JP3900405B2 - パチンコ機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ球を検出して電気信号を出力するセンサを備えたパチンコ機に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
上記パチンコ機には、センサからの出力信号に基づいて遊技情報を取得し、遊技情報に基づいて遊技部品を制御する構成のものがある。この構成の場合、停電の発生と同時にセンサが駆動停止するので、停電後にセンサに到達したパチンコ球を検出できず、正確な遊技情報が得られない。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、遊技情報を正確に取得できるパチンコ機を提供することにある。
【0003】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載のパチンコ機は、遊技盤に設けられパチンコ球が入球可能な入賞口と、 パチンコ球が前記入賞口内に入球したことを検出して入賞信号を出力する入賞センサと、 前記入賞センサからの入賞信号を検出することに基づいてパチンコ球を払出し装置から上皿内に払出すための払出し情報を設定し払出し情報の設定結果を出力するメイン制御装置と、前記メイン制御装置から出力される払出し情報を検出することに基づいて前記払出し装置を駆動しパチンコ球を前記払出し装置から前記上皿内に払出す賞球制御装置と、パチンコホールの電源装置からメイン電源が与えられるものであって前記メイン制御装置および前記賞球制御装置のそれぞれの駆動電源をメイン電源に基づいて生成する電源基板と、前記電源基板が生成する駆動電源の電圧レベルがリセットレベルに上昇することに基づいて前記メイン制御装置および前記賞球制御装置のそれぞれに向けてリセット信号を出力するリセット回路と、前記メイン制御装置が前記賞球制御装置の起動後に起動するように前記リセット回路から出力されるリセット信号を前記メイン制御装置に遅延して与える遅延回路と、前記メイン制御装置および前記賞球制御装置のそれぞれに初期化信号を出力する初期化スイッチを備え、前記メイン制御装置は前記メイン電源の遮断時に払出し情報の設定結果をバックアップすることが可能なRAMを有するものであって前記初期化スイッチの操作状態で前記メイン電源が投入されたときには自身のRAMにバックアップされた払出し情報をクリアするものであり、前記賞球制御装置は前記メイン電源の遮断時に払出し情報の検出結果をバックアップすることが可能なRAMを有するものであって前記初期化スイッチの操作状態で前記メイン電源が投入されたときには前記メイン制御装置に先立って起動して自身のRAMにバックアップされた払出し情報をクリアするものであるところに特徴を有している。
請求項1記載の手段によれば、メイン制御装置および賞球制御装置が初期化スイッチの操作状態でメイン電源が投入されたときに払出し情報のバックアップデータをクリアするので、メイン電源の投入後に初期化スイッチが操作されたときに払出し情報のバックアップデータがクリアされることがなくなる。
【0004】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。パチンコホールの台島には、図9に示すように、外枠1が設置されている。この外枠1は前後面が開口する四角筒状をなすものであり、外枠1の前面には、図8に示すように、前面扉2が左側辺部を中心に回動可能に装着されている。また、前面扉2の前面には横長な長方形状の皿板3が左側辺部を中心に回動可能に装着されている。この皿板3の前面には上皿4が固定されており、上皿4内にはパチンコ球P(図7参照)が貯溜されている。
【0005】
前面扉2の前面には、図8に示すように、右下部に位置して発射ハンドル5が回動可能に装着されており、発射ハンドル5の後方には、図9に示すように、発射モータ6が装着されている。この発射モータ6の回転軸にはクランク機構を介して打球槌(いずれも図示せず)が連結されており、発射ハンドル5が図8の時計回り方向へ回動操作されると、発射モータ6に電源が与えられ、打球槌が上皿4内のパチンコ球Pを上皿4内から弾き出す。
【0006】
前面扉2の前面には、図8に示すように、矩形枠状の窓枠7が左側辺部を中心に回動可能に装着されており、窓枠7の内周面には透明なガラス窓(図示せず)が保持されている。また、前面扉2の後面には額縁状の機構盤(図示せず)が固定されている。この機構盤には遊技盤8が保持されており、遊技盤8は窓枠7のガラス窓により前方から覆われている。また、前面扉2の前面には右側部に位置して枠鍵9が装着されており、枠鍵9は前面扉2を外枠1に密着した閉鎖状態にロックし、しかも、皿板3および窓枠7を前面扉2に密着した閉鎖状態にロックしている。
【0007】
遊技盤8の前面には外レール10および内レール11が固定されており、打球槌により弾かれたパチンコ球Pは外レール10および内レール11間を通して遊技盤8内の上部に放出される。また、遊技盤8の前面には複数の障害釘12が打込まれており、遊技盤8内の上部に放出されたパチンコ球Pは複数の障害釘12に当りながら落下する。
【0008】
遊技盤8の前面には略円形状の表示用台板13が固定されており、表示用台板13には特別図柄表示装置14が保持されている。この特別図柄表示装置14はカラー液晶表示器からなるものであり、遊技盤8の前面には特別図柄表示装置14の下方に位置して特別図柄始動口15が固定されている。この特別図柄始動口15は始動口および入賞口に相当するものであり、上面が開口するポケット状をなしている。
【0009】
特別図柄始動口15内には始動センサおよび入賞センサに相当する特別図柄始動センサ16(図6参照)が固定されている。この特別図柄始動センサ16は近接スイッチからなるものであり、特別図柄始動口15内にパチンコ球Pが入球したことを検出して特別図柄始動信号を出力する。この特別図柄始動信号は始動信号および入賞信号に相当するものであり、以下、特別図柄始動信号を特図始動信号と称する。
【0010】
遊技盤8の後面には、図9に示すように、センタカバー17が固定されている。このセンタカバー17の後面にはメイン回路ボックス18が固定されており、メイン回路ボックス18内にはメイン回路基板19が収納されている。このメイン回路基板19にはメイン制御装置20が搭載されており、メイン制御装置20の入力端子には、図6に示すように、特別図柄始動センサ16が電気的に接続されている。このメイン制御装置20は監視手段,判定手段,賞球手段に相当するものであり、マイクロコンピュータを主体に構成された始動処理部21,判定処理部22,賞球処理部23を有している。
