JP3900241B2 - ダウノマイシンの精製方法 - Google Patents

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Description

技術分野
本発明は、アントラサイクリン抗生物質ダウノマイシンの高純度製品を得るための精製方法に関する。
背景技術
ダウノマイシン(ダウノルビシンとも称されている)は、放線菌の培養液から得られることが知られており、実験腫瘍に対して広域抗癌スペクトルを有するアントラサイクリン抗生物質である(米国特許第3,616,242号明細書参照)。そして、現に、癌化学療法剤として臨床的にも広く利用されている。
ダウノマイシン(以下、「DM」と略記する場合あり)を初めとする類似のアントラサイクリン抗生物質は、前記培養液から粗精製したものを、カチオン交換樹脂(例、Amberlite(商標)IRC50)にかけ、塩化ナトリウム含有水または水と塩化ナトリウムを含有するメタノールで溶離することにより、さらに精製されている(特公昭49−44347号、特開昭50−15880号)。また、重合体状イオン交換樹脂(例、Amberlite(商標)ER180)もしくはCMセファロース樹脂(例、Sepharose(商標)CHB)に前記抗生物質を吸着させた後、酸性の水と極性溶媒の混合物を用いて溶離する工程を含む方法も公表されている(特開昭59−118797号ならびにそれに由来する特公平4−39476号、分割出願の特開平7−252291号:これらに対応する米国特許第4,861,870号)。さらに、後者の公報には、上記重合体状イオン交換樹脂で処理する前の予備精製工程において吸着性多孔質合成樹脂担体(例、Amberlite(商標)XAD2)に粗精製アントラサイクリン抗生物質を吸着させた後、水/メタノール(5:1)(v/v)混合物を用いて前記抗生物質を溶離することも記載されている。
以上の従来技術の吸着、溶離手段によれば、一定の高純度DMを得ることもできるようであるが、高純度製品を得ようとすればする程、目的とするDMの回収率が低下し、逆に回収率を高めようとすればする程、製品の純度を高めることができない。特に、培養液からDMを回収しようとする場合、その後の結晶化を初めとする精製工程により除去することが困難な不純物(たとえば、後述するHPLC分析でDMより保持時間の大きいもの)が精製DMに随伴してくる傾向がある。
したがって本発明の目的は、出発粗精製DMから高純度DMを高い回収率で、しかも簡便な方法で得ることのできる精製方法を提供することにある。
発明の開示
本発明者らは、高純度製品を得るためのイオン交換樹脂(例、Amberlite(商標)ER180)を用いる処理に先立って、予備精製の工程で使用されている吸着性(もしくは疎水性)合成樹脂担体を用い、特定の溶離(または溶出)条件を選ぶことにより、高回収率でかつ高純度のDMを得ることを見い出した。たとえば、上記特開昭59−118797号公報に記載されているように、高純度製品を得るためにイオン交換樹脂の使用が必須である予備精製工程で使用されていたにすぎない疎水性合成樹脂担体の使用だけで、上記課題が解決できることは全く驚くべきことであろう。
したがって本発明によれば、粗精製ダウノマイシンからダウノマイシンを吸着させた疎水性多孔質合成樹脂担体を、水混和性有機溶媒を含有するpH2.5〜6に緩衝化された水性溶液でダウノマイシンを溶出し、溶出液から精製されたダウノマイシンを回収することを特徴とするダウノマイシンの精製方法が提供される。
発明を実施するための最良の形態
本発明にいう粗精製ダウノマイシン(DM)は、それを含有する培養液から、それ自体既知の分離もしくは精製方法に従って菌体その他の固形物が除去され、DMがある程度濃縮されているものであれば、DMの含有率はいかなるものであってもよい。このような分離もしくは精製方法には上記従来技術として紹介した方法をも包含され、それらの方法を介して得られる比較的純度の低いDM含有物をも包含される。また、もし該当する場合には、半合成工程を経て得られる一定の不純物を随伴するDM含有処理物をも、本発明にいう粗精製DMに包含される。
しかしながら、本発明方法がより効率的に適用できるのは、DMの相対純度が約80%以上、好ましくは80〜96%である。本明細書で使用する場合の「相対純度」とは、試料を後述するHPLC分析した結果得られる各成分の溶出挙動を示す総ピーク面積に対するDM由来のピーク面積の割合を意味する。
