JP3911707B2 - シール用パッキン - Google Patents

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    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高温状態でシール性能が低下するシール用パッキン、特に電池用のシール用パッキンとして好適に利用できるシール用パッキンに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、シール用パッキンとしては、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合ゴムを用いたものが知られており、家電用、自動車用、建材用等のシール材として多用されている。これらはシール性能、耐候性、耐熱老化性に優れ、寿命の長いシール材として好適に使用されている。従来のシール用パッキンは、あらゆる条件下においてもシール性能に優れることが最大の技術テーマであった。
【0003】
ところがこのようなシール用パッキンを、例えば充電式の乾電池のパッキンとして用いると、高温状態でもシール性能が維持されるため、内圧が上昇しやすい。このような高温下で内圧が上昇する系で使用するパッキンは、低温状態ではシール性能に優れることが必要であるが、高温状態ではシール性能が低下し、これにより内圧を低下させて爆発を防止する必要がある。しかし従来の技術では、常温でシール性能の優れるものは高温でも優れ、高温でシール性能の劣るものは常温でも劣るというのが実状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、常温付近の低温状態ではシール性能に優れ、しかも高温状態ではシール性能が低下するシール用パッキンを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は次のシール用パッキンである。
(1)常温付近の低温状態ではシール性能に優れ、高温状態ではシール性能が低下するシール用パッキンであって、
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合ゴム(A)100重量部に対して、ビカット軟化点が130℃以上の結晶性熱可塑性オレフィン系樹脂(B)5ないし50重量部を含み、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合ゴム(A)中に結晶性熱可塑性オレフィン系樹脂(B)粒子が分散しており、しかも結晶性熱可塑性オレフィン系樹脂(B)粒子の平均分散粒子径が10μm以下であるゴム組成物よりなり、
60℃、22時間の圧縮永久歪が20%以下であり、かつこの圧縮永久歪に対する160℃、22時間の圧縮永久歪の比が2以上であることを特徴とするシール用パッキン。
(2) エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合ゴム(A)は、エチレン/α−オレフィンのモル比が60/40ないし85/15、α−オレフィンの炭素数が3ないし20、135℃デカリン中で測定した極限粘度〔η〕が0.8〜4dl/gであることを特徴とする上記(1)記載のシール用パッキン。
(3) 結晶性熱可塑性オレフィン系樹脂(B)が、結晶性熱可塑性ポリプロピレン、またはプロピレンと1種以上の炭素数2ないし12のα−オレフィンとの結晶性熱可塑性共重合体であって、α−オレフィン単位を共重合体基準で40モル%以下含有する結晶性熱可塑性プロピレン・α−オレフィン共重合体であることを特徴とする上記(1)または(2)記載のシール用パッキン。
【0006】
本発明において、60℃、22時間の圧縮永久歪は、JIS K 6301に従って60℃、22時間の条件で測定した圧縮永久歪(以下、CS(60℃、22h)と記す)である。また160℃、22時間の圧縮永久歪はJIS K 6301に従って160℃、22時間の条件で測定した圧縮永久歪(以下、CS(160℃、22h)と記す)である。
【0007】
本発明に使用されるエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合ゴム(A)は、エチレン、α−オレフィンおよび非共役ポリエンがランダムに共重合したポリマーである。
【0008】
上記α−オレフィンとしては、例えばプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−ペンテン−1、1−オクテン、1−デセンなどの炭素数3ないし20のα−オレフィンが例示できる。これらの中ではプロピレン、1−ブテン、4−メチル−ペンテン−1、ヘキセン、オクテンが好ましい。
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合ゴム(A)としては、エチレン/α−オレフィンのモル比が60/40ないし85/15、好ましくは65/35ないし80/20の共重合ゴムを使用するのが好ましい。
【0009】
