JP3209068B2 - エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合ゴム組成物 - Google Patents
エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合ゴム組成物Info
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Description
保持性、圧縮応力緩和保持率、圧縮永久歪等に優れ、自
動車用シール材を含む幅広い用途、特にスポンジゴム用
に好適なエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重
合ゴム組成物に関する。
ン共重合ゴムは、耐熱性、耐オゾン性、耐候性等に優れ
ており、該共重合ゴムを架橋・発泡させたスポンジゴム
として、特に自動車のドアシール、ルーフサイドレー
ル、トランクシール等のシール材等として広く利用され
ているが、自動車の高性能化に伴い、エチレン−α−オ
レフィン−非共役ジエン共重合ゴムからなるスポンジゴ
ムの性能には、高いレベルが要求されている。例えば、
自動車のドアを閉めた場合、シール材が長時間圧縮状態
に置かれることになることから、圧縮による“へたり”
(一般に圧縮永久歪を指標として表される。)の小さい
ことが重要とされており、そのため共重合ゴムの架橋度
を高めることも必要である。また、近年自動車用シール
材の断面形状が複雑化していることから、スポンジゴム
を通常の連続架橋法によって製造する際に、架橋・発泡
の完了前に自重により変形するという型崩れが発生し、
所期の形状が保持できないという問題も生じるため、型
崩れの指標である形状保持性の優れたスポンジゴムが求
められている。しかも、スポンジゴムの付加価値を高め
るため表面性状にも厳しい条件が課せられており、さら
には生産性を高めるため、混練加工性、ロール加工性、
押出加工性等の加工性に優れていることも必要であり、
特に加工時の剪断歪と熱履歴によるゲルを生成し難いこ
とが重要である。そこで、これらの要件を解決すべく、
エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合ゴムを
含有するゴム組成物において、低分子量成分共重合体と
高分子量成分共重合体とを組合せる試みが数多くなされ
ている。しかしながら、このようなゴム組成物において
は、該組成物およびそれから得られるスポンジゴムの諸
特性に重大な影響を与える因子数が多く、しかもこれら
の因子が複雑に相関しているため、適切な因子を選択
し、組合せることが極めて困難であるのが実状である。
例えば、特開昭63−37149号公報には、低分子量
成分共重合体のエチレン含量が約30〜80重量%、ジ
エン含量が約1.5〜約10重量%であり、高分子量成
分共重合体のエチレン含量が約45〜90重量%、ジエ
ン含量が0〜約5重量%であり、かつ低分子量成分共重
合体と高分子量成分共重合体とのジエン含量比が2/1
以上であるゴム組成物が開示されているが、該ゴム組成
物では、低分子量成分共重合体のジエン含量が低いた
め、高架橋度を達成することができず、かつ圧縮永久歪
も不十分である。さらに、特開平4−80245号公報
には、エチレン/α−オレフィン重量比が73/27〜
40/60、よう素価が10〜36、低分子量成分共重
合体と高分子量成分共重合体とのよう素価比が1.1/
1〜4/1、ム−ニ−粘度(ML1+4,121℃)が50
〜100のゴム組成物が、また特開平3−146531
号公報には、共重合ゴムAと共重合ゴムBとからなり、
共重合ゴムAは、エチレン/α−オレフィン重量比が7
3/27〜40/60、よう素価が8〜33、およびム
−ニ−粘度(ML1+4,121℃)が130〜195であ
り、共重合ゴムBは、エチレン/α−オレフィン重量比
が73/27〜40/60、よう素価が10〜36、お
よびム−ニ−粘度(ML1+4,121℃)が20〜55で
あるゴム組成物が開示されている。しかしながら、これ
らのゴム組成物も、低分子量成分共重合体のよう素価が
低いため、十分な架橋度が得られず、圧縮永久歪も大き
く、しかも低分子量成分共重合体と高分子量成分共重合
体とのよう素価比が小さいため、加工時にゲル化しやす
いという問題がある。即ち、従来のゴム組成物では、他
の諸特性を損なうことなく、加工時の“ゲル”生成の抑
制と、架橋度および圧縮永久歪の改善とを同時に満足す