粗精製DMを吸着させるのに使用する疎水性多孔質合成樹脂担体としては、本発明の目的に沿う機能を有するものであればいかなる種類のものであってもよいが、具体的にはスチレンとジビニルベンゼンから特殊な方法で重合して得られる多孔質(もしくは多孔性)ポリマーを挙げることができる。このような多孔質ポリマーは、製造方法に従って、比表面積、細孔容積を異にするが、後述する本発明の具体例に沿って使用することにより、所定の効果を得ることができるものであれば、それらの物性により限定されない。
しかしながら、一般的に、比表面積が400〜800m/gの範囲にあり、細孔容積が0.650〜1.5ml/gにあるものが好適に使用できる。このような多孔質ポリマーは、市販されているものから選ぶこともでき、限定されるものでないが、三菱化学株式会社製のダイヤイオン(商標)HP20(以下、HP20と略記する)または同HP20SS(以下、HP20SSと略記する)を都合よく使用することができる。
上記のような、粗精製ダウノマイシンを吸着させた疎水性多孔質合成樹脂担体からのDMの溶出は、本発明によれば、水混和性有機溶媒を含有するpH2.5〜6に緩衝化された水性溶液が使用される。水混和性有機溶媒は本発明の目的に沿う限り特に限定されるものでないが、経済性と溶出効率の両者を兼ね備えたものとしては、メタノール、エタノール、イソプロパノールおよびアセトンを挙げることができる。これらのうち、特に好適なものは、メタノールおよびアセトンである。このような溶媒を使用するとき、これらの溶媒と水溶液は、使用する溶媒によって最適混合比が変動するので限定できないが、一般的に、溶媒対水溶液は、それぞれ容量基準で、80対20〜20対80の割合で使用できる。たとえば、メタノールを使用する場合には、メタノール/水溶液は、60〜80/20〜40、特に、約70/約30の割合で使用でき、アセトンを使用する場合には、アセトン/水溶液は、20〜40/80〜60、特に約30/約70の割合で使用できる。
これらの有機溶媒を含有する水性溶液は、特に、pH2.5〜6に緩衝化されていることが必要である。pHが2.5より低いと、一般的に得られる製品におけるDMの相対純度が低くなる傾向があり、一方、pHが6を超えるとDMの回収率が低くなる傾向がある。緩衝化に使用される緩衝剤は、製品に悪影響を及ぼさないものであれば、いかなる緩衝剤であってもよい。限定されるものでないが、かような緩衝剤としては、重フタル酸カリウム−HCl、グリコール酸−HCl、クエン酸ナトリウム−HCl、クエン酸カリウム−HCl、クエン酸カリウム−クエン酸、コハク酸−Na、酢酸ナトリウム−HCl、酢酸ナトリウム−酢酸、クエン酸−NaHPO、酒石酸−酸石酸ナトリウム、乳酸−乳酸ナトリウム、アコニチン酸−NaOH、コハク酸−NaOH等を挙げることができる。これらのうち、特に、クエン酸ナトリウム−HClが好ましい。
また、緩衝剤の濃度は、使用する緩衝剤の使用によって、0.05M−1Mのものが使用できるが、好ましい例であるクエン酸ナトリウム−HClの系では、約0.1Mクエン酸ナトリウムを使用するのが好適である。
上記樹脂担体からそれに吸着しているDMを溶出する操作温度は、DMまたは樹脂担体に変性などの悪影響を及ぼさない温度であれば、どのような温度であってもよいが、室温(10〜30℃)、付近が都合よい。さらに、かような樹脂担体は、通常、カラムに充填した態様で操作するのがよいが、これに限定されない。
粗精製DMを吸着させた疎水性多孔質合成樹脂担体の調製は、上記溶出に悪影響を及ぼさない方法に従ったものであれば、どのような方法でDMが前記樹脂担体に吸着されたものであってもよい。しかしながら、具体的な調製は、pH約1〜5の酸性水溶液(以下、酸性水ともいう)に粗精製DMを溶解させた溶液と前記担体との接触によりその担体にDMを吸着させ、次いで前記酸性水でDM吸着樹脂担体を洗浄することによるのが好ましい。酸性水は粗精製DMを溶解するのに使用するものと、DM吸着樹脂担体を洗浄するものとが、同一または異っていてもよい。酸性水のpH調節は、単に塩酸によって行ってもよいが、上述したような緩衝剤を使用して行ってもよい。好ましくは、0.1Mクエン酸水溶液を使用することができる。また、酸性水のpHは、約2.5付近に調節することが、特に好ましい。このような酸性水による洗浄は、洗浄液中に不純物の存在が認められなくなるまで続ける。洗浄液中の不純物の存否は、たとえば分光光度計を使用して確認すればよい。
