JPH11256983A - トンネル掘削機及びトンネル覆工部材 - Google Patents

トンネル掘削機及びトンネル覆工部材

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JPH11256983A
JPH11256983A JP10062651A JP6265198A JPH11256983A JP H11256983 A JPH11256983 A JP H11256983A JP 10062651 A JP10062651 A JP 10062651A JP 6265198 A JP6265198 A JP 6265198A JP H11256983 A JPH11256983 A JP H11256983A
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tunnel
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雅彦 杉山
Akio Niwa
章夫 丹羽
Yukinobu Sasaki
幸信 佐々木
Ichiro Osawa
一郎 大澤
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Kajima Corp
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トンネル掘削機において、拡幅時でも掘削機
本体の内部への浸水を確実に防止して防水性の向上を図
る。 【解決手段】 主掘削機本体12の前端部に主カッタ機
構11を装着し、この主掘削機本体12の掘進方向両側
に副掘削機本体14を配設してその前端部に副カッタ機
構13を装着し、各副掘削機本体の支持軸53を主掘削
機本体の長孔52に移動自在に嵌合し、2つの拡幅ジャ
ッキ16を架設することで、副掘削機本体14を主掘削
機本体12に対して水平移動可能で且つ水平旋回可能と
し、主掘削機本体12の後部に固着された主テールシー
ル66と副掘削機本体14の後部に固着された副テール
シール67とを前後同位置とし、主テールシール66の
端部に外方延設部66a及び摺接部66bを形成し、副
テールシール67をこの摺接部66bに密接させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地下自動車道路や
地下鉄道などに使用するトンネルを掘削形成するトンネ
ル掘削機及びトンネル覆工部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般的なシールド掘削機は、筒状の掘削
機本体の前部にカッタヘッドが回転自在に装着されると
共に、この掘削機本体の後部にシールドジャッキ及びセ
グメントエレクタが装着されて構成されている。従っ
て、このカッタヘッドを駆動モータによって旋回させな
がら、シールドジャッキによって掘削機本体を前進させ
ることで、前方の地盤を掘削してトンネルを掘削形成
し、セグメントエレクタによってこの掘削形成されたト
ンネルの内壁面にセグメントを組付けてトンネルを構築
することができる。
【0003】ところで、掘削形成するトンネルとして、
例えば、地下を通る自動車用高速道路に利用されるもの
がある。この自動車用高速道路は分岐路や出口のために
途中で車線が増加したり、減少したりしている。そのた
め、このような自動車用高速道路に使用するトンネルを
掘削する場合、トンネル掘削断面形状を掘削途中で幅方
向に広くしたり、狭くしたりする必要がある。
【0004】このようなトンネル掘削断面形状を掘削途
中で幅方向に変更する、所謂、拡幅式のシールド掘削機
としては、従来から例えば、特開平7−279579号
公報に記載されたものがある。この公報に記載されたシ
ールド掘削機は、シールド本体を固定部と一対の移動部
によって構成すると共に、移動部を前胴部と後胴部によ
って構成し、固定部と前胴部及び後胴部との間に移動ジ
ャッキを架設し、また、固定部の前端部に余掘り用カッ
タを有するカッタヘッドが駆動回転可能に装着されてい
る。従って、固定部及び移動部の後胴部に装着されたシ
ールドジャッキを伸縮することでシールド本体を前進
し、このとき、駆動回転するカッタヘッドによって前方
の地盤を掘削してトンネルを形成する。この場合、移動
ジャッキの収縮状態では移動部が固定部側に位置してお
り、カッタヘッドによって通常断面のトンネルを掘削す
る一方、移動ジャッキの伸長状態では移動部が固定部か
ら離間しており、カッタヘッドによって拡幅断面のトン
ネルを掘削することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】一般的なシールド掘削
機では、シールドジャッキを伸縮することでシールド本
体を前進し、カッタヘッドによって前方の地盤を掘削す
ることでトンネルを形成しており、掘削機の後部ではこ
の既設トンネルの壁面にセグメントを組み付けてトンネ
ルを構築している。この場合、シールド本体の後部には
周方向に沿って無端のテールシールが設けられており、
このテールシールが既設セグメントの外周面に圧接する
ことで、シールド本体内部への浸水を阻止している。
【0006】ところが、上述したように従来のシールド
掘削機にあっては、シールド本体が固定部と移動部によ
って構成され、移動ジャッキを伸縮することで固定部に
対して移動部が移動して拡幅可能となっている。そのた
め、このような拡幅可能なシールド掘削機では、シール
ド本体の後部に周方向に沿って無端のテールシールを設
けることはできず、固定部側と移動部側とにそれぞれテ
ールシールを設けても、両者は互いに接近離反するた