【0011】
表示用台板13の後面には、図9に示すように、表示回路基板24が固定されており、表示回路基板24はセンタカバー17により後方から覆われている。この表示回路基板24には表示制御装置25が搭載されており、表示制御装置25の出入力端子には、図6に示すように、メイン制御装置20の入出力端子が電気的に接続され、表示制御装置25の出力端子にはドライブ回路26を介して特別図柄表示装置14が電気的に接続されている。この表示制御装置25はマイクロコンピュータを主体に構成されたものであり、特別図柄表示装置14を駆動制御することに基づいて特別図柄表示装置14に数字図柄を横3列に表示する。
【0012】
遊技盤8の前面には、図8に示すように、特別図柄始動口15の下方に位置して略半円形状の入賞口用台板27が固定されており、入賞口用台板27には大入賞口28が形成されている。この大入賞口28は入賞口に相当するものであり、前面が開口する四角筒状をなしている。
【0013】
入賞口用台板27には扉29が軸30を中心に回動可能に装着されており、扉29は大入賞口ソレノイド31(図6参照)のプランジャにクランク機構(図示せず)を介して連結されている。この大入賞口ソレノイド31は入賞口用台板27の後面に固定されたものであり、大入賞口ソレノイド31の断電時には、図8に示すように、扉29が垂直状態に回動することに基づいて大入賞口28を閉鎖し、大入賞口ソレノイド31の通電時には扉29が水平状態に回動することに基づいて大入賞口28を開放する。
【0014】
大入賞口ソレノイド31は、図6に示すように、ドライブ回路32を介してメイン制御装置20の出力端子に電気的に接続されており、メイン制御装置20はドライブ回路32を通して大入賞口ソレノイド31に励磁電源を設定時間(例えば30秒)だけ与えることに基づいて大入賞口28を設定時間だけ開放する。この開放動作はラウンド動作と称されるものであり、設定回数(例えば15ラウンド)だけ繰返される(大当り動作)。
【0015】
メイン制御装置20の入力端子には近接スイッチからなる大入賞口センサ33が電気的に接続されている。この大入賞口センサ33は大入賞口28内に固定されたものであり、大入賞口28内にパチンコ球Pが入球したことを検出して入賞信号を出力する。尚、大入賞口センサ33は入賞センサに相当するものである。
【0016】
前面扉2の後面には、図9に示すように、メインセット34が前面扉2と同一の側辺部を中心に回動可能に装着されている。このメインセット34はセンタカバー17を囲う矩形枠状をなすものであり、メインセット34の後面には上端部に位置して球タンク35が固定され、球タンク35内にはパチンコ球Pが貯溜されている。また、メインセット34の後面にはタンクレール36および払出し装置37が固定されている。この払出し装置37はタンクレール36を介して球タンク35内に繋がるものであり、下記のように構成されている。
【0017】
<払出し装置37について>
メインセット34には、図7に示すように、払出しケース38が固定されており、払出しケース38内には球通路39が形成されている。この球通路39の上端部はタンクレール36内に繋がっており、球通路39内には球タンク35内からタンクレール36を通してパチンコ球Pが一列に充填されている。この球通路39の上下方向中間部には払出し部材に相当するスプロケット40が軸41を中心に回動可能に装着されており、スプロケット40の外周部には凹状をなす複数の球受け部42が形成されている。
【0018】
払出しケース38内には、図9に示すように、パルスモータからなる球払出しモータ43が配設されている。この球払出しモータ43の回転軸には図7のスプロケット40が連結されており、球払出しモータ43の停止時には、図7に実線で示すように、球通路39内の最下部のパチンコ球Pがスプロケット40の1個の球受け部42内に保持されている。この状態で球払出しモータ43の回転軸が単位量だけ回転すると、図7に二点鎖線で示すように、スプロケット40が矢印A方向へ回動することに基づいて1個の球受け部42内から1個のパチンコ球Pが放出され、球通路39の下端部を通して払出しケース38内から払出される。払出し装置37は以上のように構成されている。
【0019】
メインセット34の後面には、図9に示すように、賞球回路ボックス44が固定されている。この賞球回路ボックス44内には賞球回路基板45が収納されており、賞球回路基板45には払出し手段に相当する賞球制御装置46が搭載されている。この賞球制御装置46は、図6に示すように、マイクロコンピュータを主体に構成された払出し処理部47を有するものであり、賞球制御装置46の入出力端子にはメイン制御装置20の出入力端子が電気的に接続されている。この賞球制御装置46の出力端子にはドライブ回路48を介して球払出しモータ43が電気的に接続されており、賞球制御装置46の払出し処理部47は球払出しモータ43を駆動制御することに基づいて払出し装置37内からパチンコ球Pを払出す。
【0020】
メインセット34には、図9に示すように、球通路49が設けられている。この球通路49は払出し装置37と上皿4とを繋ぐものであり、払出し装置37内から払出されたパチンコ球Pは球通路49を通して上皿4内に供給される。また、前面扉2の前面には、図8に示すように、下皿50が固定されている。この下皿50は上皿4内に通じるものであり、上皿4内から溢れたパチンコ球は上皿4内から下皿50内に零れ落ちる。
【0021】
払出し装置37の球通路39内には、図7に示すように、スプロケット40の下流側に位置して払出しセンサ51が固定されており、払出しセンサ51は、図6に示すように、メイン制御装置20の入力端子および賞球制御装置46の入力端子に電気的に接続されている。この払出しセンサ51は近接スイッチからなるものであり、払出し装置37から上皿4内に払出されるパチンコ球Pを検出することに基づいてメイン制御装置20および賞球制御装置46に払出し信号を出力する。
【0022】
