JP3902259B2 - 顔料分散組成物、それを用いた着色画像の形成方法及び着色画像 - Google Patents

顔料分散組成物、それを用いた着色画像の形成方法及び着色画像 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、使用適性、特に非集合性、非結晶性、流動性に優れ、かつ着色力に優れる顔料分散組成物に関する。本発明になる顔料分散組成物は、塗料、印刷インキ、それらを用いたカラー表示板、あるいはカラープルーフ等の基体上の多色の着色画像の形成、特に液晶カラーディスプレイ等に使用されるカラーフィルターの製造に好適に使用される。
【0002】
【従来の技術】
一般に鮮明な色調と高い着色力を発揮する実用上有用な顔料は微細な粒子からなっている。しかし、高い着色力を得るために顔料粒子をより微細化していくと、往々にして顔料分散液は高粘度を示し、分散液の分散機からの取り出し、パイプラインによる輸送が困難になるばかりでなく、貯蔵中にゲル化を起こして使用困難となることがある。
【0003】
また、着色材として顔料を含有した着色感光性組成物は、画像形成材料として有用であり、種々の分野で利用されている。顔料には、前述のように鮮明な色調と高い着色力が求められるが、感光性組成物として使用する場合、以下に述べるような問題が生じ、顔料の微細化が困難である。
【0004】
着色感光性組成物を用いて着色画像を形成するには、感光性組成物の層を基板上に形成し、露光、現像する。この際、現像液としては、環境上の問題から、有機溶剤よりアルカリ性水溶液が好んで使用されるため、着色層はアルカリ性水溶液に可溶であることが要求される。また、着色感光性組成物の塗布液の分散媒体としては塗布後の乾燥の観点から、有機溶剤を使用するのが好ましく、着色感光性組成物に使用される結合剤(バインダー)は、酸性基を有し、かつ適当な有機溶媒に溶ける必要が生じる。有機顔料はこのような酸性バインダー中に分散されている。
【0005】
しかしながら、有機溶媒に可溶の酸性バインダー中に有機顔料を分散することは困難であり、顔料が十分に微細化され、高い着色力を有し、かつアルカリ性水溶液で現像可能な着色感光性組成物を得ることは困難であった。
【0006】
顔料分散組成物の利用分野の一つとして、液晶ディスプレー等に用いるカラーフィルターがある。カラーフィルターは、それぞれ赤、緑、青の3原色を選択的に透過するように、着色材を各画素部に配置することによって形成されている。着色材を画素部に配置するには種々の方法が知られており、染色法、印刷法、電着法、顔料分散法等が実用化されている。これらの中では、得られるカラーフィルターの品質及び製造プロセスの安定性から、顔料分散法が優れている。
【0007】
顔料分散法では、顔料分散組成物を含有する着色感光性組成物溶液を透明基板上に設け、パターン露光した後現像して第1色目の画素パターンを形成し、これを複数回繰り返すことで、基板上に複数色の画素パターンを形成する。着色材として顔料を用いるため、顔料の微細化が十分になされない場合、顔料粒子により光が散乱、吸収され、光透過率が低下する。更に、顔料粒子による光の散乱、複屈折等で偏光軸が回転し、液晶表示装置のコントラストも低下してしまう(1990年第7回色彩光学コンファレンス 512色表示10.4”サイズTFT−LCD用カラーフィルター 植木、小関、福永、山中)。このため、顔料粒子の一層の微細化が要求されている。
【0008】
以上のような種々の問題を解決するため、充分な流動性を有し、かつ微細化された顔料分散液を製造するため、これまでも数多くの提案がなされている。その内容を技術的手法から分類すると大きく2つに分けられる。
【0009】
一つは、有機顔料を母体骨格とし、側鎖にスルフォン基、スルフォンアミド基、アミノメチル基、フタルイミドメチル基等の置換基を導入して得られる顔料誘導体を混合し、顔料表面を被覆する方法である(特公昭41−2466)。具体例として、英国特許第949739号、米国特許第4313766号、特公昭39−2884号、特開昭57−12067号等の各公報にはフタロシアニン顔料の分散に有効なフタロシアニン誘導体が挙げられている。しかしながらこれらの顔料誘導体を分散剤として使用するためには、それによって処理される顔料が同様の色調、あるいは類似骨格を有する必要があり、適用できる顔料が極めて限定されるという欠点がある。
【0010】
