JP3556843B2 - トンネル掘削機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、地下自動車道路や地下鉄道などに使用するトンネルを掘削形成するトンネル掘削機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般的なシールド掘削機は、筒状の掘削機本体の前部にカッタヘッドが回転自在に装着されると共に、この掘削機本体の後部にシールドジャッキ及びセグメントエレクタが装着されて構成されている。従って、このカッタヘッドを駆動モータによって旋回させながら、シールドジャッキによって掘削機本体を前進させることで、前方の地盤を掘削してトンネルを掘削形成し、セグメントエレクタによってこの掘削形成されたトンネルの内壁面にセグメントを組付けてトンネルを構築することができる。
【0003】
ところで、掘削形成するトンネルとして、例えば、地下を通る自動車用高速道路に利用されるものがある。この自動車用高速道路は分岐路や出口のために途中で車線が増加したり、減少したりしている。そのため、このような自動車用高速道路に使用するトンネルを掘削する場合、トンネル掘削断面形状を掘削途中で幅方向に広くしたり、狭くしたりする必要がある。
【0004】
このようなトンネル掘削断面形状を掘削途中で幅方向に変更する、所謂、拡幅式のシールド掘削機としては、従来から例えば、特開平7−279579号公報に記載されたものがある。この公報に記載されたシールド掘削機は、シールド本体を固定部と一対の移動部によって構成すると共に、移動部を前胴部と後胴部によって構成し、固定部と前胴部及び後胴部との間に移動ジャッキを架設し、また、固定部の前端部に余掘り用カッタを有するカッタヘッドが駆動回転可能に装着されている。従って、固定部及び移動部の後胴部に装着されたシールドジャッキを伸縮することでシールド本体を前進し、このとき、駆動回転するカッタヘッドによって前方の地盤を掘削してトンネルを形成する。この場合、移動ジャッキの収縮状態では移動部が固定部側に位置しており、カッタヘッドによって通常断面のトンネルを掘削する一方、移動ジャッキの伸長状態では移動部が固定部から離間しており、カッタヘッドによって拡幅断面のトンネルを掘削することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来のシールド掘削機を用いて掘削途中で拡幅する場合、移動部が固定部側に位置した状態で、カッタヘッドを回転駆動しながら固定部及び移動部を前進することで前方の地盤を掘削すると同時に、余掘カッタによって側方の地盤を掘削し、余掘された空洞部の全長が前胴部の全長となったときに移動ジャッキを伸長してこの前胴部を外方に移動する。そして、余掘された空洞部の全長が前胴部及び後胴部の全長となったときに移動ジャッキを伸長してこの後胴部を外方に移動する。この繰り返しによって段階的に拡幅したトンネルを掘削することとなる。
【0006】
そのため、途中で拡幅したトンネルは壁部に長手方向に複数の段差が形成されることとなり、これを平滑にする後加工が必要となってしまう。また、余掘された空洞部は前胴部あるいは後胴部が外方に移動するまで空間部となって地盤の崩落を招く虞があり、空洞部の全長が前胴部の全長となっても崩落した土砂などによって前胴部を外方に移動することができない場合がある。
【0007】
本発明はこのような問題点を解決するものであって、拡幅及び縮幅トンネル掘削作業の作業性の向上を図ると共に掘削作業時の防水性の向上を図ったトンネル掘削機を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するための請求項1の発明のトンネル掘削機は、主掘削機本体と、該主掘削機本体の前端部に装着されて前方の地盤を掘削する主カッタ機構と、前記主掘削機本体の掘進方向側方に配設されて該主掘削機本体と共に筒形状をなす副掘削機本体と、該副掘削機本体の前端部に装着されて前記主カッタ機構と共に前方の地盤を掘削する副カッタ機構と、前記副掘削機本体を前記主掘削機本体に対して掘進方向側方に移動可能で且つ旋回可能に支持する副掘削機本体支持機構と、前記主掘削機本体及び前記副掘削機本体を前進させる推進機構と、前記主掘削機本体と前記副掘削機本体との嵌合部に介装されて該主掘削機本体に対する該副掘削機本体の側方移動時及び旋回時に追従してシール可能なシール部材とを具え、前記シール部材は、前記主掘削機本体の前端部に形成された主バルクヘッドと前記副掘削機本体の前端部に形成された副バルクヘッドとの重合部に介装された前部シールと、前記主掘削機本体の側部と対向する前記副掘削機本体の側部との嵌合部に介装された側部シールとを有すると共に、前記前部シールは、前記主バルクヘッドと前記副バルクヘッドとのいずれか一方に固着され、他方に摺接する縦方向に沿った少なくとも2列の突起部を有することを特徴とするものである。
【0009】
また、請求項2の発明のトンネル掘削機では、主掘削機本体と、該主掘削機本体の前端部に装着されて前方の地盤を掘削する主カッタ機構と、前記主掘削機本体の掘進方向側方に配設されて該主掘削機本体と共に筒形状をなす副掘削機本体と、該副掘削機本体の前端部に装着されて前記主カッタ機構と共に前方の地盤を掘削する副カッタ機構と、前記副掘削機本体を前記主掘削機本体に対して掘進方向側方に移動可能で且つ旋回可能に支持する副掘削機本体支持機構と、前記主掘削機本体及び前記副掘削機本体を前進させる推進機構と、前記主掘削機本体と前記副掘削機本体との嵌合部に介装されて該主掘削機本体に対する該副掘削機本体の側方移動時及び旋回時に追従してシール可能なシール部材とを具え、前記シール部材は、前記主掘削機本体の前端部に形成された主バルクヘッドと前記副掘削機本体の前端部に形成された副バルクヘッドとの重合部に介装された前部シールと、前記主掘削機本体の側部と対向する前記副掘削機本体の側部との嵌合部に介装された側部シールとを有すると共に、前記側部シールは、前記主掘削機本体と前記副掘削機本体とのいずれか一方に固着され、他方に摺接自在であると共に、該側部シールの後端部には、前記他方の掘削機本体の後端部に掘進方向側方に沿って形成された縦壁部に摺接自在な後部シールが一体に形成されたことを特徴としている。