以上の本発明方法によって精製されたDMは、必要により、同一または異なる構成からなる上記方法で繰り返し処理してもよい。
また、上記の方法により精製されたDM含有画分からのDMの回収は、有機溶媒を留去した後の溶液から、クロロホルムなどを使用するそれ自体既知の抽出方法により回収してもよい。しかしながら、好ましくは、相対純度が一定値以上の画分を集め、その溶液を水酸化ナトリウムなどでpH約8.5に調節し、溶液量の約半量のクロロホルムを加えてDMを抽出し、有機溶媒相を減圧下に濃縮乾固した後、これに少量のクロロホルム/メタノール(20:1)を加えて溶解し、次いでこの溶液を過剰量のヘキサン中に加えてDMを析出せしめ、析出したDMを濾取するのが、より高品位のDMを回収できるので好ましい。
以下、具体例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、これらの例は、本発明ならびに本発明の作用および効果の理解をより容易にする目的で提供するものである。
例1(比較例)低純度DMの精製
低純度DM粉末500mg(DM含量305mg、相対純度80.3%)を酸性水(pH2.5、HCl)200mLに溶解して、この溶液をHP20のカラム(50mL)にかけた。同酸性水50mLで洗浄した後、メタノール−酸性水(PH2.5)(70:30)で溶出させ、DM溶出分画のHPLC分析を行った。相対純度が、それぞれ86、88、89および90%以上のDM分画を集めたときの、DMの回収率、回収液量、相対純度を図1A〜C中にcontrol(pH2.5)として示した。
HPLC分析条件:
カラム:ULTRASPHERE ODS、250×4.6mmi.d.(BECKMAN)
移動相:水−アセトニトリル(62:38)、リン酸でpH2.2±0.2に調整
流速 :1.5mL/min
検出 :495nm
例2(本発明)低純度DMの精製
低純度DM粉末500mg(DM含量305mg、相対純度80.3%)を酸性水(pH2.5、HCl)200mLに溶解して、この溶液をHP20のカラム(50mL)にかけた。同酸性水50mL及び0.1Mクエン酸緩衝液(pH2.5)100mLで洗浄した後、メタノール−0.1Mクエン酸緩衝液(PH2.5)(70:30)で溶出させ、DM溶出分画のHPLC分析を行った。相対純度が、それぞれ86、88、89および90%以上のDM分画を集めたときの、DMの回収率、回収液量、相対純度を図1A〜C中にpH2.5として示した。
例3(本発明)低純度DMの精製
低純度DM粉末500mg(DM含量305mg、相対純度80.3%)を酸性水(pH2.5、HCl)200mLに溶解して、この溶液をHP20のカラム(50mL)にかけた。同酸性水50mL及び0.1Mクエン酸緩衝液(pH3.0)100mLで洗浄した後、メタノール−0.1Mクエン酸緩衝液(PH3.0)(70:30)で溶出させ、DM溶出分画のHPLC分析を行った。相対純度が、それぞれ86、88、89および90%以上のDM分画を集めたときの、DMの回収率、回収液量、相対純度を図1A〜C中にpH3.0として示した。
例4(本発明)低純度DMの精製
低純度DM粉末500mg(DM含量305mg、相対純度80.3%)を酸性水(pH2.5、HCl)200mLに溶解して、この溶液をHP20のカラム(50mL)にかけた。同酸性水50mL及び0.1Mクエン酸緩衝液(pH3.5)100mLで洗浄した後、メタノール−0.1Mクエン酸緩衝液(PH3.5)(70:30)で溶出させ、DM溶出分画のHPLC分析を行った。相対純度が、それぞれ86、88、89および90%以上のDM分画を集めたときの、DMの回収率、回収液量、相対純度を図1A〜C中にpH3.5として示した。
例5(本発明)低純度DMの精製
低純度DM粉末500mg(DM含量305mg、相対純度80.3%)を酸性水(pH2.5、HCl)200mLに溶解して、この溶液をHP20のカラム(50mL)にかけた。同酸性水50mL及び0.1Mクエン酸緩衝液(pH4.0)100mLで洗浄した後、メタノール−0.1Mクエン酸緩衝液(PH4.0)(70:30)で溶出させ、DM溶出分画のHPLC分析を行った。相対純度が、それぞれ86、88、89および90%以上のDM分画を集めたときの、DMの回収率、回収液量、相対純度を図1A〜C中にpH4.0として示した。原料に用いた低純度DM及び相対純度88%以上のDM分画を集めたもののHPLC分析チャートを、それぞれ図2及び図3に示す。
