JP4359866B2 - パチンコ機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、球センサからの球信号に基づいて遊技情報を取得する構成のパチンコ機に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
上記パチンコ機においては、パチンコ球の未払い数等の遊技情報を停電時にRAMに保管することが考えられている。この構成の場合、停電の復旧時にRAMから遊技情報を読出し、停電直前の遊技情報に基づいて遊技内容を制御することができる。しかしながら、パチンコホールの開店時に前日の遊技情報がRAMから読出され、前日の遊技情報に基づいて遊技内容が制御されるので、パチンコ球が入賞口内に入賞していないにも拘らず上皿内に払出される等の不具合が起り得る。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、停電復旧時には停電直前の遊技情報に基づいて遊技内容を制御でき、パチンコホールの開店時には新たな遊技情報に基づいて遊技内容を制御できるパチンコ機を提供することにある。
【0003】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載のパチンコ機は、遊技盤に設けられパチンコ球が入賞することが可能な入賞口と、パチンコ球が前記入賞口に入賞することに基づいて信号を出力する近接スイッチと、パチンコ球が貯留された球タンクと、前記球タンク内からパチンコ球が供給されるものであって球払出しモータを有すると共にパチンコ球を1個ずつ放出することで上皿内に払出す払出し装置と、前記払出し装置からパチンコ球が放出される毎に払出し信号を出力する払出しセンサと、パチンコホールの電源装置から与えられる主電源に基づいて駆動電源を生成する電源基板と、前記駆動電源の電圧レベルを監視するものであって前記駆動電源の電圧レベルがリセットレベルに上昇することに基づいてリセット信号を出力するリセット回路と、操作されることに基づいて初期化信号を出力する初期化スイッチと、前記電源基板から前記駆動電源が印加されるものであって賞球カウンタと払出しカウンタと払出し確認カウンタのそれぞれを保管しておくための賞球エリアが設定されたRAMを有すると共に前記主電源が投入された場合には前記リセット回路から前記リセット信号が与えられることに基づいて起動して「1)前記近接スイッチから前記信号が出力されたか否かを判断する処理」「2)前記近接スイッチから前記信号が出力されたと判断する毎に前記賞球カウンタの計測結果に予め決められた値を加算し前記賞球カウンタの加算結果を前記RAMの賞球エリアに保管する処理」「3)前記賞球カウンタの計測結果が予め決められた値「1」以上であるか否かを判断する処理」「4)前記賞球カウンタの計測結果が予め決められた値「1」以上であると判断した場合にフラグが予め決められた第1の値に設定されているか否かを判断する処理」「5)前記フラグが前記第1の値に設定されていると判断した場合に前記賞球カウンタの計測結果を前記払出しカウンタに設定し前記払出しカウンタの設定結果を前記RAMの賞球エリアに保管する処理」「6)前記賞球カウンタの計測結果を前記払出しカウンタに設定した場合に前記払出しカウンタの設定結果を前記払出し確認カウンタに設定し前記払出し確認カウンタの設定結果を前記RAMの賞球エリアに保管する処理」「7)前記払出しカウンタの設定結果を前記払出し確認カウンタに設定した場合にパチンコ球の払出し指令を送信すると共に前記払出しカウンタの設定結果をパチンコ球の払出し数として送信する処理」「8)前記払出し指令および前記払出し数のそれぞれを送信した場合に前記フラグに前記第1の値とは異なる第2の値を設定し前記5)の処理で前記賞球カウンタの計測結果を前記払出しカウンタに設定すること・前記6)の処理で前記払出しカウンタの設定結果を前記払出し確認カウンタに設定すること・前記7)の処理で前記払出し指令および前記払出し数を送信することのそれぞれを禁止する処理」のそれぞれの処理を行うメイン制御装置と、前記電源基板から前記駆動電源が印加されるものであって払出し実行カウンタを保管しておくための払出しエリアが設定されたRAMを有すると共に前記主電源が投入された場合には前記リセット回路から前記リセット信号が与えられることに基づいて起動して「11)前記メイン制御装置から前記払出し指令および前記払出し数のそれぞれが送信されたか否かを判断する処理」「12)前記メイン制御装置から前記払出し指令および前記払出し数のそれぞれが送信されたと判断した場合に前記払出し実行カウンタに前記払出し数の検出結果を設定する処理」「13)前記払出し実行カウンタに前記払出し数の検出結果を設定した場合に前記払出し装置の球払出しモータを単位量だけ駆動することで前記払出し装置から1個のパチンコ球を放出する処理」「14)前記払出し装置を駆動した場合に前記払出しセンサから前記払出し信号が出力されたか否かを判断する処理」「15)前記払出しセンサから前記払出し信号が出力されたと判断した場合に前記払出し実行カウンタから予め決められた値「1」を減算する処理」「16)前記払出し実行カウンタの減算結果が予め決められた値「0」であると判断するまで前記13)の処理と前記14)の処理と前記15)の処理のそれぞれを繰返す処理」「17)前記払出し実行カウンタの減算結果が予め決められた値「0」であると判断した場合に前記メイン制御装置に払出し終了信号を送信する処理」のそれぞれの処理を行う賞球制御装置を備え、前記メイン制御装置は上記1)〜8)のそれぞれの処理に加えて「21)前記払出しセンサから前記払出し信号が出力されたか否かを判断する処理」「22)前記払出しセンサから前記払出し信号が出力されたと判断した場合に前記払出しカウンタから予め決められた値「1」を減算する処理」「23)前記賞球制御装置から前記払出し終了信号が送信されたか否かを判断する処理」「24)前記賞球制御装置から前記払出し終了信号が送信されたと判断した場合に前記払出しカウンタの減算結果を予め決められた値「0」と比較する処理」「25)前記払出しカウンタの減算結果が予め決められた値「0」でないと判断した場合にパチンコホールのホストコンピュータに異常信号を送信する処理」「26)前記払出しカウンタの減算結果が予め決められた値「0」であると判断した場合および予め決められた値「0」でないと判断した場合のそれぞれで前記賞球カウンタの最新の計測結果から前記払出し確認カウンタの設定結果を減算する処理」「27)前記賞球カウンタの最新の計測結果から前記払出し確認カウンタの設定結果を減算した場合に前記フラグを前記第2の値から前記第1の値に変更し前記5)の処理で前記賞球カウンタの計測結果を前記払出しカウンタに再設定すること・前記6)の処理で前記払出しカウンタの再設定結果を前記払出し確認カウンタに再設定すること・前記7)の処理で前記賞球制御装置に前記払出し指令および前記払出し数を再送信することのそれぞれを許容する処理」のそれぞれの処理を行うものであり、前記メイン制御装置のRAMには前記主電源の遮断状態でバックアップ電源が印加されることに基づいて前記賞球カウンタと前記払出しカウンタと前記払出し確認カウンタのそれぞれがバックアップされ、前記賞球制御装置のRAMには前記主電源の遮断状態でバックアップ電源が印加されることに基づいて前記払出し実行カウンタがバックアップされ、前記メイン制御装置は前記リセット回路から前記リセット信号が与えられることに基づいて起動したときには前記1)の処理を行う前に前記初期化スイッチから初期化信号が出力されているか否かを判断する処理を行うものであって前記初期化スイッチから初期化信号が出力されていると判断した場合には前記賞球カウンタと前記払出しカウンタと前記払出し確認カウンタのそれぞれのバックアップデータをリセットする処理を経て前記1)の処理へ移行し前記初期化スイッチから初期化信号が出力されていないと判断した場合には当該バックアップデータをリセットする処理を経ることなく前記払出しカウンタのバックアップデータが予め決められた値「1」以上であると判断した場合に前記賞球制御装置に払出し指令を送信する停電復旧処理を経て前記1)の処理へ移行するものであり、前記賞球制御装置は前記リセット回路から前記リセット信号が与えられることに基づいて起動したときには前記11)の処理を行う前に前記初期化スイッチから初期化信号が出力されているか否かを判断する処理を行い前記初期化スイッチから初期化信号が出力されていると判断した場合には前記払出し実行カウンタのバックアップデータをリセットする処理を経て前記11)の処理へ移行し前記初期化スイッチから初期化信号が出力されていないと判断した場合には当該バックアップデータをリセットする処理を経ることなく前記11)の処理へ移行するものであり、前記リセット回路および前記初期化スイッチのそれぞれは前記電源基板に搭載されているところに特徴を有している。
