JPH08338195A - トンネル掘進機 - Google Patents

トンネル掘進機

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Publication number
JPH08338195A
JPH08338195A JP14438795A JP14438795A JPH08338195A JP H08338195 A JPH08338195 A JP H08338195A JP 14438795 A JP14438795 A JP 14438795A JP 14438795 A JP14438795 A JP 14438795A JP H08338195 A JPH08338195 A JP H08338195A
Authority
JP
Japan
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cutter head
tunnel
tunnel excavator
section
machine
Prior art date
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Pending
Application number
JP14438795A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinichi Sugiyama
伸一 杉山
Taizo Tsutsui
泰造 筒井
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Kawasaki Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Kawasaki Heavy Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 矩形状等の異形断面トンネルを経済的に掘削
できるトンネル掘進機を提供する。 【構成】 主カッタヘッド1の機械本体2側にずらして
主カッタヘッド1の上端及び下端の両側部に対峙するよ
うに4個の補助カッタヘッド15を設け、この補助カッ
タヘッド15を前記主カッタヘッド1と干渉しない所定
距離Lsでこの主カッタヘッド1の軸心Osと直交して
ずれた位置に設け、この補助カッタヘッド15の外形を
前記主カッタヘッド1の掘削投影断面の垂直及び水平方
向の接線mが直交する未掘削部nを掘削する筒状に形成
して掘削投影断面を正方形状に形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この出願に係る発明は、矩形状等
の異形断面のトンネルを掘削するトンネル掘進機に関す
るものであり、更に詳しくは、主カッタヘッドで掘削し
た後の未掘削部を補助カッタヘッドで掘削して矩形等の
異形断面を経済的に掘削するトンネル掘進機に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来より、地中にトンネルを形成する機
械としてトンネル掘進機(この出願に係る発明では、軟
弱地層を掘削するシールド掘進機、硬岩層を掘削するト
ンネル掘削機、及び複合地層を掘削するトンネル掘進機
等を全て含む。)が用いられているが、このトンネル掘
進機は、通常、円形断面のトンネルを掘削する円形のカ
ッタヘッドを有するトンネル掘進機が多用されている。
【0003】このような円形のトンネル掘進機で大断面
の道路トンネルとして、例えば複数車線で幅が約22m
の道路トンネルを掘削する場合、掘削径が25m程度の
大径トンネル掘進機によって大断面の円形を掘削した
後、所望の道路断面として、幅が約22mで高さが約1
3m程度の矩形状空間を中央部に残して他の不要断面を
埋め戻すこととなる。
【0004】また、水力発電所等の導水路トンネルで
は、トンネル上部の強度及び通水断面のより経済的な採
用を目的として、上部がアーチ上で下部が方形となる、
いわゆる馬蹄形状のトンネルが採用されている。この場