【0010】
また、請求項3の発明のトンネル掘削機では、前記後部シールは、縦方向に沿った少なくとも2列の縦突起部を有すると共に、横方向に沿った少なくとも2列の横突起部を有することを特徴としている。
【0011】
また、請求項4の発明のトンネル掘削機では、主掘削機本体と、該主掘削機本体の前端部に装着されて前方の地盤を掘削する主カッタ機構と、前記主掘削機本体の掘進方向側方に配設されて該主掘削機本体と共に筒形状をなす副掘削機本体と、該副掘削機本体の前端部に装着されて前記主カッタ機構と共に前方の地盤を掘削する副カッタ機構と、前記副掘削機本体を前記主掘削機本体に対して掘進方向側方に移動可能で且つ旋回可能に支持する副掘削機本体支持機構と、前記主掘削機本体及び前記副掘削機本体を前進させる推進機構と、前記主掘削機本体と前記副掘削機本体との嵌合部に介装されて該主掘削機本体に対する該副掘削機本体の側方移動時及び旋回時に追従してシール可能なシール部材とを具え、前記シール部材は、前記主掘削機本体の前端部に形成された主バルクヘッドと前記副掘削機本体の前端部に形成された副バルクヘッドとの重合部に介装された前部シールと、前記主掘削機本体の側部と対向する前記副掘削機本体の側部との嵌合部に介装された側部シールとを有すると共に、前記前部シールは前記副バルクヘッドに固着されて前記主バルクヘッドに摺接自在であると共に、前記側部シールは前記副掘削機本体に固着されて前記主掘削機本体に摺接自在であることを特徴としている。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0015】
図1に本発明の一実施形態に係るトンネル掘削機としてのシールド掘削機の一部切欠平面視、図2に本実施形態のシールド掘削機の正面視、図3に図1のIII−III断面、図4に図1のIV−IV断面、図5に図1のV−V断面、図6に図1のVI部詳細断面、図7に他の前部シールを表す断面、図8に図1のVIII−VIII断面、図9に図8のIX−IX断面、図10に後部シールと縦壁部との関係を表す概略、図11に本実施形態のシールド掘削機の斜視、図12に本実施形態のシールド掘削機による拡幅トンネル掘削時の作用を表す概略、図13に本実施形態のシールド掘削機による縮幅トンネル掘削時の作用を表す概略、図14に通常トンネルの掘削断面、図15に拡幅トンネルの掘削断面を示す。
【0016】
本実施形態のシールド掘削機10は、図11に示すように、箱型をなす主掘削機本体11と、この主掘削機本体11の前端部に装着されて前方の地盤を掘削する主カッタ機構12と、主掘削機本体11の掘進方向側方に配設されてコ字形状をなす副掘削機本体13,14と、この副掘削機本体13,14の前端部に装着されて前方の地盤を掘削する副カッタ機構15,16と、主掘削機本体11に対して左右の副掘削機本体13,14をそれぞれ独立に側方移動可能で、且つ、側方旋回可能とする副掘削機本体支持機構としての支持部17,18及び拡幅ジャッキ19,20と、主掘削機本体11及び副掘削機本体13,14を前進させる推進機構として各掘削機本体11,12,13の後部に装着されたシールドジャッキ21,22,23とから構成されている。
【0017】
即ち、本実施形態のシールド掘削機10において、図1乃至図5に示すように、主掘削機本体11は上下が弧状をなす矩形筒形状部11aの両側に上下一対の水平部11b,11cが一体に形成されてなり、この主掘削機本体11の前部には掘削土砂や泥水等のずりの内部浸入を防止する主バルクヘッド31が形成されている。この主掘削機本体11の前端部には主バルクヘッド31を貫通するように上下一対の回転軸32が配設され、軸受33によって回転自在に支持されている。そして、この各回転軸32の先端部に主カッタ機構12を構成する主カッタヘッド34がそれぞれ固定されている。この主カッタヘッド34は2本のスポーク34aが交差して端部が連結部34bによって連結されてなり、スポーク34aの前面には多数のカッタビット35が取付けられると共に、移動ジャッキ36によって伸縮可能なコピーカッタ37が装着されている。また、各回転軸32の後端部にはリングギヤ38がそれぞれ固定されており、主掘削機本体11に設けられた複数の駆動モータ(油圧モータまたは電気モータ)39の駆動ギヤ40がこのリングギヤ37に噛み合っている。従って、駆動モータ39を駆動すると、駆動ギヤ40の駆動力がリングギヤ38を介して回転軸32に伝達され、この回転軸32と一体の主カッタヘッド34を回転駆動することができる。
【0018】
一方、各副掘削機本体13,14はそれぞれ一側部が主掘削機本体11の水平部11b,11cに嵌合することで、この主掘削機本体11と共に筒形状をなしており、この副掘削機本体13,14の前部には主掘削機本体11の主バルクヘッド31に係合する副バルクヘッド41,42が形成されている。この各副掘削機本体13,14の前端部には副バルクヘッド41,42を貫通するようにそれぞれ回転軸43,44が配設され、軸受45,46によって回転自在に支持されている。そして、この回転軸43,44の先端部に副カッタ機構15,16を構成する副カッタヘッド47,48が固定されている。この副カッタヘッド47,48は2本のスポーク47a,48aが交差して端部が連結リング47b,48bによって連結されてなり、スポーク47a,48aの前面には多数のカッタビット49,50が取付けられると共に、移動ジャッキ51,52によって伸縮可能なコピーカッタ53,54が装着されている。また、各回転軸43,44の後端部にはリングギヤ55,56がそれぞれ固定されており、副掘削機本体13,14に設けられた複数の駆動モータ57,58の駆動ギヤ59,60がこのリングギヤ55,56に噛み合っている。