上記手段によれば、停電復旧時にはメイン制御装置のRAMから停電直前の賞球カウンタの値と払出しカウンタの値と払出し確認カウンタの値のそれぞれを読出し、賞球制御装置のRAMから停電直前の払出し実行カウンタの値を読出し、停電直前の賞球カウンタの値と払出しカウンタの値と払出し確認カウンタの値と払出し実行カウンタの値のそれぞれに基づいて遊技内容を制御できる。しかも、パチンコホールの開店時には初期化スイッチを操作することに基づいて賞球カウンタの値と払出しカウンタの値と払出し確認カウンタの値と払出し実行カウンタの値のそれぞれを初期化し、新たな遊技情報に基づいて遊技内容を制御できる。しかも、初期化スイッチを搭載する専用基板が不要になる。このため、他部品の取付位置や形状を再設計して専用基板の設置スペースを確保する必要がなくなるので、初期化スイッチの設置が簡単になる。しかも、初期化スイッチが賞球カウンタの値と払出しカウンタの値と払出し確認カウンタの値と払出し実行カウンタの値のそれぞれを初期化するためのものであることを使用者に認識させ易くなる。しかも、メイン制御装置および賞球制御装置のそれぞれに初期化スイッチを個別に設ける場合とは異なり、所定の初期化スイッチを操作して残りの初期化スイッチの操作を忘れる等の起動ミスがなくなるので、賞球カウンタの値と払出しカウンタの値と払出し確認カウンタの値と払出し実行カウンタの値のそれぞれが確実に初期化される。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。パチンコホールの台島には、図9に示すように、外枠1が設置されている。この外枠1は前後面が開口する四角筒状をなすものであり、外枠1の前面には、図8に示すように、前面扉2が左側辺部を中心に回動可能に装着されている。また、前面扉2の前面には横長な長方形状の皿板3が左側辺部を中心に回動可能に装着されている。この皿板3の前面には上皿4が固定されており、上皿4内にはパチンコ球P(図7参照)が貯溜されている。
【0009】
前面扉2の前面には、図8に示すように、右下部に位置して発射ハンドル5が回動可能に装着されており、発射ハンドル5の後方には、図9に示すように、発射モータ6が装着されている。この発射モータ6の回転軸にはクランク機構を介して打球槌(いずれも図示せず)が連結されており、発射ハンドル5が図8の時計回り方向へ回動操作されると、発射モータ6に電源が与えられ、打球槌が上皿4内のパチンコ球Pを上皿4内から弾き出す。
【0010】
前面扉2の前面には、図8に示すように、矩形枠状の窓枠7が左側辺部を中心に回動可能に装着されており、窓枠7の内周面には透明なガラス窓(図示せず)が保持されている。また、前面扉2の後面には額縁状の機構盤(図示せず)が固定されている。この機構盤には遊技盤8が保持されており、遊技盤8は窓枠7のガラス窓により前方から覆われている。また、前面扉2の前面には右側部に位置して枠鍵9が装着されており、枠鍵9は前面扉2を外枠1に密着した閉鎖状態にロックし、しかも、皿板3および窓枠7を前面扉2に密着した閉鎖状態にロックしている。
【0011】
遊技盤8の前面には外レール10および内レール11が固定されており、打球槌により弾かれたパチンコ球Pは外レール10および内レール11間を通して遊技盤8内の上部に放出される。また、遊技盤8の前面には複数の障害釘12が打込まれており、遊技盤8内の上部に放出されたパチンコ球Pは複数の障害釘12に当りながら落下する。
【0012】
遊技盤8の前面には略円形状の表示用台板13が固定されており、表示用台板13には特別図柄表示装置14が保持されている。この特別図柄表示装置14はカラー液晶表示器からなるものであり、遊技盤8の前面には特別図柄表示装置14の下方に位置して特別図柄始動口15が固定されている。この特別図柄始動口15は始動口および入賞口に相当するものであり、上面が開口するポケット状をなしている。
【0013】
特別図柄始動口15内には球センサに相当する特別図柄始動センサ16(図6参照)が固定されている。この特別図柄始動センサ16は近接スイッチからなるものであり、特別図柄始動口15内にパチンコ球Pが入球したことを検出して特別図柄始動信号を出力する。この特別図柄始動信号は球信号に相当するものであり、以下、特別図柄始動信号を特図始動信号と称する。
【0014】
遊技盤8の後面には、図9に示すように、センタカバー17が固定されている。このセンタカバー17の後面にはメイン回路ボックス18が固定されており、メイン回路ボックス18内にはメイン回路基板19が収納されている。このメイン回路基板19にはメイン制御装置20が搭載されており、メイン制御装置20の入力端子には、図6に示すように、特別図柄始動センサ16が電気的に接続されている。このメイン制御装置20は情報取得手段に相当するものであり、マイクロコンピュータを主体に構成された始動処理部21,判定処理部22,賞球処理部23を有している。
【0015】
表示用台板13の後面には、図9に示すように、表示回路基板24が固定されており、表示回路基板24はセンタカバー17により後方から覆われている。この表示回路基板24には表示制御装置25が搭載されており、表示制御装置25の出入力端子には、図6に示すように、メイン制御装置20の入出力端子が電気的に接続され、表示制御装置25の出力端子にはドライブ回路26を介して特別図柄表示装置14が電気的に接続されている。この表示制御装置25はマイクロコンピュータを主体に構成されたものであり、特別図柄表示装置14を駆動制御することに基づいて特別図柄表示装置14に数字図柄を横3列に表示する。
【0016】
遊技盤8の前面には、図8に示すように、特別図柄始動口15の下方に位置して略半円形状の入賞口用台板27が固定されており、入賞口用台板27には大入賞口28が形成されている。この大入賞口28は入賞口に相当するものであり、前面が開口する四角筒状をなしている。
【0017】
入賞口用台板27には扉29が軸30を中心に回動可能に装着されており、扉29は大入賞口ソレノイド31(図6参照)のプランジャにクランク機構(図示せず)を介して連結されている。この大入賞口ソレノイド31は入賞口用台板27の後面に固定されたものであり、大入賞口ソレノイド31の断電時には、図8に示すように、扉29が垂直状態に回動することに基づいて大入賞口28を閉鎖し、大入賞口ソレノイド31の通電時には扉29が水平状態に回動することに基づいて大入賞口28を開放する。
【0018】
大入賞口ソレノイド31は、図6に示すように、ドライブ回路32を介してメイン制御装置20の出力端子に電気的に接続されており、メイン制御装置20はドライブ回路32を通して大入賞口ソレノイド31に励磁電源を設定時間(例えば30秒)だけ与えることに基づいて大入賞口28を設定時間だけ開放する。この開放動作はラウンド動作と称されるものであり、設定回数(例えば15ラウンド)だけ繰返される(大当り動作)。
【0019】
メイン制御装置20の入力端子には近接スイッチからなる大入賞口センサ33が電気的に接続されている。この大入賞口センサ33は大入賞口28内に固定されたものであり、大入賞口28内にパチンコ球Pが入球したことを検出して入賞信号を出力する。尚、大入賞口センサ33は球センサに相当するものである。また、入賞信号は球信号に相当するものである。
【0020】
前面扉2の後面には、図9に示すように、メインセット34が前面扉2と同一の側辺部を中心に回動可能に装着されている。このメインセット34はセンタカバー17を囲う矩形枠状をなすものであり、メインセット34の後面には上端部に位置して球タンク35が固定され、球タンク35内にはパチンコ球Pが貯溜されている。また、メインセット34の後面にはタンクレール36および払出し装置37が固定されている。この払出し装置37はタンクレール36を介して球タンク35内に繋がるものであり、下記のように構成されている。
【0021】
<払出し装置37について>
メインセット34には、図7に示すように、払出しケース38が固定されており、払出しケース38内には球通路39が形成されている。この球通路39の上端部はタンクレール36内に繋がっており、球通路39内には球タンク35内からタンクレール36を通してパチンコ球Pが一列に充填されている。この球通路39の上下方向中間部にはスプロケット40が軸41を中心に回動可能に装着されており、スプロケット40の外周部には凹状をなす複数の球受け部42が形成されている。
【0022】