合でも、上記大断面の道路トンネルと同様に、円形のト
ンネル掘進機で掘削した後、所望の馬蹄形状空間を残し
て他の不要断面を埋め戻すこととなる。
【0005】従って、このような複数車線の道路トンネ
ルや発電所等の導水路トンネルを従来の円形トンネル掘
進機で掘削した場合、多くの面積を埋め戻す必要がある
ので非常に不経済なトンネル工事となる。そのため、よ
り経済的にトンネルを掘削する機械として、使用トンネ
ル形状により近い異形断面を掘削できるトンネル掘進機
の開発が進められている。
【0006】このような異形断面を掘削する従来技術と
して、例えば特開平 5−171898号公報及び特開平 5−17
1899号公報記載のような、矩形状の断面を掘削できるボ
ックスシールド掘進機とその工法が発明されている。こ
のボックスシールド掘進機は、図8の側断面図に示すよ
うに、シールド掘進機51の前面に水平方向の回転軸を
有する円筒状のカッタヘッド52とリングカッタ53と
を上下に並設し、この両カッタ52,53を機械中心側
へ回転させることによって、上下のカッタ52,53と
でそれぞれ横長円筒状に掘削し、両カッタ52,53の
掘削断面を合わせることによって矩形状の掘削投影断面
となるように構成したものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記ボック
スシールド掘進機51では、上下で回転するカッタ5
2,53の間には相互の回転を許容するために、必ず隙
間を設ける必要がある。そのため、礫層あるいは硬岩層
を掘削した場合、掘削された礫あるいは硬岩片がこの隙
間に噛み込み、カッタの回転を阻止する場合がある。特
に、礫層の掘削では、礫そのものを掘削で破砕すること
が困難であるため、掘削した礫径のままで上記隙間へと
取り込まれるので、この礫の噛み込みによるカッタ5
2,53の回転停止がより顕著になる。
【0008】また、この噛み込みを避けるために上下の
カッタ52,53の隙間を大きくした場合、この隙間に
未掘削部分を生じるため、機械の進行によってこの未掘
削部を掘削しながら掘進するには多大な推進力を必要と
する。その上、地質等によっては機械の進行が停止する
こともある。
【0009】従って、このボックスシールド掘進機51
は、様々な地質において経済的に効率良く矩形状の異形
断面を掘削できるものではなく、また、このシールド掘
進機51では矩形状以外の他の異形断面を掘削できな
い。
【0010】しかも、上述したような複数車線の道路の
ように、高さに比べて幅が広い断面のトンネルをこのボ
ックスシールド掘進機によって掘削するとしても、先行
するボックスシールド掘進機の掘削した矩形状のトンネ
ルに沿って新たな矩形状のトンネルを並設するように掘
削するのは非常に困難であり、しかも掘削したトンネル
を、例えばセグメントによって連結して一体化すること
も難しい。このことは他に地下鉄の駅ホーム等を形成す
る場合においても同様のことがいえ、このボックスシー
ルド掘進機は、高さに比べて幅が広い場合、あるいは幅
に比べて高さが高い場合のトンネル掘削を可能とするも
のではない。
【0011】なお、他の従来技術として、特開昭62−
225694号公報記載の発明があるが、この発明では
大径カッタと小径カッタとの間に未掘削部が残るため、
効率の良い掘削ができず、また、地山が硬質地盤である
と掘進抵抗が増加して掘進が困難になってしまい、経済
的に矩形状等の異形トンネルを掘削でのるものではな
い。
【0012】この出願に係る発明は上記課題に鑑みて、
矩形状等の異形断面トンネルを経済的に掘削できるトン
ネル掘進機を提供することを一つの目的とし、このトン
ネル掘進機を連結することにより大断面の異形断面トン
ネルを経済的に掘削できるトンネル掘進機を提供するこ
とをもう一つの目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に係るトンネル掘進機は、トンネル掘進機
の前面に円形の主カッタヘッドを有するトンネル掘進機
において、前記主カッタヘッドの機械本体側にずらして