例6(本発明)低純度DMの精製
低純度DM粉末500mg(DM含量305mg、相対純度80.3%)を酸性水(pH2.5、HCl)200mLに溶解して、この溶液をHP20のカラム(50mL)にかけた。同酸性水50mL及び0.1Mクエン酸緩衝液(pH4.5)100mLで洗浄した後、メタノール−0.1Mクエン酸緩衝液(PH4.5)(70:30)で溶出させ、DM溶出分画のHPLC分析を行った。相対純度が、それぞれ86、88、89および90%以上のDM分画を集めたときの、DMの回収率、回収液量、相対純度を図1A〜C中にpH4.5として示した。
例7(本発明)低純度DMの精製
低純度DM粉末500mg(DM含量305mg、相対純度80.3%)を酸性水(pH2.5、HCl)200mLに溶解して、この溶液をHP20のカラム(50mL)にかけた。同酸性水50mL及び0.1Mクエン酸緩衝液(pH5.0)100mLで洗浄した後、メタノール−0.1Mクエン酸緩衝液(PH5.0)(70:30)で溶出させ、DM溶出分画のHPLC分析を行った。相対純度が、それぞれ86、88、89および90%以上のDM分画を集めたときの、DMの回収率、回収液量、相対純度を図1A〜C中にpH5.0として示した。
例8(本発明)低純度DMの精製
低純度DM粉末500mg(DM含量305mg、相対純度80.3%)を酸性水(pH2.5、HCl)200mLに溶解して、この溶液をHP20のカラム(50mL)にかけた。同酸性水50mL及び0.1Mクエン酸緩衝液(pH6.0)100mLで洗浄した後、メタノール−0.1Mクエン酸緩衝液(PH6.0)(70:30)で溶出させ、DM溶出分画のHPLC分析を行った。相対純度が、それぞれ86、88、89および90%以上のDM分画を集めたときの、DMの回収率、回収液量、相対純度を図1A〜C中にpH6.0として示した。
例9(比較例)より高純度の原料DMの精製
より高純度の原料DM粉末500mg(DM含量463mg、相対純度95.8%)を酸性水(pH2.5、HCl)10mLに溶解して、この溶液をHP20のカラム(50mL)にかけた。同酸性水50mL及び水100mLで洗浄した後、メタノール−水(70:30)で溶出させ、DM溶出分画のHPLC分析を行った。相対純度が、それぞれ96、97および98%以上のDM分画を集めたときの、DMの回収率、回収液量、相対純度を図4A〜C中にcontrol(H20)として示した。
例10(比較例)より高純度の原料DMの精製
より高純度の原料DM粉末500mg(DM含量463mg、相対純度95.8%)を酸性水(pH2.5、HCl)10mLに溶解して、この溶液をHP20のカラム(50mL)にかけた。同酸性水50mLで洗浄した後、メタノール−酸性水(PH2.5)(70:30)で溶出させ、DM溶出分画のHPLC分析を行った。相対純度が、それぞれ96、97および98%以上のDM分画を集めたときの、DMの回収率、回収液量、相対純度を図4A〜C中にcontrol(pH2.5)として示した。
例11(本発明)より高純度の原料DMの精製
より高純度の原料DM粉末500mg(DM含量463mg、相対純度95.8%)を酸性水(pH2.5、HCl)10mLに溶解して、この溶液をHP20のカラム(50mL)にかけた。同酸性水50mL及び0.1Mクエン酸緩衝液(pH2.5)100mLで洗浄した後、メタノール−0.1Mクエン酸緩衝液(PH2.5)(70:30)で溶出させ、DM溶出分画のHPLC分析を行った。相対純度が、それぞれ96、97および98%以上のDM分画を集めたときの、DMの回収率、回収液量、相対純度を図4A〜C中にpH2.5として示した。
例12(本発明)より高純度の原料DMの精製
より高純度の原料DM粉末500mg(DM含量463mg、相対純度95.8%)を酸性水(pH2.5、HCl)10mLに溶解して、この溶液をHP20のカラム(50mL)にかけた。同酸性水50mL及び0.1Mクエン酸緩衝液(pH3.0)100mLで洗浄した後、メタノール−0.1Mクエン酸緩衝液(PH3.0)(70:30)で溶出させた。相対純度98%以上のDM分画を集め、HPLC分析を行った。相対純度が、それぞれ96、97および98%以上のDM分画を集めたときの、DMの回収率、回収液量、相対純度を図4A〜C中にpH3.0として示した。
