JP3902498B2 - イメージ信号抑圧装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、周波数変換を行う際に発生する目的信号の周波数と複素共役の関係にあるイメージ周波数に存在するイメージ周波数信号からのイメージ周波数妨害信号を抑圧して受信するイメージ信号抑圧装置であって、特にイメージ周波数信号のイメージ妨害によるイメージ周波数妨害信号を適応信号処理を用いた補償処理により抑圧するイメージ信号抑圧装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、アナログ回路による周波数変換器は、実部をI、虚部をQとするときにIQ間の振幅が完全に等しくならず、また位相差も完全に90度とならないため、目的の出力信号周波数の複素共役周波数に理想的には存在しないはずのイメージ信号が現れる。そのため、周波数変換器の出力において、目的信号の周波数と複素共役の関係にあるイメージ周波数に目的外信号(イメージ周波数信号)が存在する場合、この信号のイメージ妨害による信号が目的信号の帯域内に発生し、イメージ周波数信号による妨害信号(イメージ周波数妨害信号)が発生する。
そこで、近年は、目的信号の周波数と複素共役の関係にあるイメージ周波数に存在するイメージ周波数信号のイメージ妨害により周波数変換器の出力に発生するイメージ周波数妨害信号を、補償処理により抑圧する特性補償器を備えた受信機が提案されている。
【0003】
この場合、周波数変換器を含む受信機の特性補償において、ハードウェアの特性補償を目的とする場合は、ハードウェアの特性が頻繁に変化するものではないため、特性補償の係数更新は頻繁に行う必要はないが、高精度な特性補償を必要とする場合は、アナログ回路のわずかな特性変化の影響を受けることになるので、細かな特性補償の係数更新が必要になる。例えば、アナログ回路で実現した直交変調器/直交検波器のイメージ信号抑圧特性は30[dB]程度であるが、特性補償が正確で安定しているディジタル信号処理によって補償することで、60[dB]程度の特性は容易に達成できる。
【0004】
図10は直交検波器(実入力複素出力ミキサ)を用いた従来例の受信機であって、従来例の受信機は、アンテナ1からの受信信号を、該受信信号に直交キャリア発振器21の発生する第1の周波数のローカル信号の実数軸信号”cos”と、実数軸信号より90度位相の進んだ虚数軸信号”−sin”とをそれぞれ乗算する乗算器22と乗算器23とを備えた直交検波器2においてLow IF複素信号に変換すると共に、Low IF複素信号に変換された直交検波器2の複素信号出力をA/D変換器であるADC3a、3bによりそれぞれA/D変換し、更に特性補償器4においてディジタル信号処理による直交検波器2の特性補償を行う。
【0005】
そして、特性補償器4の複素信号出力の実数軸信号(Y.I)と虚数軸信号(Y.Q)とに、直交キャリア発振器41の発生する第2の周波数のローカル信号の実数軸信号”cos”と、実数軸信号より90度位相の進んだ虚数軸信号”−sin”とをそれぞれ乗算する乗算器42及び乗算器43と、更に乗算器42の出力から乗算器43の出力を減算して実数軸信号出力とする減算器44を備えると共に、特性補償器4の複素信号出力の実数軸信号(Y.I)と虚数軸信号(Y.Q)とに、同様に直交キャリア発振器41の発生する第2の周波数のローカル信号の虚数軸信号”−sin”と、実数軸信号”cos”とをそれぞれ乗算する乗算器45及び乗算器46と、更に乗算器45の出力に乗算器46の出力を加算して虚数軸信号出力とする加算器47を備えた複素ミキサ5(複素入力複素出力ミキサ)により、特性補償器4のLow IF複素信号出力をベースバンド信号に変換して、更に検波器6で検波を行う。
【0006】
しかし、上述のような受信機では、特性補償器4による特性補償において、60[dB]程度のイメージ信号抑圧特性は容易に達成できるものの、60[dB]を大きく超えるイメージ信号抑圧特性を得ようとすると、実数成分と虚数成分の間のわずかな特性変動で、イメージ信号抑圧特性が悪化することから、適応信号処理によって補償特性の係数更新を行う必要がある。
【0007】
図11は、特性補償器4を適応信号処理を用いて実現する場合の一例であって、直交検波器2からADC3a、3bを介して入力されるディジタル信号化された実数軸信号(S.I)と虚数軸信号(S.Q)に対して、係数の更新式
1,k=h1,k-1+μ(Y.I)Xqe
2,k=h2,k-1+μ(Y.I)Xqe
3,k=h3,k-1+μ(Y.I)Xie
(但し、σは所望の信号振幅値を示し、e=σ2−(Y.I2+Y.Q2)とする)により適応的に更新される係数h1、h2およびh3により、
Y.I=h3×S.I
Y.Q=h1×S.Q+h2×S.I
の処理を行って、直交性および振幅の誤差が補償された実数軸信号(Y.I)及び虚数軸信号(Y.Q)を得る。
【0008】
更に、非常に高性能なイメージ信号抑圧特性を要求される周波数変換器を含む受信機において、その特性を確実なものとするためには、校正用のキャリブレーション信号だけでなく、アンテナからの受信信号を用いて適応信号処理を行うことで特性補償の係数更新を実行する。
しかし、このように適応信号処理を行い、高精度な補償性能を維持するためには、適応信号処理の演算精度にも高い精度が要求されると共に、入力信号のSNR(S/N比)の悪化などで適応信号処理の演算精度が大きく低下し、補償性能が劣化することを防止する必要がある。例えば、このような適応信号処理の適用例では、特開平7−321715号公報や特開平10−173489号公報に開示されたデータ受信装置や適応フィルタがある。これらの技術では、入力信号の自己相関特性やSNRによって、その適応パラメータの変更や適応信号処理の適応動作を停止するなどして、演算量の削減や音質の改善を行っている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
これに対し、上述のような適応信号処理を用いた受信機においては、入力信号の自己相関特性やSNRばかりでなく、目的信号と目的外信号(イメージ周波数信号)との信号レベルの差や、入力信号の信号品質特性、更には目的信号と、目的外信号(イメージ周波数信号)のイメージ妨害によるイメージ周波数妨害信号との相互相関特性などによって、その適応能力が大きく下がり、目的とするイメージ信号抑圧特性が得られない場合がある。特に、目的信号とイメージ周波数信号のイメージ妨害によるイメージ周波数妨害信号との間の相互相関度が高い時には、適応信号処理が目的信号とイメージ周波数妨害信号を識別することができないため、イメージ周波数妨害信号だけでなく、目的信号も抑圧しようとして目的信号に歪みが発生してしまうという問題があった。
