JP3905725B2 - トンネル掘削機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、地下自動車道路や地下鉄道などに使用する拡幅トンネルを掘削形成するトンネル掘削機に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的なシールド掘削機は、筒状の掘削機本体の前部にカッタヘッドが回転自在に装着されると共に、この掘削機本体の後部にシールドジャッキ及びセグメントエレクタが装着されて構成されている。従って、このカッタヘッドを駆動モータによって旋回させながら、シールドジャッキによって掘削機本体を前進させることで、前方の地盤を掘削してトンネルを掘削形成し、エレクタ装置によってこの掘削形成されたトンネルの内壁面にセグメントを組付けてトンネルを構築することができる。
【0003】
ところで、掘削形成するトンネルとして、例えば、地下を通る自動車用高速道路に利用されるものがある。この自動車用高速道路は分岐路や出口路のために途中で車線が増加したり、減少したりしている。そのため、このような自動車用高速道路に使用するトンネルを掘削する場合、トンネル掘削断面形状を掘削途中で幅方向に広くしたり、狭くしたりする必要がある。
【0004】
このようなトンネル掘削断面形状を掘削途中で幅方向に変更する、所謂、拡幅式のシールド掘削機として、出願人は、例えば、特願平10−62651号(特開平11−256983号)「トンネル掘削機」として既に出願している。この出願のシールド掘削機は、主カッタ機構を有する主掘削機本体の両側にそれぞれ副カッタ機構を有する副掘削機本体を配設し、拡幅ジャッキにより主掘削機本体に対して副掘削機本体を水平移動可能で且つ水平旋回可能としたものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、一般的なシールド掘削機では、掘削機本体の内側でエレクタ装置がリング状にセグメントを組み立ててトンネルを形成するため、掘削機本体の後端部に周方向に沿って無端のテールシールを設け、トンネル掘削中、このテールシールを既設セグメントの外周面に摺接してシールすることで、外部から掘削機本体内部への浸水を阻止している。
【0006】
ところが、上述した拡幅式のシールド掘削機では、主掘削機本体に対して副掘削機本体が水平移動して拡幅可能となっているため、各掘削機本体の後端部に一般的なシールド掘削機のような無端のテールシールを設けることはできない。そこで、この特願平10−62651号の「トンネル掘削機」では、主掘削機本体と各副掘削機本体の嵌合部にゴム製のシールを設けると共に、主掘削機本体及び各副掘削機本体の後端部にそれぞれ金属ブラシ製の主副のテールシールを設け、主テールシールの端部に外方延出部及び摺接部を形成し、この摺接部を副テールシールに密接することでシール性を確保している。しかし、主掘削機本体と各副掘削機本体の嵌合部にて、側部はゴム製のシールが配設されて後端部は金属ブラシ製のテールシールが配設されているものの、その合せ部分のシール性が不十分であった。
【0007】
本発明はこのような問題点を解決するものであって、拡幅トンネルを掘削可能なトンネル掘削機にて機内への浸水を確実に防止してシール性の向上を図ったトンネル掘削機を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するための請求項1の発明のトンネル掘削機は、主カッタを有する主掘削機本体と、該主掘削機本体の側方に嵌合して副カッタを有する副掘削機本体と、前記主掘削機本体に対して前記副掘削機本体を側方に移動可能とする拡幅機構と、前記主掘削機本体及び前記副掘削機本体を前進させる推進ジャッキと、前記主掘削機本体あるいは前記副掘削機本体が嵌合した一方の側部に前後方向に沿って装着されたサイドシールと、前記主掘削機本体の後部に周方向に沿って装着された主テールシールと、前記副掘削機本体の後部に周方向に沿って装着された副テールシールと、外側に嵌合する前記主掘削機本体あるいは前記副掘削機本体の後隅部に装着されて前記サイドシールと前記主テールシールあるいは前記副テールシールとを連続させるブロックシールとを具え、前記ブロックシールは、前記主掘削機本体あるいは前記副掘削機本体の一方に固定される基部と、該基部の外周に立設された無端の壁部とを有し、前記ブロックシールの前記基部と前記壁部とで囲繞されたブロックシール空間部にグリースが充填されたことを特徴とするものである。
