JP3899914B2 - レーザーイメージャー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本願の発明は、医療分野において好適に使用されるレーザーイメージャーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
レーザーイメージャーは、感光剤が表面に形成されたフィルムをレーザーによって露光した後に現像を行って潜像を可視化する装置である。レーザーイメージャーは、CRTのようなディスプレイによる表示やコピーマシンによる紙へのプリントアウトに比べ、高解像度・高階調のイメージ出力が可能なため、医療分野において多く用いられている。例えば、X線CT装置(X線断層撮影装置)やNMR(核磁気共鳴装置)、超音波CT装置(超音波断層撮影装置)等の出力データを可視化するため、レーザーイメージャーが使用されている。
【0003】
レーザー光は、光変調素子によって変調された後、ポリゴンミラー等によって走査されたがらフィルムに照射される。露光されたフィルムは、熱又は現像液によって現像され、これによりフィルム上にイメージが可視化される。光変調素子は、X線CT装置等の出力データに従ってレーザー光を変調するため、出力データがフィルム上に可視化される。
現像の方式には湿式と乾式とがあるが、取り扱いの容易さ等から乾式が多くなっている。乾式の場合、露光後のフィルムをヒートローラにより加熱する熱現像方式が採用されることが多い。
【0004】
【発明が解決しょうとする課題】
このようなレーザーイメージャーにおいて、フィルムの表面領域は、イメージの可視化に利用する主領域と、主領域外のマージン領域に分けられる。現像後のフィルムは、白色蛍光灯より成る照明パネルの前面に保持して背後から照明しながら観察されるが、マージン領域は、照明パネルの前面のホルダーに保持される部分として確保されることが多い。
しかしながら、イメージをなるべく大きいサイズで可視化したり、拡大率を大きくして可視化したりしたい場合等では、フィルムの縁ぎりぎりいっぱいまで利用してイメージを可視化する場合がある。フィルムの上端部のマージン領域は、照明パネルへの保持用に残される場合が多いが、フィルムの両側部のマージン領域は、限界まで小さくされる場合がある。
【0005】
このような場合、フィルムが斜めになって露光部に搬送されたり、幅方向にシフトして露光部に搬送されたして、イメージも斜めになったりシフトしたりすると、イメージが欠けてしまう恐れがある。主領域がどんなに大きくなっても、フィルムの端部には、細い一定したマージン領域が正しく形成される必要がある。本願の発明は、係る課題を解決するために成されたものであり、主領域が大きくなった場合でも、一定したマージン領域が正しく形成されるようにしたレーザーイメージャーを提供する技術的意義がある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本願の請求項1記載の発明は、感光層が表面に形成されたフィルム上にレーザー光を照射して露光する露光部と、露光後のフィルムを現像して潜像を可視化する現像部と、未露光のフィルムを収容したフィルム収容部と、現像後のフィルムが排出されるフィルム排出部と、フィルム収容部、露光部、現像部、フィルム排出部の順にフィルムを搬送する搬送系とから成るレーザーイメージャーであって、
露光部は、照射するレーザー光を発振するレーザー発振器と、フィルムの幅方向にレーザー光を走査させる走査手段と、フィルム上で走査されるレーザー光の照度を可視化すべきイメージのデータに従って変更させる照度変更手段とを備えており、
搬送系は、露光部に搬送される際のフィルムの幅方向の位置を位置決めする位置決め機構を有しており、
位置決め機構は、フィルムの搬送路の一方の側に設けられたガイドと、停止したフィルムをガイドに向けて移動させフィルムの側縁をガイドに押し当てる押し当て具とより成るものであり、
位置決め機構は、押し当て具を、停止したフィルムに接触しない第一の位置に位置させた後、フィルムに接触した第二の位置に位置させるものであり、
さらに、前記第二の位置は、前記ガイドからの距離がフィルムの幅より短い位置であり、前記位置決め機構は、前記押し当て具を前記第一の位置に位置させた後、前記第二の位置に位置させ、その後、前記押し当て具を第三の位置に位置させるものであり、
第三の位置は、前記ガイドからの距離がフィルムの幅に等しいかそれより長い位置であるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項2記載の発明は、前記請求項1の構成において、前記位置決め機構は、水平な姿勢の位置決めステージを備えており、位置決めステージを挟んで搬送方向の一方の側に前記ガイドが設けられ、他方の側に前記押し当て具が設けられており、