【0010】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、入力信号の信号品質特性や目的信号とイメージ周波数信号との信号レベルの差、更に目的信号とイメージ周波数妨害信号との相互相関特性などによって、イメージ信号抑圧特性が変化しないイメージ信号抑圧装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1の発明に係わるイメージ信号抑圧装置は、複素信号で表されたローカル信号により、実信号または複素信号で表された入力信号の周波数を変換して、複素信号で表された目的信号出力を得る周波数変換手段(例えば実施の形態の直交検波器2)と、目的信号の周波数と複素共役の関係にあるイメージ周波数に存在するイメージ周波数信号のイメージ妨害により、前記周波数変換手段の出力に発生するイメージ周波数妨害信号を、適応信号処理を用いた補償処理により抑圧する補償手段(例えば実施の形態の特性補償器8、または特性補償器11)とを備えたイメージ信号抑圧装置において、前記補償手段が、適応信号処理の適応動作の作動と停止の切り替えを制御可能であることを特徴とする。
以上の構成を備えたイメージ信号抑圧装置は、補償手段における適応信号処理の適応動作の作動と停止を自由に制御して、目的信号の周波数と複素共役の関係にあるイメージ周波数に存在するイメージ周波数信号のイメージ妨害により、周波数変換器で発生するイメージ周波数妨害信号を、適応制御を用いて抑圧した信号や、あるいは適応信号処理が適切に動作しないような条件下または高精度な補償特性を必要としない場合において、周波数変換器で発生するイメージ周波数妨害信号を固定制御を用いて抑圧した信号のいずれでも簡単に取得することができる。
【0012】
請求項2の発明に係わるイメージ信号抑圧装置は、請求項1に記載のイメージ信号抑圧装置において、前記イメージ周波数信号の信号レベルを検出するイメージ周波数信号検出手段(例えば実施の形態の信号レベル検出器64)と、前記イメージ周波数信号の信号レベルが所定値以下の場合に、前記補償手段による適応信号処理の適応動作を停止する制御手段(例えば実施の形態の制御部65)とを備えたことを特徴とする。
以上の構成を備えたイメージ信号抑圧装置は、イメージ周波数信号の信号レベルが所定値以下で、イメージ周波数信号による目的信号に対するイメージ妨害が小さく、かつイメージ周波数信号のSNR低下により正確な適応信号処理が困難な状態では、補償手段による適応信号処理の適応動作を停止し、イメージ周波数信号のイメージ妨害により周波数変換器で発生するイメージ周波数妨害信号の抑圧を固定制御した信号を取得することができる。
【0013】
請求項3の発明に係わるイメージ信号抑圧装置は、請求項1に記載のイメージ信号抑圧装置において、前記目的信号の信号レベルを検出する目的信号検出手段(例えば実施の形態の信号レベル検出器63)と、前記イメージ周波数信号の信号レベルを検出するイメージ周波数信号検出手段(例えば実施の形態の信号レベル検出器64)と、前記イメージ周波数信号の信号レベルを前記目的信号の信号レベルで除算した値が所定値以下の場合、または前記目的信号の信号レベルから前記イメージ周波数信号の信号レベルを減算した値が所定値以上の場合に、前記補償手段による適応信号処理の適応動作を停止する制御手段(例えば実施の形態の制御部65)とを備えたことを特徴とする。
以上の構成を備えたイメージ信号抑圧装置は、イメージ周波数信号の信号レベルが目的信号の信号レベルと比較して、所定の比より小さく(例えば、D/U比が20[dB]必要な時、イメージ抑圧比30[dB]なら、イメージ信号/目的信号=10[dB]、すなわちイメージ信号が目的信号レベル+10[dB]以下のレベルとなった時)、イメージ周波数信号による目的信号に対するイメージ妨害が無視できるような状態では、適応信号処理により補償する必要もなく、更に等価的にイメージ周波数信号のSNR低下とも見なせるため、正確な適応信号処理が困難になるので、補償手段による適応信号処理の適応動作を停止し、イメージ周波数信号のイメージ妨害により周波数変換器で発生するイメージ周波数妨害信号の抑圧を固定制御した信号を取得することができる。
【0014】
請求項4の発明に係わるイメージ信号抑圧装置は、請求項1に記載のイメージ信号抑圧装置において、前記イメージ周波数信号の複素共役信号を生成する複素共役信号生成手段(例えば実施の形態の共役複素信号生成部66)と、前記目的信号と前記イメージ周波数信号の複素共役信号との相互相関を求める相関計算手段(例えば実施の形態の相互相関器67)と、前記目的信号と前記イメージ周波数信号の複素共役信号との相互相関度が所定値以上の場合に、前記補償手段による適応信号処理の適応動作を停止する制御手段(例えば実施の形態の制御部68)とを備えたことを特徴とする。
以上の構成を備えたイメージ信号抑圧装置は、目的信号とイメージ周波数信号のイメージ妨害によるイメージ周波数妨害信号との相互相関度が高く、適応信号処理において目的信号とイメージ周波数妨害信号との識別が困難で、目的信号に歪みが発生するような場合に、補償手段による適応信号処理の適応動作を停止し、イメージ周波数信号のイメージ妨害により周波数変換器で発生するイメージ周波数妨害信号の抑圧を固定制御した信号を取得することができる。
【0015】
請求項5の発明に係わるイメージ信号抑圧装置は、請求項1に記載のイメージ信号抑圧装置において、前記イメージ周波数信号の信号レベルを検出するイメージ周波数信号検出手段(例えば実施の形態の信号レベル検出器64)と、前記補償手段の出力信号の品質を測定する品質測定手段(例えば実施の形態の検波器9)と、前記イメージ周波数信号の信号レベルが所定値以上で、かつ前記品質測定手段による前記補償手段の出力信号の品質測定結果が所定値以上の場合に、前記補償手段による適応信号処理の適応動作を停止する制御手段(例えば実施の形態の制御部69)とを備えたことを特徴とする。
以上の構成を備えたイメージ信号抑圧装置は、イメージ周波数信号の信号レベルが所定値以上であるにもかかわらず、補償手段の出力信号の品質が一定値以上ある場合、すなわち目的信号の信号レベルが十分に高いか、補償特性が十分に効果的に働くことで、目的信号がイメージ周波数信号により受信品質に係わるような影響を受けていない時には、適応信号処理を続ける必要がないので、補償手段による適応信号処理の適応動作を停止し、イメージ周波数信号のイメージ妨害により周波数変換器で発生するイメージ周波数妨害信号の抑圧を固定制御した信号を取得することができる。また、補償手段の出力信号の品質が悪化することがあれば、適応信号処理の適応動作を再開することができる。
【0016】
請求項6の発明に係わるイメージ信号抑圧装置は、請求項1から請求項5のいずれかに記載のイメージ信号抑圧装置において、目的信号周波数帯域を通過帯域とする目的信号用フィルタと、イメージ周波数信号周波数帯域を通過帯域とするイメージ周波数信号用フィルタとを備え、前記周波数変換手段の出力信号を、前記目的信号用フィルタと前記イメージ周波数信号用フィルタとによりそれぞれ帯域制限した後、前記補償手段により、前記周波数変換手段の出力に発生する前記イメージ周波数妨害信号を抑圧することを特徴とする。
以上の構成を備えたイメージ信号抑圧装置は、補償手段の入力において、目的信号とイメージ周波数信号とを分離することにより、信号キャンセル動作における抑圧しようとするイメージ周波数妨害信号の信号レベルと、それ以外の信号や雑音とを合わせた信号レベルとの差を大きくとり、適応信号処理の収束性を向上させることができる。また、目的信号用フィルタとイメージ周波数信号用フィルタとを、イメージ周波数信号検出手段や目的信号検出手段、更には相関計算手段に、目的の信号を入力するためのフィルタとして利用することで、新たなフィルタを設けることなく目的の計算を行うことができる。
【0017】