【0011】
請求項2の発明のトンネル掘削機では、前記サイドシールは前後方向に沿って複数列装着され、該複数のサイドシールの間のサイドシール空間部にグリースが充填され、該サイドシール空間部と前記ブロックシール空間部とが連通路を介して連通されたことを特徴としている。
【0013】
請求項3の発明のトンネル掘削機では、前記主テールシール及び前記副テールシールは周方向に沿って複数列装着されており、この複数列をなす該主テールシールあるいは該副テールシールと前記ブロックシールとの連続部にブラシシールが装着されたことを特徴としている。
【0014】
請求項4の発明のトンネル掘削機では、前記ブロックシールは、中空形状をなすインフレートシールであって、前記サイドシールは前後方向に沿って複数列装着され、該複数のサイドシールの間のサイドシール空間部にグリースが充填される一方、前記インフレートシールの表面には複数の溝部が形成され、前記サイドシール空間部と該溝部とが連通路を介して連通されたことを特徴としている。
【0016】
請求項5の発明のトンネル掘削機では、前記ブロックシールと前記サイドシールとの間には連結ブロックが介装され、該連結ブロックに弾性変形を促進させる空洞部が設けられたことを特徴としている。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0019】
図1に本発明の第1実施形態に係るトンネル掘削機の概略、図2に主掘削機本体と左副掘削機本体の後下部嵌合部の平面視、図3に図2のIII−III断面、図4に副掘削機本体に装着されたシール装置の概略、図5に副掘削機本体へのブロックシールの装着状態を表す概略を示す。
【0020】
図1に示すように、本実施形態のトンネル掘削機10において、主掘削機本体11は矩形断面をなし、前端部に前方の地盤を掘削する主カッタ機構12が装着されている。この主掘削機本体11の掘進方向両側部にはコ字形断面をなす左右の副掘削機本体13,14が外側に嵌合しており、前端部にそれぞれ前方の地盤を掘削する副カッタ機構15,16が装着されている。そして、主掘削機本体11と左右の副掘削機本体13,14との間には拡幅機構としての複数の拡幅ジャッキ17,18が架設されており、主掘削機本体11に対して左右の副掘削機本体13,14をそれぞれ独立して側方へ移動可能となっている。
【0021】
また、主掘削機本体11及び副掘削機本体13,14の後部には推進ジャッキとしてのシールドジャッキ19,20,21が装着されており、この各シールドジャッキ19,20,21を伸長して図示しない既設のセグメント(鋼殻であってもよい。)への押付反力により主掘削機本体11及び副掘削機本体13,14を前進させることができる。更に、主掘削機本体11及び各副掘削機本体13,14の後部にはそれぞれ既設トンネルの内壁面にセグメントを組付ける図示しないエレクタ装置が装備されている。
【0022】
そして、主掘削機本体11と各副掘削機本体13,14との嵌合部にて、外側に嵌合した副掘削機本体13,14の上下の側部の内周面には前後方向に沿ってサイドシール31,32が装着されている。一方、主掘削機本体11の後端部の内周面には周方向に沿って主テールシール33が装着されている。また、各副掘削機本体13,14の後端部の内周面には周方向に沿って副テールシール34,35が装着されている。そして、各副掘削機本体13,14の後隅部にはサイドシール31,32の後端部と副テールシール34,35の端部とを連続させるブロックシール36,37が装着されている。
【0023】
以下、このサイドシール31,32、主テールシール33、副テールシール34,35、ブロックシール36,37について詳細に説明するが、主掘削機本体11に対して左右の副掘削機本体13,14の嵌合部はほぼ同様の構造であって、また、上下の嵌合部もほぼ同様の構造であるため、ここでは、主掘削機本体11と左副掘削機本体13の下嵌合部、つまり、サイドシール31、主テールシール33、副テールシール34ブロックシール36について説明する。
