JP3897605B2 - カラーフィルターの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示素子やCCDに用いられるカラーフィルターを製造するのに好適なカラーフィルターの製造方法に関し、特にプラスチック基板にも対応できる、新規なカラーフィルターの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
カラー液晶表示装置は、CRTと比較するとコンパクトで性能面では同等以上でありテレビ画面、パソコン画面、携帯電話の表示部、その他の表示装置として、近年非常に躍進を遂げている。カラーフィルターはこのようなカラー液晶表示装置に不可欠な構成部品である。
カラー液晶表示装置は、基板としてガラスを用いているため、割れやすい、重い、厚い等の問題がある。これに対応して特開平11−271736号公報等において、プラスチックを液晶用基板として使用することが種々検討されている。しかし、プラスチック基板はガラス基板と比較して空気中の酸素ガスを透過させやすく、それにより液晶寿命が短くなること、或いはカラーフィルターや透明電極、配向膜の製造に必要な高温に対して基板の耐熱性がないため、従来の材料のように高温処理が出来ない等問題がある。
【0003】
特開2000−214468号公報には、特定のポリアミド酸を含有してなる液晶配向膜用組成物が記載されている。この液晶配向膜用組成物は、プラスチック基板に使用できる低温硬化可能で、良好な配向性を示すことが開示されている。
特許第2937208号公報には、熱架橋剤としてアクリルモノマーあたり脂肪族エポキシ基を10〜40質量%使用する硬化性組成物が記載されている。また、特公平2−42371号公報には、2個のカルボキシル基を有するエポキシ化合物を使用した硬化性組成物が記載されている。特開平6−1938号公報には、エポキシ化合物を含有するカラーフィルター用組成物が記載されている。
【0004】
一方、光重合開始剤としては、これまで各種化合物が知られている。例えば特開昭59−197401号公報にはベンゾフェノン骨格含有多価パーオキシエステルからなる光重合開始剤が記載されている。また、重合開始剤として特定の構造のベンゾフェノン系化合物を含有するカラーフィルター用の組成物が、感度の優れたカラーフィルターの作製を可能にするものとして提案されている(例えば、特開平6−348010号公報及び特開平10−62619号公報参照)。
【0005】
更に、脂環式エポキシ化合物を含有した組成物として、特開平11−258790号公報には、顔料、カルボキシル基含有共重合体、脂環式環に直接酸素原子が結合した脂環式エポキシ基を分子内に少なくとも3個有する光カチオン重合性化合物、光ラジカル重合性モノマー、光重合開始剤及び溶剤を含有する着色感光性樹脂組成物が記載されており、また特開平7−188392号公報には脂環式エポキシ樹脂組成物をカラーフィルター用保護膜に使用することにより耐熱性、耐薬品性の向上を図ることが開示されている。
【0006】
カラー液晶表示装置のカラーフィルターの製造においては、年々増大する需要に対し、基板の面積を大きくし、多面取りをして生産効率を上げることが進んでいる。しかしながら、カラーフィルターの材料面から生産性を上げることは余り進んでおらず、より一層の生産効率の向上が望まれている。特に、カラーフィルターの生産効率を上げるために、低温あるいは短時間で十分に硬化することが可能な光硬化性組成物の開発が望まれているが、上記各技術では、このような要望には応えることができなかった。特に、永久膜として耐久性の優れたカラーフィルターにするために最終工程で加熱により樹脂の熱硬化を促進しているが、従来のカラーフィルター用の硬化性組成物では、200℃以上の温度でしかも十数分以上の処理を必要としていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、低温あるいは短時間で十分に硬化することが可能なカラーフィルター用光硬化性組成物を提供することである。本発明の更なる目的は、低温で十分硬化することができ、プラスチック基板の使用に好適な、顔料分散系カラーフィルター用光硬化性組成物を提供することである。本発明の他の目的は、特に現状のガラス基板にカラーフィルターを形成する際には、短時間で熱処理ができ、カラーフィルター生産効率を著しく向上させることが出来る顔料分散系カラーフィルター用光硬化性組成物を提供することであり、更に、カラーフィルターの製造上必要かつ最適な熱処理工程において種々の条件を選択できるようにすることにある。本発明の更なる目的は、特にはカラーフィルターの生産効率を著しく向上でき、安価で製造することができるカラーフィルターの製造方法を提供することにあり、特に、カラーフィルターの製造工程を完全にライン化する方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、下記構成のカラーフィルターの製造方法が提供される。
(1)下記のカラーフィルター用光硬化性組成物を基板上に塗布する工程と、加熱乾燥して乾燥塗布膜を形成する工程と、パターン状に光硬化処理を行う工程と、アルカリ現像を行う工程と、横軸を処理時間(t秒)、縦軸を処理温度(T℃)とするグラフ(図5)上において、T=500、T=150、t=10、t=4000、T×logt=600およびT×logt=260の各々の線で囲まれた領域内に入る処理温度と処理時間の組み合わせで前記塗布膜に熱硬化処理を行う工程とをこの順に含むことを特徴とするカラーフィルターの製造方法。
カラーフィルター用光硬化性組成物:
着色剤、アルカリ可溶性樹脂、光重合性モノマー、光重合開始剤、熱重合架橋剤及び溶剤を含有するカラーフィルター用光硬化性組成物において、前記熱重合架橋剤が多官能脂環式エポキシ化合物であり、前記多官能脂環式エポキシ化合物が、炭化水素Rに−O−(A)m−Hがn個置換したR'[−O−(A)m−H]n(式中、Rは炭化水素を表す。R'は炭化水素Rから[−O−(A)m−H]nが置換したn個の水素原子を除いた残基を表す。Aは少なくとも1つのエポキシ基を有する脂環式基を表す。mは1〜100を表す。nは1〜100を表す。但し、m×nは2〜100であり、複数のAは同じでも異なっていてもよい。)で表される化合物であり、かつ、前記光重合開始剤が下記一般式(1)で表される化合物である
【化4】
Figure 0003897605
(式中、R1及びR2はそれぞれ独立に、炭素数1〜20のアルキル基又はアラルキル基を表し、R3及びR4はそれぞれ独立に、水素原子、カルボキシル基、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数1〜10のハロゲン化アルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基又は炭素数2〜20のジアルキルアミノ基を表し、xは、0、1または2であり、yは1、2または3である。)
【0013】
カラー液晶表示装置やCCDに用いられるカラーフィルターは、フォトレジスト法で製造されるのが主流になっている。フォトレジスト法では、3色パターンを形成するのに光硬化性樹脂とともに、高い機械的強度を得るために熱硬化性樹脂を使用するのが一般的となっている。熱硬化性樹脂を硬化するために、通常200℃以上の高温度で加熱処理する。しかしながら、この熱硬化性樹脂は加熱硬化すると変色するという特性を有し、色特性を求められる液晶表示装置やCCDには十分な比率で熱硬化性樹脂を添加することができなかった。前述の如く、検討されているプラスチック基板では、熱変形の点から200℃以上の加熱処理は困難であった。
本発明においては、アルカリ可溶性樹脂、光重合性モノマー、光重合開始剤、及び溶剤を含有する組成物に、熱重合架橋剤として多官能脂環式エポキシ化合物を用いることで低温度で架橋、硬化することができるようになり、熱処理による変色もなくなった。更に、光重合開始剤として熱重合開始剤を兼ねる特定の化合物を含有させることにより、本発明の効果が一層顕著になる。
【0014】
カラーフィルターの製造工程は、通常、光硬化性組成物のスピンコートなどによる塗布膜の塗布工程、該塗布膜の乾燥工程(プリベーク)、塗布膜の表面にカラーフィルターの各色のパターン露光、現像工程、得られたパターン膜に永久膜としての耐久性を付与するための熱処理工程(ポスト・ベーク)の一連の工程から成り立っている。そして、従来の製造方法では、塗布工程から現像工程まではその処理時間が数十秒から数分の範囲内であるのでライン化ができたが、最後の工程であるポスト・ベークが数十分のオーダーが必要であったので、カラーフィルターの製造工程全体を通しての完全ライン化が難しかった。そのため、ポスト・ベークはどうしてもバッチ式で処理せざるを得ず、例えば、処理枚数の収容量が大きな乾燥炉中で処理せざるを得ず、工程時間が長くなるだけでなく、設備の大型化が避けられなかった。本発明の製造方法を採用すれば前記のように1分以内の数十秒のオーダーでポスト・ベークが可能なので、完全ライン化が可能にでき、工程が短縮化できるだけではなく、設備の小型化、低廉化、工場内スペースの節約が可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の光硬化性組成物に用いられる配合成分、該組成物の使用方法について説明する。
【0016】
〔I〕(a)光重合性モノマーと光重合開始剤
本発明の組成物に用いられる光重合性モノマーとしては、少なくとも1個の付加重合可能なエチレン基を有する、常圧下で100℃以上の沸点を持つエチレン性不飽和基を持つ化合物が好ましい。
【0017】
少なくとも1個の付加重合可能なエチレン性不飽和基をもち、沸点が常圧で100℃以上の化合物としては、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等の単官能のアクリレートやメタアクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリ(アクリロイロキシエチル)イソシアヌレート、グリセリンやトリメチロールエタン等の多官能アルコールにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加させた後(メタ)アクリレート化したもの、ペンタエリスリトール又はジペンタエリスリトールのポリ(メタ)アクリレート化したもの、特公昭48−41708号公報、特公昭50−6034号公報、特開昭51−37193号公報等に記載されているようなウレタンアクリレート類、特開昭48−64183号公報、特公昭49−43191号公報、特公昭52−30490号各公報等に記載されているポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸の反応生成物であるエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタアクリレートを挙げることが出来る。更に、日本接着協会誌Vol.20、No.7、300〜308頁に光硬化性モノマー及びオリゴマーとして紹介されているものも使用できる。