請求項7の発明に係わるイメージ信号抑圧装置は、請求項6に記載のイメージ信号抑圧装置において、前記目的信号用フィルタと前記イメージ周波数信号用フィルタは、不要な周波数成分を位相処理により抑圧するイメージリジェクションフィルタであることを特徴とする。
以上の構成を備えたイメージ信号抑圧装置は、ヒルベルト変換を利用して位相処理を行うことで、目的信号用フィルタまたはイメージ周波数信号用フィルタの実数側の処理は虚数側のヒルベルト変換処理の遅延を補償する遅延処理のみを行えば良いので、複素係数フィルタを用いた場合に比較して、演算量を半分にすることが可能となる。
【0018】
請求項8の発明に係わるイメージ信号抑圧装置は、請求項1から請求項7のいずれかに記載のイメージ信号抑圧装置において、前記補償手段が、適応信号処理の適応動作の停止時に、所定の固定値を用いて補償処理を行う制御手段を備えたことを特徴とする。
以上の構成を備えたイメージ信号抑圧装置は、適応信号処理が適切に行われていないと判断して適応信号処理の適応動作を停止した場合、適応処理を行う前より補償処理の性能が悪化しているかも知れないので、予め用意した所定の固定値により補償処理を行うことで、適応動作の停止時に補償処理性能の保証を行うことができる。
【0019】
請求項9の発明に係わるイメージ信号抑圧装置は、請求項8に記載のイメージ信号抑圧装置において、前記所定の固定値は、予め測定された受信回路の特性に基づいて設定された値とすることを特徴とする。
以上の構成を備えたイメージ信号抑圧装置は、周波数変換手段を始めとするアナログ回路の特性変化要因をパラメータとする補償値のテーブルを作成することで、適応動作の停止時に補償処理性能の保証を行うことができる。
【0020】
請求項10の発明に係わるイメージ信号抑圧装置は、請求項9に記載のイメージ信号抑圧装置において、前記補償手段の出力信号の品質を測定する品質測定手段を備え、前記所定の固定値は、複数の値の中から、前記品質測定手段による受信信号品質測定結果が最も良好な結果を得られる値として選択された値とすることを特徴とする。
以上の構成を備えたイメージ信号抑圧装置は、適応信号処理の収束値が誤っている場合や、受信信号帯域が広く全帯域に渡りイメージ周波数信号を抑圧するのに適切な収束値を求めることが困難な場合に、工場出荷時のパラメータを複数用意して、この中から最適な補償値を選択することで、適応動作の停止時に補償処理性能の保証を行うことができる。
【0021】
請求項11の発明に係わるイメージ信号抑圧装置は、請求項8に記載のイメージ信号抑圧装置において、前記補償手段の出力信号の品質を測定する品質測定手段を備え、前記所定の固定値は、前記品質測定手段による受信信号品質測定結果が所定値以上の時に記憶された適応信号処理の補償値とすることを特徴とする。以上の構成を備えたイメージ信号抑圧装置は、工場出荷後の経年変化によるアナログ回路の特性変化に対応するために、良好な補償特性が得られている時の適応信号処理の補償値を保存し、この値により適応動作の停止時に補償処理性能の保証を行うことができる。
【0022】
請求項12の発明に係わるイメージ信号抑圧装置は、請求項11に記載のイメージ信号抑圧装置において、前記所定の固定値は、前記品質測定手段による受信信号品質測定結果が最も良好な結果を得られる時に記憶された適応信号処理の補償値とすることを特徴とする。
以上の構成を備えたイメージ信号抑圧装置は、適応信号処理の収束値が誤っている場合や、受信信号帯域が広く全帯域に渡りイメージ周波数信号を抑圧するのに適切な収束値を求めることが困難な場合に、適応信号処理結果が良好であった時のパラメータを複数用意して、この中から最適な補償値を選択することで、適応動作の停止時に補償処理性能の保証を行うことができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態によるイメージ信号抑圧装置の構成を示すブロック図である。
図1において、図10に示した従来例の受信機の構成要素と同じ符号を付与した構成要素は、従来例の受信機と同じ動作を行う構成要素である。図1を参照して、本実施の形態のイメージ信号抑圧装置を説明すると、本実施の形態のイメージ信号抑圧装置は、アンテナ1からの受信信号を、該受信信号に直交キャリア発振器21の発生する第1の周波数のローカル信号の実数軸信号”cos”と、実数軸信号より90度位相の進んだ虚数軸信号”−sin”とをそれぞれ乗算する乗算器22と乗算器23とを備えた直交検波器2においてLow IF複素信号に変換すると共に、Low IF複素信号に変換された直交検波器2の複素信号出力をA/D変換器であるADC3a、3bによりそれぞれA/D変換し、Low IF複素ディジタル信号(R.I、R.Q)として特性補償器制御部7へ入力する。
【0024】
特性補償器制御部7では、ADC3a、3bによってディジタル信号化されて入力されたLow IF複素ディジタル信号(R.I、R.Q)に、目的周波数帯域の信号(目的信号:S.I、S.Q)と、目的信号の周波数と複素共役の関係にある周波数(イメージ周波数)に存在する信号(イメージ周波数信号:I.I、I.Q)を分離する帯域制限を施して、後段に接続された特性補償器8へ出力すると共に、Low IF複素信号(R.I、R.Q)から、特性補償器8の適応処理のON/OFF(作動/停止)を制御する制御信号Cを生成し、特性補償器8へ出力する。また、場合によっては適応処理の係数に替わる固定係数データDも特性補償器8へ出力する。
特性補償器8では、特性補償器制御部7の出力する帯域制限を施されたLowIF複素ディジタル信号(S.I、S.Q)と(I.I、I.Q)に対し、特性補償器制御部7の出力する制御信号Cと適応処理を停止した際に保持された最終の係数、あるいは特性補償器制御部7の出力する固定係数データDに従って、ディジタル信号処理による直交検波器2の特性補償を行う。
【0025】
そして、特性補償器8の複素信号出力の実数軸信号(Y.I)と虚数軸信号(Y.Q)とに、直交キャリア発振器41の発生する第2の周波数のローカル信号の実数軸信号”cos”と、実数軸信号より90度位相の進んだ虚数軸信号”−sin”とをそれぞれ乗算する乗算器42及び乗算器43と、更に乗算器42の出力から乗算器43の出力を減算して実数軸信号出力とする減算器44を備えると共に、特性補償器8の複素信号出力の実数軸信号(Y.I)と虚数軸信号(Y.Q)とに、同様に直交キャリア発振器41の発生する第2の周波数のローカル信号の虚数軸信号”−sin”と、実数軸信号”cos”とをそれぞれ乗算する乗算器45及び乗算器46と、更に乗算器45の出力に乗算器46の出力を加算して虚数軸信号出力とする加算器47を備えた複素ミキサ5により、特性補償器8のLow IF複素信号出力をベースバンド信号に変換して、更に検波器9で検波を行う。
なお、検波器9から特性補償器制御部7へ入力されている受信信号品質Bの詳細については後述する。
【0026】
次に、本実施の形態のイメージ信号抑圧装置に用いられる特性補償器8について、図面を参照して説明する。
