JP3904767B2 - 多層回路基板 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、多層回路基板に関し、特に携帯電話等の高周波回路無線機に利用する共振回路や高周波フイルタ等に使用される積層型ストリップライン共振器を内蔵した多層回路基板に関する。
【0002】
【従来技術】
従来、電圧制御発信器(VCO)やフイルタ用の共振器として、ストリップライン共振器が用いられている。このようなストリップライン共振器は、アース電極間に誘電体層を介してストリップライン(導体線路)が存在し、その特性は、同軸ケーブルを平面的に展開したものと等価であり、特性インピーダンスはストリップラインの幅及び厚さ、誘電体層の誘電率及び厚さによって決定される。
【0003】
このような積層型ストリップライン共振器は、従来、例えば、ドクターブレード法等によりグリーンシートを作製し、アース電極用のペーストを塗布したグリーンシートとストリップライン用のペーストを塗布したグリーンシートを作製し、アース電極用のグリーンシート間に、ストリップライン用のグリーンシートを介装し、この後焼成することにより得られていた。
【0004】
このような積層型ストリップライン共振器において、ストリップライン中をマイクロ波が伝搬する場合、電流は表皮効果の為に導体中心部にはあまり流れず、導体の表面、特にエッジ部分に集中する。周波数が高くなる程、その傾向は強くなり、準マイクロ波帯域になると表皮の深さは数μmになって、ほとんどストリップラインの表面部分だけを流れるようになる。
【0005】
しかしながら、従来のグリーンシート方式では、ストリップラインの厚みは20μm程度と薄く、更に印刷で形成している為にエッジ部が薄くなる所謂凸レンズ状もしくはドーム状の形状になる。この構造の為に、端部に電流集中し、ストリップラインの導体損が増加し、結果として積層型ストリップライン共振器のQ値が劣化するという問題があった。
【0006】
該問題に解決したものとして、本出願人は、先に特願平9−356934号に、一対のアース電極の間に誘電体を介装するとともに、該誘電体内にストリップラインを設けてなる積層型ストリップライン共振器において、前記ストリップラインの厚みが40μm以上であるストリップライン共振器を出願した。
【0007】
この特願平9−356934号には、ストリップライン共振器の製法として以下のような製法が開示されている。
【0008】
まずスリップ材を準備する。このスリップ材は、セラミック原料粉末、光硬化可能なモノマー、有機溶剤からなり、ボールミルで混練して作製される。そのスリップ材を支持台板上にキャスティングし、乾燥することにより絶縁層成形体を形成する。
【0009】
次に該絶縁層成形体に露光処理を施して硬化させ、その後、現像を行ってビアホールに相当する貫通孔を穿孔する。該貫通孔に導電性ペーストを充填した後に表面に同じく導電性ペーストでパターンニングし、配線パターンを形成する。
【0010】
上記のようなスリップ材のキャスティングからパターンニングを繰り返すことにより未焼成の多層回路基板を得ることができるが、その過程において、ストリップラインが必要な場合は、ビアホールに相当する貫通孔の穿孔と同時にストリップラインに相当する貫通溝を形成し、この貫通溝にも導電性ペーストを充填すれば厚い膜のストリップラインが得られる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本工法により厚みが40μm以上のストリップラインを有する積層型ストリップライン共振器が得られるが、該工法には以下の問題がある。
【0012】
例えば、焼成後40μm厚みのストリップラインを得ようとした場合、厚み方向の収縮率が80%ならば、未焼成の段階で50μm厚みのストリップラインを形成しなければならない。即ち、露光、現像工程にてストリップライン形成の為に50μm厚みの絶縁層成形体に貫通溝を形成しなければならない。
【0013】
一方、この絶縁層成形体はストリップライン用貫通溝以外にビアホール用貫通孔も穿孔する必要があるが、ビアホール導体には通常ランド及び配線等の導体層が接続される。そのため、絶縁層成形体上にランド及び配線等の導体パターンを形成した後、この導体パターン上にスリップ材をキャスティングして絶縁層成形体を形成し、これにビアホール用貫通孔を形成する必要がある。
【0014】
このようなランド及び配線等の導体パターンの乾燥膜厚は20μm程度であり、その上にキャスティングされた絶縁層成形体の厚みは、50μmから導体パターンの乾燥膜厚20μmを引いた30μmとなる。