メインセット34の後面には、図9に示すように、上端部に位置して電源基板52が固定されており、電源基板52には一対の電源コード53が電気的に接続されている。これら電源コード53はパチンコールの電源装置(図示せず)に電気的に接続されたものであり、電源基板52には電源コード53を通してAC24Vの主電源Vinが与えられる。この電源基板52には、図1に示すように、発射モータ6が電気的に接続されており、主電源Vinの有効時には発射ハンドル5が回動操作されることに基づいて電源基板52から発射モータ6にAC24Vの駆動電源Vout1が印加される。
【0023】
電源基板52には整流回路54が搭載されており、整流回路54は主電源VinをDC24Vの直流電源Vout2に変換する。また、電源基板52には昇圧平滑回路55が搭載されている。この昇圧平滑回路55は24Vの直流電源Vout2をDC32Vの駆動電源Vout3に変換するものであり、主電源Vinの有効時にはメイン制御装置20および賞球制御装置46が大入賞口ソレノイド31および球払出しモータ43に駆動電源Vout3を印加する。
【0024】
電源基板52にはDC/DC回路56が搭載されている。このDC/DC回路56はDC24Vの直流電源Vout2をDC12Vの駆動電源Vout4に変換するものであり、主電源Vinの有効時にはDC/DC回路56から特別図柄表示装置14,特別図柄始動センサ16,大入賞口センサ33,払出しセンサ51に駆動電源Vout4が印加される。
【0025】
電源基板52には予備電源回路57が搭載されており、予備電源回路57はDC/DC回路56の出力側にダイオード58を介して電気的に接続されている。この予備電源回路57はコンデンサを主体に構成されたものであり、主電源Vinの遮断時には予備電源回路57から特別図柄始動センサ16および払出しセンサ51に設定時間Tだけ駆動電源Vout4´が印加される。
【0026】
電源基板52にはDC/DC回路59が搭載されている。このDC/DC回路59はDC24Vの直流電源Vout2をDC5Vの駆動電源Vout5に変換するものであり、主電源Vinの有効時にはDC/DC回路59からメイン回路基板19のメイン制御装置20,表示回路基板24の表示制御装置25,賞球回路基板45の賞球制御装置46に駆動電源Vout5が印加される。
【0027】
電源基板52には予備電源回路60が搭載されており、予備電源回路60はDC/DC回路59の出力側にダイオード61を介して電気的に接続されている。この予備電源回路60はコンデンサを主体に構成されたものであり、主電源Vinの遮断時には予備電源回路60からメイン制御装置20および賞球制御装置46に駆動電源Vout5´が設定時間Tだけ印加される。
【0028】
メイン回路基板19にはバックアップ電源回路62が搭載されている。このバックアップ電源62は2個のダイオード63とリチウム電池64とを有するものであり、駆動電源Vout5および駆動電源Vout5´の有効時には一方のダイオード63を通してメイン制御装置20のRAM65に駆動電源Vout5および駆動電源Vout5´が印加され、駆動電源Vout5および駆動電源Vout5´の遮断時にはリチウム電池64から他方のダイオード63を通してRAM65にDC3Vのバックアップ電源Vout6が印加される。
【0029】
賞球回路基板45にはバックアップ電源回路66が搭載されている。このバックアップ電源66は2個のダイオード67とリチウム電池68とを有するものであり、駆動電源Vout5および駆動電源Vout5´の有効時には一方のダイオード67を通して賞球制御装置46のRAM69に駆動電源Vout5および駆動電源Vout5´が印加され、駆動電源Vout5および駆動電源Vout5´の遮断時にはリチウム電池68から他方のダイオード67を通してRAM69にDC3Vのバックアップ電源Vout6が印加される。
【0030】
電源基板52には停電検出回路70が搭載されている。この停電検出回路70は主電源Vinの電圧レベルを監視するものであり、主電源Vinの電圧レベルが停電レベルに降下することに基づいてメイン制御装置20および賞球制御装置46に停電信号を与える。
【0031】
電源基板52にはリセット回路71が搭載されている。このリセット回路71は駆動電源Vout5の電圧レベルを監視するものであり、駆動電源Vout5の電圧レベルがリセットレベルに上昇することに基づいて表示制御装置25,賞球制御装置46,遅延回路72にリセット信号を同時(パラレル)に与える。この遅延回路72の出力端子はメイン制御装置20の入力端子に電気的に接続されており、メイン制御装置20には表示制御装置25および賞球制御装置46の起動後に遅延回路72からリセット信号が与えられ、メイン制御装置20は表示制御装置25および賞球制御装置46より遅れて起動する。
【0032】
電源基板52の後面には、図9に示すように、初期化スイッチ73が搭載されており、初期化スイッチ73は、図6に示すように、メイン制御装置20の入力端子および賞球制御装置46の入力端子に電気的に接続されている。この初期化スイッチ73は前面扉2の開放状態で前方から操作されるものであり、初期化スイッチ73の操作時には初期化スイッチ73からメイン制御装置20および賞球制御装置46に初期化信号が出力される。
【0033】
次に上記構成の作用について説明する。尚、下記動作はメイン制御装置20,表示制御装置25,賞球制御装置46がROMに予め記録された制御プログラムに基づいて実行するものである。
【0034】
<特図始動信号処理について>
初期化スイッチ73の操作状態でメイン電源Vinが投入されると、リセット回路71から遅延回路72を通してメイン制御装置20にリセット信号が与えられ、メイン制御装置20の始動処理部21は図2の(a)のステップS1へ移行する。そして、初期化スイッチ73からの初期化信号を検出し、ステップS2へ移行する。ここで、RAM65の大当りエリアに記録されているバックアップデータをクリアし、ステップS3へ移行する。
【0035】
始動処理部21はステップS3で特別図柄始動センサ16からの特図始動信号を検出すると、ステップS4へ移行し、RAM65の大当りエリアに記録されているカウンタデータの組数を検出する。この大当りエリアは最大で5組のカウンタデータが記録されるものであり、始動処理部21はカウンタデータが5組未満であることを検出すると、ステップS5へ移行する。
【0036】