払出しケース38内には、図9に示すように、パルスモータからなる球払出しモータ43が配設されている。この球払出しモータ43の回転軸には図7のスプロケット40が連結されており、球払出しモータ43の停止時には、図7に実線で示すように、球通路39内の最下部のパチンコ球Pがスプロケット40の1個の球受け部42内に保持されている。この状態で球払出しモータ43の回転軸が単位量だけ回転すると、図7に二点鎖線で示すように、スプロケット40が矢印A方向へ回動することに基づいて1個の球受け部42内から1個のパチンコ球Pが放出され、球通路39の下端部を通して払出しケース38内から払出される。払出し装置37は以上のように構成されている。
【0023】
メインセット34の後面には、図9に示すように、賞球回路ボックス44が固定されている。この賞球回路ボックス44内には賞球回路基板45が収納されており、賞球回路基板45には情報取得手段に相当する賞球制御装置46が搭載されている。この賞球制御装置46は、図6に示すように、マイクロコンピュータを主体に構成された払出し処理部47を有するものであり、賞球制御装置46の入出力端子にはメイン制御装置20の出入力端子が電気的に接続されている。この賞球制御装置46の出力端子にはドライブ回路48を介して球払出しモータ43が電気的に接続されており、賞球制御装置46の払出し処理部47は球払出しモータ43を駆動制御することに基づいて払出し装置37内からパチンコ球Pを払出す。
【0024】
メインセット34には、図9に示すように、球通路49が設けられている。この球通路49は払出し装置37と上皿4とを繋ぐものであり、払出し装置37内から払出されたパチンコ球Pは球通路49を通して上皿4内に供給される。また、前面扉2の前面には、図8に示すように、下皿50が固定されている。この下皿50は上皿4内に通じるものであり、上皿4内から溢れたパチンコ球は上皿4内から下皿50内に零れ落ちる。
【0025】
払出し装置37の球通路39内には、図7に示すように、下端部に位置して払出しセンサ51が固定されており、払出しセンサ51は、図6に示すように、メイン制御装置20の入力端子および賞球制御装置46の入力端子に電気的に接続されている。この払出しセンサ51は近接スイッチからなるものであり、払出し装置37から上皿4内に払出されるパチンコ球Pを検出することに基づいてメイン制御装置20および賞球制御装置46に払出し信号を出力する。尚、払出しセンサ51は球センサに相当するものである。また、払出し信号は球信号に相当するものである。
【0026】
メインセット34の後面には、図9に示すように、上端部に位置して電源基板52が固定されており、電源基板52には一対の電源コード53が電気的に接続されている。これら電源コード53はパチンコールの電源装置(図示せず)に電気的に接続されたものであり、電源基板52には電源コード53を通してAC24Vの主電源Vinが与えられる。この電源基板52には、図1に示すように、発射モータ6が電気的に接続されており、主電源Vinの有効時には発射ハンドル5が回動操作されることに基づいて電源基板52から発射モータ6にAC24Vの駆動電源Vout1が印加される。
【0027】
電源基板52には整流回路54が搭載されており、整流回路54は主電源VinをDC24Vの直流電源Vout2に変換する。また、電源基板52には昇圧平滑回路55が搭載されている。この昇圧平滑回路55は24Vの直流電源Vout2をDC32Vの駆動電源Vout3に変換するものであり、主電源Vinの有効時にはメイン制御装置20および賞球制御装置46が大入賞口ソレノイド31および球払出しモータ43に駆動電源Vout3を印加する。
【0028】
電源基板52にはDC/DC回路56が搭載されている。このDC/DC回路56はDC24Vの直流電源Vout2をDC12Vの駆動電源Vout4に変換するものであり、主電源Vinの有効時にはDC/DC回路56から特別図柄表示装置14,特別図柄始動センサ16,大入賞口センサ33,払出しセンサ51に駆動電源Vout4が印加される。
【0029】
電源基板52には予備電源回路57が搭載されており、予備電源回路57はDC/DC回路56の出力側にダイオード58を介して電気的に接続されている。この予備電源回路57はコンデンサを主体に構成されたものであり、主電源Vinの遮断時には予備電源回路57から特別図柄始動センサ16および払出しセンサ51に設定時間Tだけ駆動電源Vout4´が印加される。
【0030】
電源基板52にはDC/DC回路59が搭載されている。このDC/DC回路59はDC24Vの直流電源Vout2をDC5Vの駆動電源Vout5に変換するものであり、主電源Vinの有効時にはDC/DC回路59からメイン回路基板19のメイン制御装置20,表示回路基板24の表示制御装置25,賞球回路基板46の賞球制御装置47に駆動電源Vout5が印加される。
【0031】
電源基板52には予備電源回路60が搭載されており、予備電源回路60はDC/DC回路59の出力側にダイオード61を介して電気的に接続されている。この予備電源回路60はコンデンサを主体に構成されたものであり、主電源Vinの遮断時には予備電源回路60からメイン制御装置20および賞球制御装置46に駆動電源Vout5´が設定時間Tだけ印加される。
【0032】
メイン回路基板19にはバックアップ電源回路62が搭載されている。このバックアップ電源62は2個のダイオード63とリチウム電池64とを有するものであり、駆動電源Vout5および駆動電源Vout5´の有効時には一方のダイオード63を通してメイン制御装置20のRAM65に駆動電源Vout5および駆動電源Vout5´が印加され、駆動電源Vout5および駆動電源Vout5´の遮断時にはリチウム電池64から他方のダイオード63を通してRAM65にDC3Vのバックアップ電源Vout6が印加される。
【0033】
賞球回路基板45にはバックアップ電源回路66が搭載されている。このバックアップ電源66は2個のダイオード67とリチウム電池68とを有するものであり、駆動電源Vout5および駆動電源Vout5´の有効時には一方のダイオード67を通して賞球制御装置46のRAM69に駆動電源Vout5および駆動電源Vout5´が印加され、駆動電源Vout5および駆動電源Vout5´の遮断時にはリチウム電池68から他方のダイオード67を通してRAM69にDC3Vのバックアップ電源Vout6が印加される。尚、RAM65およびRAM69は記録手段に相当するものである。
【0034】
電源基板52には停電検出回路70が搭載されている。この停電検出回路70は主電源Vinの電圧レベルを監視するものであり、主電源Vinの電圧レベルが停電レベルに降下することに基づいてメイン制御装置20および賞球制御装置46に停電信号を与える。
【0035】
電源基板52にはリセット回路71が搭載されている。このリセット回路71は駆動電源Vout5の電圧レベルを監視するものであり、駆動電源Vout5の電圧レベルがリセットレベルに上昇することに基づいて表示制御装置25,賞球制御装置46,遅延回路72にリセット信号を同時(パラレル)に与える。この遅延回路72の出力端子はメイン制御装置20の入力端子に電気的に接続されており、メイン制御装置20には表示制御装置25および賞球制御装置46の起動後に遅延回路72からリセット信号が与えられ、メイン制御装置20は表示制御装置25および賞球制御装置46より遅れて起動する。
【0036】
電源基板52の後面には、図9に示すように、初期化スイッチ73が搭載されており、初期化スイッチ73は、図6に示すように、メイン制御装置20の入力端子および賞球制御装置46の入力端子に電気的に接続されている。この初期化スイッチ73は前面扉2の開放状態で前方から操作されるものであり、初期化スイッチ73の操作時には初期化スイッチ73からメイン制御装置20および賞球制御装置46に初期化信号が出力される。
【0037】
尚、図8の符号74は外枠1,前面扉2,皿板3,上皿4,発射ハンドル5,窓枠7,ガラス窓,機構盤,遊技盤8,センタカバー17,メインセット34,球タンク35,タンクレール36,払出し装置37,下皿50等を有するパチンコ機本体を示すものである。
【0038】
次に上記構成の作用について説明する。尚、下記動作はメイン制御装置20,表示制御装置25,賞球制御装置46がROMに予め記録された制御プログラムに基づいて実行するものである。
【0039】
<特図始動信号処理について>
初期化スイッチ73の操作状態でメイン電源Vinが投入されると、リセット回路71から遅延回路72を通してメイン制御装置20にリセット信号が与えられ、メイン制御装置20の始動処理部21は図2の(a)のステップS1へ移行する。そして、初期化スイッチ73からの初期化信号を検出し、ステップS2へ移行する。ここで、RAM65の大当りエリアに記録されているバックアップデータをクリアし、ステップS3へ移行する。
