JP3905698B2 - 透明性に優れるゴム組成物及びその用途 - Google Patents

透明性に優れるゴム組成物及びその用途 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、透明性及び機械的特性に優れた加硫ゴム組成物及び該組成物からなるゴム製品に関する。
【0002】
【従来の技術】
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム組成物又はエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム組成物とエチレン・酢酸ビニル共重合体との混合物の提案が散見されるが、これらの従来技術においては、透明性はポリ塩化ビニルと同等のレベルには達していなかった。また機械的強度も低く問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前述した従来技術に伴う問題を解決しようとするものであって、透明性、引張強度を大幅に向上させた加硫ゴム組成物を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は以下の発明を包含する。
(1)加硫ゴムシートのヘーズ値(厚さ2mm)が20%以下であり、全光線透過率(厚さ2mm)が70%以上であり、かつ引張強度が9MPa以上であることを特徴とする加硫ゴム組成物。
(2)エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)、エチレン・極性モノマー共重合体(B)及びシリカ(C)を含有する組成物を加硫してなる前記(1)に記載の加硫ゴム組成物。
(3)エチレン・極性モノマー共重合体(B)の屈折率が1.470〜1.490である前記(2)に記載の加硫ゴム組成物。
(4)エチレン・極性モノマー共重合体(B)の極性モノマーが酢酸ビニル、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸又はメタクリル酸エステルである前記(2)又は(3)に記載の加硫ゴム組成物。
(5)シリカが乾式法により製造されたものである前記(2)〜(4)のいずれかに記載の加硫ゴム組成物。
(6)前記(1)〜(5)のいずれかに記載の加硫ゴム組成物からなるゴム製品。
(7)電気・絶縁部品又は工業部品である前記(6)に記載のゴム製品。
(8)ケーブルジョイント、半導体向けシール材、絶縁シート、工業用ホース、床材、タイル、保護カバー又はシューズのクッション材である前記(7)に記載のゴム製品。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の透明性に優れる加硫ゴム組成物について具体的に説明する。
本発明の加硫ゴム組成物は、加硫ゴムシートのヘーズ値(厚さ2mm)が20%以下であり、全光線透過率(厚さ2mm)が70%以上であり、かつ引張強度が9MPa以上であることを特徴とするものである。
前記ヘーズ値(厚さ2mm)が20%を超えると、透明性を必要とする製品には適さない。前記ヘーズ値は、通常0.1〜20%、好ましくは0.1〜15%、更に好ましくは0.2〜10%である。
【0006】
前記全光線透過率が70%未満であると、透明性を必要とする用途への使用が制限される。前記全光線透過率は、通常70〜99.5%、好ましくは75〜99.5%、更に好ましくは80〜99%である。
前記引張強度が9MPa未満であると、機械的強度が劣るため、製品の耐久性が不足する。前記引張強度は、好ましくは10MPa以上、更に好ましくは11MPa以上である。
本発明の加硫ゴム組成物は、好ましくは、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)、エチレン・極性モノマー共重合体(B)、シリカ(C)、架橋剤(D)、及び必要に応じて、軟化剤(E)、老化防止剤(F)等を含有するゴム組成物からなる。
【0007】
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム
本発明の加硫ゴム組成物に用いられるエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(以下「エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)」という。)は、好ましくは、エチレンと、炭素数3〜20のα−オレフィンと、非共役ポリエンとをランダム共重合させることにより得られる。
【0008】
前記α−オレフィンとしては、例えばプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセン等が挙げられる。これらのα−オレフィンは、単独で、又は2種以上の組み合わせで用いることができる。これらのα−オレフィンのうち、炭素数3〜10のα−オレフィンが好ましく、特にプロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンが好ましく用いられる。
【0009】
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)は、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとのモル比[エチレン/α−オレフィン]が、通常60/40〜80/20、好ましくは62/38〜79/21、特に好ましくは65/35〜78/22の範囲にある。