前記搬送系は、フィルムを挟んだ状態で互いに逆向きに回転することでフィルムを位置決めステージに搬送する一対のニップローラを備えており、この一対のニップローラは、フィルムを位置決めステージに搬送して停止させた後、フィルムを開放した状態とし、前記押し当て具が、前記第一の位置から第二の位置、そして第三の位置に位置した後、再びフィルムを挟んだ状態としてフィルムを位置決めステージから送り出すものであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項3記載の発明は、前記請求項1又は2の構成において、前記第二の位置は、前記ガイドからの距離がフィルムの幅より0.5〜4mm短い位置であり、前記第三の位置は、前記ガイドからの距離がフィルムの幅に等しい位置であるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項4記載の発明は、前記請求項1又は2の構成において、前記第二の位置は、前記ガイドからの距離がフィルムの幅より0.5〜4mm短い位置であり、前記第三の位置は、前記ガイドからの距離がフィルムの幅に0.5mm加えた距離であるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項5記載の発明は、前記請求項1乃至4いずれかの構成において、前記押し当て具が前記ガイドに向けてフィルムを移動させる際、フィルムの幅方向の移動を許容ししつ搬送方向の移動を規制する移動規制具が設けられているという構成を有する。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の実施の形態(以下、実施形態)について説明する。
図1は、本願発明の実施形態に係るレーザーイメージャーの概略構成を示す斜視図である。図1に示すレーザーイメージャーは、感光層が表面に形成されたフィルム1上にレーザー光を照射して露光する露光部2と、露光後のフィルム1を現像して潜像を可視化する現像部3と、未露光のフィルム1を収容したフィルム収容部4と、現像後のフィルム1が排出されるフィルム排出部5と、フィルム収容部4、露光部2、現像部3、フィルム排出部5の順にフィルム1を搬送する搬送系6とから成っている。
【0008】
フィルム収容部4は、未露光のフィルム1を多数重ねて収容したトレーより成る構成であり、コピー機における用紙トレーとほぼ同様の構成である。本実施形態では、フィルム収容部4は二つ設けられており、サイズの異なるフィルム1を収容することが可能となっている。フィルム収容部4内のフィルム1が無くなったら、トレーを引き出して新たに収容する。
露光部2は、フィルム1上に照射するレーザー光を発振するレーザー発振器21と、レーザー光をフィルム1上で走査させる走査手段22と、フィルム1上で走査されるレーザー光の照度を可視化すべきイメージのデータに従って変更させる照度変更手段23とから主に構成されている。
レーザー発振器21は、フィルム1の感光波長域のレーザー光を発振するものであり、例えば発振波長810nmの半導体レーザが使用できる。走査手段22は、本実施形態ではポリゴンミラーが使用されている。ポリゴンミラーが所定の速度で回転しながらレーザー光が照射されると、レーザー光はフィルム1の幅方向に所定の周期で走査される。
【0009】
また、露光部2は、露光中のフィルム1を長さ方向に精度良く移動させる精密送り機構25を備えている。ポリゴンミラーによりレーザー光が幅方向に走査され、フィルム1が精密送り機構25により長さ方向に少しずつ移動するので、フィルム1の所定のエリアにレーザー光が走査されることになる。
照度変更手段23は、本実施形態では、光変調素子によって構成されている。光変調素子としては、例えば音響光学素子が使用できる。音響光学素子は、超音波によって回折光を生じさせるものであり、超音波の強度を調節することで回折光の強度を変調するものである。
【0010】
出力されるイメージのデータ(以下、イメージデータ)は、不図示のインターフェースを介して外部から入力され、不図示のメモリに記憶されるようになっている。照度変更手段23には、メモリ内のイメージデータが読み出されて送られる。照度変更手段23は、フィルム1上に走査される際のレーザー光をイメージデータに従ってレーザー光の照射を変更する。この結果、イメージデータ通りのイメージでフィルム1が露光される。
【0011】
尚、レーザー光学系としては、照度変更手段23にレーザー光を集光させる集光レンズ241、照度変更手段23から出射したレーザー光を平行光に戻すコリメータレンズ242、フィルム1までの距離の違いにかかわらずポリゴンミラーに反射したレーザー光がフィルム1上で細いビームに集光するようにするf・θレンズ243等から成っている。
【0012】
また、精密送り機構25は、フィルム1を挟んで送る一対の送りローラ251と、送りローラ251を駆動するサーボモータ252等から構成されている。サーボモータ252は、走査手段22に同期してフィルム1が所定の速度で前進するよう送りローラ251を駆動する。
【0013】
現像部3は、本実施形態では、熱現像を行うものとなっている。具体的には、現像部3は、ヒートローラ31と、ヒートローラ31にフィルム1を接触させる接触ローラ32とから成っている。ヒートローラ31は、図1に示すように、比較的径の大きな円柱状であり、内部にヒータが設けられている。接触ローラ32は、細長いものであり、ヒートローラ31の周面に沿って均等間隔に多数設けられている。
ヒートローラ31には、現像用モータ33が設けられている。露光されたフィルム1は、ヒートローラ31と接触ローラ32との間に挟み込まれる。そして、現像用モータ33によってヒートローラ31が回転すると、フィルム1は、ヒートローラ31の周面に押し付けられながら、ヒートローラ31と各接触ローラ32によって送られる。この際、フィルム1は、ヒートローラ31からの熱によって現像される。
【0014】
また、搬送系6は、トレーからフィルム1をピックアップして送り出すピックアップ機構61、フィルム1を挟んで送る複数対のニップローラ62、ニップローラ62を駆動する不図示の搬送用モータ、フィルム1の搬送をガイドするガイド板63等から構成されている。尚、搬送系6のうち、ニップローラ62等、フィルム1に接触する部材は、フィルム1を傷つけたり汚損したりしないよう、特別の表面加工が施されたり、又は、材質が選定されたりしている。