例13(本発明)より高純度の原料DMの精製
より高純度の原料DM粉末500mg(DM含量463mg、相対純度95.8%)を酸性水(pH2.5、HCl)10mLに溶解して、この溶液をHP20のカラム(50mL)にかけた。同酸性水50mL及び0.1Mクエン酸緩衝液(pH3.5)100mLで洗浄した後、メタノール−0.1Mクエン酸緩衝液(PH3.5)(70:30)で溶出させ、DM溶出分画のHPLC分析を行った。この実験は2回行った。相対純度が、それぞれ96、97および98%以上のDM分画を集めたときの、DMの回収率、回収液量、相対純度を図4A〜C中にpH3.5として示した。
例14(本発明)より高純度の原料DMの精製
より高純度の原料DM粉末500mg(DM含量463mg、相対純度95.8%)を酸性水(pH2.5、HCl)10mLに溶解して、この溶液をHP20のカラム(50mL)にかけた。同酸性水50mL及び0.1Mクエン酸緩衝液(pH4.0)100mLで洗浄した後、メタノール−0.1Mクエン酸緩衝液(PH4.0)(70:30)で溶出させ、DM溶出分画のHPLC分析を行った。この実験は2回行った。相対純度が、それぞれ96、97および98%以上のDM分画を集めたときの、DMの回収率、回収液量、相対純度を図4A〜C中にpH4.0として示した。
例15(本発明)より高純度の原料DMの精製
より高純度の原料DM粉末500mg(DM含量463mg、相対純度95.8%)を酸性水(pH2.5、HCl)10mLに溶解して、この溶液をHP20のカラム(50mL)にかけた。同酸性水50mL及び0.1Mクエン酸緩衝液(pH4.5)100mLで洗浄した後、メタノール−0.1Mクエン酸緩衝液(PH4.5)(70:30)で溶出させ、DM溶出分画のHPLC分析を行った。この実験は2回行った。相対純度が、それぞれ96、97および98%以上のDM分画を集めたときの、DMの回収率、回収液量、相対純度を図4A〜C中にpH4.5として示した。
例16(本発明)より高純度の原料DMの精製
より高純度の原料DM粉末500mg(DM含量463mg、相対純度95.8%)を酸性水(pH2.5、HCl)10mLに溶解して、この溶液をHP20のカラム(50mL)にかけた。同酸性水50mL及び0.1Mクエン酸緩衝液(pH5.0)100mLで洗浄した後、メタノール−0.1Mクエン酸緩衝液(PH5.0)(70:30)で溶出させ、DM溶出分画のHPLC分析を行った。この実験は2回行った。相対純度が、それぞれ96、97および98%以上のDM分画を集めたときの、DMの回収率、回収液量、相対純度を図4A〜C中にpH5.0として示した。
例17(本発明)より高純度の原料DMの精製
より高純度の原料DM粉末500mg(DM含量463mg、相対純度95.8%)を酸性水(pH2.5、HCl)10mLに溶解して、この溶液をHP20のカラム(50mL)にかけた。同酸性水50mL及び0.1Mクエン酸緩衝液(pH6.0)100mLで洗浄した後、メタノール−0.1Mクエン酸緩衝液(PH6.0)(70:30)で溶出させ、DM溶出分画のHPLC分析を行った。相対純度が、それぞれ96、97および98%以上のDM分画を集めたときの、DMの回収率、回収液量、相対純度を図4A〜C中にpH6.0として示した。
例18(本発明)より高純度の原料DMの精製
より高純度の原料DM粉末500mg(DM含量463mg、相対純度95.8%)を酸性水(pH2.5,HCl)10mLに溶解して、この溶液をHP20SSのカラム(50mL)にかけた。同酸性水50mL及び0.1Mクエン酸緩衝液(pH4.0)100mLで洗浄した後、メタノール−0.1Mクエン酸緩衝液(PH4.0)(70:30)で溶出させ、DM溶出分画のHPLC分析を行った。相対純度が、それぞれ96、97、98および99%以上のDM分画を集めたときの、DMの回収率、回収液量、相対純度を図5A〜C中に黒棒(70%メタノール)として示した。
例19(本発明)より高純度の原料DMの精製