図2は、本実施の形態によるイメージ信号抑圧装置の特性補償器8の構成を示すブロック図であって、図2において、特性補償器8は、まず、入力された特性補償器制御部7の出力するイメージ周波数信号(I.I、I.Q)の虚数軸信号(I.Q)に”−1”を乗算することで、虚数軸信号(I.Q)の符号を反転させて、入力されたイメージ周波数信号の複素共役信号を作成するための乗算器51と、特性補償器8の出力信号を誤差信号、作成された複素共役信号を参照信号として、特性補償器制御部7の出力する制御信号Cに従って、フィルタの係数を制御する適応フィルタの中心部分LMSコア52と、LMSコア52の出力(イメージ周波数妨害キャンセル信号)の信号レベルを調整する実数軸側信号アッテネータATT53、及び虚数軸側信号アッテネータATT54と、ATT53とATT54により調整されたイメージ周波数妨害キャンセル信号を、入力された目的信号(S.I、S.Q)にそれぞれ合成する実数軸側の減算器55、及び虚数軸側の減算器56とから構成されている。
【0027】
特性補償器8は、イメージ周波数信号(I.I、I.Q)から生成した複素共役信号を参照信号Sとして、入力された目的信号(S.I、S.Q)中に存在する直交検波器2で発生したイメージ周波数信号のイメージ妨害によるイメージ周波数妨害信号と、参照信号Sとの誤差を最小にするように働く。誤差が完全に無いときイメージ周波数信号のイメージ妨害によるイメージ周波数妨害信号は完全に抑圧されるので、特性補償器8の適応精度限界までイメージ信号抑圧特性を向上できる。
また、特性補償器8は、適応処理時にキャリブレーション信号を入力して適応フィルタの係数を求めても良い。
【0028】
また、LMSコア52の出力の信号レベルを調整する実数軸側信号アッテネータATT53、及び虚数軸側信号アッテネータATT54は、LMSコア52のフィルタ係数語長を最小限の係数語長で動作させるために挿入する。これは、イメージ周波数信号のイメージ妨害によるイメージ周波数妨害信号は、適応フィルタに参照信号として入力されるイメージ周波数信号(I.I、I.Q)から生成した複素共役信号(参照信号S)より、信号レベルが非常に小さくなるために行うものであって、アッテネータを用いない場合は、LMSコア52は係数値の大きさを可変することにより、出力であるイメージ周波数妨害キャンセル信号をイメージ周波数妨害信号と同一レベルに可変する。しかし、係数値を小さくしなければいけないとき、これはフィルタ係数語長を短くすることと等しい。
【0029】
フィルタ係数語長は、参照信号UDとイメージ周波数妨害信号UIの比UI/UD(=周波数変換器のイメージ抑圧度)に比例して短い値となる。係数のビット長(係数語長)が短くなると適応精度が下がるため、良好なイメージ信号抑圧特性を実現するために、フィルタ係数語長を最大限に利用できるようにする冗長な係数語長を確保する必要がある。従って、フィルタ部出力にアッテネータを挿入することで、フィルタ係数値によりフィルタ出力レベルを小さくする必要は無くなり、フィルタ係数語長は最小語長で良い。また、トランスバーサル形のイコライザにおいてもフィルタ係数値により生成するイメージ周波数妨害キャンセル信号をイメージ周波数妨害信号と同一レベルに設定することが出来るが、係数値が小さくなることにより、正確なイコライザ特性を実現することができなくなるため、これを回避するために係数語長を冗長な値とする必要がある。イコライザ出力にアッテネータを挿入することで、イコライザの係数は同様に最小の係数語長で動作することが可能となる。
【0030】
また、イメージ周波数信号のイメージ妨害による妨害特性を改善することが目的であることから、イメージ周波数妨害信号に比較して目的信号が強く、必要とされるDU比(希望波と妨害波の比)が確保されるのであれば、アナログ変調では歪特性、デジタル変調ではBERを満足するために必要以上のDU比改善が不要となる。更に、アナログ部の特性変化が短い時間で生じることはないから、イメージ周波数信号のイメージ妨害によるイメージ周波数妨害信号が時間軸上で緩やかに変動する場合、適応処理を常に動作させる必要はない。
そこで、必要な時以外は、適応フィルタの適応動作を停止して信号を処理することができる。具体的には、例えば特性補償器制御部7の出力する制御信号Cに基づいて、特性補償器8のLMSコア52の適応処理のON/OFF(作動/停止)を制御することで、所定の時間だけ適応処理を行い、残りの時間は求めた係数(適応処理を停止した際に保持された最終の係数)、あるいは特性補償器制御部7の出力する固定係数データDによりLMSコア52の適応フィルタをイコライザとして動作させ、これを繰り返すことにより目的を達成することができる。
【0031】
次に、具体的に特性補償器8の適応処理を制御する方法について、第1から第3の実施例として特性補償器制御部7の構成と共に図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態の第1の実施例)
図3は、本実施の形態の第1の実施例による特性補償器制御部7の構成を示すブロック図であって、図3において、特性補償器制御部7は、(O.I、O.Q)端子から入力されたLow IF複素ディジタル信号(R.I、R.Q)に目的周波数帯域とイメージ周波数帯域の帯域制限を施し、(P.I、P.Q)端子と(Q.I、Q.Q)端子に、それぞれ目的信号(S.I、S.Q)とイメージ周波数信号(I.I、I.Q)とを出力する帯域制限フィルタ61と、目的信号(S.I、S.Q)の信号レベルを検出する信号レベル検出器63と、イメージ周波数信号(I.I、I.Q)の信号レベルを検出する信号レベル検出器64とを備えている。
【0032】
また、特性補償器制御部7は、信号レベル検出器63と信号レベル検出器64との出力を比較して、特性補償器8の適応処理のON/OFF(作動/停止)を制御する制御信号Cと、特性補償器8の適応フィルタをイコライザとして動作させるための固定係数データDを出力する制御部65を備えている。
ここで、制御部65は、イメージ周波数信号(I.I、I.Q)の信号レベルを、目的信号(S.I、S.Q)の信号レベルで除算した値が規定値以下の場合、または目的信号(S.I、S.Q)の信号レベルからイメージ周波数信号(I.I、I.Q)の信号レベルを減算した値が規定値以上の場合に、特性補償器8による適応信号処理の適応動作を停止(OFF)する信号を制御信号Cとして出力する。なお、特性補償器8による適応信号処理の適応動作を停止する場合には、適応処理のエラーが大きくなる前に適応フィルタ係数更新を停止することにより、特性補償器8は、保持された最終のフィルタ係数によるイコライザとして動作する。また、特性補償器8による適応信号処理の適応動作を停止する場合には、特性補償器8の適応フィルタをイコライザとして動作させるための固定係数データDを出力しても良い。
【0033】
更に、上述の実施例では、信号レベル検出器63を省略して、信号レベル検出器64によるイメージ周波数信号の信号レベルが規定値以下の場合に、特性補償器8による適応信号処理の適応動作を停止(OFF)する信号を制御信号Cとして出力しても良い。
【0034】
(第1の実施の形態の第2の実施例)
図4は、本実施の形態の第2の実施例による特性補償器制御部7の構成を示すブロック図であって、図4において、特性補償器制御部7は、(O.I、O.Q)端子から入力されたLow IF複素ディジタル信号(R.I、R.Q)に目的周波数帯域とイメージ周波数帯域の帯域制限を施し、(P.I、P.Q)端子と(Q.I、Q.Q)端子に、それぞれ目的信号(S.I、S.Q)とイメージ周波数信号(I.I、I.Q)とを出力する帯域制限フィルタ61と、イメージ周波数信号(I.I、I.Q)の共役複素信号を生成する共役複素信号生成部66と、目的信号(S.I、S.Q)とイメージ周波数信号(I.I、I.Q)の共役複素信号との相互相関を計算する相互相関器67とを備えている。