フィルム排出部5は、本実施形態では、レーザーイメージャーの上面に設けられたトレーより成っている。現像済みのフィルム1は、搬送系6によって搬送されてこのトレー上に排出されるようになっている。
【0015】
本実施形態のレーザーイメージャーでは、露光部2に搬送される際のフィルムの幅方向の位置を位置決めする位置決め機構7を有している。以下、位置決め機構7の構成について、図2を使用して説明する。図2は、位置決め機構7の概略構成を示す斜視図である。
位置決め機構7は、フィルム1の搬送路上に設けられた位置決めステージ71と、位置決めステージ71の一方の側縁に固定されたガイド72と、位置決めステージ71上で停止したフィルム1をガイド72に向けて移動させフィルム1の側縁をガイド72に押し当てる押し当て具73とより成っている。
【0016】
位置決めステージ71は、全体としてはほぼ方形の板状で、水平な姿勢で不図示の取付具により取り付けられている。位置決めステージ71の幅は、フィルム1の幅より僅かに小さい。ガイド72は、図2に示すような帯板状であり、位置決めステージ71の搬送方向前方に向かって右側の側縁に沿って固定されている。
押し当て具73は、位置決めステージ71の搬送方向前方に向かって左側に設けられている。押し当て具73は、図2に示すような長方形の板状であり、その短辺を立てた姿勢で設けられている。
【0017】
押し当て具73は、ホルダー74に取り付けられている。ホルダー74は、カム機構により揺動するようになっている。押し当て具73は、ホルダー74の揺動によりフィルム1をガイド72に向けて移動させるようになっている。具体的に説明すると、ホルダー74は、おおよそ垂直な姿勢を保つホルダー本体741と、ホルダー本体741の上端に取り付けた上アーム部742と、ホルダー本体741の下端に取り付けた下アーム部743とから主に構成されている。
【0018】
ホルダー本体741は、揺動軸744を介して固定板745によって固定されている。揺動軸744は水平であり、搬送方向に沿っている。ホルダー本体741は、揺動軸744を中心にして揺動するようになっている。尚、軸固定板745は、不図示のフレームに固定されており、従って、揺動軸744は固定である。
上アーム部742は、アーム軸746を介してホルダー本体741に取り付けられている。アーム軸746も、水平であって搬送方向に沿っている。上アーム部742の先端には、コロ75が取り付けられている。上アーム部742の先端は、図2に示すように下方に折れ曲がっており、その先端にコロ75が取り付けられている。コロ75は、コロ軸747を介して取り付けられており、回転可能となっている。コロ軸747は、図2に示すように、水平であって搬送方向に一致している。
【0019】
本実施形態における位置決め機構7は、フィルム1が撓んだ状態になるまでフィルム1をガイド72に押し当てるものである。コロ75は、位置決めの際、撓んだ状態のフィルム1が弾性により元の姿勢に戻る際にフィルム1がガイド72から離れようとする動きを制する制動具として設けられている。コロ75は、自重及び上アーム部742の自重によってフィルム1を位置決めステージ1に押さえ付けるようになっている。尚、コロ75自体は、ステンレス又はアルミニウムのような金属製であるが、フィルム1に対する摩擦力が大きくなるよう、コロ75には、エチレン・プロピレンゴム(EPDM)のような材料で形成された輪状の弾性部材751が設けられている。フィルム1に直接接するのは、弾性部材751である。弾性部材751は、本実施形態では、断面円形のいわゆるOリングである。
【0020】
また、コロ75は、位置決めの際、フィルム1の幅方向の移動を許容ししつ搬送方向の移動を規制する移動規制具としても設けられている。即ち、コロ軸747は搬送方向に沿っているため、コロ75がフィルム1に接触した状態では、フィルム1は搬送方向には移動できず、フィルム1の幅方向にのみ移動できる。この場合も、コロ75は、弾性部材751によって摩擦力が大きくなっており、移動規制の効果を高くしている。
揺動軸744内には、搬送方向前方に向かって反時計回りに回転する向きに弾性力を作用させる不図示のコイルスプリングが設けられている。従って、ホルダー本体741には、位置決めステージ71から遠ざかる向きに揺動するよう力が加えられている。揺動軸744内のコイルスプリングの弾性力を、図2中、f1で示す。
【0021】
また、アーム軸746内にも不図示のコイルスプリングが設けられている。アーム軸746内のコイルスプリングは、揺動軸744内のコイルスプリングとは、逆向きに弾性力を作用させるようになっている。アーム軸746内のコイルスプリングの弾性力を、図2中、f2で示す。
押し当て具73は、ホルダー本体741に取り付けられている。ホルダー本体741の上端には、上方に延びる支持板731が設けられている。押し当て具73は、支持板731の上端に取り付けられている。
上アーム部742には、図2に示すようにストッパ板732が設けられている。揺動軸744内のコイルスプリングによる力f1とアーム軸746内のコイルスプリングによる力f1との向きが逆であるため、支持板731は、ストッパ板732に押し付けられた状態となる。
【0022】