少なくとも一つの補助カッタヘッドを設け、該補助カッ
タヘッドを前記主カッタヘッドと干渉しない所定距離で
該主カッタヘッドの軸心と直交してずれた位置に設け、
該補助カッタヘッド外形を前記主カッタヘッドの掘削投
影断面の垂直及び水平方向の接線が直交する未掘削部を
掘削する筒状に形成したことを特徴とするものである。
【0014】請求項2に係るトンネル掘進機は、上記請
求項1において、補助カッタヘッドを複数個配設したこ
とを特徴とするものである。
【0015】請求項3に係るトンネル掘進機は、上記請
求項2において、2個の補助カッタヘッドを、主カッタ
ヘッドの下端両側部に対峙して設け、全体の掘削投影断
面を馬蹄形状に形成したことを特徴とするものである。
【0016】請求項4に係るトンネル掘進機は、上記請
求項2において、4個の補助カッタヘッドを、主カッタ
ヘッドの上端及び下端の両側部に対峙して設け、全体の
掘削投影断面を正方形状に形成したことを特徴とするも
のである。
【0017】請求項5に係るトンネル掘進機は、上記請
求項1〜4のいずれか1項に記載のトンネル掘進機を単
一のトンネル掘進機ユニットとして構成し、該トンネル
掘進機ユニットを複数個連結して一体的なトンネル掘進
機を構成したことを特徴とするものである。
【0018】請求項6に係るトンネル掘進機は、上記請
求項2に記載のトンネル掘進機において、2個の補助カ
ッタヘッドを、主カッタヘッドの下端両側部に対峙して
設け、1個の補助カッタヘッドを、主カッタヘッドの上
端片側部に設けて掘削投影断面を扇状に形成して単一の
トンネル掘進機ユニットとして構成し、該トンネル掘進
機ユニットの上下補助カッタヘッド配設側を連結して一
体的なトンネル掘進機を構成したことを特徴とするもの
である。
【0019】請求項7に係るトンネル掘進機は、上記請
求項3に記載のトンネル掘進機を単一のトンネル掘進機
ユニットとして構成し、該トンネル掘進機ユニットの補
助カッタヘッド配設側を連結して一体的なトンネル掘進
機を構成したことを特徴とするものである。
【0020】請求項8に係るトンネル掘進機は、上記請
求項1〜4のいずれか1項に記載のトンネル掘進機を単
一のトンネル掘進機ユニットとして構成し、該トンネル
掘進機ユニットを1列に複数個連結して一体的なトンネ
ル掘進機を構成したことを特徴とするものである。
【0021】請求項9に係るトンネル掘進機は、上記請
求項5〜8のいずれか1項において、隣接する主カッタ
ヘッドが相互に干渉しない所定間隔で軸方向にずらして
複数個のトンネル掘進機ユニットを連結したことを特徴
とするものである。
【0022】
【作用】請求項1〜9に係るトンネル掘進機によれば、
主カッタヘッドの掘削投影断面の垂直及び水平方向の接
線が直交する未掘削部を掘削する筒状に形成された少な
くとも一つの補助カッタヘッドを、この補助カッタヘッ
ドがトンネル掘進機前面の円形の主カッタヘッドと干渉
しない所定距離で機械本体側にずらすとともに、主カッ
タヘッドの軸心と直交してずれるように軸心を配置して
いるため、トンネル掘進機前面の主カッタヘッドにより
円形に掘削し、この主カッタヘッドが掘削した断面の垂
直及び水平方向の接線が直交する隅部の未掘削部を補助
カッタヘッドによって掘削することができる。
【0023】特に、請求項2によれば、複数個配設した
補助カッタヘッドによって、円形断面を掘削する主カッ
タヘッドの掘削残部の複数の隅部を掘削することができ
る。
【0024】特に、請求項3によれば、主カッタヘッド
の下端両側部に対峙して設けた2個の補助カッタヘッド
により、円形断面を掘削する主カッタヘッドの下側2隅
の掘削残部を掘削して全体として馬蹄形状の掘削投影断
面を掘削することができる。
【0025】特に、請求項4によれば、主カッタヘッド
の上端及び下端の両側部に対峙して設けた4個の補助カ
ッタヘッドにより、円形断面を掘削する主カッタヘッド
の4隅の掘削残部を掘削して全体として正方形状の掘削
投影断面を掘削することができる。
【0026】特に、請求項5によれば、単一のトンネル
掘進機ユニットとして構成した請求項1〜4のいずれか