【0035】
また、特性補償器制御部7は、相互相関器67の出力に基づいて、特性補償器8の適応処理のON/OFF(作動/停止)を制御する制御信号Cと、特性補償器8の適応フィルタをイコライザとして動作させるための固定係数データDを出力する制御部68を備えている。
ここで、制御部68は、相互相関器67の出力する目的信号(S.I、S.Q)と、イメージ周波数信号(I.I、I.Q)の複素共役信号との相互相関度が、規定値以上の場合に、特性補償器8による適応信号処理の適応動作を停止(OFF)する信号を制御信号Cとして出力する。なお、第1の実施の形態の第1の実施例と同様に、特性補償器8による適応信号処理の適応動作を停止する場合には、適応処理のエラーが大きくなる前に適応フィルタ係数更新を停止することにより、特性補償器8は、保持された最終のフィルタ係数によるイコライザとして動作する。また、特性補償器8による適応信号処理の適応動作を停止する場合には、特性補償器8の適応フィルタをイコライザとして動作させるための固定係数データDを出力しても良い。
【0036】
(第1の実施の形態の第3の実施例)
図5は、本実施の形態の第3の実施例による特性補償器制御部7の構成を示すブロック図であって、図5において、特性補償器制御部7は、(O.I、O.Q)端子から入力されたLow IF複素ディジタル信号(R.I、R.Q)に目的周波数帯域とイメージ周波数帯域の帯域制限を施し、(P.I、P.Q)端子と(Q.I、Q.Q)端子に、それぞれ目的信号(S.I、S.Q)とイメージ周波数信号(I.I、I.Q)とを出力する帯域制限フィルタ61と、イメージ周波数信号(I.I、I.Q)の信号レベルを検出する信号レベル検出器64とを備えている。
【0037】
また、特性補償器制御部7は、信号レベル検出器64の出力を取得すると共に、検波器9において取得されたBER(Bit Error Rate)を受信信号品質Bとして取得し、この2つの値から特性補償器8の適応処理のON/OFF(作動/停止)を制御する制御信号Cと、特性補償器8の適応フィルタをイコライザとして動作させるための固定係数データDを出力する制御部69を備えている。
ここで、制御部69は、イメージ周波数信号(I.I、I.Q)の信号レベルが規定値以上で、かつ検波器9において取得されたBER(Bit Error Rate)により示される受信信号品質Bが規定値以上の場合に、特性補償器8による適応信号処理の適応動作を停止(OFF)する信号を制御信号Cとして出力する。なお、第1の実施の形態の第1、第2の実施例と同様に、特性補償器8による適応信号処理の適応動作を停止する場合には、適応処理のエラーが大きくなる前に適応フィルタ係数更新を停止することにより、特性補償器8は、保持された最終のフィルタ係数によるイコライザとして動作する。また、特性補償器8による適応信号処理の適応動作を停止する場合には、特性補償器8の適応フィルタをイコライザとして動作させるための固定係数データDを出力しても良い。
【0038】
更に、上述の実施例では、受信信号品質BはBERの他、FER(Frame Error Rate)やSNR、CNR等、受信信号の品質を表すものであれば何であっても良い。
【0039】
更に、上述の第1の実施の形態の第1から第3の実施例において用いられる帯域制限フィルタ61は、図6に示すような、それぞれ目的周波数帯域とイメージ周波数帯域の帯域制限を施す複素係数フィルタ71、72から構成されるものでも良いし、図7に示すような、ヒルベルト変換81、84と、ヒルベルト変換の遅延量を補償するための遅延器80、83とから構成されるものであっても良い。
【0040】
ここで、ヒルベルト変換を用いる場合は、減算器82により、(O.I、O.Q)端子から入力された信号(O.I)の遅延信号から、信号(O.Q)のヒルベルト変換後の信号を減算した信号を目的信号の実数軸信号とし、加算器85により、信号(O.I)のヒルベルト変換後の信号と、信号(O.Q)の遅延信号を加算した信号を目的信号の虚数軸信号として、(P.I、P.Q)端子に出力する。また、加算器86により、(O.I、O.Q)端子から入力された信号(O.I)の遅延信号と、信号(O.Q)のヒルベルト変換後の信号を加算した信号をイメージ周波数信号の実数軸信号とし、減算器87により、信号(O.I)のヒルベルト変換後の信号から、信号(O.Q)の遅延信号を減算した信号をイメージ周波数信号の虚数軸信号として、(Q.I、Q.Q)端子に出力する。
【0041】
なお、ヒルベルト変換にはFIRフィルタを用いるだけでなく、IIRフィルタを用いることで、より少ない演算量で良好な特性を実現することが可能である。
【0042】
また、本実施の形態において、特性補償器8による適応信号処理の適応動作を停止した際に、特性補償器制御部7より設定する固定係数データDにより特性補償器8の適応フィルタをイコライザとして動作させる場合には、直交検波器2を始めとするアナログ回路の特性変化要因をパラメータとする補償値のテーブルを作成して固定係数データDを制御することで、適応動作の停止時に、装置毎のアナログ回路の特性変化に追従して、良好な特性補償性能を発揮するイメージ信号抑圧装置を実現することができる。
【0043】
また、固定係数データDは、工場出荷後の経年変化によるアナログ回路の特性変化に対応するために、良好な補償特性が得られている時の適応信号処理の補償値を保存して利用することで、適応動作の停止時に補償処理性能の最低保証を行うことができる。
更に、固定係数データDは、適応信号処理の収束値が誤っている場合や、受信信号帯域が広く全帯域に渡り、イメージ周波数信号を抑圧するのに適切な収束値を求めることが困難な場合に、工場出荷時のパラメータや、適応信号処理結果が良好であった時のパラメータを複数用意して、この中から最適な補償値を選択して利用することで、適応動作の停止時に補償処理性能の最低保証を行うことができる。
【0044】
以上説明したように、本実施の形態のイメージ信号抑圧装置は、目的信号のイメージ周波数に存在する目的外信号(イメージ周波数信号)のイメージ妨害によって直交検波器2で発生するイメージ周波数妨害信号の抑圧を行う際、特性補償器8における適応信号処理の適応動作の作動と停止を、入力信号の自己相関特性やSNRばかりでなく、目的信号と目的外信号(イメージ周波数信号)との信号レベルの差や、入力信号の信号品質特性、更には目的信号と、目的外信号(イメージ周波数信号)のイメージによるイメージ周波数妨害信号に相当する複製信号との相互相関特性によって目的外信号(イメージ周波数信号)のイメージ妨害によるイメージ周波数妨害信号との相互相関特性によって特性補償器制御部7から制御することで、適応信号処理が適切に動作しないような条件下、または高精度な補償特性を必要としない場合には適応動作を停止する。
【0045】
