JP3901778B2 - タイヤ滑り止め装置の締付ロープ固定金具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、タイヤ滑り止め装置の滑り止め具と締付ロープとをかしめにより相互に連結する固定金具に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、車両用タイヤに装着するタイヤ滑り止め装置のうち、乗用車用の主流製品としてはネット型の滑り止め具を備えたものが使用されている。図1はこの種の滑り止め具の一例についてその一部を示したものである。滑り止め具10は、ネット状に編成した補強芯材をゴム又は合成樹脂により被覆したものを加熱成形した帯状体であり、その長手方向の一方の側縁に所定間隔をおいて屈曲成形された係止部11には、締付ロープ15が固定金具20を用いてかしめにより相互に連結され、長手方向の他方の側縁に所定間隔をおいて屈曲成形された係止部12にはフック13の一端をかしめにより固定している。
【0003】
滑り止め具10に連結された締付ロープ15は、滑り止め具10をタイヤ外周に装着したとき、タイヤの車体側に配置されてその両端のループ16が結着され、タイヤの外側に配置されるフック13の他端には、図示しないゴムバンド等の締付具が掛着されることにより、滑り止め具10をタイヤに密着させる締付力が与えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
滑り止め具10の長手方向の一方の側縁に固定金具20を介して連結された締付ロープ15が滑り止め具10の係止部11に対して確実にかしめられているか否かは、滑り止め具10としての機能を長期間に亘って奏しうるかどうかを左右する重要な要件である。
【0005】
滑り止め具10の係止部11に対して固定金具20を取り付ける場合は、係止部11の材質及びその断面形状・寸法等の設計条件に対する制約が比較的少ないため、強固な圧着保持力をもつかしめを比較的容易に実施することができるけれども、締付ロープ15に対する固定金具20のかしめは、締付ロープ15の材質・形状が合成繊維からなる円形断面の組紐であって耐圧力が高いものであるところから、単に従来実施されている加締機又は手作業によるかしめ力の強弱の程度を調整する方法をもってしては、十分に安定した圧着力を長期間に亘って保持することは困難であった。
【0006】
すなわち、図6に示すとおり、固定金具20の滑り止め具10の係止部11側のかしめ部22における圧着保持力については格別の問題は生じていないものの、他方の締付ロープ15側のかしめ部24においては、該かしめ部24に大きなかしめ力を与えても、かしめ部22の先端が固定金具20の本体部21と接触した後は、それ以上の圧着力は得られない状態となる。しかも、従来の固定金具20は、滑り止め具10の係止部11と締付ロープ15とをかしめた状態において両かしめ部22,24の端末部分にすき間Cが形成され、本体部21の内面側が露出したものとなっている。
【0007】
したがって、滑り止め具10の使用中に負荷された外力が締付ロープ15に加えられ、固定金具20の締付ロープ15側のかしめ部24にかしめ時当初の圧着保持力を超える力が作用すると、このかしめ部24の先端部分が締付ロープ15の力により拡開変形して滑り止め具10に対する締付ロープ15の止着位置にずれが生じ、ひいては滑り止め具10の装着状態が変動してタイヤ滑り止め装置としての機能が低下するだけでなく、締付ロープ15が固定金具20のかしめ部24により擦られて早期に摩耗・損傷するという事態が発生することになる。
【0008】
このような滑り止め具10に締付ロープ15を連結する固定金具20と締付ロープ15との間のずれを防止する手段に関する従来技術としては、例えば公開実用新案公報(実開平6−18004号)が提案されている。
【0009】
同公報に記載の根締め金具(本願発明の固定金具に該当)は、締付ロープを固定する側の根締め部(かしめ部)に該金具の内方に向かって滑り止め突起を設けたものであり、締付ロープの端に形成したロープ輪の2本のロープが並列している部分に滑り止め突起を鋭く喰込ませた状態で根締め部をかしめてロープ輪を固定する構成になっている。
【0010】