一方、下アーム部743には、押し当て用カムローラ748が当接している。押し当て用カムローラ748は、アームを介して押し当て用モータ749に連結されている。押し当て用モータ749が駆動されると、押し当て用モータ749の出力軸を中心にして押し当て用カムローラ748が回転する。この際、押し当て用カムローラ748が下側にあるとき、押し当て用モータ749のトルクにより、揺動軸744内のコイルスプリングの弾性力f1に逆らってホルダー本体741は、位置決めステージ71に近づく向きに揺動する。また、押し当て用カムローラ748が上側にあるとき、揺動軸744内のコイルスプリングの力f1によりホルダー本体741は位置決めステージ71から離れる向きに揺動する。
【0023】
図3は、図2に示す押し当て具73の詳細構造を示す断面概略図である。押し当て具73は、位置決めステージ71に押し当てられる前面板733と、前面板733の背後に設けられたコイルスプリング734とを備えている。図3(1)に示す状態から図3(2)に示す状態になるようホルダー本体741が揺動し、前面板733が位置決めステージ71に押し当てられる。この際、コイルスプリング734の弾性力に反して位置決めステージ71が前面板733を少し押し込んだ状態となる。つまり、コイルスプリング734は、前面板733の位置決めステージ71に対する衝突の衝撃を吸収するよう作用する。尚、押し当て具73は、図2に示すように、搬送方向に長い。図3に示すコイルスプリング734は、搬送方向の前側と後ろ側に設けられている。
【0024】
また、図2には、位置決めステージ71の搬送方向手前に配置された一対のニップローラ761,762が示されている。ニップローラ761,762には、ニップ開閉機構が設けられている。ニップ開閉機構の構成について、図4を使用して説明する。図4は、ニップ開閉機構の概略構成を示す斜視図である。
図4に示すニップ開閉機構は、一対のニップローラ761,762のうちの上側のニップローラ(以下、上側ローラ)762を開閉する上側開閉ユニット78によって主に構成されている。
【0025】
また、上側開閉ユニット78は、上側ローラ762を保持した上側保持板781と、上側保持板781に固定された上側駆動板782と、上側駆動板782を介して上側保持板781を揺動させる上側カムローラ783と、上側カムローラ783を回転させる上側モータ784とから主に構成されている。
上側保持板781は、垂直な姿勢であって、左右に設けられ、左右で上側ローラ762を保持している。左右の上側保持板781は、上側連結板785により連結されている。また、上側駆動板782は、上側785のほぼ中央に固定されている。
【0026】
一方の側の上側保持板781のほぼ中央には、水平な下側揺動軸786が取り付けられている。上側揺動軸786も、不図示のフレームに固定されており、内部に不図示のコイルスプリングを有している。上側揺動軸786内のコイルスプリングは、上側ローラ762が上昇する向きに上側保持板781が揺動するよう弾性力(f4)を作用させている。
下側モータ774が駆動されると、下側カムローラ773が弾性力f4に逆らって下側保持板771を揺動させ、この結果、下側ローラ761が下方に移動するようになっている。これにより、これにより、上側ローラ762が、下側のニップローラ761(以下、下側ローラ)761から離れ、ニップが開放される。
【0027】
レーザーイメージャーは、各部の最適制御を行う制御系を備えている。制御系は、搬送系6によるフィルム1の搬送、露光部2での露光、露光済みのフィルム1の現像部3での現像等、各部を所定のタイミングで動作させる制御等を行うようになっている。制御系は、不図示のCPU(中央演算処理装置)と、不図示のCPUによって実行される各種制御プログラムとによって構成されている。また、本実施形態のレーザーイメージャーは、各種制御プログラムを含むソフトウェアを記憶した不図示のメモリを備えている。
【0028】
制御系が備えるソフトウェアには、図2に示す位置決め機構7の動作を最適制御するシーケンスプログラムも含まれている。以下、位置決め機構7のシーケンスプログラムに説明も兼ねて、位置決め機構7の動作についてさらに詳しく説明する。図5及び図6は、位置決め機構7の動作について示した図である。図5及び図6は、図5(1)、(2)、(3)、図6(1)、(2)の順で動作が進むことを示している。尚、図5及び図6には、図2に示す一対のニップローラ761,762の動きも併せて示されている。
【0029】
まず、図4に示すニップ開閉機構は、予め一対のニップローラ761,762を開状態にしている。フィルム1は、露光部2の搬送方向手前側に設けられたガイド板63に沿って搬送されながら、一対のニップローラ761,762の間に進入する。ニップ開閉機構は、不図示のセンサによりフィルム1の搬送方向前側の縁がニップローラ761,762の間を通過したことを確認すると、ニップローラ761,762を閉状態にする。そして、不図示の搬送用モータを駆動して、ニップローラ761,762によりフィルム1を所定距離搬送させて停止させる。
【0030】
フィルム1の停止位置は、フィルム1の搬送方向前側の縁が、位置決めステージ71の前側の縁に一致するかその少し手前の位置である。この位置でフィルム1は位置決めされるので、以下、位置決め位置と呼ぶ。
図5(1)は、フィルム1が位置決め位置に達した際の状態を示している。尚、位置決め位置にフィルム1が達したのをセンサで検出して搬送用モータを停止させるようにする場合もある。
図5(1)に示すように、位置決め位置に達したフィルム1は、多くの場合、右側の縁がガイド72には接触していない。つまり、幅方向の位置ずれが生じている。そこで、以下のようなシーケンスにより位置決めを行う。