【0018】
また、上記した多官能アルコールにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加させた後(メタ)アクリレート化した化合物が、特開平10−62986号公報に一般式(1)及び(2)としてその具体例と共に記載されており、これらも光重合性モノマーとして用いることができる。
【0019】
これらの光重合性モノマーまたはオリゴマーは、本発明の組成物が光の照射により接着性を有する塗膜を形成し得るならば,本発明の目的および効果を損なわない範囲で任意の割合で使用できる。使用量は、カラーフィルター用組成物の全固形分の5〜90重量%、好ましくは10〜50重量%である。ここで、全固形分とは、組成物を構成する全成分から溶媒を除いた残りの成分をいう。
【0020】
本発明の組成物に用いられる光重合開始剤としては、好ましくは下記一般式(1)で表わされるベンゾフェノン系化合物の中から選択された少なくとも1種が用いられる。なお、この化合物は熱重合開始剤も兼ねるものである。即ち、一般式(1)で表わされる化合物は、光・熱重合開始剤として機能する。
【0021】
【化13】
Figure 0003897605
【0022】
式中、R1及びR2はそれぞれ独立に、炭素数1〜20、好ましくは炭素数2〜15、より好ましくは炭素数4〜10のアルキル基又はアラルキル基を表し、特には過酸化物として安定な炭素原子を4〜10個有する3級アルキル基が最も好ましく、例えばt−ブチル基、1,1−ジメチルプロピル基、1,1−ジメチルブチル基、1,1−ジメチルペンチル基等が挙げられる。
【0023】
3及びR4はそれぞれ独立に、水素原子、カルボキシル基、炭素数1〜10、好ましくは1〜5のアルキル基、炭素数1〜10、好ましくは炭素数1〜5のアルコキシ基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基又は炭素数2〜20のジアルキルアミノ基を表す。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられる。
アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等が挙げられる。
ハロゲン化アルキル基としては、クロロメチル基、ジクロロメチル基、採りクロロメチル基、ブロモメチル基、ジブロモメチル基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素原子などが挙げられる。ジアルキルアミノ基としては、N,N−ジメチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基等が挙げられる。
xは、0、1または2であり、好ましくは2である。
yは1、2または3であり、好ましくは2である。
【0024】
本発明で使用され得る一般式(1)のベンゾフェノン系化合物の具体例としては、限定されるものではないが、3,3’,4,4’−テトラ(t-ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン(上記式(2)の化合物)、3,3’,4,4’−テトラ(t−アミルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン(上記式(3)の化合物)、3,3’,4,4’−テトラ(t-ヘキシルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン(上記式(4)の化合物)、3,3’,4,4’−テトラ(t-オクチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン(上記式(5)の化合物)、3,3’,4,4’−テトラ(クミルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン(上記式(6)の化合物)、3,3’,4,4’−テトラ(イソプロピルクミルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(p−メンチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,4,4’−トリ(t-ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,5,4’−トリ(t-ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,4,5−トリ(t-ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,3,4−トリ(t-ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,4,4’−トリ(t-アミルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,4,4’−トリ(t-ヘキシルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,4,4’−トリ(t-オクチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,4,4’−トリ(クミルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4−メトキシ−3’,4’,5’−トリ(t-ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4−エトキシ−3’,4’,5’−トリ(t-ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4−ジメチルアミノ−3’,4’,5’−トリ(t-ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4−ジエチルアミノ−3’,4’,5’−トリ(t-ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4−シアノ−3’,4’,5’−トリ(t-ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4−メチル−3’,4’,5’−トリ(t-ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4−エチル−3’,4’,5’−トリ(t-ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4−シクロヘキシル−3’,4’,5’−トリ(t-ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4−ニトロ−3’,4’,5’−トリ(t-ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4−ジメチルアミノ−3’,4’−ジ(t-ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4−ジエチルアミノ−3’,4’−ジ(t-ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4−シアノ−3’,4’−ジ(t-ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4−メチル−3’,4’−ジ(t-ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4−エチル−3’,4’−ジ(t-ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4−シクロヘキシル−3’,4’−ジ(t-ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4−ニトロ−3’,4’−ジ(t-ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン等が挙げられる。
【0025】
上記の中でも、特に下記化合物が好ましい。
3,3’,4,4’−テトラ(t-ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン(上記式(2)の化合物)、
3,3’,4,4’−テトラ(t−アミルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン(上記式(3)の化合物)、
3,3’,4,4’−テトラ(t-ヘキシルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン(上記式(4)の化合物)、
3,3’,4,4’−テトラ(t-オクチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン(上記式(5)の化合物)、及び
3,3’,4,4’−テトラ(クミルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン(上記式(6)の化合物)
尚、これら化合物は、単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
【0026】
本発明において、上記式(1)で表わされる化合物の配合量は、組成物中の光重合性モノマーに対して0.5質量%〜20質量%が好ましく、より好ましくは1質量%〜15質量%である。配合量が0.5質量%より少ないと重合が進み難く、また、20質量%を超えると組成物の粘度が経時変化したり、フォトリソグラフィー特性の解像度が経時で悪くなる等保存安定性に問題が起きる場合がある。
【0027】
本発明においては、上記式(1)で表わされる化合物以外の化合物も光重合開始剤として好ましく用いることがでいる。
本発明において使用できる他の光重合開始剤としては、下記(イ)と(ロ)を好ましく挙げることができる。