【0019】
また、各副掘削機本体13,14の前端部外側に位置して副カッタ機構15,16を構成する上下一対のコーナーカッタ61,62がそれぞれ回転軸63,64によって回転自在に支持されており、各副掘削機本体13,14に設けられた駆動モータ65,66によって回転駆動可能となっている。このコーナーカッタ61,62はスポーク61a,62aを有しており、このスポーク61a,62aの前面には多数のカッタビット67,68が取付けられると共に、移動ジャッキ69,70によって伸縮可能な余掘カッタ71,72が装着されている。なお、左右の副掘削機本体13,14における各コーナーカッタ61,62の装着位置が相違するが、これは後述する枠状トンネルT,Tの隅部を適正の掘削するためである。即ち、図3に示すように、一方の副掘削機本体13の側部にスペーサ13aを介してコーナーカッタ59の支持部分13bを形成しているが、左右同様の構成にしてもよい。
【0020】
従って、駆動モータ57,58を駆動すると、駆動ギヤ59,60の駆動力がリングギヤ55,56を介して回転軸43,44に伝達され、この回転軸43,44と一体の副カッタヘッド47,48を回転駆動することができる。また、各駆動モータ65,66を駆動すると、回転軸63,64と共にコーナーカッタ61,62を回転駆動するすることができる。
【0021】
ところで、この主掘削機本体11と各副掘削機本体13,14との間にはそれぞれ支持部17,18が介在し、主掘削機本体11に対してこの副掘削機本体13,14が接近離間するように水平移動自在で、且つ、垂直軸回りに水平旋回自在に支持されている。即ち、主掘削機本体11の左右の水平部11bには支持軸73a,73b,74a,74bがそれぞれ前後に固定されている。一方、副掘削機本体13,14には幅方向に沿って長孔75a,75b,76a,76bが形成され、各支持軸73a,73b,74a,74bが長孔75a,75b,76a,76bに移動自在に嵌合している。この場合、前側に位置する各支持軸73a,74aと長孔75a,76aとはほとんど隙間のない嵌合状態であるが、後側に位置する各支持軸73b,74bと長孔75b,76bとは隙間Sをもった遊嵌状態となっている。
【0022】
更に、主掘削機本体11と各副掘削機本体13,14との間にはそれぞれ各5本の拡幅ジャッキ19,20が架設されており、この主掘削機本体11及び各副掘削機本体13,14における拡幅ジャッキ19,20の各端部は玉軸受により上下左右に揺動自在に連結されている。
【0023】
従って、各拡幅ジャッキ19,20を伸縮することで、主掘削機本体11に対して両側の各副掘削機本体13,14を側方に移動させることができる。そして、このとき、各拡幅ジャッキ19,20の前後の伸縮量を同じにすると、支持軸73a,73b,74a,74bが長孔75a,75b,76a,76b内を移動し、各副掘削機本体13,14は主掘削機本体11に対してその角度姿勢を維持したままで側方に平行移動することとなる。また、拡幅ジャッキ19,20の前後の伸縮量を変えると、支持軸73a,73b,74a,74bが長孔75a,75b,76a,76b内を移動しながら隙間Sの範囲内で回動し、各副掘削機本体13,14は主掘削機本体11に対してその角度を変化させるように側方に旋回することとなる。
【0024】
つまり、図12に示すように、主掘削機本体11に対して両側の副掘削機本体13,14を外方へ水平旋回し、副カッタ機構15,16を外方に向けて前進することで、トンネルの掘削幅を拡大させたり、図13に示すように、両側の副掘削機本体13,14を内方へ水平旋回し、副カッタ機構15,16を内方に向けて前進することで、トンネルの掘削幅を縮小することができる。
【0025】
また、各カッタヘッド34,47,48と各バルクヘッド31,41,42との間にはチャンバ77が形成され、各副掘削機本体13,14の前部にはスクリューコンベヤ78,79が装着され、前端部がこのチャンバ77に位置しており、後端部は配管80に連結され、この配管80は主掘削機本体11内を通って後方に延設されている。
【0026】
更に、主掘削機本体11及び各副掘削機本体13,14の後部には周方向に沿ってそれぞれ複数のシールドジャッキ21,22,23が並設されており、その後方に伸びる駆動ロッドの先端部にはそれぞれスプレッダ21a,22a,23aが取付けられている。従って、このシールドジャッキ21,22,23を作動して掘進方向後方に駆動ロッドを伸長させると、掘削したトンネル内周面に組み立てられた鋼殻Sにスプレッダ21a,22a,23aが押しつけられ、その反力により主掘削機本体11及び副掘削機本体13,14を前進させることができる。
【0027】
また、主掘削機本体11及び各副掘削機本体13,14の後部には既設トンネルの内壁面に鋼殻Sを組付けるエレクタ装置81,82,83が装備されている。この各エレクタ装置81,82,83はほぼ同様の構造となっているが、主掘削機本体11に装着されたエレクタ装置81は矩形断面トンネルの中央部の上下壁面に鋼殻Sを組付けるものであり、各副掘削機本体13,14に装着されたエレクタ装置82,83は矩形断面トンネルの両側部の上下壁面及び側壁面に鋼殻Sを組付けるものである。
【0028】
即ち、エレクタ装置81,82,83において、各掘削機本体11,13,14には幅方向に沿って水平レール84が固定され、水平移動体85が移動自在となっており、この水平移動体85には垂直方向に沿って垂直レール86が固定され、垂直移動体87が移動自在となっている。そして、この垂直移動体87には旋回体88が旋回自在に支持されており、この旋回体88に鋼殻把持部材89が装着されている。従って、既設トンネル内に搬入された鋼殻Sを鋼殻把持部材89が把持した状態で、水平移動、垂直移動、旋回することで、把持した鋼殻Sを所定の組付位置に移動することができる。
【0029】
