JP5524345B2 - 相互変調歪みの打ち消しの集積回路、通信ユニットおよび方法 - Google Patents

相互変調歪みの打ち消しの集積回路、通信ユニットおよび方法 Download PDF

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Description

本発明の分野は相互変調歪み(intermodulation distortion)の打ち消しの集積回路、通信ユニットおよび方法に関する。本発明は、これに限られるものではないが、集積回路および無線通信ユニットにおける二次の相互変調生成物歪み(intermodulation product distortion)の打ち消しに適用可能である。
多年にわたって、周波数分割複信(FDD: frequency division duplex)および時分割複信(TDD: time division duplex)は、無線システムにおいて上りリンク(UL: uplink)および下りリンク(DL: downlink)伝送を扱うための二つの選ばれた方法であり続けてきた。FDDはULとDLのために二つの異なる周波数を使い、それにより両者を周波数において分離する。一方、TDDはULおよびDL信号両方について単一の周波数を使い、両者を時間で分離する。したがって、多数の遠隔通信規格の性能要件を満たすために、集積回路(IC)および/または通信ユニットは周波数分割複信(FDD)技術をUL/DL送受信通信を分離するための機構として利用するよう設計されてきた。
結果として、特に第三世代(3G)広帯域符号分割多重アクセス(WCDMA: wideband code division multiple access)規格における1GHz周波数領域のように送信(よって受信)周波数が非常に高い典型的な無線通信周波数では、ICまたは通信ユニット内で、これら非常に高い周波数での送信および受信される信号の間の貧弱な孤立のため、干渉が引き起こされることが知られている。ここで、送信信号は複信フィルタを通じて漏れ、受信ミキサ〔混合器〕内の二次歪みの機構を介してベースバンドに混合し、それにより劣化した受信信号対雑音比(SNR: signal to noise ratio)性能につながる。これは、受信機の事実上の感度低下を引き起こす。受信機が該受信機の「感度」と称される最小の受信パワー機能でまたはその近くで動作する一方、送信機が該送信機の最大送信パワー機能でまたはその近くで動作する場合に、この問題は決定的になる。このシナリオでは、そのような二次の相互変調生成物は、電波を「不感化」し、ビット誤り率(BER: bit-error-rate)障害につながることがありうる。二次の相互変調歪み(IM2またはIIP2)は、二つの信号が二次の非線形性を通じて互いと混合して、二つの干渉波の和周波数および差周波数のところに相互変調生成物を生成するときに生じる。
図1は、高周波数通信ユニット100における既知の回路およびそのような二次相互変調生成物干渉効果の原因を概略的に示している。高周波数通信ユニット100はデジタルのベースバンドの「I」および「Q」信号102を有し、これが送信デジタル‐アナログ変換器(TX DAC)105に入力され、そこでデジタルのベースバンドの「I」および「Q」信号102はアナログのベースバンドの「I」および「Q」信号に変換され、低域通過フィルタ(LPF: low pass filter)110においてフィルタ処理される。フィルタ処理されたベースバンド信号は次いで、局部発振器(LO: local oscillator)120に結合されたミキサ段115を使って周波数において上方変換され、それによりフィルタ処理されたベースバンド信号は周波数において、LO 120によって与えられるLO信号の周波数に移動させられる。ミキサ段115から出力される上方変換された信号は電力増幅器(PA: power amplifier)125に入力され、そこで、アンテナ135から放射されるのに十分高い電波周波数レベルに増幅される。アンテナ135は(送受信(Tx/Rx))複信フィルタ130に結合されており、該複信フィルタ130が送信経路から受領される信号が通信ユニットの受信経路に入らないよう減衰させようとする。しかしながら、そのような高い電波周波数でのフィルタ処理技術の限界のため、有意な量の送信信号が受信機経路中に漏れる(140)。
受信経路においては、アンテナ135およびTx/Rx複信フィルタ130は、受信された高周波数信号を低雑音増幅器(LNA: low noise amplifier)145にルーティングする。増幅された高周波数信号は直交下方混合器(quadrature down-mixer)150に入力され、該直交下方混合器150は、LO源160から供給される直交シフト155された局部発振器(LO)信号を乗算することによって増幅された信号を下方変換する。直交下方混合器150からの出力はベースバンド周波数であり、周波数領域において望まれない信号を除去するまたは減衰させるために低域通過または帯域通過フィルタ処理(LPF/BPF)165を使うことができる。ベースバンド信号は低周波数(LF: low frequency)信号、極低中間周波数(VLIF: very low intermediate frequency)信号またさらにはDC(ゼロIF)信号であってもよい。ベースバンドの(アナログ)フィルタ処理された信号は次いで受信アナログ‐デジタル変換器(RX ADC)170においてデジタル化され、フィルタ175において量子化効果を除去するために再びフィルタ処理される。グラフ185は、受信経路中への送信信号の漏れによって受信機の性能がいかに不感化(しばしば「デセンス(desense)」と称される)されるかを示している。不感化効果の大半は受信下方混合器段において発生している。性能低下は、「不感化」および最終的にはビット誤り率(BER)を使って測られ、ベースバンド信号におけるIMD2生成物の存在に起因する。
受信経路中に漏れる送信信号のレベルを最小化するための古典的な解決策は、表面弾性波(SAW: surface acoustic wave)フィルタを使う。しかしながら、SAWフィルタの使用は、特に携帯電話端末機ビジネスにおいては、製品のコストとサイズを最小化する高まり続ける必要性を考えると、その大きなサイズおよび高いコスト因子のため、もはや受け容れ可能ではない。
一つの試みられた解決策は、SAWフィルタの機能の代わりとするために、統合された狭帯域の、同調可能な帯域通過またはノッチ型のフィルタを使うことであった。しかしながら、この解決策には、複数の集中素子(lumped element)インダクタを使わなければならないという問題がある。
さらなる代替的な手法は、プロセス、電圧および温度(PVT: process, voltage and temperature)変動を横断して最大のIIP2のために受信下方混合器動作を調える(trim)較正方式を用いることである。しかしながら、この手法は有効ではないことがありうると信じられている。アナログ電波周波数設計はPVTを横断してはよくはたらかないからである。さらに、専用の調整ポートの追加は潜在的に他のキーとなるRFメトリックを損なうことがありうるとの懸念がある。
二次相互変調生成物の打ち消しの一つの既知の例が図2に示されている。デジタルのベースバンドの「I」および「Q」信号102は、適応相互変調歪み(IMD: intermodulation distortion)打ち消し機能215にも入力される。IMD打ち消し機能215は、通信ユニットの送信機二次相互変調歪み成分のデジタル推定値を(信号220、225において)与えるよう構成される。その後、送信二次相互変調歪み成分の(信号220、225における)デジタル推定値が、減算ブロック230、235において、フィルタ175からの信号から減算され、それにより複信フィルタ130を通じた送信信号の漏れの結果として受信経路に生成された二次相互変調歪み成分の一部を除去する。この仕方では、干渉の推定は相関付けられた基準(correlated reference)に基づく。このように、図2の技法は、受信信号のDC補正後に誤差信号を生成し、この誤差信号を、IMD打ち消し機能215内の適応干渉打ち消しをトレーニングするために使う。その後、打ち消しは、推定誤差の平均二乗パワーを最小化するよう適応される。
関連技術に存在するいくつかの欠点がある。たとえば、受信機性能の選択性(selectivity)(帯域幅(BW: bandwidth)がたとえば<100Hzのときの)は、たとえば使用される何らかの平均化技法に起因する、あまりに遅い落ち着くまでの時間という欠点を伴う。よって、DC補正技法を考える設計者は、選択性か落ち着くまでの時間かというトレードオフに直面する。関連技術において存在しているさらなる欠点は、打ち消し信号を制御するために、普通の「I」および「Q」経路が、よって単一利得段が使われるということである。関連技術に存在するさらなる欠点は、適応レートの固定値(よって融通の利かない値)が選択され、その値が通信ユニットのパワー範囲を通じてはたらくということである。
このように、改善された集積回路、通信ユニットおよびそれらのための打ち消し方法が必要とされている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]米国特許出願公開第2008/0232268号明細書
[非特許文献]
[非特許文献1]DUFRENE, Adaptive IP2 calibration scheme for direct-conversion receivers, Radio and Wireless Symposium, pp. 111-114, 2006 IEEE
[非特許文献2]APARIN, An Integrated LMS Adaptive Filter of TX Leakage for CDMA Receiver Front Ends, IEEE JOURNAL OF SOLID-STATE CIRCUITS, pp. 1171-1182, VOL. 41, NO. 5, MAY 2006
よって、本発明は、上述した欠点を単独でまたは任意の組み合わせにおいて緩和、軽減または解消しようとするものである。
本発明の諸側面は、付属の請求項に記載されるような、改善された集積回路、通信ユニットおよびそのための方法を提供する。
本発明の第一の側面によれば、直交ベースバンド送信信号(quadrature baseband transmit signal)を処理して、無線伝送のための第一の電波周波数信号を生成するよう構成された送信機を有する無線通信ユニットが提供される。本無線通信ユニットは、第二の電波周波数信号を受信し、該第二の電波周波数信号を直交ベースバンド受信信号(quadrature baseband receive signal)に変換するよう構成された受信機を有し、該受信機は、前記直交ベースバンド受信信号に打ち消し信号を加えるよう構成された少なくとも一つの加算モジュールを有する。前記無線通信ユニットは、前記送信機および前記受信機をアンテナに結合するよう構成された選択性要素を有し、それにより、前記第二の電波周波数信号中に導入され、それにより前記ベースバンド受信信号中の二次の相互変調歪み成分を生成する前記第一の電波周波数信号の部分が小さくなる。
本無線通信ユニットはさらに:前記直交ベースバンド送信信号および直交ベースバンド受信信号を受領し;前記直交ベースバンド受信信号の少なくとも一つの信号成分に基づいて、前記直交ベースバンド送信信号の直交部分(quadrature portions)に独立な利得および位相調整を適用して、独立した打ち消し信号を形成し;前記独立した打ち消し信号を前記少なくとも一つの加算モジュールに加えるよう構成されたベースバンド処理モジュールを有する。