のトンネル掘進機を複数個連結して一体的なトンネル掘
進機を構成したので、請求項1〜4のいずれかのトンネ
ル掘進機による掘削断面を連結させた断面のトンネルを
掘削することができる。
【0027】特に、請求項6によれば、主カッタヘッド
の下端両側部に対峙して設けた2個の補助カッタヘッド
と上端片側部に設けた1個の補助カッタヘッドとによっ
て扇状の掘削投影断面となる単一のトンネル掘進機ユニ
ットを、上下に補助カッタヘッドを配設した側を連結し
て一体的なトンネル掘進機を構成したので、両端上部を
曲面に形成した横長あるいは縦長の広いトンネルを一度
に掘削することができる。
【0028】特に、請求項7によれば、上記請求項3の
トンネル掘進機の補助カッタヘッド配設側を連結して一
体的なトンネル掘進機を構成したので、横長あるいは縦
長の長円形状トンネルを一度に掘削することができる。
【0029】特に、請求項8によれば、上記請求項4の
トンネル掘進機を1列に複数個連結して一体的なトンネ
ル掘進機を構成したので、横長あるいは縦長の矩形状ト
ンネルを一度に掘削することができる。
【0030】特に、請求項9によれば、上記請求項5〜
8のいずれかにおいて、隣接する単一のトンネル掘進機
ユニットのカッタヘッドが相互に干渉しないように軸方
向に所定間隔ずらして複数個を連結したので、隣接する
カッタヘッドが相互に干渉することなく連結した状態の
一体的な掘削断面を一度に掘削することができる。
【0031】
【実施例】以下、この出願に係る発明を、トンネル掘進
機の一例として円形の主カッタヘッドの上下端の両側4
隅部に4個の補助カッタヘッドを設けて正方形状のトン
ネルを掘削するシールド掘進機を例にした図面に基づい
て説明する。図1はそのシールド掘進機の側断面図であ
り、図2は図1のA−A矢視図で、図3は図2のB−B
断面図である。
【0032】図示するように、シールド掘進機Tの前部
には円形の主カッタヘッド1が設けられており、この主
カッタヘッド1は通常の円形のトンネル掘進機と同様に
カッタヘッドフレーム1bにカッタビット1aが設けら
れ、機械本体2からカッタヘッド高さLcだけ前方に突
出するように設けられている。この機械本体2の外郭
は、縦断面がほぼ正方形状に形成されたスキンプレート
2aによって形成されている。なお、2bはバルクヘッ
ドである。
【0033】上記主カッタヘッド1は、この主カッタヘ
ッド1を旋回支持する軸受3に形成された内歯ギヤ3a
と噛合するギヤ4が先端に固定された駆動軸5を、この
駆動軸5の機械本体2側に設けられたギヤ6を、機械本
体2内に設けられた駆動機7によって駆動されるピニオ
ン8と噛合させることにより、駆動機7の動力によって
旋回駆動させている。なお、駆動軸5は軸受9,10に
よって支持されている。11は軸受3を外部から保護す
るシールである。
【0034】また、機械本体2の後部にはセグメントエ
レクタ12が設けられ、このセグメントエレクタ12で
組んだセグメント13にシールドジャッキ14で反力を
取って掘進するように構成されている。
【0035】一方、この出願に係る発明では、上記主カ
ッタヘッド1の機械本体2側に円筒状に形成された補助
カッタヘッド15が設けられており、この補助カッタヘ
ッド15は、上記主カッタヘッド1と干渉しない所定距
離Lsで機械本体2側にずらすとともに主カッタヘッド
1の軸心Ocと直交して上下にずれた軸心Osで水平方
向に配設されている。しかも、この補助カッタヘッド1
5の外形は、上記主カッタヘッド1の掘削投影断面の垂
直及び水平方向の接線mが直交する隅部の未掘削部nを
掘削できる筒状に形成されており、主カッタヘッド1と
補助カッタヘッド15との間に隙間を生じることはな
い。15aはカッタビットである。なお、補助カッタヘ
ッド15の外形は、主カッタヘッド1の掘削した未掘削
部nを掘削できる形状であれば円筒以外の形状であって
もよく、補助カッタヘッド15の軸心Osを主カッタヘ
ッド1の軸心Ocからずらす方向も上下以外に左右であ
ってもよい。
【0036】また、この実施例では、主カッタヘッド1