【0024】
図2乃至図5に示すように、サイドシール31は基部41aに弾性舌片41bが一体成形されたゴム製シール41からなり、副掘削機本体13の側部内面に前後方向に沿って2列平行をなして固定されている。主テールシール33は多数の金属ブラシの基部が押え板により束ねられた金属ブラシ製シール42からなり、主掘削機本体11の後端部内面に周方向に沿って3列平行をなして固定され、各金属ブラシ製シール42の間にはグリース(図示略)が注入されている。副テールシール34は多数の金属ブラシの基部が押え板により束ねられた金属ブラシ製シール43からなり、副掘削機本体13の後端部内面に周方向に沿って3列平行をなして固定され、各金属ブラシ製シール43の間にはグリース(図示略)が注入されている。
【0025】
ブロックシール36は取付用基板36aを被覆する矩形をなす基部36bの外周に外方に広がった先細無端の壁部36cが一体成形されたゴム製シールであって、基部36b上の壁部36cで囲繞された空間部36dにグリースが充填されている。そして、このブロックシール36の前部の取付面36eには2列のゴム製シール41からなるサイドシール31が一体に連結される一方、ブロックシール36の側部にはブラシシール44を取付けるための前後一対の取付片36fが一体に形成されている。
【0026】
一方、主掘削機本体11において、図3に詳細に示すように、側部内面11aが外方に湾曲している。また、副掘削機本体13において、図5(b)に詳細に示すように、内面13aの側部にサイドシール取付凹部13bが形成されると共に、後端部にテールシール取付凹部13cが形成され、このサイドシール取付凹部13bとテールシール取付凹部13cとの間にはブラシシール取付凹部13dが形成されている。
【0027】
従って、一体に形成されたサイドシール31及びブロックシール36が副掘削機本体13のサイドシール取付凹部13bに固定され、ブロックシール36の空間部36dにグリースが充填される一方、副テールシール34がテールシール取付凹部13cに固定される。そして、多数の金属ブラシの基部が押え板により束ねられた金属製のブラシシール44がブロックシール36の取付片36fを介してブラシシール取付凹部13dに固定される。このブラシシール44はブロックシール36の側部に密着すると共に、副テールシール34を構成する3列の金属ブラシ製シール43の側部に密着してグリースが注入されている隙間を閉塞している。
【0028】
そして、図2及び図3に示すように、副掘削機本体13のサイドシール31、ブロックシール36、ブラシシール44、副テールシール34が主掘削機本体11の外面に接触することで、主掘削機本体11と副掘削機本体13との嵌合部を確実にシールすると共に、主掘削機本体11の主テールシール33が湾曲した側部内面11aに沿って副掘削機本体13の副テールシール34に重なり、各テールシール33,34が図示しないセグメントの外面に接触することで、主掘削機本体11及び副掘削機本体13とセグメントとの嵌合部を確実にシールする。そのため、外部から主掘削機本体11及び副掘削機本体13(14)内への水や土砂の侵入を確実に防止できる。
【0029】
ここで、上述した本実施形態のトンネル掘削機10によるトンネルの掘削作業について説明する。
【0030】
図1に示すように、掘削当初、前後の拡幅ジャッキ19,20を収縮して副掘削機本体13,14を主掘削機本体11側に移動し、主掘削機本体11と2つの副掘削機本体13,14で構成する掘削機本体の幅を狭くしておく。そして、主カッタ機構12及び副カッタ機構15,16を駆動しながら、複数のシールドジャッキ19,20,21を伸長させると、主掘削機本体11及び副掘削機本体13,14は既設のセグメントからの反力により一体となって前進し、各カッタ機構12,15,16が前方の地盤を掘削してトンネルを形成する。
【0031】