め、拡幅時には両者の間に隙間が発生し、シールド本体
内部への浸水を阻止できないという問題がある。
【0007】本発明はこのような問題点を解決するもの
であって、拡幅時でも掘削機本体の内部への浸水を確実
に防止して防水性の向上を図ったトンネル掘削機を提供
することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めの請求項1の発明のトンネル掘削機は、主掘削機本体
と、該主掘削機本体の前端部に装着されて前方の地盤を
掘削する主カッタ機構と、前記主掘削機本体の掘進方向
側方に配設されて該主掘削機本体と共に筒形状をなす副
掘削機本体と、該副掘削機本体の前端部に装着されて前
記主カッタ機構と共に前方の地盤を掘削する副カッタ機
構と、前記副掘削機本体を前記主掘削機本体に対して掘
進方向側方に移動自在に支持する副掘削機本体ガイド機
構と、前記副掘削機本体を前記主掘削機本体に対して移
動させる副掘削機本体移動機構と、前記主掘削機本体及
び前記副掘削機本体を前進させる推進機構と、前記主掘
削機本体及び前記副掘削機本体の後部内周面に周方向に
沿ってそれぞれ装着された主テールシール及び副テール
シールとを具えたトンネル掘削機において、前記主テー
ルシールと前記副テールシールとは掘進方向前後位置が
ほぼ同じに配設されると共に、該主テールシールの端部
と該副テールシールの端部とが互いに重合するように配
設され、内側に位置する前記主テールシールあるいは前
記副テールシールのいずれか一方のテールシールの周方
向端部が外方に延設して外側に位置する前記他方のテー
ルシールに密接することを特徴とするものである。
【0009】また、請求項2の発明のトンネル掘削機に
おいて、前記主テールシール及び前記副テールシールが
圧接するトンネル覆工部材の外表面には、前記他方のテ
ールシールにおける外方延設部に対応する掘進方向前後
方向に沿った段部が形成されたことを特徴とするもので
ある。
【0010】また、請求項3の発明のトンネル覆工部材
は、前端部に主カッタ機構を有して後端部に主テールシ
ールが装着された主掘削機本体に、前端部に副カッタ機
構を有して後端部に副テールシールが装着された副掘削
機本体が掘進方向側方に移動自在に支持されて掘削機本
体が構成され、該掘削機本体が前進することで掘削した
トンネル内壁面に組付けて筒状のトンネル構造体を形成
するトンネル覆工部材において、外表面に前記主テール
シールと前記副テールシールとの端部が互いに密接した
重合部に対応して掘進方向前後方向に沿った段部が形成
されたことを特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施の形態を詳細に説明する。
【0012】図1に本発明の一第1実施形態に係るトン
ネル掘削機としてのシールド掘削機の一部切欠平面視、
図2に本実施形態のシールド掘削機の正面視、図3に図
1のIII−III断面、図4に図1のIV−IV断面、図5に図
1のV−V断面、図6に図1のVI−VI断面、図7に主テ
ールシールと副テールシールの摺接部を表す概略、図8
にセグメントの斜視、図9に構築された小型トンネルの
概略、図10に本実施形態のシールド掘削機の斜視、図
11及び図12に本実施形態のシールド掘削機による拡
幅トンネル掘削時の作用を表す概略、図13に本実施形
態のシールド掘削機による縮幅トンネル掘削時の作用を
表す概略、図14に通常トンネルの掘削断面、図15に
拡幅トンネルの掘削断面を示す。
【0013】本実施形態のシールド掘削機は、図10に
示すように、前端部に前方の地盤を掘削する主カッタ機
構11が装着された主掘削機本体12の掘進方向側方
に、前端部に前方の地盤を掘削する副カッタ機構13が
装着された左右一対の副掘削機本体14が、副掘削機本
体支持機構としての支持部15及び拡幅ジャッキ16に
よってそれぞれ水平移動可能で、且つ、水平旋回可能に
支持されて構成され、この主掘削機本体12及び各副掘
削機本体14は推進機構としてのシールドジャッキ1
7,18によって前進できるようになっている。そし
て、主掘削機本体12及び各副掘削機本体14の後部に
は既設セグメントに圧接して内部への浸水を阻止する主
テールシール66と副テールシール67が装着されてい
る。
【0014】即ち、本実施形態のシールド掘削機におい
て、図1乃至図6に示すように、主掘削機本体12は上
下が弧状をなく矩形筒形状部12aの両側に上下一対の
水平部12bが一体に形成されてなり、この主掘削機本
体12の前部には掘削土砂や泥水等のずりの内部浸入を
防止するバルクヘッド21が形成されている。この主掘
削機本体12の前端部にはバルクヘッド21を貫通する
ように回転軸22が配設され、軸受23によって回転自
在に支持されている。そして、この回転軸22の先端部
に主カッタ機構11を構成する円盤状の主カッタヘッド
24が固定されており、この主カッタヘッド24の前面
には多数のカッタビット25が取付けられると共に、移
動ジャッキ26によって伸縮可能なコピーカッタ27が
装着されている。また、回転軸22の後端部にはリング
ギヤ28が固定されており、主掘削機本体12側に設け
られた複数の駆動モータ(油圧モータまたは電気モー
タ)29の駆動ギヤ30がこのリングギヤ27に噛み合
っている。従って、駆動モータ29を駆動すると、駆動
ギヤ30の駆動力がリングギヤ28を介して回転軸22
に伝達され、この回転軸22と一体の主カッタヘッド2
4を回転駆動することができる。
【0015】一方、各副掘削機本体14は断面コ字形状
をなすように開口した一側が主掘削機本体12の水平部
12b部に嵌合することで、この主掘削機本体12と共
に筒形状をなしており、この副掘削機本体14の前部に