の上端と下端の両側部に4個の補助カッタヘッド15を
対峙するように設けて、主カッタヘッド1の切り残し4
隅部の未掘削部nが掘削できるようにしており、この補
助カッタヘッド15を正面視において主カッタヘッド1
の半径よりも小径でほぼスキンプレート2aの外面まで
掘削できる円筒形状に形成し、主カッタヘッド1の掘削
断面と補助カッタヘッド15の掘削断面との間に切り残
しがないようにして正方形状の掘削投影断面が掘削でき
るように構成されている。従って、主カッタヘッド1に
よる円形の掘削軌跡の隅部において未掘削部を補助カッ
タヘッド15で掘削して掘削投影断面を正方形状とした
全断面掘削を同時に可能としている。この補助カッタヘ
ッド15の最外側を設ける位置は、スキンプレート2a
の外面までほぼ掘削できる位置であればよい。
【0037】この補助カッタヘッド15の旋回駆動は、
図3に示すように、補助カッタヘッド15の駆動軸16
に設けられたギヤ17を、中間ギヤ18を介して駆動機
19に設けられたピニオン20と噛合させることによ
り、駆動機19によって旋回駆動させている。また、こ
の駆動軸16は軸受21によって支持され、この軸受2
1や上記ギヤ17等は補助カッタヘッド15の基部にお
いて回転摺動するシール22によって外部雰囲気から保
護されている。上記駆動機19は中間ギヤ18を介する
ことによってバルクヘッド2bよりも機械本体2側に配
設されている。18aは中間ギヤ18の軸受であり、2
3はギヤケースである。
【0038】また、この実施例では、図2に示すように
補助カッタヘッド15の回転方向を、4個の補助カッタ
ヘッド15の内、上部補助カッタヘッド15を上側から
中心側へ、下部補助カッタヘッド15を下側から中心側
へ対称の方向で回転させているが、他に、上下の補助カ
ッタヘッド15を同一方向へ回転させたり、左右を逆方
向に回転させたりしても良く、補助カッタヘッド15の
個々の回転方向は地質や掘削断面寸法等の掘削条件に応
じて最適な条件を適宜決定すればよい。
【0039】なお、上記実施例における主カッタヘッド
1による円形の掘削断面は、正方形状の掘削断面全体の
内の約78%を掘削できるため、この出願に係る発明の
掘進機の主カッタヘッド1及び補助カッタヘッド15の
能力等は従来の回転式掘削機における結果(実績)から
掘削メカニズムをほぼ決定することが可能であり、この
主カッタヘッド1と補助カッタヘッド15によって掘削
した掘削ズリは、主カッタヘッド1後方の補助カッタヘ
ッド15間の機械中心付近バルクヘッド2bから、従来
より用いられている図示しない排出方法(例えば、泥水
式,泥土式,コンベヤ式等)によって機外へ排出するこ
とができる。
【0040】以上のように構成されたシールド掘進機T
によれば、以下のようにして正方形状のトンネルを掘削
することができる。
【0041】すなわち、図1及び図2に示すように、シ
ールド掘進機Tの前端で旋回する円形の主カッタヘッド
1により、通常のシールド掘進機Tと同様に円形に掘削
し、この主カッタヘッド1の機械本体2側に設けられた
補助カッタヘッド15により主カッタヘッド1の外径の
垂直及び水平方向の接線mが直交する隅部における未掘
削部nを掘削する。従って、図4に示す掘削投影断面の
説明図のように、この実施例におけるシールド掘進機T
で掘削したトンネルの掘削投影断面Sは、主カッタヘッ
ド1による円形の掘削投影断面S1 と補助カッタヘッド
15による未掘削部nにおける掘削投影断面S2 とによ
って全体として正方形状とすることができる。しかも、
この出願に係る発明によれば、主カッタヘッド1と補助
カッタヘッド15との間に隙間を生じることなく掘削で
きるので、掘削ズリを噛み込むことなく全断面掘削を行
うことが可能となるとともに、これらのカッタヘッド
1,15の間での切り残しがないため、この切り残しに
よる機械進行の阻止もカッタヘッド(補助カッタヘッ
ド)の回転阻止もなく効率的に正方形状のトンネルを掘
削することが可能となる。
【0042】一方、図5の馬蹄形状の掘削投影断面を示