ることは不可能である。
加工性に優れ、形状保持性が良好で、圧縮応力緩和保持
率が高く、ゲル化時間が長い特性を有し、かつスポンジ
比重が低く、圧縮永久歪が小さく、スポンジ表面肌も良
好なスポンジゴムをもたらしうるエチレン−α−オレフ
ィン−非共役ジエン共重合ゴム組成物を提供することに
ある。
共重合体および高分子量成分共重合体を含有し、低分子
量成分共重合体は、ム−ニ−粘度(ML1+4,100℃)
が10〜150、α−オレフィン含量がエチレンとα−
オレフインとの合計量に対して30〜60重量%および
よう素価が37〜65であるエチレン−α−オレフィン
−非共役ジエン共重合体からなり、高分子量成分共重合
体は、ム−ニ−粘度(ML1+4,100℃)が100〜5
00、α−オレフィン含量がエチレンとα−オレフイン
との合計量に対して15〜50重量%およびよう素価が
3〜15であるエチレン−α−オレフィン−非共役ジエ
ン共重合体からなり、かつ低分子量成分共重合体と高分
子量成分共重合体とのよう素価比が4/1以上であるエ
チレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合ゴム組成
物、を要旨とする。
合ゴム組成物(以下、「共重合ゴム組成物」という。)
は、低分子量成分共重合体および高分子量成分共重合体
をなす2種のエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン
共重合体(以下、「共重合ゴム」という。)を含有する
ものである。共重合ゴムにおいて、α−オレフィンとし
ては、例えば炭素数3〜12のα−オレフィンを挙げる
ことができ、具体的にはプロピレン、ブテン−1、3−
メチルブテン−1、ペンテン−1、3−メチルペンテン
−1、4−メチルペンテン−1、3−エチルペンテン−
1、ヘキセン−1、オクテン−1、デセン−1、ドデセ
ン−1等を挙げることができ、特にプロピレンが好まし
い。これらのα−オレフィンは、単独でまたは2種以上
を混合して使用することができる。共重合ゴムにおける
αーオレフィン含量は、エチレンとα−オレフインとの
合計量に対して、低分子量成分共重合体が30〜60重
量%、好ましくは35〜55重量%であり、高分子量成
分共重合体が15〜50重量%、好ましくは15〜45
重量%である。また、加工時のロール作業性、押出時の
流れ性等の観点から、低分子量成分共重合体のαーオレ
フィン含量が高分子量成分共重合体のαーオレフィン含
量より高いことが好ましい。また、非共役ジエンとして
は、例えばエチリデンノルボルネン、ジシクロペンタジ
エン、5−ビニル−2−ノルボルネン、2,5−ノルボ
ルナジエン、1,4−ペンタジエン、1,4−ヘキサジ
エン、1,5−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン、
1,9−デカジエン、1,11−ドデカジエン、3,6
−ジメチル−1,7−オクタジエン、4,5−ジメチル
−1,7−オクタジエン等を挙げることができ、特にエ
チリデンノルボルネン、ジシクロペンタジエンが好まし
い。前記非共役ジエンは、単独でまたは2種以上を混合
して使用することができる。共重合ゴムのよう素価は、
低分子量成分共重合体が37〜65、好ましくは37〜
55であり、高分子量成分共重合体が、3〜15、好ま
しくは5〜12である。この場合、低分子量成分共重合
体のよう素価が37未満では、組成物の架橋度を挙げる
ことが困難となり、スポンジゴムの圧縮永久歪も大きく
なり、一方65を超えると、高い発泡度を達成すること
が困難となる。また、高分子量成分共重合体のよう素価
が3未満では、スポンジゴムの圧縮永久歪が損なわれ、
一方15を超えると、混練加工時および押出加工時に
“ゲル”を生じやすくなる。また、低分子量成分共重合
体と高分子量成分共重合体とのよう素価比は、4/1以
上である。この場合、よう素価比が4/1未満では、混
練加工時および押出加工時に“ゲル”を生じやすく、高
い発泡度を達成することが困難となり、またスポンジ表
面肌が損なわれる。また、共重合ゴムのム−ニ−粘度
(ML1+4,100℃)は、低分子量成分共重合体が10
〜150、好ましくは30〜100であり、また高分子
量成分共重合体が100〜500、好ましくは150〜
450である。この場合、低分子量成分共重合体のム−
ニ−粘度が10未満では、スポンジゴムの強度、架橋・
発泡時の形状保持性が低下し、一方150を超えると、