(イ)ハロメチルオキサジアゾール化合物、ハロメチル−s−トリアジン化合物から選択された少なくとも一つの活性ハロゲン化合物、および3−アリール置換クマリン化合物。
(ロ)少なくとも1種のロフィン二量体。
【0028】
(イ)のハロメチルオキサジアゾールやハロメチル−s−トリアジン等の活性ハロゲン化合物の内、ハロメチルオキサジアゾール化合物としては、特公昭57−6096号公報に記載の下記一般式IVで示される2−ハロメチル−5−ビニル−1,3,4−オキサジアゾール化合物が挙げられる。
【0029】
【化14】
Figure 0003897605
【0030】
一般式IV中:
Wは、置換された又は無置換のアリール基を、Xは水素原子、アルキル基又はアリール基を表す。
Yは、弗素原子、塩素原子又は臭素原子を表す。
nは、1〜3の整数を表す。
一般式IVの具体的な化合物としては、2−トリクロロメチル−5−スチリル−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(p−シアノスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(p−メトキシスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール等が挙げられる。
上記ハロメチル−s−トリアジン系化合物の光重合開始剤としては、特公昭59−1281号公報に記載の下記一般式Vに示されるビニル−ハロメチル−s−トリアジン化合物、特開昭53−133428号公報に記載の下記一般式VIに示される2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス−ハロメチル−s−トリアジン化合物及び下記一般式VIIで示される4−(p−アミノフェニル)−2,6−ジ−ハロメチル−s−トリアジン化合物が挙げられる。
【0031】
【化15】
Figure 0003897605
【0032】
一般式V中:
Qは、Br又はClを表す。
Pは、−CQ3(Qは上記と同義である)、−NH2、−NHR、−N(R)2、又は−OR(ここで、Rはフェニル又はアルキル基を示す)を表す。
Wは、置換されていてもよい芳香族基、置換されていてもよい複素環式基、又は下記一般式VAで表される一価の基を表す。
【0033】
【化16】
Figure 0003897605
【0034】
一般式VA中、Zは−O−又は−S−であり、Rは上記と同義である。
【0035】
【化17】
Figure 0003897605
【0036】
一般式VI中:
Xは、Br又はClを表す。
m、nは0〜3の整数である。
R'は、下記一般式VIAで示され基を表す。
【0037】
【化18】
Figure 0003897605
【0038】
(上記一般式VIA中、R1は水素原子又はORc(Rc はアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アリール基)、R2はCl,Br、アルキル、アルケニル、アリール、又はアルコキシ基を表す。)
【0039】
【化19】
Figure 0003897605
【0040】
一般式VII中:
1、R2は、同一または異なって、水素原子、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、下記一般式VIIA又はVIIBで示される基を表す。
3、R4は、同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基を表す。
X、Yは、同一または異なって、Cl又はBrを表す。
m、nは、同一または異なって、0、1又は2を表す。
【0041】
【化20】
Figure 0003897605
【0042】
一般式VIIA及びVIIB中、R5、R6、R7は、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基を表す。置換アルキル基及び置換アリール基における置換基の例としては、フェニル基等のアリール基、ハロゲン原子、アルコキシ基、カルボアルコキシ基、カルボアリールオキシ基、アシル基、ニトロ基、ジアルキルアミノ基、スルホニル誘導体等が挙げられる。
【0043】
一般式VIIにおいて、R1とR2がそれらと結合している窒素原子と共に非金属原子からなる異節環を形成してもよく、その場合、異節環としては下記に示されるものが挙げられる。
【0044】
【化21】
Figure 0003897605
【0045】
一般式Vの具体的な例としては、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−p−メトキシスチリル−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(1−p−ジメチルアミノフェニル−1,3−ブタジエニル)−s−トリアジン、2−トリクロロメチル−4−アミノ−6−p−メトキシスチリル−s−トリアジン等が挙げられる。
【0046】
一般式VIの具体的な例としては、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(4−エトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(4−ブトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−〔4−(2−メトキシエチル)−ナフト−1−イル〕−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−〔4−(2−エトキシエチル)−ナフト−1−イル〕−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−〔4−(2−ブトキシエチル)−ナフト−1−イル〕−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(2−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(6−メトキシ−5−メチル−ナフト−2−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(6−メトキシ−ナフト−2−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(5−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(4,7−ジメトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(6−エトキシ−ナフト−2−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(4,5−ジメトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン等が挙げられる。
【0047】
一般式VIIの具体例としては、4−〔p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−メチル−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−メチル−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔p−N,N−ジ(フェニル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(p−N−クロロエチルカルボニルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔p−N−(p−メトキシフェニル)カルボニルアミノフェニル〕2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔m−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔m−ブロモ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔m−クロロ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔m−フロロ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−ブロモ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−クロロ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−フロロ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−ブロモ−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−クロロ−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−フロロ−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔m−ブロモ−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔m−クロロ−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔m−フロロ−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(m−ブロモ−p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(m−クロロ−p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(m−フロロ−p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o−ブロモ−p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o−クロロ−p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o−フロロ−p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(m−ブロモ−p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(m−クロロ−p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(m−フロロ−p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o−ブロモ−p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o−クロロ−p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o−フロロ−p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、等が挙げられる。