は主掘削機本体12のバルクヘッド21に係合するバル
クヘッド31が形成されている。この副掘削機本体14
の前端部にはバルクヘッド31を貫通するように回転軸
32が配設され、軸受33によって回転自在に支持され
ている。そして、この回転軸32の先端部に副カッタ機
構13を構成する円盤状の副カッタヘッド34が固定さ
れており、この副カッタヘッド34の前面には多数のカ
ッタビット35が取付けられると共に、移動ジャッキ3
6によって伸縮可能なコピーカッタ37が装着されてい
る。また、回転軸32の後端部にはリングギヤ38が固
定されており、副掘削機本体14側に設けられた複数の
駆動モータ39の駆動ギヤ40がこのリングギヤ37に
噛み合っている。
【0016】また、各副掘削機本体14の前端部外側に
位置して上下一対の駆動モータ41がバルクヘッド31
に取付けられており、この駆動モータ41の出力軸42
の先端部には副カッタ機構13を構成する円盤状のコー
ナーカッタ43が固定されており、このコーナーカッタ
43の前面には多数のカッタビット44が取付けられる
と共に、移動ジャッキ45によって伸縮可能な余掘カッ
タ機構としての余掘カッタ46が装着されている。な
お、左右の副掘削機本体14におけるコーナーカッタ4
3の装着位置が相違するが、これは後述する枠状トンネ
ルTa ,Tb の隅部を適正の掘削するためである。即
ち、図3に示すように、一方(図3にて右側)の副掘削
機本体14の側部にスペーサ14aを介してコーナーカ
ッタ43の支持部分14bを形成しているが、左右同様
の構成にしてもよい。
【0017】従って、駆動モータ39を駆動すると、駆
動ギヤ40の駆動力がリングギヤ38を介して回転軸3
2に伝達され、この回転軸32と一体の副カッタヘッド
34を回転駆動することができる。また、各駆動モータ
41を駆動すると、出力軸42と一体のコーナーカッタ
43を回転駆動するすることができる。
【0018】ところで、この主掘削機本体12と各副掘
削機本体14の間には支持部15が介在し、主掘削機本
体12に対して副掘削機本体14が接近離間するように
水平移動自在で、且つ、垂直軸回りに水平旋回自在に支
持されている。即ち、主掘削機本体12の左右の水平部
12bには、前後方向中間位置に上下一対の軸受部51
が固定され、各軸受部51に幅方向に沿って長孔52が
形成されている。一方、副掘削機本体14の一側には、
前後方向中間位置に上下一対の支持軸53が固定され、
各支持軸53はこの各長孔52に移動自在に嵌合してい
る。また、この長孔52と支持軸53とから構成される
支持部15の前後に位置して各4本の拡幅ジャッキ16
が、主掘削機本体12と各副掘削機本体14との間に架
設されており、この主掘削機本体12及び各副掘削機本
体14における拡幅ジャッキ16の各連結部55は水平
回動自在となっている。
【0019】従って、各拡幅ジャッキ16を伸縮するこ
とで、主掘削機本体12に対して両側の各副掘削機本体
14を側方に移動させることができる。このとき、前後
の拡幅ジャッキ16の伸縮量を同じにすると、支持軸5
3が長孔52内を移動し、副掘削機本体14は主掘削機
本体12に対してその角度姿勢を維持したままで側方に
平行移動することとなり、主掘削機本体12と2つの副
掘削機本体14で構成する掘削機本体の幅を変更するこ
とができる。また、前後の拡幅ジャッキ16の伸縮量を
変えると、支持軸53が長孔52内を移動しながら回動
し、副掘削機本体14は主掘削機本体12に対してその
角度姿勢を変化するように側方に移動することとなる。
つまり、主掘削機本体12に対して両側の副掘削機本体
14を水平旋回移動し、図8(a)に示すように、主掘削
機本体12と2つの副掘削機本体14で構成する掘削機
本体の前部のみを拡幅して副カッタ機構13を内方に向
けたり、図8(b)に示すように、掘削機本体の前部を縮
幅して副カッタ機構13を外方に向けたりすることがで
きる。
【0020】また、各カッタヘッド24,34とバルク
ヘッド21,31との間にはチャンバ55が形成されて
おり、このチャンバ55には一端がシールド掘削機の外
部に延設された図示しない送泥管及び排泥管の他端が開
口しており、排泥管の開口部分の近傍には掘削土砂と泥
水とを攪拌、混合する図示しないアジテータが設置され
ている。なお、拡幅ジャッキ16を伸縮して主掘削機本
体12に対して両側の副掘削機本体14が水平旋回移動
すると、バルクヘッド21と31の係合関係がずれる
が、この場合、例えば、バルクヘッド31を弾性体とし
たり、両者の間に別のシール部材を設けることで、副掘
削機本体14内への掘削土砂の浸入を防止できる。
【0021】更に、主掘削機本体12及び各副掘削機本
体14の後部には周方向に沿ってそれぞれ複数のシール
ドジャッキ17,18が並設されており、その後方に伸
びる駆動ロッドの先端部にはそれぞれスプレッダ56,
57が取付けられている。従って、このシールドジャッ
キ17,18を作動して掘進方向後方に駆動ロッドを伸
長させると、掘削したトンネル内周面に構築された既設
のセグメントSにスプレッダ56,57が押しつけら
れ、その反力により主掘削機本体12及び各副掘削機本
体14を前進させることができる。
【0022】また、主掘削機本体12及び各副掘削機本
体14の後部には既設トンネルの内壁面にセグメントS
を組付けるエレクタ装置58,59が装着されている。
この各エレクタ装置58,59はほぼ同様の構造となっ
ているが、主掘削機本体12に装着されたエレクタ装置
58は矩形断面トンネルの中央部の上下壁面にセグメン
トSを組付けるものであり、各副掘削機本体14に装着
されたエレクタ装置59は矩形断面トンネルの両側部の