す説明図のように、上述したような水力発電所等の導水
路トンネル等で上部がアーチ状で下部が方形となる、い
わゆる馬蹄形状のトンネルを掘削する場合には、上記実
施例における補助カッタヘッド15を主カッタヘッド1
の下端両側部のみに対峙するように設ければ、主カッタ
ヘッド1の掘削投影断面S1 と補助カッタヘッド15の
掘削投影断面S2 とによって馬蹄形状のトンネルの掘削
投影断面Sを掘削することができる。
【0043】なお、図示しないが、補助カッタヘッド1
5を設ける隅部は、主カッタヘッド1の上下端対角位置
の片方のみでも、上端の片方と下端の両方であってもよ
く、目的とするトンネル断面に近い掘削投影断面Sが得
られるように適宜配置すればよい。
【0044】ところで、上記実施例においては単一のシ
ールド掘進機Tによって正方形状や馬蹄形状等のトンネ
ルを掘削する例を説明したが、他の異形大断面のトンネ
ルを掘削する例を以下に説明する。
【0045】まず、図6の掘削投影断面を示す説明図の
ように、上述したような複数車線の道路トンネル等のよ
うに高さに対して幅が広い横長長方形状のトンネルを掘
削する場合、上述した正方形状に掘削するシールド掘進
機Tを単一のシールド掘進機ユニットTととして構成
し、このシールド掘進機ユニットTを1列に複数個(こ
の例では3個)連結して一体的なシールド掘進機として
構成すれば、主カッタヘッド1の掘削投影断面S1 と補
助カッタヘッド15の掘削投影断面S2 とによって全体
として横長長方形状の掘削投影断面Sを掘削することが
できる。この場合、図1に示すカッタヘッド高さLcよ
りも所定距離Lsを大きくし、この距離Lsの間に隣接
するシールド掘進機ユニットの主カッタヘッド1が位置
するように互いの機械本体2を軸方向にずらして連結す
れば、隣接する主カッタヘッド1が相互に干渉しないよ
うに構成することができる。この時、補助カッタヘッド
15は、隣接するカッタヘッドの回転軸を一致させて、
少なくとも回転方向の相互の相対変位が生じないように
カッタヘッド相互を固着し、一体化して回転時の干渉を
防止する。なお、シールド掘進機ユニットの連結は相互
の機械本体2のスキンプレート2aを連結すればよい。
また、シールド掘進機ユニットを縦に連結すれば縦長長
方形状のトンネルを掘削することができる。
【0046】一方、このような横長の長方形状の断面で
はなく、正方形状の大断面を掘削する場合には、上記単
一のシールド掘進機ユニットTを上下左右に連結すれ
ば、大断面の正方形状を一度に掘削することができるシ
ールド掘進機を構成することができる。この方法によれ
ば、例えば上下左右に約20mの大断面を掘削できるシ
ールド掘進機の製作よりも、約10mの掘削断面のシー
ルド掘進機を製作して上下左右に組み合せた方が費用や
労力等の面からも経済的に実現できる。
【0047】次に、図7(a) の掘削投影断面を示す説明
図のように、高さに対して幅が広い、例えば地下鉄の駅
等の横長長円形状の掘削投影断面Sを掘削する場合、上
記馬蹄形状の掘削断面となるシールド掘進機Tを単一の
シールド掘進機ユニットとして構成し、このシールド掘
進機ユニットの補助カッタヘッド15を配設した側を連
結することにより、主カッタヘッド1の掘削投影断面S
1 と補助カッタヘッド15の掘削投影断面S2 とによっ
て馬蹄形状に掘削した断面を組合せた長円形状の掘削投
影断面Sを掘削できるシールド掘進機を構成することが
できる。このようにして連結したシールド掘進機によれ
ば、一度に長円形状のトンネル断面を掘削することがで
きる。
【0048】また、図7(b) の掘削投影断面を示す説明
図のように、補助カッタヘッド15を主カッタヘッド1
の上端の片側と下端の両側の3箇所の隅部に設けて単一
のシールド掘進機ユニットとして構成し、この補助カッ
タヘッド15を配設した側を連結すれば、主カッタヘッ
ド1の掘削投影断面S1 と補助カッタヘッド15の掘削
投影断面S2 とによって、トンネルの両端上部を曲面に
形成した、例えば幅の広い地下道となるような掘削投影
断面Sを一度に掘削できるシールド掘進機を構成するこ