ところで、本実施形態のシールド掘削機10では、前述したように、拡幅ジャッキ19,20を伸縮することで、主掘削機本体11に対して各副掘削機本体13,14を側方移動できるように両者が摺動自在に嵌合している。そのため、主掘削機本体11と各副掘削機本体13,14との嵌合部には、泥水や泥土などの内部浸入を防止するシール部材が必要となる。また、このシールド掘削機10では、主掘削機本体11に対して各副掘削機本体13,14が水平旋回可能であるため、主バルクヘッド31と副バルクヘッド41,42との係合関係がずれる虞があるため、この係合部にも泥水や泥土などの内部浸入を防止するシール部材が必要となる。
【0030】
そのため、シールド掘削機10には、図1及び図2に示すように、主掘削機本体11と左右の副掘削機本体13,14との間に、この主掘削機本体11に対する副掘削機本体13,14の側方移動時及び旋回時に追従してシール可能なシール部材91,92が介装されている。このシール部材91,92は同様の形状をなし、主掘削機本体11の主バルクヘッド31と左右の副掘削機本体13,14の各副バルクヘッド41,42との重合部に介装された前部シール93,94と、主掘削機本体11の左右の側部と対向する副掘削機本体13,14の側部との嵌合部に介装された側部シール95,96とから構成されている。
【0031】
この主バルクヘッド31の左右端部は左右の副掘削機本体13,14の端部は前後に重なり合っており、前部シール93(94)は、図6(a)に示すように、副バルクヘッド41(42)における主バルクヘッド31側の端部に縦方向に沿って固定されている。そして、この前部シール93(94)は主バルクヘッド31の端部に摺接する縦方向に沿った2列の中空の突起部97a,97bを有している。従って、主掘削機本体11に対して副掘削機本体13,14が移動すると、副バルクヘッド41(42)に固定された前部シール93(94)が主バルクヘッド31に対して摺動することで止水される。また、図6(b)(c)に示すように、主掘削機本体11に対して副掘削機本体13,14が旋回して主バルクヘッド31に対して副バルクヘッド41(42)が傾くと、前部シール93(94)の一方の突起部97a,97bが押しつぶされることで、主バルクヘッド31と副バルクヘッド41(42)との間に隙間があくことはなく止水される。
【0032】
なお、前部シール93,94の突起部97a,97bの中空部内にエアやグリースなどの圧力流体を供給することで主バルクヘッド31に対する接触圧力を上げて止水正を向上させてもよい。また、この前部シール93,94の形状は上述したもの(図6に表したもの)に限定されるものではなく、図7(a)に示すように、半円断面形状の前部シール93aとして構造を簡素化したり、図7(b)に示すように、中空半円断面形状の前部シール93bとしたり、図7(c)に示すように、舌片断面形状の前部シール93cとして外部からの圧力に対して止水性を向上させるようにしてもよい。
【0033】
また、主掘削機本体11の側部には副掘削機本体13,14の側部が外方から嵌合しており、側部シール(95)96は、図8及び図9に示すように、副掘削機本体(13)14における主掘削機本体11側の端部下面に前後方向に沿って固定されており、主掘削機本体11の上面に摺接自在となっている。そして、側部シール(95)96の後端部には、主掘削機本体11の後端部に掘進方向側方に沿って形成された縦壁部11dに摺接自在な後部シール98が一体に形成されている。この後部シール98は、図10に示すように、縦方向に沿った2列の縦突起部99a,99bと横方向に沿った2列の横突起部100a,100bが連続して形成されて構成されている。
【0034】
なお、図1及び図8に示すように、主掘削機本体11及び各副掘削機本体13,14の後部内周面には既設の鋼殻Sの外周面に密着して内部への掘削土砂等の浸入を防止するテールシール101,102,103が前後に2列にわたってそれぞれ装着されている。各テールシール101,102,103は金属ブラシを多数束ねて形成されたものであり、主掘削機本体11の主テールシール101が各副掘削機本体13,14の副テールシール102,103よりも前側に位置し、主テールシール101の後列と副テールシール102,103の前列が重なり合うように設けられている。そして、主テールシール101の前後列の間の空間部と副テールシール102,103の前後列の間の空間部にグリースを供給することで、各テールシール101,102,103により掘削機本体11,13,14と鋼殻Sとの間を隙間なくシールして止水している。
【0035】
従って、図8及びに示すように、主掘削機本体11に対して副掘削機本体13,14が移動すると、副掘削機本体(13)14に固定された側部シール(95)96が主掘削機本体11に対して摺動すると共に、後部シール98が主掘削機本体11の縦壁部11dに対して摺動することで止水される。また、主掘削機本体11に対して副掘削機本体13,14が旋回すると、この後部シール98が縦壁部11dに対して押しつぶされることで、主掘削機本体11と副掘削機本体(13)14との間に隙間があくことはなく止水される。この場合、後部シール98と縦壁部11dとの摺接部が副掘削機本体(13)14の旋回中心となることが望ましい。なお、この後部シール98と主掘削機本体11の縦壁部11dとの摺接部において、側方からの浸水に対しては2列の縦突起部99a,99bが二重にシールし、下方、即ち、主テールシール101と副テールシール102,103とが重なり合った部分からの浸水に対しては2列の横突起部100a,100bが二重にシールしている。
【0036】
なお、主掘削機本体11及び副掘削機本体13,14の後端部には、図示しないが、既設トンネルの内壁面とリング状に組付けられた鋼殻Sとの間にコンクリートを打設する打設ノズルが設けられており、トンネル掘削機10の掘進による鋼殻Sの組み立てに伴ってこの打設ノズルからコンクリートを吐出している。そして、既設トンネルの内壁面と既設の鋼殻Sとの間の隙間にコンクリートを充填固化することで、このコンクリートによりリング状の鋼殻Sを固定する。