上下壁面及び側壁面にセグメントSを組付けるものであ
る。
【0023】即ち、各エレクタ装置58,59におい
て、各掘削機本体12,14には幅方向に沿って水平レ
ール60が固定され、水平移動体61が移動自在となっ
ており、この水平移動体61には垂直方向に沿って垂直
レール62が固定され、垂直移動体63が移動自在とな
っている。そして、この垂直移動体63には旋回体64
が旋回自在に支持されており、この旋回体64にセグメ
ント把持部材65が装着されている。従って、既設トン
ネル内に搬入されたセグメントSをセグメント把持部材
65が把持した状態で、水平移動、垂直移動、旋回する
ことで、把持したセグメントSを所定のセグメント組付
位置に移動することができる。
【0024】そして、主掘削機本体12及び各副掘削機
本体14は掘進方向にてほぼ同じ長さであって、前述し
たように、主掘削機本体12及び各副掘削機本体14の
後部内周面には既設のセグメントSの外周面に密着して
内部への掘削土砂等の浸入を防止する主テールシール6
6と副テールシール67が装着されており、この主テー
ルシール66と副テールシール67は掘進方向前後位置
がほぼ同じに装着され、各テールシール66,67の端
部が互いに重合している。
【0025】即ち、図1、図5乃至図7、図10に示す
ように、主掘削機本体12の後部は上下一対の水平部1
2bとなっており、各水平部12bの側端部には外切欠
部12c及び内切欠部12dが形成されている。そし
て、この内切欠部12dには内方に延出する前後二列に
主テールシール66が固着されており、各列の主テール
シール66における長手方向端部が外方に屈曲延出して
外方延設部66aをなし、その先端部に外切欠部12c
の平面部とほぼ平滑をなす平坦な摺接部66bが形成さ
れている。一方、左右の副掘削機本体14の後部はコ字
形状をなしており、各副掘削機本体14の後部の内面に
は前後二列に副テールシール67が固着されている。そ
して、各列の副テールシール67の長手方向端部が各列
の主テールシール66の外方延設部66aに重合するよ
うに先端がこの主テールシール66の摺接部66bに圧
接している。
【0026】なお、この各テールシール66,67は、
図示しないが、複数のワイヤブラシの基端部が束ねられ
て一対の保護板によって挾持され、更に、コ字形状の押
え板に保持されて構成されており、この押え板が多数の
取付ピンによって各掘削機本体12,14の内面に固定
されている。そして、各掘削機本体12,14に設けら
れたグリース供給通路からセグメントに圧接している前
後二列の各テールシール66,67の空間部にグリース
が供給されることで、この空間部はグリースが充満して
所定の圧力にて維持されることとなり、各掘削機本体1
2,14の後部からの水や土砂の侵入が防止される。
【0027】また、トンネルを覆工するセグメントの形
状は、このような主テールシール66及び副テールシー
ル67の形状に対応したものとなっている。即ち、図8
に示すように、通常のセグメントSは、この図8に実線
で表す所定厚さの板形状をなすが、主テールシール66
と副テールシール67の各端部が重合する部分に用いる
セグメントS1 は、この図8に二点鎖線で表す所定幅の
凹部dを有するものとなっている。そして、このセグメ
ントS1 の凹部dに主テールシール66及び外方延設部
66aが圧接し、且つ、外表面fが摺接部66bと平滑
面をなし、このセグメントSS の外表面f及び摺接部6
6bに副テールシール67が圧接する。
【0028】従って、本実施形態のテールシール66,
67にて、主掘削機本体12の後部内面に固着された主
テールシール66は長手方向両端部が外方に屈曲延出し
て外方延設部66aをなし、その先端部が平坦な摺接部
66bとなっており、この摺接部66bに対して左右の
副掘削機本体14の後部内面に固着された副テールシー
ル67が圧接することで、テールシール66,67の各
端部の隙間はなくなり、また、各テールシール66,6
7の先端部が既設セグメントSの外面及び既設セグメン
トS1 の外面f及び凹部dに圧接することで、掘削機本
体12,14の後部からの水や土砂の侵入が確実に防止
されるようになっている。
【0029】なお、掘削したトンネルの内壁面にセグメ
ントS1 ,S1 を組み付けてトンネル構造体を構築する
場合、図9(a)に示すように、上下中央は凹部dを有す
るセグメントS1 を用い、その他の部分は板状のセグメ
ントSを用いる。すると、図9(b)に示すように、途中
で拡幅するトンネル構造体は上下外面の中央部に凹部d
が直線上に連続して段差が形成されたものとなる。
【0030】ここで、上述した本実施形態のシールド掘
削機による矩形断面トンネルの掘削作業について説明す
る。
【0031】本実施形態では、上述したシールド掘削機
を用いて、図14及び図15に示すように、正方形に近
い枠状のトンネルTを掘削形成し、その後、内部の土砂
を排出することで、この内部を自動車用高速道路のため
のトンネルとして使用する。このトンネルTは所定距離
をもった2つの立坑を連通するように掘削するものであ
り、ここでは、2種類のシールド掘削機を2つの立坑間
で往復移動して枠状のトンネルTを掘削する。この場
合、掘削当初は図14に示す正方形に近い枠状のトンネ
ルTa を掘削するが、分岐路や出口路を同一工程にて掘
削するために、掘削途中でシールド掘削機を拡幅し、図
15に示すように、トンネル幅が拡大した矩形の枠状の
トンネルTb を連続して掘削する。
【0032】即ち、図1に示すように、掘削当初は図1
4に示す正方形に近い枠状のトンネルTa を掘削する必
要があることから、前後の拡幅ジャッキ16を収縮して