もう一つは、実質的に無色の化合物で顔料表面を被覆する方法である。これまでに種々の化合物が提案されているが、分散剤として汎用性のある化合物として、特公昭54−34009号、英国特許第1342746号の公報には、ヒドロキシカルボン酸を脱水して得られる末端カルボキシル基含有ポリエステルまたはその塩からなる化合物が記載されている。また特開平2−245231号には、テトラキス(2−ヒドロキシアルキル)エチレンジアミンをヒドロキシル基含有および不含有高級モノカルボン酸でエステル化して得られる生成物に高級モノカルボン酸グリシジルエステルを開環付加せしめ、ついで酸性基、塩基性基または両者を導入して得られる変性ポリエステル型化合物からなる高分子分散剤が記載されている。しかしながら、これらの高分子分散剤を用いても上記の問題を解決できるほどの十分な流動性と、顔料粒子の微細化の両立は困難であった。
【0011】
一方低分子分散剤の例として、米国特許第3536510号には水系媒体中への酸化チタンの分散にアルカノールアミン化合物を用いることが開示されている。しかしながら非水系での有機顔料の分散への適用例の知見はなかった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、使用適性、特に非集合性、非結晶性、流動性に優れ、かつ顔料粒子が微細化され、着色力に優れる顔料分散物、及びそれを用い、アルカリ性水溶液による現像適性を有し、なおかつ高い着色力を有する着色画像を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の課題は、少なくとも有機顔料及び該有機顔料の分散剤として以下に示すアミン化合物を使用した顔料分散組成物、及びそれを用いた着色画像により解決された。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明において顔料の分散剤として作用する、アミン化合物は、一般式(I)で表される化合物が挙げられる。
【0015】
一般式(I)
【0016】
【化3】
Figure 0003902259
【0017】
式中、R、Rは各々独立にメチル基、エチル基、イソプロピル基、又はブチル基を表し、RとRは、互いに結合して窒素原子を含んだ飽和環モルフォリン環を形成してもよい。R エチレン基又はトリメチレン基を表す。Xは、−N(Y)CO(Y)又は−N(Y)CON(Y)(Y)で表せる基を表す。Y、Y、Y は、水素原子を表す。 は、フェニルオキシ基、モルフォリノエチルアミノカルボニルフェニル基、又はジエチルアミノプロピルアミノカルボニルエチル基を表す。
【0018】
一般式(II)
【0019】
【化4】
Figure 0003902259
【0020】
式中、R1、R2、R6、R7は各々独立に水素原子、置換基を有していても良いアルキル基又は置換基を有していてもよいアラルキル基を表し、R1とR2又はR6とR7は各々独立に、互いに結合して窒素原子を含んだ5ないし6の飽和環を形成してもよい。この環は更に酸素原子、硫黄原子、窒素原子から選ばれる1〜3個の原子を含んでもよい。R4、R5は、アルキレン基又はエーテル結合を含むアルキレン基を表す。Zは、−CON(Y1)−,−OCON(Y1)−又は−N(Y2)CON(Y3)−で表せる基を表す。Y1、Y2、Y3は一般式(1)におけるY1、Y2、Y3と同じ意味を表す。
【0021】
置換基としては、C1〜C4のアルコキシ基、ヒドロキシ基及びハロゲン原子が好ましい。
【0022】
これら化合物の好ましい具体例としては、
【0023】
【化5】
Figure 0003902259
【0024】
【化6】
Figure 0003902259
【0025】
【化7】
Figure 0003902259
【0026】
【化8】
Figure 0003902259
【0027】
【化9】
Figure 0003902259
【0028】
【化10】
Figure 0003902259
【0029】
【化11】
Figure 0003902259
【0030】
【化12】
Figure 0003902259
【0031】
が挙げられる。
【0032】
これらの分散剤は単独で使用できるが、一般に知られている分散剤と混合して使用してもよい。混合比率は、本発明の分散剤/他の分散剤が10/90以上の範囲、好ましくは30/70以上の範囲である。