従って、予め用意した所定の固定値により補償処理を行うことで、最低保障された特性補償性能を維持すると共に、消費電力を低減させることができるという効果が得られる。また、不要な適応動作を停止することで、目的外信号の特性や雑音による特性補償性能の劣化を防止することができるという効果が得られる。更に、予め用意した所定の固定値により補償処理を行うことで、入力信号に関係なく安定した特性補償性能を維持するイメージ信号抑圧装置を実現することができるという効果が得られる。
【0046】
また、特性補償器8の入力において、帯域制限フィルタ61により、目的信号とイメージ周波数信号とを分離することで、イメージ周波数妨害信号の信号レベルと、それ以外の信号や雑音とを合わせた信号レベルとの差を大きくとり、適応信号処理の収束性を向上させることができる。また、帯域制限フィルタ61を、信号レベル検出器63、64や相互相関器67に、目的の信号を入力するためのフィルタとして利用することで、新たなフィルタを設けることなく目的の計算を行うことができる。更に、帯域制限フィルタ61をヒルベルト変換を用いて構成することで、通常の複素係数フィルタに比較して演算量を半分にできる。
【0047】
従って、回路規模を増大させることなく、速い応答により良好な特性補償性能を維持するイメージ信号抑圧装置を実現することができるという効果が得られる。また、ヒルベルト変換を利用して、更に少ない消費電力で、良好な特性補償性能を維持するイメージ信号抑圧装置を実現することができるという効果が得られる。
【0048】
(第2の実施の形態)
図8は、本発明の第2の実施の形態によるイメージ信号抑圧装置の構成を示すブロック図である。
図8において、図10に示した従来例の受信機の構成要素と同じ符号を付与した構成要素は、従来例の受信機と同じ動作を行う構成要素である。図8を参照して、本実施の形態のイメージ信号抑圧装置を説明すると、本実施の形態のイメージ信号抑圧装置は、アンテナ1からの受信信号を、該受信信号に直交キャリア発振器21の発生する第1の周波数のローカル信号の実数軸信号”cos”と、実数軸信号より90度位相の進んだ虚数軸信号”−sin”とをそれぞれ乗算する乗算器22と乗算器23とを備えた直交検波器2において、Low IF複素信号に変換すると共に、Low IF複素信号に変換された直交検波器2の複素信号出力をA/D変換器であるADC3a、3bによりそれぞれA/D変換し、Low IF複素ディジタル信号(R.I、R.Q)として特性補償器制御部10へ入力する。
【0049】
特性補償器制御部10では、ADC3a、3bによってディジタル信号化されて入力されたLow IF複素ディジタル信号(R.I、R.Q)から、特性補償器11の適応処理のON/OFF(作動/停止)を制御する制御信号Cを生成し、特性補償器11へ出力する。また、場合によっては適応処理の係数に替わる固定係数データDも特性補償器11へ出力する。
一方、特性補償器11では、ADC3a、3bによってディジタル信号化されて入力されたLow IF複素ディジタル信号(R.I、R.Q)に対し、特性補償器制御部10の出力する制御信号Cと、適応処理を停止した際に保持された最終の係数、あるいは特性補償器制御部10の出力する固定係数データDに従って、ディジタル信号処理による直交検波器2の特性補償を行う。
【0050】
そして、特性補償器11の複素信号出力の実数軸信号(Y.I)と虚数軸信号(Y.Q)とに、直交キャリア発振器41の発生する第2の周波数のローカル信号の実数軸信号”cos”と、実数軸信号より90度位相の進んだ虚数軸信号”−sin”とをそれぞれ乗算する乗算器42及び乗算器43と、更に乗算器42の出力から乗算器43の出力を減算して実数軸信号出力とする減算器44を備えると共に、特性補償器11の複素信号出力の実数軸信号(Y.I)と虚数軸信号(Y.Q)とに、同様に直交キャリア発振器41の発生する第2の周波数のローカル信号の虚数軸信号”−sin”と、実数軸信号”cos”とをそれぞれ乗算する乗算器45及び乗算器46と、更に乗算器45の出力に乗算器46の出力を加算して虚数軸信号出力とする加算器47を備えた複素ミキサ5により、特性補償器11のLow IF複素信号出力をベースバンド信号に変換して、更に検波器9で検波を行う。
なお、検波器9から特性補償器制御部10へ入力されている受信信号品質Bの詳細については後述する。
【0051】
次に、本実施の形態のイメージ信号抑圧装置に用いられる特性補償器11について、図面を参照して説明する。
図9は、本実施の形態によるイメージ信号抑圧装置の特性補償器11の構成を示すブロック図であって、図9において、特性補償器11は、適応処理が作動している場合には、直交検波器2からADC3a、3bを介して入力されるディジタル信号化されたLow IF複素ディジタル信号(R.I、R.Q)の実数軸信号(R.I)と虚数軸信号(R.Q)に対して、係数の更新式
1,k=h1,k-1+μ(Y.I)Xqe
2,k=h2,k-1+μ(Y.I)Xqe
3,k=h3,k-1+μ(Y.I)Xie
(但し、σは所望の信号振幅値を示し、e=σ2−(Y.I2+Y.Q2)とする)により適応的に更新される係数h1、h2およびh3により、乗算器31において
Y.I=h3×S.I
の処理を行い、乗算器32、33と加算器34において
Y.Q=h1×S.Q+h2×S.I
の処理を行って、直交性および振幅の誤差が補償された実数軸信号(Y.I)及び虚数軸信号(Y.Q)を得る。
【0052】
また、適応処理を停止する場合には、制御信号Cによって上述の係数h1、h2およびh3の係数更新処理を停止し、保持された最終の係数を用いた固定係数による直交検波器2の特性補償を行うか、制御信号Cによって制御される切替器35、36、37を用いて、上述の係数h1、h2、h3を、特性補償器制御部10の出力する固定係数データDに切り替えることにより、固定係数データDによる直交検波器2の特性補償を行う。
【0053】
また、第1の実施の形態のイメージ信号抑圧装置と同様に、本実施の形態のイメージ信号抑圧装置においても、イメージ周波数信号のイメージ妨害による妨害特性を改善することが目的であることから、イメージ周波数妨害信号に比較して目的信号が強く、必要とされるDU比(希望波と妨害波の比)が確保されるのであれば、アナログ変調では歪特性、デジタル変調ではBERを満足するために必要以上のDU比改善が不要となる。更に、アナログ部の特性変化が短い時間で生じることはないから、イメージ周波数信号のイメージ妨害によるイメージ周波数妨害信号が時間軸上で緩やかに変動する場合、適応処理を常に動作させる必要はない。
【0054】
そこで、本実施の形態のイメージ信号抑圧装置も、第1の実施の形態のイメージ信号抑圧装置と同様に、図3から図5に示す構成を備えた特性補償器制御部により、制御信号Cと固定係数データDによって特性補償器11の適応処理を制御することができる。
但し、本実施の形態のイメージ信号抑圧装置に用いられる特性補償器制御部10は、第1の実施の形態で図3から図5を用いて説明した特性補償器制御部7と以下の点が異なる。
【0055】
すなわち、第1の実施の形態で説明した特性補償器制御部7が、(O.I、O.Q)端子から入力されたLow IF複素ディジタル信号(R.I、R.Q)に目的周波数帯域とイメージ周波数帯域の帯域制限を施し、(P.I、P.Q)端子と(Q.I、Q.Q)端子に、それぞれ目的信号(S.I、S.Q)とイメージ周波数信号(I.I、I.Q)とを出力するのに対して、本実施の形態で用いる特性補償器制御部10には、(P.I、P.Q)端子と(Q.I、Q.Q)端子が存在せず、目的信号(S.I、S.Q)とイメージ周波数信号(I.I、I.Q)とを出力しないことである。それ以外については、特性補償器制御部10と特性補償器制御部7とに異なる点はない。