【0015】
即ち、異なった形状の貫通孔及び貫通溝を、絶縁層成形体の厚みが30μmと、50μmと異なった絶縁層成形体に対して穿孔する必要がある。
【0016】
これは現像能力を越えたものであり、導体パターン上の30μmの絶縁層成形体に最適な条件で現像し、ビアホール用貫通孔を形成すると、導体パターンが形成されていない厚み50μmの絶縁層成形体では現像不足となり、所定深さのストリップライン用貫通溝を形成できなかったり、貫通溝の断面形状が不良となるという問題があった。
【0017】
また、ストリップライン用貫通溝を形成する厚み50μmの絶縁層成形体の現像条件を合わせると、導体パターン上の30μmの絶縁層成形体は過現像となり、穿孔断面が下方にいく程拡径し(逆テーパ状)、ビアホール用貫通孔の形状が確保できず、導通等の信頼性が低下するという問題があった。
【0018】
本発明は、ストリップライン、およびこのストリップラインと同一平面上に形成された導体層の断面形状が良好である多層回路基板を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明の多層回路基板は、セラミックまたはガラスセラミックからなる複数の絶縁層を積層してなる基体に、アース電極を設けるとともに、前記基体に複数の金属層を積層してなるストリップラインを設け、該ストリップラインと同一絶縁層上に導体層を有し、該導体層の厚みと、前記ストリップラインを構成する最下層の金属層の厚みが同一厚みであり、かつ、前記ストリップラインの最下層の金属層と前記導体層とを同一材料で形成し、前記ストリップラインの最下層の金属層と、この最下層の金属層よりも上層の金属層とを異種材料で形成し、さらに前記絶縁層、前記ストリップラインおよび前記導体層が同時焼成されている。
【0020】
このような構成を採用することにより、同じ厚みの絶縁層成形体に、ストリップラインを構成する最下層の金属層を形成するための最下層用貫通溝と、ストリップラインと同一平面に形成された導体層を形成するための導体層用貫通孔とを形成することができ、これにより、異なる厚みの絶縁層成形体に現像を施すことがなく、現像不足や過現像がなくなり、ストリップラインと、このストリップラインと同一平面上に形成された導体層の断面形状を良好とできるとともに、ストリップラインの厚みを厚く形成することができ、かつ、ストリップラインの断面形状を矩形状とでき、表皮効果にもかかわらず導体損が増加することがなく、ストリップライン共振器のQ値を向上できる。
【0021】
ここで、基体には、一対のアース電極が対向して設けられるとともに、該一対のアース電極間にストリップラインが設けられていることが望ましい。このような構成を採用することにより、ストリップラインの厚みが厚いストリップライン共振器を内蔵することができ、表皮効果にもかかわらず導体損が増加することがなく、ストリップライン共振器のQ値を向上できる。
【0022】
また、本発明の多層回路基板では、ストリップラインの最下層の金属層と、導体層とが同一材料で形成されるとともに、前記ストリップラインの最下層の金属層と、この最下層の金属層よりも上層の金属層とが異種材料で形成されている。最下層の金属層と、上層の金属層を異なる材料で形成することにより、例えば、最下層の金属層を、ランドや配線に用いる導電性ペーストと同一材料で形成し、上層の金属層を有効体積が増大することによって生じる熱膨張の歪を緩和するためのビアホール導体のペーストと同一材料で形成することにより、脱バインダー及び焼成段階でのクラック等が生じない構造とすることができる。
【0023】
さらに、ストリップラインの積層方向の厚みを40μm以上とすることにより、ストリップライン共振器のQ値を向上できる。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明の多層回路基板を図1を基に説明する。本発明の多層回路基板では、複数の絶縁層1a〜1gを積層して基体1が構成されており、基体1の下面にはアース電極3が形成され、絶縁層1bの上面にはストリップライン5が形成されるとともに、配線層7aおよびランド7bからなる導体層7が形成され、さらに、絶縁層1f上にはアース電極11が形成されている。ランド7bには、ビアホール導体9が接続されている。
【0026】
即ち、一対のアース電極3、11が対向して設けられるとともに、該一対のアース電極3、11間にストリップライン5が設けられている。
【0027】