このようにして、IMD2生成物のより正確な打ち消しを提供するために、独立した位相および利得調整をもつ向上した二次相互変調モデルが生成されうる。
本発明の任意的な特徴によれば、前記ベースバンド処理モジュールは複数の独立な適応フィルタを有していてもよい。前記複数の独立な適応フィルタは、前記直交ベースバンド受信信号と前記直交ベースバンド送信信号の間のミスマッチ誤差を補償するよう構成されたマルチタップ有限インパルス応答(FIR: finite impulse response)フィルタを有していてもよい。
本発明の任意的な特徴によれば、本無線通信ユニットは、前記適応推定器モジュールに動作可能に結合され、前記ベースバンド受信信号のオンチャネル・パワー・レベルを測定するよう構成されたパワー測定モジュールを有していてもよい。前記適応推定器モジュールは、前記ベースバンド受信信号の測定されたオンチャネル・パワー・レベルに基づいて前記打ち消し信号を生成することにおいて、前記適応推定器モジュールによって使用されるべき適応レートを決定するよう構成されたベースバンド処理モジュールを有する。このようにして、二次相互変調歪みを低減するための適応レート(adaptation rate)の自動制御を提供する機構が記載される。
本発明の任意的な特徴によれば、前記ベースバンド処理モジュールは、前記打ち消し信号が二次相互変調歪み成分を打ち消すよう、相関していないノイズ成分を無視するよう構成されていてもよい。
本発明の任意的な特徴によれば、前記受信機は、前記加算モジュールに動作可能に結合されたアナログ‐デジタル変換器を有していてもよい。前記受信機は、前記受信機内に位置され、前記加算モジュールから出力された信号をフィルタ処理するよう構成されたデジタル・フィルタをさらに有していてもよく;前記適応推定器モジュールは出力されたフィルタ処理された信号およびベースバンド送信信号を受領し、それに基づいて前記打ち消し信号を生成するよう構成されていてもよい。このようにして、前記打ち消しノードは、諸ベースバンド・フィルタ処理要素を横断して適切に分割されてもよい。
本発明の任意的な特徴によれば、前記デジタル・フィルタは、デジタル隣接チャネル・フィルタであってもよく、該デジタル隣接チャネル・フィルタはマッチング・フィルタを有していてもよい。
本発明の任意的な特徴によれば、本無線通信ユニットはさらに、前記第一のベースバンド送信信号と前記打ち消し信号のそれぞれの少なくとも一つのタップの相互相関を実行して、両者の間の時間差を表す誤差信号を生成するよう構成されたコントローラ・モジュールを有していてもよい。本無線通信ユニットはさらに、前記コントローラ・モジュールに動作可能に結合され、前記誤差信号を使って:前記第一のベースバンド送信信号、前記打ち消し信号の群からの少なくとも一つに加えられる時間遅延を設定するよう構成された制御可能な遅延要素を有していてもよい。このようにして、自己調整時間整列システムが得られる。
本発明の任意的な特徴によれば、前記コントローラ・モジュールは、いくつかの遅延点において評価された二つの信号の間の相互相関を実行するよう構成されていてもよい。
本発明の任意的な特徴によれば、前記コントローラ・モジュールは、前記誤差信号が最小になるまで、前記制御可能な遅延要素を調整するよう構成されていてもよい。
本発明の第二の側面によれば、無線通信ユニットのための集積回路が提供される。本集積回路は、直交ベースバンド送信信号を処理して、無線伝送のための第一の電波周波数信号を生成するよう構成された送信機を有する。受信機が、前記第一の電波周波数信号の縮小された部分を含む第二の電波周波数信号を受領し、前記第二の電波周波数信号を直交ベースバンド受信信号に変換するよう構成され、該受信機は、前記直交ベースバンド受信信号に打ち消し信号を加えるよう構成された少なくとも一つの加算モジュールを有し、前記第一の電波周波数信号の前記縮小された部分は、前記ベースバンド受信信号中の二次の相互変調歪み成分を生成する。ベースバンド処理モジュールが、前記直交ベースバンド送信信号および直交ベースバンド受信信号を受領し;前記直交ベースバンド受信信号の少なくとも一つの信号成分に基づいて、前記直交ベースバンド送信信号の直交部分に対して、独立な利得および位相調整を適用して、独立した打ち消し信号を形成し;前記独立した打ち消し信号を前記少なくとも一つの加算モジュールに加えるよう構成される。
本発明の第三の側面によれば、無線通信ユニットにおいて二次の相互変調歪み成分を小さくする方法が提供される。本方法は、直交ベースバンド送信信号を処理して、無線伝送のための第一の電波周波数信号を生成する段階と;前記第一の電波周波数信号の、前記ベースバンド受信信号において二次相互変調歪み成分を生成する縮小された部分を含む第二の電波周波数信号を受信する段階とを含む。本方法はさらに、前記第二の電波周波数信号を直交ベースバンド受信信号に変換する段階と;前記直交ベースバンド受信信号の少なくとも一つの信号成分に基づいて、前記直交ベースバンド送信信号の直交部分に対して、独立な利得および位相調整を適用して、独立した打ち消し信号を形成する段階と;前記独立した打ち消し信号を前記直交ベースバンド受信信号に加えて、前記二次相互変調歪み成分を縮小する段階とを含む。
本発明の第四の側面によれば、無線通信ユニットにおいて二次の相互変調歪み成分を小さくするための実行可能プログラム・コードを有するコンピュータ・プログラム・プロダクトが提供される。前記実行可能プログラム・コードは、直交ベースバンド送信信号を処理して、無線伝送のための第一の電波周波数信号を生成し;前記第一の電波周波数信号の、前記ベースバンド受信信号において二次相互変調歪み成分を生成する縮小された部分を含む第二の電波周波数信号を受信するために機能できる。前記実行可能プログラム・コードはさらに、前記第二の電波周波数信号を直交ベースバンド受信信号に変換し;前記直交ベースバンド受信信号の少なくとも一つの信号成分に基づいて、前記直交ベースバンド送信信号の直交部分に対して、独立な利得および位相調整を適用して、独立した打ち消し信号を形成し;前記独立した打ち消し信号を前記直交ベースバンド受信信号に加えて、前記二次相互変調歪み成分を縮小する段階とを含む。
本発明のこれらおよびその他の側面は、以下に述べる実施形態から明白となり、これを参照することで明快にされるであろう。
本発明のさらなる詳細、諸側面および実施形態について、あくまでも例として、図面を参照しつつ述べる。図面における要素は簡明のために示されており、必ずしも縮尺通りに描かれてはいない。理解を助けるため、各図面において同様の参照符号が含められている。
二次の相互変調歪みをもつ既知の問題を例解する、通信ユニットの高レベルのブロック図である。 前記二次の相互変調歪み問題への既知の潜在的な解決策を例解する、通信ユニットの高レベルのブロック図である。 本発明の諸実施形態を実装するよう適応された例示的な通信ユニットの高レベルのブロック図である。 本発明の諸実施形態を実装するよう適応された例示的な通信ユニットのより詳細な機能ブロック図である。 二次相互変調歪み(IMD2)モデルの構成の例を示す図である。 図4の受信機経路の受信機ベースバンド処理モデルの例を示す図である。 たとえば固定遅延同期技法を補完するための、自己調整遅延機構の例を示す図である。 本発明の諸実施形態における信号処理機能を実装するために用いられうる典型的なコンピューティング・システムを示す図である。
本発明の例について、符号分割多重アクセス通信をサポートする無線通信ユニットに関して記述するが、当業者は、本稿に記載されるいくつかの概念がいかなる型の無線通信ユニットにおいて具現されてもよく、よって、CDMA通信ユニットに限定されなくてもよいことを理解するであろう。
まず図3を参照するに、本発明の例示的な諸実施形態に基づく、無線通信ユニット(時に、セルラー通信のコンテキストでは移動加入者ユニット(MS: mobile subscriber unit)または第三世代パートナーシップ・プロジェクト(3GPP: 3rd generation partnership project)関連ではユーザー装置(UE: user equipment)と称される)のブロック図が示されている。無線通信ユニット300はアンテナを含み、該アンテナは、好ましくは、無線通信ユニット300内の受信チェーンと送信チェーンの間の隔離を与える複信フィルタまたはアンテナ・スイッチ304に結合されている。
当技術分野において知られている受信機チェーンは、受信機フロントエンド回路306(事実上、受信、フィルタ処理および中間周波数もしくはベースバンド周波数変換を提供する)を含む。フロントエンド回路306は信号処理モジュール308に直列に結合されている。信号処理モジュール308からの出力は、好適な出力装置310、コード・パワー指標(RSCP)回路312に与えられ、該RSCP回路312は全体的な加入者ユニット制御を維持するコントローラ314に結合されている。したがって、コントローラ314は復元された情報からビット誤り率(BER: bit error rate)またはフレーム誤り率(FER: frame error rate)を受領してもよい。コントローラ314は受信機フロントエンド回路306および信号処理モジュール308(一般にデジタル信号プロセッサ(DSP: digital signal processor)330によって実現される)にも結合されている。コントローラは、デコード/エンコード機能、同期パターン、コード・シーケンス、RSSIデータなどといった動作レジームを選択的に記憶するメモリ・デバイス316にも結合されている。
本発明の例によれば、メモリ・デバイス316は、適応フィルタ係数、線形送受信利得値、時間整列設定、適応レート(adaptation rate)値、dcフィルタ同調レート(tuning rate)などといったフィルタ情報を記憶する。より高いレベルでは、メモリ・デバイス316は、前記の、より低レベルのh/wを構成設定および制御する状態機械データ/コード全体を記憶してもよい。このように、メモリ・デバイス316に含まれるデータは、無線通信ユニット300によって使用され、信号処理モジュール308によって処理されてもよい。さらに、無線通信ユニット300内で動作(時間依存信号の送信または受信)のタイミングを制御するために、タイマー318がコントローラ314に動作可能に結合される。
送信チェーンに関しては、これは本質的には送信機/変調回路322および電力増幅器324を通じて直列にアンテナに結合された、キーパッドのような入力装置320を含む。送信機/変調回路322および電力増幅器324は、動作上、コントローラ314に応答する。
送信チェーンにおける信号プロセッサ・モジュールは、受信チェーンにおけるプロセッサとは相異なるものとして実装されてもよい。あるいはまた、単一のプロセッサ・モジュール308が、図3に示されるように、送信信号および受信信号の両方の処理を実装するために使用されてもよい。明らかに、無線通信ユニット300内のさまざまなコンポーネントは、離散的なまたは集積されたコンポーネントの形で実現できる。したがって、最終的な構造は単に用途固有のまたは設計上の選択である。