【0010】
前記非共役ポリエンとしては、具体的には、1,4−ヘキサジエン、3−メチル−1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、4,5−ジメチル−1,4−ヘキサジエン、4,5−ジエチル−1,4−ヘキサジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン等の鎖状非共役ジエン;メチルテトラヒドロインデン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、6−クロロメチル−5−イソプロペニル−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン等の環状非共役ジエン;2,3−ジイソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−エチリデン−3−イソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−プロペニル−2,5−ノルボルナジエン、1,3,7−オクタトリエン、1,4,9−デカトリエン、4,8−ジメチル−1,4,8−デカトリエン、4−エチリデン−8−メチル−1,7−ノナジエン等のトリエン等が挙げられる。これらの非共役ポリエンは、単独で、又は2種以上組み合わせて用いることができる。
【0011】
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)における非共役ポリエンの含量は、ヨウ素価表示で通常6〜50、好ましくは10〜40、更に好ましくは10〜35、特に好ましくは10〜30である。ヨウ素価が6未満になると、加硫ゴム成形体の有効網目鎖密度が低下し、圧縮永久歪が大きくなる傾向がある。また、ヨウ素価が50を超えると、耐環境劣化性が悪くなる傾向があり、またコスト的にも不利にある。
【0012】
本発明においては、前記共重合体ゴム(A)は、1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。
前記のような特性を有するエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムは、「ポリマー製造プロセス((株)工業調査会発行、p.309〜330)」等に記載されているような従来公知の方法により調製することができる。
【0013】
エチレン・極性モノマー共重合体(B)
本発明に用いるエチレン・極性モノマー共重合体(B)とは、エチレンとラジカル共重合性を有しかつ炭素と水素以外の原子を少なくとも1個含有するコモノマーとを共重合させて得られる共重合体をいう。具体例としては、エチレン・カルボン酸不飽和エステル共重合体、エチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体、エチレン・芳香族ビニル共重合体、エチレン・含窒素ビニル共重合等が挙げられるが、好ましくはエチレン・酢酸ビニル共重合体等のエチレン・カルボン酸アルケニルエステル共重合体;エチレン・アクリル酸共重合体等のエチレン・不飽和カルボン酸共重合体;エチレン・アクリル酸エチル共重合体、エチレン・アクリル酸メチル共重合体等のエチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体挙げられる。
【0014】
エチレン・極性モノマー共重合体(B)としては、メルトフローレート(MFR;JIS K7210)が通常0.1〜50g/10分、好ましくは0.5〜30g/分、密度が通常920〜980kg/m3、好ましくは930〜960kg/m3、融点が通常40〜100℃、好ましくは55〜95℃及び酢酸ビニル含量が通常10〜50重量%、好ましくは10〜35重量%の範囲のものが用いられる。
【0015】
エチレン・極性モノマー共重合体(B)としては、透明性の点で、屈折率が1.470〜1.490であるものが好ましい。
エチレン・極性モノマー共重合体(B)の配合量は、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)100重量部に対して、通常35〜120重量部、好ましくは40〜100重量部、更に好ましくは50〜80重量部である。
【0016】
シリカ(C)
本発明に用いるシリカ(C)とは、酸化ケイ素をいい、結晶水及び/又は吸着水を含んでいてもいなくてもよい。
シリカ(C)としては、乾式法による無水ケイ酸、湿式法による含水ケイ酸と、合成ケイ酸塩とにわけられる。日本ゴム協会発行の「フィラーハンドブック」には、シリカの製造方法について以下のように記載されている。
(1)無水ケイ酸の製造方法
(i)ハロゲン化ケイ素の分解による方法
(ii)ケイ砂を加熱還元した後、空気により酸化してケイ酸を得る方法
(2)含水ケイ酸の製造方法
ケイ酸ナトリウムと硫酸との反応により製造される。
(3)合成ケイ酸塩の製造方法
ケイ酸ナトリウムとカルシウム塩との反応によって合成される。
【0017】
