球発射機構40により、調節レバーXの回転量に比例した速度でパチンコ玉を発射することができ、かつ、発射モータ32の1回転で1個のパチンコ球を発射することができる。このため、発射モータ32の回転数を制御することで単位時間当たりのパチンコ玉の発射数を調節したり、パチンコ玉の発射を停止することができる。
【0020】
この様にパチンコ玉発射の発射状態を決定する発射モータ32の回転数制御は、発射モータ32の近傍に配置された制御回路34にて実行される。この制御回路34および発射モータ32からなるパチンコ玉発射装置30の電気回路ブロック図を、図3に示した。
【0021】
図示するように制御回路34は、周辺回路を1チップに収納したワンチップ・マイクロコンピュータ(以下、MPUという)35を中心として構成される。本実施例では、このMPU35として、東芝製TMP68HC11A8を使用した。すなわちMPU35は、コアとなるCPU35a、後述する各種プログラムを記憶しているROM35b、情報の一時的な記憶を行なうRAM35c、時間をカウントしたり必要なタイミングで割込を発生するカウンタ・タイマ35d、MPU35の外部回路と各種情報の入出力をサポートする入出力ポート(以下、I/Oポートという)35e、ポートPAに入力するアナログ信号をディジタル信号に変換する8ビットのA/Dコンバータ35fとからなる。
【0022】
カウンタタイマ35dは、MPU35に外付けされたクリスタル36により定まるクロック周波数をカウントし、そのカウント値とCPU35aによりセットされた値CXとが一致したとき、CPU35aへカウントアップ信号を送出する。この信号は、CPU35aに対して割込処理を要求する割込信号として扱われる。従って、この割込要求により起動される割込処理ルーチンで、他の処理と共に再度セット値CXをセットするものとすれば、CPU35aは、クロック周波数を所望の分周比を分周して定まる時間間隔で、特定の割込処理を起動・実行することができる。この処理の中で、カウンタタイマ35dへのセット値CXを適宜変更して分周比を可変すれば、割込処理を起動するインターバルを可変することも容易である。
【0023】
MPU35の出力ポートPΦ1〜PΦ4の4つは、発射モータ32の各相励磁信号として利用される。前述のごとく、本実施例の発射モータ32はステッピングモータにより構成されている。このため、各励磁相への励磁タイミングを制御して直流電圧を印加するだけで、その回転数を正確に制御することができる。そこで、MPU35の4つの出力ポートPΦ1〜PΦ4を発射モータ32の各相励磁信号に割り当て、この発射モータ32を直接駆動するのである。なお、発射モータ32を駆動するのに十分な電流を供給するドライバが、MPU35のポートPΦ1〜PΦ4と発射モータ32との間に設けられているが、その図示は省略した。
【0024】
MPU35の他の出力ポートPSからは、MPU35の処理により、所定周期の矩形波が出力される。このポートPSには、実施例では、矩形波を正弦波へ変換する矩形波−正弦波変換回路(以下、波形変換回路という)37を接続している。これは、後述する共振回路38での共振条件を単純なものとするためであるが、矩形波に重畳されている高周波成分の影響を無視すれば、この波形変換回路37はなくても構成することができる。波形変換回路37は、歪みの少ない正弦波を得るためには矩形波の基本波のみを取り出すアクティブ帯域フィルタにより構成され、最も簡単には矩形波のレベルをシフトさせるレベルシフト回路や簡単な積分回路により構成される。この他、MPU35の複数の出力ポートを抵抗ネットワークに接続して構成したディジタル−アナログ変換器を用いて擬似的な正弦波を出力する構成や、アナログ出力を直接サポートするMPU35を用いて同様に正弦波を出力する構成等をとるこも差し支えない。
【0025】
波形変換回路37の出力する正弦波信号は、コイルLとコンデンサCの並列共振回路38の電源として利用され、その並列共振回路38に共振によって流れる電流iが電流検出回路39にて検出され、電圧信号としてMPU35のアナログ入力ポートPAへ入力される。
【0026】
前述した発射用ハンドル20の調節レバーXは、この並列共振回路38と電気的に接続されている。従って、遊技者が調節レバーXを把持して遊技を開始すると、図3に示すように遊技者の呈するインピーダンスZが調節レバーXを介して並列共振回路38に並列接続され、並列共振回路38の共振状態に影響を及ぼす。