混練加工性が損なわれる。また、高分子量成分共重合体
のム−ニ−粘度が100未満では、スポンジゴムの圧縮
永久歪が損なわれ、ゲル化しやすく、また形状保持性も
不十分となり、一方500を超えると、混練加工性が低
下する。本発明において、低分子量成分共重合体のム−
ニ−粘度および高分子量成分共重合体のム−ニ−粘度
は、いずれか一方の共重合体のムーニー粘度に応じて他
方の共重合体のムーニー粘度を適宜選択して組合せられ
るが、両者のムーニー粘度(ML1+4,100℃)の差
は、通常、30以上、好ましくは50〜450である。
また、低分子量成分共重合体と高分子量成分共重合体と
の重量比は、51/49〜95/5の範囲にあることが
好ましい。本発明において、低分子成分共重合体および
高分子成分共重合体は、それぞれ単独でまたは2種以上
を混合して使用することができる。
低分子量成分共重合体および高分子量成分共重合体と
も、中・低圧法による通常の重合方法、例えば、適当な
溶媒中、遷移金属化合物と有機金属化合物とからなるチ
ーグラー・ナッタ触媒、例えば少なくとも1種の溶媒可
溶性バナジウム化合物と少なくとも1種の有機アルミニ
ウム化合物とからなる触媒の存在下で、エチレン、αー
オレフィンおよび非共役ジエンを、必要に応じて分子量
調節剤として水素を供給しつつ重合する方法により製造
することができ、その際の重合は、気相法(流動床ある
いは攪拌床)でも液相法(スラリー法あるいは溶液法)
でも実施することができる。前記溶媒可溶性バナジウム
化合物としては、VOCl3 、VCl4、あるいはVOCl3 とVCl4
1種の少なくとも1種とアルコールとの反応生成物が好
ましい。この場合、前記アルコールとしては、例えばメ
タノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパ
ノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、t−ブ
タノール、n−ヘキサノール、n−オクタノール、2−
エチルヘキサノール、n−デカノール、n−ドデカノー
ル等を挙げることができ、これらのうち炭素数3〜8の
アルコールが好ましい。また、前記有機アルミニウム化
合物としては、例えばトリエチルアルミニウム、トリイ
ソブチルアルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウ
ム、ジエチルアルミニウムモノクロリド、ジイソブチル
アルミニウムモノクロリド、エチルアルミニウムセスキ
クロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリド、エチル
アルミニウムジクロリド、ブチルアルミニウムジクロリ
ド、トリメチルアルミニウムと水との反応生成物である
メチルアルミノキサン等を挙げることができ、これらの
有機アルミニウム化合物は、単独でまたは2種以上を混
合して使用することができる。特に好ましい有機アルミ
ニウム化合物は、エチルアルミニウムセスキクロリド、
ブチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウ
ムセスキクロリドとトリイソブチルアルミニウムとの混
合物、トリイソブチルアルミニウムとブチルアルミニウ
ムセスキクロリドとの混合物である。また、前記溶媒と
しては、通常、炭化水素溶媒が使用され、好ましい炭化
水素溶媒は、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタ
ン、n−オクタン、イソオクタン、シクロヘキサン等で
ある。これらの炭化水素溶媒は、単独でまたは2種以上
を混合して使用することができる。本発明の共重合ゴム
組成物は、(イ)低分子量成分共重合体と高分子量成分
共重合体とを別々に製造したのち、両者を混合し、溶媒
を除去して、固体状組成物を得る方法、あるいは(ロ)
直列に連結した2つの重合槽を用い、低分子量成分共重
合体と高分子量成分共重合体とのいずれか一方の共重合
体を最初の重合槽で製造し、その重合生成物を第二の重
合槽に供給し、第二の重合槽で他方の共重合体を製造し
たのち、溶媒を除去して、固体状組成物を得る方法等に
よって調製することができる。
填材、軟化剤、架橋剤、発泡剤等を配合することができ
る。前記充填材としては、例えばSRF、FEF、HA
F、ISAF、SAF、FT、MT等のカーボンブラッ