副掘削機本体14を主掘削機本体12側に移動して平行
とし、主掘削機本体12と2つの副掘削機本体14で構
成する掘削機本体の幅を狭くする。なお、図1乃至図4
に示したシールド掘削機は、各拡幅ジャッキ16による
副掘削機本体14の拡幅動作が明確となるように、掘進
方向左側(図1にて下側)の副掘削機本体14を縮幅状
態とし、掘進方向右側(図1にて上側)の副掘削機本体
14を拡幅状態としている。
【0033】このように両側の副掘削機本体14を主掘
削機本体12側に移動した縮幅状態から、複数の駆動モ
ータ29を駆動して主カッタヘッド24を回転駆動し、
また、複数の駆動モータ39を駆動して各副カッタヘッ
ド34を回転駆動すると共に、駆動モータ41を駆動し
てコーナーカッタ43を回転駆動する。そして、各カッ
タヘッド24,34及びコーナーカッタ43を回転しな
がら、複数のシールドジャッキ17,18を伸長させる
と、主掘削機本体12及び副掘削機本体14は既設のセ
グメントSからの反力により一体となって前進し、多数
のカッタビット25,35,44が前方の地盤を掘削す
ることでトンネルを掘削する。このとき、主カッタヘッ
ド24と副カッタヘッド34とはその回転角度に応じ
て、移動ジャッキ26,36によってコピーカッタ2
7,37を伸縮することで、主カッタヘッド24と副カ
ッタヘッド34との上下領域を掘削して矩形のトンネル
とすることができる。
【0034】そして、シールドジャッキ17,18が所
定ストローク伸長して主掘削機本体12及び副掘削機本
体14が所定距離掘進して矩形トンネルを掘削すると、
シールドジャッキ17,18の何れか一つを縮み方向に
作動し、スプレッダ56,57と既設のセグメントSと
の間に空所を形成し、この空所にエレクタ装置58,5
9によって新しいセグメントSを装着する。この作動の
繰り返しによって縮幅の矩形トンネルT1 を掘削形成す
る。
【0035】このように縮幅の矩形トンネルT1 を所定
距離掘削し、分岐路や出口路のためにトンネル幅を拡大
した拡幅の矩形トンネルを掘削する位置までくると、図
11に示すように、前後の拡幅ジャッキ16を伸長する
ことで、主掘削機本体12に対する副掘削機本体14の
外方旋回を開始する。この場合、拡幅トンネルの掘削開
始位置の手前から、コーナーカッタ43の回転角度に応
じて移動ジャッキ45によって余掘カッタ46を伸縮
し、各カッタヘッド24,34、コーナーカッタ43、
コピーカッタ27,37による主掘削機本体12及び副
掘削機本体14の前方地盤掘削と共に、余掘カッタ46
によって副掘削機本体14の外側方の地盤の掘削を行
う。そして、余掘カッタ46によって形成された余掘空
間部を利用し、主掘削機本体12に対して副掘削機本体
14を支点Pをほぼ中心として外方旋回させる。
【0036】この副掘削機本体14の外方旋回は、当
初、小さい旋回角度(図11に示すθ S )で行い、前後
の拡幅ジャッキ16を徐々に伸長することで副掘削機本
体14の旋回角度を徐々に大きくしていく。そして、図
12に示すように、副掘削機本体14が所定の旋回角度
θM になると、この副掘削機本体14の旋回角度θM
維持したままで、前後の拡幅ジャッキ16を同ストロー
ク伸長することで、副掘削機本体14を外方に移動し、
一定角度で幅の拡大したトンネルを掘削する。この場
合、トンネルが一定角度で幅の拡大しているために壁面
が平滑面となり、一種類のセグメントSだけで対応が可
能となる。
【0037】なお、拡幅トンネルの掘削時にもエレクタ
装置58,59によってセグメントSを組み付けていく
が、副掘削機本体14が外方旋回するとき、この副掘削
機本体14の後部外端部が若干内方に移動し、既設セグ
メントSに副掘削機本体14のテールシール67が押し
付けられてシール性が低下する虞がある。そのため、副
掘削機本体14が外方旋回を開始する手前から、図4乃
至図6、図11に示すように、厚さの薄いセグメントS
S を使用し、内径は変えずに若干外径の小さくなってト
ンネル(既設セグメントSS )を形成し、副掘削機本体
14のテールシール67と既設セグメントSS との適正
なシール性を確保するようにしている。
【0038】そして、旋回角度θM に維持された副掘削
機本体14を外方に移動しながら前進することで、一定
角度で幅の拡大したトンネルを掘削していき、この副掘
削機本体14の全長が所定拡幅位置(所定拡幅トンネル
の幅WL )を越える位置まで地盤を掘削すると、前後の
拡幅ジャッキ16を収縮し、主掘削機本体12に対して
副掘削機本体14を支点Pをほぼ中心として内方旋回さ
せ、主掘削機本体12と副掘削機本体14とを平行な状
態とする。この場合、副掘削機本体14の全長が拡幅ト
ンネルの幅WL を完全に越えなくても、副掘削機本体1
4の内方旋回時の押圧力で地盤を破砕したり、側面のカ
ッタなどに装備した掘削機構で地盤を掘削して旋回空間
部を確保してもよい。そして、この状態で、移動ジャッ
キ45による余掘カッタ46の伸縮動作を停止し、各カ
ッタヘッド24,34、コーナーカッタ43、コピーカ
ッタ27,37により、主掘削機本体12及び副掘削機
本体14の前方の地盤を掘削することで、幅WL に拡幅
した矩形トンネルを連続して掘削することができる。
【0039】この主掘削機本体12に対する副掘削機本
体14の拡幅時に、図7に示すように、各テールシール
66,67は先端部が既設セグメントSの外面に圧接す
ると共に、長手方向端部では主テールシール66が外方
に屈曲延出して外方延設部66aをなして先端部が摺接
部66bとなっており、副テールシール67がこの摺接
部66bに対して圧接状態で摺動している。従って、各
テールシール66,67の各端部の隙間はなくなってい