【0040】
始動処理部21はステップS3で特別図柄始動センサ16からの特図始動信号を検出すると、ステップS4へ移行し、RAM65の大当りエリアに記録されているカウンタデータの組数を検出する。この大当りエリアは最大で5組のカウンタデータが記録されるものであり、始動処理部21はカウンタデータが5組未満であることを検出すると、ステップS5へ移行する。
【0041】
始動処理部21はステップS5へ移行すると、カウンタデータに相当する大当りカウンタ値Noおよび図柄カウンタ値Nzを取得する。これら大当りカウンタNoおよび図柄カウンタNzは「0」から異なる上限値に加算された後に「0」に戻って加算されるものであり、始動処理部21は大当りカウンタ値Noおよび図柄カウンタ値Nzを取得すると、RAM65の大当りエリアに大当りカウンタ値Noおよび図柄カウンタ値Nzを記録し、ステップS6へ移行する。
【0042】
始動処理部21はステップS6で大当りエリアにカウンタデータが記録されていると判断すると、ステップS7へ移行する。ここで、大当りエリアの先頭のカウンタデータ(大当りカウンタ値Noおよび図柄カウンタ値Nz)を判定処理部22に出力し、ステップS8へ移行する。
【0043】
始動処理部21はステップS8でデータクリア指令を検出すると、ステップS9へ移行する。このデータクリア指令は判定処理部22から出力されるものであり、始動処理部21はステップS9へ移行すると、大当りエリアの先頭のカウンタデータをクリアし、ステップS3に復帰する。そして、ステップS3〜S9を繰返すことに基づいてカウンタデータの記録,カウンタデータの出力,カウンタデータのクリアを実行する。
【0044】
<大当り判定処理について>
初期化スイッチ73の操作状態でメイン電源Vinが投入されると、リセット回路71から遅延回路72を通してメイン制御装置20にリセット信号が与えられ、メイン制御装置20の判定処理部22は図3の(a)のステップS11へ移行する。そして、初期化スイッチ73からの初期化信号を検出し、ステップS12へ移行する。ここで、RAM65の判定エリアに記録されているバックアップデータをクリアし、ステップS13へ移行する。
【0045】
判定処理部22はステップS13で上述した始動処理部21からのカウンタデータを検出すると、カウンタデータをRAM65の判定エリアに記録する。そして、ステップS14へ移行し、カウンタデータの大当りカウンタ値Noを大当り判定値と比較する。この大当り判定値はメイン制御装置20のROMに予め記録されたものであり、両者が同一であると判断されたときにはRAM65の判定エリアに大当りが記録され、両者が相違していると判断されたときには外れが記録される。
【0046】
判定処理部22は判定結果を記録すると、ステップS15またはS16へ移行し、カウンタデータの図柄カウンタ値Nzに基づいて大当り図柄または外れ図柄を設定し、ステップS17へ移行する。尚、大当り図柄は左列,中列,右列が同一な3個の組合わせ図柄を称するものである。また、外れ図柄は左列,中列,右列が相違する3個の組合わせ図柄を称するものである。
【0047】
判定処理部22はステップS17へ移行すると、表示制御装置25に図柄変動指令を出力する。すると、表示制御装置25は特別図柄表示装置14の各列の図柄を「0」→「1」→「2」……「8」→「9」→「0」→「1」……の順序で変動させる。
【0048】
判定処理部22は図柄変動指令を出力すると、ステップS18へ移行し、ステップS15の図柄設定結果またはステップS16の図柄設定結果を表示制御装置25に出力する。すると、表示制御装置25は特別図柄表示装置14の各列を設定図柄で変動停止させ、遊技者に大当りまたは外れを知らせる。
【0049】
判定処理部22は図柄設定結果(図柄停止指令)を出力すると、ステップS19へ移行する。ここで、RAM65の判定エリアに大当りが記録されていないと判断すると、ステップS24へ移行し、始動処理部21に上述のデータクリア指令を出力することに基づいて処理済みのカウンタデータ(大当りエリアの先頭のカウンタデータ)をクリアさせる。また、ステップS19で判定エリアに大当りが記録されていると判断すると、ステップS20へ移行する。
【0050】
判定処理部22はステップS20へ移行すると、ラウンドカウンタNrに設定値(例えば15)をセットする(Nr←15)。そして、ステップS21へ移行し、大入賞口ソレノイド31に駆動電源Vout3を設定時間だけ印加することに基づいて大入賞口28を設定時間だけ開放する。この後、ステップS22へ移行し、ラウンドカウンタ値Nrから「1」を減算してステップS23へ移行する。
【0051】
判定処理部22はステップS23でラウンドカウンタ値Nrが「0」でないと判断すると、ステップS21に復帰し、ステップS21〜23を繰返す。この後、ラウンドカウンタ値Nrが「0」まで減算されたと判断すると、ステップS23からS24へ移行し、始動処理部21にデータクリア指令を出力することに基づいて処理済みのカウンタデータをクリアさせる。
【0052】
<入賞信号処理について>
初期化スイッチ73の操作状態でメイン電源Vinが投入されると、リセット回路71から遅延回路72を通してメイン制御装置20にリセット信号が与えられ、メイン制御装置20の賞球処理部23は図4の(a)のステップS31へ移行する。そして、初期化スイッチ73からの初期化信号を検出し、ステップS32へ移行する。ここで、RAM65の賞球エリアに記録されているバックアップデータをクリアし、ステップS33へ移行する。
【0053】
賞球処理部23はステップS33で大入賞口センサ33からの入賞信号を検出すると、ステップS34へ移行する。ここで、「賞球カウンタNa←Na+C1 (例えば15)」を実行することに基づいて賞球カウンタ値NaをRAM65の賞球エリアに記録し、ステップS37へ移行する。また、ステップS35で特別図柄始動センサ16からの特図始動信号を検出すると、ステップS36へ移行する。ここで、「賞球カウンタNa←Na+C2 (例えば5)」を実行することに基づいて賞球カウンタ値NaをRAM65の賞球エリアに記録し、ステップS37へ移行する。
【0054】
賞球処理部23はステップS37で「賞球カウンタ値Na≧1」を検出すると、ステップS38へ移行し、フラグFの状態を判断する。このフラグFは起動時に「1」にセットされたり、後述のステップS48で「1」にセットされるものであり、賞球処理部23はステップS38で「F=1」を検出すると、ステップS39で払出しカウンタNbに賞球カウンタ値Naをセットする(Nb←Na)。そして、払出しカウンタ値NbをRAM65の賞球エリアに記録し、ステップS40へ移行する。
【0055】
賞球処理部23はステップS40へ移行すると、払出し確認カウンタNcに払出しカウンタ値Nbをセットする(Nc←Nb)。そして、払出し確認カウンタ値NcをRAM65の賞球エリアに記録し、ステップS41へ移行する。ここで、賞球制御装置46の払出し処理部47にパチンコ球Pの払出し指令および払出し数(=払出しカウンタ値Nb)を出力し、フラグFに「0」を投入して(F←0)ステップS42へ移行する。
【0056】
賞球処理部23はステップS42で払出しセンサ51からの払出し信号を検出すると、ステップS43へ移行する。ここで、賞球エリアの払出しカウンタ値Nbから「1」を減算し(Nb←Nb−1)、ステップS44へ移行する。この払出し信号は、上述したように、払出し装置37から1個のパチンコ球Pが払出される毎に出力されるものであり、「Nb←Nb−1」の実行に基づいてパチンコ球Pの未払い数が計測される。
【0057】
賞球処理部23はステップS44で払出し終了信号を検出すると、ステップS45へ移行する。この払出し終了信号は、後述するように、払出し処理部47が「Nb」個のパチンコ球Pを払出したことを確認することに基づいて出力するものであり、賞球処理部23はステップS45で賞球エリアの払出しカウンタ値Nbが「0」に減算されていることを検出すると、自身の払出し情報と払出し処理部47の払出し情報との整合性が取れていると判断し、ステップS45からS46へ移行する。
【0058】
賞球処理部23はステップS45で賞球エリアの払出しカウンタ値Nbが「0」に減算されていないと判断すると、自身の払出し情報と払出し処理部47の払出し情報との整合性が取れていないと判断し、ステップS47へ移行する。この賞球処理部23の払出しカウンタ値Nbおよび払出し処理部47の払出し終了信号はメイン回路基板19や賞球回路基板45の不正交換等の違法行為がない限り整合するものであり、賞球処理部23はステップS47へ移行すると、不正行為があったと判断する。そして、パチンコホールのホストコンピュータ(図示せず)に異常信号を出力し、ステップS46へ移行する。