ク;微粒子けい酸、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウ
ム、クレー、タルク等の無機充填材等を挙げることがで
きる。これらの充填材は、単独でまたは2種以上を混合
して使用することができる。本発明における充填材の配
合量は、低分子量成分共重合体と高分子量成分共重合体
との合計100重量部当たり、通常、50〜200重量
部である。また、前記軟化剤としては、ゴムに通常用い
られるアロマティック油、ナフテニック油、パラフィン
油等のプロセスオイル;やし油等の植物油;アルキルベ
ンゼン等の合成油等を挙げることができる。これらの軟
化剤のうち、プロセスオイルが好ましく、特にパラフィ
ン油が好ましい。これらの軟化剤は、単独でまたは2種
以上を混合して使用することができる。本発明における
軟化剤の配合量は、低分子量成分共重合体と高分子量成
分共重合体との合計100重量部当たり、通常、30〜
150重量部である。また、前記架橋剤としては、例え
ば粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄等の
硫黄;塩化硫黄、セレン、テルル等の無機系加硫剤;モ
ルホリンジスルフィド類、アルキルフェノールジスルフ
ィド類、チウラムジスルフィド類、ジチオカルバミン酸
類等の含硫黄有機化合物;1,1−ジ−t−ブチルパー
オキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、ジ−
t−ブチルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、t−
ブチルクミルパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5
−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、1,3−ビス
(t−ブチルパーオキシ−イソプロピル)ベンゼン等の
有機過酸化物類等を挙げることができる。これらの架橋
剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することが
できる。本発明における架橋剤の配合量は、架橋剤の種
類、共重合ゴム組成物のよう素価等により変わるが、例
えば硫黄の場合、低分子量成分共重合体と高分子量成分
共重合体との合計100重量部当たり、通常、0.1〜
10重量部、好ましくは0.5〜5重量部である。架橋
剤として硫黄を用いる場合、必要に応じて加硫促進剤、
加硫促進助剤をさらに配合することができる。このよう
な加硫促進剤としては、例えばヘキサメチレンテトラミ
ン、アセトアルデヒドアンモニア等のアルデヒドアンモ
ニア類;ジフェニルグアニジン、ジ(o−トリル)グア
ニジン、o−トリル−ビグアニド等のグアニジン類;チ
オカルバニリド、ジ(o−トリル)チオウレア、N,
N’−ジエチルチオウレア、テトラメチルチオウレア、
トリメチルチオウレア、ジラウリルチオウレア等のチオ
ウレア類;メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチア
ゾールジスルフィド、2−(4−モルフォリノチオ)ベ
ンゾチアゾール、2−(2,4−ジニトロフェニル)メ
ルカプトベンゾチアゾール、N,N’−(ジエチルチオ
カルバモイルチオ)ベンゾチアゾール等のベンゾチアゾ
ール類;N−t−ブチル−2−ベンゾチアジルスルフェ
ンアミド、N,N’−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチ
アジルスルフェンアミド、N,N’−ジイソプロピル−
2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、N−シクロヘキ
シル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド等のスルフ
ェンアミド類;テトラメチルチウラムジスルフィド、テ
トラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラ
ムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィ
ド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド等のチ
ウラム類;ジメチルチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルチ
オカルバミン酸亜鉛、ジ−n−ブチルチオカルバミン酸
亜鉛、エチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチ
ルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカル
バミン酸銅、ジメチルチオカルバミン酸テルル、ジメチ
ルチオカルバミン酸鉄等のチオカルバミン酸塩類;ブチ
ルチオキサントゲン酸亜鉛、イソプロピルキサントゲン
酸亜鉛等のキサントゲン酸塩類等を挙げることができ
る。これらの加硫促進剤は、単独でまたは2種以上を混
合して使用することができる。本発明における加硫促進
剤の配合量は、低分子量成分共重合体と高分子量成分共
重合体との合計100重量部当たり、通常、0.1〜2
0重量部、好ましくは0.2〜10重量部である。ま
た、前記加硫促進助剤としては、例えば酸化マグネシウ
ム、亜鉛華、リサージ、鉛丹、鉛白等の金属酸化物;ス
テアリン酸、オレイン酸、ステアリン酸亜鉛等の有機酸
類等を挙げることができ、特に亜鉛華、ステアリン酸が
好ましい。これらの加硫促進助剤は、単独でまたは2種
以上を混合して使用することができる。本発明における
加硫促進助剤の配合量は、低分子量成分共重合体と高分
子量成分共重合体との合計100重量部当たり、通常、
3〜20重量部である。また、架橋剤として有機過酸化
物類を用いる場合、必要に応じて架橋助剤をさらに配合
することができる。このような架橋助剤としては、例え
ば硫黄、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド等
の硫黄あるいは硫黄化合物;ポリエチレンジメタクリレ
ート、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、トリア
リルシアヌレート、メタフェニレンビスマレイミド、ト
ルイレンビスマレイミド等の多官能性モノマー類;p−
キノンオキシム、p,p’−ベンゾイルキノンオキシム
等のオキシム化合物等を挙げることができる。これらの
架橋助剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用する
ことができる。また、前記発泡剤としては、例えば炭酸
アンモニウム、重炭酸ナトリウム、無水硝酸ナトリウム
等の無機発泡剤;ジニトロソペンタメチレンテトラミ
ン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジニトロソテレフ
タルアミド、ベンゼンスルホニルヒドラジド、p,p’
−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、3,
3’−ジスルホンヒドラジドジフェニルスルホン、アゾ
イソブチロニトリル、アゾビスホルムアミド等の有機発
泡剤を挙げることができる。これらの発泡剤は、単独で
または2種以上を混合して使用することができる。ま
た、前記発泡剤とともに、尿素系、有機酸系、金属塩系
等の発泡助剤を用いることもできる。本発明における発
泡剤および発泡助剤の配合量は、それらの種類や所望の
発泡度により変わるが、低分子量成分共重合体と高分子
量成分共重合体との合計100重量部当たり、発泡剤
が、通常、0.5〜20重量部、好ましくは1〜15重
量部であり、また発泡助剤が、通常、1〜20重量部で
ある。さらに、本発明の共重合ゴム組成物には、所望に
より、吸湿剤、可塑剤、老化防止剤、酸化防止剤、熱安
定剤、紫外線吸収剤、滑剤、離型剤、難燃剤、帯電防止
剤、染顔料、防かび剤等の他の添加剤を配合することが
でき、また、他の重合体、例えば天然ゴム、ポリイソプ
レンゴム、ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエン
ゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、ブチルゴ
ム、アクリルゴム、エチレン−α−オレフィンゴム、低
密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエ
チレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン等
を配合することもできる。共重合ゴム組成物の調製に際
しては、バンバリーミキサー、ロールミキサー、押出機