【0031】
位置決めのシーケンスにおいて、押し当て具73は、三つの異なった位置を取る。一つめは、ガイド72に対してフィルム1の幅より長い距離隔てた位置であり、以下、第一の位置と呼ぶ。二つめは、ガイド72に対してフィルム1の幅より短い距離隔てた位置であり、以下、第二の位置と呼ぶ。三つめは、ガイド72に対してフィルム1の幅に等しい距離隔てた位置であり、以下、第三の位置と呼ぶ。第一、第二、第三の位置とは、押し当て具73の前面(位置決めステージ1を臨む面)の位置である。
【0032】
第三の位置は、フィルム1が正しく位置決めされた場合、フィルム1の端にちょうど位置する位置である。第一の位置は、位置決めされた状態のフィルム1の端の位置(即ち、第三の位置)より所定距離離れた位置である。第一の位置と第三の位置との距離(図5(1)にd1で示す)は、フィルムがどの程度ずれて搬送されるかによる。考えられる最大の位置ずれよりも少し大きい距離とされる。例えば、距離d1は17.5mm程度である。
【0033】
また、第二の位置は、フィルム1を完全にガイド72に接触させるための位置である。第二の位置と第三の位置との距離d2は、フィルム1を押し込んで撓ませるための距離に相当している。第二の位置と第三の位置との距離(図5(1)にd2で示す)は、位置決め機構の各部の精度やフィルム1の寸法誤差による。例えば距離d2は0.5mm程度であるが、実用的には0.5mm〜4mmの範囲である。
【0034】
まず、図5(1)に示す状態では、押し当て用カムローラ748は上側位置にある。従って、ホルダー74の下アーム部743は、揺動軸744から斜め上方に延びた姿勢となっている。また、上アーム部742に取り付けられたコロ75は、位置決めステージ71上のフィルムから離れた上方位置にある。図5(1)に示す状態では、押し当て具73は、第一の位置にある。
この状態から、押し当て用モータ749が駆動され、押し当て用カムローラ748が所定角度反時計回りに回転する。これに伴い、ホルダー74全体が揺動軸744を中心にして反時計回りに揺動する。この回転の結果、図5(2)に示すように、コロ75がフィルム1に当接した状態となる。
【0035】
この後、ニップ開閉機構は、前述したように一対のニップローラ761,762を開状態にする。この際重要なことは、コロ75のコロ軸747が搬送方向に一致しているので、ニップローラ761,762を開状態にしても、フィルム1はコロ75によって係止されて移動しないようになっていることである。コロ75がフィルム1に当接していなかったり、コロ75のコロ軸747は搬送方向に直角であると、ニップローラ761,762を開状態にした瞬間、フィルム1が自らの弾性により前方に移動してしまうことがある。この理由は、フィルム1は、後端部がまだガイド板63上にあり、上方に反った状態である状態だからである。
【0036】
図5(2)に示す状態から、押し当て用モータ749はさらに押し当て用カムローラ748を回転させ、図5(3)に示すように、下側位置まで下降させる。これに伴い、ホルダー本体741及び下アーム部743も、さらに反時計回りに揺動する。上アーム部742は、位置決めステージ71によって下降が規制されているので、揺動はせず、そのまま前方に少し移動する。この際、ホルダー本体741は、揺動軸744を中心にして揺動するので、結局、上アーム部742は、アーム軸746を中心にしてホルダー本体741に対して相対的に揺動することになる。
【0037】
そして、押し当て具73は、ホルダー本体741と一体に揺動するので、この揺動の際、図5(3)に示すように、フィルム1を押し込み、位置決めステージ1の縁に当たる。即ち、押し当て具73は、第二の位置に位置する。フィルム1は、位置決めステージ71を滑って幅方向に移動し、右縁がガイド72に押し当てられる。この際、コロ75は、フィルム1上で転動し、フィルム1への当接を維持する。従って、フィルム1は、幅方向に移動しつつも、搬送方向には移動しない。第二の位置は、ガイド72に対してフィルム1の幅より短い距離隔てた距離であるので、フィルム1は図5(3)に示すように撓んだ状態となる。
【0038】
図5(3)に示す状態から、押し当て用モータ749がさらに駆動され、押し当て用カムローラ748を所定の小さい角度反時計回りに回転させて停止させる。この結果、ホルダー本体741及び下アーム部743は、揺動軸744内のコイルスプリングの弾性力により時計回りに少し揺動する。停止後の状態が、図6(1)に示すように、押し当て具73が第三の位置に位置する状態となるよう揺動角が設定されている。
【0039】
第三の位置は、ガイド72からの距離がフィルム1の幅に等しい位置であるので、図5(3)の状態から図6(1)の状態になる過程で、フィルム1は自らの弾性により撓んだ姿勢を解消し、フラットな姿勢に戻る。この際にも、コロ75はフィルム1への当接を維持しており、フィルム1に一定の摩擦力を与え続ける。加えて、押し当て具73が第三の位置でフィルム1を受け止めるようになっている。このため、フィルム1がフラットな姿勢に戻る際にも、フィルム1の縁はガイド72に実質的に接触したままの状態が維持される。
【0040】