ここで図4を参照するに、無線通信ユニット400の例のより詳細な機能図が示されている。無線通信ユニット400は、送信デジタル‐アナログ変換器(TX DAC)406に入力されるデジタルのベースバンドの「I」および「Q」信号402、404を有し、ここで、デジタルのベースバンドの「I」および「Q」信号402、404がアナログのベースバンドの「I」および「Q」信号に変換され、低域通過アナログ・アンチエイリアシング・フィルタ408においてフィルタ処理される。フィルタ処理されたベースバンド信号は次いで、局部発振器(LO: local oscillator)412に結合されたミキサ段410を使って周波数において上方変換され、それによりフィルタ処理されたベースバンド信号は周波数において、LO 412によって与えられるLO信号の周波数に移動させられる。ミキサ段410から出力される上方変換された信号は電力増幅器(PA: power amplifier)414に入力され、そこで、アンテナ418から放射されるのに十分高い電波周波数レベルに増幅される。アンテナ418は(送受信(Tx/Rx))複信フィルタ416に結合されており、該複信フィルタ416が送信経路から受領される信号が通信ユニットの受信経路に入らないよう減衰させようとする。しかしながら、そのような高い電波周波数でのフィルタ処理技術の限界のため、有意な量の送信信号が受信機経路中に漏れることがある。受信経路においては、アンテナ418およびTx/Rx複信フィルタ416は、受信された高周波数信号を低雑音増幅器(図示せず)にルーティングする。増幅された高周波数信号は直交下方混合器(quadrature down-mixer)420に入力され、該直交下方混合器420は、LO源424から供給される直交シフト422された局部発振器(LO)信号を乗算することによって、増幅された信号を下方変換する。直交下方混合器420からの出力はベースバンド周波数であり、周波数領域において望まれない隣接チャネル干渉(ACI: adjacent channel interfering)信号を除去する(または実質的に減衰させる)ためにアナログの低域通過または帯域通過フィルタ(LPF/BPF)426を使うことができる。
ベースバンド信号は低周波数(LF: low frequency)信号、極低中間周波数(VLIF: very low intermediate frequency)信号またさらにはDC(ゼロIF)信号であってもよい。ベースバンドの(アナログ)フィルタ処理された信号は次いで受信アナログ‐デジタル変換器(RX ADC)428においてデジタル化される。
ある例示的な実施形態によれば、デジタル送信「I」および「Q」サンプル402、404が、送信DAC 406より前に取り出され、
Figure 0005524345
フィルタ436によってフィルタ処理される。ここで、^付きのg(n)は、取り出し基準点と(アンテナ418における)送信電波周波数ポートの間の送信経路に沿って存在する複合(すなわち、デジタル+アナログ)フィルタ処理のモデルとなるよう構成される。一例では、上記フィルタ436は固定した、あらかじめ決定されたフィルタであり、事前に知られていると想定される。この例示的実施形態では、次いで、フィルタ処理された送信ベースバンド信号の絶対値または振幅の二乗I2+Q2が二乗モジュール438において計算され、プログラム可能なデジタル取り出し遅延線(digital tapped delay line)モジュール440
Figure 0005524345
によって遅延させられる。プログラム可能なデジタル取り出し遅延線モジュール440の一つの目的は、デジタル推定値を、打ち消しの点における実際のIMD2生成物に同期させることである。
ある例示的な実施形態では、関連付けられたアナログ・フィルタ変動から生じる送信から受信へのグループ遅延変動は、たとえば1/4チップ期間よりよい分解能の固定されたプログラム可能な遅延が十分となりうるほど、十分低くてもよい。したがって、遅延線の値
Figure 0005524345
は、構成ファームウェアまたはソフトウェアの上の層によって設定されることができる。代替的な例では、上記の遅延線の値は、プログラム可能な遅延素子を使って設定されてもよい。
二乗モジュール438から出力される振幅二乗信号を同期したものは、次いで、デジタル・フィルタ442によって、
Figure 0005524345
によってフィルタ処理される。該フィルタは、受信経路に沿っての複合ベースバンド・フィルタ処理をモデル化し、たとえばアナログ受信フィルタ(単数または複数)、ADC信号伝達ダイナミクス、任意のCIC間引きフィルタ、任意のデジタル補償/間引きモジュールおよび任意の受信チャネル平方根持ち上げコサイン(SRRC: square root raised cosine)フィルタを含む。送信の場合と同様に、
Figure 0005524345
はあらかじめ決定された、固定したフィルタとして構成されてもよく、その値は実験室で特徴付けされたデータからオフラインで決定されてもよい。
振幅二乗信号を同期し、フィルタ処理したものは次いでスケーリング・モジュール446によって、決定論的な利得値
Figure 0005524345
によってスケーリングされる。上記決定論的な利得値は、デジタルTX取り出し点からデジタル打ち消し点までの事前に知られている利得を表す。同期されフィルタ処理された振幅二乗信号をスケーリングする上記スケーリング・モジュール446は、デジタル・ベースバンドから複信器(または複信フィルタ)416の送信機ポートまでの送信経路に沿った既知の利得と、(最悪ケースの)複信器送受信隔離と、フロントエンド受信機(線形)利得(たとえば、LNA(図示せず)によって支配される)と、下方混合器段420からデジタル・ベースバンド打ち消し点までの既知の利得(たとえば、主としてAGC利得(やはり明確のため図示せず)からの利得)とを含む。ある例示的な実施形態では、この利得は、ファームウェアまたはソフトウェアの上位の層によって、送信経路を通じた実際の利得(これは送信ターゲット出力パワーに基づく)およびAGC設定に基づいて動的に設定されてもよい。
打ち消し経路の最終段は、「I」および「Q」信号についてそれぞれで、二つの低次の適応有限インパルス応答(FIR: finite impulse response)フィルタ448
Figure 0005524345
および449
Figure 0005524345
を有する。FIRフィルタとは、クロネッカーのデルタの入力に対するフィルタのインパルス応答が、有限数のサンプル区間で0に落ち着くので有限であるデジタル・フィルタの型である。N次FIRフィルタのインパルス応答はN+1サンプルにわたって継続し、次いで0になる。適応FIRフィルタ448、449の目的は、主として、任意の利得不確定性を軽減または除去することに加えて、受信混合器段を通じて実際のIMD2利得をモデル化することである。上記利得の不確定性は、複信器送受信隔離ならびに送信経路および受信経路を通じた残りの利得の推定値に関連するあらかじめ決定されたスカラー利得446
Figure 0005524345
に関連する。さらに、一例では、適応FIRフィルタ448および449は、送信フィルタ436
Figure 0005524345
および受信フィルタ442
Figure 0005524345
のモデル化誤りから生じる任意の位相不確定性および残留時間非整列を最小化することも担う。さらに、一例では、二つの独立な適応FIRフィルタ448および449は、標準的な利得関係のモデルを超えて、より複雑なIMD2モデルを許容しうる。特に、そのような構造は、独立なIMD2位相応答をもつ「I」および「Q」経路を容易にしうる(これに対し、古典的なまたは従来式のフィルタ・モデルは、独立な利得応答しか許容せず、両経路にそっての共通の位相応答を前提としている)。
この例では、適応FIRフィルタ448および449の出力450
Figure 0005524345
および出力452
Figure 0005524345
は、IMD2生成物の複素ベースバンド推定を与え、これが図のように減算モジュール430において受信経路内の実際の受信される「I」および「Q」値から減算され、打ち消された(または補正された)複素信号を生成する。打ち消された(または補正された)複素信号はデジタル隣接チャネル干渉(ACI: adjacent channel interference)フィルタ432においてフィルタ処理される。
一例では、フィルタ処理された打ち消された(補正された)複素信号は、適応更新の式のための誤差にもなる。
〈独立な「I」および「Q」調節を使ったIMD2因子のモデル化〉
適応打ち消し器の正確な実装における重要な因子は、送信ベースバンド回路から受信ベースバンド回路へのIMD2経路のモデル化である。ここで図5を参照するに、これを達成するための二次相互変調歪み(IMD2)基本モデル500の構成例が呈示される。
図4の複信器416の有限な隔離のため、ある量の送信パワーが受信ポートに漏れる。図5を参照するに、漏れた送信信号505は
A(t)cos{ωtxt+φtx(t)} [1]
と表現できる。ここで、
Aは送信電波周波数信号の包絡線または振幅変調された成分であり、
ωtxは送信電波周波数信号の搬送波周波数であり、
φtxは送信電波周波数信号の位相変調された成分である。
位相オフセット、搬送波オフセット、位相誤差および他のすべての損傷および送信機不完全性は、「基本」モデル500のこの説明の目的のためには無視した。Rx混合器段の電波周波数入力ポートおよび局部発振器ポートの両方への送信の寄生結合経路は、他の任意の寄生結合経路と相俟って、漏れ信号において自己混合を生じる。これは、特徴的な二乗(squaring)または二次効果を生じさせ、それは事実上、
A2/2 [2]
に比例するベースバンド信号と、
0.5A2(t)cos{2ωtxt+2φtx(t)} [3]
に比例する送信搬送波周波数の二倍にある電波周波数項から構成される出力につながる。
受信機アナログ・チャネル・フィルタ555、560は、上記電波周波数成分を除去し、漏れた送信振幅変調(AM: amplitude modulation)レベルの二乗に比例するベースバンド項が残る。送信漏れの位相成分は、二乗モジュール530における二乗効果によって事実上はぎ取られ、ベースバンドに混合する振幅変調された二乗パワー・レベルの大きさは混合器段のIIP2によって決定される。このスケーリング効果をモデル化するために重み付けまたは利得項a2I 540およびa2Q 535が「I」および「Q」経路の両方について導入され、IMD2項についての基本表現
IMD2=A2(a2I+ja2Q) [4]
につながる。
重み付けまたは「a2係数」は、式[5]に示されるように、従来式のIIP2の定義と折り合いを付けられる。
Figure 0005524345
このように、ひとたび実際の混合器段IIP2性能が計算されたら、等価な「a2」係数を計算することも可能である。さらに、電波周波数包絡線が、原則としては、単にもとの送信振幅変調信号のスケーリングされた、遅延および/またはフィルタ処理されたバージョンであるので、ひとたびこのスケーリングおよびフィルタ処理がわかれば、振幅変調された二乗された項および対応する瞬時IMD2時系列を評価することができる。こうして、「基本」モデル500および式[4]ないし[6]は、限られているIM2の従来の定義およびモデルをカプセル化する。本発明者は、いくつかの事例では、基本モデルが十分でないことがあり、「I」および「Q」IM2経路に沿っての純粋な利得に限定される代わりに、独立なフィルタが使用されうることを認識し、理解した。