る。そのため、セグメントSに圧接している前後二列の
各テールシール66,67の空間部にグリースが供給さ
れることで、この空間部はグリースが充満して所定の圧
力にて維持されることとなり、各掘削機本体12,14
の後部からの水や土砂の侵入を確実に防止できる。
【0040】その後、拡幅の矩形トンネルを所定距離掘
削すると、図13(a)に示すように、前後の拡幅ジャッ
キ16を収縮して副掘削機本体14を主掘削機本体12
に対して内方に旋回させ、各カッタヘッド24,34、
コーナーカッタ43、コピーカッタ27,37により、
主掘削機本体12及び副掘削機本体14の前方の地盤を
掘削していく。このとき、副掘削機本体14の旋回角度
を維持したままで、前後の拡幅ジャッキ16を同ストロ
ーク収縮して副掘削機本体14を内方に移動しながら、
両掘削機本体12,14を掘進することで、一定角度で
幅の縮小したトンネルを掘削することができる。そし
て、主掘削機本体12及び副掘削機本体14が所定距離
掘進すると、図13(b)に示すように、前後の拡幅ジャ
ッキ16を伸縮して副掘削機本体14を主掘削機本体1
2と平行とし、再び、幅WS に縮幅した矩形トンネルを
掘削する。
【0041】このようにして本実施形態のシールド掘削
機を立坑間で往復移動することで、図14に示すよう
に、まず、矩形トンネルT1 を水平に隣接して3本形成
し、続いて、同様にして図示しないシールド掘削機によ
り、この隣接する矩形トンネルT1 の両側に矩形トンネ
ルT2 を垂直に隣接してそれぞれ3本形成する。そし
て、再び、本実施形態のシールド掘削機により、左右の
矩形トンネルT2 の上部に水平に隣接する矩形トンネル
1 を水平に隣接して3本形成する。この場合、前述し
たように、本実施形態のシールド掘削機によって掘削す
る矩形トンネルT1は、図15に示すように、途中で拡
幅した矩形トンネルT3 となっている。そして、図14
及び図15に示すように、多数の矩形トンネルT1 ,T
2 ,T3 を枠状に掘削形成し、互いに隣接する各トンネ
ルT1 ,T2 ,T3 同志をコンクリート等によって連結
して枠状のトンネルTa ,Tb とを形成し、内部の土砂
を排出することでここを自動車用高速道路のためのトン
ネルとして使用することができる。なお、各トンネルT
1 ,T2 ,T3 の内部は電気ケーブルや通信ケーブルな
どを配設する共同溝として使用したり、コンクリートを
充填して強度部材として使用する。
【0042】なお、上述の各実施形態において、拡幅の
矩形トンネルを掘削するときに、副掘削機本体14を主
掘削機本体12に対して旋回して移動ジャッキ45によ
って余掘カッタ46を伸縮し、この余掘カッタ46によ
り副掘削機本体14の外側方の地盤を掘削したが、副掘
削機本体14が旋回して副カッタヘッド34及びコーナ
ーカッタ43が外方を向いているため、余掘カッタ46
を用いなくともトンネルを拡幅して掘削できる。
【0043】また、セグメントS,S1 を枠状に組み付
けてトンネル構造体を形成するとき、掘削トンネルの壁
面とトンネル構造体(セグメントS,S1 )の外面との
間にコンクリートを打設して強度を確保するが、本実施
形態では、主テールシール66の外方延設部66aに対
応してセグメントS1 に凹部dが形成されており、この
セグメントS1 における凹部d以外の部分とセグメント
Sとを通常よりも厚く形成することができ、掘削トンネ
ルの壁面とトンネル構造体(セグメントS,S 1 )の空
間を減少してコンクリート打設量を低減することができ
る。
【0044】図16に本発明の他の実施形態に係るトン
ネル掘削機としてのシールド掘削機の斜視を示す。な
お、前述した実施形態で説明したものと同様の機能を有
する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略す
る。
【0045】本実施形態のシールド掘削機において、図
16に示すように、主掘削機本体12は前端部の主カッ
タ機構11が装着され、この主掘削機本体12の掘進方
向両側に副カッタ機構13が装着された副掘削機本体1
4がそれぞれ配設されている。この各副掘削機本体14
は前胴部14aと後胴部14bとで構成され、それぞれ
副掘削機本体ガイド機構としての図示しないガイド部と
移動機構としての拡幅ジャッキ16によって独立して水
平移動可能に支持されており、この主掘削機本体12及
び各副掘削機本体14はシールドジャッキ17,18に
よって前進できる。また、主掘削機本体12及び各副掘
削機本体14の後胴部14bの後部には既設セグメント
に圧接して内部への浸水を阻止する主テールシール71
と副テールシール72が装着されている。各掘削機本体
12,14のテールシール71,72は内面に前後二列
にわたって設けられており、後列の主テールシール71
の端部が外方に屈曲延出して外方延設部71aをなし、
その先端部に平坦な摺接部71bが形成される一方、副
テールシール72の端部がこの主テールシール71の外
方延設部71aに重合するように先端が摺接部71bに
圧接している。
【0046】従って、本実施形態では、主掘削機本体1
2の後部内面に固着された主テールシール71は端部が
外方に屈曲延出して外方延設部71aをなし、その先端
部が平坦な摺接部71bとなっており、左右の副掘削機
本体14(後胴部14b)の後部内面に固着された副テ
ールシール72がこの摺接部71bに圧接していること
で、各テールシール71,72は先端部が既設セグメン
トS,S1 の外面に圧接し、且つ、内外にずれて装着さ
れることで形成された隙間は主テールシール71の外方
延設部71aによってなくなり、掘削機本体12,14
の後部からの水や土砂の侵入が確実に防止される。