これらのシリカの中で透明性の点から乾式シリカが好ましく、1次粒子径が20nm以下のものが更に好ましい。シリカ(C)の比表面積は、好ましくは100〜500m2/gである。シリカ(C)の配合量は、通常、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)とエチレン・極性モノマー共重合体(B)との合計量100重量部に対して、10〜100重量部、好ましくは20〜50重量部である。これらのシリカは、メルカプトシラン、アミノシラン、ヘキサメチルジシラザン、クロロシラン、アルコキシシラン等の反応性シラン又は低分子量のシロキサン等で表面処理されていてもよい。
【0018】
架橋剤(D)
本発明で用いられる架橋剤(D)としては、パーオキサイド又はイオウが好ましい。前記パーオキサイドとしては、ゴムの架橋の際に通常使用されている従来公知のパーオキサイドが使用することができ、具体的は、ジクミルペルオキシド、ジ−tert−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、1,3−ビス(tert−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1−ビス(tert−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(tert−ブチルペルオキシ)バレレート、ベンゾイルペルオキシド、p−クロロベンゾイルペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、tert−ブチルペルオキシベンゾエート、tert−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、ジアセチルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、tert−ブチルクミルペルオキシド等が挙げられる。これらのうち、ジクミルペルオキシド(DCP)が好ましい。
【0019】
このようなパーオキサイドは、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)とエチレン・極性モノマー共重合体(B)との合計量100重量部に対して、通常1〜30重量部、好ましくは2〜20重量部、更に好ましくは3〜18重量部の割合で用いられる。また、イオウ加硫においても良好な透明性を示す製品が得られる。
【0020】
軟化剤(E)
軟化剤としては、通常ゴムに使用される軟化剤を用いることができる。具体的には、プロセスオイル、潤滑油、パラフィン油、流動パラフィン、石油アスファルト、ワセリン等の石油系軟化剤;コールタール、コールタールピッチ等のコールタール系軟化剤;ヒマシ油、アマニ油、ナタネ油、大豆油、ヤシ油等の脂肪油系軟化剤;トール油;サブ(ファクチス);蜜ロウ、カルナウバロウ、ラノリン等のロウ類;リシノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛等の脂肪酸及び脂肪酸塩;ナフテン酸;パイン油、ロジン又はその誘導体;テルペン樹脂、石油樹脂、アタクチックポリプロピレン、クマロンインデン樹脂等の合成高分子物質;ジオクチルフタレート、ジオクチルアジペート、ジオクチルセバケート等のエステル系軟化剤;マイクロクリスタリンワックス、液状ポリブタジエン、変性液状ポリブタジエン、液状チオコール、炭化水素系合成潤滑油等が挙げられる。中でも石油系軟化剤、特にプロセスオイルが好ましく用いられる。これらの軟化剤の配合量は、加硫物の用途により適宜選択される。
【0021】
老化防止剤(F)
本発明の加硫ゴム組成物は、老化防止剤を使用しなくても優れた耐熱性、耐久性を示すが、老化防止剤を使用すれば、製品寿命を長くすることが可能である。前記老化防止剤としては、例えばアミン系、ヒンダードフェノール系又はイオウ系老化防止剤等が挙げられるが、これらの老化防止剤は、本発明の目的を損なわない範囲で用いられる。アミン系老化防止剤としては、ジフェニルアミン類、フェニレンジアミン類等が挙げられる。イオウ系老化防止剤としては、通常ゴムに使用されるイオウ系老化防止剤が用いられる。
【0022】
その他の成分
本発明の加硫ゴム組成物中には、意図する加硫物の用途等に応じて、前述した成分の他に、前記シリカ以外のゴム補強剤、無機充填剤、加工助剤、加硫助剤、加硫促進剤、発泡剤、発泡助剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、帯電防止剤、着色剤、滑剤、分散剤、難燃剤、増粘剤、脱泡剤及びその他のゴム用配合剤を、本発明の目的を損なわない範囲で配合することができる。
【0023】
前記ゴム補強剤は、加硫ゴムの引張強度、引き裂き強度、耐摩耗性等の機械的性質を高める効果がある。このようなゴム補強剤としては、具体的には、カーボンブラック(例えば、SRF、GPF、FEF、MAF、HAF、ISAF、SAF、FT、MT)、活性化炭酸カルシウム、微粉タルク等が挙げられる。これらはシランカップリング剤等により表面処理が施されていてもよい。これらのゴム補強剤の種類及び配合量は、その用途により適宜選択できる。
【0024】
前記無機充填剤としては、具体的には、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、タルク、クレー等が挙げられる。これらの無機充填剤の種類及び配合量は、その用途により適宜選択できる。