【0037】
ここで、上述した本実施形態のシールド掘削機による矩形断面トンネルの掘削作業について説明する。
【0038】
本実施形態では、上述したシールド掘削機10を用いて、図14及び図15に示すように、正方形に近い枠状のトンネルTを掘削形成し、その後、内部の土砂を排出することで、この内部を自動車用高速道路のためのトンネルとして使用する。このトンネルTは所定距離をもった2つの立坑を連通するように掘削するものであり、ここでは、横長トンネル用のシールド掘削機10と縦長トンネル用のシールド掘削機10aの2種類のシールド掘削機を図示しない2つの立坑間で往復移動して枠状のトンネルTを掘削する。この場合、掘削当初は図14に示す正方形に近い枠状のトンネルTを掘削するが、分岐路や出口路を同一工程にて掘削するために、掘削途中でシールド掘削機を拡幅し、図15に示すように、トンネル幅が拡大した矩形の枠状のトンネルTを連続して掘削する。
【0039】
即ち、掘削当初は図14に示す正方形に近い枠状のトンネルTを掘削する必要があることから、前後の拡幅ジャッキ19,20を収縮して副掘削機本体13,14を主掘削機本体11側に移動して平行状態とし、主掘削機本体11と2つの副掘削機本体13,14で構成する掘削機本体の幅を狭くする。
【0040】
そして、両側の副掘削機本体13,14を主掘削機本体11側に移動した縮幅状態で、図1に示すように、複数の駆動モータ39を駆動して主カッタヘッド34を回転駆動し、また、複数の駆動モータ57,58を駆動して各副カッタヘッド47,48を回転駆動すると共に、駆動モータ65,66を駆動してコーナーカッタ61,62を回転駆動する。そして、各カッタヘッド34,47,48及びコーナーカッタ61,62を回転しながら、複数のシールドジャッキ21,22,23を伸長させると、主掘削機本体11及び副掘削機本体13,14は既設の鋼殻Sからの反力により一体となって前進し、多数のカッタビット35,49,50,67,68が前方の地盤を掘削することでトンネルを掘削する。このとき、主カッタヘッド34と副カッタヘッド47,48との回転角度に応じて、移動ジャッキ36,51,52によってコピーカッタ37,53,54を伸縮することで、主カッタヘッド34と副カッタヘッド47,48との間の上下領域を掘削して矩形のトンネルとすることができる。
【0041】
そして、シールドジャッキ21,22,23が所定ストローク伸長して主掘削機本体11及び副掘削機本体13,14が所定距離掘進して矩形トンネルを掘削すると、シールドジャッキ21,22,23の何れか一つを縮み方向に作動し、スプレッダ21a,22a,23aと既設の鋼殻Sとの間に空所を形成し、この空所にエレクタ装置81,82,83によって新しい鋼殻Sを装着し、隣接する既設の鋼殻Sと連結固定する。この作動の繰り返しによって縮幅Wの矩形トンネルTを掘削形成する。
【0042】
このように縮幅の矩形トンネルTを所定距離掘削し、分岐路や出口路のためにトンネル幅を拡大した拡幅の矩形トンネルを掘削する位置までくると、図12に示すように、前側の拡幅ジャッキ19,20を伸長することで、主掘削機本体11に対する各副掘削機本体13,14の外方旋回を開始する。この場合、拡幅トンネルの掘削開始位置の手前から、コーナーカッタ61,62の回転角度に応じて移動ジャッキ69,70によって余掘カッタ71,72を伸縮し、各カッタヘッド34,47,48、コーナーカッタ61,62、コピーカッタ37,53,54による主掘削機本体11及び副掘削機本体13,14の前方地盤掘削と共に、余掘カッタ71,72によって副掘削機本体13,14の外側方の地盤の掘削を行う。そして、余掘カッタ71,72によって形成された余掘空間部を利用し、主掘削機本体11に対して副掘削機本体13,14を外方旋回させる。
【0043】
この副掘削機本体13,14の外方旋回は、当初、小さい旋回角度で行い、前側の拡幅ジャッキ19,20を徐々に伸長することで副掘削機本体13,14の旋回角度を徐々に大きくしていく。そして、この主掘削機本体11及び副掘削機本体13,14の掘進動作に伴い、各エレクタ装置81,82,83は既設トンネルの内壁面に鋼殻Sを組み付けていき、既設トンネルの内壁面と組み付けた鋼殻Sとの間の隙間にコンクリートを充填して固化することで、このコンクリートによりリング状の鋼殻Sを固定する。
【0044】
そして、主掘削機本体11に対して副掘削機本体13,14が外方移動しながら掘進することで、一定角度で幅の拡大したトンネルを掘削していき、この副掘削機本体13,14が所定の拡幅位置まで地盤を掘削すると、前側の拡幅ジャッキ19,20を収縮し、主掘削機本体11に対して副掘削機本体13,14を内方旋回し、主掘削機本体11と副掘削機本体13,14とを平行な状態とする。そして、この状態で、移動ジャッキ69,70による余掘カッタ71,72の伸縮動作を停止し、各カッタヘッド34,47,48、コーナーカッタ61,62、コピーカッタ37,53,54により、主掘削機本体11及び副掘削機本体13,14の前方の地盤を掘削し、幅Wに拡幅した矩形トンネルを連続して掘削することができる。
【0045】
その後、拡幅Wの矩形トンネルを所定距離掘削すると、図13に示すように、前側の拡幅ジャッキ19,20を収縮して副掘削機本体13,14を主掘削機本体11に対して内方に旋回させ、各カッタヘッド34,47,48、コーナーカッタ61,62、コピーカッタ37,53,54により、主掘削機本体11及び副掘削機本体13,14の前方の地盤を掘削していく。そして、主掘削機本体11及び副掘削機本体13,14が所定距離掘進すると、拡幅ジャッキ19,20を伸縮して副掘削機本体13,14を主掘削機本体11と平行とした後、幅Wに縮幅した矩形トンネルを掘削する。
【0046】
