JP3900450B2 - 現像装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、プリンタやファクシミリや複写機等の電子写真装置における現像装置に関する。詳しくは、現像ローラの端部においてトナーをシールするシール構造に係る。
【0002】
【従来の技術】
特開平9−22185号公報には、現像ローラ(現像スリーブ)を支持するホルダケース(現像手段枠体)に、現像ローラの端部シール部材の端部が入り込む溝部を形成し、この溝部の幅を端部シール部材と同じにすることにより、現像ローラとホルダケースとの間の密閉性を良くした現像装置が開示されている。
【0003】
しかし、これによると、現像ローラとホルダケースとの間の密閉性は良くなるが、端部シール部材はフェルト植毛等の可撓性材質であるため、端部シール部材と溝部との間に隙間ができると、そこにトナーが入り込む恐れがある。また、溝部を形成するために加工が難しい問題もある。
【0004】
一方、図5に示すように、端部シール部材1として、例えばフッ素繊維のパイル織りシール材1aとその基布部1bとベースのクッションスポンジ部1cとからなるシール材を用い、これを図6に示すように、ホルダケース2の現像ローラ受部3の内周面であるU形の貼付け面3aに単に貼り付けて、現像ローラ4の端部との間をシールする現像装置がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、これによると、端部シール部材1の両端面は、図5(B)のように直角にカットされて端面角度θ0=90°となっているが、この端部シール部材1をU形の貼付け面3aに沿って貼り付けると、端部シール部材1の厚みによる周長差から端面角度θ0=90°が図5(C)のように傾斜角度θ1のようになってしまう。
【0006】
このため、図6に示すように、端部シール部材1の上端を、貼付け面3aに対して直角な段部5を基準にして貼り付けると、端部シール部材1の端面が変形して、貼付け基準位置のバラツキが大きく、その基準側において段部5との間に隙間aが生ずるとともに、反対側にも影響して、端部シール部材1の突出量bの値が一定せず、シール性が悪くなって両端部においてトナー漏れが発生していた。
【0007】
そこで、この発明の目的は、端部シール部材を貼り付ける貼付け面を、端部シール部材の端面の上記のような変形に対応した構成にすることにより、端部シール部材の貼付けのバラツキを無くすとともに、貼付け面との間の隙間の発生を無くし、トナー漏れのない良好な現像を行うことができる現像装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
そのため、この発明は、端部シール部材1を貼り付けるU形の貼付け面3aに対して傾斜する傾斜面3bを貼付け面3aに続けて形成し、この貼付け面3aと傾斜面3bとの境界である稜線3cを、両端面が直角にカットされている端部シール部材1の貼付け基準線とするとともに、傾斜面3bの角度θ 2 を、貼付けたときの端部シール部材1の端面の姿勢角度θ 1 に合わせたことを特徴とする。
【0009】
ホルダーケース2側をこのような構成にしておけば、両端面が直角にカットされている端部シール部材1の一端を稜線3cに合わせることにより、貼付け基準が正確に決まるとともに、端部シール部材1を貼付け面3aに貼り付けると、変形したその端面は傾斜面3bに接触する。また、傾斜面3bの角度θ 2 を、貼付けたときの端部シール部材1の端面の姿勢角度θ 1 に合わせることにより、傾斜面3bと端部シール部材1の端面との間に隙間は生じない。
【0010】
また、傾斜面3bと端部シール部材1の端面との間に軟質充てん材14を介在させれば、微小な隙間の発生も確実に防げる。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に、この発明の実施の形態を図面に従って詳細に説明する。
【0012】
図1はこの発明による現像装置の断面図、図2は斜視図である。図1及び図2において、現像ローラ4は、そのローラ軸6を軸受7にてホルダケース2に回転自在に軸受けされている。現像ローラ4の駆動ギヤ8は、供給ローラ9の駆動ギヤ10と噛み合っているため、現像ローラ4は、供給ローラ9と同時に回転しながら該供給ローラ9にてホルダーケース2内のトナー11を供給される。
【0013】
ホルダーケース2には、現像ローラ4上のトナー量を規制するブレード組立12がビス止めされ、このブレード組立12とホルダーケース2との間は、ホルダーケース2に貼り付けたスポンジシール13にてトナー漏れを防止される。