ここで図5の第二の図を参照するに、二次相互変調歪み(IMD2)拡張モデル590の構成例が呈示される。具体的には、拡張モデル590は、「I」および「Q」IMD2経路の両方に沿っての共通の位相応答の潜在的に不十分な計算という問題に取り組む。この例の拡張モデルは、独立な、低次のFIR構造565、570を含む。この構造は、各経路に沿って異なる位相応答を許容するようそれぞれの経路に組み込まれたものである。図5の第二の図に示されるように、単一の「a2」係数が今や低次FIR構造565、570によって置き換えられ、過去および現在の振幅変調された二乗値が瞬時IMD2の評価において使われる。さらに、一例では、それぞれのFIRタップについての係数は、送信ベースバンド・アナログ・アンチイメージング(anti-imaging)および受信フィルタ処理に関連する不確定性および時間変動するモデル化誤差を追跡し尽くすために構成設定可能である。低次FIR構造565、570は適応的であり、動的に更新され、たとえば
Figure 0005524345
というFIR形である。
この構造を使って、拡張されたIMD2モデルは
Figure 0005524345
となる。
古典的な(基本)IMD2モデルは式[8]の拡張モデルの特別な場合であることを注意しておく。すなわち、M=1とすると、
Figure 0005524345
となる。
ここで図6を参照するに、図4の受信機経路の受信機ベースバンド処理モデル600の例が示されている。受信機ベースバンド処理モデル600は、図4の受信機混合器段420の電波周波数ポートと局部発振器ポートの間の寄生結合経路効果に相当する二乗モジュール602を有する。図5に関して先述したように、二乗効果は、漏れ信号の自己混合から帰結する。受信機ベースバンド処理モデル600はさらに、二つの独立な適応FIRフィルタ604
Figure 0005524345
および606
Figure 0005524345
を有し、これらは、標準的な利得関係のモデルを超えて、より複雑な受信機ベースバンド処理IMD2モデルを許容しうる。受信機ベースバンド処理モデル600はさらに、それぞれの「I」および「Q」アナログ隣接チャネル・フィルタ426を有し、それに続いてアナログAGC段(図4には示さず)があり、これはΣΔ-ADC(付随する信号成形(shaping)をもつ)428にも結合されている。受信機ベースバンド処理モデル600はさらに、CICフィルタ処理(および任意の関連する補償/間引き段)620を含むそれぞれの「I」および「Q」間引き器を有し、それに続いてそれぞれのデジタル隣接チャネル干渉フィルタ432およびデジタルSRRCチャネル・フィルタ625(図4には示さず)がある。
あくまでも簡単のため、DCまたはオフセット補正システム/モデルは図5や図6の例示的なモデルには含めていない。オフセットは打ち消し器〔キャンセラー〕性能や特にIMD2 FIR係数をトレーニングまたは適応する推定器に対して深い影響をもつが、DCオフセットは別個に扱うことにし、明示的にはモデル化されない。
一例では、アナログ隣接チャネル干渉フィルタ426およびアナログAGC 610は、それらの差分ミスマッチが無視できると想定される限り、整合〔マッチング〕していると想定される。これに関し、図6のモデルをさらに簡略化して、ベースバンド処理を表すために共通の利得およびフィルタが使用されるようにすることが可能である。
US2008/0232268の既知の技術は、共通のデジタル「I」および「Q」処理経路の使用を提案する受信機チェーンを開示している。結果として、US2008/0232268の従来技術は単一の利得段の使用を提案する。このように、一例では、上記のように、本発明は、独立な二次の「I」および「Q」経路を受け入れるデジタル処理チェーンを提供することによって、IMD2生成物のより正確な打ち消しをいかにして提供するかという問題を解決する無線通信ユニットを開示する。ある例示的な無線通信ユニットでは、ベースバンド信号は直交ベースバンド信号である。該例示的な無線通信ユニットは、直交ベースバンド送信信号および直交ベースバンド受信信号を受領するよう構成されたベースバンド処理モジュールを有する適応推定器モジュールを有する。適応推定器モジュールはさらに、直交ベースバンド受信信号の少なくとも一つの信号成分に基づいて独立な利得および位相調整を前記直交ベースバンド送信信号の直交部分に適用し、独立な打ち消し信号を形成するよう構成される。適応推定器モジュールはさらに、それらの独立な打ち消し信号を加算モジュールに加えるよう構成される。
〈適応推定器〉
ある例示的な実施形態では、二次相互変調歪み成分の打ち消しは、たとえば最小平均二乗(LMS: least mean square)適応推定器の形の適応推定器によって実行される。LMSの式の一般的な形は次によって与えられうる:
Figure 0005524345
ここで、
^付きのθ(n)はm番目のサンプル・インデックスにおけるパラメータ推定値のM×1の行ベクトルであり;
Mは推定されるべきパラメータの数であり;
εは推定誤差であり;
μは収束の速さとノイズ拒否のトレードオフのために選ばれうるきざみサイズ(step-size)または適応レートである。
式[9]をIMD2打ち消しの特定の場合に適用する基本原理が図4に示されている。図4では、打ち消された出力が推定誤差となり、これがLMS更新の式にフィードバックされる。推定誤差信号(たとえば、信号対雑音比(SNR))を最大にするため、フィードバック点は受信デジタル・チャネル―平方根持ち上げコサイン(SRRC)フィルタより後に取られてもよく、「I」経路についての次式の推定誤差につながる(「Q」経路も同様の表式をもつことを注意しておく)。
Figure 0005524345
一般的な微分項
Figure 0005524345
はIMD2打ち消し用途について、
Figure 0005524345
となる。
よって、(「I」経路についての)推定されるIMD2項は次式によって与えられる
Figure 0005524345
ここで、
AM二乗項A2は、図4に示されるような固定した決定論的なフィルタ・モデル・ラインアップの出力である。
一例では、項
Figure 0005524345
Figure 0005524345
によって置き換えてもよい。ここで、前記と同様、mはFIRフィルタのm番目の係数であり、一方、今や追加的な(時間)インデックスn−1が含まれており、これはLMSアルゴリズムによる適応または調整から生じるフィルタの根底にある時間変動性を示す。その後、上記微分項は次に帰着する。
Figure 0005524345
ここで、^付きのh(n−1)は、時間インデックスn−1におけるスカラーまたは個別係数
Figure 0005524345
とは区別される、FIRタップまたは係数推定値のM×1の行ベクトルである(一般的なLMSの式におけるパラメータ推定値である^付きのθ(n−1)のベクトルに対応する)。同様に、A2(n)はM×1の行ベクトルであり、一方、A2(n−m)はそのベクトルの関連するm番目のエントリーである。利得項である^付きのgtxrxは正のスカラー値であり、一例では、位相または符号の形のいかなる方向性情報も含まない。さらに、上記利得項を除去して式[14]
Figure 0005524345
における規格化された微分項を与えると、より効率的な実装が容易にされる。数値範囲が「0」と「1」の間の正のスカラー値に限定されることができるからである。この項をもとのLMSの式に代入すると、m番目の係数についての更新アルゴリズムが得られる。
Figure 0005524345
同じ導出法により、Q経路についての更新の式が次のように与えられる。
Figure 0005524345
各タップまたは係数がこれらの式に従って更新されることができ、複数の式のベクトル表現(または属)
Figure 0005524345
につながる。
〈DCオフセットおよび低周波数IMD2擾乱修正〉
上で議論した基本推定アルゴリズムは、特に非IM2 DCオフセットに起因する現実世界の不完全性があるいくつかの状況においては失敗することがある。全(2トーン)IMD2電力の−3dBまたは50%がDCにはいるWCDMAについては(最終的なベースバンド電力に対するWCDMA IMD2電力についてはさらに大きな割合)、本発明の発明者は、他のDCオフセットが本物のIMD2 DC成分のふりをし、それにより推定値を損ない、潜在的に劣化した打ち消し性能につながることがありうると判別した。上記のLMS推定器は、すべての非IMD効果は基準信号と無相関であるという基本原理に基づいている。DCはその源に関わりなく常にDCと相関し、よって非IMD2 DCはIMD2 DCと相関する。他のDCオフセットが十分大きければ、IM2推定器は深刻なバイアスを受け、結果として打ち消し器の失敗となる。
打ち消し性能を潜在的に劣化させる現実世界の不完全性についての上記の可能性に対する一つの例示的な解決策は、受信機DC補正システムより後の誤差フィードバック点を取り出すことである。しかしながら、DC補正システムのダイナミクスが打ち消し経路内でモデル化または複製されなければならないため、これは実質的な打ち消し経路に対してレイテンシーおよび複雑さを追加する。よりコスト効率のよい解決策は、誤差信号を推定アルゴリズムへのその適用の前に高域通過フィルタ処理することによって、打ち消し器内で局在化されたDC除去ブロックを導入することでありうる。
しかしながら、送信および/または受信利得におけるモデル化されていない変動から生じる低周波数IM2擾乱の存在によって、上記の問題はさらに複雑になる。たとえば、送信および/または受信利得のいずれか一方または両方をモデル化する際の利得誤差のため、スロット・レート(1.5kHz)で送信電力ターゲットが修正される場合、1.5kHzにおけるIM2擾乱がシステムに導入される。これらの擾乱は、送信および/または受信の利得誤差または不確定性から生じるので、打ち消し器によってモデル化されることができず、よって古典的な閉ループの負フィードバックのやり方でないと阻止できない。局在化されたDC補正、1.5kHzでの高域通過フィルタ(HPF)によって導入されるいかなる減衰も、この負フィードバック制御利得をHPF減衰に等しい量だけ低下させ、よってそのような擾乱を阻止する打ち消し器の能力を損なう。同様に、PAにおいて起こるAM-AM歪みは低周波数IM2擾乱のもう一つの源につながりうる。
低周波数IM2擾乱が打ち消し器によって十分に阻止できるよう、HPFの選択性は慎重に設計することが重要である。いかなる局在化されたHPFも、スロット・レート(≧1.5kHz)での減衰または阻止を最小化しつつ、DCまたは静的なオフセット(たとえば<100Hz)を同時に阻止する選択性をもつべきである。
さらに、IMD2 FIRフィルタを適応またはトレーニングする観点からも選択性は決定的である。任意の周波数における信号内容の除去は、これらの周波数における適応フィルタのより貧弱なトレーニングにつながる。この現象は既知の文献では「持続的励起(persistent excitation)」または「十分な励起(sufficient excitation)」と称される。簡単な言葉でいうと、ある周波数範囲で適応フィルタをトレーニングすることが目的であれば、トレーニング信号はこの範囲で十分なスペクトル・パワーをもたねばならない。IM2 DCと非IM2 DCを区別する方法はないので、DC信号内容を除去しなければならないのは必然である。しかしながら、そうするにあたって、他の低周波数内容の除去は、それらの周波数でのトレーニングを損なわないよう、最小限にされるべきである。よって、HPFの選択性は、適応フィルタの低周波数での正確さを保証するために至上である。これは、ベースバンドIM2パワーの50%より多くが低周波数にあることを考えても、特に重要である。十分な励起の要求は適応フィルタの次数および複雑さが増すにつれてより重要になるので、HPFの選択性も、古典的な単一タップの利得ベースのモデルよりも、拡張された複数タップのFIR IMD2モデルについて、より重要になる。