公知の分散剤の具体例としては、ノナノアミド、デカンアミド、ドデカンアミド、N−ドデシルヘキサデカンアミド、N−オクタデシルプロピオアミド、N,N−ジメチルドデカンアミド、N,N−ジヘキシルアセトアミド等に代表されるアミド化合物、ジエチルアミン、ジヘプチルアミン、ジブチルヘキサデシルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルメタンアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリオクチルアミン等に代表されるアミン化合物、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N,N,N’,N’−(テトラヒドロキシエチル)−1,2−ジアミノエタン、N,N,N’−トリ(ヒドロキシエチル)−1,2−ジアミノエタン、N,N,N’,N’−テトラ(ヒドロキシエチルポリオキシエチレン)−1、2−ジアミノエタン、1,4−ビス(2−ホドロキシエチル)ピペラジン、1−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン等に代表される化合物、ニペコタミド、イソニペコタミド、ニコチン酸アミド等の化合物がある。
【0033】
また、各種界面活性剤の使用が分散安定性向上に大きな効果をもたらすことは公知ある。例えば、アルキルナフタレンスルホン酸塩、燐酸エステル塩に代表されるアニオン系界面活性剤、アンミ塩に代表されるカチオン系界面活性剤、アミノカルボン酸、ベタイン型に代表される両性界面活性剤がある。
【0034】
顔料分散組成物中に於ける分散剤の比率は、顔料100重量部に対して0.1〜200重量部、好ましくは1〜50重量部で使用するのが好ましい。
【0035】
顔料を分散する際には溶媒を用いるが、この分散液中の顔料含有率は5〜80重量%、好ましくは10〜70重量%である。
【0036】
以下に、本願発明で有用な有機顔料の具体例を示す。黄色顔料としてC.I.ピグメントイエロー20,C.I.ピグメントイエロー24,C.I.ピグメントイエロー83,C.I.ピグメントイエロー86,C.I.ピグメントイエロー93,C.I.ピグメントイエロー109,C.I.ピグメントイエロー110,C.I.ピグメントイエロー117,C.I.ピグメントイエロー125,C.I.ピグメントイエロー137,C.I.ピグメントイエロー138,C.I.ピグメントイエロー139,C.I.ピグメントイエロー185,C.I.ピグメントイエロー147,C.I.ピグメントイエロー148,C.I.ピグメントイエロー153,C.I.ピグメントイエロー,C.I.ピグメントイエロー154,C.I.ピグメントイエロー166,C.I.ピグメントイエロー168、
【0037】
オレンジ顔料としてC.I.ピグメントオレンジ36,C.I.ピグメントオレンジ43,C.I.ピグメントオレンジ51,C.I.ピグメントオレンジ55,C.I.ピグメントオレンジ59,C.I.ピグメントオレンジ61、
【0038】
赤色顔料としてC.I.ピグメントレッド9,C.I.ピグメントレッド97,C.I.ピグメントレッド122,C.I.ピグメントレッド123,C.I.ピグメントレッド149,C.I.ピグメントレッド168,C.I.ピグメントレッド177,C.I.ピグメントレッド180,C.I.ピグメントレッド192,C.I.ピグメントレッド215,C.I.ピグメントレッド216,C.I.ピグメントレッド217,C.I.ピグメントレッド220,C.I.ピグメントレッド223,C.I.ピグメントレッド224,C.I.ピグメントレッド226,C.I.ピグメントレッド227,C.I.ピグメントレッド228,C.I.ピグメントレッド240,C.I.ピグメントレッド48:1、
【0039】
バイオレット顔料としてC.I.ピグメントバイオレット19,C.I.ピグメントバイオレット23,C.I.ピグメントバイオレット29,C.I.ピグメントバイオレット30,C.I.ピグメントバイオレット37,C.I.ピグメントバイオレット40,C.I.ピグメントバイオレット50、
【0040】
青色顔料としてC.I.ピグメントブルー15,C.I.ピグメントブルー15:6,C.I.ピグメントブルー22,C.I.ピグメントブルー60,C.I.ピグメントブルー64、
【0041】
緑色顔料としてC.I.ピグメントグリーン7,C.I.ピグメントグリーン36、
【0042】
ブラウン顔料としてC.I.ピグメントブラウン23,C.I.ピグメントブラウン25,C.I.ピグメントブラウン26、
【0043】
黒色顔料としてC.I.ピグメントブラック7等が挙げられる。
【0044】
好ましくは、ピグメントエロー139、ピグメントエロー185、ピグメントエロー83であり、特に好ましくはピグメントエロー139である。
【0045】
本発明に係る顔料分散剤を用いた顔料分散組成物の作製方法としては、例えばつぎの方法があり、いずれの方法によっても目的とする効果が得られる。
【0046】
1.顔料と顔料分散剤を予め混合して得られる顔料組成物をビヒクルに添加して分散する。
2.ビヒクルに顔料と顔料分散剤を別々に添加して分散する。