【0047】なお、上述した各実施形態において、主掘
削機本体12の外側に左右の副掘削機本体14を嵌合し
て拡幅自在としたが、主掘削機本体12の内側に左右の
副掘削機本体14を嵌合して拡幅自在とし、副テールシ
ール67に外方延設部及び摺接部を形成し、主テールシ
ール66をこの摺接部に圧接するようにしてもよい。ま
た、各テールシールを前後二列としたが、三列以上であ
ってもよい。
【0048】また、上述の実施形態において、主カッタ
機構11を円盤形状の主カッタヘッド24、副カッタ機
構13を円盤形状の主カッタヘッド34とコーナーカッ
タ43としたが、この構造に限定されるものではなく、
例えば、棒状の掘削刃を円盤を形成するように回転して
構成してもよい。また、副掘削機本体ガイド機構として
の支持部15を主掘削機本体12側の長孔52と副掘削
機本体14側の支持軸52とで構成し、副掘削機本体移
動機構を拡幅ジャッキ16としたが、この構造に限定さ
れるものではない。例えば、主掘削機本体12側に支持
軸52を設けて副掘削機本体14側に長孔52を設けて
支持部15を構成してもよく、拡幅ジャッキ16を5本
以上設けてたり、複数のパラレルリンク機構72を構成
してもよく、あるいは、支持部をリンク機構としてもよ
く、副掘削機本体が主掘削機本体に対して側方に移動可
能で且つ旋回可能であればよいものである。なお、拡幅
ジャッキ16で副掘削機本体14を所定の旋回角度にて
維持する場合、この拡幅ジャッキ16を所定の伸縮スト
ロークて機械的にロックするロック機構を設けるとよ
い。
【0049】更に、枠状のトンネルTa ,Tb を2つの
シールド掘削機によって掘削したが、これはトンネルT
1 ,T3 の内部を共同溝として使用するために掘削断面
の大きなシールド掘削機を使用したからであり、1つの
シールド掘削機によって掘削することもできる。また、
本実施形態では、セグメントSによって矩形トンネルT
1 ,T2 ,T3 を形成したが、鉄鋼製の型枠を用いてこ
の型枠とトンネル内壁面との間にコンクリートを打設し
て矩形トンネルT1 ,T2 ,T3 を形成してもよい。そ
して、本発明のトンネル掘削機をシールド掘削機以外
に、岩盤を掘削してトンネルを形成するトンネルボーリ
ングマシンとして用いることもできる。
【0050】また、本実施形態では、主掘削機本体12
の左右両側に副掘削機本体14を配設して横方向に拡幅
可能としたが、主掘削機本体12の上下両側に副掘削機
本体14を配設して縦方向に拡幅可能としてもよく、こ
の場合、主掘削機本体12に対して左側だけ、あるい
は、上側だけに副掘削機本体14を配設して片方だけ拡
幅可能としてもよい。
【0051】そして、本実施形態のトンネル掘削方法で
は、当初、前後の拡幅ジャッキ16を徐々に伸長して主
掘削機本体12に対する副掘削機本体14の旋回角度を
徐々に大きくし、所定の旋回角度θM になると、この旋
回角度θM を維持したままで、前後の拡幅ジャッキ16
を同ストローク伸長して副掘削機本体14を外方に移動
することで、一定角度で幅の拡大したトンネルを掘削す
るようにしたが、主掘削機本体12に対して副掘削機本
体14の前端部を外方旋回移動させ、この副掘削機本体
14が最大旋回角度になるまで前方及び側方の地盤を掘
削して徐々に幅の拡大したトンネルを掘削形成するよう
にしてもよい。この場合、短い掘進距離で所定の拡幅量
を確保できる。
【0052】
【発明の効果】以上、実施形態において詳細に説明した
ように請求項1の発明のトンネル掘削機によれば、主掘
削機本体の前端部に前方の地盤を掘削する主カッタ機構
を装着し、この主掘削機本体の掘進方向側方に副掘削機
本体を配設してその前端部に副カッタ機構を装着し、副
掘削機本体を副掘削機本体ガイド機構によって主掘削機
本体に対して掘進方向側方に移動自在に支持し、副掘削
機本体移動機構によって副掘削機本体を主掘削機本体に
対して移動可能とし、主掘削機本体及び副掘削機本体の
後部にその周方向に沿って複数の推進ジャッキを並設
し、主掘削機本体及び副掘削機本体の後部内周面に周方
向に沿って主テールシール及び副テールシールを装着
し、各テールシールの端部が互いに重合するように配設
し、内側に位置するテールシールの周方向端部を外方に
延設して外側に位置するテールシールに密接するように
したので、内側のテールシールの外方延設部に外側のテ
ールシールが圧接することで、各テールシールは覆工部
材の外面に隙間なく圧接することとなり、掘削途中でト
ンネルを拡幅するために副掘削機本体が主掘削機本体に
対して側方移動しても、各テールシールの交差部は隙間
が空くことなく摺接し、掘削機本体の内部への浸水を確
実に防止して防水性の向上を図ることができる。
【0053】また、請求項2の発明のトンネル掘削機に
よれば、主テールシール及び副テールシールが圧接する
トンネル覆工部材の外表面に、他方のテールシールにお
ける外方延設部に対応する掘進方向前後方向に沿った段
部を形成したので、掘削機本体の掘進時に、外方延設部
がトンネル覆工部材の段部に密着して移動することとな
り、掘削機本体の内部への浸水を確実に防止することが
できる。
【0054】また、請求項3の発明のトンネル覆工部材
によれば、前端部に主カッタ機構を有して後端部に主テ
ールシールが装着された主掘削機本体に、前端部に副カ
ッタ機構を有して後端部に副テールシールが装着された
副掘削機本体が掘進方向側方に移動自在に支持して掘削
機本体を構成し、この掘削機本体が前進することで掘削
したトンネル内壁面に組付けて筒状のトンネル構造体を
形成するトンネル覆工部材において、その外表面に主テ
ールシールと副テールシールとの端部が互いに密接した