始動処理部21はステップS5へ移行すると、カウンタデータに相当する大当りカウンタ値Noおよび図柄カウンタ値Nzを取得する。これら大当りカウンタNoおよび図柄カウンタNzは「0」から異なる上限値に加算された後に「0」に戻って加算されるものであり、始動処理部21は大当りカウンタ値Noおよび図柄カウンタ値Nzを取得すると、RAM65の大当りエリアに大当りカウンタ値Noおよび図柄カウンタ値Nzを記録し、ステップS6へ移行する。
【0037】
始動処理部21はステップS6で大当りエリアにカウンタデータが記録されていると判断すると、ステップS7へ移行する。ここで、大当りエリアの先頭のカウンタデータ(大当りカウンタ値Noおよび図柄カウンタ値Nz)を判定処理部22に出力し、ステップS8へ移行する。
【0038】
始動処理部21はステップS8でデータクリア指令を検出すると、ステップS9へ移行する。このデータクリア指令は判定処理部22から出力されるものであり、始動処理部21はステップS9へ移行すると、大当りエリアの先頭のカウンタデータをクリアし、ステップS3に復帰する。そして、ステップS3〜S9を繰返すことに基づいてカウンタデータの記録,カウンタデータの出力,カウンタデータのクリアを実行する。
【0039】
<大当り判定処理について>
初期化スイッチ73の操作状態でメイン電源Vinが投入されると、リセット回路71から遅延回路72を通してメイン制御装置20にリセット信号が与えられ、メイン制御装置20の判定処理部22は図3の(a)のステップS11へ移行する。そして、初期化スイッチ73からの初期化信号を検出し、ステップS12へ移行する。ここで、RAM65の判定エリアに記録されているバックアップデータをクリアし、ステップS13へ移行する。
【0040】
判定処理部22はステップS13で上述した始動処理部21からのカウンタデータを検出すると、カウンタデータをRAM65の判定エリアに記録する。そして、ステップS14へ移行し、カウンタデータの大当りカウンタ値Noを大当り判定値と比較する。この大当り判定値はメイン制御装置20のROMに予め記録されたものであり、両者が同一であると判断されたときにはRAM65の判定エリアに大当りが記録され、両者が相違していると判断されたときには外れが記録される。
【0041】
判定処理部22は判定結果を記録すると、ステップS15またはS16へ移行し、カウンタデータの図柄カウンタ値Nzに基づいて大当り図柄または外れ図柄を設定し、ステップS17へ移行する。尚、大当り図柄は左列,中列,右列が同一な3個の組合わせ図柄を称するものである。また、外れ図柄は左列,中列,右列が相違する3個の組合わせ図柄を称するものである。
【0042】
判定処理部22はステップS17へ移行すると、表示制御装置25に図柄変動指令を出力する。すると、表示制御装置25は特別図柄表示装置14の各列の図柄を「0」→「1」→「2」……「8」→「9」→「0」→「1」……の順序で変動させる。
【0043】
判定処理部22は図柄変動指令を出力すると、ステップS18へ移行し、ステップS15の図柄設定結果またはステップS16の図柄設定結果を表示制御装置25に出力する。すると、表示制御装置25は特別図柄表示装置14の各列を設定図柄で変動停止させ、遊技者に大当りまたは外れを知らせる。
【0044】
判定処理部22は図柄設定結果(図柄停止指令)を出力すると、ステップS19へ移行する。ここで、RAM65の判定エリアに大当りが記録されていないと判断すると、ステップS24へ移行し、始動処理部21に上述のデータクリア指令を出力することに基づいて処理済みのカウンタデータ(大当りエリアの先頭のカウンタデータ)をクリアさせる。また、ステップS19で判定エリアに大当りが記録されていると判断すると、ステップS20へ移行する。
【0045】
判定処理部22はステップS20へ移行すると、ラウンドカウンタNrに設定値(例えば15)をセットする(Nr←15)。そして、ステップS21へ移行し、大入賞口ソレノイド31に駆動電源Vout3を設定時間だけ印加することに基づいて大入賞口28を設定時間だけ開放する。この後、ステップS22へ移行し、ラウンドカウンタ値Nrから「1」を減算してステップS23へ移行する。
【0046】
判定処理部22はステップS23でラウンドカウンタ値Nrが「0」でないと判断すると、ステップS21に復帰し、ステップS21〜23を繰返す。この後、ラウンドカウンタ値Nrが「0」まで減算されたと判断すると、ステップS23からS24へ移行し、始動処理部21にデータクリア指令を出力することに基づいて処理済みのカウンタデータをクリアさせる。
【0047】
<入賞信号処理について>
初期化スイッチ73の操作状態でメイン電源Vinが投入されると、リセット回路71から遅延回路72を通してメイン制御装置20にリセット信号が与えられ、メイン制御装置20の賞球処理部23は図4の(a)のステップS31へ移行する。そして、初期化スイッチ73からの初期化信号を検出し、ステップS32へ移行する。ここで、RAM65の賞球エリアに記録されているバックアップデータをクリアし、ステップS33へ移行する。
【0048】
賞球処理部23はステップS33で大入賞口センサ33からの入賞信号を検出すると、ステップS34へ移行する。ここで、「賞球カウンタNa←Na+C1 (例えば15)」を実行することに基づいて賞球カウンタ値NaをRAM65の賞球エリアに記録し、ステップS37へ移行する。また、ステップS35で特別図柄始動センサ16からの特図始動信号を検出すると、ステップS36へ移行する。ここで、「賞球カウンタNa←Na+C2 (例えば5)」を実行することに基づいて賞球カウンタ値NaをRAM65の賞球エリアに記録し、ステップS37へ移行する。
【0049】
賞球処理部23はステップS37で「賞球カウンタ値Na≧1」を検出すると、ステップS38へ移行し、フラグFの状態を判断する。このフラグFは起動時に「1」にセットされたり、後述のステップS48で「1」にセットされるものであり、賞球処理部23はステップS38で「F=1」を検出すると、ステップS39で払出しカウンタNbに賞球カウンタ値Naをセットする(Nb←Na)。そして、払出しカウンタ値NbをRAM65の賞球エリアに記録し、ステップS40へ移行する。
【0050】
賞球処理部23はステップS40へ移行すると、払出し確認カウンタNcに払出しカウンタ値Nbをセットする(Nc←Nb)。そして、払出し確認カウンタ値NcをRAM65の賞球エリアに記録し、ステップS41へ移行する。ここで、賞球制御装置46の払出し処理部47にパチンコ球Pの払出し指令および払出し数(=払出しカウンタ値Nb)を出力し、フラグFに「0」を投入して(F←0)ステップS42へ移行する。