このようなトンネル掘削作業中、主掘削機本体11と副掘削機本体13,14との嵌合部では、シール部材91,92の前部シール93,94と側部シール95,96と後部シール98とによって外部からの泥水や泥土の内部浸入が防止されている。つまり、主掘削機本体11に対して副掘削機本体13,14が移動及び旋回するとき、副バルクヘッド41,42に固定された前部シール93,94が主バルクヘッド31に対して摺動することで止水される。また、このとき、副掘削機本体13,14に固定された側部シール95,96が主掘削機本体11に対して摺動すると共に、後部シール98が主掘削機本体11の縦壁部11dに対して摺動することで止水される。更に、主掘削機本体11及び各副掘削機本体13,14の後部内周面に装着された各テールシール101,102,103が既設の鋼殻Sの外周面に密着することで、内部への掘削土砂等の浸入が防止される。
【0047】
なお、主掘削機本体11及び各副掘削機本体13,14の後方空間部にはコンクリートが打設され、既設トンネルの内壁面に対して鋼殻Sが固定される。
【0048】
このようにして本実施形態のシールド掘削機10を2つの立坑間で往復移動することで、図14に示すように、まず、幅Wを有する矩形トンネルTを水平に隣接して3本形成し、続いて、同様にして別のシールド掘削機10aにより、この隣接する矩形トンネルTの両側に矩形トンネルTを垂直に隣接してそれぞれ3本形成する。そして、再び、シールド掘削機10により、左右の矩形トンネルTの上部に水平に隣接する矩形トンネルTを水平に隣接して3本形成する。この場合、前述したように、シールド掘削機10によって掘削する矩形トンネルTは、図15に示すように、途中で幅Wに拡幅した矩形トンネルTとなっている。そして、図14及び図15に示すように、多数の矩形トンネルT,T,Tを枠状に掘削形成し、互いに隣接する各トンネルT,T,T同志をコンクリート等によって連結して枠状のトンネルT,Tとを形成し、内部の土砂を排出することでここを自動車用高速道路のためのトンネルとして使用することができる。なお、各トンネルT,T,Tの内部は電気ケーブルや通信ケーブルなどを配設する共同溝として使用したり、コンクリートを充填して強度部材として使用することもできる。
【0049】
なお、上述の実施形態では、主掘削機本体11と左右の副掘削機本体13,14との間に介装したシール部材91,92を前部シール93,94と側部シール95,96とから構成したが、別々に形成してもよい。また、シール部材91,92をそれぞれ左右の副掘削機本体13,14側に固定したが、主掘削機本体11側に固定してもよい。
【0050】
また、上述の実施形態では、副掘削機本体支持機構として、支持部18,19及び拡幅ジャッキ19,20としたが、その代わりに、主掘削機本体11と副掘削機本体13,14との間に架設された複数の拡幅ジャッキからなるパラレルリンク機構を用いてもよい。このパラレルリンク機構は、例えば、2本の拡幅ジャッキをトラス状に複数組配設してなるものであり、具体的には主掘削機本体11と各副掘削機本体13,14との間にそれぞれ複数組のパラレルリンク機構を配設する必要がある。
【0051】
また、上述の実施形態において、拡幅の矩形トンネルを掘削するときに、副掘削機本体13,14を主掘削機本体11に対して旋回すると共に、移動ジャッキ69,70によって余掘カッタ71,72を伸縮し、この余掘カッタ71,72により副掘削機本体13,14の外側方の地盤を掘削したが、副掘削機本体13,14が外方に旋回すると副カッタヘッド47,48及びコーナーカッタ61,62が外方を向くため、余掘カッタ71,72を用いなくともトンネルの側方を掘削できる。
【0052】
更に、上述の実施形態にて、枠状のトンネルT,Tを2つのシールド掘削機10,10aによって掘削したが、これはトンネルT,Tの内部を共同溝として使用するために掘削断面の大きなシールド掘削機を使用したからであり、1つのシールド掘削機10によって掘削することもできる。また、本実施形態では、鋼殻Sによって矩形トンネルT,T,Tを形成したが、セグメントを用いて矩形トンネルT,T,Tを形成してもよい。そして、本発明のトンネル掘削機をシールド掘削機以外に、岩盤を掘削してトンネルを形成するトンネルボーリングマシンとして用いることもできる。
【0053】
また、本実施形態では、主掘削機本体11の左右両側に副掘削機本体13,14を配設して横方向に拡幅可能としたが、主掘削機本体11の上下両側に副掘削機本体13,14を配設して縦方向に拡幅可能としてもよく、あるいは、主掘削機本体12に対して左側だけ、あるいは、上側だけに副掘削機本体13,14を配設して片方だけ拡幅可能としてもよい。更に、主掘削機本体11の外側に副掘削機本体13,14を嵌合したが、主掘削機本体11の内側に副掘削機本体13,14を嵌合してもよい。
【0054】
【発明の効果】
以上、実施形態において詳細に説明したように請求項1の発明のトンネル掘削機によれば、主掘削機本体と、該主掘削機本体の前端部に装着されて前方の地盤を掘削する主カッタ機構と、前記主掘削機本体の掘進方向側方に配設されて該主掘削機本体と共に筒形状をなす副掘削機本体と、該副掘削機本体の前端部に装着されて前記主カッタ機構と共に前方の地盤を掘削する副カッタ機構と、前記副掘削機本体を前記主掘削機本体に対して掘進方向側方に移動可能で且つ旋回可能に支持する副掘削機本体支持機構と、前記主掘削機本体及び前記副掘削機本体を前進させる推進機構と、前記主掘削機本体と前記副掘削機本体との嵌合部に介装されて該主掘削機本体に対する該副掘削機本体の側方移動時及び旋回時に追従してシール可能なシール部材とを具え、前記シール部材は、前記主掘削機本体の前端部に形成された主バルクヘッドと前記副掘削機本体の前端部に形成された副バルクヘッドとの重合部に介装された前部シールと、前記主掘削機本体の側部と対向する前記副掘削機本体の側部との嵌合部に介装された側部シールとを有すると共に、前記前部シールは、前記主バルクヘッドと前記副バルクヘッドとのいずれか一方に固着され、他方に摺接する縦方向に沿った少なくとも2列の突起部を有するので、掘削途中でトンネル幅を変更する場合、副掘削機本体を主掘削機本体に対して旋回しながら掘削することとなるため、トンネルの壁部は長手方向に沿って段差ができずに平滑面となって後加工が不要となると共に、余掘による空洞部が発生することはほとんどなく、掘削トンネルの崩落を阻止して容易に拡幅及び縮幅トンネルを掘削することできると共に、このときにシール部材が副掘削機本体の側方移動時及び旋回時に追従してシール両者の嵌合部を確実にシールすることができ、その結果、掘削作業の作業性の向上を図ることができると共に、掘削作業時の防水性の向上を図ることができる。