【0027】
以上のように構成された本実施例のパチンコ玉発射装置30は、次のように作動する。図4および図5は、MPU35のROM35bに格納されているメイン・プログラムおよびカウンタタイマ35dのカウントアップ割込み時に実行されるカウンタタイマ割込みプログラムのフローチャートである。これら2つのプログラムは相互に密接な関係で処理されることから、両図を相互参照しながらパチンコ玉発射装置30の動作を説明する。
【0028】
まず、パチンコ玉発射装置30に電源が投入されると、MPU35はメイン・プログラムをROM35bから読み込み、初期処理を実行する(ステップ100)。ここで初期処理とは、RAM35cのチェックを始めとしたハードチェックを実行した後に、カウンタタイマ割込みプログラムで利用されるカウンタタイマ35dおよびフラグFに初期値をセットする処理である。こうした初期処理(ステップ100)が終了すると、MPU35は基準Qの記憶処理(ステップ110)に移行する。
【0029】
ここで基準Qの記憶処理(ステップ110)とは、発射用ハンドル20の調整レバーXまでを含んだ並列共振回路38の共振の鋭さQの判断基準を記憶する処理である。基準の鋭さQは、予め所定値として与えても良いし、電源投入直後に遊技者が調整レバーXに触っていないという前提が成り立つなら、電源投入直後に学習しても差し支えない。以下、MPU35は、ステップ120以下の処理を実行するが、初期処理によりセット値CXが設定されたカウンタタイマ35dからの割込信号により、CPU35aは、基準Qの記憶の直後から、図5に示すカウンタタイマ割込みプログラムの処理を、所定のインターバルで繰り返し実行する。以下、図5に示すカウンタタイマ割込処理ルーチンについて説明する。
【0030】
この割込処理ルーチンを起動すると、CPU35aは、出力ポートPSの出力状態がハイレベル「H」であるか否かを判断し(ステップ200)、既に出力が「H」であればこれをロウレベル「L」に変更し(ステップ210)、出力が「L」であればこれを「H」へ変更する(ステップ220)。その後、周波数の増減指示を示すフラグFの状態を確認し(ステップ230)、フラグFが「H」であればカウンタタイマ35dのセット値CXをインクリメント(ステップ240)、フラグFが「L」であればセット値CXをデクリメントする(ステップ250)。
【0031】
このカウンタタイマ35dのセット値のインクリメントあるいはデクリメント処理により、出力ポートPSの出力が「H」から「L」、「L」から「H」に変化する期間は漸増あるいは漸減することになる。換言するならば、この処理により出力ポートPSから出力される矩形波の周期Tは徐々に長くあるいは短く変更され、その周期Tの増減を切り替えるスイッチとしてフラグFが利用されるのである。
【0032】
カウンタタイマ35dのセット値CXをインクリメントした場合にはその値が上限値CH以上となったか否かを判断し(ステップ260)、上限値CH以上となった場合には、周期の増加は限界に至ったとして、フラグFを「L」へセットし(ステップ270)、本プログラムの1回の処理を終了する。同様に、カウンタタイマ35dのセット値CXをデクリメントした場合には、その値が下限値CL以下となったか否かを判断し(ステップ280)、下限値以下となった場合にはフラグFを「H」にセットして(ステップ29)プログラムを終了する。
【0033】
図6は、このカウンタタイマ割込みプログラムによりMPU35の出力ポートPSから出力される矩形波信号、この矩形波信号を入力する波形変換回路37から得られる正弦波信号を説明するための説明図である。この図からも容易に理解されるように、このカウンタタイマ割込プログラムにより並列共振回路38に印加される交流信号の周波数fは漸増あるいは漸減する。本実施例では、並列共振回路38の共振周波数fQは約8.5[KHz]に設計されており、その共振周波数fQを中心として出力ポートPSから出力される信号の周波数がスキャンするようにセット値CXの上限値CHおよび下限値CLが決定され、実施例では、約7[KHz]〜約10[KHz]の周波数帯でスキャンが繰り返される。
【0034】