そして、シールドジャッキ19,20,21が所定ストローク伸長して主掘削機本体11及び副掘削機本体13,14が所定距離掘進してトンネルを掘削すると、シールドジャッキ19,20,21の何れか一つを縮み方向に作動し、既設のセグメントとの間に空所を形成し、この空所に各エレクタ装置によって新しいセグメントを装着し、隣接する既設のセグメント同士を連結することでリング状に組み付けていく。この繰り返しにより所定長さのトンネルを構築することができる。
【0032】
このように縮幅トンネルを所定距離掘削し、分岐路や出口路のためにトンネル幅を拡大した拡幅トンネルを掘削する位置の所定距離手前までくると、副カッタ機構15,16に装着された図示しないコピーカッタにより側方の地盤を掘削しながら拡幅ジャッキ17,18を伸長することで掘削するトンネル幅を拡大していく。そして、トンネル幅が所定の幅まで拡大すると、拡幅ジャッキ17,19を停止し、この状態で前述と同様に掘削作業を行う。すると、縮幅トンネルから連続して拡幅トンネルを掘削することができる。
【0033】
そして、この主掘削機本体11に対する副掘削機本体13,14の拡幅時に、図2及び図3に示すように、副掘削機本体13はサイドシール31、ブロックシール36、ブラシシール44、副テールシール34が主掘削機本体11の外面に摺接しながら、また、各テールシール33,34,35がセグメントの外面に摺接しながら側方に移動することとなり、掘削機本体11,13,14の各嵌合部やセグメントとの嵌合部からの水や土砂の侵入を確実に防止できる。
【0034】
特に、ブロックシール36は内側にグリースが充填された壁部36c及びブラシシール44が主掘削機本体11の外面に押圧すると共に、グリースが介装された3列の金属ブラシ製シール43(副テールシール34)が主掘削機本体11の外面に押圧することとなり、掘削機本体11,13,14内への水や土砂の侵入を確実に防止できる。
【0035】
このように本実施形態のトンネル掘削機10にあっては、副掘削機本体13,14の後隅部にブロックシール36,37を固定し、このブロックシール36,37に副掘削機本体13,14の側部に前後方向に沿って固定したゴム製のサイドシール31,32の後端部を連結すると共に、副掘削機本体13,14の後端部の内周面に周方向に沿って固定した金属ブラシ製の副テールシール34,35の端部をブラシシール44を介して連続させている。
【0036】
従って、副掘削機本体13,14の側部と後端部にそれぞれ配設された異なる材質のサイドシール31,32と副テールシール34,35とがブロックシール36,37を介して確実に連続することとなり、掘削機本体11,13,14内への水や土砂の浸入を確実に防止することができる。
【0037】
なお、上述の実施形態では、サイドシール31,32とブロックシール36,37とを一体に形成したが、別々に形成してもよい。また、ブロックシール36,37の形状は上述した実施形態に限定されるものではない。
【0038】
図6に本発明の第2実施形態に係るトンネル掘削機に装着されたブロックシールの平面視、図7に本発明の第3実施形態に係るトンネル掘削機に装着されたブロックシールの平面視、図8に本発明の第4実施形態に係るトンネル掘削機に装着されたブロックシールの平面視、図9に図8のIX−IX断面、図10に本発明の第5実施形態に係るトンネル掘削機に装着されたブロックシールの平面視、図11に図10のXI−XI断面図を示す。なお、前述した実施形態で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0039】
図6に示すように、第2実施形態のトンネル掘削機のブロックシール51は、矩形をなす基部51aの外周に壁部51bが一体成形されたゴム製シールであって、基部51a上の壁部51bで囲繞された空間部51cにグリースが充填されている。そして、このブロックシール51の右側部には2列のゴム製シールからなるサイドシール31が湾曲して一体に連結される一方、左側部にはブラシシールを装着するための前後一対の取付片51dが一体に形成されている。
【0040】