【0048】
これら開始剤には増感剤を併用することができる。その具体例として、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾイン、9−フルオレノン、2−クロロ−9−フルオレノン、2−メチル−9−フルオレノン、9−アントロン、2−ブロモ−9−アントロン、2−エチル−9−アントロン、9,10−アントラキノン、2−エチル−9,10−アントラキノン、2−t−ブチル−9,10−アントラキノン、2,6−ジクロロ−9,10−アントラキノン、キサントン、2−メチルキサントン、2−メトキシキサントン、2−メトキシキサントン、チオキサントン、ベンジル、ジベンザルアセトン、p−(ジメチルアミノ)フェニルスチリルケトン、p−(ジメチルアミノ)フェニル−p−メチルスチリルケトン、ベンゾフェノン、p−(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(またはミヒラーケトン)、p−(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、ベンゾアントロン等や特公昭51−48516号公報記載のベンゾチアゾール系化合物が挙げられる。
【0049】
(イ)における上記3−アリール置換クマリン化合物は、下記一般式VIIIで示される化合物である。
【0050】
【化22】
Figure 0003897605
【0051】
8は水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基(好ましくは水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基)を、R9は水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、下記一般式VIIIAで示される基(好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、一般式VIIIAで示される基、特に好ましくは一般式VIIIAで示される基)を表す。
10、R11はそれぞれ水素原子、炭素数1〜8のアルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、オクチル基)、炭素数1〜8のハロアルキル基(例えばクロロメチル基、フロロメチル基、トリフロロメチル基など)、炭素数1〜8のアルコキシ基(例えばメトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基)、置換されてもよい炭素数6〜10のアリール基(例えばフェニル基)、アミノ基、−N(R16)(R17)、ハロゲン原子(例えばCl、Br,F)を表す。好ましくは水素原子、メチル基、エチル基、メトキシ基、フェニル基、−N(R16)(R17)、Clである。
12は、置換されてもよい炭素数6〜16のアリール基(例えばフェニル基、ナフチル基、トリル基、クミル基)を表す。置換基としてはアミノ基、−N(R16)(R17)、炭素数1〜8のアルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、オクチル基)、炭素数1〜8のハロアルキル基(例えばクロロメチル基、フロロメチル基、トリフロロメチル基など)、炭素数1〜8のアルコキシ基(例えばメトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基)、ヒドロキシ基、シアノ基、ハロゲン原子(例えばCl、Br,F)が挙げられる。
13、R14、R16、R17は、同一または異なって、それぞれ水素原子、炭素数1〜8のアルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、オクチル基)を表す。R13とR14及びR16とR17は、互いに結合し窒素原子とともに複素環(例えばピペリジン環、ピペラジン環、モルホリン環、ピラゾール環、ジアゾール環、トリアゾール環、ベンゾトリアゾール環等)を形成してもよい。
15は、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、オクチル基)、炭素数1〜8のアルコキシ基(例えばメトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基)、置換されてもよい炭素数6〜10のアリール基(例えばフェニル基)、アミノ基、N(R16)(R17)、ハロゲン原子(例えばCl、Br,F)を表す。Zbは=O、=Sあるいは=C(R18)(R19)を表す。好ましくは=O、=S、=C(CN)2であり、特に好ましくは=Oである。R18、R19は、同一または異なって、シアノ基、−COOR20、−COR21を表す。R20、R21はそれぞれ炭素数1〜8のアルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、オクチル基)、炭素数1〜8のハロアルキル基(例えばクロロメチル基、フロロメチル基、トリフロロメチル基など)、置換されてもよい炭素数6〜10のアリール基(例えばフェニル基)を表す。
【0052】
特に好ましい3−アリール置換クマリン化合物は一般式IXで示される{(s−トリアジン−2−イル)アミノ}−3−アリールクマリン化合物類である。
【0053】
【化23】
Figure 0003897605
【0054】
(ロ)ロフィン二量体は2個のロフィン残基からなる2,4,5−トリフェニルイミダゾリル二量体を意味し、その基本構造を下記に示す。
【0055】
【化24】
Figure 0003897605
【0056】
その具体例としては、2−(o−クロルフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(p−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(p−メチルメルカプトフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体等が挙げられる。
【0057】
本発明では、以上の開始剤の他に他の公知のものも使用することができる。
例えば、米国特許第2,367,660号明細書に開示されているビシナールポリケトルアルドニル化合物、米国特許第2,367,661号明細書および第2,367,670号明細書に開示されているα−カルボニル化合物、米国特許第2,448,828号明細書に開示されているアシロインエーテル、米国特許第2,722,512号明細書に開示されているα−炭化水素で置換された芳香族アシロイン化合物、米国特許第3,046,127号および第2,951,758号明細書に開示されている多核キノン化合物、米国特許第3,549,367号明細書に開示されているトリアリルイミダゾールダイマー/p−アミノフェニルケトンの組合せ、特公昭51−48516号公報に開示されているベンゾチアゾール系化合物/トリハロメチロール−s−トリアジン系化合物等が挙げられる。
【0058】
本発明において、光重合開始剤全体の使用量は、組成物中の光重合性モノマーに対して0.5質量%〜60質量%、好ましくは1質量%〜50質量%である。開始剤の使用量が0.5質量%より少ないと重合が進み難く、また、60質量%を超えると重合率は大きくなるが分子量が低くなり膜強度が弱くなる。
【0059】
〔III〕 アルカリ可溶性樹脂
アルカリ可溶性樹脂としては、酸価が30〜150の範囲にあるアクリル系共重合体が好ましい。また、カラーフィルターやCCDに用いる場合には、アルカリ可溶性樹脂は変色性がなく、耐光性であるものが好ましい。
本発明の組成物では、好ましいアルカリ可溶性樹脂として、酸価が30〜150、好ましくは35〜120(KOHmg/gポリマー)の範囲であるアクリル系共重合体(以下、「アクリル系結着樹脂」ともいう」が用いられる。
【0060】
アクリル系結着樹脂は、上記の酸価を満たし、後記する溶剤に溶解し、かつ皮膜を形成して結着樹脂として機能するアクリル系共重合体であれば、特に制限されずに用いることができる。
【0061】
好ましいアクリル系結着樹脂の構成単位として、(メタ)アクリル酸と、共重合可能な他の単量体との共重合体が挙げられる。
【0062】
(メタ)アクリル酸と共重合可能な他の単量体としては、アルキル(メタ)アクリレート、アリ−ル(メタ)アクリレートやビニル化合物等が挙げられる。ここで、アルキル基及びアリール基の水素原子は、置換基で置換されていてもよい。
上記アルキル(メタ)アクリレート及びアリ−ル(メタ)アクリレートの具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジルアクリレート、トリルアクリレート、ナフチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート等を挙げることができる。
また、上記ビニル化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、グリシジルメタクリレート、アクリロニトリル、ビニルアセテート、N−ビニルピロリドン、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、ポリスチレンマクロモノマー、ポリメチルメタクリレートマクロモノマー等を挙げることができる。
特に好ましい共重合可能な他の単量体は、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート及びスチレンである。
これら共重合可能な他の単量体は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0063】