図4に示した基準Qの記憶処理(ステップ110)として、基準Qを学習する構成をとる場合には、電源投入直後に、このカウンタタイマ割込みプログラム(図5)の周波数スキャンにより周波数帯7〜10[KHz]の交流信号を並列共振回路38へ印加し、各周波数での電流検出回路39からの出力値inを読み込むことで並列共振回路38の共振の鋭さQを検出し、これを記憶する。ただし、この場合には、発射用ハンドル20の調整レバーXを遊技者が握っていないことが前提となる。図7は、この基準Qの記憶処理(ステップ110)により、学習もしくは予め設定される周波数特性を示すグラフである。図に実線により示した特性が、基準Qとして、RAM35cの所定領域に記憶される。
【0035】
上記初期処理(ステップ100)および基準Qの記憶処理(ステップ110)によりパチンコ機1の初期状態が確定されると、パチンコ玉発射装置30は定常処理(ステップ120〜180)に入り、電源がオフされるまでこの定常処理を繰り返し実行する。なお、改めて言うまでもなく、この定常処理の繰り返し期間にも、図5に示したカウンタタイマ割込プログラムは、CPU35aが設定するタイミングで繰り返し実行されている。
【0036】
定常処理の始めには、カウンタタイマ35dの現在のセット値CXおよびフラグFの値を入力し(ステップ120)、その時の電流検出回路39の出力値inを記憶する(ステップ130)。この処理により、カウンタタイマ割込みプログラムの実行によって並列共振回路38に印加されている交流信号の周波数f値、周波数スキャン状態(漸増あるいは漸減)、そして並列共振回路38の共振状態を入力することができる。
【0037】
次に、前回の状態からフラグFが値を反転させたか否かを判断し(ステップ140)、未だに反転していなければステップ120〜ステップ140の処理を繰り返し実行する。すなわち、並列共振回路38に印加される交流信号の周波数が7〜10[KHz]を1回スキャンし終わるまでステップ120〜ステップ140を繰り返し実行する。
ステップ140の判断処理によりフラグFが反転したと判定されたとき、すなわち、交流信号の周波数が7〜10[KHz]を1回スキャンし終わったと判断されたときは、その1回の周波数スキャンにより得られたデータに基づき現在の並列共振回路38の共振の鋭さQを算出し(図7の点線参照)、次回の処理のためにこれまでに得られたデータを消去する(ステップ150)。
【0038】
そして、次のステップ160にて、ステップ150にて算出された現在の共振の鋭さQと前記ステップ110にて記憶された基準Qとが近似しているか否かを判断する。ここで近似するか否かの判断とは、図7に示すような共振周波数fQのずれ幅Δf、共振周波数での最大インピーダンスの差異ΔZ、最大インピーダンスが1/2となる周波数幅fzの差などを単独に、あるいはこれらの情報を適宜組み合わせ、共振状態の変化を判断することである。
【0039】
このステップ160により基準Qと現在のQとが近似しないと判断されたとき、すなわち遊技者が調節レバーXに触れることで並列共振回路38の共振状態が大きく変化したと判断されたときは、出力ポートPΦ1〜PΦ4から励磁信号を出力を出力して発射モータ32を所定回転数で回転制御し、かつモニタ1処理を実行する(ステップ170)。なお、モニタ1処理とは基準Qと現在のQとのずれ量を学習記憶し、並列共振回路38に与える遊技者固有のインピーダンスの影響度を測定し、前記ステップ160にて実行した近似判断の精度を向上させる処理等を言う。
【0040】
一方、ステップ160の近似判断処理により基準Qと現在のQとが近似していると判断されたときは、上記ステップ170に替えて出力ポートPΦ1〜PΦ4からの励磁信号出力を停止して発射モータ32の回転を止めたり、モニタ2処理を実行する(ステップ180)。ここで言うモニタ2処理とは、ステップ160にて算出された基準Qと現在のQとのずれ量から、湿度や温度等の環境変化あるいは経時変化による基準Qの微妙な変化を記憶し、ステップ160の処理に利用する基準Qの値を更新するなどの処理を言う。
【0041】
なお、予め与えた基準Qに対して、近似・非近似だけの判断で、発射用ハンドル20の調整レバーXへの遊技者の接触の有無を判断するだけであれば、これらのモニタ1処理,モニタ2処理は、必ずしも行なう必要はない。
【0042】
以上のように構成される本実施例のパチンコ玉発射装置30によれば、次のような効果が得られる。