図7に示すように、第3実施形態のトンネル掘削機のブロックシール61は、L字形をなす基部61aの外周に壁部61bが一体成形されたゴム製シールであって、基部61a上の壁部61bで囲繞された空間部61cにグリースが充填されている。そして、このブロックシール61の前部には2列のゴム製シールからなるサイドシール31が湾曲して一体に連結される一方、左側部にはブラシシールを装着するための前後一対の取付片61dが一体に形成されている。
【0041】
このようにブロックシール51,61の形状を変更することで、小型軽量化を可能として製造コストを低減できる。
【0042】
また、図8及び図9に示すように、第4実施形態のトンネル掘削機のブロックシール71は、矩形をなす基部71aの外周に壁部71bが一体成形されたゴム製シールであって、基部71a上の壁部71bで囲繞されたブロックシール空間部71cにグリースが充填されている。そして、このブロックシール71の前部の取付面71dには連結ブロック72を介して2列のゴム製シールからなるサイドシール31が連結されている。この連結ブロック72は、ブロックシール71の取付面71dにボルト等により固定されるブロック本体72aにサイドシール31(2つのゴム製シール41)に溶着される2つのシール連結部72bが形成されてなり、ブロック本体72aには弾性変形を促進させる多数の空洞部72cが形成されている。また、2列のゴム製シール41の間のサイドシール空間部41aには図示しない供給孔から所定圧でグリースが充填されており、ブロック本体72aにはサイドシール空間部41aのグリースをブロックシール空間部71cに供給する連通孔72dが形成されている。
【0043】
一方、ブロックシール71の左側部にはブラシシール44、副テールシール34を構成する3列の金属ブラシ製シール43が連続しており、2列の金属ブラシ製シール43の間のブラシシール空間部43aには図示しない供給孔から所定圧でグリースが充填されている。
【0044】
従って、副掘削機本体13の側部と後端部にそれぞれ配設された異なる材質のサイドシール31と副テールシール34とがブロックシール71を介して確実に連続することとなり、掘削機本体11,13,14内への水や土砂の浸入を確実に防止することができる。また、サイドシール31及び副テールシール34の各空間部41a,43aにはグリースが供給されると共に、連通孔72dを介してブロックシール空間部71cにグリースが供給されており、拡幅時に各シールの作用する摩擦抵抗を軽減してシールの損傷を防止できる。更に、ブロック本体72aには多数の空洞部72cが形成されて追従して弾性変形し易くなっており、シールに過大な摩擦抵抗が作用しても浮き上がりを防止して浸水を確実に防止できる。
【0045】
更に、図10及び図11に示すように、第5実施形態のトンネル掘削機のブロックシール81は、中空部81aを有するインフレートシールであって、この中空部81aのエア圧を調整自在であり、前面に連結凹部81bが形成されると共に、上面にこの連結凹部81bに連結された複数の溝部81cが形成されている。そして、このブロックシール81の前部の取付面81dには連結ブロック82を介して2列のゴム製シールからなるサイドシール31が連結されている。この連結ブロック82は、ブロックシール81の取付面81dにボルト等により固定されるブロック本体82aにサイドシール31(2つのゴム製シール41)に溶着される2つのシール連結部82bが形成されてなり、ブロック本体82aには弾性変形を促進させる多数の空洞部82cが形成されている。また、ブロック本体82aにはサイドシール空間部41aのグリースを連結凹部81bを介して各溝部81cに供給する連通孔82dが形成されている。
【0046】
一方、ブロックシール81の左側部にはブラシシール44、副テールシール34を構成する3列の金属ブラシ製シール43が連続しており、2列の金属ブラシ製シール43の間のブラシシール空間部43aにグリースが充填されている。
【0047】
従って、サイドシール31及び副テールシール34の各空間部41a,43aにはグリースが供給されると共に、連通孔82dを介して溝部81cにグリースが供給されており、拡幅時に各シールの作用する摩擦抵抗を軽減してシールの損傷を防止できる。また、ブロック本体82aには多数の空洞部82cが形成されて追従して弾性変形し易くなっており、シールに過大な摩擦抵抗が作用しても浮き上がりを防止し、掘削機本体11,13,14内への水や土砂の浸入を確実に防止することができる。更に、掘削機本体11,13,14の嵌合位置に応じてブロックシール81の中空部81aに供給するエア圧を変更することで、浸水を確実に防止できる。