そして、本発明の多層回路基板では、ストリップライン5が金属層5a、5bを2層積層して構成されており、ストリップライン5と同一絶縁層1b上(同一平面上)に設けられた導体層7の厚みと、ストリップライン5を構成する最下層の金属層5aの厚みが同一厚みとされている。
【0028】
また、本発明の多層回路基板では、ストリップライン5と導体層7は同一材料により構成されている。尚、ストリップライン5の最下層の金属層5aと、導体層7とを同一材料で形成し、ストリップライン5の最下層の金属層5aと、この最下層の金属層5aよりも上層の金属層5bとを異種材料、例えば、最下層の金属層5aを銀と硼珪酸アルカリ土類ガラスで、上層の金属層5bを銀と石英ガラスで形成することも可能であり、このように、ストリップライン5の上下の金属層5a、5bを異種材料で構成することにより、焼成段階におけるクラック等の発生を防止でき、温度サイクル等の熱ストレス試験に対する信頼性を向上できる。
【0029】
さらに、本発明の多層回路基板では、ストリップライン5の厚みが40μm以上とされている。このようにストリップライン5の厚みを40μm以上とすることにより、Q値を向上することができる。ストリップライン5の厚みは、積層型ストリップライン共振器のQ値を向上するという点から、100〜150μmであることが望ましい。
【0030】
このような多層回路基板は、ストリップライン5の厚みが40μm以上であるため、従来のグリーンシート積層方式では作製できないため、セラミックからなる絶縁層材料と光硬化可能な樹脂、有機バインダからなるスリップを用い、フォトリソ技術を応用して形成する。このような方法で作製することにより、ストリップライン5の厚みを40μm以上に任意に変更でき、しかもビアホール径の大きさや、導体層7の厚み等が容易に変更可能となる。
【0031】
本発明の多層回路基板の製法について説明する。先ず、絶縁層1a〜1gとなるスリップ材を作製する。
【0032】
スリップ材は、例えば、セラミック原料粉末と、光硬化可能なモノマーまたはオリゴマー、例えばポリオキシエチル化トリメチロールプロパントリアクリレートと、有機バインダ、例えばアルキルメタクリレートと、可塑剤とを有機溶剤、例えばエチルカルビトールアセテートに混合し、ボールミルで混練して作製される。
【0033】
セラミック原料粉末としては、例えば、金属元素として少なくともMg、Ti、Caを含有する複合酸化物であって、その金属元素酸化物による組成式を(1−x)MgTiO3 −xCaTiO3 (但し、式中xは重量比を表し、0.01≦x≦0.15)で表される主成分100重量部に対して、硼素含有化合物をB2 3 換算で3〜30重量部、アルカリ金属含有化合物をアルカリ金属炭酸塩換算で1〜25重量部添加含有してなるものが用いられる。
【0034】
尚、上述の実施例では溶剤系スリップ材を作製しているが、上述のように親水性の官能基を付加した光硬化可能なモノマーまたはオリゴマー、例えば多官能基メタクリレートモノマー、有機バインダ、例えばカルボキシル変性アルキルメタクリレートを用いてイオン交換水で混練した水系スリップ材であっても良い。
【0035】
セラミック原料粉末としては、例えば、ガラス材料であるSiO2 、Al2 3 、ZnO、MgO、B2 3 を主成分とする結晶化ガラス粉末70重量%とセラミック材料であるアルミナ粉末30重量%とからなるものも用いられる。セラミック原料粉末は、特に限定されるものではない。
【0036】
また、アース電極3、11、ストリップライン5、導体層7、ビアホール導体9等となる導電性ペーストを作製する。導電性ペーストは、低融点で且つ低抵抗の金属材料である例えば銀粉末と、硼珪酸系低融点ガラス、例えばB2 3 −SiO2 −BaOガラス、CaO−B2 3 −SiO2 ガラス、CaO−Al2 3 −B2 3 −SiO2 ガラスと、有機バインダ、例えばエチルセルロースとを、有機溶剤、例えば2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタジオ−ルモノイソブチレ−トに混合し、3本ローラーにより均質混練して作製される。
【0037】
まず、図2(a)に示すように、ガラスやセラミック等の支持台板30の上に、上記導電性ペーストを塗布し、アース電極パターン31を形成する。この後、アース電極パターン31上に、絶縁層成形体33aを形成する。この絶縁層成形体33aは、上記したスリップ材を乾燥後の膜厚が40〜200μmとなるように塗布し、乾燥して形成する。
【0038】