図6(1)の状態になると、位置決めが完了したことになる。この後、ニップ開閉機構が動作し、一対のニップローラ761,762を再び閉状態とする。そして、押し当て用モータ749がさらに駆動され、押し当て用カムローラ748をさらに反時計回りに所定角度揺動させる。この結果、ホルダー本体741及び下アーム部743は、揺動軸744内のコイルスプリングの弾性力によりさらに反時計回りに揺動する。これに伴い、図6(2)に示すように、押し当て具73は、位置決めステージ71からさらに離れた位置となり、フィルム1に接触しない状態となる。また、支持板731がストッパ板732に当接した状態となる。
【0041】
そして、押し当て用モータ749がさらに駆動され、押し当て用カムローラ748をさらに反時計回りに所定角度揺動させる。この結果、ホルダー本体741及び下アーム部743は、揺動軸744内のコイルスプリングの弾性力f1によりさらに反時計回りに揺動する。支持板731がストッパ板732に当接しているので、この揺動の過程で、支持板731がストッパ板732を介して上アーム部742を全体に時計回りに押す。この結果、図6(3)に示すように、上アーム部742がアーム軸746を中心にして時計回りに揺動し、コロ75がフィルム1から離れて上昇する。尚、上アーム742を時計回りに揺動させる力は、揺動軸744内のコイルスプリングの弾性力f1である。上アーム部742は、アーム軸743内のコイルスプリングの弾性力f2に逆らって時計回りに揺動するので、f1はf2より大きくなるよう設定されている。
【0042】
図6(3)の状態では、押し当て具73は第一の位置であり、フィルム1の状態以外は図6(1)に示す状態と同じである。図6(3)に示す状態から、図2に示す搬送用モータ261が動作し、フィルム1を所定距離搬送する。この後、フィルム1は、精密送り機構25の二対の送りローラ251に挟まれた状態となり、露光中は精密送り機構25によって走査手段22に同期して送られる。
【0043】
尚、位置決めステージ71と送りローラ251との間には、不図示の露光部用センサが設けられている。露光部用センサによってフィルム1の前縁が検出された後、所定のタイミングでレーザー光が露光を開始するようになっている。つまり、レーザー光による露光開始位置の制御は、幅方向については上述した位置決め機構7により行い、長さ方向(搬送方向)については露光部用センサを使用したタイムラグの制御により行っている。尚、図2に示すガイド72の位置と、露光開始位置とは、フィルム1の幅方向の位置関係が所定のものになるように設けられている。
【0044】
本実施形態のレーザーイメージャーでは、上述した通り、位置決め機構7においてフィルム1がガイド72に押し当てられることで位置決めが行われる。従って、イメージはフィルム1上の設定された位置に常に正しく可視化される。このため、イメージが斜めになってしまったり、イメージが欠けたりしてしまうことが無い。
【0045】
また、位置決めの際、押し当て具73が、ガイド72からの距離がフィルム1の幅より短い距離である第二の位置に位置してフィルム1を撓ませるまで押し込むので、フィルム1が確実にガイド72に当接する。このため、フィルム1の寸法誤差や機械精度上の限界にかかわらず、常に安定して位置決めが行える。
【0046】
また、上述したように、押し当て具73が、第一第二の位置に加え、ガイド72からの距離がフィルム1の幅にちょうど等しい第三の位置で停止するので、フィルム1が自らの弾性によりフラットな姿勢に戻った際にも、正しい位置を保持する。このため、この点でさらに位置決め精度が高くなっている。
尚、上述した第一位置や第二の位置は、押し当て具の形状、寸法、取付構造等を適宜設計することで達成されるが、これらの位置の微調整のため、ガイド72の位置を調整できるようにしておくことが好ましい。具体的には、ガイド72を、フィルム1の幅方向に僅かに変位できるよう取り付けて微調整可能とする。
【0047】
また、本実施形態では、位置決めの際のフィルム1の撓み方を制御することでより精度の高い位置決めとなるようにしている。以下、この点について図7を使用して説明する。図7は、位置決めの際のフィルム1の撓み方による位置決め精度について示した図である。
【0048】
前述したように、フィルム1が撓むまで完全に押し込むことによってフィルム1はガイド72に完全に接触し、位置決めが高い精度で行われる。但し、フィルム1の撓み方については、基本的には図7に示すように二通りある。一つは、図7(1)に示すように、下側に凸になる撓み方である。もう一つは、図7(2)に示すように、上側に凸になる撓み方である。尚、本実施形態では、コロ75がフィルム1を押さえ付けるので、上に凸になる撓み方でも、実際には、山が二つできた状態になる。
【0049】
もし、下側に凸となる撓み方の場合、正しく位置決めがされる場合もあるが、撓み方が大きくなると、正しく位置決めされない可能性もある。即ち、フィルム1の右端がガイド72を乗り越えてしまったり(図7(1’))、左端が押し当て具73を乗り越えてしまった場合(図7(1”))、押し当て具73を戻して第三の位置に停止させても、フィルム1は正しい位置から大きくずれてしまう可能性が高い。一方、図7(2)に示すように、フィルム1が上に凸となるよう撓む場合、このような問題はなく、常に正しい位置に位置決めできる。
【0050】