また、主掘削機本体に対する副掘削機本体の旋回時に、副掘削機本体の前部と側部で確実にシールすることができ、防水性の向上を図ることができる。また、主バルクヘッドと副バルクヘッドとの重合部では二重のシール性を得ることができ、主掘削機本体に対する副掘削機本体の旋回時は2列の突起部が他方のバルクヘッドに押しつぶされながら変形してシールすることとなり、防水性の向上を図ることができる。
【0055】
また、請求項2の発明のトンネル掘削機によれば、主掘削機本体と、該主掘削機本体の前端部に装着されて前方の地盤を掘削する主カッタ機構と、前記主掘削機本体の掘進方向側方に配設されて該主掘削機本体と共に筒形状をなす副掘削機本体と、該副掘削機本体の前端部に装着されて前記主カッタ機構と共に前方の地盤を掘削する副カッタ機構と、前記副掘削機本体を前記主掘削機本体に対して掘進方向側方に移動可能で且つ旋回可能に支持する副掘削機本体支持機構と、前記主掘削機本体及び前記副掘削機本体を前進させる推進機構と、前記主掘削機本体と前記副掘削機本体との嵌合部に介装されて該主掘削機本体に対する該副掘削機本体の側方移動時及び旋回時に追従してシール可能なシール部材とを具え、前記シール部材は、前記主掘削機本体の前端部に形成された主バルクヘッドと前記副掘削機本体の前端部に形成された副バルクヘッドとの重合部に介装された前部シールと、前記主掘削機本体の側部と対向する前記副掘削機本体の側部との嵌合部に介装された側部シールとを有すると共に、前記側部シールは、前記主掘削機本体と前記副掘削機本体とのいずれか一方に固着され、他方に摺接自在であると共に、該側部シールの後端部には、前記他方の掘削機本体の後端部に掘進方向側方に沿って形成された縦壁部に摺接自在な後部シールが一体に形成されたので、掘削途中でトンネル幅を変更する場合、副掘削機本体を主掘削機本体に対して旋回しながら掘削することとなるため、トンネルの壁部は長手方向に沿って段差ができずに平滑面となって後加工が不要となると共に、余掘による空洞部が発生することはほとんどなく、掘削トンネルの崩落を阻止して容易に拡幅及び縮幅トンネルを掘削することできると共に、このときにシール部材が副掘削機本体の側方移動時及び旋回時に追従してシール両者の嵌合部を確実にシールすることができ、その結果、掘削作業の作業性の向上を図ることができると共に、掘削作業時の防水性の向上を図ることができる。また、主掘削機本体に対する副掘削機本体の旋回時に、副掘削機本体の前部と側部で確実にシールすることができ、防水性の向上を図ることができる。主掘削機本体と副掘削機本体との嵌合部では後部シールが縦壁部に圧接することとなり、防水性の向上を図ることができる。
【0056】
また、請求項3の発明のトンネル掘削機によれば、後部シールに縦方向に沿った少なくとも2列の縦突起部を設けると共に、横方向に沿った少なくとも2列の横突起部を設けたので、主掘削機本体と副掘削機本体との嵌合部では二重のシール性を得ることができ、主掘削機本体に対する副掘削機本体の移動時は2列の突起部が他方の掘削機本体に押しつぶされながら変形してシールすることとなり、防水性の向上を図ることができる。
【0057】
また、請求項4の発明のトンネル掘削機によれば、主掘削機本体と、該主掘削機本体の前端部に装着されて前方の地盤を掘削する主カッタ機構と、前記主掘削機本体の掘進方向側方に配設されて該主掘削機本体と共に筒形状をなす副掘削機本体と、該副掘削機本体の前端部に装着されて前記主カッタ機構と共に前方の地盤を掘削する副カッタ機構と、前記副掘削機本体を前記主掘削機本体に対して掘進方向側方に移動可能で且つ旋回可能に支持する副掘削機本体支持機構と、前記主掘削機本体及び前記副掘削機本体を前進させる推進機構と、前記主掘削機本体と前記副掘削機本体との嵌合部に介装されて該主掘削機本体に対する該副掘削機本体の側方移動時及び旋回時に追従してシール可能なシール部材とを具え、前記シール部材は、前記主掘削機本体の前端部に形成された主バルクヘッドと前記副掘削機本体の前端部に形成された副バルクヘッドとの重合部に介装された前部シールと、前記主掘削機本体の側部と対向する前記副掘削機本体の側部との嵌合部に介装された側部シールとを有すると共に、前記前部シールは前記副バルクヘッドに固着されて前記主バルクヘッドに摺接自在であると共に、前記側部シールは前記副掘削機本体に固着されて前記主掘削機本体に摺接自在であるので、掘削途中でトンネル幅を変更する場合、副掘削機本体を主掘削機本体に対して旋回しながら掘削することとなるため、トンネルの壁部は長手方向に沿って段差ができずに平滑面となって後加工が不要となると共に、余掘による空洞部が発生することはほとんどなく、掘削トンネルの崩落を阻止して容易に拡幅及び縮幅トンネルを掘削することできると共に、このときにシール部材が副掘削機本体の側方移動時及び旋回時に追従してシール両者の嵌合部を確実にシールすることができ、その結果、掘削作業の作業性の向上を図ることができると共に、掘削作業時の防水性の向上を図ることができる。また、主掘削機本体に対する副掘削機本体の旋回時に、副掘削機本体の前部と側部で確実にシールすることができ、防水性の向上を図ることができる。また、移動する側にシールを固着することとなり、見栄え良く主掘削機本体と副掘削機本体との嵌合部を確実にシールすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るトンネル掘削機としてのシールド掘削機の一部切欠平面図である。