【0051】
賞球処理部23はステップS42で払出しセンサ51からの払出し信号を検出すると、ステップS43へ移行する。ここで、賞球エリアの払出しカウンタ値Nbから「1」を減算し(Nb←Nb−1)、ステップS44へ移行する。この払出し信号は、上述したように、払出し装置37から1個のパチンコ球Pが払出される毎に出力されるものであり、「Nb←Nb−1」の実行に基づいてパチンコ球Pの未払い数が計測される。
【0052】
賞球処理部23はステップS44で払出し終了信号を検出すると、ステップS45へ移行する。この払出し終了信号は、後述するように、払出し処理部47が「Nb」個のパチンコ球Pを払出したことを確認することに基づいて出力するものであり、賞球処理部23はステップS45で賞球エリアの払出しカウンタ値Nbが「0」に減算されていることを検出すると、自身の払出し情報と払出し処理部47の払出し情報との整合性が取れていると判断し、ステップS45からS46へ移行する。
【0053】
賞球処理部23はステップS45で賞球エリアの払出しカウンタ値Nbが「0」に減算されていないと判断すると、自身の払出し情報と払出し処理部47の払出し情報との整合性が取れていないと判断し、ステップS47へ移行する。この賞球処理部23の払出しカウンタ値Nbおよび払出し処理部47の払出し終了信号はメイン回路基板19や賞球回路基板45の不正交換等の違法行為がない限り整合するものであり、賞球処理部23はステップS47へ移行すると、不正行為があったと判断する。そして、パチンコホールのホストコンピュータ(図示せず)に異常信号を出力し、ステップS46へ移行する。
【0054】
賞球処理部23はステップS46へ移行すると、「賞球カウンタNa←Na−払出し確認カウンタNc」を実行することに基づいてパチンコ球Pの未払い数を演算する。そして、ステップS48でフラグFに「1」を投入し(F←1)、ステップ33に復帰する。従って、特別図柄始動口15内および大入賞口28内にパチンコ球Pが入球する毎に賞球エリアの賞球カウンタ値Naに設定値C1 およびC2 が加算され、パチンコ球Pの払出し動作が停止しているとき(F=1のとき)に払出し指令および払出し数Nbが出力される。これと共に、払出し処理部47から払出し終了信号が出力される毎に賞球エリアの賞球カウンタNaが減算され、最新の払出し個数Naが演算される。
【0055】
<賞球払出し処理について>
初期化スイッチ73の操作状態でメイン電源Vinが投入されると、リセット回路71から賞球制御装置46にリセット信号が与えられる。すると、賞球制御装置46の払出し処理部47はメイン制御装置20の始動処理部21,判定処理部22,賞球処理部23に先立って起動し、図5の(a)のステップS51へ移行する。ここで、初期化スイッチ73からの初期化信号を検出し、ステップS52へ移行する。そして、RAM69の払出しエリアに記録されているバックアップデータをクリアし、ステップS53へ移行する。
【0056】
払出し処理部47は賞球処理部23から出力される上述の払出し指令および払出し数(払出しカウンタ値Nb)をステップS53で検出すると、ステップS54へ移行する。ここで、払出し実行カウンタNb´に払出しカウンタ値Nbを投入(Nb´←Nb)することに基づいて払出し実行カウンタNb´をセットし、RAM69の払出しエリアに記録する。
【0057】
払出し処理部47は払出し実行カウンタNb´をセットすると、ステップS55へ移行し、球払出しモータ43に駆動電源Vout3を印加することに基づいて球払出しモータ43の回転軸を単位量だけ駆動する。そして、ステップS56で払出しセンサ51からの払出し信号を検出すると、1個のパチンコ球Pが払出されたことを確認し、ステップS57へ移行する。ここで、払出しエリアの払出し実行カウンタ値Nb´から「1」を減算する(Nb´←Nb´−1)ことに基づいてパチンコ球Pの未払い数を演算し、ステップS58へ移行する。
【0058】
払出し処理部47はステップS58で「払出し実行カウンタNb´=0」を検出すると、パチンコ球Pの払出し動作が終了したと判断する。そして、ステップS59へ移行し、メイン制御装置20の賞球処理部23に上述の払出し終了信号を出力してステップS53に復帰する。従って、払出し処理部47が払出し動作の停止時に賞球処理部23からの払出し指令および払出し数Nbを検出し、払出し動作の終了後に次の払出し指令および払出し数Nbを検出することになる。
【0059】
<停電時の特図始動信号処理について>
遊技中に停電が発生したときには停電検出回路70からメイン制御装置20に停電信号が出力される。すると、メイン制御装置20の始動処理部21は図2の(b)のステップS61へ移行する。ここで、特別図柄始動センサ16からの特図始動信号がないことを検出すると、ステップS64へ移行し、設定時間Tの経過を判断する。この設定時間Tは予備電源回路57から特別図柄始動センサ16および払出しセンサ51に予備電源Vout4´が印加される時間に相当するものであり、始動処理部21はステップS64で設定時間Tが経過していないと判断すると、ステップS61に復帰し、ステップS61およびS64を繰返す。
【0060】
始動処理部21はステップS61およびS64を繰返す間に特図始動信号を検出すると、ステップS61からS62へ移行する。ここで、RAM65の大当りエリアのカウンタデータの記録数が5個であることを検出すると、処理を終える。また、カウンタデータの記録数が4個以下であることを検出すると、ステップS63へ移行し、特図始動信号の検出タイミングで大当りカウンタ値および図柄カウンタ値を取得し、大当りエリアに記録する。従って、メイン制御装置20の予備電源Vout5´が遮断された後にはRAM65の大当りエリアに停電直前のカウンタデータが保管される。
【0061】
<停電時の大当り判定処理について>
遊技中に停電が発生したときには停電検出回路70からメイン制御装置20に停電信号が出力される。このとき、RAM65の判定エリアにカウンタデータおよびラウンドカウンタ値Nrが記録されていると、当該カウンタデータおよびラウンドカウンタ値Nrが予備電源Vout5´の遮断後に保管される。
【0062】
<停電時の入賞信号処理について>