【0059】
賞球処理部23はステップS46へ移行すると、「賞球カウンタNa←Na−払出し確認カウンタNc」を実行することに基づいてパチンコ球Pの未払い数を演算する。そして、ステップS48でフラグFに「1」を投入し(F←1)、ステップ33に復帰する。従って、特別図柄始動口15内および大入賞口28内にパチンコ球Pが入球する毎に賞球エリアの賞球カウンタ値Naに設定値C1 およびC2 が加算され、パチンコ球Pの払出し動作が停止しているとき(F=1のとき)に払出し指令および払出し数Nbが出力される。これと共に、払出し処理部47から払出し終了信号が出力される毎に賞球エリアの賞球カウンタNaが減算され、最新の払出し個数Naが演算される。
【0060】
<賞球払出し処理について>
初期化スイッチ73の操作状態でメイン電源Vinが投入されると、リセット回路71から賞球制御装置46にリセット信号が与えられる。すると、賞球制御装置46の払出し処理部47はメイン制御装置20の始動処理部21,判定処理部22,賞球処理部23に先立って起動し、図5の(a)のステップS51へ移行する。ここで、初期化スイッチ73からの初期化信号を検出し、ステップS52へ移行する。そして、RAM69の払出しエリアに記録されているバックアップデータをクリアし、ステップS53へ移行する。
【0061】
払出し処理部47は賞球処理部23から出力される上述の払出し指令および払出し数(払出しカウンタ値Nb)をステップS53で検出すると、ステップS54へ移行する。ここで、払出し実行カウンタNb´に払出しカウンタ値Nbを投入(Nb´←Nb)することに基づいて払出し実行カウンタNb´をセットし、RAM69の払出しエリアに記録する。
【0062】
払出し処理部47は払出し実行カウンタNb´をセットすると、ステップS55へ移行し、球払出しモータ43に駆動電源Vout3を印加することに基づいて球払出しモータ43の回転軸を単位量だけ駆動する。そして、ステップS56で払出しセンサ51からの払出し信号を検出すると、1個のパチンコ球Pが払出されたことを確認し、ステップS57へ移行する。ここで、払出しエリアの払出し実行カウンタ値Nb´から「1」を減算する(Nb´←Nb´−1)ことに基づいてパチンコ球Pの未払い数を演算し、ステップS58へ移行する。
【0063】
払出し処理部47はステップS58で「払出し実行カウンタNb´=0」を検出すると、パチンコ球Pの払出し動作が終了したと判断する。そして、ステップS59へ移行し、メイン制御装置20の賞球処理部23に上述の払出し終了信号を出力してステップS53に復帰する。従って、払出し処理部47が払出し動作の停止時に賞球処理部23からの払出し指令および払出し数Nbを検出し、払出し動作の終了後に次の払出し指令および払出し数Nbを検出することになる。
【0064】
<停電時の特図始動信号処理について>
遊技中に停電が発生したときには停電検出回路70からメイン制御装置20に停電信号が出力される。すると、メイン制御装置20の始動処理部21は図2の(b)のステップS61へ移行する。ここで、特別図柄始動センサ16からの特図始動信号がないことを検出すると、ステップS64へ移行し、設定時間Tの経過を判断する。この設定時間Tは予備電源回路57から特別図柄始動センサ16および払出しセンサ51に予備電源Vout4´が印加される時間に相当するものであり、始動処理部21はステップS64で設定時間Tが経過していないと判断すると、ステップS61に復帰し、ステップS61およびS64を繰返す。
【0065】
始動処理部21はステップS61およびS64を繰返す間に特図始動信号を検出すると、ステップS61からS62へ移行する。ここで、RAM65の大当りエリアのカウンタデータの記録数が5個であることを検出すると、処理を終える。また、カウンタデータの記録数が4個以下であることを検出すると、ステップS63へ移行し、特図始動信号の検出タイミングで大当りカウンタ値および図柄カウンタ値を取得し、大当りエリアに記録する。従って、メイン制御装置20の予備電源Vout5´が遮断された後にはRAM65の大当りエリアに停電直前のカウンタデータが保管される。
【0066】
<停電時の大当り判定処理について>
遊技中に停電が発生したときには停電検出回路70からメイン制御装置20に停電信号が出力される。このとき、RAM65の判定エリアにカウンタデータおよびラウンドカウンタ値Nrが記録されていると、当該カウンタデータおよびラウンドカウンタ値Nrが予備電源Vout5´の遮断後に保管される。
【0067】
<停電時の入賞信号処理について>
遊技中に停電が発生したときには停電検出回路70からメイン制御装置20に停電信号が出力される。すると、メイン制御装置20の賞球処理部23は図4の(b)のステップS71へ移行する。ここで、払出しセンサ51からの払出し信号がないことを検出すると、ステップS72へ移行する。そして、特別図柄始動センサ16からの特図始動信号がないことを検出すると、ステップS77へ移行する。
【0068】
賞球処理部23はステップS77で設定時間Tが経過していないと判断すると、ステップS71に復帰し、S71,S72,S77を繰返す。この設定時間T(特別図柄始動センサ16および払出しセンサ51に対する予備電源Vout4´の印加時間)は払出し装置37のスプロケット40から落下するパチンコ球Pが払出しセンサ51に到達する時間より若干長く設定されたものであり、スプロケット40が停電直前にパチンコ球Pを放出したときには当該パチンコ球Pが設定時間Tの範囲内で払出しセンサ51に到達し、払出しセンサ51から払出し信号が出力される。
【0069】
賞球処理部23はステップS71で払出し信号を検出すると、ステップS73へ移行し、「払出しカウンタNb←Nb−1」を実行することに基づいてRAM65の賞球エリアに記録されている払出しカウンタ値Nbを書換え、停電直前にスプロケット40から放出されたパチンコ球Pを計測する。そして、ステップS74で「Nb=0」を検出したときにはステップS75へ移行し、「Na←Na−Nc」を実行することに基づいてRAM65の賞球エリアに記録されている賞球カウンタ値Naを書換える。
【0070】
賞球処理部23は設定時間Tの経過前に特別図柄始動センサ16からの特図始動信号を検出すると、ステップS72からS76へ移行し、「賞球カウンタ値Na←Na+C2 」を実行することに基づいて賞球カウンタ値Naを書換える。従って、メイン制御装置20の予備電源Vout5´が遮断された後にはRAM65の賞球エリアに停電直前の賞球カウンタ値Na,払出しカウンタ値Nb,払出し確認カウンタ値Ncが保管される。
【0071】
<停電時の払出し処理について>
遊技中に停電が発生したときには停電検出回路70から賞球制御装置46に停電信号が出力される。すると、賞球制御装置46の払出し処理部47は図5の(b)のステップS81へ移行する。
【0072】
払出し処理部47はステップS81で払出しセンサ51からの払出し信号がないことを検出すると、ステップS83へ移行する。ここで、設定時間Tが経過していないと判断すると、ステップS81およびS83を繰返す。この設定時間Tは、上述したように、払出し装置37から放出されたパチンコ球Pが払出しセンサ51に到達する時間より若干長く設定されたものであり、払出し装置37が停電直前にパチンコ球Pを放出したときには当該パチンコ球Pが設定時間Tの範囲内で払出しセンサ51に到達し、払出しセンサ51から払出し信号が出力されることになる。
【0073】
払出し処理部47はステップS81で払出し信号を検出すると、ステップS82へ移行し、「払出し実行カウンタNb´←Nb´−1」を実行することに基づいてRAM69の払出しエリアに記録されている払出し実行カウンタ値Nb´を書換え、停電直前に払出し装置37から放出されたパチンコ球Pを計測する。従って、メイン制御装置20の予備電源Vout5´および賞球制御装置46の予備電源Vout5´が遮断された後にはメイン制御装置20のRAM65および賞球制御装置46のRAM69に整合性が取れた同一の払出し情報(払出しカウンタ値Nbおよび払出し実行カウンタ値Nb´)が保管される。
【0074】
<停電復旧時の特図始動信号処理について>