次に、絶縁層成形体33aに、下記に示すような露光処理、現像処理を施して、ビアホール用貫通孔35aを形成し、このビアホール用貫通孔35a内に、上記した導電性ペーストを充填し、導電部材36aを形成する。
【0039】
露光処理は、絶縁層成形体33aの上に、ビアホール用貫通孔35aが形成されるような領域にフォトターゲットを載置して、超高圧水銀灯(10mW/cm2 )を光源として用いて露光を行う。スリップ材に含まれる光硬化性モノマーは、ネガ型である為、これによりビアホール用貫通孔35aが形成される領域の絶縁層成形体33aにおいては光重合が起こらず、ビアホール用貫通孔35aが形成される領域以外の絶縁層成形体33aにおいては光重合が起る。ここで、光重合反応が起こった部位を不溶部、光重合反応が起こらない部分を溶化部という。なお、厚み100μm程度の絶縁層成形体33aは、超高圧水銀灯(10mW/cm2 )を10〜15秒程度照射すれば露光を行うことができる。
【0040】
現像処理は、絶縁層成形体33aの溶化部を現像液で除去するもので、具体的には、1,1,1−トリエタノールアミンを用いてスプレー法で現像を行う。その後、現像によって生じる不要なカスを洗浄、乾燥工程により、完全に除去し、絶縁層成形体33aにビアホール用貫通孔35aを形成する。
【0041】
この後、図2(c)に示すように、絶縁層成形体33aの導電部材36aに接続するように、絶縁層成形体33a上に配線パターン37aを形成し、この配線パターン37aが形成された絶縁層成形体33a上に、スリップ材を塗布し乾燥して絶縁層成形体33bを形成し、露光処理して硬化する。この後、絶縁層成形体33b上に、スリップ材を塗布し乾燥して絶縁層成形体33cを形成する。
【0042】
そして、絶縁層成形体33cに、露光、現像処理を施してストリップライン形成用の最下層用貫通溝41、および配線層7aおよびランド7b用となる導体層用貫通孔43を形成し、最下層用貫通溝41、導体層用貫通孔43に導電性ペーストを充填し、最下層パターン44および導体層用パターン45を形成する。
【0043】
この後、最下層パターン44および導体層用パターン45が形成された絶縁層成形体33c上に、スリップ材を塗布し乾燥して絶縁層成形体33dを形成し、露光、現像処理を施してストリップライン形成用の上層用貫通溝47を形成し、この上層用貫通溝47に導電性ペーストを充填して、最下層パターン44上に上層パターン49を積層する。
【0044】
この後、スリップ材の塗布から露光、現像処理の工程を繰り返して図2(e)に示すような積層成形体50を作製する。
【0045】
次に、支持基板30を取り外す。そして必要応じて、積層成形体50をプレスで形状を整えたり、分割溝を形成したりする。
【0046】
次に焼成を行う。焼成は、脱バインダ工程と本焼成工程からなる。脱バインダ工程は、積層成形体50及び導電性ペーストに含まれる有機バインダ、光硬化可能な樹脂を飛散させる工程であり、本焼成工程は、ピーク温度850〜1050℃、例えば900℃30分キープの焼成課程である。このような焼成により、本発明の多層回路基板を得ることができる。
【0047】
尚、ストリップライン5の厚みは、絶縁層成形体33dの厚みを変更することにより容易に変更できる。絶縁層成形体33cの厚みを変更することによってもストリップライン5の厚みを変更することができるが、導体層7の厚みとの関係上、絶縁層成形体33dの厚みを変更することが望ましい。
【0048】
また、絶縁層成形体33b形成後に、最下層パターン44および導体層用パターン45を形成し、その上に、絶縁層成形体33cと絶縁層成形体33dに相当する絶縁層成形体を一括で形成しても良い。この場合には工数削減に伴うコスト低減が可能となる。
【0049】
また、ストリップライン5は2層の金属層5aと5bにより構成した例について説明したが、3層以上であっても良いことは勿論である。この場合には、さらに、金属層を形成するための絶縁層成形体を作製、ストリップライン用貫通溝の作製、この貫通溝への導電性ペーストの充填を行う必要がある。
【0050】
さらに、導電性ペーストは、金、銀、銅もしくはその合金の少なくとも1つの金属材料の粉末と低融点ガラス粉末と有機バインダーと有機溶剤を均質混練したものが使用される。尚、上記したように、最下層パターン44および導体層用パターン45に用いる導電性ペーストと同一材料、例えば、銀と硼珪酸アルカリ土類ガラスで形成し、上層パターン49を熱膨張の歪を緩和するためのビアホール導体の導電性ペーストと同一材料、例えば、銀と石英ガラスで形成することにより、焼成段階におけるクラック等の発生を防止でき、温度サイクル等の熱ストレス試験に対する信頼性を向上できる。