前記非共役ポリエンとしては、環状または鎖状の非共役ポリエンが用いられる。環状非共役ポリエンとしては、例えば5−エチリデン−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、5−ビニル−2−ノルボルネン、ノルボルナジエン、メチルテトラヒドロインデンなどが例示される。鎖状の非共役ポリエンとしては、例えば1,4−ヘキサジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、8−メチル−4−エチリデン−1,7−ノナジエン、4−エチリデン−1,7−ウンデカジエンなどが例示できる。これらは単独または混合して用いられる。
【0010】
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合ゴム(A)としては、非共役ポリエンの共重合量がヨウ素価表示で1ないし40、好ましくは2ないし35、さらに好ましくは3ないし30の共重合ゴムを使用するのが好ましい。
またエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合ゴム(A)としては、135℃デカリン中で測定した極限粘度〔η〕が0.8ないし4dl/g、好ましくは1〜3.5dl/gの共重合ゴムを使用するのが好ましい。
【0011】
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合ゴム(A)は、ポリマー製造プロセス(工業調査会刊)などに示されるような公知の方法により製造される。
【0012】
本発明のシール用パッキンの素材となるゴム組成物は、前記エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合ゴム(A)の他に結晶性熱可塑性オレフィン系樹脂(B)を含んでいるものが好ましい。上記結晶性熱可塑性オレフィン系樹脂(B)としては、ビカット軟化点が130℃以上、好ましくは140℃以上の結晶性の熱可塑性オレフィン系樹脂が望ましい。
【0013】
このような結晶性熱可塑性オレフィン系樹脂(B)としては、例えばα−オレフィンの単独重合体、またはα−オレフィンのランダムもしくはブロック共重合体などが例示できる。ランダム共重合体にあって、少ない方のα−オレフィン単位が通常40モル%以下、好ましくは30%以下含まれているものが良い。α−オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセンなどの炭素数2〜12のα−オレフィンが例示できる。
【0014】
結晶性熱可塑性ポリオレフィン系樹脂(B)としては、結晶性熱可塑性ポリプロピレンまたは結晶性熱可塑性プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体が好ましく、後者の場合プロピレンと、1種以上の炭素数2ないし12のα−オレフィン(ただしプロピレンを除く)との結晶性熱可塑性共重合体であって、α−オレフィン単位を共重合体基準で40モル%以下含有するものが好ましい。
【0015】
前記エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合ゴム(A)および結晶性熱可塑性オレフィン系樹脂(B)の配合量は、(A)成分100重量部に対して(B)成分5ないし50重量部、好ましくは5ないし40重量部、さらに好ましくは5ないし30重量部とするのが望ましい。
【0016】
結晶性熱可塑性オレフィン系樹脂(B)の配合量が上記範囲にある場合、シール性能の温度依存性バランスのとれたシール用パッキンが容易に得られる。
【0017】
上記ゴム組成物は、前記結晶性熱可塑性オレフィン系樹脂(B)がエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合ゴム(A)中に均一に分散しており、しかも組成物中に分散している結晶性熱可塑性オレフィン系樹脂(B)の平均粒子径が10μm以下、好ましくは5μm以下のゴム組成物であるのが望ましい。なお本明細書では、分散している粒子の平均粒子径を平均分散粒子径という。
【0018】
結晶性熱可塑性オレフィン系樹脂(B)の平均分散粒子径が上記範囲にある場合、流動性のよいゴム組成物が得られ、このためロールによる加硫剤等の添加が容易に行われるなど作業性が向上する。また常温での強度に優れたシール用パッキンが得られる。
【0019】
結晶性熱可塑性オレフィン系樹脂(B)を前記平均分散粒子径で分散させるには、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合ゴム(A)および結晶性熱可塑性オレフィン系樹脂(B)の配合物を溶融状態にして、せん断を与えることにより達成できる。例えば(B)成分が結晶性熱可塑性ポリプロピレンの場合、200℃の温度条件で、二軸押出機中で比エネルギー0.01kW・hr/kg以上、好ましくは0.02kW・hr/kg以上を与えれば良い。
【0020】