遊技中に停電が発生したときには停電検出回路70からメイン制御装置20に停電信号が出力される。すると、メイン制御装置20の賞球処理部23は図4の(b)のステップS71へ移行する。ここで、払出しセンサ51からの払出し信号がないことを検出すると、ステップS72へ移行する。そして、特別図柄始動センサ16からの特図始動信号がないことを検出すると、ステップS77へ移行する。
【0063】
賞球処理部23はステップS77で設定時間Tが経過していないと判断すると、ステップS71に復帰し、S71,S72,S77を繰返す。この設定時間T(特別図柄始動センサ16および払出しセンサ51に対する予備電源Vout4´の印加時間)は払出し装置37のスプロケット40から落下するパチンコ球Pが払出しセンサ51に到達する時間より若干長く設定されたものであり、スプロケット40が停電直前にパチンコ球Pを放出したときには当該パチンコ球Pが設定時間Tの範囲内で払出しセンサ51に到達し、払出しセンサ51から払出し信号が出力される。
【0064】
賞球処理部23はステップS71で払出し信号を検出すると、ステップS73へ移行し、「払出しカウンタNb←Nb−1」を実行することに基づいてRAM65の賞球エリアに記録されている払出しカウンタ値Nbを書換え、停電直前にスプロケット40から放出されたパチンコ球Pを計測する。そして、ステップS74で「Nb=0」を検出したときにはステップS75へ移行し、「Na←Na−Nc」を実行することに基づいてRAM65の賞球エリアに記録されている賞球カウンタ値Naを書換える。
【0065】
賞球処理部23は設定時間Tの経過前に特別図柄始動センサ16からの特図始動信号を検出すると、ステップS72からS76へ移行し、「賞球カウンタ値Na←Na+C2 」を実行することに基づいて賞球カウンタ値Naを書換える。従って、メイン制御装置20の予備電源Vout5´が遮断された後にはRAM65の賞球エリアに停電直前の賞球カウンタ値Na,払出しカウンタ値Nb,払出し確認カウンタ値Ncが保管される。
【0066】
<停電時の払出し処理について>
遊技中に停電が発生したときには停電検出回路70から賞球制御装置46に停電信号が出力される。すると、賞球制御装置46の払出し処理部47は図5の(b)のステップS81へ移行する。
【0067】
払出し処理部47はステップS81で払出しセンサ51からの払出し信号がないことを検出すると、ステップS83へ移行する。ここで、設定時間Tが経過していないと判断すると、ステップS81およびS83を繰返す。この設定時間Tは、上述したように、払出し装置37のスプロケット40から放出されたパチンコ球Pが払出しセンサ51に到達する時間より若干長く設定されたものであり、払出し装置37が停電直前にパチンコ球Pを放出したときには当該パチンコ球Pが設定時間Tの範囲内で払出しセンサ51に到達し、払出しセンサ51から払出し信号が出力されることになる。
【0068】
払出し処理部47はステップS81で払出し信号を検出すると、ステップS82へ移行し、「払出し実行カウンタNb´←Nb´−1」を実行することに基づいてRAM69の払出しエリアに記録されている払出し実行カウンタ値Nb´を書換え、停電直前に払出し装置37から放出されたパチンコ球Pを計測する。従って、メイン制御装置20の予備電源Vout5´および賞球制御装置46の予備電源Vout5´が遮断された後にはメイン制御装置20のRAM65および賞球制御装置46のRAM69に整合性が取れた同一の払出し情報(払出しカウンタ値Nbおよび払出し実行カウンタ値Nb´)が保管される。
【0069】
<停電復旧時の特図始動信号処理について>
停電の復旧時にリセット回路71から遅延回路72を通してメイン制御装置20にリセット信号が与えられると、メイン制御装置20の始動処理部21は図2の(a)のステップS1へ移行する。ここで、初期化スイッチ73の非操作を検出し、RAM65の大当りエリアをクリアせずにステップS3へ移行する。従って、大当りエリアに停電直前のカウンタデータが記録されているときにはステップS7で当該カウンタデータが判定処理部22に出力され、大当りエリアにカウンタデータが記録されていないときには特図始動信号の検出タイミングでカウンタデータが取得され、判定処理部22に出力される。
【0070】
<停電復旧時の大当り判定処理について>
停電の復旧時にリセット回路71から遅延回路72を通してメイン制御装置20にリセット信号が与えられると、メイン制御装置20の判定処理部22は図3の(a)のステップS11へ移行する。ここで、初期化スイッチ73の非操作を検出し、ステップS25の停電復旧処理へ移行する。そして、RAM65の判定エリアにカウンタデータが記録されているときには、図3の(b)のステップS91で当該カウンタデータをクリアし、ステップS92へ移行する。
【0071】
判定処理部22はステップS92でRAM65の判定エリアにラウンドカウンタ値Nrが記録されていないと判断したときには停電復旧処理を終え、図3の(a)のステップS13へ移行する。従って、始動処理部21から出力される停電直前のカウンタデータまたは停電復旧後の新たなカウンタデータに基づいて大当りの判定動作,図柄の設定動作が行われる。
【0072】
判定処理部22は図3の(b)のステップS92でRAM65の判定エリアにラウンドカウンタ値Nrが記録されていると判断すると、ステップS93へ移行する。そして、大入賞口ソレノイド31を駆動することに基づいて大入賞口28を開放し、ステップS94へ移行する。
【0073】
判定処理部22はステップS94でラウンドカウンタ値Nrから「1」を減算すると、ステップS95で「ラウンドカウンタ値Nr=0」を検出することに基づいて停電復旧処理を終え、図3の(a)のステップS13へ移行する。従って、始動処理部21から出力される停電直前のカウンタデータまたは停電復旧後の新たなカウンタデータに基づいて大当りの判定動作,図柄の設定動作が行われることになる。
【0074】
<停電復旧時の入賞信号処理について>
停電の復旧時にリセット回路71から遅延回路72を通してメイン制御装置20にリセット信号が与えられると、メイン制御装置20の賞球処理部23はフラグFに「1」を投入し、図4の(a)のステップS31へ移行する。ここで、初期化スイッチ73の非操作を検出し、ステップS49の停電復旧処理へ移行する。そして、図4の(c)のステップS101でRAM65の賞球エリアから払出しカウンタ値Nbを読出し、「払出しカウンタ値Nb=0」を検出したときには停電復旧処理を終える。
【0075】