十分な選択性に加え、HPFは、(低雑音増幅器(LNA)入力(i/p)と称される)ある最小より上の非IM2静的オフセットを、IMD2推定器が収束できるよう十分速く、阻止または追跡し尽くす(track out)ことができる必要がある。1スロットの一部(たとえば100μs)以内でより低い値未満までのDC追跡または除去が必要とされる。これは、フィルタ帯域幅と選択性の古典的なトレードオフである。まとめると、HPFは、1.5kHzにおける最小限の減衰をもって、スロット長さより短い時間で(〜100μs)、たとえば約1〜100μVの大きさの静的DCオフセット(LNA i/pと称される)を十分に阻止する十分な選択性をもつ必要がある。
以下に記載される一つの例示的な解決策は、LMS DC推定段によってIM2推定器を増強する。その際、推定器ブロック内で決定された局所推定誤差はLMS DC推定値から減算される。DC推定値の式は次式によって与えられる。
Figure 0005524345
ここで、ΔεはDC補正されたまたは高域通過フィルタ処理された推定誤差であり、
Figure 0005524345
であり、εはもとの推定誤差、すなわち式[10]によるIM2打ち消しされた出力である。
高域通過フィルタ処理された誤差は、次いで、基本IM2適応フィルタ係数更新式において使われて、修正されたバージョンを与える。
Figure 0005524345
Q経路についても対応する式がある。
これは、入力としてのεをもつIM2打ち消し点と出力としてのΔεの間の推定誤差経路に沿ったIIRベースのHPFを導入することと等価である。それは、次式の先進‐遅延(lead-lag)または極‐零(pole-zero)伝達関数をもつ。
Figure 0005524345
このHPFはz=1において零点と、z=1/(1+μdc)に位置する極とをもつ。
デジタル微分器項1−z-1は静的なDCを除去し、一方、極は、要求される選択性と帯域幅(落ち着く時間)のトレードオフに影響するようμdcの好適な選択を介して位置決めされることができる。たとえば、μdc→∞となるにつれ、極→0となり、HPFは純粋なデジタル微分器(differentiator)に近づく。この場合、落ち着く時間は「1」クロック周期より短い。しかしながら、選択性、特に1.5kHzの臨界周波数での選択性は、低周波数IM2擾乱がループによって不十分に制御される限りにおいて損なわれる。さらに、複数タップ適応フィルタのトレーニングは、フィルタの阻止帯域にわたる減衰したスペクトル内容のため、より貧弱になる。逆に、μdc→0となる他方の極限では、極は1または0に近づき系統的に選択性を改善するが、所与のレベルのDCオフセットを追跡し尽くすためにますます長い落ち着きが代償となる。(明らかに、μdc=0については、極が零と打ち消し合うまたは落ち着く時間が無限大になるので、DC阻止はない。)
HPF誤差Δε(n)がLMS推定器内で局所的に使われるだけであり、一方、ε(n)は補正されたまたはIM2打ち消しされた出力として電波/モデム・ラインアップの残りの部分について使われることを強調しておくことは有用である。このようにして、HPF効果は有利には推定器内でのみ発生する。その代わり、Δε(n)がIM2打ち消しされた出力として使われ、モデムの残りの部分に入力された場合、高域通過フィルタ処理効果は、望まれる信号の低周波数成分を除去することによって、潜在的に信号SNRを劣化させることがありうる。
〈ベースバンド・フィルタの再分割(re-partitioning)〉
図4に戻って参照するに、例示的なLMS適応推定器458への/からの主要な構成ブロックおよび入力/出力信号が示されている。打ち消しされたまたは補正された出力454、456は、DC推定‐補正段466によって高域通過フィルタ処理され、LMSエンジン468に加えられる誤差信号として使われる。
ある例示的な実施形態によれば、適応推定器モジュールは、隣接チャネル干渉フィルタ処理の後かつフィルタ処理されたベースバンド受信信号に利得を適用する利得段より前に、ベースバンド送信信号の一部を取り出すよう構成される。このようにして、微分または回帰器入力A2 444が、利得項446
Figure 0005524345
の前に取り出され、適応推定器モジュール458に入力される(式の厳密な導出によれば、利得項の後に取り出されてもよいことを注意しておく)。一例では、より古典ベースの手法からのこの変化は、実装上の理由のために採用される。A2 444がずっと縮小したダイナミックレンジを有し、それにより一層コスト効率のよいビット幅要求につながるからである。A2が利得段446より後に取り出される代替的な例では、より大きな、たとえば50dBのオーダーのダイナミックレンジが必要とされる。これは、約−110dBMから−80dBmまでの自動利得制御(AGC: automatic gain control)範囲ならびに30dB範囲に加えて最大から約10dB下まで出力パワーを追跡するための2dBかける10dB(2dB-by-10dB)を追跡するためである。たとえば利得項がきざみサイズに埋め込まれていると考えられうるという意味において、利得または適応レート・エンジンまたはアルゴリズムは、きざみサイズ項μ 470を通じて修正され、簡単に補償されることができる。基本的には、446の前に444を取り出すことによって、固定点語サイズ要求が軽減されるので、ハードウェア・コストを節約することができる。しかしながら、利得ラインアップは結果として変化し、これはある例示的実施形態では、適応レートを修正することによって補償されてもよい。利得段446およびきざみサイズ項μ 470の効果は、打ち消しループ内で増す。信号がどこで取り出されるかに依存して、そのような利得はループの過渡応答に影響しうる。このように、利得段446の前に信号444を取り出すことは、該過渡応答を変え、該過渡応答はある例示的実施形態ではきざみサイズ項μ 470を修正することによって制御されうる。記載された例では、きざみサイズまたは適応レートμ 470は、オンチャネル・パワーの現在推定値に基づいて生成され、LMS更新エンジン458に供給される。更新推定値は次いで、打ち消しサブシステム内のそれぞれのフィルタ468に供給される。
US2008/0232268の既知の技術は、受信機チェーンにおける誤差信号の取り出し後のデジタル隣接チャネル干渉(ACI)フィルタの配置を開示している。この仕方で、既知の適応推定器は隣接チャネル干渉を除去するまたは減衰させる。しかしながら、本発明の発明者は、そのような設計は、定常状態の、静的な条件において、適応フィルタが完全に収束した場合にのみ信頼でき、他の場合には受信機ラインアップを通じた遅延が打ち消し器の適応時間に関して長すぎるということを認識し、理解した。よって、US2008/0232268の既知の技術は、実際的でなく、経済的でない解決策につながる最適でないフィルタ分割(partitioning)を開示している。
これに対し、上記の例では、ACI阻止と落ち着く時間を独立にトレードオフする機構が呈示される。よって、IMD2生成物のより正確な打ち消しを与えるよう打ち消しノードを分割するために、ACIフィルタより前に打ち消し点を位置させるが、フィードバック取り出し点はACIフィルタ後に位置させることによって、新規な受信機構成が提供される。実際の打ち消し点までのラインアップに含まれるすべてのブロック/機能が取り消し経路に沿ってモデル化されなければならないので、打ち消しモデルを単純化するために、ラインアップにおけるできるだけ早い部分において、打ち消し点を挿入し、フィードバック点を取り出すことが好ましい。上記の例では、ACIフィルタは、打ち消しのために十分であると判定されたレイテンシー値460としてモデル化される。具体的には、本受信機構成は、打ち消しノードを、デジタル・ベースバンド・フィルタ処理段を横断して分割し、それにより推定値を、現在のオンチャネル・パワー・レベルに基づかせる。このようにして、推定器はより速く収束することができ、よってより多くのノイズを阻止できる。
この例示的な受信機構成は、ベースバンド送信信号を処理して、無線伝送のための第一の電波周波数信号を生成するよう構成された送信機と、第二の電波周波数信号を受信し、該第二の電波周波数信号をベースバンド受信信号に変換するよう構成された受信機とを有する無線通信ユニットにおいて実装されてもよい。該受信機は、前記ベースバンド受信信号に打ち消し信号を加えるよう構成された加算モジュールに動作可能に結合されたアナログ‐デジタル変換器を有する。該受信機はさらに、前記送信機および前記受信機をアンテナに結合するよう構成された選択性要素を有し、それにより、前記第一の電波周波数信号の縮小された部分が前記第二の電波周波数信号中に導入され、それにより前記ベースバンド受信信号中の二次の相互変調歪み成分を生成する。前記受信機はさらに、前記加算モジュールから出力される信号をフィルタ処理するための、前記受信機内に位置されるデジタル隣接チャネル・フィルタと;前記出力されたフィルタ処理された信号および前記ベースバンド送信信号を受領し、それに基づいて前記打ち消し信号を生成するよう構成された適応推定器モジュールとを有する。
〈適応レート・アルゴリズム〉
適応レート(adaptation rate)μ 470は、推定値が収束する速さを、よって適応推定器458がノイズを阻止する能力を制御する。適応レートμ 470が大きいほど、収束速度は速くなるが、ノイズ阻止は貧弱になり、逆に適応レートμ 470が小さいほど、収束速度は遅くなるが、ノイズ阻止はよくなる。送信AM二乗信号に相関していないすべての受信された「I」および「Q」信号は、適応推定器458にとってはノイズとして見える。このノイズ・レベルが増大するにつれて、適応レートμ 471は比例して小さくされるべきである。そのような無相関ノイズは、アナログ・フロントエンドにおける熱雑音、データ変換器量子化ノイズといった明らかな源から、また望まれる受信信号自身
Figure 0005524345
といったそれほど明らかでない源から生じる。さらに、IM3、クロス変調(cross modulation)および他のすべての受信機フロントエンド損傷(impairment)がこの無相関ノイズに寄与する。本質的に、IMD2効果およびDCオフセットを除く全オンチャネル信号へのすべての寄与元は、無相関ノイズとして見える。ある例では、このノイズ・フロアが変わるにつれて、所望されるレベルのノイズ阻止を保持するために、適応レートμ 471は逆方向に調整される。
適応レートの自動調整は専用システム472によって達成される。一例では、AGCシステムのデジタル帯域内〔インバンド〕パワー検出が、オンチャネル・パワーの動的な推定値を得るために再利用される。推定されたパワー値は、パワー推定値の平方根と逆方向に変化する適応レートを与えるようスケールされたエントリーをもつルックアップ・テーブル(LUT: look-up table)470をインデックスするために使われる。ある簡略化された例では、LUT 470は1/√x関数を、あるいはより一般に関数μ0/√xを実装する。ここで、xは検出されたパワー(V2)に比例し、μ0は(約−80dBmまでの感度から)指定されたパワー範囲にわたってはたらくようきざみサイズ出力をスケーリングするために選ばれる定数である。通信ユニットの受信機感度レベルより低い受信信号パワー・レベルと判定されるオンチャネル・パワー・レベルについては、きざみサイズμ=μ0が使用されてもよい。一方、上限より高いパワー・レベルについては、μ=0であり(すなわち、推定器アルゴリズムが「オフ」にされる)、中間レベルについては、レートはたとえばμ0から0まで1/√xの形で変化させられるよう構成される。