遊技者が調節レバーXを把持している遊技状態を検出するために、本実施例ではコイルLおよびコンデンサCとからなる簡単な回路構成の並列共振回路38を採用している。このため、パチンコ玉発射装置30全体としての構成回路素子が大幅に省略され、小型かつ安価に構成することができる。また、従来の発振回路のように増幅率やフィードバック位相などの回路調整を行なうことが一切不要となり、製造工程が簡略化されると共に品質の安定した製品を大量生産することが可能となる。
【0043】
また、遊技者が調節レバーを把持しているか否かの判断は、基準Qと現在のQとの変化状態を共振周波数fQのずれ幅Δf、共振周波数での最大インピーダンスの差異ΔZ、最大インピーダンスが1/2となる周波数幅fzの差などを単独に、あるいはこれらの情報を組み合わせて適宜判断される。従って、従来の発振回路が発振しているか否かの2値判断に比較して判断精度は格段に向上する。しかも、この様な高精度の判断を実行した後には、モニタ1あるいはモニタ2処理を実行して各遊技者固有のインピーダンス情報やパチンコ玉発射装置30の置かれた状況を学習あるいは更新し、上記判断精度が低下しないように各種変化に適応することができる。
【0044】
更に、本実施例のパチンコ玉発射装置30は、パチンコ玉を発射する動力源として、MPU35により直接駆動することができるステッピングモータからなる発射モータ32を採用している。このため、従来の大型の交流モータと比較して、パチンコ玉発射装置30に交流電力ラインの引き回しが不要となり、かつ、小型に構成することが可能となった。
【0045】
この様に本実施例のパチンコ玉発射装置30は極めて容易かつ小型に構成できることから、図2に示すように発射モータ32と制御回路34とを別体構成することなく、一体に構成することも可能となる。しかも、この様に制御回路34と発射モータ32とを一体構成した場合には、その全体占有体積が極めて小さいことから発射用ハンドル20内にその総てを内蔵することもできる。占有体積が極めて小さくできることから、パチンコ機1の発射用ハンドル20背面部分に、その他の構成機器、例えばカード型パチンコ玉貸し機のカードリーダなどを配設することも可能となる。
【0046】
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々の態様で実施できることは勿論である。例えば、本実施例では調節レバーXの把持状態をLC並列共振回路38により検出しているが、これに替えてCR共振回路や直列共振回路を採用してもよい。これら共振回路の共振状態を検出するためにその回路に流れる電流iを検出するのでなく、ブリッジ回路等を利用してその共振回路のインピーダンスを検出したり、電圧と電流との位相差を検出するなど各種の態様で具現化される。また、その共振状態のずれ量判断も、本実施例で示した共振周波数fQのずれ量Δfなどのパラメータに限定されるものでもない。
【0047】
また、本実施例では、遊技者が調節レバーを把持していない状態において並列共振回路38が最も鋭い共振状態を示すようにその回路定数を設計していが、一般的な遊技者が調節レバーを把持している状態において最も鋭い共振状態が得られるように設計してもよい。
更に、MPU35とパチンコ機1の遊技状況を制御する図示しないメイン制御装置とを通信させ、パチンコ機1の遊技状況に応じて遊技者の呈するインピーダンスがどの様に変化するかをモニタして遊技者の心理情報を収集し、その結果に応じてパチンコ機1の制御、例えば表示内容や音楽などを変更してもよい。
【0048】
また、発射用ハンドル20の把持の検出と発射用モータ32の制御とをワンチップ・マイクロコンピュータ35を用いて行なっていることから、未使用の入出力ポートを利用して種々の遊技条件を取り込めば、パチンコ球の発射の禁止条件を複合的に判断して、発射用モータ32を制御することができる。例えば、ホール管理用のコンピュータからの信号や不正検出回路からの信号などにより、発射用モータ32の駆動を禁止して、パチンコ球の発射を停止することができる。また、こうした禁止条件の判別を行なう信号の追加が容易である。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように本実施例のパチンコ玉発射装置によれば、1チップマイクロプロセッサを発振に利用した簡単な構成の共振回路により遊技者の遊技状況を正確に判断することが可能となり、また制御回路から直接駆動可能な小型のステッピングモータを動力源としてパチンコ玉を発射することができる。従って、煩雑な回路調整や配線引き回しを省略しつつ発射用ハンドルの把持状態を高精度に検出し、しかもその占有体積を小型化することができる。また、共振状態の検出条件を学習するものとすれば、判断の精度が低下しないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるパチンコ玉発射装置が備えられるパチンコ機の正面図である。