特に好ましいアクリル系結着樹脂は、(メタ)アクリル酸と、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、及びスチレンから選択される少なくとも1種の単量体との共重合体である。
【0064】
アクリル系結着樹脂は、既に述べたように、30〜150の範囲の酸価を有する。酸価が150を越えた場合、アクリル系結着樹脂がアルカリに対する溶解性が大きくなりすぎて現像適正範囲(現像ラチチュード)が狭くなる。一方、30未満と小さすぎると、アルカリに対する溶解性が小さく現像に時間がかかり過ぎ好ましくない。
また、アクリル系結着樹脂の質量平均分子量(GPC法で測定されたポリスチレン換算値)は、カラーレジストを塗布等の工程上使用しやすい粘度範囲を実現するために、また膜強度を確保するために、5,000〜100,000であることが好ましく、より好ましくは8,000〜50,000である。
【0065】
アクリル系結着樹脂の酸価を上記で特定した範囲とするには、各単量体の共重合割合を適切に調整することに容易に行うことができる。
また、質量平均分子量の範囲を上記範囲とするには、単量体の共重合の際に、重合方法に応じた連鎖移動剤を適切な量使用することにより容易に行うことができる。
アクリル系結着樹脂は、例えばそれ自体公知のラジカル重合法により製造することができる。ラジカル重合法でアクリル系結着樹脂を製造する際の温度、圧力、ラジカル開始剤の種類及びその量、溶媒の種類等々の重合条件は、当業者であれば容易に設定することができるし、実験的に条件を知ることもできる。
【0066】
本発明の組成物中のアルカリ可溶性樹脂の量は、組成物の全固形分の5〜90質量%であることが好ましく、より好ましくは10〜60質量%である。アルカリ可溶性樹脂の量が5質量%より少ないと膜強度が低下し、また、90質量%より多いと、酸性分が多くなるので、溶解性のコントロールが難しくなり、又相対的に顔料が少なくなるので十分な画像濃度が得られない。
【0067】
〔IV〕 熱重合架橋剤
本発明の組成物においては、熱重合架橋剤として多官能脂環式エポキシ化合物を含有することを特徴とする。この多官能脂環式エポキシ化合物の使用により、芳香族エポキシ化合物を使用した場合よりも、耐光性、耐熱性が優れ、脂肪族エポキシ化合物を使用した場合よりも、耐薬品性が優れた硬化膜を得ることができる。
多官能脂環式エポキシ化合物としては、エポキシ基を2個以上有し、脂環式構造を含む化合物を挙げることができる。脂環式構造としては、シクロへキサン、ノルボルネンや水素添加ビスフェノールAが好ましい。
尚、本発明における多官能とは、2官能以上を意味し、好ましくは5官能以上、より好ましくは8官能以上、特に好ましくは15官能以上である。
【0068】
i)シクロへキサン型
EHPE3150、セロキサイド2021、セロキサイド2080、エポリードGT300、エポリードGT400(以上、ダイセル化学工業(株)製)
ii) ノルボルネン型
特公平7−119269号に記載の多官能脂環式エポキシ化合物
iii) 水素添加ビスフェノールA型
サントートST−3000、サントートST−5080、サントートST−5100、サントートST−4000、サントートST−4100(以上、東都化成(株)製)
【0069】
本発明において、前記多官能脂環式エポキシ化合物が、炭化水素Rに−O−(A)m−Hがn個置換したR'[−O−(A)m−H]nで表される化合物であることが特に好ましい。
Rは炭化水素を表す。
R'は炭化水素Rから[−O−(A)m−H]nが置換したn個の水素原子を除いた残基を表す。
Aは少なくとも1つのエポキシ基を有する脂環式基を表す。
mは1〜100を表す。nは1〜100を表す。
m×nは2〜100である。m×nが大きい場合、生産性やその光硬化性組成物の保存安定性に問題が生じる場合がある。
mが2〜10、nは3〜6、m×nは6〜60が好ましく、mが3〜6、nは3〜6、m×nは8〜36がより好ましい。m×nは8〜20が特に好ましい。
n個ある[−O−(A)m−H]におけるA及びmは同じでも異なっていてもよい。m×nとは、n個の異なっていてもよいmの合計(m1,m2,m3, ,,,, + mn)であり当該多官能脂環式エポキシ化合物が有するAの合計数を表す。
【0070】
Rの炭化水素としては、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素を挙げることができ、好ましくはアルカンである。Rとしての炭化水素は、[−O−(A)m−H]n以外に置換基を有していてもよい。このような置換基としては水酸基、カルボキシル基、ハロゲン、−CNなどが挙げられる。
【0071】
上記の化合物は、例えば、アルコール類、フェノール類、カルボン酸類(R”−(OH)n、nは自然数、R"は一価の炭化水素基)などにおける活性水素を−(A)m−Hで置換したものである。
特公平7−119292号におけるように、Aの前駆体として、脂環を構成している隣り合う2つ炭素原子が同一の酸素原子に結合してエポキシ基を形成している化合物を、R”−(OH)nとの反応とともにエポキシ開環重合し、R[−O−(A)m−H]nを形成する方法に準じて合成することができる。
【0072】
Aは、好ましくは下記の基であり、
【0073】
【化25】
Figure 0003897605
【0074】
特に好ましいAは、下記の基である。
【0075】
【化26】
Figure 0003897605
【0076】
上記におけるRは、好ましくは炭素数1〜10のアルカンである。
炭素数1〜10のアルカンとしては、例えば、メタン基、エタン、n−プロ
パン、n−ブタン、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン、i−プロパン、i−ブタン、t−ブタン、i−ペンタン、t−ペンタン、i−ヘキサン、t−ヘキサン、i−ヘプタン、t−ヘプタン、i−オクタン、t−オクタン、i−ノナン、t−デカン等が挙げられる。
Rとして特に好ましくはメタン、エタン、n−ブタン、又はn−ペンタンである。
【0077】
また、水素添加ビスフェノールA型としては下記の化合物が好ましい。
【化27】
Figure 0003897605
【0078】
pは、1〜30の整数を表し、好ましくは5〜25、より好ましくは10〜20である。
【0079】
本発明においては、多官能脂環式エポキシ化合物としては上記一般式R'[−O−(A)m−H]nで示される化合物が好ましい。市販品として、ダイセル化学工業(株)製EHPE3150(2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサン付加物、m=5(平均)、n=3、m×n=15、エポキシ当量178g/eq)を挙げることができる。本発明の組成物においては、熱重合架橋剤として多官能脂環式エポキシ化合物を2種以上含有してもよい。
【0080】
多官能脂環式エポキシ化合物の組成物中の含有割合は、当量比で光硬化性組成物中のアルカリ可溶性樹脂のカルボシル基当量に対して、0.5〜1.5当量であることが好ましく、より好ましくは0.8〜1.2当量である。
多官能脂環式エポキシ化合物の配合量の計算は、架橋するアルカリ可溶性樹脂の酸価から当量比割合(1/1)にするとき次の計算式で配合量を求めることができる。
(COOH当量)=KOHの分子量×1000/(酸価)
多官能脂環式エポキシ化合物の配合量は上記計算式においてアルカリ可溶性樹脂のCOOH基とエポキシ基の数の比(エポキシ当量/COOH基当量)が、0.5未満では架橋密度が低くなる場合がある。また1.5を超えると架橋しないエポキシが存在することになり、特に液晶の電圧保持率の低下を引き起こす場合がある。尚、多官能脂環式エポキシ化合物の組成物中の含有量の基準として、アルカリ可溶性樹脂の官能基としてカルボキシル基の量にしたが、アルカリ可溶性樹脂中の他の官能基(フェノール性OH基等)が基準でもよい。
【0081】
〔V〕 有機過酸化物
本発明においては、上記の重合開始剤の他に、熱重合開始剤として有機過酸化物を使用してもよい。尚、光重合開始剤として上記一般式(1)で表わされる化合物を用いる場合、この化合物は熱重合開始剤としても機能する(即ち、光・熱重合開始剤)ため、他の熱重合開始剤を用いる必要はない。
ここで有機過酸化物とは、過酸化水素(H−O−O−H)の誘導体であり、分子内に−O−O−結合を持つ、上記一般式(1)以外の有機化合物を言う。
化学構造で分類すると、ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル、パーオキシジカーボネート等が挙げられる。これらの有機過酸化物の中でも、好ましくは分解温度がある程度高く常温では安定なもので、熱をかけると分解してラジカルを発生し、重合開始剤となる有機過酸化物である。
【0082】
このような有機過酸化物としては、ベンゾイルパーオキサイド、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ブチル パーオキシベンゾエート、ジt−ブチル パーオキシベンゾエート、ジt−ブチル パーオキシイソフタレート、t−ブチル パーオキシアセテート、t−ヘキシル パーオキシベンゾエート、t−ブチル パーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチル パーオキシラウレート、t−ブチル パーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチル パーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(m−トルイルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ヘキシル パーオキシ イソプロピル モノカーボネート、t−ブチル パーオキシイソブチレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシル パーオキシイソプロピル モノカーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキノイル パーオキシ)ヘキサン、t−ブチル パーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチル パーオキシ マレイックアシッド、シクロヘキサノン パーオキサイド、メチルアセトアセテート パーオキサイド、メチルヘキサノン パーオキサイド、アセチルアセトン パーオキサイド、1,1−ビス(t−ヘキシルプロキシ)−3,3,5−トリメチル シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、ジイソプロピルベンゼン ハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチル ハイドロパーオキサイド、キュメン ハイドロパーオキサイド、t−ブチル ハイドロパーオキサイド等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を組み合わせて使用することもできる。