等の通常の混練機を用いることができる。
である。このようなスポンジゴムを製造する際には、共
重合ゴム組成物に対して、必要に応じて前記架橋剤、発
泡剤等を配合してゴム配合物としたのち、例えば通常用
いられる方法により架橋・発泡を行なう。スポンジゴム
を製造する際の各成分の配合方法および配合順序は特に
限定されるものではなく、また混練機も公知のものを用
いることができるが、特に、バンバリーミキサーを用い
て、低分子量成分共重合体、高分子量成分共重合体、充
填材、軟化剤等を混練したのち、ロールミキサーを用い
て、架橋剤、発泡剤、発泡助剤等を混練することが好ま
しい。また、押出機を用いて混練する場合は、低分子量
成分共重合体および高分子量成分共重合体と配合成分の
一部とをバンバリーミキサー等により予め混練したのち
押出機に供給し、残りの配合成分を別途押出機に供給し
て混練することも、低分子量成分共重合体、高分子量成
分共重合体および全配合成分を直接押出機に供給して混
練することもできる。次いで、通常のスポンジゴムの製
造に使用される手順に従い、例えば、ゴム配合物を公知
の架橋・発泡装置の金型内で加熱して架橋・発泡させる
方法、あるいはゴム配合物を押出成形機を用いて所望形
状に成形したのち架橋槽内で加熱する方法等により、所
望のスポンジゴムを製造することができる。架橋・発泡
時の加熱温度および加熱時間は、架橋剤や発泡剤の種
類、発泡度等によって変わるが、加熱温度は、通常、1
50〜280℃、好ましくは180〜250℃であり、
また加熱時間は、通常、2〜15分、好ましくは3〜1
0分である。
実施の形態をさらに具体的に説明する。但し、本発明
は、これらの実施例に何ら制約されるものではない。実
施例および比較例における各測定・評価は、下記の手順
で行なった。 (1)プロピレン含量(重量%) 赤外線吸収スペクトル法により測定した。 (2)よう素価 赤外線吸収スペクトル法により測定した。 (3)ム−ニ−粘度(ML1+4 100℃) 測定温度100℃、余熱時間1分、粘度を読んだときま
での時間4分で測定した。 (4)押出加工性(ガーベダイ評点) 表2に示す成分 [I] および[II]を配合した配合ゴムに
ついて、ASTM−D2230Aに準拠して評価した。 (5)形状保持性(%) 表2に示す成分 [I] および[II]を配合した配合ゴム
を、図1に示す形状の口金を用いて押出し、この成形物
を220℃の雰囲気下で水平に7分間放置したのち、成
形物の縦寸法La と横寸法Lb との比率(La /Lb )
×100により評価した。 (6)圧縮応力緩和保持率 表2に示す成分 [I] を配合したコンパウンドを、円筒
状試験片(13mmΦ×6mm)に成形したのち、島多
技研(株)製全自動圧縮応力緩和試験機により、圧縮率
20%、測定温度100℃の条件で測定し、圧縮後の経
過時間tにおける圧縮応力から、下記式により評価し
た。 圧縮応力緩和保持率=圧縮応力(t=1秒)/圧縮応力
(t=0秒) (7)ゲル化時間 表2に示す成分 [I] を配合したコンパウンドについ
て、応力緩和測定装置(日本合成ゴム(株)製JSRエ
ストラグラフ、特公平5−25059号公報参照)によ
り、130℃、剪断歪速度20毎秒の条件で測定したト
ルクの上昇開始温度をもって、ゲル化時間とした。ゲル
化時間が長いほど、ゲル化し難いことを示す。 (8)スポンジ物性 比重 日本ゴム協会標準規格・膨張ゴムの物理試験法に準拠し
て測定した。 圧縮永久歪 表2に示す成分 [I] および[II]を配合した配合ゴム
を、図1に示す形状の口金を用いて押出し、加硫、発泡
した成形物に、図1の縦方向に50%の圧縮歪をかけ、
70℃×22時間後の圧縮歪を測定した。 スポンジ表面肌 スポンジゴム表面の平滑性、つや、粘着性の有無を目視
にて観察し、 優:○、 普通:△、 不良:× の3段階で評価した。
重合体を用いて、表2に示す成分 [I] を、50℃に設
定したBR型バンバリーミキサー(内容量1.7リット
ル)により、回転数60rpmで5分間混練して、コン
パウンド(1)を得た。このコンパウンド(1)に対し
て、表2に示す成分[II]を配合し、50℃に保持した1
0インチロールにより5分間混練して、コンパウンド
(2)を得た。その後、50mm押出機にガーベダイ
(ASTM−D2330A法に準拠したもの)を装着
し、シリンダー温度60℃、ダイ温度80℃に設定し
て、コンパウンド(2)の押出しを行って、押出加工性
を評価した。また、50mm押出機に図1に示す形状の