【0056】
また、本実施の形態においても、特性補償器11による適応信号処理の適応動作を停止した際に、特性補償器制御部10より設定する固定係数データDにより特性補償器11をイコライザとして動作させる場合には、固定係数データDは、第1の実施の形態のイメージ抑圧装置と同様に、アナログ回路の特性変化要因をパラメータとする補償値のテーブルや、良好な補償特性が得られている時の適応信号処理の補償値、あるいは工場出荷時のパラメータや適応信号処理結果が良好であった時のパラメータを複数用意して、この中から選択された最適な補償値を利用することができる。
【0057】
以上説明したように、本実施の形態のイメージ信号抑圧装置は、第1の実施の形態のイメージ信号抑圧装置と同様に、特性補償器11における適応信号処理の適応動作の作動と停止を、入力信号の自己相関特性やSNRばかりでなく、目的信号と目的外信号(イメージ周波数信号)との信号レベルの差や、入力信号の信号品質特性、更には目的信号と、目的外信号(イメージ周波数信号)のイメージ妨害によるイメージ周波数妨害信号との相互相関特性によって特性補償器制御部10から制御することで、適応信号処理が適切に動作しないような条件下、または高精度な補償特性を必要としない場合には適応動作を停止する。
【0058】
従って、予め用意した所定の固定値により補償処理を行うことで、最低保障された特性補償性能を維持すると共に、消費電力を低減させることができるという効果が得られる。また、不要な適応動作を停止することで、目的外信号の特性や雑音による特性補償性能の劣化を防止することができるという効果が得られる。更に、予め用意した所定の固定値により補償処理を行うことで、入力信号に関係なく安定した特性補償性能を維持するイメージ信号抑圧装置を実現することができるという効果が得られる。
【0059】
また、帯域制限フィルタ61をヒルベルト変換を用いて構成することで、通常の複素係数フィルタに比較して演算量を半分にできる。従って、更に少ない消費電力で、良好な特性補償性能を維持するイメージ信号抑圧装置を実現することができるという効果が得られる。
【0060】
なお、上述の第1、第2の実施の形態において、特性補償器制御部7または特性補償器制御部10では、ADC3a、3bによりディジタル信号化されたLow IF複素ディジタル信号(R.I、R.Q)から、目的信号やイメージ周波数信号のレベル、あるいは目的信号とイメージ周波数信号の共役複素信号との相互相関を求めているが、これらは、ADC3a、3bによりディジタル信号化される前のアナログ状態の信号から求めても良い。
【0061】
【発明の効果】
以上の如く、請求項1に記載のイメージ信号抑圧装置によれば、補償手段における適応信号処理の適応動作の作動と停止を自由に制御して、周波数変換器で発生するイメージ周波数妨害信号を適応制御を用いて抑圧した信号や、周波数変換器で発生するイメージ周波数妨害信号を固定制御を用いて抑圧した信号のいずれでも簡単に取得することができる。
従って、適応信号処理の適応動作が必要ない、あるいは適応信号処理ができない状態では適応動作を停止することで、最低保障された特性補償性能を維持すると共に、消費電力を低減させることができるという効果が得られる。
【0062】
請求項2に記載のイメージ信号抑圧装置によれば、イメージ周波数信号による目的信号に対するイメージ妨害が小さく、かつイメージ周波数信号のSNR低下により正確な適応信号処理が困難な状態では、補償手段による適応信号処理の適応動作を停止する。
同様に、請求項3に記載のイメージ信号抑圧装置によれば、イメージ周波数信号のレベルが目的信号のレベルに比較して小さい場合、適応信号処理により補償する必要もなく、更に等価的にイメージ周波数信号のSNR低下とも見なせるため、補償手段による適応信号処理の適応動作を停止する。
従って、不要な適応動作を停止することで、雑音による特性補償性能の劣化を防止することができるという効果が得られる。
【0063】
請求項4に記載のイメージ信号抑圧装置によれば、目的信号とイメージ周波数信号のイメージ妨害によるイメージ周波数妨害信号との相互相関度が高く、適応信号処理において目的信号とイメージ周波数妨害信号との識別が困難で、目的信号に歪みが発生するような場合に、補償手段による適応信号処理の適応動作を停止する。
従って、不要な適応動作を停止することで、目的外信号の特性による特性補償性能の劣化を防止することができるという効果が得られる。
【0064】
請求項5に記載のイメージ信号抑圧装置によれば、目的信号がイメージ周波数信号により受信品質に係わるような影響を受けていない時には、適応信号処理を続ける必要がないので、補償手段による適応信号処理の適応動作を停止する。また、受信信号品質が悪化することがあれば、適応信号処理の適応動作を再開する。
従って、受信信号の品質が一定になるように、適応信号処理の適応動作の作動と停止を自由に制御することで、いつでも良好な特性補償性能を維持することができるという効果が得られる。
【0065】
請求項6に記載のイメージ信号抑圧装置によれば、補償手段の入力において、目的信号とイメージ周波数信号とを分離することにより、適応信号処理の収束性を向上させることができる。また、新たなフィルタを設けることなく、イメージ周波数信号検出手段や目的信号検出手段、更には相関計算手段に、目的の信号を入力することができる。
また、請求項7に記載のイメージ信号抑圧装置によれば、ヒルベルト変換を利用して位相処理を行うことで、複素係数フィルタを用いた場合に比較して、演算量を半分にすることが可能となる。
従って、回路規模を増大させることなく、速い応答により良好な特性補償性能を維持するイメージ信号抑圧装置を実現することができるという効果が得られる。また、ヒルベルト変換を利用して、更に少ない消費電力で、良好な特性補償性能を維持するイメージ信号抑圧装置を実現することができるという効果が得られる。
【0066】
請求項8に記載のイメージ信号抑圧装置によれば、予め用意した所定の固定値により補償処理を行うことで、適応動作の停止時に補償処理性能の保証を行うことができる。
従って、入力信号に関係なく安定した特性補償性能を維持するイメージ信号抑圧装置を実現することができるという効果が得られる。
【0067】
請求項9に記載のイメージ信号抑圧装置によれば、周波数変換手段を始めとするアナログ回路の特性変化要因をパラメータとする補償値のテーブルを作成することで、適応動作の停止時に補償処理性能の保証を行うことができる。
従って、装置毎のアナログ回路の特性変化に追従して、良好な特性補償性能を発揮するイメージ信号抑圧装置を実現することができるという効果が得られる。
【0068】
更に、請求項11に記載のイメージ信号抑圧装置によれば、経年変化によるアナログ回路の特性変化に対応するために、良好な補償特性が得られている時の適応信号処理の補償値を保存し、この値により適応動作の停止時に補償処理性能の保証を行うことができる。また、請求項10、及び請求項12に記載のイメージ信号抑圧装置によれば、適応信号処理の収束値が誤っている場合や、受信信号帯域が広く全帯域に渡りイメージ周波数信号を抑圧するのに適切な収束値を求めることが困難な場合に、パラメータを複数用意して、この中から最適な補償値を選択することで、適応動作の停止時に補償処理性能の保証を行うことができる。