3.顔料と顔料分散剤を予め別々にビヒクルに分散し得られた分散体を混合する。この場合、顔料分散剤を溶媒のみで分散してもよい。
4.ビヒクルに顔料を分散した後、得られた分散体に顔料分散剤を添加する。
【0047】
ここで、ビヒクルとは、塗料が液体状態にあるときに顔料を分散させている媒質の部分をいい、液状であって顔料を結合して塗膜を固める成分(バインダー)と、これを溶解希釈する成分(溶剤)とで構成されている。
【0048】
本発明の顔料分散組成物の調整方法としては、ニーダー、ロールミル、アトライター、スーパーミル、ディゾルバー、ホモミキサー、サンドミル、等の各種分散機を使用すれば、顔料の良好な分散ができる。
【0049】
上記顔料分散組成物を用いて着色画像を形成するには、支持体上に顔料分散組成物液を塗布乾燥して層を形成し、あるいは仮支持体上に形成された該組成物の層を転写し、その上に公知ポジ型あるいはネガ型の感光性樹脂組成物を設けて露光、現像する方法がある。
【0050】
着色感光性組成物として用いる場合には、顔料分散組成物と感光性組成物を混合する。本発明において使用できる感光性組成物の素材としては、公知の、例えば特開平3−282404に記載されている感光性組成物がすべて使用できる。具体的には、ネガ型ジアゾ樹脂とバインダーからなる感光性組成物、光重合性組成物、アジド化合物とバインダーとからなる感光性組成物、桂皮酸型感光性組成物等が挙げられる。
【0051】
その中でも特に好ましいのは光重合性組成物である。その光重合性組成物は光重合開始剤、多官能モノマーおよびバインダーを基本構成要素として含む。また感光性組成物としては、アルカリ水溶液により現像可能なものと、有機溶剤により現像可能なものが知られているが、公害防止、労働安定性の確保の観点からアルカリ水溶液現像可能なものが好ましい。
【0052】
着色感光性組成物において用いられるバインダーは、顔料の分散性と感光性組成物として使用するためにアルカリ現像性を付与するための両方の性能が要求される。具体的には、以下の広範な種類の高分子物質の中から選ばれた化合物を組み合わせて用いることができる。組み合わせることのできる化合物としては、顔料分散性が良く、また、多官能モノマー、光重合開始剤との相溶性が良く、アルカリ現像液溶解性、有機溶剤溶解性、強度、軟化温度等が適当であるものが好ましい。
【0053】
具体的には、(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体、及び該共重合体とアルコール類との反応物などである。好ましくは、(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体が用いられる。分子量は、5、000〜200、000が好ましい。組み合わせて用いることのできるバインダーの好ましい量は、バインダーの合計量が全固形分に対して20から80重量%の範囲である。
【0054】
本発明に好適に用いられる顔料の分散用の溶剤としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等のアルキレングリコールモノアルキルエーテル、ポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル、およびこれらの酢酸エステル類、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸i−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル等の酢酸エステル類、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン等のアルコール類などが挙げられる。特に好ましいものは、アルキレングリコールモノアルキルエーテル類、およびその酢酸エステル類、酢酸エステル類、メチルエチルケトンである。溶剤の好ましい量は、全固形分に対して、50から2000重量%である。
【0055】
着色感光性組成物に用いられる多官能モノマーとしては、特開昭60−258539号公報に記載されているような公知の(メタ)アクリル酸エステル、ウレタン(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸アミド、アリル化合物、ビニルエステル等が挙げられる。好ましくは、(メタ)アクリル酸エステルが用いられる。モノマーの量は、着色感光性組成物の固形分に対し、10〜60重量%が好ましい。
【0056】