口金を装着し、シリンダー温度60℃、ダイ温度80
℃、スクリュウ回転数30rpmに設定して、コンパウ
ンド(2)の押出しを行ったのち、200℃の熱風槽内
で10分間加熱して、加硫、発泡を行い、スポンジゴム
を得て、スポンジ物性の評価を行った。評価結果を、表
2に示す。その結果、本発明の共重合ゴム組成物は、押
出加工性に優れ、形状保持性が良好で、圧縮応力緩和保
持率が高く、ゲル化時間が長い特性を有し、かつスポン
ジ比重が低く、圧縮永久歪が小さく、スポンジ表面肌も
良好なスポンジゴムが得られた。これに対して、比較例
1の共重合ゴム組成物は、低分子量成分共重合体と高分
子量成分共重合体のよう素価比が4/1未満であるた
め、押出加工性が劣り、ゲル化時間が短く、高発泡させ
ることが困難であり、かつスポンジ表面肌が劣ってい
る。比較例2の共重合ゴム組成物は、高分子量成分共重
合体のムーニー粘度が低いため、形状保持性に劣り、圧
縮応力緩和保持率が小さく、圧縮永久歪が大きく、かつ
ガス抜けによりスポンジ表面肌が劣っている。比較例3
の共重合ゴム組成物は、低分子量成分共重合体のよう素
価が37未満であるため、形状保持性に劣り、圧縮応力
緩和保持率が小さく、かつ圧縮永久歪が大きい。さら
に、比較例4の共重合ゴム組成物は、本発明の共重合ゴ
ム組成物の平均値に近い分子特性の単一成分(EPD
M)からなり、低分子量成分共重合体と高分子量成分共
重合体との2成分から構成されないため、押出加工性が
劣り、圧縮応力緩和保持率が小さく、ゲル化時間が短
く、かつ圧縮永久歪が大きい。
りである。 (*1) 旭カーボン(株)製 旭50HG (*2) 旭カーボン(株)製 旭F200 (*3) 出光興産(株)製 ダイアナプロセスオイルPW
−380 (*4) 井上石灰(株)製 ベスタPP (*5) メルカプトベンゾチアゾール (*6) ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛 (*7) ジ−n−ブチルジチオカルバミン酸亜鉛 (*8) ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド (*9) テトラエチルチウラムジスルフィド (*10) 4,4’−ジチオ−ビス−ジモルフォリン (*11) p,p’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒド
ラジド)
性に優れ、形状保持性が良好で、圧縮応力緩和保持率が
高く、ゲル化時間が長い特性を有し、かつスポンジ比重
が低く、圧縮永久歪が小さく、スポンジ表面肌も良好な
スポンジゴムをもたらすことができる。したがって、本
発明の共重合ゴム組成物は、特にスポンジゴムとして、
自動車用のドアシール、ルーフサイドレール、トランク
シール等のシール材として極めて好適に使用することが
できるほか、他の輸送機械用シール材、土木・建築用シ
ール材、一般機械・装置用シール材、電線被覆材等を含
めた幅広い用途に有用である。
形状を示す図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 低分子量成分共重合体および高分子量成
分共重合体を含有し、低分子量成分共重合体は、ム−ニ
−粘度(ML1+4,100℃)が10〜150、α−オレ
フィン含量がエチレンとα−オレフインとの合計量に対
して30〜60重量%およびよう素価が37〜65であ
るエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体か
らなり、高分子量成分共重合体は、ム−ニ−粘度(ML
1+4,100℃)が100〜500、α−オレフィン含量
がエチレンとα−オレフインとの合計量に対して15〜
50重量%およびよう素価が3〜15であるエチレン−
α−オレフィン−非共役ジエン共重合体からなり、かつ
低分子量成分共重合体と高分子量成分共重合体とのよう
素価比が4/1以上であるエチレン−α−オレフィン−
非共役ジエン共重合ゴム組成物。
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- 1995-12-18 JP JP34752295A patent/JP3209068B2/ja not_active Expired - Fee Related
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