有機過酸化物としては、下記一般式(A)で示される化合物が好ましい。
【0083】
【化28】
Figure 0003897605
【0084】
式(A)中、R1及びR2は、各々独立に、炭素数1から10のアルキル基を
表す。
式(A)における、R1、R2の炭素数1〜10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デカニル基、i−プロピル基、i−ブチル基、t−ブチル基、i−ペンチル基、t−ペンチル基、i−ヘキシル基、t−ヘキシル基、i−ヘプチル基、t−ヘプチル基、i−オクチル基、t−オクチル基、i−ノニル基、t−デカニル基等が挙げられる。
【0085】
本発明の組成物においては、熱重合開始剤として有機過酸化物を2種以上含有することができる。
有機過酸化物の組成物中の含有量は、光硬化性組成物中の光重合性モノマーの量に対して、1〜5質量%であることが好ましく、より好ましくは1.5〜2.5質量%である。
有機過酸化物の配合量としては、光重合性モノマーに対し、1質量%未満では効果が余りなく、5質量%を超えると組成物の粘度が経時変化したり、フォトリソグラフィー特性の解像度が経時で悪くなる等保存安定性に問題が起きる場合がある。
【0086】
〔VI〕 着色剤
本発明の光硬化性樹脂組成物を用いてカラーフィルターを製造するためには、更に着色剤を含有していることが好ましい。ここで、着色剤としては着色顔料または染料を挙げることができる。
本発明で使用できる染料は、特に制限はなく、従来カラーフィルター用として公知の染料が使用できる。例えば、特開昭64−90403号公報、特開昭64−91102号公報、特開平1−94301号公報、特開平6−11614号公報、特登2592207号公報、米国特許4808501号明細書、米国特許5667920号明細書、米国特許5268245号明細書、米国特許5140396号明細書、米国特許5059500号明細書、米国特許5667920号明細書、特開平5−333207号公報、特開平6−35183号公報、特開平6−51115号公報、特開平6−194828号公報、等に開示されている色素が使用できる。化学構造としては、ピラゾールアゾ系、アニリノアゾ系、トリフェニルメタン系、アントラキノン系、ベンジリデン系、オキソノール系、ピラゾロトリアゾールアゾ系、ピリドンアゾ系、シアニン系、トリフェニルメタン系、フェノチアジン系、ピロロピラゾールアゾメチン系等の染料が使用できる。特に、硬化性組成物は比較的低温での硬化が可能なので、顔料に比較して耐熱性に劣る染料であっても硬化膜に耐久性を付与するためのポスト・ベークの際の高温度下にさらされても分解等の問題が軽減することができる。
【0087】
本発明に用いることができる着色顔料としては、従来公知の種々の無機顔料または有機顔料を用いることができる。
無機顔料としては、金属酸化物、金属錯塩等で示される金属化合物であり、具体的には鉄、コバルト、アルミニウム、カドミウム、鉛、銅、チタン、マグネシウム、クロム、亜鉛、アンチモン等の金属酸化物、および前記金属の複合酸化物を挙げることができる。
有機顔料としては、カラーインデックス(C.I.)ナンバーで以下に示すもの、およびカーボンブラックが挙げられる。
C.I.Pigment Yellow:11、20、24、31、53、83,86、93、99、108、109、110、117、125、137、138、139、147、148、150、151、153、154、166、168、167、185
C.I.Pigment Orange:36、38、43、51、55、59、61
C.I.Pigment Red:9、97、105、122、123、149、150、155、168、171、175、176、177、180、192、209、215、216、217、220、223、224、226、227、228、240、242、254
C.I.Pigment Violet:19、23、29、30、32、37、39、40、50
C.I.Pigment Blue:1、2、15、15:3、15:6、16、22、60、64、66、
C.I.Pigment Green:7、36、37
C.I.Pigment Brown:23、25、26、28
C.I.Pigment Black:1、7
【0088】
これらの顔料として特に好ましいものを、以下に挙げることができるが、これらに限定されない。
【0089】
【化29】
Figure 0003897605
【0090】
【化30】
Figure 0003897605
【0091】
【化31】
Figure 0003897605
【0092】
【化32】
Figure 0003897605
【0093】
【化33】
Figure 0003897605
【0094】
【化34】
Figure 0003897605
【0095】
【化35】
Figure 0003897605
【0096】
【化36】
Figure 0003897605
【0097】
これら有機顔料は、単独もしくは色純度を上げるため種々組合せて用いられる。具体例を以下に示す。
赤色顔料と黄色顔料もしくは2種以上の赤色顔料を混合し、更に1種以上の黄色顔料を混合して使用することもある。混合比(質量比)の一般的な比率は100:20〜100:60であるが、この範囲を超えても差しつかえない。
【0098】
緑色顔料と黄色顔料との好ましい比は100:20〜100:80であるが、緑色顔料と黄色顔料もしくは2種以上の緑色顔料と2種以上の黄色顔料を混合して使用する。混合比(質量比)の一般的な比率は緑:黄が100:20〜100:60であるが、この範囲を超えても差しつかえない。
【0099】
青の顔料としては、フタロシアニン系顔料単独、又はジオキサジン系紫色顔料との混合が用いられ、例えばC.I.ピグメントブルー15:6とC.I.ピグメントバイオレット23との混合が良好であった。
青色顔料と紫色顔料の質量比は、100:5より100:50が良好であった。100:4以下では400nmから420nmの光透過率を抑えることが出来ず色純度を上げることが出来ない。100:51以上では主波長が長波長よりになりNTSC目標色相からのずれが大きくなる。特に100:5より100:20の範囲が最適である。
【0100】
更に上記の顔料をアクリル系樹脂、マレイン酸系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー及びエチルセルロース樹脂等に微分散させた粉末状加工顔料を用いることにより分散性及び分散安定性の良好な顔料含有感光樹脂を得ることが出来る。ブラックマトリックス用の顔料としては、カーボン、チタンカーボン、酸化鉄単独、又はこれらの混合が用いられ、カーボンとチタンカーボンの場合が良好である。
【0101】
一般に、これら顔料は合成後、種々の方法で乾燥を経て供給される。通常は水媒体から乾燥させて粉末体として供給されるが、水が乾燥するには大きな蒸発潜熱を必要とするため、乾燥して粉末とさせるには大きな熱エネルギーを与える。そのため、顔料は一次粒子が集合した凝集体(二次粒子)を形成しているのが普通である。
【0102】
この様な凝集体を形成している顔料を微粒子に分散するのは容易ではない。そのため顔料をあらかじめ種々の樹脂で処理しておくことが好ましい。これら樹脂として、前述の樹脂を挙げることができる。処理の方法としては、フラッシング処理やニーダー、エクストルーダー、ボールミル、2本又は3本ロールミル等による混練方法がある。このうち、フラッシング処理や2本又は3本ロールミルによる混練法が微粒子化に好適である。
【0103】
フラッシング処理は、通常、顔料の水分散液と水と混和しない溶媒に溶解した樹脂溶液を混合し、水媒体中から有機媒体中に顔料を抽出し、顔料を樹脂で処理する方法である。この方法によれば、顔料の乾燥を経ることがないので、顔料の凝集を防ぐことができ、分散が容易となる。2本又は3本ロールミルによる混練では、顔料と樹脂又は樹脂の溶液を混合した後、高いシェア(せん断力)をかけながら、顔料と樹脂を混練することによって、顔料表面に樹脂をコーティングすることによって、顔料を処理する方法である。この過程で凝集していた顔料粒子はより低次の凝集体から一次粒子にまで分散される。
【0104】
また、本発明においては、あらかじめアクリル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル樹脂、マレイン酸樹脂、エチルセルロース樹脂、ニトロセルロース樹脂等で処理した加工顔料も都合良く用いることができる。本発明において、上記の種々の樹脂で処理された加工顔料の形態としては、樹脂と顔料が均一に分散している粉末、ペースト状、ペレット状、ペースト状が好ましい。
また、樹脂がゲル化した不均一な塊状のものは好ましくない。この様にして得られた着色分散体は、感光性成分と混合され、感放射線性カラーフィルター用組成物に供される。
【0105】
本発明においては、青色系顔料(青色顔料単独もしくは紫色顔料併用)を含有するときに特に本発明の効果を一層顕著にすることができる。青色系顔料としては、通常この分野で使用されているものを用いることができ、可視域400nm〜700nmの中で400nm〜500nmの波長領域に最大吸収波長を有する顔料である。
従来、カラー液晶表示装置において重要な問題点として、カラーフィルター上に透明電極(ITO;インジウムチンオキサイド)をスパッタリングあるいは真空蒸着によって設けるときに、より高温でそれを設けることが望ましく、低温では長時間を要し、低温短時間では透明電極の抵抗値が上がり、液晶表示装置の消費電力を上げるという欠点を生じることがあった。この点でカラーフィルターの色素の化学構造、顔料濃度により特に青色系が耐熱性に劣り、透明電極をつけるときの問題となっていた。