賞球処理部23は停電復旧処理を終えると、図4の(a)のステップS33へ移行する。従って、ステップS37で「賞球カウンタ値Na≧1」が検出されたときには停電直前の賞球カウンタ値Naに基づいて払出しカウンタ値Nbおよび払出し確認カウンタ値Ncがセットされ、賞球制御装置46の払出し処理部47に払出し指令および払出しカウンタ値Nbが出力される。また、ステップS37で「賞球カウンタ値Na=0」が検出されたときにはステップS33およびS35で入賞信号および特図始動信号が検出されることに基づいて払出し処理部47に払出し指令および払出しカウンタ値Nbが出力される。
【0076】
賞球処理部23は図4の(c)のステップS101で「払出しカウンタ値Nb≧1」を検出すると、ステップS102で払出し処理部47に払出し指令を出力し、フラグFに「0」を投入する(F←0)。そして、停電復旧処理を終え、図4の(a)のステップS33へ移行する。
【0077】
<停電復旧時の払出し処理について>
停電の復旧時にリセット回路71から賞球制御装置46にリセット信号が与えられると、賞球制御装置46の払出し処理部47は図5の(a)のステップS51へ移行する。ここで、初期化スイッチ73の非操作を検出し、RAM69の払出しエリアをクリアせずにステップS53へ移行する。
【0078】
払出し処理部47はステップS53で賞球処理部23からの払出し指令を検出すると、ステップS54で払出しエリアの払出し実行カウンタ値Nb´をセットし、ステップS55で球払出しモータ43を駆動する。そして、ステップS56で払出しセンサ51からの払出し信号を検出したときにはステップS57で払出し実行カウンタ値Nb´から「1」を減算し、ステップS58で「払出し実行カウンタ値Nb´=0」を検出したときにはステップS59で払出し終了信号を出力する。
【0079】
このとき、賞球処理部23は図4の(a)のステップS42で払出しセンサ51からの払出し信号を検出し、ステップS43で払出しカウンタ値Nbを減算する。そして、ステップS44で払出し処理部47からの払出し終了信号を検出したときにはステップS45へ移行し、払出しカウンタ値Nbを「0」と比較することに基づいて自身の払出し情報と払出し処理部47の払出し情報との整合性をチェックする。
【0080】
上記実施例によれば、払出しセンサ51に対する予備電源Vout4´の印加時間Tを主電源Vinの遮断直前に払出し装置37のスプロケット40から放出されたパチンコ球Pを検出して払出し信号を出力できる長さに設定し、賞球制御装置46に対する予備電源Vout5´の印加時間Tを主電源Vinの遮断後に払出しセンサ51から出力される払出し信号に基づいて払出し実行カウンタ値Nb´を減算できる長さに設定した。このため、停電直前にスプロケット40からパチンコ球Pが放出されたときには払出しセンサ51から賞球制御装置46に払出し信号が出力され、賞球制御装置46が払出し実行カウンタ値Nb´を減算するので、停電直前にスプロケット40から放出されるパチンコ球Pが計測され、正確な払出し実行カウンタ値Nbが得られる。
【0081】
また、メイン制御装置20に対する予備電源Vout5´の印加時間Tを主電源Vinの遮断後に払出しセンサ51から出力される払出し信号に基づいて払出しカウンタ値Nbを減算できる長さに設定した。このため、停電直前に払出し装置37からパチンコ球Pが放出されたときには払出しカウンタ値Nbおよび払出し実行カウンタ値Nb´の双方に反映されるので、停電復旧時に両者の整合性をチェックする(払出しカウンタ値Nbが「0」になるタイミングで払出し終了信号の有無をチェックする)だけで、停電中にメイン制御装置20のROMや賞球制御装置46のROMが不正に交換等されたことを簡単に発見できる。
【0082】
また、メイン制御装置20の始動処理部21が主電源Vinの遮断時に特別図柄始動センサ16からの特図始動信号を監視し、特図始動信号を検出することに基づいてカウンタデータを取得するように構成した。このため、停電の復旧時に停電直前のカウンタデータに基づいて大当りおよび外れの判定動作,大当り図柄および外れ図柄の表示動作が行われるので、停電直前に特別図柄始動口15内にパチンコ球Pが入球したにも拘らず大当りの判定動作が行われないこと等が防止される。
【0083】
また、メイン制御装置20の賞球処理部23が主電源Vinの遮断時に特別図柄始動センサ16からの特図始動信号を監視し、特図始動信号を検出することに基づいて賞球カウンタ値Naを加算するように構成した。このため、停電の復旧時に停電直前の賞球カウンタ値Naに基づいてパチンコ球Pが払出されるので、停電直前に特別図柄始動口15内にパチンコ球Pが入球したにも拘らずパチンコ球Pの払出し動作が行われないことが防止される。
【0084】
また、メイン制御装置20および賞球制御装置46が初期化スイッチ73の操作状態でメイン電源Vinが投入されたときに払出しカウンタ値Nb(パチンコ球Pの払出し情報)および払出し実行カウンタ値Nb´(パチンコ球Pの払出し情報)のバックアップデータをクリアするようにしたので、メイン電源Vinの投入後に初期化スイッチ73が操作されたときに払出しカウンタ値Nbおよび払出し実行カウンタ値Nb´のバックアップデータがクリアされることがなくなる。
【0085】
尚、上記実施例においては、払出しセンサ51を払出し装置37の球通路39内に配設したが、これに限定されるものではなく、例えば払出し装置37と上皿4とを繋ぐ球通路49内に配設しても良く、要はスプロケット40の下流側であれば良い。
【0086】
また、上記実施例においては、特別図柄始動センサ16に対する予備電源Vout4´の印加時間を払出しセンサ51と同一に設定したが、これに限定されるものでなく、例えば下記<変形例について>のように設定しても良い。
【0087】
<変形例について>
特別図柄始動センサ16に対する予備電源Vout4´の印加時間を特別図柄始動センサ16が主電源Vinの遮断直前に遊技盤8内の上部に放出されて主電源Vinの遮断後に特別図柄始動口15内に入球したパチンコ球Pを検出できる長さに設定する。また、メイン制御装置20に対する予備電源Vout5´の印加時間をメイン制御装置20の始動処理部21が特別図柄始動センサ16からの特図始動信号に基づいてカウンタデータ(判定情報に相当する)を取得でき、賞球処理部23が特図始動信号に基づいて賞球カウンタ値Na(賞球情報に相当する)を加算できる長さに設定する。
【0088】