重合部に対応して掘進方向前後方向に沿った段部を形成
したので、掘削機本体の掘進時に、重合部がトンネル覆
工部材の段部に密着して移動することとなり、掘削機本
体の内部への浸水を確実に防止することができ、また、
この段部を境にしてトンネル覆工部材を既設トンネルの
外方に組み付けることとなり、覆工後に掘削トンネルの
壁面とトンネル覆工部材との空間へのコンクリート打設
量を減少してコストの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るトンネル掘削機とし
てのシールド掘削機の一部切欠平面図である。
【図2】本実施形態のシールド掘削機の正面図である。
【図3】図1のIII−III断面図である。
【図4】図1のIV−IV断面図である。
【図5】図1のV−V断面図である。
【図6】図1のVI−VI断面図である。
【図7】主テールシールと副テールシールの摺接部を表
す概略図である。
【図8】セグメントの斜視図である。
【図9】構築された小型トンネルの概略図である。
【図10】本実施形態のシールド掘削機の斜視図であ
る。
【図11】本実施形態のシールド掘削機による拡幅トン
ネル掘削時の作用を表す概略図である。
【図12】本実施形態のシールド掘削機による拡幅トン
ネル掘削時の作用を表す概略図である。
【図13】本実施形態のシールド掘削機による縮幅トン
ネル掘削時の作用を表す概略図である。
【図14】通常トンネルの掘削断面図である。
【図15】拡幅トンネルの掘削断面図である。
【図16】本発明の他の実施形態に係るトンネル掘削機
としてのシールド掘削機の斜視図である。
【符号の説明】
11 主カッタ機構 12 主掘削機本体 13 副カッタ機構 14 副掘削機本体 15 支持部(副掘削機本体支持機構) 16 拡幅ジャッキ(副掘削機本体支持機構) 17,18 シールドジャッキ(推進機構) 24 主カッタヘッド 29 駆動モータ 34 副カッタヘッド 39 駆動モータ 43 コーナーカッタ 46 余掘カッタ 51 軸受部 52 長孔 53 支持軸 58,59 エレクタ装置 66,71 主テールシール 67,72 副テールシール 66a,71a 外方延設部 66b,71b 摺接部 S,S1 ,SS セグメント T,Ta ,Tb 枠状トンネル T1 ,T2 ,T3 矩形トンネル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐々木 幸信 神奈川県横浜市中区太田町四丁目51番地 鹿島建設株式会社横浜支店内 (72)発明者 大澤 一郎 東京都港区元赤坂一丁目2番7号 鹿島建 設株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主掘削機本体と、該主掘削機本体の前端
    部に装着されて前方の地盤を掘削する主カッタ機構と、
    前記主掘削機本体の掘進方向側方に配設されて該主掘削
    機本体と共に筒形状をなす副掘削機本体と、該副掘削機
    本体の前端部に装着されて前記主カッタ機構と共に前方
    の地盤を掘削する副カッタ機構と、前記副掘削機本体を
    前記主掘削機本体に対して掘進方向側方に移動自在に支
    持する副掘削機本体ガイド機構と、前記副掘削機本体を
    前記主掘削機本体に対して移動させる副掘削機本体移動
    機構と、前記主掘削機本体及び前記副掘削機本体を前進
    させる推進機構と、前記主掘削機本体及び前記副掘削機
    本体の後部内周面に周方向に沿ってそれぞれ装着された
    主テールシール及び副テールシールとを具えたトンネル
    掘削機において、前記主テールシールと前記副テールシ
    ールとは掘進方向前後位置がほぼ同じに配設されると共
    に、該主テールシールの端部と該副テールシールの端部
    とが互いに重合するように配設され、内側に位置する前
    記主テールシールあるいは前記副テールシールのいずれ
    か一方のテールシールの周方向端部が外方に延設して外
    側に位置する前記他方のテールシールに密接することを
    特徴とするトンネル掘削機。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のトンネル掘削機におい
    て、前記主テールシール及び前記副テールシールが圧接
    するトンネル覆工部材の外表面には、前記他方のテール
    シールにおける外方延設部に対応する掘進方向前後方向
    に沿った段部が形成されたことを特徴とするトンネル掘
    削機。
  3. 【請求項3】 前端部に主カッタ機構を有して後端部に
    主テールシールが装着された主掘削機本体に、前端部に
    副カッタ機構を有して後端部に副テールシールが装着さ
    れた副掘削機本体が掘進方向側方に移動自在に支持され
    て掘削機本体が構成され、該掘削機本体が前進すること
    で掘削したトンネル内壁面に組付けて筒状のトンネル構
    造体を形成するトンネル覆工部材において、外表面に前
    記主テールシールと前記副テールシールとの端部が互い
    に密接した重合部に対応して掘進方向前後方向に沿った
    段部が形成されたことを特徴とするトンネル覆工部材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US20100284748A1 (en) * 2006-08-14 2010-11-11 Neil Deryck Bray Graham Underground mining apparatus
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