〈適応レート・エンジン〉
例示的な適応レート・ブロックの固定点実装が図4に示されている。上述した例では、当技術分野で既知の典型的なAGCパワー検出モジュールが使用されてもよいことが構想されており、よって本稿では簡単のためこれ以上説明はしない。一例では、LUT 470は、たとえば1/√xの形でμ0からμ0√10-30/20までの30dB範囲にまたがる符号なし12b値を用いて記憶されてもよい。
一例では、RAMベースのLUT 470は、μ0値のプログラム可能性を容易にするよう構成される。一例では、LUT 470はまた、不測の事態の対策として、プロファイルが不十分であると判明する場合に、1/√x値のプログラム可能性を容易にするよう構成されていてもよい。一例では、最小(またはより低い)パワーが検出されるときに最大値が読み出されるよう、LUT 470にアクセスするために用いられるアドレス方式がスケーリングされてもよい。(最小パワーが検出されるときとは、たとえば、受信機がその感度レベルにある、または感度レベルに近づきつつあるとき、たとえば、
Figure 0005524345
が典型的には−110dBに近づき、
Figure 0005524345
が−102dBm(主として熱雑音レベル)に近づく場合である。)この例において、この最小(たとえば−110dB)より上の30dB窓内のパワー・レベルについては、LUT 470は、検出されたパワーの平方根に反比例する語を出力するよう構成されてもよい。この上限より下のパワー・レベルについては、LUT 470から値0が読み出されてもよい。その後、この規格化されたLUT出力はプログラム可能な利得μによってスケーリングされてもよく、その積がLMS推定器についての適応レートを与える。
このように、US2008/0232268の既知の技術は、固定μ適応レート利得をもつ受信機チェーンを開示している。よって、US2008/0232268が開示する機構は、たとえば受信信号が大きな範囲(たとえば〜−115dBmないし〜−80dBm)にわたって動的に変化しうる典型的な実際的状況に適応できない。このように、US2008/0232268に開示される機構は、最適でない性能を生じる。したがって、一例では、上述したように、IMD2生成物のより正確な打ち消しを与えるために、適応レートの新規の自動制御が提供される。特に、本受信機構成は、受信信号パワーとともに適応レート利得を自動的にスケーリングする機構を開示する。
例示的な受信機構成は、ベースバンド送信信号を処理して、無線伝送のための第一の電波周波数信号を生成するよう構成された送信機と、第二の電波周波数信号を受信し、該第二の電波周波数信号をベースバンド受信信号に変換するよう構成された受信機とを有する無線通信ユニットであって、前記受信機が、前記ベースバンド受信信号に打ち消し信号を加えるよう構成された加算モジュールを有するものにおいて実装されてもよい。本無線通信ユニットはさらに、前記送信機および前記受信機をアンテナに結合するよう構成された選択性要素を有し、それにより、前記第一の電波周波数信号の縮小された部分が前記第二の電波周波数信号中に導入され、それにより前記ベースバンド受信信号中の二次の相互変調歪み成分を生成する。本無線通信ユニットはさらに、前記ベースバンド受信信号のオンチャネル・パワー・レベルを測定するよう構成されたパワー測定モジュールを有する。本無線通信ユニットはさらに、前記パワー測定モジュールに動作可能に結合され、前記ベースバンド送信信号および前記ベースバンド受信信号を受信するよう構成された適応推定器モジュールを有し、前記適応推定器モジュールは、前記ベースバンド受信信号の測定されたオンチャネル・パワー・レベルに基づいて、前記打ち消し信号を生成することにおいて前記適応推定器モジュールによって使用されるべき適応レートを決定するよう構成されたベースバンド処理モジュールを有する。
クアルコム(Qualcomm)による2006年5月にIEEにおいて発表された「An integrated LMS adaptive filter of Tx leakage for CDMA receiver front ends」という題名の論文は、連続時間のアナログ・ベースの適応干渉打ち消しシステムの解決策を提案している。この文書は、電力増幅器のあとで電波周波数基準を取り出すことを提案し、非線形下方混合段より前のいかなる送信漏れも除去し、それによりIM2の生成を防止することを提案している。適応干渉打ち消しの基本原理は成り立つが、既知の従来技術は、DCオフセット、劣化したノイズ指数(noise figure)および電流消費という古典的なアナログ問題がある。
既知の技法は、受信機混合器の二次相互変調生成物を制限する主要問題を解決するために、適応的なIP2測定を較正し、該較正に応答することに焦点を当てている。たとえば、既知の技術は、IP2パワー・レベルを最大にし、よって二次相互変調生成物を最小にするよう、どのように受信機RFフロントエンド回路および装置を調整または較正するかを教示している。これに対し、提案される技法は、打ち消し技法を提案する。
〈打ち消し信号の時間整列〉
実際の送信‐受信IMD2経路と打ち消しモデルの間の時間非整列は、アナログ・フィルタとそのデジタル・モデルの等価物の間の位相不一致によって起こりうる。加えて、いずれかの経路における説明のつかないレジスタ遅延のためにさらなる時間遅延不一致が起こりうる。IMD2-FIRフィルタの適応的な構造はいくつかの事例ではそのような時間非整列の補正をすることもあるが、それは、純粋なレイテンシーまたは一定のグループ遅延不一致を補償するには最も効率的な機構ではない。たとえば、タップ〔取り出し口〕の数を任意に増やすことによって、任意の非整列が補正できる。しかしながら、この手法は、実際のフィルタ自身のみならず、適応LMS推定器にもにさらなる複雑さを加え、またその収束時間も長くなる。よって、本稿に記載されるいくつかの例では、時間非整列を補正するために専用の時間整列ブロックが含められる。
例示的な諸実施形態では、固定したプログラム可能な遅延線が打ち消し経路
Figure 0005524345
および実際の送信または受信IMD2経路D0の両方に含められる。図4の打ち消し経路に沿って、実際の送信‐受信経路に沿っての遅延440によって示される遅延D0を含めることは、打ち消し経路が実際の遅延より長いという事態をカバーする。図4では、遅延D0 440は受信機ADC-CICとIMD2打ち消しノードの間に挿入されるものとして示されている。
フィルタ・モデル化誤りおよびフィルタ変動を追跡し尽くすとともに、限られた範囲の未知の時間非整列について補正するために、適応IMD2 FIRフィルタ構造が含められる。原則として、タップ数を拡張することによって、任意の長さの時間非整列を補正することが可能である。しかしながら、そのような非整列は未知だが固定したデジタル時間遅延によって支配されており、そのような遅延は一度補正するだけでよいことを考えると、そのような手法(すなわち、FIRタップ数の増加)はハードウェア効率が悪い。その代わりに、この目的のために専用の自己調整時間整列システムが含められる。
ここで図7を参照するに、固定遅延同期を補完するために、経路遅延を等化するようプログラム可能な遅延値
Figure 0005524345
を、
Figure 0005524345
を用いて動的に調整するために、自己調整遅延機構700が含められる。合計論理735によって与えられる両方の経路からの複合遅延が、図のように、整数/端数モジュール736を介して整数および端数フォーマットにおいて、取り出された遅延線440に加えられる。
〈自己調整時間整列システム(Self-Tuning Time Alignment System)〉
ファームウェアまたはハードウェア・ベースの実装またはソフトウェア/ファームウェア・ベースの調整アルゴリズムは、ピーク相関の原理に対する拡張に基づく。自己調整整列システムの例における基本原理は、実際の出力と推定される出力の間の時間非整列が、Tsを共通の根底にあるサンプリング周期として、kTsであるとすると、対応する相互相関は遅延kにおいて最大またはピークになるという事実に基づいている。その際、時間非整列は、十分細かい精度に相互相関を分解し、どの遅延値で相関が最大になるかを確立することによって、測定される。しかしながら、本原理のこの従来の適用は、議論の余地はあるものの適応FIRフィルタ・タップ数を増すのと同じくらいコスト高であるハードウェア効率の悪い実装につながることがありうる。たとえば、±2チップの範囲にわたってチップ期間の1/16よりよい精度で非整列を分解するためには、2×16×2の乗算および加算構造を必要とする。
本項に記載される代替的な手法は、4つの遅延値のみで相互相関を評価する。次いでこれらの値は(論理/機能モジュール728における式[23]を使って)組み合わされて、時間非整列とほぼ線形の関係をもつ誤差型関数を与える。該誤差関数は、次いで、単純なデジタル・コントローラ730を駆動するために使われ、該コントローラが、この誤差を最小にするよう、デジタルの取り出された時間整列における遅延440を調整する。
より具体的には、この例では、時間非整列が±2チップの範囲に限定されると想定すると、±1チップ(第一の遅延460を使う)および±2チップ(二つの遅延460を使う)の遅延値での相互相関で十分である。サンプルWCDMA振幅二乗信号とそれぞれ±1および±2チップの遅延値についてのその遅延された値との間の相互相関値を決定する際の相互相関関数は、WCDMA信号の生成において使用されるSRRCフィルタ714のパルス応答に関係している。このようにして、遅延が時間非整列に等しく、SRRCパルス型の形で減少する明瞭な最大またはピークが、0からの非整列逸脱として使用される。
+1チップ進んでいる規格化された相互相関をrxy(1)として定義し、1チップ遅れた規格化された相互相関をrxy(−1)として定義する。さらに、±1チップの窓内の時間非整列値にほぼ比例する関数を
ε=rxy(−1)−rxy(1) [22]
から定義する。
この誤差関数は、±1チップの範囲内ではよく振る舞うが、その点を超えると劣化し、最終的には非整列が±2チップに近づくにつれて誤った符号を取る。±2チップの範囲にわたって誤差関数の精度を改善するために、ある例示的な実施形態は、誤差の式を、(論理/機能モジュール728を使って)±2チップの遅延での相互相関関数を組み込むことによって修正して、
ε=rxy(−1)−rxy(1)+rxy(−2)−rxy(2) [23]
とする。
結果として得られる誤差関数の符号は今や±2チップの非整列窓にわたって正しい。さらに、任意の窓にわたって、追加的な相互相関遅延エントリーを代償として、誤差関数の時間非整列に対する線形関係を改善することが可能である。しかしながら、タイミング非整列が±2チップに限られると想定すると、±1チップおよび±2チップの遅延から構成される式[23]の誤差関数は、その後の制御ループを駆動するのに十分正確である。
この例では、2チップ進められた信号、1チップ進められた信号、1チップ遅らされた信号および2チップ遅らされた信号に対応して、振幅二乗信号A2の四つの遅延されたバージョン716、462、463、466が生成される。すなわち、式[24]に与えられるように変数のベクトルが生成される。
{A2(n+2L) A2(n+L) A2(n−L) A2(n−2L)} [24]
ここで、
nは現在のインデックス;