着色感光性組成物に用いられる光重合開始剤としては、約300〜500nmの範囲に少なくとも約50の分子吸光係数を有する成分を少なくとも1種含有していることが好ましい。例えば、特開平2−48664号公報、特開平1−152449号公報、特開平2−153353号公報に記載されているような芳香族ケトン類、ロフィン2量体、ベンゾイン、ベンゾインエーテル類、ポリハロゲン類、及びこれらの2種以上の組み合わせ、などがある。好ましくは、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンと2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体の組み合わせ、4−[p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン]である。光重合開始剤の含有量は、感光性組成物の固形分に対し、0.2〜10重量%が好ましい。
【0057】
本発明の着色感光性組成物を用いて着色画像を作成する場合には、少なくとも以下の(1)から(3)までの工程を含む。
【0058】
(1)本発明に係る分散剤、有機顔料、アルカリ可溶性バインダー及び有機溶剤を混合して十分混練し顔料分散液とした後、モノマー、光重合開始剤および必要に応じて希釈溶剤を添加して着色感光性組成物を調製する工程、
【0059】
(2)得られた着色感光性組成物を基板上に塗布乾燥して、又は別の仮支持体上に塗布して形成した層を基板上に転写して、着色感光性層を形成する工程、
【0060】
(3)基板上に形成された着色感光性組成物層を露光、現像しパターンを形成する工程。
【0061】
液晶ディスプレー等に用いるカラーフィルターの場合には、(2)、(3)の工程を繰り返し行い、2色目以降のパターンを組み合わせて作成する。転写法によりカラーフィルターを作成する方法については、例えば特開平4−208940、同5−72724、同5−80503、同5−173320等の公報に詳細に記載されている。
【0062】
基板としては、ガラス板や透明プラスティック板等の透明な材料が好んで用いられる。基板と着色感光性組成物との密着力を向上させるために、市販の各種シランカップリング剤等を組成物に添加するか、または、あらかじめ基板に作用させた後、組成物を設けてもよい。
【0063】
着色感光性組成物を基板に塗布する方法としては、スピンナー、ロールコーター、バーコーター、カーテンコーターなどの方法が用いられる。
【0064】
仮支持体上に塗布された組成物を基板上に転写する好適な方法としては、常圧または減圧下にヒートロールラミネーターを用いる方法が挙げられる。
【0065】
現像液として好適に用いられるものは、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物または炭酸塩、炭酸水素塩、アンモニア水、4級アンモニウム塩の水溶液等が挙げられる。特に好ましくは、炭酸ナトリウム水溶液である。
【0066】
以下に本発明の実施例について述べるが、これによって本願を限定するものではない。
【0067】
【実施例】
合成例1 化合物(1)の合成
N、N−ジメチルアミノエチレンジアミン8.8gの酢酸エチル溶液100ccにフェニルイソシアネート11.9gを5〜15℃の範囲で滴下反応させた。
析出した化合物(1)18.5gを得た。
【0068】
合成例2 化合物(30)の合成
酢酸エチル中、2−アミノエチルモルホリン26.9g、トリエチルアミン19.2gに塩化テレフタロイル18.9gを室温で加え反応させた。反応後メタノールを加えて化合物(30)31.7gを得た。
【0069】
実施例1
下記処方の黄色顔料分散液を調製した。
・ピグメントイエロー139 13.68g
・具体例で示した(30)の化合物 1.33g
・メタクリル酸/メタクリル酸ベンジル共重合体 11.40g
(モル比28/72、重量平均分子量3万)
・1−メトキシ−2−プロピルアセテート 53.59g
【0070】
上記分散液をアイガー社製モーターミルM50で、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで9時間分散し、顔料分散液を作製した。
【0071】
実施例2
実施例1同様に下記処方の黄色顔料分散液を調製し、
・ピグメントイエロー139 13.96g
・具体例で示した(8)の化合物 0.82g
・メタクリル酸/メタクリル酸ベンジル共重合体 11.63g
(モル比28/72、重量平均分子量3万)
・1−メトキシ−2−プロピルアセテート 53.59g
実施例1と同様な操作を行い顔料分散液を作製した。
【0072】
実施例3
実施例1同様に下記処方の黄色顔料分散液を調製し、
・ピグメントイエロー139 13.92g