本発明で使用するゴム組成物には、意図するシール用パッキンの性能に応じて、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合ゴム(A)および結晶性熱可塑性オレフィン系樹脂(B)に加えて、それ自体公知の配合剤、例えば補強剤、充填剤、軟化剤、加硫剤、加硫促進剤、加硫助剤、加工助剤、顔料、老化防止剤など、通常ゴムの製造に使用される添加剤を適宜配合することができる。
【0021】
上記補強剤としては、例えばSRF、GPF、FEF、MAF、ISAF、SAF、FT、MTなどの各種カーボンブラック、微粉けい酸などがあげられる。
前記充填剤としては、例えば軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、タルク、クレーなどがあげられる。
【0022】
これらの補強剤または充填剤の配合量は、所望の製品により適宜選択されるが、いずれもエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合ゴム(A)100重量部に対して、通常200重量部以下、好ましくは150重量部以下とするのが望ましい。
【0023】
前記軟化剤としては、通常ゴムに用いられる軟化剤を配合することができ、例えばプロセスオイル、潤滑油、パラフィン、流動パラフィン、石油アスファルト、ワセリンなどの石油系物質;コールタール、コールタールピッチなどのコールタール類;ヒマシ油、ナタネ油、大豆油、ヤシ油などの脂肪油;トール油、蜜ロウ、カルナウバロウ、ラノリンなどのロウ類;リシノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウムなどの脂肪酸、またはその金属塩;ナフテン酸またはその金属石鹸;パイン油、ロジンまたはその誘導体;テルペン樹脂、石油樹脂、クマロンインデン樹脂、アタクチックポリプロピレン;ジオクチルフタレート、ジオクチルアジペート、ジオクチルセバケートなどのエステル系可塑剤;ジイソドデシルカーボネートなどの炭酸エステル系可塑剤;その他マイクロクリスタリンワックス、サブ(ファクチス)、液状ポリブタジエン、変性液状ポリブタジエン、液状チオコール、炭化水素系合成潤滑油などをあげることができる。
【0024】
これらの軟化剤の配合量は、所望の製品により適宜選択されるが、いずれもエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合ゴム(A)100重量部に対して、通常100重量部以下、好ましくは70重量部以下とするのが望ましい。
【0025】
前記加硫剤としては、イオウ系化合物および有機過酸化物などをあげることができる。イオウ系化合物としては、イオウ、塩化イオウ、二塩化イオウ、モルフォリンジスルフィド、アルキルフェノールジスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、ジチオカルバミン酸セレンなどを例示できる。これらの中ではイオウが好ましい。イオウ系化合物の使用量は、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合ゴム(A)100重量部に対して、通常0.1ないし10重量部、好ましくは0.5ないし5重量部とするのが望ましい。
【0026】
上記有機過酸化物としてはジクミルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(第三ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(第三ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、ジ第三ブチルペルオキシド、ジ第三ブチルペルオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、第三ジブチルヒドロペルオキシドなどを例示できる。これらの中ではジクミルペルオキシド、ジ第三ブチルペルオキシド、ジ第三ブチルペルオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンが好ましい。
【0027】
有機過酸化物の使用量は、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合ゴム(A)100gに対して、通常1×10-3〜5×10-2モル、好ましくは3×10-3〜3×10-2モルとするのが望ましい。
【0028】
加硫剤としてイオウ系化合物を使用する場合には、加硫促進剤の併用が好ましい。加硫促進剤としては、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N,N′−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−(2,4−ジニトロフェニル)メルカプトベンゾチアゾール、2−(2,6−ジエチル−4−モルフォリノチオ)ベンゾチアゾール、ジベンゾチアジル−ジスルフィドなどのチアゾール系;ジフェニルグアニジン、トリフェニルグアニジン、ジオルソトリルグアニジンなどのグアニジン系;アセトアルデヒド−アニリン縮合物、ブチルアルデヒド−アニリン縮合物などのアルデヒドアミン系;2−メルカプトイミダゾリンなどのイミダゾリン系;ジエチルチオウレア、ジブチルチオウレアなどのチオウレア系;テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィドなどのチウラム系;ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸テルルなどのジチオ酸塩系;ジブチルキサントゲン酸亜鉛などのザンテート系;その他亜鉛華などをあげることができる。