Lは1チップ期間に対応するインデックス・オフセットである。
実際上、この例における打ち消し経路に沿ったSRRCフィルタ714が
Figure 0005524345
の形のFIRフィルタとして実装され、ここで、
Ai 2はSRRC入力振幅二乗信号であり、
ckはSRRCフィルタ714のk番目の係数である、ことを考えると、
進んだ信号A2(n+2L)およびA2(n+L)に対する近似が、SRRCフィルタ自身の中で用いられている回帰器または遅延線から入手できる。
具体的には、SRRCがL×チップ・レートで走るよう設計されているとすると、遅延線の末尾から内部回帰器2LおよびLを取り出したもの、すなわちAi 2(n−N+2L+1)、Ai 2(n−N+L+1)が、進んだ信号A2(n+2L)およびA2(n+L)に対する近似を与える。SRRCフィルタ714の実際の出力は追加的な遅延素子によって遅延させられて、遅延されたまたは遅らされた値A2(n−L)およびA2(n−2L)を生じる。適応IMD2-FIRフィルタの次数に依存して、これらの遅延値460は、適応FIR回帰器遅延線からすでに入手可能でありうる。
振幅二乗された回帰されたベクトルのDC成分および誤差振幅は、次いで、相関段階の前に、デジタル微分器722、462、463および466を介して除去される。そのようなオフセットは時間非整列とは無関係であり、相関結果を支配し、よって全体的な精度を劣化させることがありうるからである。DCノッチされた、2チップ進められた振幅二乗信号を表すのに記号x2を使い、対応する一チップ進められた信号を表すのにx1を使い、一チップ遅らされた信号を表すのにx-1を使い、二チップ遅らされた信号を表すのにx-2を使う。yはDCノッチされた振幅二乗誤差信号を表すために使われる。
次いで、積分出力(integrate-and-dump)関数/モジュール726、720、710、706がこれら遅延項{x2,x1,x-1,x-2}および{y}のそれぞれの生成物724、718、708、704に適用されて、所望される相関動作を実施する。積分窓長Nは一例では、プログラム可能であり、スロット長の、1/16、1/8、1/4、1/2、1および2といったプログラム可能な二進割合(binary fraction)にわたって延在する。
論理/モジュール728からの式[23]における誤差関数は次いでそれぞれの相互相関項から積分出力の出力レートで生成され、基本的な積分コントローラ730に加えられる。
Figure 0005524345
ここで、^付きのd(n)は自己調整された時間整列推定値のための補正または更新であり、
μDは検出されたオンチャネル・パワーとともにスケーリングする適応レートである。
適応レートがオンチャネル・パワーの平方根と逆方向にスケーリングされる図4におけるきざみサイズ項μ 470の使用と同様に、この制御式も、先述したオンチャネル・パワーの平方根に対してスケーリングされてもよい。
遅延推定値733
Figure 0005524345
は、プログラム可能な遅延推定値734
Figure 0005524345
に加えられて、複合遅延を与える。これは次いで、整数/端数論理/モジュール736においてその整数成分および端数成分に分解され、打ち消し遅延線において遅延440に適用される。
さらなる例示的な実施形態では、
Figure 0005524345
のように推定値(^付きのd)が境界内に制約される限定方式が用いられてもよい。ここで、
Figure 0005524345
は遅延線の上限である。この例では、実際の送信‐受信IMD2経路に沿った意図的な遅延D0を増大させることによって、下限
Figure 0005524345
より下まで延びるオプションが利用可能である。すなわち、^付きのdを上記下限未満に減少させることによって打ち消し遅延を縮小する代わりに、意図的な送信‐受信遅延を増大させてもよい。この実装は好ましくは、たとえばライブの通話の間の、ある種の時点における実際の送信または受信経路遅延を変えることを回避するためにプログラム可能である。
US2008/0232268の従来技術は、打ち消し信号を時間整列させるための遅延値を選択するピーク検出器であって、二つの信号を整列させるために最大相互相関値が判別されるものを開示している。しかしながら、そのような既知の従来技術は、受信機におけるアナログ・フィルタの不確定性に起因するグループ遅延変動のおおまかな補正を与えるのみである。よって、一例では、打ち消し信号を正しく時間整列させる新規な時間整列システムが記載された。具体的には、打ち消し信号の時間整列を実行するために誤差関数および付随するコントローラを使うことにより受信機におけるアナログ・フィルタの不確定性に起因するグループ遅延変動を受け入れるための自己調整時間整列システムについて記載してきた。
例示的な自己調整時間整列システムは、第一のベースバンド送信信号を処理して、無線伝送のための第一の電波周波数信号を生成するよう構成された送信機と、第二の電波周波数信号を受信し、該第二の電波周波数信号をベースバンド受信信号に変換するよう構成された受信機とを有する無線通信ユニットであって、該受信機が、前記ベースバンド受信信号に打ち消し信号を加えるよう構成された加算モジュールを有するものにおいて実装されてもよい。前記無線通信ユニットは、前記送信機および前記受信機をアンテナに結合するよう構成された選択性要素を有する。前記第一の電波周波数信号の縮小された部分が前記第二の電波周波数信号中に導入され、それにより前記ベースバンド受信信号中の二次の相互変調歪み成分を生成する。前記無線通信ユニットはさらに、前記第一のベースバンド送信信号と前記打ち消し信号のそれぞれの少なくとも一つのタップの相互相関を実行して、両者の間の時間差を表す誤差信号を生成するよう構成されたコントローラ・モジュールを有する。制御可能な遅延要素が前記コントローラ・モジュールに動作可能に結合されており、前記誤差信号を使って、前記第一のベースバンド送信信号、前記打ち消し信号の群からの少なくとも一つに加えられる時間遅延を設定するよう構成される。
本発明のいくつかの側面についてUMTS(Universal Mobile Telecommunication System[万国移動体通信システム])セルラー通信システム、特に第三世代パートナーシップ・プロジェクト(3GPP)システムのUMTS地上電波アクセス・ネットワーク(UTRAN: UMTS Terrestrial Radio Access Network)をサポートする無線通信ユニットにおける二次の相互変調歪み打ち消しに対する適用可能性を参照しつつ述べてきたが、本発明がこの特定のセルラー通信システムに限定されないことは理解されるであろう。上述した概念は他の任意の無線通信システムまたは技術にも適用されうる。
ここで図8を参照するに、本発明の諸実施形態における信号処理機能を実装するために用いられてもよい典型的なコンピューティング・システム800が示されている。この型のコンピューティング・システムはアクセス・ポイントおよび無線通信ユニットにおいて使用されてもよい。当業者は、本発明を他のコンピュータ・システムまたはアーキテクチャを使ってどのように実装するかも認識するであろう。コンピューティング・システム800はたとえば、デスクトップ、ラップトップまたはノートブック・コンピュータ、ハンドヘルド・コンピューティング・デバイス(PDA、携帯電話、パームトップなど)、メインフレーム、サーバー、クライアントまたは所与の応用または環境にとって望ましいまたは適切でありうる他の任意の型の特殊または汎用コンピューティング・デバイスを表しうる。コンピューティング・システム800は、プロセッサ804のような一つまたは複数のプロセッサを含むことができる。プロセッサ804は、たとえばマイクロプロセッサ、マイクロコントローラまたは他の制御モジュールのような汎用または特殊目的処理エンジンを使って実装できる。この例では、プロセッサ804はバス802または他の通信媒体に接続される。
コンピューティング・システム800はまた、情報およびプロセッサ804によって実行される命令を記憶するための、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)または他のダイナミック・メモリのような主記憶808を含むこともできる。主記憶808はまた、プロセッサ804によって実行される命令の実行の間に一時変数または他の中間情報を記憶するためにも使用されてもよい。コンピューティング・システム800は同様に、静的な情報およびプロセッサ804のための命令を記憶するための、バス802に結合された読み出し専用メモリ(ROM)または他の静的記憶装置を含んでいてもよい。
コンピューティング・システム800はまた、情報記憶システム810をも含んでいてもよい。情報記憶システム810はたとえば、メディア・ドライブ812およびリムーバブル記憶インターフェース820を含みうる。メディア・ドライブ812は、固定もしくは取り外し可能な記憶媒体をサポートするドライブまたは他の機構を含んでいてもよい。ハードディスクドライブ、フロッピー(登録商標)ディスクドライブ、磁気テープドライブ、光ディスクドライブ、コンパクトディスク(CD)もしくはデジタルビデオドライブ(DVD)読み出しもしくは書き込みドライブ(RまたはRW)または他の取り外し可能または固定したメディア・ドライブなどである。記憶媒体818はたとえば、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気テープ、光ディスク、CDまたはDVDまたはメディア・ドライブ812によって読み書きされる他の固定もしくは取り外し可能媒体を含みうる。これらの例が示すように、記憶媒体818は、具体的なコンピュータ・ソフトウェアまたはデータが記憶されているコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を含みうる。
代替的な諸実施形態では、情報記憶システム810は、コンピュータ・プログラムまたは他の命令またはデータがコンピューティング・システム800にロードされるのを許容するよう、他の同様のコンポーネントを含んでいてもよい。そのようなコンポーネントはたとえば、プログラム・カートリッジおよびカートリッジ・インターフェースのようなリムーバブル記憶ユニット822およびインターフェース820、リムーバブル・メモリ(たとえばフラッシュメモリーまたは他のリムーバブル・メモリ・モジュール)およびメモリ・スロットならびにソフトウェアおよびデータがリムーバブル記憶ユニット818からコンピューティング・システム800に転送されるのを許容する他のリムーバブル記憶ユニット822およびインターフェース820を含みうる。
コンピューティング・システム800はまた、通信インターフェース824をも含むことができる。通信インターフェース824は、ソフトウェアおよびデータがコンピューティング・システム800と外部装置の間で転送されることを許容するために使用されることができる。通信インターフェース824の例は、モデム、ネットワーク・インターフェース(イーサネット(登録商標)または他のNICカードのような)、通信ポート(たとえばユニバーサル・シリアル・バス(USB)ポートのような)、PCMCIAスロットおよびカードなどを含むことができる。通信インターフェース824を介して転送されるソフトウェアおよびデータは、電子的、電磁的および光学的であることのできる信号の形、あるいは通信インターフェース824によって受領されることのできる他の信号の形である。これらの信号は、チャネル828を介して通信インターフェース824に与えられる。このチャネル828は信号を担持してもよく、無線媒体、ワイヤまたはケーブル、光ファイバーまたは他の通信媒体を使って実装されてもよい。チャネルのいくつかの例は、電話線、携帯電話リンク、RFリンク、ネットワーク・インターフェース、ローカル・エリア・ネットワークまたは広域ネットワークおよび他の通信チャネルを含む。