前記加工助剤としては、通常のゴムの加工に使用される加工助剤を使用することができる。具体的には、リノール酸、リシノール酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ラウリン酸等の高級脂肪酸;ステアリン酸バリウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸の塩;前記高級脂肪酸のエステル類等が挙げられる。このような加工助剤は、要求される物性値に応じて適宜最適量を決定することが望ましい。
【0025】
前記加硫助剤としては、具体的には、p−キノンジオキシム等のキノンジオキシム系化合物;ポリエチレングリコールジメタクリレート等のメタクリレート系化合物;ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等のアリル系化合物;マレイミド系化合物;ジビニルベンゼン等が挙げられる。このような加硫助剤は、使用するパーオキサイド1モルに対して0.1〜2モル、好ましくは約等モルの量で用いられる。
【0026】
本発明のゴム組成物には、加硫促進剤として炭酸亜鉛等を使用できるが、炭酸亜鉛を加硫促進剤として用いる場合には、エチレン・α−オレフィン非共役ポリエン共重合体ゴム(A)とエチレン・極性モノマー共重合体(B)との合計量100重量部に対して、通常2重量部以上10重量部未満の量で用いられる。
【0027】
また、本発明のゴム組成物中には、本発明の目的を損なわない範囲で、他のゴムをブレンドして用いることができる。このような他のゴムとしては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)等のイソプレン系ゴム、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)等の共役ジエン系ゴムを挙げることができる。
更に、従来公知のエチレン・α−オレフィン系共重合体ゴムを用いることもでき、例えばエチレン・プロピレンランダム共重合体(EPR)、前記エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)以外のエチレン・α−オレフィン・ポリエン共重合体(例えばEPDM等)を用いることができる。
【0028】
ゴム組成物の調製
本発明の加硫ゴム組成物は、例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、インターミックスのようなミキサー類によりエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)、エチレン・極性モノマー共重合体(B)、シリカ(C)、軟化剤(E)等の添加剤を80〜170℃の温度で約3〜10分間混練した後、オープンロールのようなロール類を使用して、架橋剤(D)、必要に応じて、加硫促進剤、加硫助剤、発泡剤、発泡助剤を混合し、ロール温度40〜50℃で5〜30分間混練した後、分出しすることにより調製することができる。
【0029】
前記のようにして調製されたゴム組成物は、ゴム用押出機により意図する形状とした後、加硫槽内に導入し、140〜270℃の温度で1〜30分間加熱することにより、加硫することができる。加硫の工程は、好ましくは連続的に実施される。加硫槽における加熱方法としては、熱空気加硫槽(HAV)、溶融塩槽(LCM)、ガラスビーズ流動床、マイクロ波加硫装置(UHF)、スチーム等の加熱手段を用いることができる。
【0030】
本発明の加硫ゴム組成物は、透明性及び機械的特性に優れており、ケーブルジョイント、半導体向けシール材、絶縁シート等の電気・絶縁部品、工業用ホース、床材、タイル、保護カバー又はシューズのクッション材等の工業部品などの各種ゴム製品として用いられる。
【0031】
【実施例】
以下、実施例及び比較例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
なお、実施例、比較例における試験方法は、以下のとおりである。
(1)ムーニー粘度ML(1+4)100℃
JIS K6300に準じて測定した。
(2)引張試験
JIS K6251に従って、測定温度23℃、引張速度500mm/分の条件で引張試験を行い、コンパウンドを150トンプレス機で170℃×15分の条件により加硫ゴムシート(厚さ2mm)を得た。破断時の強度TB と伸びEB を測定した。
(3)HA(製品硬さ)
JIS K6253に従って測定した。得られた加硫ゴムシート(厚さ2mm)を重ねて12mmとし、デュロメーターAで製品硬さを求めた。
(4)ヘーズ値(曇価)
JIS K7105に準じて測定した。試験片の厚さは2mmとした。
(5)全光線透過率
JIS K7105に準じて測定した。試験片の厚さは2mmとした。
【0032】
共重合体ゴムとしては、以下に示すEPT−1、EPT−2を用いた。
EPT−1:エチレン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネンランダム共重合体ゴム、エチレン/プロピレンのモル比=68/32、ヨウ素価=22、ムーニー粘度ML(1+4)100℃=69
EPT−2:エチレン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネンランダム共重合体ゴム(エチレン/プロピレンのモル比=79/21、ヨウ素価=11、ムーニー粘度ML(1+4)100℃=64)に予め油展してあるポリマー、油展量:EPT100重量部に対して20重量部
エチレン・酢酸ビニル共重合体としては、以下に示すEVA−1、EVA−2、EVA−3を用いた。