とができる。この場合、両シールド掘進機ユニットの中
間に上述した正方形状に掘削するシールド掘進機Tを連
結すれば、更に幅の広いトンネルを掘削することができ
る。これらの例でもシールド掘進機ユニットを縦に連結
してもよい。
【0049】このように、最終目的とするトンネル形状
に近いトンネルを単一のシールド掘進機Tで一度に掘削
すれば、埋め戻す面積が大幅に削減されて非常に経済的
なトンネル掘削工事を行うことが可能となる。
【0050】なお、上記実施例では、トンネル掘進機の
一例として軟弱地層を掘削するシールド掘進機Tを例に
説明したが、この出願に係る発明は、硬岩層を掘削する
トンネル掘削機や複合地層を掘削するトンネル掘進機で
あっても同様に異形断面トンネルの全断面掘削を同時に
可能とするものである。
【0051】
【発明の効果】この出願に係る発明は、以上説明したよ
うに構成しているので、以下に記載するような効果を奏
する。
【0052】請求項1〜9に係るトンネル掘進機によれ
ば、トンネル掘進機の前面に有する円形の主カッタヘッ
ドによって円形に掘削し、この主カッタヘッドの機械本
体側に設けた補助カッタヘッドにより、主カッタヘッド
の掘削投影断面の垂直及び水平方向の接線が直交する隅
部の未掘削部を掘削できるので、円形の主カッタヘッド
で掘削できない隅部を補助カッタヘッドで掘削して使用
形状に近い異形断面を両カッタヘッドによって一度に全
掘削してトンネルを経済的に掘削することが可能とな
る。
【0053】特に、請求項2によれば、複数個配設した
補助カッタヘッドによって、円形断面を掘削する主カッ
タヘッドの掘削残部の複数の隅部を掘削したトンネルを
形成することができるので、目的に応じた形状のトンネ
ルを一度に掘削できるトンネル掘進機を構成することが
可能となる。
【0054】特に、請求項3によれば、主カッタヘッド
の下端両側部に対峙して設けた2個の補助カッタヘッド
により、円形断面の下側2隅を掘削して全体として馬蹄
形状の掘削投影断面を掘削できるトンネル掘進機を構成
することが可能となる。
【0055】特に、請求項4によれば、主カッタヘッド
の上端及び下端の両側部に対峙して設けた4個の補助カ
ッタヘッドにより、円形断面の4隅の隅部を掘削して全
体として正方形状の掘削投影断面を掘削できるトンネル
掘進機を構成することが可能となる。
【0056】特に、請求項5によれば、単一のトンネル
掘進機ユニットとして構成した請求項1〜4のいずれか
のトンネル掘進機による掘削断面を複数個連結させた断
面のトンネルを一度に掘削できるトンネル掘進機を構成
することが可能となる。
【0057】特に、請求項6によれば、扇状の掘削投影
断面を連結した両端上部が曲面の横長あるいは縦長の広
いトンネルを一度に掘削できるトンネル掘進機を構成す
ることが可能となる。
【0058】特に、請求項7によれば、上記請求項3の
トンネル掘進機の補助カッタヘッド配設側を連結した横
長あるいは縦長の長円形状トンネルを一度に掘削できる
トンネル掘進機を構成することが可能となる。
【0059】特に、請求項8によれば、上記請求項4の
トンネル掘進機を1列に複数個連結した横長あるいは縦
長の矩形状トンネルを一度に掘削できるトンネル掘進機
を構成することが可能となる。
【0060】請求項9によれば、上記請求項5〜8のい
ずれかにおいて、連結した単一のトンネル掘進機ユニッ
トの隣接するカッタヘッドが相互に干渉することなくず
れているので、簡単な構成で連結した状態の掘削断面を
一度に掘削できるトンネル掘進機を構成することが可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この出願に係る発明の一例を示すトンネル掘進
機の側断面図である。
【図2】図1のA−A矢視図である。
【図3】図2のB−B断面図である。
【図4】図1のトンネル掘進機による正方形状の掘削投
影断面を示す説明図である。
【図5】この出願に係る発明のトンネル掘進機による馬
蹄形状の掘削投影断面を示す説明図である。
【図6】図1のトンネル掘進機を1列に複数個連結した