本稿においては、「コンピュータ・プログラム・プロダクト」、「コンピュータ可読媒体」などの用語は一般に、たとえば、メモリ808、記憶装置818または記憶ユニット822のようなメディアを指すのに使用されうる。コンピュータ可読媒体のこれらおよび他の形は、プロセッサに指定された動作を実行させるための該プロセッサ804による使用のための一つまたは複数の命令を記憶してもよい。一般に「コンピュータ・プログラム・コード」と称されるそのような命令(コンピュータ・プログラムの形に、または他のグループにグループ分けされうる)は、実行されると、コンピューティング・システム800が発明の実施形態の機能を実行できるようにする。コードは、プロセッサに、指定された動作を実行させてもよいし、実行させるためにコンパイルされてもよいし、および/または実行させるために他のソフトウェア、ハードウェアおよび/またはファームウェア要素(たとえば、標準的な機能を実行するためのライブラリ)と組み合わされてもよい。
要素がソフトウェアを使って実装される実施形態では、ソフトウェアは、コンピュータ可読媒体に記憶されていて、たとえばリムーバブル記憶ドライブ822、ドライブ812または通信インターフェース824を使ってコンピューティング・システム800中にロードされてもよい。制御モジュール(今の例ではソフトウェア命令またはコンピュータ・プログラム・コード)はプロセッサ804によって実行されると、該プロセッサ804に本稿で記載される本発明の機能を実行させる。
具体的には、上述した発明の概念は、半導体製造業者によってトランシーバ・モジュールを有する任意の集積回路、たとえばメディアテック(MediaTek(商標))のMT6162トランシーバICファミリーの集積回路やメディアテック(商標)のMT6573およびMT6276ベースバンド・プロセッサ・ファミリーの集積回路に適用されることができることが構想されている。
さらに、本発明の概念は、特定用途向け集積回路(ASIC)および/または他の任意のサブシステム要素または一つまたは複数の回路において適用されてもよい。
明確のため、上記の記述は本発明の諸実施形態を、種々の機能ユニットおよびプロセッサに言及しつつ記載してきたことは理解されるであろう。しかしながら、たとえばビーム形成モジュールやビーム走査モジュールに関する種々の機能ユニットまたはプロセッサの間の機能のいかなる好適な配分も、本発明を損なうことなく使用されうることは明白であろう。たとえば、別個のプロセッサまたはコントローラによって実行されるよう示されている機能が同じプロセッサまたはコントローラによって実行されてもよい。よって、個々の機能ユニットへの言及は、厳密な論理的または物理的な構造または編成を示すというよりは、単に、記載される機能を提供する好適な手段への言及と見るべきである。
本発明の諸側面は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェアまたはこれらの任意の組み合わせを含むいかなる好適な形で実装されてもよい。本発明は任意的に、一つまたは複数のデータ・プロセッサおよび/またはデジタル信号プロセッサまたはFPGAデバイスのような構成設定可能なモジュール・コンポーネントの上で走るコンピュータ・ソフトウェアとして少なくとも部分的に実装されてもよい。よって、本発明のある実施形態の要素およびコンポーネントは、物理的、機能的および論理的にいかなる好適な仕方で実装されてもよい。実際、機能は、単一のユニットにおいて、複数のユニットにおいて、あるいは他の機能ユニットの一部として実装されてもよい。
本発明は、いくつかの実施形態との関連で記述してきたが、本稿に記述された特定の形に限定されることは意図されていない。むしろ、本発明の範囲は、付属の請求項によってのみ限定される。さらに、ある特徴が個別的な実施形態との関連で記述されているように見えるとしても、当業者は、記載される実施形態のさまざまな特徴が、本発明に基づいて組み合わされうることを認識するであろう。請求項において、「有する」「含む」の用語は他の要素やステップの存在を排除するものではない。
さらに、個々に挙げられていても、複数の手段、要素または方法ステップが、たとえば、単一のユニットまたはプロセッサによって実装されてもよい。さらに、個々の特徴が異なる請求項に含まれているとしても、それらは可能性としては有利に組み合わされてもよいのであって、異なる請求項に含まれていることが、複数の特徴の組み合わせが実現可能でないおよび/または有利でないことを含意するものではない。また、ある特徴があるカテゴリーの請求項に含まれていることは、このカテゴリーへの限定を含意するのではなく、むしろ、その特徴が適宜他の請求項カテゴリーにも等しく適用可能であることを示す。
さらに、請求項における特徴の順序は、それらの特徴が実行される必要のあるいかなる特定の順序も含意しない。特に、方法請求項における個々のステップの順序は、それらのステップがその順に実行されなければならないことを含意するものではない。むしろ、それらのステップはいかなる好適な順序で実行されてもよい。さらに、単数形での言及は複数を排除しない。よって、「ある」「第一の」「第二の」などの言及は複数を除外するものではない。
以上、改善された集積回路、通信ユニットおよびそのための方法であって、従来技術の構成における上述した欠点が実質的に軽減されるものを記述した。

Claims (14)

  1. 無線通信ユニットであって:
    直交ベースバンド送信信号を処理して、無線送信のための第一の電波周波数信号を生成するよう構成された送信機と;
    第二の電波周波数信号を受信し、該第二の電波周波数信号を直交ベースバンド受信信号に変換するよう構成された受信機と;
    前記送信機および前記受信機をアンテナに結合するよう構成された選択性要素であって、それにより、前記第一の電波周波数信号の縮小された部分が前記第二の電波周波数信号中に導入され、それにより前記ベースバンド受信信号中の二次相互変調歪み成分を生成する、選択性要素とを有しており;
    さらにベースバンド処理モジュールとを有しており、前記ベースバンド処理モジュールは:
    前記直交ベースバンド送信信号および直交ベースバンド受信信号を受領し;
    前記直交ベースバンド受信信号の少なくとも一つの信号成分に基づいて、前記直交ベースバンド送信信号の直交部分に対して、独立な利得および位相調節を適用して、各直交部分に対応する独立した打ち消し信号を形成し;
    前記独立した打ち消し信号を前記少なくとも一つの加算モジュールに加えるよう構成されており、前記受信機は、前記直交ベースバンド受信信号に打ち消し信号を加えるよう構成された少なくとも一つの加算モジュールを有する、
    ことを特徴とする無線通信ユニット。
  2. 前記ベースバンド処理モジュールが、複数の独立な適応フィルタを有することを特徴とする、請求項1記載の無線通信ユニット。
  3. 前記複数の独立な適応フィルタが、前記直交ベースバンド受信信号と前記直交ベースバンド送信信号の間のミスマッチ誤差を補償するよう構成されたマルチタップ有限インパルス応答(FIR)フィルタを有することを特徴とする、請求項2記載の無線通信ユニット。
  4. 請求項1記載の無線通信ユニットであって、さらに:
    前記適応推定器モジュールに動作可能に結合され、前記ベースバンド受信信号のオンチャネル・パワー・レベルを測定するよう構成されたパワー測定モジュールを有しており、
    前記適応推定器モジュールは、前記ベースバンド受信信号の測定されたオンチャネル・パワー・レベルに基づいて、前記打ち消し信号を生成することにおいて前記適応推定器モジュールによって使用されるべき適応レートを決定するよう構成されたベースバンド処理モジュールを有することを特徴とする、
    無線通信ユニット。
  5. 前記ベースバンド処理モジュールが、前記打ち消し信号が二次相互変調歪み成分を打ち消すよう、相関していないノイズ成分を無視するよう構成されることを特徴とする、請求項4記載の無線通信ユニット。
  6. 請求項1記載の無線通信ユニットであって、前記受信機が、前記加算モジュールに動作可能に結合されたアナログ‐デジタル変換器を有していており、さらに
    前記受信機内に位置され、前記加算モジュールから出力された信号をフィルタ処理するよう構成されたデジタル・フィルタを有しており、
    前記適応推定器モジュールは出力されたフィルタ処理された信号およびベースバンド送信信号を受領し、それに基づいて前記打ち消し信号を生成するよう構成されている、
    ことを特徴とする無線通信ユニット。
  7. 前記デジタル・フィルタがデジタル隣接チャネル・フィルタであることを特徴とする、請求項6記載の無線通信ユニット。
  8. 前記デジタル隣接チャネル・フィルタがマッチング・フィルタを含むことを特徴とする、請求項7記載の無線通信ユニット。
  9. 請求項1記載の無線通信ユニットであって、さらに:
    前記第一のベースバンド送信信号と前記打ち消し信号のそれぞれの少なくとも一つのタップの相互相関を実行して、両者の間の時間差を表す誤差信号を生成するよう構成されたコントローラ・モジュールと;
    前記コントローラ・モジュールに動作可能に結合され、前記誤差信号を使って、前記第一のベースバンド送信信号、前記打ち消し信号の群からの少なくとも一つに加えられる時間遅延を設定するよう構成された制御可能な遅延要素とを有する、
    ことを特徴とする無線通信ユニット。
  10. 前記コントローラ・モジュールが、いくつかの遅延点において評価された二つの信号の間の相互相関を実行するよう構成されていることを特徴とする、請求項9記載の無線通信ユニット。
  11. 前記コントローラ・モジュールは、前記誤差信号が最小になるまで、前記制御可能な遅延要素を調節するよう構成されていることを特徴とする、請求項9記載の無線通信ユニット。
  12. 前記無線通信ユニットが集積回路内に配されていることを特徴とする、請求項1記載の無線通信ユニット。
  13. 無線通信ユニットにおいて二次相互変調歪み成分を小さくする方法であって:
    直交ベースバンド送信信号を処理して、無線送信のための第一の電波周波数信号を生成する段階と;
    前記第一の電波周波数信号の、ベースバンド受信信号において二次相互変調歪み成分を生成する縮小された部分を含む第二の電波周波数信号を受信する段階と;
    前記第二の電波周波数信号を直交ベースバンド受信信号に変換する段階と;
    前記直交ベースバンド受信信号の少なくとも一つの信号成分に基づいて、前記直交ベースバンド送信信号の直交部分に対して、独立な利得および位相調節を適用して、各直交部分に対応する独立した打ち消し信号を形成する段階と;
    前記独立した打ち消し信号を前記直交ベースバンド受信信号に加えて、前記二次相互変調歪み成分を小さくする段階とを含む、
    ことを特徴とする方法。
  14. 複数のマルチタップ有限インパルス応答(FIR)フィルタを設定することによって、前記直交ベースバンド受信信号と前記直交ベースバンド送信信号の間のミスマッチ誤差を補償する段階をさらに含むことを特徴とする、
    請求項13記載の方法。
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