上に凸になるようにフィルム1を撓ませるには、ガイド72の形状や押し当て具73の構成が重要である。図7(2)に示すように、本実施形態では、ガイド72は、上側で位置決めステージ71側に折れ曲がっている。このため、フィルム1の端が浮き上がってフィルム1が下に凸になるようになるのが抑制される。位置決めステージ71側に曲げられたガイド72の上側部分の水平に対する角度(図7(2)にθ1で示す)は、30度〜60度程度が好ましい。また、ガイド72のうち、垂直な部分の上端と位置決めステージ1との高低差(図7(2)にhで示す)は、−0.5〜1.0mm程度が好ましい。さらに、位置決めステージ71に当接した際に押し当て具73が位置決めステージ1に対して成す角(図7にθ2で示す)は、90度より小さいことが好ましく、例えば78度程度である。このような構成により、フィルム1の端がガイド72や押し当て具73を乗り越えてしまうことが効果的に防止されている。
【0051】
また、本実施形態では、フィルム1をガイド72に押し当てた後、フィルム1がガイド72から離れようとするのをコロ75が制動するようになっているので、フィルム1の弾性によって位置ずれが再発してしまうのが防止されている。このため、さらにイメージの位置精度が高くなる。尚、コロ75により制動を行う場合以外に、他の制動具を使用するようにしても良い。例えば、フィルム1をガイド72に近い側の端部で摘む小さな一対のピンチローラを設けて制動を行っても良い。
【0052】
尚、押し当て具73によってフィルム1を押し出す際、フィルム1の側縁がガイド72に丁度当接するように制御するようにすれば、上記制動具による制動は不要である。但し、フィルム1の位置ずれ量が不明な場合、この制御は難しく、あまり実用的ではない。通常起こりうる位置ずれを上回る距離でフィルム1を押して変位させるようにし、撓みを制動しながら弾性により解消させるようにする上記構成は、極めて実用的である。
【0053】
また、上述したように、位置決めのためにニップを開状態にした場合でも、コロ75がフィルム1の搬送方向の移動を規制するので、位置決め中にフィルム1の搬送方向の位置に変化してしまうことがない。位置決めステージ71上に達したフィルム1が完全に水平な姿勢であれば、このような構成は不要であるが、全体に大型化する欠点がある。
コロ75は、前述したようにフィルム1の幅方向の移動を許容ししつ搬送方向の移動を規制する移動規制具の一例であるが、コロ75以外の構成が採用されることもある。例えば、位置決めステージ71の前方の縁に可動ストッパを設けるようにする。位置決めを行う際には、可動ストッパを搬送ライン上に突出させてフィルム1を停止させ、位置決め後にフィルム1を送る場合には、可動ストッパを退避させるようにする。
【0054】
尚、上記実施形態では、コロ75は、制動具と移動規制具の両方を達成している。このため、部品点数が少なくてコストが安くなり、また構造もシンプルになっている。
上記実施形態では、ニップ開閉機構は、上側ローラ762のみを駆動してニップを開放するものであったが、両方のニップローラ761,762を同時に駆動してニップ開放する場合もある。以下、この点について図8を使用して説明する。図8は、一対のニップローラ761,762を同時に駆動してニップを開放するニップ開放機構の構成を示した斜視概略図である。
【0055】
図8に示すニップ開閉機構は、一対のニップローラ761,762のうちの下側のニップローラ(以下、上側ローラ)761を開閉する下側開閉ユニット77と、一対のニップローラ761,762のうちの上側のニップローラ(以下、上側ローラ)762を開閉する上側開閉ユニット78とから主に構成されている。下側開閉ユニット77は、下側ローラ761を保持した下側保持板771と、下側保持板771に固定された下側駆動板772と、下側駆動板772を介して下側保持板771を揺動させる下側カムローラ773と、下側カムローラ773を回転させる下側モータ774とから主に構成されている。
【0056】
下側保持板771は、垂直な姿勢であって、左右に設けられている。下側保持板771は、左右で下側ローラ761を保持している。左右の下側保持板771は、下側連結板775により連結されている。
一方の側の下側保持板771のほぼ中央には、水平な下側揺動軸776が取り付けられている。下側揺動軸776は、不図示のフレームに固定されている。下側揺動軸776内には、不図示のコイルスプリングが設けられている。下側揺動軸776内のコイルスプリングは、下側ローラ761が上昇する向きに下側保持板771が揺動するよう弾性力(f3)を作用させている。下側モータ774が駆動されると、下側カムローラ773が弾性力f3に逆らって下側保持板771を揺動させ、この結果、下側ローラ761が下方に移動する。
【0057】
また、上側開閉ユニット78は、上側ローラ762を保持した上側保持板781と、上側保持板781に固定された上側駆動板782と、上側駆動板782を介して上側保持板781を揺動させる上側カムローラ783と、上側カムローラ783を回転させる上側モータ784とから主に構成されている。
上側保持板781も、垂直な姿勢であって、左右に設けられ、左右で上側ローラ762を保持している。左右の上側保持板781は、上側連結板785により連結されている。また、上側駆動板782は、上側785のほぼ中央に固定されている。
【0058】
一方の側の上側保持板781のほぼ中央には、水平な下側揺動軸786が取り付けられている。上側揺動軸786も、不図示のフレームに固定されており、内部に不図示のコイルスプリングを有している。上側揺動軸786内のコイルスプリングは、上側ローラ762が上昇する向きに上側保持板781が揺動するよう弾性力(f4)を作用させている。
下側モータ774が駆動されると、下側カムローラ773が弾性力f4に逆らって下側保持板771を揺動させ、この結果、下側ローラ761が下方に移動するようになっている。
【0059】