従って、いつでも最良な状態の特性補償性能を発揮するイメージ信号抑圧装置を実現することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態によるイメージ信号抑圧装置の構成を示すブロック図である。
【図2】 同実施の形態によるイメージ信号抑圧装置の特性補償器の構成を示すブロック図である。
【図3】 同実施の形態のイメージ信号抑圧装置の第1の実施例による特性補償器制御部の構成を示すブロック図である。
【図4】 同実施の形態のイメージ信号抑圧装置の第2の実施例による特性補償器制御部の構成を示すブロック図である。
【図5】 同実施の形態のイメージ信号抑圧装置の第3の実施例による特性補償器制御部の構成を示すブロック図である。
【図6】 同実施の形態のイメージ信号抑圧装置の特性補償器制御部に用いる帯域制限フィルタを複素係数フィルタで構成する場合のブロック図である。
【図7】 同実施の形態のイメージ信号抑圧装置の特性補償器制御部に用いる帯域制限フィルタをヒルベルト変換を用いて構成する場合のブロック図である。
【図8】 本発明の第2の実施の形態によるイメージ信号抑圧装置の構成を示すブロック図である。
【図9】 同実施の形態によるイメージ信号抑圧装置の特性補償器の構成を示すブロック図である。
【図10】 従来例の受信機の構成を示すブロック図である。
【図11】 従来例の受信機の特性補償器の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 アンテナ
2 直交検波器
3a、3b ADC(A/D変換器)
4 特性補償器
5 複素ミキサ
6 検波器
7 特性補償器制御部
8 特性補償器
9 検波器
10 特性補償器制御部
11 特性補償器
21 直交キャリア発振器(第1の周波数)
22、23、31、32、33、42、43、45、46、51 乗算器
34、47、85、86 加算器
35、36、37 切替器
41 直交キャリア発振器(第2の周波数)
44、55、56、82、87 減算器
52 LMSコア
53、54 ATT
61 帯域制限フィルタ
63、64 信号レベル検出器
65 制御部
66 共役複素信号生成部
67 相互相関器
68 制御部
69 制御部
71、72 複素係数フィルタ
80、83 遅延器
81、84 ヒルベルト変換器

Claims (12)

  1. 複素信号で表されたローカル信号により、実信号または複素信号で表された入力信号の周波数を変換して、複素信号で表された目的信号出力を得る周波数変換手段と、目的信号の周波数と複素共役の関係にあるイメージ周波数に存在するイメージ周波数信号のイメージ妨害により、前記周波数変換手段の出力に発生するイメージ周波数妨害信号を、適応信号処理を用いた補償処理により抑圧する補償手段とを備えたイメージ信号抑圧装置において、
    前記補償手段が、適応信号処理の適応動作の作動と停止の切り替えを制御可能であることを特徴とするイメージ信号抑圧装置。
  2. 前記イメージ周波数信号の信号レベルを検出するイメージ周波数信号検出手段と、
    前記イメージ周波数信号の信号レベルが所定値以下の場合に、前記補償手段による適応信号処理の適応動作を停止する制御手段と
    を備えたことを特徴とする請求項1に記載のイメージ信号抑圧装置。
  3. 前記目的信号の信号レベルを検出する目的信号検出手段と、
    前記イメージ周波数信号の信号レベルを検出するイメージ周波数信号検出手段と、
    前記イメージ周波数信号の信号レベルを前記目的信号の信号レベルで除算した値が所定値以下の場合、または前記目的信号の信号レベルから前記イメージ周波数信号の信号レベルを減算した値が所定値以上の場合に、前記補償手段による適応信号処理の適応動作を停止する制御手段と
    を備えたことを特徴とする請求項1に記載のイメージ信号抑圧装置。
  4. 前記イメージ周波数信号の複素共役信号を生成する複素共役信号生成手段と、
    前記目的信号と前記イメージ周波数信号の複素共役信号との相互相関を求める相関計算手段と、
    前記目的信号と前記イメージ周波数信号の複素共役信号との相互相関度が所定値以上の場合に、前記補償手段による適応信号処理の適応動作を停止する制御手段と
    を備えたことを特徴とする請求項1に記載のイメージ信号抑圧装置。
  5. 前記イメージ周波数信号の信号レベルを検出するイメージ周波数信号検出手段と、
    前記補償手段の出力信号の品質を測定する品質測定手段と、
    前記イメージ周波数信号の信号レベルが所定値以上で、かつ前記品質測定手段による前記補償手段の出力信号の品質測定結果が所定値以上の場合に、前記補償手段による適応信号処理の適応動作を停止する制御手段と
    を備えたことを特徴とする請求項1に記載のイメージ信号抑圧装置。
  6. 目的信号周波数帯域を通過帯域とする目的信号用フィルタと、
    イメージ周波数信号周波数帯域を通過帯域とするイメージ周波数信号用フィルタとを備え、
    前記周波数変換手段の出力信号を、前記目的信号用フィルタと前記イメージ周波数信号用フィルタとによりそれぞれ帯域制限した後、前記補償手段により、前記周波数変換手段の出力に発生する前記イメージ周波数妨害信号を抑圧する
    ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載のイメージ信号抑圧装置。
  7. 前記目的信号用フィルタと前記イメージ周波数信号用フィルタは、不要な周波数成分を位相処理により抑圧するイメージリジェクションフィルタである
    ことを特徴とする請求項6に記載のイメージ信号抑圧装置。
  8. 前記補償手段による適応信号処理の適応動作の停止時に、前記補償手段が補償処理を行うための所定の固定値を設定する制御手段を備えたことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載のイメージ信号抑圧装置。
  9. 前記所定の固定値は、予め測定された受信回路の特性に基づいて設定された値とする
    ことを特徴とする請求項8に記載のイメージ信号抑圧装置。
  10. 前記補償手段の出力信号の品質を測定する品質測定手段を備え、
    前記所定の固定値は、複数の値の中から、前記品質測定手段による受信信号品質測定結果が最も良好な結果を得られる値として選択された値とする
    ことを特徴とする請求項9に記載のイメージ信号抑圧装置。
  11. 前記補償手段の出力信号の品質を測定する品質測定手段を備え、
    前記所定の固定値は、前記品質測定手段による受信信号品質測定結果が所定値以上の時に記憶された適応信号処理の補償値とする
    ことを特徴とする請求項8に記載のイメージ信号抑圧装置。
  12. 前記所定の固定値は、前記品質測定手段による受信信号品質測定結果が最も良好な結果を得られる時に記憶された適応信号処理の補償値とする
    ことを特徴とする請求項11に記載のイメージ信号抑圧装置。
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