停電の復旧時にリセット回路71から遅延回路72を通してメイン制御装置20にリセット信号が与えられると、メイン制御装置20の始動処理部21は図2の(a)のステップS1へ移行する。ここで、初期化スイッチ73の非操作を検出し、RAM65の大当りエリアをクリアせずにステップS3へ移行する。従って、大当りエリアに停電直前のカウンタデータが記録されているときにはステップS7で当該カウンタデータが判定処理部22に出力され、大当りエリアにカウンタデータが記録されていないときには特図始動信号の検出タイミングでカウンタデータが取得され、判定処理部22に出力される。
【0075】
<停電復旧時の大当り判定処理について>
停電の復旧時にリセット回路71から遅延回路72を通してメイン制御装置20にリセット信号が与えられると、メイン制御装置20の判定処理部22は図3の(a)のステップS11へ移行する。ここで、初期化スイッチ73の非操作を検出し、ステップS25の停電復旧処理へ移行する。そして、RAM65の判定エリアにカウンタデータが記録されているときには、図3の(b)のステップS91で当該カウンタデータをクリアし、ステップS92へ移行する。
【0076】
判定処理部22はステップS92でRAM65の判定エリアにラウンドカウンタ値Nrが記録されていないと判断したときには停電復旧処理を終え、図3の(a)のステップS13へ移行する。従って、始動処理部21から出力される停電直前のカウンタデータまたは停電復旧後の新たなカウンタデータに基づいて大当りの判定動作,図柄の設定動作が行われる。
【0077】
判定処理部22は図3の(b)のステップS92でRAM65の判定エリアにラウンドカウンタ値Nrが記録されていると判断すると、ステップS93へ移行する。そして、大入賞口ソレノイド31を駆動することに基づいて大入賞口28を開放し、ステップS94へ移行する。
【0078】
判定処理部22はステップS94でラウンドカウンタ値Nrから「1」を減算すると、ステップS95で「ラウンドカウンタ値Nr=0」を検出することに基づいて停電復旧処理を終え、図3の(a)のステップS13へ移行する。従って、始動処理部21から出力される停電直前のカウンタデータまたは停電復旧後の新たなカウンタデータに基づいて大当りの判定動作,図柄の設定動作が行われることになる。
【0079】
<停電復旧時の入賞信号処理について>
停電の復旧時にリセット回路71から遅延回路72を通してメイン制御装置20にリセット信号が与えられると、メイン制御装置20の賞球処理部23はフラグFに「1」を投入し、図4の(a)のステップS31へ移行する。ここで、初期化スイッチ73の非操作を検出し、ステップS49の停電復旧処理へ移行する。そして、図4の(c)のステップS101でRAM65の賞球エリアから払出しカウンタ値Nbを読出し、「払出しカウンタ値Nb=0」を検出したときには停電復旧処理を終える。
【0080】
賞球処理部23は停電復旧処理を終えると、図4の(a)のステップS33へ移行する。従って、ステップS37で「賞球カウンタ値Na≧1」が検出されたときには停電直前の賞球カウンタ値Naに基づいて払出しカウンタ値Nbおよび払出し確認カウンタ値Ncがセットされ、賞球制御装置46の払出し処理部47に払出し指令および払出しカウンタ値Nbが出力される。また、ステップS37で「賞球カウンタ値Na=0」が検出されたときにはステップS33およびS35で入賞信号および特図始動信号が検出されることに基づいて払出し処理部47に払出し指令および払出しカウンタ値Nbが出力される。
【0081】
賞球処理部23は図4の(c)のステップS101で「払出しカウンタ値Nb≧1」を検出すると、ステップS102で払出し処理部47に払出し指令を出力し、フラグFに「0」を投入する(F←0)。そして、停電復旧処理を終え、図4の(a)のステップS33へ移行する。
【0082】
<停電復旧時の払出し処理について>
停電の復旧時にリセット回路71から賞球制御装置46にリセット信号が与えられると、賞球制御装置46の払出し処理部47は図5の(a)のステップS51へ移行する。ここで、初期化スイッチ73の非操作を検出し、RAM69の払出しエリアをクリアせずにステップS53へ移行する。
【0083】
払出し処理部47はステップS53で賞球処理部23からの払出し指令を検出すると、ステップS54で払出しエリアの払出し実行カウンタ値Nb´をセットし、ステップS55で球払出しモータ43を駆動する。そして、ステップS56で払出しセンサ51からの払出し信号を検出したときにはステップS57で払出し実行カウンタ値Nb´から「1」を減算し、ステップS58で「払出し実行カウンタ値Nb´=0」を検出したときにはステップS59で払出し終了信号を出力する。
【0084】
このとき、賞球処理部23は図4の(a)のステップS42で払出しセンサ51からの払出し信号を検出し、ステップS43で払出しカウンタ値Nbを減算する。そして、ステップS44で払出し処理部47からの払出し終了信号を検出したときにはステップS45へ移行し、払出しカウンタ値Nbを「0」と比較することに基づいて自身の払出し情報と払出し処理部47の払出し情報との整合性をチェックする。
【0085】
上記実施例によれば、メイン制御装置20が遊技中に取得した大当りカウンタ値No,図柄カウンタ値Nz,ラウンドカウンタ値Nz,賞球カウンタ値Na,払出しカウンタ値Nb,払出し確認カウンタ値Nc(いずれも遊技情報に相当する)が主電源Vinの遮断時にメイン制御装置20のRAM65に保管されるように構成した。このため、停電復旧時にRAM65から停電直前の遊技情報を読出し、停電直前の遊技情報に基づいて遊技内容を制御できる。
【0086】
また、メイン制御装置20に初期化スイッチ73を電気的に接続した。このため、パチンコホールの開店時には初期化スイッチ73を操作することに基づいてRAM65の遊技情報を初期化し、新たな遊技情報に基づいて遊技内容を制御できるので、パチンコ球Pが特別図柄始動口15内や大入賞口28内に入球していないにも拘らずパチンコ球Pが払出されたり、パチンコ球Pが特別図柄始動口15内に入球していないにも拘らず大当りが発生することが防止される。
【0087】
また、賞球制御装置46が遊技中に取得した払出し実行カウンタ値Nb´(遊技情報に相当する)が主電源Vinの遮断時に賞球制御装置46のRAM69に保管されるように構成した。このため、停電復旧時にRAM69から停電直前の遊技情報を読出し、停電直前の遊技情報に基づいて遊技内容を制御できる。
【0088】
また、賞球制御装置46に初期化スイッチ73を電気的に接続した。このため、パチンコホールの開店時には初期化スイッチ73を操作することに基づいてRAM69の遊技情報を初期化し、新たな遊技情報に基づいて遊技内容を制御できるので、パチンコ球Pが特別図柄始動口15内や大入賞口28内に入球していないにも拘らずパチンコ球Pが払出されることが防止される。
【0089】
また、主電源Vinの投入時に初期化スイッチ73が操作されることに基づいてRAM65の遊技情報およびRAM69の遊技情報が初期化されるように構成した。このため、遊技中に初期化スイッチ73が操作されてもRAM65の遊技情報およびRAM69の遊技情報が初期化されないので、遊技中に遊技情報が誤って初期化されることが防止される。
また、初期化スイッチ73をパチンコ機本体74の後面に装着したので、遊技者が前方から初期化スイッチ73に手を触れることが防止される。
【0090】
また、初期化スイッチ73を電源基板52に搭載したので、初期化スイッチ73を搭載する専用基板が不要になる上、電源基板52の空きスペースを利用して初期化スイッチ73を搭載できる。このため、他部品の取付位置や形状を再設計して初期化スイッチ73の専用スペースを確保する必要がなくなるので、初期化スイッチ73の設置が簡単になる。しかも、初期化スイッチ73を電源基板52の後面に露出させた。このため、前面扉2を開放して前方から初期化スイッチ73を操作できるので、初期化スイッチ73の操作が簡単になる。
【0091】
また、メイン制御装置20の駆動電源Vout5および賞球制御装置46の駆動電源Vout5を生成する電源基板52に1個の初期化スイッチ73を搭載し、1個の初期化スイッチ73からメイン制御装置20および賞球制御装置46に初期化信号を与えたので、初期化スイッチ73がメイン制御装置20および賞球制御装置46のバックアップデータを初期化するためのものであることを使用者に認識させ易くなる。しかも、メイン回路基板19および賞球回路基板45に専用の初期化スイッチを個別に搭載する場合とは異なり、一方の初期化スイッチだけを操作して他方の初期化スイッチの操作を忘れる等の起動ミスがなくなるので、総じて、メイン制御装置20のバックアップデータおよび賞球制御装置46のバックアップデータの双方が確実に初期化される。
【0092】
尚、上記実施例においては、初期化スイッチ73を電源基板52に搭載したが、これに限定されるものでなく、例えばメインセット34の後面に専用のスイッチ基板を固定し、当該スイッチ基板に初期化スイッチ73を搭載しても良い。