より高純度の原料DM粉末500mg(DM含量463mg、相対純度95.8%)を酸性水(pH2.5、HCl)10mLに溶解して、この溶液をHP20SSのカラム(50mL)にかけた。同酸性水50mL及び0.1Mクエン酸緩衝液(pH4.0)100mLで洗浄した後、アセトン−0.1Mクエン酸緩衝液(PH4.0)(30:70)で溶出させ、DM溶出分画のHPLC分析を行った。相対純度が、それぞれ96、97、98および99%以上のDM分画を集めたときの、DMの回収率、回収液量、相対純度を図5A〜C中に白抜き棒(30%アセトン)として示した。
原料に用いたより高純度の原料DM及び相対純度98%以上のDM分画を集めたもののHPLC分析チャートを、それぞれ図6及び図7に示す。
例20(本発明)精製DMの回収
例18において、相対純度が98%以上のDM分画を集めた溶液からDMを回収した。集めた溶液のpHを4N水酸化ナトリウムで8.5とし、溶液量の約半量のクロロホルムを加えてDMを抽出した。DMを含有する有機溶媒相を減圧下に濃縮乾固した後、これに少量のクロロホルム/メタノール(20:1)を加えて溶かし、過剰量のヘキサン中に添加した。析出したDMを濾取し、減圧下に40℃で一夜乾燥した。このとき、得られたDM粉末の収量は242mgであった。
以上の例より、図1A〜Cによれば、本発明方法はコントロール(control)(比較例)に比べて、相対純度の高い製品を高回収率で得ることができることがわかる。具体的には、比較例では相対純度が89%以上の画分(黒丸および黒菱形)は得られず、しかも88%以上の画分(黒四角)の回収率は10%以下と低いにもかかわらず、本発明方法、たとえばpH2.5では88%以上の画分の回収率は65%を超え、しかも相対純度が89%以上の画分の回収率も10%を超える。また、本発明に従う、pH5.98では、相対純度が90%以上の画分く黒菱形)でさえも回収率が15%を超えている。これらの傾向は、水混和性有機溶媒として、アセトンを使用する場合も同様に認められる(図5A〜C参照)。
【図面の簡単な説明】
図1A〜Cは、例1〜8におけるDMの回収率、回収液量および相対純度を示すグラフである。
図中の横座標を基準に、control(pH2.5)、pH2.5、pH3.0、pH3.5、pH4.0、pH4.5、pH5.0およびpH6.0が、それぞれ例1〜8の結果に対応する。
図2は、出発物質である低純度DM粉末(相対純度80.3%)のHPLC分析の結果を示すチャートである。
図3は、例5(本発明)によって得られたDM(相対純度88%以上)の溶液のHPLC分析結果を示すチャートである。
図4A〜Cは、例9〜17におけるDMの回収率、回収液量および相対純度を示すグラフである。
図5A〜Cは、例18および19におけるDMの回収率、回収液量および相対純度を示すグラフである。
図6は、例9〜19で使用したより高純度の原料DM(相対純度95.5%)のHPLC分析チャートである。
図7は、例9〜19における相対純度98%以上の画分を集めたもののHPLC分析チャートである。

Claims (6)

  1. 粗精製ダウノマイシンからダウノマイシンを吸着させた疎水性多孔質合成樹脂担体を、メタノールを含有するpH3.5〜6に緩衝化された水性溶液でダウノマイシンを溶出し、そして溶出液から少なくとも98%の相対純度を有する精製されたダウノマイシンを回収することを特徴とするダウノマイシンの精製方法。
  2. 粗精製ダウノマイシンを吸着させた疎水性多孔質合成樹脂担体が、pH約1〜5の酸性水溶液に粗精製ダウノマイシンを溶解させた溶液と疎水性多孔質合成樹脂担体との接触により前記担体にダウノマイシンを吸着させ、次いで前記酸性水溶液でダウノマイシンを吸着した前記担体を洗浄することにより調製される請求項1記載の精製方法。
  3. ダウノマイシンを吸着した担体を洗浄するのに用いられる酸性水溶液が緩衝化されている請求項2記載の精製方法。
  4. メタノールを含有するpH3.5〜6に緩衝化された水性液が、クエン酸緩衝液により緩衝化されてる請求項1〜3のいずれかに記載の精製方法。
  5. メタノールを含有するpH3.5〜6に緩衝化された水性溶液が、メタノール対水溶液の容量比が80対20〜20対80を有する請求項4記載の精製方法。
  6. 粗製ダウノマイシンが相対純度80〜96%を有する請求項1〜5のいずれかに記載の精製方法。
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