【0048】
なお、上述の実施形態では、主掘削機本体11の両側に副掘削機本体13,14を移動自在に設けたが、主掘削機本体11の左右のいずれか一方のみに副掘削機本体13(14)を移動自在に設けてもよい。また、上述の実施形態では、主掘削機本体11の側部の外側に副掘削機本体13,14を嵌合してトンネル掘削機10を構成し、副掘削機本体13,14の内面にサイドシール、ブロックシール、副テールシールを連続して設けたが、主掘削機本体11の側部の内側に副掘削機本体13,14を嵌合してトンネル掘削機10を構成し、主掘削機本体11の内面にサイドシール、ブロックシール、主テールシールを連続して設けてもよい。
【0049】
【発明の効果】
以上、実施形態において詳細に説明したように請求項1の発明のトンネル掘削機によれば、主カッタを有する主掘削機本体の側方に副カッタを有する副掘削機本体を嵌合して拡幅機構により主掘削機本体に対して副掘削機本体を側方に移動可能とすると共に、推進ジャッキによって各副掘削機本体を前進可能とし、主掘削機本体あるいは前記副掘削機本体が嵌合した一方の側部に前後方向に沿ってサイドシールを装着する一方、主掘削機本体及び副掘削機本体の各後部に主テールシール、副テールシールを装着し、サイドシールと主テールシールあるいは副テールシールとを連続させるブロックシールを設けたので、掘削途中でトンネルを拡幅するために副掘削機本体が主掘削機本体に対して側方移動しても、サイドシールと主テールシールあるいは副テールシールとブロックシールが隙間なく連続して掘削機本体あるいは副掘削機本体に摺接するため、掘削機本体内部への浸水を確実に防止して防水性の向上を図ることができる。
【0050】
更に、上記発明のトンネル掘削機によれば、ブロックシールを主掘削機本体あるいは副掘削機本体の一方に固定される基部とこの基部の外周に立設された無端の壁部とで構成したので、ブロックシールによる主掘削機本体あるいは副掘削機本体への密着性を高めて防水性を向上することができる。
【0051】
また更に、上記発明のトンネル掘削機によれば、ブロックシールの基部と壁部とで囲繞された空間部にグリースを充填したので、主掘削機本体及び副掘削機本体の防水性を更に向上することができると共に、ブロックシールの摺動摩擦抵抗を軽減して損傷を防止することができる。
【0052】
また、請求項2の発明のトンネル掘削機によれば、サイドシールを前後方向に沿って複数列装着し、複数のサイドシールの間のサイドシール空間部にグリースを充填し、このサイドシール空間部とブロックシール空間部とを連通路を介して連通したので、サイドシール空間部のグリースを連通路を通してブロックシール空間部に容易に供給することができる。
【0054】
また、請求項3の発明のトンネル掘削機によれば、主テールシール及び副テールシールを周方向に沿って複数列装着し、この複数列をなす主テールシールあるいは副テールシールとブロックシールとの連続部にブラシシールを装着したので、異なる材質のサイドシールとテールシールとをブラシシールにより隙間なく確実に連続させることができる。
【0055】
また、請求項4の発明のトンネル掘削機によれば、ブロックシールを中空形状をなすインフレートシールとしたで、掘削機本体と副掘削機本体の嵌合位置に応じて内部のエア圧を変更することで、浸水を確実に防止することができる。
【0056】
更に、上記発明のトンネル掘削機によれば、サイドシールを前後方向に沿って複数列装着し、複数のサイドシールの間のサイドシール空間部にグリースを充填する一方、インフレートシールの表面には複数の溝部を形成し、サイドシール空間部と溝部とを連通路を介して連通したので、サイドシール空間部のグリースを連通路を通して溝部に容易に供給することができ、主掘削機本体及び副掘削機本体の防水性を向上することができると共に、ブロックシールの摺動摩擦抵抗を軽減して損傷を防止することができる。