【図2】そのパチンコ機の発射用ハンドル20周り裏面を示す部分構成図である。
【図3】実施例であるパチンコ玉発射装置30の電気回路を示すブロック図である。
【図4】そのパチンコ玉発射装置30にて実行されるメインプログラムのフローチャートである。
【図5】同じくパチンコ玉発射装置30にて実行されるカウンタタイマ割込みプログラムのフローチャートである。
【図6】そのカウンタタイマ割込みプログラムにて実行される周波数スキャンの説明図である。
【図7】共振状態のずれを判断する各種パラメータの説明図である。
【符号の説明】
1…パチンコ機
20…発射用ハンドル
30…パチンコ玉発射装置
32…発射モータ
34…制御回路
35…MPU
35a…CPU
35b…ROM
35c…RAM
35d…カウンタタイマ
35e…I/Oポート
35f…A/Dコンバータ
37…波形変換回路
38…並列共振回路
39…電流検出回路
40…球発射機構
42…コイルバネ
44…打球杆
46…クラッチ機構
C…コンデンサ
L…コイル
PA…アナログ入力ポート
PS…出力ポート
PΦ1ないし4…出力ポート
X…調節レバー
Claims (3)
- 発射部へ供給されたパチンコ玉を、発射用ハンドルの操作に応じてパチンコ台へ向けて発射するパチンコ玉発射装置において、
前記発射用ハンドルにまで回路構成素子を延出させた共振回路と、
前記発射部の動力源となるステッピングモータと、
前記共振回路に共振周波数近傍の周波数で共振励起用の電力信号を出力すると共に、該共振回路の共振状態を検出し、その共振状態の検出結果に応じて前記ステッピングモータへ送出する駆動信号を制御する制御部と、
前記制御部から出力される電力信号を正弦波の形態で前記共振回路に加える変換回路と
を備え、
前記制御部は、少なくともディジタル出力ポートとアナログ入力ポートを備えた1チップマイクロプロセッサからなり、
前記ディジタル出力ポートの一つの電圧を所定周期でオン・オフすると共に、該オン・オフ周期を、該共振回路の前記共振周波数の近傍を含む所定の範囲で可変すると共に、該ディジタル出力ポートを前記変換回路を介して前記共振回路の電源ラインに接続し、前記電力信号を出力する手段と
前記共振回路の出力を前記1チップマイクロプロセッサの前記アナログ入力ポートに接続し、該可変されたディジタル出力ポートのオン・オフ周期に対応して前記アナログ入力ポートに得られる電圧を読み取る読取手段と、
該読み取った電圧と前記ディジタル出力ポートのオン・オフの周期との関係から、前記発射用ハンドルにまで回路構成素子が延出された共振回路の共振周波数を特定することにより、前記発射用ハンドルに対する把持の状態を判別する判別手段と
を備え、更に
前記共振回路と前記制御部と前記変換回路とを、一の制御回路に組み込んだパチンコ玉発射装置。 - 前記ステッピングモータの複数の駆動用信号線は、前記1チップマイクロプロセッサのディジタル出力ポートに直接接続された請求項1記載のパチンコ玉発射装置。
- 発射部へ供給されたパチンコ玉を、発射用ハンドルの操作に応じてパチンコ台へ向けて発射するパチンコ玉発射装置において、
前記発射用ハンドルにまで回路構成素子を延出させた共振回路と、
前記発射部の動力源となるステッピングモータと、
前記共振回路に共振周波数近傍の周波数で共振励起用の電力を周波数を所定範囲内で可変しつつ供給すると共に、該共振回路の共振周波数を検出し、その共振周波数によって利用者が前記発射用ハンドルを把持しているか否かを判別し、該判別の結果に応じて前記ステッピングモータへ送出する駆動信号を制御する1チップマイクロプロセッサからなる制御部と
を備え、
前記制御部は、前記パチンコ台の電源投入時において、前記発射用ハンドルを利用者が把持していない条件下で、前記共振励起用の電力の周波数を所定範囲内で可変することにより、前記共振回路の共振周波数を検出し、該検出した共振周波数を、前記発射用ハンドルを利用者が把持していない場合の前記共振周波数として学習するパチンコ玉発射装置。
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