【図2】本実施形態のシールド掘削機の正面図である。
【図3】図1のIII−III断面図である。
【図4】図1のIV−IV断面図である。
【図5】図1のV−V断面図である。
【図6】図1のVI部詳細断面図である。
【図7】他の前部シールを表す断面図である。
【図8】図1のVIII−VIII断面図である。
【図9】図8のIX−IX断面図である。
【図10】後部シールと縦壁部との関係を表す概略図である。
【図11】本実施形態のシールド掘削機の斜視図である。
【図12】本実施形態のシールド掘削機による拡幅トンネル掘削時の作用を表す概略図である。
【図13】本実施形態のシールド掘削機による拡幅トンネル掘削時の作用を表す概略図である。
【図14】通常トンネルの掘削断面図である。
【図15】拡幅トンネルの掘削断面図である。
【符号の説明】
11 主掘削機本体
11d 縦壁部
12 主カッタ機構
13,14 副掘削機本体
15,16 副カッタ機構
17,18 支持部(副掘削機本体支持機構)
19,20 拡幅ジャッキ(副掘削機本体支持機構)
21,22,23 シールドジャッキ(推進機構)
34 主カッタヘッド
37 コピーカッタ
39 駆動モータ
47,48 副カッタヘッド
53,54 コピーカッタ
57,58 駆動モータ
61,62 コーナーカッタ
65,66 駆動モータ
71,72 余掘カッタ
73a,73b,74a,74b 支持軸
75a,75b,76a,76b 長孔
81,82,83 エレクタ装置
91,92 シール部材
93,94 前部シール
95,96 側部シール
97a,97b 突起部
98 後部シール
99a,99b 縦突起部
100a,100b 横突起部
101,102,103 テールシール
S 鋼殻
T,T,T 枠状トンネル
,T,T 矩形トンネル

Claims (4)

  1. 主掘削機本体と、該主掘削機本体の前端部に装着されて前方の地盤を掘削する主カッタ機構と、前記主掘削機本体の掘進方向側方に配設されて該主掘削機本体と共に筒形状をなす副掘削機本体と、該副掘削機本体の前端部に装着されて前記主カッタ機構と共に前方の地盤を掘削する副カッタ機構と、前記副掘削機本体を前記主掘削機本体に対して掘進方向側方に移動可能で且つ旋回可能に支持する副掘削機本体支持機構と、前記主掘削機本体及び前記副掘削機本体を前進させる推進機構と、前記主掘削機本体と前記副掘削機本体との嵌合部に介装されて該主掘削機本体に対する該副掘削機本体の側方移動時及び旋回時に追従してシール可能なシール部材とを具え、前記シール部材は、前記主掘削機本体の前端部に形成された主バルクヘッドと前記副掘削機本体の前端部に形成された副バルクヘッドとの重合部に介装された前部シールと、前記主掘削機本体の側部と対向する前記副掘削機本体の側部との嵌合部に介装された側部シールとを有すると共に、前記前部シールは、前記主バルクヘッドと前記副バルクヘッドとのいずれか一方に固着され、他方に摺接する縦方向に沿った少なくとも2列の突起部を有することを特徴とするトンネル掘削機。
  2. 主掘削機本体と、該主掘削機本体の前端部に装着されて前方の地盤を掘削する主カッタ機構と、前記主掘削機本体の掘進方向側方に配設されて該主掘削機本体と共に筒形状をなす副掘削機本体と、該副掘削機本体の前端部に装着されて前記主カッタ機構と共に前方の地盤を掘削する副カッタ機構と、前記副掘削機本体を前記主掘削機本体に対して掘進方向側方に移動可能で且つ旋回可能に支持する副掘削機本体支持機構と、前記主掘削機本体及び前記副掘削機本体を前進させる推進機構と、前記主掘削機本体と前記副掘削機本体との嵌合部に介装されて該主掘削機本体に対する該副掘削機本体の側方移動時及び旋回時に追従してシール可能なシール部材とを具え、前記シール部材は、前記主掘削機本体の前端部に形成された主バルクヘッドと前記副掘削機本体の前端部に形成された副バルクヘッドとの重合部に介装された前部シールと、前記主掘削機本体の側部と対向する前記副掘削機本体の側部との嵌合部に介装された側部シールとを有すると共に、前記側部シールは、前記主掘削機本体と前記副掘削機本体とのいずれか一方に固着され、他方に摺接自在であると共に、該側部シールの後端部には、前記他方の掘削機本体の後端部に掘進方向側方に沿って形成された縦壁部に摺接自在な後部シールが一体に形成されたことを特徴とするトンネル掘削機。
  3. 請求項記載のトンネル掘削機において、前記後部シールは、縦方向に沿った少なくとも2列の縦突起部を有すると共に、横方向に沿った少なくとも2列の横突起部を有することを特徴とするトンネル掘削機。
  4. 主掘削機本体と、該主掘削機本体の前端部に装着されて前方の地盤を掘削する主カッタ機構と、前記主掘削機本体の掘進方向側方に配設されて該主掘削機本体と共に筒形状をなす副掘削機本体と、該副掘削機本体の前端部に装着されて前記主カッタ機構と共に前方の地盤を掘削する副カッタ機構と、前記副掘削機本体を前記主掘削機本体に対して掘進方向側方に移動可能で且つ旋回可能に支持する副掘削機本体支持機構と、前記主掘削機本体及び前記副掘削機本体を前進させる推進機構と、前記主掘削機本体と前記副掘削機本体との嵌合部に介装されて該主掘削機本体に対する該副掘削機本体の側方移動時及び旋回時に追従してシール可能なシール部材とを具え、前記シール部材は、前記主掘削機本体の前端部に形成された主バルクヘッドと前記副掘削機本体の前端部に形成された副バルクヘッドとの重合部に介装された前部シールと、前記主掘削機本体の側部と対向する前記副掘削機本体の側部との嵌合部に介装された側部シールとを有すると共に、前記前部シールは前記副バルクヘッドに固着されて前記主バルクヘッドに摺接自在であると共に、前記側部シールは前記副掘削機本体に固着されて前記主掘削機本体に摺接自在であることを特徴とするトンネル掘削機。
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