【0093】
また、上記実施例においては、大当りカウンタ値No,図柄カウンタ値Nz,ラウンドカウンタ値Nr,賞球カウンタ値Na,払出しカウンタ値Nb,払出し確認カウンタ値Ncをメイン制御装置20のRAM65に保管したが、これに限定されるものではなく、例えばメイン回路基板19にバックアップ専用のROMを搭載し、大当りカウンタ値No〜払出し確認カウンタ値Ncを当該ROMに保管しても良い。
【0094】
また、上記実施例においては、払出し実行カウンタ値Nb´を賞球制御装置46のRAM69に保管したが、これに限定されるものではなく、例えば賞球回路基板45にバックアップ専用のROMを搭載し、払出し実行カウンタ値Nb´を当該ROMに保管しても良い。
【0095】
また、上記実施例においては、初期化スイッチ73をパチンコ機本体74の後面に装着したが、これに限定されるものではなく、例えばパチンコ機本体74の前面または外部に装着しても良い。特に初期化スイッチ73をパチンコ機本体74の外部に装着する場合には初期化スイッチ73を複数のパチンコ機に電気的に接続し、一つの初期化スイッチ73から複数のパチンコ機に初期化信号が出力されるようにすると良い。
【0096】
また、上記実施例においては、主電源Vinの投入時に初期化スイッチ73を操作することに基づいてRAM65の遊技情報およびRAM69の遊技情報を初期化したが、これに限定されるものではなく、例えば主電源Vinが投入されてから設定時間が経過する間に初期化スイッチ73が操作されることに基づいてRAM65の遊技情報およびRAM69の遊技情報を初期化しても良い。
【0097】
また、上記実施例においては、初期化スイッチ73の操作に基づいてRAM65の遊技情報およびRAM69の遊技情報の双方を初期化したが、これに限定されるものではなく、例えばRAM65の遊技情報を初期化する初期化スイッチおよびRAM69の遊技情報を初期化する初期化スイッチを個別に設けても良い。また、上記実施例においては、電源基板52に初期化スイッチ73を搭載したが、これに限定されるものではなく、例えばメイン回路基板19の後面または賞球回路基板45の後面に搭載しても良い。この場合、メイン回路ボックス18または賞球回路ボックス44に貫通孔状の操作口を形成し、メイン回路ボックス18内または賞球回路ボックス44内に操作口を通してドライバー等の工具を挿入して初期化スイッチ73を操作すると良い。
【0098】
また、上記実施例においては、特別図柄始動口15内に特別図柄始動センサ16を配設したが、これに限定されるものではなく、例えば裏樋内に配設しても良い。この裏樋は特別図柄始動口15内に入球したパチンコ球Pを機外へ排出する球通路に相当するものであり、パチンコ球Pが特別図柄始動口15内を通過することに基づいて特別図柄始動センサ16から特図始動信号が出力されることになる。
【0099】
また、上記実施例においては、大当りの発生に連動して大当り動作が行われる1種のパチンコ機に本発明を適用したが、これに限定されるものではなく、例えば3種のパチンコ機に適用しても良い。このパチンコ機は大当りの発生に連動して特別入賞口が開放されるものであり、特別入賞口の開放時に特別入賞口内にパチンコ球が入球することに基づいて大当り動作が行われる。この場合、ポケット状の特別図柄始動口15に変えて上下面が開口するコ字枠状の特別図柄始動ゲートを用い、パチンコ球Pが特別図柄始動ゲート内を通過することに基づいて特別図柄始動センサ16から特図始動信号が出力されるようにすると良い。
【0100】
また、上記実施例においては、大当りの発生に連動して大当り動作が行われる1種のパチンコ機に本発明を適用したが、これに限定されるものではなく、例えば2種のパチンコ機に適用しても良い。このパチンコ機はパチンコ球が入賞口内に入賞したり、コ字枠状の入賞ゲート内を通過することに基づいて電動式の役物が開放されるものであり、役物の開放時に役物内の特別入賞口にパチンコ球が入球することに基づいて大当り動作が行われる。上記実施例には特許請求の範囲に記載された発明に加えて次の[発明1]〜[発明5]が記載されている。
[発明1]
パチンコ球を検出することに基づいて球信号を出力する球センサと、前記球センサからの球信号に基づいて遊技情報を取得する情報取得手段と、前記情報取得手段が取得する遊技情報が主電源の遮断時に保管される記録手段と、前記情報取得手段に前記記録手段の遊技情報を初期化することを指令する初期化スイッチとを備えたことを特徴とするパチンコ機。この発明1によれば、停電復旧時には記録手段から停電直前の遊技情報を読出し、停電直前の遊技情報に基づいて遊技内容を制御できる。しかも、パチンコホールの開店時には初期化スイッチを操作することに基づいて記録手段の遊技情報を初期化し、新たな遊技情報に基づいて遊技内容を制御できる。
[発明2]
前記情報取得手段は主電源の投入時に前記初期化スイッチが操作されることに基づいて前記記録手段の遊技情報を初期化することを特徴とする発明1に記載のパチンコ機。この発明2によれば、遊技中に初期化スイッチが操作されても記録手段の遊技情報が初期化されないので、遊技中に遊技情報が誤って初期化されることが防止される。
[発明3]
前記初期化スイッチはパチンコ機本体の後面に設けられていることを特徴とする発明1または2に記載のパチンコ機。この発明3によれば、遊技者が前方から初期化スイッチに手を触れることが防止される。
[発明4]
パチンコ機本体の後面には前記情報取得手段の電源を生成する電源基板が設けられ、前記初期化スイッチは前記電源基板に搭載されていることを特徴とする発明1または2に記載のパチンコ機。この発明4によれば、初期化スイッチを搭載する専用基板が不要になる。このため、他部品の取付位置や形状を再設計して専用基板の設置スペースを確保する必要がなくなるので、初期化スイッチの設置が簡単になる。
[発明5]
前記電源基板から電源が印加される複数の情報取得手段を備え、前記初期化スイッチは前記複数の情報取得手段に遊技情報の初期化を指令するものであることを特徴とする発明4に記載のパチンコ機。この発明5によれば、複数の情報取得手段の電源を生成する電源基板に初期化スイッチが搭載されているので、初期化スイッチが複数の情報取得手段の遊技情報を初期化するためのものであることを使用者に認識させ易くなる。しかも、複数の情報取得手段に初期化スイッチを個別に設ける場合とは異なり、所定の初期化スイッチを操作して残りの初期化スイッチの操作を忘れる等の起動ミスがなくなるので、総じて、複数の遊技情報が確実に初期化される。
【0101】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明のパチンコ機は次の効果を奏する。
請求項1記載の手段によれば、主電源の遮断時にメイン制御装置の賞球カウンタの値と払出しカウンタの値と払出し確認カウンタの値のそれぞれをメイン制御装置のRAMに保管し、賞球制御装置の払出し実行カウンタの値を賞球制御装置のRAMに保管し、初期化スイッチの操作時に賞球カウンタの値と払出しカウンタの値と払出し確認カウンタの値と払出し実行カウンタの値のそれぞれを初期化した。このため、停電復旧時にはメイン制御装置のRAMから停電直前の賞球カウンタの値と払出しカウンタの値と払出し確認カウンタの値のそれぞれを読出し、賞球制御装置のRAMから停電直前の払出し実行カウンタの値を読出し、停電直前の遊技情報に基づいて遊技内容を制御できる。しかも、パチンコホールの開店時にはメイン制御装置のRAMの賞球カウンタの値と払出しカウンタの値と払出し確認カウンタの値のそれぞれを初期化し、賞球制御装置のRAMの払出し実行カウンタの値を初期化し、新たな遊技情報に基づいて遊技内容を制御できる。
初期化スイッチを電源基板に搭載した。このため、他部品の取付位置や形状を再設計して初期化スイッチの専用スペースを確保する必要がなくなるので、初期化スイッチの設置が簡単になる。しかも、初期化スイッチが複数の遊技情報を初期化するためのものであることを使用者に認識させ易くなる。しかも、所定の初期化スイッチを操作して残りの初期化スイッチの操作を忘れる等の起動ミスがなくなるので、総じて、複数の遊技情報が確実に初期化される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す図(電源の供給経路等を示すブロック図)
【図2】始動処理部の処理内容を示すフローチャート(aは特図始動信号処理を示すフローチャート、bは停電処理を示すフローチャート)
【図3】判定処理部の処理内容を示すフローチャート(aは大当り判定処理を示すフローチャート、bは停電復旧処理を示すフローチャート)