本発明によるカラーフィルターでは220℃での耐熱変色を従来の半分以下にすることができ、液晶表示装置の製造上で懸案となっている青色系顔料の耐熱性について改良ができ、透明電極を付ける際の工程時間短縮または消費電力の更なる低減に貢献できる。
本発明のカラーフィルター用組成物中の顔料濃度は、固形物全質量に対して25質量%以上が好ましく、より好ましくは30〜50質量%、特に好ましくは35〜45質量%である。本発明は、顔料濃度がこの範囲外にあっても効果を発揮するものである。
本発明の組成物の全固形分濃度が組成物全質量に対して20質量%以上、好ましくは22〜30質量%のときに、本発明の効果が一層発揮される。
【0106】
〔VII〕 溶剤
本発明の組成物を調製する際に使用する溶剤としては、エステル類、例えば酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、アルキルエステル類、乳酸メチル、乳酸エチル、オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、
【0107】
3−オキシプロピオン酸メチル、3−オキシプロピオン酸エチルなどの3−オキシプロピオン酸アルキルエステル類;3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸プロピル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、
【0108】
ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル等;エーテル類、例えばジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、
【0109】
プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート等;ケトン類、例えばメチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等;芳香族炭化水素類、例えばトルエン、キシレシ等が挙げられる。
【0110】
これらのうち、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エチルセロソルブアセテート、乳酸エチル、ジエチレングリコールジメテルエーテル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート等が好ましく用いられる。
【0111】
これらの溶剤は、単独で用いてもあるいは2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0112】
〔VIII〕その他の成分
本発明の組成物には、必要に応じて各種添加物、例えば充填剤、上記以外の樹脂、界面活性剤、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、凝集防止剤等を配合することかできる。
【0113】
本発明の組成物には、上記樹脂以外の結着樹脂を本発明の目的の達成を損なわない範囲で、通常アクリル系結着樹脂100質量部に対して、30質量部以下を配合することができる。
配合することができる結着樹脂としては、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体、酸性セルロース誘導体、水酸基を有するポリマーに酸無水物を付加させたもの、ポリ2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ポリビニールピロリドン、ポリエチレンオキサイド、ポリビニールアルコール、アルコール可溶性ナイロン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)とエピクロルヒドリンから形成されたポリエーテル(フェノキシ樹脂)などが挙げられる。
【0114】
また、本発明の組成物には、界面活性剤を配合できる。
配合することができる界面活性剤としては、多くの種類の化合物が用いることができるが、例えば、フタロシアニン誘導体(市販品EFKA−745(森下産業製));オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業製)、(メタ)アクリル酸系(共)重合体ポリフローNo.75、No.90、No.95(共栄社油脂化学工業製)、W001(裕商製)等のカチオン系界面活性剤;ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ソルビタン脂肪酸エステル等のノニオン系界面活性剤;エフトップEF301、EF303、EF352(新秋田化成製)、メガファックF171、F172、F173(大日本インキ製)、フロラードFC430、FC431(住友スリーエム製)、アサヒガードAG710、サーフロンS382、SC−101、SC−102、SC−103、SC−104、SC−105、SC−1068(旭硝子製)等のフッ素系界面活性剤;W004、W005、W017(裕商製)等のアニオン系界面活性剤;EFKA−46、EFKA−47、EFKA−47EA、EFKAポリマー100、EFKAポリマー400、EFKAポリマー401、EFKAポリマー450(以上森下産業製)、ディスパースエイド6、ディスパースエイド8、ディスパースエイド15、ディスパースエイド9100(サンノプコ製)等の高分子分散剤;ソルスパース3000、5000、9000、12000、13240、13940、17000、24000、26000、28000などの各種ソルスパース分散剤(ゼネカ株式会社製);アデカプルロニックL31,F38,L42,L44,L61,L64,F68,L72,P95,F77,P84,F87、P94,L101,P103,F108、L121、P−123(旭電化製)およびイソネットS−20(三洋化成製)が挙げられる。
これらの化合物は、顔料の分散剤として用いられることが多い。
【0115】
他の添加物の具体例としては、ガラス、アルミナ等の充填剤;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等の密着促進剤;2,2−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチルフェノール等の酸化防止剤:2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、アルコキシベンゾフェノン等の紫外線吸収剤;およびポリアクリル酸ナトリウム等の凝集防止剤を挙げることができる。
【0116】
また、光未照射部のアルカリ溶解性を促進し、本発明の組成物の現像性の更なる向上を図る場合には、本発明の組成物に有機カルボン酸、好ましくは分子量1000以下の低分子量有機カルボン酸の添加を行うことができる。具体的には、例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ピバル酸、カプロン酸、ジエチル酢酸、エナント酸、カプリル酸等の脂肪族モノカルボン酸;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ブラシル酸、メチルマロン酸、エチルマロン酸、ジメチルマロン酸、メチルコハク酸、テトラメチルコハク酸、シトラコン酸等の脂肪族ジカルボン酸;トリカルバリル酸、アコニット酸、カンホロン酸等の脂肪族トリカルボン酸;安息香酸、トルイル酸、クミン酸、ヘメリト酸、メシチレン酸等の芳香族モノカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリト酸、トリメシン酸、メロファン酸、ピロメリト酸等の芳香族ポリカルボン酸;フェニル酢酸、ヒドロアトロパ酸、ヒドロケイ皮酸、マンデル酸、フェニルコハク酸、アトロパ酸、ケイ皮酸、ケイ皮酸メチル、ケイ皮酸ベンジル、シンナミリデン酢酸、クマル酸、ウンベル酸等のその他のカルボン酸が挙げられる。
【0117】
本発明の組成物には以上の他に、更に、重合禁止剤を加えておくことが好ましく、例えば、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2−メルカプトベンゾイミダゾール等が有用である。
【0118】
本発明の組成物は、上記した通り、光重合性モノマーと熱重合架橋剤としての多官能脂環式エポキシ化合物に加え、光重合開始剤、好ましくは一般式(1)で表わされる化合物を光重合開始剤兼熱重合開始剤として用いるため、光硬化の後の熱硬化は熱ラジカル重合と熱イオン重合をそれぞれ独立に最適化し、相乗効果で、最も硬化エネルギーが少ない量で所定の膜物性を得ることができる。
また、近年特にカラーフィルターの高色度、高透過率が求められる中で、着色剤の濃度(顔料濃度)をさらに増加させることが課題となっており、そのため相対的に樹脂の含有比率は低下することになる。したがって、少ない樹脂量で従来と同等以上の膜物性を得るために、樹脂を最適化することが求められている。
本発明の光硬化性組成物を用いることによって、顔料比率の高い高色度で高透過率のカラーフィルターの材料設計が容易となる。
【0119】
〔VIII〕本発明の組成物の使用方法
本発明は、上記のような、本発明の着色剤(着色顔料)を含む光硬化性組成物から製造された硬化皮膜を含むカラーフィルターにも関わる。
本発明の着色顔料を含む光硬化性組成物からカラーフィルターを製造する方法としては、具体的には、上記組成物の構成成分を混合分散する工程、得られた分散塗布液を基板上に塗布・乾燥する工程、得られた乾燥塗布膜にパターン露光する工程、露光後にアルカリ現像する工程、次に加熱処理する工程を順次行い、各色(3色あるいは4色)ごとに前記工程を順次繰り返して硬化皮膜を製造することができる。これによりカラーフィルターが得られる。
【0121】
本発明のカラーフィルターの製造方法は、着色剤、アルカリ可溶性樹脂、光重合性モノマー、光・熱重合開始剤、熱重合開始剤として多官能脂環式エポキシ化合物を含む光硬化性組成物(上述)を基板上に塗布する工程、加熱乾燥して乾燥塗布膜を形成する工程、パターン状に光硬化処理を行う工程、その後アルカリ現像を行う工程、および横軸を処理時間(t秒)、縦軸を処理温度(T℃)とするグラフ(図5)上において、T=500、T=150、t=10、t=4000、T×logt=600およびT×logt=260の各々の線で囲まれた領域内に入る処理温度と処理時間の組み合わせで前記塗布膜を熱硬化処理を行う工程を含むことを特徴とするカラーフィルターの製造方法である。必要により、前記工程を各色(3色あるいは4色)ごとに順次繰り返して硬化皮膜を製造することができる。これによりカラーフィルターが得られる。