しかしながら、上記の根締め金具は、ロープに対するかしめ力が緩い場合であっても、ロープが根締め金具より滑り抜けるのを滑り止め突起が阻止するという利点はあるとしても、根締め金具に滑り止め突起を加工成形する作業を必要とするため、コスト高のものになる難点がある。
【0011】
この発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、タイヤ滑り止め装置の締付ロープの固定金具にかしめ時における圧着保持力を超える外力が作用した場合においても、締付ロープに対する保持力が弛緩することなく、従来の固定金具の形状の改変、あるいはかしめ力の調整等を必要とせずに、締付ロープのずれを確実に防止することができる固定金具を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この発明は上記目的を達成するために下記の構成からなる解決手段を採用している。
【0013】
車両タイヤの外周に装着される滑り止め具の長手方向の少なくとも一方の側部に所定間隔をおいて締付ロープが固定金具を介してかしめにより連結されてなるタイヤ滑り止め装置において、前記締付ロープ側のかしめ部の端末部分の外面上に、前記滑り止め具側のかしめ部の端末部分の縁部または外面側が位置するように両端末部分が互いに接触した状態にかしめられている。
【0015】
この発明に係る固定金具を用いて締付ロープを連結した滑り止め具が装着されたタイヤにおいては、車両走行中に生じた過大な負荷が締付ロープを介して固定金具のかしめ部に加えられた場合でも、締付ロープ側のかしめ部を拡開させようとする力はこのかしめ部と接触する滑り止め具側のかしめ部の抵抗により減殺されるため、締付ロープに対するかしめ時の圧着力が保持され、固定金具との間でずれが生ずることはなくなる。
【0016】
したがって、固定金具の両かしめ部に締付ロープと滑り止め具をかしめる際は、かしめ力の調整に格別の考慮を払う必要はなく、通常の程度のかしめを施すことでよい。
【0017】
【発明の実施の形態】
この発明に係る固定金具の実施の形態を、図2ないし図5に示した代表的な4種のものについて説明する。
【0018】
同図における各構成及びこれに関連する部分については、前述した図1及び図6において付した符号と同一の符号を用いることとする。
各図の固定金具20は、所定の長さ及び幅と適宜の厚さをもつ細長平板状の金属材料を用いて、その本体部21の長さ方向の一方の端部が滑り止め具10の係止部11に対するかしめ部22として、また他方の端部が締付ロープ15に対するかしめ部24として夫々構成される。
【0019】
図2に示す形態の固定金具20では、締付ロープ側のかしめ部24はその端末部分の端面を本体部21の内面に全面を当接させた状態でかしめを施し、滑り止め具側のかしめ部22は、該端面における外面側の幅方向側縁を締付ロープ側のかしめ部24の幅方向側縁からやや外方に離れた外面側に当接させた状態でかしめを施してある。
【0020】
これにより、固定金具20の各かしめ部22,24は、それぞれの端末部分の外面がその一部において幅方向に線接触し、外面相互間には本体部21の内面が露出するすき間のない隠蔽された形状になっている。
【0021】
図3に示す形態の固定金具20は、締付ロープ側のかしめ部24と滑り止め具側のかしめ部22とが、それぞれの外面側の幅方向側縁同士を線接触させた状態でかしめを施してある。
【0022】
図4に示す形態の固定金具20は、締付ロープ側のかしめ部24と滑り止め具側のかしめ部22との双方の端末部分をわん曲させ、それぞれのわん曲面を本体部21の内面よりも離れた位置の外面で幅方向に線接触させた状態でかしめを施してある。
【0023】
図5に示す形態の固定金具20は、締付ロープ側のかしめ部24と滑り止め具側のかしめ部22との双方の端末に平面部分を設け、その平面部分同士の全面を面接触させた状態でかしめを施してある。
【0024】
上記図2〜5のうち、図2の形態の固定金具20は、締付ロープ側のかしめ部24のかしめを行った後に滑り止め具側のかしめ部22のかしめを行う必要があるのに対し、図3〜5の形態の固定金具20については、上記と逆の手順でかしめを行ってもよい。
【0025】
なお、この発明に用いる滑り止め具は図1に示した形式のものに限らず、滑り止め具の長手方向の両側縁に固定金具を介して締付ロープを連結する形式のものについても適用することができる。