上記構成の場合、停電直前に遊技盤8内にパチンコ球Pが放出されたときには予備電源Vout4´の有効時間内で特別図柄始動センサ16に到達する。そして、特別図柄始動センサ16から始動処理部21および賞球処理部23に特図始動信号が出力され、始動処理部21が予備電源Vout5´の有効時間内でカウンタデータを取得し、賞球処理部23が予備電源Vout5´の有効時間内で賞球カウンタ値Naを加算する。従って、停電復旧時に停電直前のカウンタデータに基づいて大当りの判定動作が行われ、停電直前の賞球カウンタ値Naに基づいてパチンコ球Pの払出し動作が行われるので、停電直前に遊技盤8内の上部に放出されたパチンコ球Pが特別図柄始動口15内に入賞したにも拘らず大当りの判定動作およびパチンコ球Pの払出し動作が行われないことが防止される。
【0089】
また、上記実施例においては、主電源Vinの遮断時に特別図柄始動センサ16および払出しセンサ51に予備電源Vout4´を印加したが、これに限定されるものではなく、例えば大入賞口センサ33に印加しても良い。この場合、予備電源Vout4´の印加時間を大入賞口センサ33が主電源Vinの遮断直前に遊技盤8内の上部に放出されて主電源Vinの遮断後に大入賞口28内に入球したパチンコ球Pを検出できる長さに設定し、しかも、メイン制御装置20に対する予備電源Vout5´の印加時間を賞球処理部23が大入賞口センサ33からの入賞信号に基づいて賞球カウンタ値Naを加算できる長さに設定すると良い。
【0090】
また、上記実施例においては、特別図柄始動口15内に特別図柄始動センサ16を配設したが、これに限定されるものではなく、例えば特別図柄始動口15内に入球したパチンコ球Pを機外へ排出する裏樋内に配設しても良い。この構成の場合、パチンコ球Pが特別図柄始動口15を通過することに基づいて特別図柄始動センサ16から特図始動信号が出力されることになる。
【0091】
また、上記実施例においては、大当りの発生に連動して大当り動作が行われる1種のパチンコ機に本発明を適用したが、これに限定されるものではなく、例えば3種のパチンコ機に本発明を適用しても良い。このパチンコ機は大当りの発生に連動して特別入賞口が開放されるものであり、特別入賞口の開放時に特別入賞口内にパチンコ球Pが入球することに基づいて大当り動作が行われる。この場合、ポケット状の特別図柄始動口15に変えて上下面が開口するコ字枠状の特別図柄始動ゲート(始動ゲートおよび入賞ゲートに相当する)を用い、パチンコ球Pが特別図柄始動ゲート内を通過することに基づいて特別図柄始動センサ16から特図始動信号が出力されるようにすると良い。
【0092】
【発明の効果】
本発明のパチンコ機によれば、メイン制御装置および賞球制御装置が初期化スイッチの操作状態でメイン電源が投入されたときに払出し情報のバックアップデータをクリアするので、メイン電源の投入後に初期化スイッチが操作されたときに払出し情報のバックアップデータがクリアされることがなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す図(電源の供給経路等を示すブロック図)
【図2】始動処理部の処理内容を示すフローチャート(aは特図始動信号処理を示すフローチャート、bは停電処理を示すフローチャート)
【図3】判定処理部の処理内容を示すフローチャート(aは大当り判定処理を示すフローチャート、bは停電復旧処理を示すフローチャート)
【図4】賞球処理部の処理内容を示すフローチャート(aは入賞信号処理を示すフローチャート、bは停電処理を示すフローチャート、cは停電復旧処理を示すフローチャート)
【図5】払出し処理部の処理内容を示すフローチャート(aは払出し処理を示すフローチャート、bは停電処理を示すフローチャート)
【図6】電気的構成を示すブロック図
【図7】払出し装置の内部構成を示す図
【図8】全体構成を示す前面図
【図9】全体構成を示す後面図
【符号の説明】
Pはパチンコ球、4は上皿、8は遊技盤、15は特別図柄始動口(始動口,入賞口)、16は特別図柄始動センサ(始動センサ,入賞センサ)、20はメイン制御装置(監視手段,判定手段,賞球手段)、28は大入賞口(入賞口)、33は大入賞口センサ(入賞センサ)、37は払出し装置、40はスプロケット(払出し部材)、46は賞球制御装置(払出し手段)、51は払出しセンサを示す。

Claims (1)

  1. 遊技盤に設けられ、パチンコ球が入球可能な入賞口と、
    パチンコ球が前記入賞口内に入球したことを検出して入賞信号を出力する入賞センサと、
    前記入賞センサからの入賞信号を検出することに基づいてパチンコ球を払出し装置から上皿内に払出すための払出し情報を設定し、払出し情報の設定結果を出力するメイン制御装置と、
    前記メイン制御装置から出力される払出し情報を検出することに基づいて前記払出し装置を駆動し、パチンコ球を前記払出し装置から前記上皿内に払出す賞球制御装置と、
    パチンコホールの電源装置からメイン電源が与えられるものであって、前記メイン制御装置および前記賞球制御装置のそれぞれの駆動電源をメイン電源に基づいて生成する電源基板と、
    前記電源基板が生成する駆動電源の電圧レベルがリセットレベルに上昇することに基づいて前記メイン制御装置および前記賞球制御装置のそれぞれに向けてリセット信号を出力するリセット回路と、
    前記メイン制御装置が前記賞球制御装置の起動後に起動するように前記リセット回路から出力されるリセット信号を前記メイン制御装置に遅延して与える遅延回路と、
    前記メイン制御装置および前記賞球制御装置のそれぞれに初期化信号を出力する初期化スイッチを備え、
    前記メイン制御装置は、前記メイン電源の遮断時に払出し情報の設定結果をバックアップすることが可能なRAMを有するものであって前記初期化スイッチの操作状態で前記メイン電源が投入されたときには自身のRAMにバックアップされた払出し情報をクリアするものであり、
    前記賞球制御装置は、前記メイン電源の遮断時に払出し情報の検出結果をバックアップすることが可能なRAMを有するものであって前記初期化スイッチの操作状態で前記メイン電源が投入されたときには前記メイン制御装置に先立って起動して自身のRAMにバックアップされた払出し情報をクリアするものであることを特徴とするパチンコ機。
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