EVA−1:酢酸ビニル含量33重量%、密度960kg/m3、MFR30g/10分、アッペ屈折計による屈折率1.481、融点61℃。
EVA−2:酢酸ビニル含量28重量%、密度950kg/m3、MFR15g/10分、アッペ屈折計による屈折率1.486、融点71℃。
EVA−3:酢酸ビニル含量14重量%、密度930kg/m3、MFR15g/10分、アッペ屈折計による屈折率1.498、融点89℃。
シリカ−1;乾式シリカ(ワッカー社製)、1次粒子径14nm、比表面積200m2/g
シリカ−2;乾式シリカ(ワッカー社製)、1次粒子径9nm、比表面積300m2/g
シリカ−3;乾式シリカ(ワッカー社製)、1次粒子径7nm、比表面積400m2/g
シリカ−4;湿式シリカ(日本シリカ(株)製)、1次粒子径16nm、比表面積190m2/g
【0033】
(実施例1〜4、比較例2,3)
エチレン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体ゴム60重量部、エチレン・酢酸ビニル共重合体40重量部、シリカ25重量部、シランカップリング剤(日本ユニカー(株)製カップリング剤、商品名:A−172)0.5重量部、軟化剤(出光興産(株)製パラフィン系プロセスオイル、商品名:ダイアナプロセスPW−380)27重量部及び老化防止剤(大内新興化学工業(株)製、商品名:ノクラック200)1.0重量部を、容量2.95リットルのバンバリーミキサー((株)神戸製鋼所)を用いて、150℃で5分間混練りした。
【0034】
(実施例5)
エチレン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体ゴム60重量部、エチレン・酢酸ビニル共重合体40重量部、シリカ25重量部、軟化剤(出光興産(株)製パラフィン系プロセスオイル、商品名:ダイアナプロセスPW−380)27重量部及び老化防止剤(大内新興化学工業(株)製、商品名:ノクラック200)1.0重量部を、容量2.95リットルのバンバリーミキサー((株)神戸製鋼所)を用いて、150℃で5分間混練りした。
【0035】
(実施例6)
エチレン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体ゴム72重量部、エチレン・酢酸ビニル共重合体40重量部、シリカ25重量部、シランカップリング剤(日本ユニカー(株)製カップリング剤、商品名:A−172)0.5重量部、軟化剤(出光興産(株)製パラフィン系プロセスオイル、商品名:ダイアナプロセスPW−380)15重量部及び老化防止剤(大内新興化学工業(株)製、商品名:ノクラック200)1.0重量部を、容量2.95リットルのバンバリーミキサー((株)神戸製鋼所)を用いて、150℃で5分間混練りした。
【0036】
(比較例1)
エチレン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体ゴム100重量部、シランカップリング剤(日本ユニカー(株)製カップリング剤、商品名:A−172)0.5重量部及び老化防止剤(大内新興化学工業(株)製、商品名:ノクラック200)1.0重量部を、容量2.95リットルのバンバリーミキサー((株)神戸製鋼所)を用いて、150℃で5分間混練りした。
【0037】
(実施例1〜6、比較例1、3:加硫工程)
前記のコンパウンドに対して、8インチオープンロール(日豊工機(株)、ロール温度75℃)で架橋剤(化薬アクゾ(株)製ジクミルペルオキシド、商品名:カヤクミルD)を10分間混練りし、ゴム組成物を調製した。次いで、このゴム配合物を170℃−15分プレスの条件で加硫させた。
【0038】
(比較例2:加硫工程)
ゴム組成を表1に示す処方に変え、またロール温度を95℃に変えた以外は実施例1と同様の操作によりゴム組成物を調製した。
実施例及び比較例で用いた成分及び結果を表1に示す。
【0039】
【表1】
Figure 0003905698
*1:170℃−15分プレス加硫物
*2:JIS K7105
【0040】
【発明の効果】
本発明によれば、透明性及び機械的特性に優れた加硫ゴム組成物及び該組成物からなるゴム製品を提供することができる。

Claims (5)

  1. エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)、屈折率が1.470〜1.490であるエチレン・極性モノマー共重合体(B)及び乾式法により製造されたシリカ(C)を含有する組成物を加硫してなる加硫ゴム組成物であって、加硫ゴムシートのヘーズ値(厚さ2mm)が20%以下であり、全光線透過率(厚さ2mm)が70%以上であり、かつ引張強度が9MPa以上であることを特徴とする加硫ゴム組成物。
  2. エチレン・極性モノマー共重合体(B)の極性モノマーが酢酸ビニル、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸又はメタクリル酸エステルである請求項記載の加硫ゴム組成物。
  3. 請求項1又は2記載の加硫ゴム組成物からなるゴム製品。
  4. 電気・絶縁部品又は工業部品である請求項記載のゴム製品。
  5. ケーブルジョイント、半導体向けシール材、絶縁シート、工業用ホース、床材、タイル、保護カバー又はシューズのクッション材である請求項記載のゴム製品。
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