【0014】
ホルダーケース2には、現像ローラ4の端部を受ける現像ローラ受部3が形成され、そのU形の内周面は、端部シール部材1を貼り付ける貼付け面3aとなっている。端部シール部材1は、図5に示した上述のような構成、すなわち例えばフッ素繊維のパイル織りシール材1aとその基布部1bとベースのクッションスポンジ部1cとからなる。
【0015】
図3に示すように、現像ローラ受部3には、貼付け面3aに対して傾斜する傾斜面3bが貼付け面3aの上端に続いて形成され、その境界である稜線3cは、端部シール部材1を貼り付ける際の貼付け基準線となっている。
【0016】
この傾斜面3bの角度θ2は、端部シール部材1を図5(C)のように湾曲させたときのその端面の変形角度、つまり貼付けたときの端部シール部材1の端面の姿勢角度θ1に一致させてある。
【0017】
従って、端部シール部材1を貼付け面3aに貼り付けるにあたり、端部シール部材1の上端を稜線3cに合わせれば、基準の位置合わせが容易となり、貼付け位置の精度が上がるとともに、端部シール部材1の変形した端面が傾斜面3bに接触して隙間を無くし、また端部シール部材1の反対側の突出量の値も安定するので、端部シール部材1の両端部とも、良好なトナーのシール性が確保できるようになる。
【0018】
図4は、傾斜面3bと端部シール部材1の端面との隙間を塞ぐために、無機質のシリコーン系軟質充てん材14を米粒程度の少量塗り付け、入口シール部材15で前面を覆った状態を示した斜視図である。このようにすると、微小な隙間も完全に封じることができ、トナー漏れをより確実に防止することができる。
【0019】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によれば、端部シール部材を貼り付けるU形の貼付け面に対して傾斜する傾斜面を貼付け面に続けて形成し、この貼付け面と傾斜面との境界である稜線を、両端面が直角にカットされている端部シール部材の貼付け基準線としたので、端部シール部材の一端を稜線に合わせることが目視でも容易となり、端部シール部材を正確に貼り付けることができ、トナー漏れによる画像汚れの無いきれいで良好な現像を行うことができる。
【0020】
また、傾斜面の角度を、貼付けたときの端部シール部材の端面の姿勢角度に合わせたので、傾斜面と端部シール部材の端面との間に隙間は生じなく、端部シール部材の端面合わせ部からのトナー漏れを確実に防止することができる。
【0021】
請求項2に係る発明によれば、傾斜面と端部シール部材の端面との間に軟質充てん材を介在させたので、微小な隙間も完全に封じることができ、トナー漏れをより確実に防止することができる。また、傾斜面の加工精度がそれほど高くなくとも、隙間を無くすことができるので、生産性が向上でき、ホルダーケースの加工コストを低く抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による現像装置の断面図である。
【図2】同現像装置の斜視図である。
【図3】同現像装置で用いるホルダーケースの斜視図である。
【図4】端部シール部材を貼り付け、さらに軟質充てん材を塗り付けたホルダーケースの斜視図である。
【図5】端部シール部材を示し、(A)は斜視図、(B)は側面図、(C)は貼り付けたときの姿勢を示す側面図である。
【図6】従来例の断面図である。
【符号の説明】
1 端部シール部材
1a パイル織りシール材
1b 基布部
1c クッションスポンジ部
2 ホルダーケース
3 現像ローラ受部
3a 貼付け面
3b 傾斜面
3c 稜線
4 現像ローラ
5 段部
6 ローラ軸
7 軸受
8 駆動ギヤ
9 供給ローラ
10 駆動ギヤ
11 トナー
12 ブレード組立
13 スポンジシール
14 軟質充てん材
15 入口シール部材
Claims (2)
- 現像ローラの端部を、端部シール部材を介してホルダーケースで受けてシールする現像装置において、前記端部シール部材を貼り付けるU形の貼付け面に対して傾斜する傾斜面を前記貼付け面に続けて形成し、この貼付け面と傾斜面との境界である稜線を、両端面が直角にカットされている前記端部シール部材の貼付け基準線とするとともに、前記傾斜面の角度を、貼付けたときの前記端部シール部材の端面の姿勢角度に合わせたことを特徴とする現像装置。
- 前記傾斜面と前記端部シール部材の端面との間に軟質充てん材を介在させたことを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
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