【0029】
これらの加硫促進剤の使用量は、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合ゴム(A)100重量部に対して0.1ないし20重量部、好ましくは0.2ないし10重量部とするのが望ましい。
【0030】
加硫剤として有機過酸化物を使用するときは、加硫助剤の併用が好ましい。加硫助剤としては硫黄;P−キノンジオキシムなどのキノンジオキシム系;エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレートなどのアクリル系;ジアリルフタレート、トリアリルイソシアヌレートなどのアリル系;その他マレイミド系、ジビニルベンゼンなどがあげられる。
加硫助剤の使用量は、使用する有機過酸化物1モルに対して0.5ないし2モル、好ましくは均等モルとするのが望ましい。
【0031】
前記加工助剤としては、通常のゴムの加工に使用されるものが使用でき、リシノール酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、上記酸のエステル類など、高級脂肪酸、その塩およびそのエステル類などを例示できる。これらの加工助剤の使用量は通常の場合には、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合ゴム(A)100重量部に対して、約10重量部まで、好ましくは約1〜5重量部とするのが望ましい。
【0032】
さらに、製品によっては顔料が使用される。顔料としては公知の無機顔料(例えばチタンホワイト)、有機顔料(例えばナフトールグリーンB)が使用される。これらの顔料の配合量は、製品により異なるが、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合ゴム(A)100重量部に対して20重量部以下、好ましくは10重量部以下とするのが望ましい。
【0033】
本発明のシール用パッキンは、老化防止剤を使用しなくても優れた耐熱性、耐久性を示すが、なお老化防止剤を使用すれば、製品寿命を長くすることが可能であることも通常のゴムにおける場合と同様である。この場合に使用される老化防止剤としては、例えばフェニルブチルアミン、N,N′−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミンなどの芳香族第二アミン系;ジブチルヒドロキシトルエン、テトラキス〔メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ)ヒドロシンナメート〕メタンなどのフェノール系安定剤;ビス〔2−メチル−4−(3−n−アルキルチオプロピオニルオキシ)−5−t−ブチルフェニル〕スルフィドなどのチオエーテル系安定剤;ジブチルジチオカルバミン酸ニッケルなどのジチオカルバミン酸塩系安定剤などがあげられる。これらは単独あるいは2種以上の併用で配合される。このような老化防止剤の配合量は、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合ゴム(A)100重量部に対して、通常0.1〜5重量部、好ましくは0.5〜3重量部とするのが望ましい。
【0034】
本発明のシール用パッキンは、前記エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合ゴム(A)を含むゴム組成物よりなり、CS(60℃、22h)が20%以下であり、かつCS(60℃、22h)に対するCS(160℃、22h)の比、すなわちCS(160℃、22h)/CS(60℃、22h)の値が2以上、好ましくは2.5以上のシール用パッキンである。
【0035】
本発明のシール用パッキンは、例えば次のような方法で調製することができる。
まずエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合ゴム(A)および結晶性熱可塑性オレフィン系樹脂(B)を、例えば二軸押出機により200〜250℃で、溶融状態で20秒間〜4分間混合・混練し、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合ゴム(A)中に結晶性熱可塑性オレフィン系樹脂(B)を均一に、かつ前記平均分散粒子径で分散させる。このようにエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合ゴム(A)中に結晶性熱可塑性オレフィン系樹脂(B)を前記平均分散粒子径で分散させるには、分散に必要な強いせん断力を与えることが可能な二軸押出機などの多軸押出機を使用するのが好ましい。