掘削投影断面を示す説明図である。
【図7】(a) は図5のトンネル掘進機の補助カッタヘッ
ド配設側を連結した掘削投影断面を示す説明図であり、
(b) は他の掘削投影断面を示す説明図である。
【図8】従来のボックスシールド掘進機を示す側断面図
である。
【符号の説明】
1…主カッタヘッド 2…機械本体 3…軸受 3a…内歯ギヤ 4…ギヤ 5…駆動軸 6…ギヤ 7…駆動機 8…ピニオン 9,10…軸受 11…シール 12…セグメントエレクタ 13…セグメント 14…シールドジャッキ 15…補助カッタヘッド 16…駆動軸 17…ギヤ 18…中間ギヤ 19…駆動機 20…ピニオン 21…軸受 22…シール 23…ギヤケース T…シールド掘進機 Lc…カッタヘッド高さ Oc…主カッタヘッド軸心 Ls…所定距離 Os…補助カッタヘッド軸心 S…掘削投影断面 m…接線 n…未掘削部

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トンネル掘進機の前面に円形の主カッタ
    ヘッドを有するトンネル掘進機において、 前記主カッタヘッドの機械本体側にずらして少なくとも
    一つの補助カッタヘッドを設け、該補助カッタヘッドを
    前記主カッタヘッドと干渉しない所定距離で該主カッタ
    ヘッドの軸心と直交してずれた位置に設け、該補助カッ
    タヘッド外形を前記主カッタヘッドの掘削投影断面の垂
    直及び水平方向の接線が直交する未掘削部を掘削する筒
    状に形成したことを特徴とするトンネル掘進機。
  2. 【請求項2】 補助カッタヘッドを複数個配設したこと
    を特徴とする請求項1記載のトンネル掘進機。
  3. 【請求項3】 2個の補助カッタヘッドを、主カッタヘ
    ッドの下端両側部に対峙して設け、全体の掘削投影断面
    を馬蹄形状に形成したことを特徴とする請求項2記載の
    トンネル掘進機。
  4. 【請求項4】 4個の補助カッタヘッドを、主カッタヘ
    ッドの上端及び下端の両側部に対峙して設け、全体の掘
    削投影断面を正方形状に形成したことを特徴とする請求
    項2記載のトンネル掘進機。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載のト
    ンネル掘進機を単一のトンネル掘進機ユニットとして構
    成し、該トンネル掘進機ユニットを複数個連結して一体
    的なトンネル掘進機を構成したことを特徴とするトンネ
    ル掘進機。
  6. 【請求項6】 請求項2に記載のトンネル掘進機におい
    て、2個の補助カッタヘッドを、主カッタヘッドの下端
    両側部に対峙して設け、1個の補助カッタヘッドを、主
    カッタヘッドの上端片側部に設けて掘削投影断面を扇状
    に形成して単一のトンネル掘進機ユニットとして構成
    し、該トンネル掘進機ユニットの上下補助カッタヘッド
    配設側を連結して一体的なトンネル掘進機を構成したこ
    とを特徴とするトンネル掘進機。
  7. 【請求項7】 請求項3に記載のトンネル掘進機を単一
    のトンネル掘進機ユニットとして構成し、該トンネル掘
    進機ユニットの補助カッタヘッド配設側を連結して一体
    的なトンネル掘進機を構成したことを特徴とするトンネ
    ル掘進機。
  8. 【請求項8】 請求項1〜4のいずれか1項に記載のト
    ンネル掘進機を単一のトンネル掘進機ユニットとして構
    成し、該トンネル掘進機ユニットを1列に複数個連結し
    て一体的なトンネル掘進機を構成したことを特徴とする
    トンネル掘進機。
  9. 【請求項9】 隣接する主カッタヘッドが相互に干渉し
    ない所定間隔で軸方向にずらして複数個のトンネル掘進
    機ユニットを連結したことを特徴とする請求項5〜8の
    いずれか1項に記載のトンネル掘進機。
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