【0057】
また、請求項5の発明のトンネル掘削機によれば、ブロックシールとサイドシールとの間に連結ブロックを介装し、連結ブロックに弾性変形を促進させる空洞部を設けたので、連結ブロックは多数の空洞部により弾性変形し易く、シールに過大な摩擦抵抗が作用しても浮き上がりを防止して浸水を確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るトンネル掘削機の概略図である。
【図2】主掘削機本体と左副掘削機本体の後下部嵌合部の平面図である。
【図3】図2のIII−III断面図である。
【図4】副掘削機本体に装着されたシール装置の概略図である。
【図5】副掘削機本体へのブロックシールの装着状態を表す概略図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係るトンネル掘削機に装着されたブロックシールの平面図である。
【図7】本発明の第3実施形態に係るトンネル掘削機に装着されたブロックシールの平面図である。
【図8】本発明の第4実施形態に係るトンネル掘削機に装着されたブロックシールの平面図である。
【図9】図8のIX−IX断面図である。
【図10】本発明の第5実施形態に係るトンネル掘削機に装着されたブロックシールの平面図である。
【図11】図10のXI−XI断面図である。
【符号の説明】
11 主掘削機本体
12 主カッタ機構
13,14 副掘削機本体
15,16 副カッタ機構
17,18 拡幅ジャッキ(拡幅機構)
19,20,21 シールドジャッキ(推進ジャッキ)
31,32 サイドシール
33 主テールシール
34,35 副テールシール
36,37,51,61,71,81 ブロックシール
Claims (5)
- 主カッタを有する主掘削機本体と、該主掘削機本体の側方に嵌合して副カッタを有する副掘削機本体と、前記主掘削機本体に対して前記副掘削機本体を側方に移動可能とする拡幅機構と、前記主掘削機本体及び前記副掘削機本体を前進させる推進ジャッキと、前記主掘削機本体あるいは前記副掘削機本体が嵌合した一方の側部に前後方向に沿って装着されたサイドシールと、前記主掘削機本体の後部に周方向に沿って装着された主テールシールと、前記副掘削機本体の後部に周方向に沿って装着された副テールシールと、外側に嵌合する前記主掘削機本体あるいは前記副掘削機本体の後隅部に装着されて前記サイドシールと前記主テールシールあるいは前記副テールシールとを連続させるブロックシールとを具え、前記ブロックシールは、前記主掘削機本体あるいは前記副掘削機本体の一方に固定される基部と、該基部の外周に立設された無端の壁部とを有し、前記ブロックシールの前記基部と前記壁部とで囲繞されたブロックシール空間部にグリースが充填されたことを特徴とするトンネル掘削機。
- 請求項1記載のトンネル掘削機において、前記サイドシールは前後方向に沿って複数列装着され、該複数のサイドシールの間のサイドシール空間部にグリースが充填され、該サイドシール空間部と前記ブロックシール空間部とが連通路を介して連通されたことを特徴とするトンネル掘削機。
- 請求項1記載のトンネル掘削機において、前記主テールシール及び前記副テールシールは周方向に沿って複数列装着されており、この複数列をなす該主テールシールあるいは該副テールシールと前記ブロックシールとの連続部にブラシシールが装着されたことを特徴とするトンネル掘削機。
- 請求項1記載のトンネル掘削機において、前記ブロックシールは、中空形状をなすインフレートシールであって、前記サイドシールは前後方向に沿って複数列装着され、該複数のサイドシールの間のサイドシール空間部にグリースが充填される一方、前記インフレートシールの表面には複数の溝部が形成され、前記サイドシール空間部と該溝部とが連通路を介して連通されたことを特徴とするトンネル掘削機。
- 請求項1記載のトンネル掘削機において、前記ブロックシールと前記サイドシールとの間には連結ブロックが介装され、該連結ブロックに弾性変形を促進させる空洞部が設けられたことを特徴とするトンネル掘削機。
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