【0026】
【実施例】
この発明の固定金具の性能を従来の固定金具と比較するために実車を用いて走行試験を行ったところ、表1に示す結果が得られた。
【0027】
この発明の固定金具は図2の形態のものを用い、従来の固定金具は図6の形態のものを用いて、夫々乗用車用タイヤ(サイズ205/65R15)に適応するサイズの滑り止め具(図1に示す形式)に締付ロープ(外径7mm、材質PET)をかしめにより連結した。固定金具の材料としてはSWRM6を使用し、油圧加締機により発明品と従来品との各かしめ部に同一の強さのかしめ力を与えた。
【0028】
試験車は氷雪路面を600KM走行した後、それぞれ26×2個の固定金具について締付ロープと固定金具とのずれの発生率を調べた。さらに、固定金具の締付ロープ保持力(ロープ引き抜き力)については車両走行の前後において試験した。
【0029】
【表1】
【0030】
表1に示すとおり、締付ロープのずれは発明品では全く発生しなかったのに対し、従来品では5%の発生があり、また、締付ロープ保持力についても発明品は従来品に比べてすぐれた性能を有していることが確認された。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明の締付ロープ固定金具は、締付ロープ側のかしめ部と滑り止め具側のかしめ部との端末部分の外面同士が互に接触した状態でかしめられているから、固定金具に大きな外力が加えられた場合でも締付ロープ側のかしめ部は滑り止め具側のかしめ部の抵抗により拡開することなく、かしめ時当初における圧着力が保持され、固定金具に対するずれが抑制されるので、タイヤ滑り止め装置の機能を阻害することなく、しかも締付ロープの早期摩耗による損傷もなくなるので長期間に亘る高性能の使用が可能となる。
【0032】
さらに、この発明によれば、固定金具の形状自体には何も改変を施す必要はなく、従来のものの長さ寸法を多少変更する程度でよく、しかも、かしめ作業においてもかしめ力については格別の調整を必要とせず容易に設定できるので、材料及び工程面において安価なコストで製造可能な固定金具が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に用いる滑り止め具の一例についてその要部を示す平面図である。
【図2】この発明の固定金具の第1形態をかしめ後の状態で示す断面図である。
【図3】この発明の固定金具の第2形態をかしめ後の状態で示す断面図である。
【図4】この発明の固定金具の第3形態をかしめ後の状態で示す断面図である。
【図5】この発明の固定金具の第4形態をかしめ後の状態で示す断面図である。
【図6】従来の固定金具のかしめ後の形態を示す断面図である。
【符号の説明】
10 滑り止め具
15 締付ロープ
20 固定金具
22 滑り止め具側のかしめ部
24 締付ロープ側のかしめ部
Claims (1)
- 車両タイヤの外周に装着される滑り止め具の長手方向の少なくとも一方の側部に所定間隔をおいて締付ロープが固定金具を介してかしめにより連結されてなるタイヤ滑り止め装置において、
前記締付ロープ側のかしめ部の端末部分の外面上に、前記滑り止め具側のかしめ部の端末部分の縁部または外面側が位置するように両端末部分が互いに接触した状態にかしめられていることを特徴とするタイヤ滑り止め装置の締付ロープ固定金具。
Priority Applications (1)
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JP02289097A JP3901778B2 (ja) | 1997-02-05 | 1997-02-05 | タイヤ滑り止め装置の締付ロープ固定金具 |
Applications Claiming Priority (1)
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1997
- 1997-02-05 JP JP02289097A patent/JP3901778B2/ja not_active Expired - Fee Related
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