尚、下側開閉ユニット77及び上側開閉ユニット78は、同期して動作するようになっている。即ち、同じタイミングで、下側開閉ユニット77が下側ローラ761を下降させ、上側開閉ユニット78が上側ローラ762を上昇させ、ニップ開の状態とする。また、同じタイミングで、下側開閉ユニット77が下側ローラ761を上昇させ、上側開閉ユニット78が上側ローラ762を下降させ、ニップ閉の状態とする。
【0060】
尚、各実施形態では、現像部3は熱現像を行うものであったが、原理的には、本願の発明は、現像液を使用するような他の方式の現像を行う場合にも応用が可能である。
また、レーザーイメージャーの用途しては、専ら医療分野について説明されたが、これ以外の用途に用いられるものであっても良い。
【0061】
【発明の効果】
以上説明した通り、本願の各請求項記載の発明によれば、位置決め機構においてフィルムがガイドに押し当てられることで位置決めが行われる。従って、イメージはフィルム上の設定された位置に常に正しく可視化される。このため、イメージが斜めになってしまったり、イメージが欠けたりしてしまうことが無い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の実施形態に係るレーザーイメージャーの概略構成を示す斜視図である。
【図2】位置決め機構7の概略構成を示す斜視図である。
【図3】図2に示す押し当て具73の詳細構造を示す断面概略図である。
【図4】ニップ開閉機構の概略構成を示す斜視図である。
【図5】位置決め機構7の動作について示した図である。
【図6】位置決め機構7の動作について示した図である。
【図7】位置決めの際のフィルム1の撓み方による位置決め精度について示した図である。
【図8】一対のニップローラ761,762を同時に駆動してニップを開放するニップ開放機構の構成を示した斜視概略図である。
【符号の説明】
1 フィルム
2 露光部
21 レーザー発振器
22 走査手段
23 照度変更手段
3 現像部
31 ヒートローラ
32 接触ローラ
33 現像用モータ
4 フィルム収容部
5 フィルム排出部
6 搬送系
7 位置決め機構
71 位置決めステージ
72 ガイド
73 押し当て具
74 ホルダー
75 コロ
761 ニップローラ
762 ニップローラ
78 上側開閉ユニット
Claims (5)
- 感光層が表面に形成されたフィルム上にレーザー光を照射して露光する露光部と、露光後のフィルムを現像して潜像を可視化する現像部と、未露光のフィルムを収容したフィルム収容部と、現像後のフィルムが排出されるフィルム排出部と、フィルム収容部、露光部、現像部、フィルム排出部の順にフィルムを搬送する搬送系とから成るレーザーイメージャーであって、
露光部は、照射するレーザー光を発振するレーザー発振器と、フィルムの幅方向にレーザー光を走査させる走査手段と、フィルム上で走査されるレーザー光の照度を可視化すべきイメージのデータに従って変更させる照度変更手段とを備えており、
搬送系は、露光部に搬送される際のフィルムの幅方向の位置を位置決めする位置決め機構を有しており、
位置決め機構は、フィルムの搬送路の一方の側に設けられたガイドと、停止したフィルムをガイドに向けて移動させフィルムの側縁をガイドに押し当てる押し当て具とより成るものであり、
位置決め機構は、押し当て具を、停止したフィルムに接触しない第一の位置に位置させた後、フィルムに接触した第二の位置に位置させるものであり、
さらに、前記第二の位置は、前記ガイドからの距離がフィルムの幅より短い位置であり、前記位置決め機構は、前記押し当て具を前記第一の位置に位置させた後、前記第二の位置に位置させ、その後、前記押し当て具を第三の位置に位置させるものであり、
第三の位置は、前記ガイドからの距離がフィルムの幅に等しいかそれより長い位置であることを特徴とするレーザーイメージャー。 - 前記位置決め機構は、水平な姿勢の位置決めステージを備えており、位置決めステージを挟んで搬送方向の一方の側に前記ガイドが設けられ、他方の側に前記押し当て具が設けられており、
前記搬送系は、フィルムを挟んだ状態で互いに逆向きに回転することでフィルムを位置決めステージに搬送する一対のニップローラを備えており、この一対のニップローラは、フィルムを位置決めステージに搬送して停止させた後、フィルムを開放した状態とし、前記押し当て具が、前記第一の位置から第二の位置、そして第三の位置に位置した後、再びフィルムを挟んだ状態としてフィルムを位置決めステージから送り出すものであることを特徴とする請求項1記載のレーザーイメージャー。 - 前記第二の位置は、前記ガイドからの距離がフィルムの幅より0.5〜4mm短い位置であり、前記第三の位置は、前記ガイドからの距離がフィルムの幅に等しい位置であることを特徴とする請求項1又は2記載のレーザーイメージャー。
- 前記第二の位置は、前記ガイドからの距離がフィルムの幅より0.5〜4mm短い位置であり、前記第三の位置は、前記ガイドからの距離がフィルムの幅に0.5mm加えた距離であることを特徴とする請求項1又は2記載のレーザーイメージャー。
- 前記押し当て具が前記ガイドに向けてフィルムを移動させる際、フィルムの幅方向の移動を許容ししつ搬送方向の移動を規制する移動規制具が設けられていることを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載のレーザーイメージャー。
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