【0036】
次に上記のようにして得た混練物と補強剤、充填剤、軟化剤、顔料などの添加剤をバンバリーミキサーなどのミキサー類を用いて約80℃〜170℃の温度で約3〜10分間混練する。次に、加硫剤、加硫助剤などの添加剤をオープンロールなどのロール類を用いて追加混合し、ロール温度約40℃〜80℃で約3〜30分間混練して部出しし、ゴム組成物からなるリボン状またはシート状の未加硫ゴム配合物を調製する。
【0037】
このようにして調製した未加硫ゴム配合物を、押出物、カレンダーロール、プレス、射出成形機、トランスファー成形機などにより所望の形状に成形し、成形と同時にまたはその成形品を加硫槽内で、通常約150〜270℃で約1〜30分間加熱し、加硫する。上記加硫槽としては、スチール加硫缶、熱空気加硫槽、ガラスビーズ流動床、溶融塩加硫槽、マイクロ波槽などが使用でき、これらを単独、あるいは組合わせて使用する。
【0038】
このようにして得られる本発明のシール用パッキンは、常温付近の低温状態ではシール性能に優れ、高温状態、例えば120℃以上、特に160℃以上の状態ではシール性能が低下する。このため本発明のシール用パッキンは充電式乾電池等の電池用のパッキンのように高温状態で内圧が上昇する系で使用するシール用パッキンとして好適に使用できる。この場合、通常の使用状態では優れたシール性能が発揮されるが、何らかの理由で異常な高温状態になるとシール性能が低下するため、内圧が下がり、このため爆発が防止される。
【0039】
本発明のシール用パッキンが低温状態ではシール性能に優れ、高温状態ではシール性能が低下する理由は明確ではないが、結晶性熱可塑性オレフィン系樹脂(B)が低温状態では充填剤として機能し、高温状態では流動体として機能するためであると推定される。
【0040】
【発明の効果】
本発明のシール用パッキンは、特定のエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合ゴム(A)中に特定の結晶性熱可塑性オレフィン系樹脂(B)粒子が分散したゴム組成物よりなり、かつ特定の圧縮永久歪を有しているので、常温付近の低温状態ではシール性能に優れ、高温状態ではシール性能が低下する。このため本発明のシール用パッキンを用いてシールした製品は、常温付近の低温状態では優れたシール性能が発揮されているが、異常な高温状態になるとシール性能が低下して爆発が防止される。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1
まず表1に示す配合剤を二軸押出機(東芝機械(株)製:50φ二軸押出機、L/D=45)により設定温度230℃、スクリュー回転数200rpmで、溶融状態で混合・混練し、配合物−A1を得た。混合・混練時の比エネルギーは0.07kW・h/kgであった。
【0042】
【表1】
Figure 0003911707
【0043】
上記配合物−A1の切片をルテニウム酸で染色し、走査型電子顕微鏡(日本電子(株)製:T330A、商標)で、10,000倍の写真を撮り、画像解析装置((株)ピアス製:LA−500、商標)で写真中の結晶性熱可塑性ポリプロピレン粒子の平均粒子径を求めたところ、0.8μmであった。
【0044】
次に上記配合物−A1を含むゴム組成物を、表2に示す配合処方により14インチオープンロール(日本ロール(株)製)で5分間混練し、配合物−B1を得た。このときロール表面温度は、前ロール50℃、後ロール60℃であった。
【0045】
【表2】
Figure 0003911707
【0046】
次に、上記配合物−B1を含むゴム組成物を、14インチオープンロール(日本ロール(株)製)に巻付け、このオープンロール上で表3に示す配合処方になるように配合剤を添加し、3分間混練したのち、厚さ3mmでシート出しした。このときロール表面温度は、前ロール50℃、後ロール60℃であった。
【0047】
【表3】
Figure 0003911707
【0048】
上記配合物をプレス成形機(コータキ精機(株)製)、型温度180℃で8分間加熱し、2mm厚の加硫シートを得て、硬さ、強度特性および弾性率の温度依存性の測定に供した。
また型温度180℃で15分間加熱し、厚さ12.7mm、直径29mmの円柱ブロックを得て、圧縮永久歪を測定した。結果を表10に示す。なお、測定方法は下記の通りである。
【0049】
〔硬さ〕
JIS K 6301に従って測定した。
〔強度特性〕
JIS K 6301に従い、測定温度25℃、引張速度500mm/分の条件で引張試験を行い、引張破断点応力TBおよび引張破断点伸びEBを測定した。
【0050】
〔弾性率の温度依存性〕
動的粘弾性試験装置(レオメトリックス)を用いて、周波数は10Hz、歪は1%でE′(貯蔵弾性率)の温度分散を測定し、160℃と60℃との比を取った。
〔圧縮永久歪〕
JIS K 6301に従い、60℃、22時間または160℃、22時間の条件で測定した。
【0051】
比較例1