【図4】賞球処理部の処理内容を示すフローチャート(aは入賞信号処理を示すフローチャート、bは停電処理を示すフローチャート、cは停電復旧処理を示すフローチャート)
【図5】払出し処理部の処理内容を示すフローチャート(aは払出し処理を示すフローチャート、bは停電処理を示すフローチャート)
【図6】電気的構成を示すブロック図
【図7】払出し装置の内部構成を示す図
【図8】全体構成を示す前面図
【図9】全体構成を示す後面図
【符号の説明】
Pはパチンコ球、16は特別図柄始動センサ(球センサ)、20はメイン制御装置(情報取得手段)、33は大入賞口センサ(球センサ)、46は賞球制御装置(情報取得手段)、51は払出しセンサ(球センサ)、52は電源基板、65はRAM(記録手段)、69はRAM(記録手段)、73は初期化スイッチ(スイッチ)、74はパチンコ機本体を示す。
Claims (1)
- 遊技盤に設けられ、パチンコ球が入賞することが可能な入賞口と、
パチンコ球が前記入賞口に入賞することに基づいて信号を出力する近接スイッチと、
パチンコ球が貯留された球タンクと、
前記球タンク内からパチンコ球が供給されるものであって、球払出しモータを有すると共にパチンコ球を1個ずつ放出することで上皿内に払出す払出し装置と、
前記払出し装置からパチンコ球が放出される毎に払出し信号を出力する払出しセンサと、
パチンコホールの電源装置から与えられる主電源に基づいて駆動電源を生成する電源基板と、
前記駆動電源の電圧レベルを監視するものであって、前記駆動電源の電圧レベルがリセットレベルに上昇することに基づいてリセット信号を出力するリセット回路と、
操作されることに基づいて初期化信号を出力する初期化スイッチと、
前記電源基板から前記駆動電源が印加されるものであって、賞球カウンタと払出しカウンタと払出し確認カウンタのそれぞれを保管しておくための賞球エリアが設定されたRAMを有すると共に前記主電源が投入された場合には前記リセット回路から前記リセット信号が与えられることに基づいて起動して下記1)〜8)のそれぞれの処理を行うメイン制御装置と、
1)前記近接スイッチから前記信号が出力されたか否かを判断する処理
2)前記近接スイッチから前記信号が出力されたと判断する毎に前記賞球カウンタの計測結果に予め決められた値を加算し、前記賞球カウンタの加算結果を前記RAMの賞球エリアに保管する処理
3)前記賞球カウンタの計測結果が予め決められた値「1」以上であるか否かを判断する処理
4)前記賞球カウンタの計測結果が予め決められた値「1」以上であると判断した場合にフラグが予め決められた第1の値に設定されているか否かを判断する処理
5)前記フラグが前記第1の値に設定されていると判断した場合に前記賞球カウンタの計測結果を前記払出しカウンタに設定し、前記払出しカウンタの設定結果を前記RAMの賞球エリアに保管する処理
6)前記賞球カウンタの計測結果を前記払出しカウンタに設定した場合に前記払出しカウンタの設定結果を前記払出し確認カウンタに設定し、前記払出し確認カウンタの設定結果を前記RAMの賞球エリアに保管する処理
7)前記払出しカウンタの設定結果を前記払出し確認カウンタに設定した場合にパチンコ球の払出し指令を送信すると共に前記払出しカウンタの設定結果をパチンコ球の払出し数として送信する処理
8)前記払出し指令および前記払出し数のそれぞれを送信した場合に前記フラグに前記第1の値とは異なる第2の値を設定し、前記5)の処理で前記賞球カウンタの計測結果を前記払出しカウンタに設定すること・前記6)の処理で前記払出しカウンタの設定結果を前記払出し確認カウンタに設定すること・前記7)の処理で前記払出し指令および前記払出し数を送信することのそれぞれを禁止する処理
前記電源基板から前記駆動電源が印加されるものであって、払出し実行カウンタを保管しておくための払出しエリアが設定されたRAMを有すると共に前記主電源が投入された場合には前記リセット回路から前記リセット信号が与えられることに基づいて起動して下記11)〜17)のそれぞれの処理を行う賞球制御装置を備え、
11)前記メイン制御装置から前記払出し指令および前記払出し数のそれぞれが送信されたか否かを判断する処理
12)前記メイン制御装置から前記払出し指令および前記払出し数のそれぞれが送信されたと判断した場合に前記払出し実行カウンタに前記払出し数の検出結果を設定する処理
13)前記払出し実行カウンタに前記払出し数の検出結果を設定した場合に前記払出し装置の球払出しモータを単位量だけ駆動することで前記払出し装置から1個のパチンコ球を放出する処理
14)前記払出し装置を駆動した場合に前記払出しセンサから前記払出し信号が出力されたか否かを判断する処理
15)前記払出しセンサから前記払出し信号が出力されたと判断した場合に前記払出し実行カウンタから予め決められた値「1」を減算する処理
16)前記払出し実行カウンタの減算結果が予め決められた値「0」であると判断するまで前記13)の処理と前記14)の処理と前記15)の処理のそれぞれを繰返す処理
17)前記払出し実行カウンタの減算結果が予め決められた値「0」であると判断した場合に前記メイン制御装置に払出し終了信号を送信する処理
前記メイン制御装置は、上記1)〜8)のそれぞれの処理に加えて下記21)〜27)のそれぞれの処理を行うものであり、
21)前記払出しセンサから前記払出し信号が出力されたか否かを判断する処理
22)前記払出しセンサから前記払出し信号が出力されたと判断した場合に前記払出しカウンタから予め決められた値「1」を減算する処理
23)前記賞球制御装置から前記払出し終了信号が送信されたか否かを判断する処理
24)前記賞球制御装置から前記払出し終了信号が送信されたと判断した場合に前記払出しカウンタの減算結果を予め決められた値「0」と比較する処理
25)前記払出しカウンタの減算結果が予め決められた値「0」でないと判断した場合にパチンコホールのホストコンピュータに異常信号を送信する処理
26)前記払出しカウンタの減算結果が予め決められた値「0」であると判断した場合および予め決められた値「0」でないと判断した場合のそれぞれで前記賞球カウンタの最新の計測結果から前記払出し確認カウンタの設定結果を減算する処理
27)前記賞球カウンタの最新の計測結果から前記払出し確認カウンタの設定結果を減算した場合に前記フラグを前記第2の値から前記第1の値に変更し、前記5)の処理で前記賞球カウンタの計測結果を前記払出しカウンタに再設定すること・前記6)の処理で前記払出しカウンタの再設定結果を前記払出し確認カウンタに再設定すること・前記7)の処理で前記賞球制御装置に前記払出し指令および前記払出し数を再送信することのそれぞれを許容する処理
前記メイン制御装置のRAMには、前記主電源の遮断状態でバックアップ電源が印加されることに基づいて前記賞球カウンタと前記払出しカウンタと前記払出し確認カウンタのそれぞれがバックアップされ、
前記賞球制御装置のRAMには、前記主電源の遮断状態でバックアップ電源が印加されることに基づいて前記払出し実行カウンタがバックアップされ、
前記メイン制御装置は、
前記リセット回路から前記リセット信号が与えられることに基づいて起動したときには前記1)の処理を行う前に前記初期化スイッチから初期化信号が出力されているか否かを判断する処理を行うものであって、前記初期化スイッチから初期化信号が出力されていると判断した場合には前記賞球カウンタと前記払出しカウンタと前記払出し確認カウンタのそれぞれのバックアップデータをリセットする処理を経て前記1)の処理へ移行し、前記初期化スイッチから初期化信号が出力されていないと判断した場合には当該バックアップデータをリセットする処理を経ることなく前記払出しカウンタのバックアップデータが予め決められた値「1」以上であると判断した場合に前記賞球制御装置に払出し指令を送信する停電復旧処理を経て前記1)の処理へ移行するものであり、
前記賞球制御装置は、
前記リセット回路から前記リセット信号が与えられることに基づいて起動したときには前記11)の処理を行う前に前記初期化スイッチから初期化信号が出力されているか否かを判断する処理を行い、前記初期化スイッチから初期化信号が出力されていると判断した場合には前記払出し実行カウンタのバックアップデータをリセットする処理を経て前記11)の処理へ移行し、前記初期化スイッチから初期化信号が出力されていないと判断した場合には当該バックアップデータをリセットする処理を経ることなく前記11)の処理へ移行するものであり、
前記リセット回路および前記初期化スイッチのそれぞれは、前記電源基板に搭載されていることを特徴とするパチンコ機。
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