・具体例で示した(36)の化合物 0.89g
・メタクリル酸/メタクリル酸ベンジル共重合体 11.59g
(モル比28/72、重量平均分子量3万)
・1−メトキシ−2−プロピルアセテート 53.60g
実施例1と同様な操作を行い顔料分散液を作製した。
【0073】
実施例4
実施例1同様に下記処方の黄色顔料分散液を調製し、
・ピグメントイエロー139 14.07g
・具体例で示した(17)の化合物 0.60g
・メタクリル酸/メタクリル酸ベンジル共重合体 11.72g
(モル比28/72、重量平均分子量3万)
・1−メトキシ−2−プロピルアセテート 53.61g
実施例1と同様な操作を行い顔料分散液を作製した。
【0074】
比較例1
実施例1の処方から具体例で示した(30)の化合物を除去した以外は実施例1と同様に顔料分散液を作製した。
【0075】
得られた顔料分散液を下記の方法にしたがって評価した。
1.粘度測定:
得られた顔料分散液を、E型粘度計を用いて粘度を測定、評価した。
2.コントラスト測定:
得られた顔料分散液をガラス基板上に膜厚6μmに塗布し、サンプルを作製した。2枚の偏光板の間にこのサンプルを置き、偏光軸が平行のときと垂直のときとの透過光量を測定し、その比をコントラストとした(「1990年第7回色彩光学コンファレンス 512色表示10.4”サイズTFT−LCD用カラーフィルター 植木、小関、福永、山中」を参考にした)。
【0076】
実施例5〜8
以下の方法によりカラーフィルター用着色感光性組成物を作成し、コントラストを測定した。
Figure 0003902259
【0077】
上記の感光性樹脂に、赤の顔料として、C.I.ピグメントレッド177をアクリル系樹脂に分散した粉末加工顔料(カラーテックスレッド U3BN、山陽色素株式会社製)を1−メトキシ−2−プロピルアセテートに分散させた液(固形分含有量33%)45gと、色補正のため、実施例1〜4で調製した黄色顔料分散液をそれぞれ9g混合して、カラーフィルター用赤色感光性組成物を調製した。
【0078】
次にガラス基板上に該カラーフィルター用赤色感光性組成物をスピナーで塗布し、100℃で2分間乾燥させて、約2μmの膜を形成した。次いで窒素気流下、超高圧水銀灯で露光した後、1%炭酸ナトリウム水溶液で現像した。得られたサンプルのコントラストを、上述した方法により測定した。
【0079】
比較例2
実施例5において調製した光重合性組成物と比較例1において調製した顔料分散液を用いた以外は実施例5と同様にしてサンプルを作成し、同様にしてコントラストを測定した。
【0080】
実施例と比較例で得られた顔料分散液の評価結果を表1に示す。
【0081】
Figure 0003902259
【0082】
これから、本発明に係る分散剤を添加した顔料分散液は、粘度が低く、カラーフィルターを作成した場合に高いコントラストが得られることが判る。
【0083】
【発明の効果】
本発明になる顔料分散組成物は、非集合性、非結晶性、流動性に優れ、かつ顔料粒子が微細化されて着色力に優れ、それを用いて、アルカリ性水溶液による現像適性を有し、なおかつ高い着色力を有する着色画像を提供することができる。

Claims (6)

  1. 有機顔料及び該有機顔料の分散剤として下記一般式(I)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする顔料分散組成物。
    一般式(I)
    Figure 0003902259
    式中、R、Rは各々独立にメチル基、エチル基、イソプロピル基、又はブチル基を表し、RとRは、互いに結合して窒素原子を含んだ飽和環モルフォリン環を形成してもよい。R エチレン基又はトリメチレン基を表す。Xは、−N(Y)CO(Y)又は−N(Y)CON(Y)(Y)で表せる基を表す。Y、Y、Y は、水素原子を表す。 は、フェニルオキシ基、モルフォリノエチルアミノカルボニルフェニル基、又はジエチルアミノプロピルアミノカルボニルエチル基を表す。
  2. 請求項1において、更に酸性バインダーを含有することを特徴とする顔料分散組成物。
  3. 請求項2において、更に多官能モノマー及び光重合開始剤を含有することを特徴とする顔料分散組成物。
  4. 請求項3に記載の顔料分散組成物を基板上に設け、露光、現像して画像を形成することを特徴とする着色画像の形成方法。
  5. 請求項4の方法により形成された着色画像。
  6. 請求項5の方法により形成された着色画像を用いて製造したカラーフィルター。
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