実施例1において、結晶性熱可塑性ポリプロピレンの混合を行わず、EPTゴムを単独で用い、表2、表3の配合を、硬さを調節するためそれぞれ表4、表5のように変更し、表4により調製された配合物−B2とした以外は実施例1と同様に行った。結果を表10に示す。
【0052】
【表4】
Figure 0003911707
【0053】
【表5】
Figure 0003911707
【0054】
実施例2
実施例1において、結晶性熱可塑性ポリプロピレンの配合量を20重量部から10重量部に変更し、配合物−A3を得た。混練・混合時の比エネルギーは0.08kW・h/kgであった。また表2、表3をそれぞれ表6、表7のように変更し、表6から得られた配合物−B3とした以外は実施例1と同様に行った。結果を表10に示す。
【0055】
【表6】
Figure 0003911707
【0056】
【表7】
Figure 0003911707
【0057】
実施例3
実施例1において、結晶性熱可塑性ポリプロピレンの配合量を20重量部から30重量部に変更し、配合物−A4を得た。混練・混合時の比エネルギーは0.06kW・h/kgであった。また表2、表3をそれぞれ表8、表9のように変更し、表8から得られた配合物−B4として以外は実施例1と同様に行った。結果を表10に示す。
【0058】
【表8】
Figure 0003911707
【0059】
【表9】
Figure 0003911707
【0060】
比較例2
実施例1において、EPTゴムおよび結晶性熱可塑性ポリプロピレンの混合を1.7 literバンバリーミキサー(神戸製鋼(株)製:BR、商標)で6kg/cm2ステームを流しながら3分間混練・混合を行った。混練温度は150℃、比エネルギーは0.009kW・h/kgであった。その他は実施例1と同様にして行った。結果を表11に示す。
【0061】
比較例3
実施例1において、EPTゴムおよび結晶性熱可塑性ポリプロピレンの混合を1.7 literバンバリーミキサー(神戸製鋼(株)製:BR、商標)で6kg/cm2ステームを流しながら1分間混練・混合を行った。混練温度は130℃、比エネルギーは0.004kW・h/kgであった。混練物は、ロール巻付きが不可能であり、以降の作業ができなかった。
【0062】
比較例4
実施例1において、結晶性熱可塑性ポリプロピレンの配合量を20重量部から100重量部に変更した。混練物は、非常に硬く、以降の作業ができなかった。
【0063】
比較例5
実施例1において、結晶性熱可塑性ポリプロピレンの代わりに結晶性熱可塑性ポリエチレン(ビカット軟化点=114℃)を用いた以外は実施例1と同様に行った。混合・混練時の比エネルギーは0.08kW・h/kgであった。結果を表11に示す。
【0064】
【表10】
Figure 0003911707
【0065】
【表11】
Figure 0003911707
【0066】
表10および表11から、EPTゴム100重量部中にビカット軟化点が130℃以上の結晶性熱可塑性オレフィン系樹脂を5〜50重量部配合し、10μm以下の平均分散粒子径となるように分散させた実施例1〜3のゴム組成物は、圧縮永久歪の比が2以上であるため、高温でシール性能が低下し、かつ60℃、22時間の圧縮永久歪が20%以下であるため、常温付近の低温でのシール性に優れていることがわかる。

Claims (3)

  1. 常温付近の低温状態ではシール性能に優れ、高温状態ではシール性能が低下するシール用パッキンであって、
    エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合ゴム(A)100重量部に対して、ビカット軟化点が130℃以上の結晶性熱可塑性オレフィン系樹脂(B)5ないし50重量部を含み、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合ゴム(A)中に結晶性熱可塑性オレフィン系樹脂(B)粒子が分散しており、しかも結晶性熱可塑性オレフィン系樹脂(B)粒子の平均分散粒子径が10μm以下であるゴム組成物よりなり
    60℃、22時間の圧縮永久歪が20%以下であり、かつこの圧縮永久歪に対する160℃、22時間の圧縮永久歪の比が2以上であることを特徴とするシール用パッキン。
  2. エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合ゴム(A)は、エチレン/α−オレフィンのモル比が60/40ないし85/15、α−オレフィンの炭素数が3ないし20、135℃デカリン中で測定した極限粘度〔η〕が0.8〜4dl/gであることを特徴とする請求項記載のシール用パッキン。
  3. 結晶性熱可塑性オレフィン系樹脂(B)が、結晶性熱可塑性ポリプロピレン、またはプロピレンと1種以上の炭素数2ないし12のα−オレフィンとの結晶性熱可塑性共重合体であって、α−オレフィン単位を共重合体基準で40モル%以下含有する結晶性熱可塑性プロピレン・α−オレフィン共重合体であることを特徴とする請求項1または2記載のシール用パッキン。
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