【0051】
本発明の多層回路基板では、上記製法を採用し、絶縁層成形体33dの厚みを変更することにより、ストリップラインの厚みを40μm以上の任意の厚みに容易に設定することができ、ストリップラインの導体損を減少でき、その結果、積層型ストリップライン共振器のQ値を向上できる。しかも、ストリップラインの厚みを40μm以上とした場合であっても、ストリップライン上の絶縁層成形体に凹凸が生じることがなく、デラミネーションが発生することがない。
【0052】
さらに、同じ絶縁層成形体33cに、ストリップライン5を構成する最下層の金属層5aを形成するための最下層用貫通溝41と、ストリップライン5と同一絶縁層33b上に形成された導体層7を形成するための導体層用貫通孔43とを形成することができ、これにより、異なる厚みの絶縁層成形体に現像を施すことがなく、現像不足や過現像がなくなり、ストリップライン5と、このストリップライン5と同一平面に形成された導体層7の断面形状を矩形状に確実に形成できる。
【0053】
本発明者等は、図3に示すように、アース電極51とストリップライン52との間隔、ストリップライン52とアース電極53との間隔H1を0.5mm、ストリップライン52の幅W1を0.5mm、ストリップライン52の厚みT1を5〜160μmに設定し、共振周波数1GHzの1/4波長型共振器を構成した。絶縁層55、56、57の比誘電率を19、Qfを16000とし、回路Qを有限要素法を用いて解析した。この結果を図4に記載した。この図4より、ストリップラインの導体膜厚が厚くなるほど回路Qが向上することが判る。
【0054】
【発明の効果】
本発明の多層回路基板では、基体に複数の金属層を積層してなるストリップラインを設け、該ストリップラインと同一絶縁層上に設けられた導体層の厚みと、ストリップラインを構成する最下層の金属層の厚みを同一厚みとしたので、同じ厚みの絶縁層成形体に、ストリップラインを構成する最下層の金属層を形成するための最下層用貫通溝と、ストリップラインと同一平面に形成された導体層を形成するための導体層用貫通孔とを形成することができ、これにより、異なる厚みの絶縁層成形体に現像を施すことがなく最下層用貫通溝と導体層用貫通孔を形成することができ、現像不足や過現像がなくなり、ストリップラインと、このストリップラインと同一平面に形成された導体層の断面形状を良好にできるとともに、ストリップラインの厚みを厚く形成することができ、表皮効果にもかかわらず導体損が増加することがなく、ストリップライン共振器のQ値を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多層回路基板の断面図である。
【図2】本発明の多層回路基板の製法を説明するための工程図である。
【図3】解析した積層型ストリップライン共振器を示す断面図である。
【図4】ストリップラインの厚みと電場シュミレーションによる回路Qとの関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1・・・基体
1a〜1g・・・絶縁層
3、11・・・アース電極
5・・・ストリップライン
5a・・・最下層の金属層
5b・・・上層の金属層
7・・・導体層
7a・・・配線層
7b・・・ランド
33a〜g・・・絶縁層成形体

Claims (3)

  1. セラミックまたはガラスセラミックからなる複数の絶縁層を積層してなる基体に、アース電極を設けるとともに、前記基体に複数の金属層を積層してなるストリップラインを設け、該ストリップラインと同一絶縁層上に導体層を有し、該導体層の厚みと、前記ストリップラインを構成する最下層の金属層の厚みが同一厚みであり、かつ、前記ストリップラインの最下層の金属層と前記導体層とを同一材料で形成し、前記ストリップラインの最下層の金属層と、この最下層の金属層よりも上層の金属層とを異種材料で形成し、さらに前記絶縁層、前記ストリップラインおよび前記導体層が同時焼成されていることを特徴とする多層回路基板。
  2. 前記基体には、一対の前記アース電極が対向して設けられるとともに、該一対のアース電極間に前記ストリップラインが設けられていることを特徴とする請求項1記載の多層回路基板。
  3. 前記ストリップラインの積層方向の厚みが40μm以上であることを特徴とする請求項1または2記載の多層回路基板。
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