まず、本発明の光硬化性組成物は、上記主要成分、さらに必要に応じて用いられるその他の任意成分を溶剤と混合し、必要により各種の混合機、分散機を使用して混合分散することによって調製することができる。
【0122】
本発明の光硬化性組成物(特にはカラーフィルター用組成物)は、基板上に回転塗布、流延塗布、ロール塗布等の塗布方法により塗布することができる。
基板としては、例えば液晶表示素子等に用いられるソーダガラス、パイレックスガラス、石英ガラスおよびこれらに透明導電膜を付着させたものや、固体撮像素子等に用いられる光電変換素子基板、例えばシリコン基板、プラスチック基板等が挙げられる。これらの基板は、一般的には各画素を隔離するブラックストライプが形成されている。
プラスチック基板としては、住友ベークライト(株)製ポリエーテルスルフォン系プラスチック基板(FST−USUUSU)、藤森工業(株)製ポリカーボネート系プラスチック基板(商品名;アモレックス)、帝人(株)製ポリカーボネート系プラスチック基板(商品名;エレクレア)、ポリエチレンナフタレート(PEN)系プラスチック基板、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)系プラスチック基板などが挙げられる。
【0123】
これらのプラスチック基板は有機物であるがために、ガラス基板に対して熱膨張係数が高い。そのため、熱処理を高温で行った場合、室温に戻したときの寸法変化が大きく、実用に耐えないという問題がある。特に、コストダウンが図れる大型基板においては、このように寸法変化率が大きいことは致命的である。このことから、熱処理温度は150℃以下とすることが好ましい。
【0124】
次に塗布された光硬化性組成物層は、乾燥して乾燥塗布膜を形成する。この場合の乾燥は、ホットプレート、オーブン等で90〜120℃の温度で、60秒から180秒で行うことができる。
ここで、乾燥塗布膜の膜厚としては、1μm〜3μmが好ましい。
次に上記乾燥塗布膜に所定のマスクパターンを介して露光する。これにより光が当たった部分だけが硬化する。この場合、使用できる露光光としては、特にg線、h線、i線等の紫外線が好ましく用いられる。
パターン露光された膜は、アルカリ現像液で現像する。これにより、上記露光により光が当たらなかった部分は、アルカリ水溶液に溶け出し、光硬化した部分だけが残る。現像液としては、光未照射部の感光性層を溶解し、一方光照射部を溶解しないものであればいかなるものも用いることができる。具体的にはアルカリ性の水溶液を用いることができる。
現像温度としては通常20℃〜30℃であり、現像時間としては30〜90秒である。
【0125】
アルカリとしては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム,硅酸ナトリウム、メタ硅酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン等のアルカリ性化合物を、濃度が0.001〜10質量%、好ましくは0.01〜1質量%となるように溶解したアルカリ性水溶液が使用される。
なお、このようなアルカリ性水溶液からなる現像液を使用した場合には、一般に、現像後、水で洗浄し、乾燥させる。
【0126】
現像後に加熱硬化処理(ポストベーク)を行う。上記にて光硬化して残った部分は、重合度が十分ではないので、より耐溶剤性等を高めるために、更に熱硬化(ポストベーク)を行い、熱重合を進める。
本発明においては、特定の光・熱重合開始剤及び熱架橋剤を含む組成物としたことにより、従来では高温かつ長時間かかるこの工程を、短時間又は低温にしてエネルギーを少なくしても、熱重合ができ、耐溶剤性などの特性を十分に出すことが可能となった。
【0127】
本発明の製造方法においては、前記現像後の塗布膜を、横軸を処理時間(t秒)、縦軸を処理温度(T℃)とするグラフ(図5)上において、T=500、T=150、t=10、t=4000、T×logt=600およびT×logt=260の各々の線で囲まれた領域内に入る処理温度と処理時間の組み合わせで熱硬化処理を行う。ここで、処理温度(T℃)とは、塗布膜の表面温度を意味する。塗布膜の表面温度は、いずれの方法でも測定できるが、熱電対温度計等で測定することができる。処理時間(t秒)とは、塗布膜の表面温度が処理温度(T℃)に保持される時間を意味する。図3は、横軸を処理時間(t秒)、縦軸を処理温度(T℃)とするグラフであり、硬化処理チャートである。
【0128】
本発明において、熱硬化処理は、図5において、T=500、T=150、t=10、t=4000、T×logt=600およびT×logt=260の各々の線で囲まれた領域内に入る処理温度と処理時間の組み合わせで行う。ここで、処理時間(t秒)としては好ましくはt=300であり、より好ましくはt=200である。これにより、製造効率が一層上がる。また、処理温度(T℃)としては、好ましくはT=400であり、より好ましくはT=300であり、特に好ましくはT=240である。また、T×logt=600としては、T×logt=510が好ましい。
【0129】
上記熱硬化処理は、現像後の塗布膜を、上記条件になるように、ホットプレートやコンベクンションオーブン(熱風循環式乾燥機)等の加熱手段を用いて、連続式あるいはバッチ式で行うことができる。また、加熱手段の設定温度と実際の塗布膜表面の温度が異なる場合には、予め加熱手段の設定温度と実際の塗布膜表面の温度との実際の関係を示した相関グラフを作製しておき、それに従って、処理温度と処理時間を設定して熱硬化処理を行うこともできる。
【0130】
カラーフィルターの製造方法は、必要により、上記工程を順次行い、各色(3色あるいは4色)ごとに前記工程を順次繰り返して硬化皮膜を製造してカラーフィルターを得る。
【0131】
本発明のカラーフィルターを用いてカラー液晶表示装置を作成することができるが、その方法は、基板上に液晶層、薄膜トランジスター膜、透明電極膜、着色顔料を含有する上記本発明の組成物を用いて製造されたカラーフィルターをする方法が挙げられる
基板、カラーフィルターについては上述のものを用いることができる。液晶層、薄膜トランジスター膜、透明電極膜については、この分野で用いられているものを用いることができる。また、本発明のカラー液晶表示装置の製造方法も、この分野で用いられている方法を用いることができる。
本発明のカラー液晶表示装置の構造及びその製造法は、特に制限はなく、従来公知のものが使用できる。例えば、「LCDパネル部品・材料技術」月刊エフピーディ・インテリジェンス増刊号(1999)に記載のカラー液晶表示装置の構造及びその製造法に従うことができる。
【0132】
本発明の光硬化性組成物の用途として、主にカラーフィルターへの用途を主体に述べてきたが、カラーフィルターの画素間に設けられるブラックマトリックスにも適用できることは勿論である。ブラックマトリックスは、本発明の光硬化性組成物にカーボンブラック、チタンブラックなどの黒色の着色剤を添加した組成物を、光露光、アルカリ現像し、更にその後、ポストベークして膜の硬化を促進させて形成させることができる。
このブラックマトリックスの場合にあっても、黒色の着色剤の比率を高めて、その機能を十分なものとすることが要求されるが、本発明にあっては、前述した通り、光照射による膜の硬化だけでなく、ポストベークを行って、熱による膜の硬化も行うことにより膜の硬化がより強固になるので、従来と比べて比較的多量の黒色の着色剤の添加が可能である。
【0133】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例によっていささかも限定されて解釈されるものではない。
【0134】
液晶カラーフィルター材料として使われる着色系光硬化性組成物の物理的要求特性の中で、特に材料の硬化度(架橋密度)による差が大きい特性として、耐溶剤性(耐N−メチルピロリドン性)がある。これは液晶パネルを製造する工程でカラーフィルター上に極性の強い溶剤であるN−メチルピロリドンを含むポリアミック酸またはポリイミド溶液を塗布し、加熱乾燥または加熱硬化し、配向膜とする工程があり、このためカラーフィルターは耐溶剤性(耐N−メチルピロリドン性)を要求される。着色系光硬化性組成物の硬化度が不足していると顔料を含む樹脂成分がN−メチルピロリドンに溶出され、膜減りが起り、色度も変わることになる。
従って材料の硬化度の比較として、以下の実施例では50℃で10分間N−メチルピロリドン中に、製造したカラーフィルターを浸漬し、前後の色度変化を測定することにより、硬化度の優劣の判定とした。
その他の要求特性としては次のような特性を満足する必要がある。
・塗布性
・フォトリソグラフィ性能
・耐熱性
・耐光性
・液晶セルにした時の電圧保持率
【0135】
また、本実施例において、加熱硬化処理の温度は、塗布膜の表面温度を表し、その測定方法は、LCD用ガラス基板の中央に熱電対温度計(株式会社チノー製熱電対デジタル温度計ND500)を耐熱テープで貼り付け、ホットプレート上にそれを載せ、ホットプレートの設定温度と実際のガラス基板表面に貼り付けた熱電対による温度の相関グラフを作成する(例えば、図6)。この相関グラフを用いると、所望の塗布膜の表面温度を得るためのホットプレートの設定温度が判る。例えば、図6を参照すれば、ガラス基板の表面温度220℃を得るためのホットプレートの設定温度は247℃である。
また、同様にコンベクションオーブンについても温度相関グラフを求めることができ、具体的には図7のグラフが挙げられる。
実施例に用いた、コンベクションオーブン(熱風循環式乾燥機)は、タバイエスペック(株)製クリーンオーブンPVHC−331であり、ホットプレートは株式会社井内盛栄堂HP−2Lを用いた。
【0136】
実施例1〜7及び比較例1〜3
(1)試験片の準備
a)コーニング社製液晶用ガラス基板(製品名1737、1.1t)に下記の配合表に示す着色系光硬化性組成物をスピンコーターにて硬化後の膜厚みが1.2μmになるように回転数を調整し、塗布する。
b)次いでホットプレート上で90℃×120秒プリベークし、溶剤乾燥させる。
c)次いで2.5Kwの超高圧水銀灯を使用し、マスクを通して200mJ/cm2の露光量を照射した。
d)次いで0.1%の炭酸ナトリウム水溶液に30秒浸漬して現像・水洗・乾燥した。
e)次いで熱風循環式乾燥機またはホットプレートにおいて種々条件で加熱硬化した(ポストベーク)。
【0137】
【表1】
Figure 0003897605
【0138】
【表2】
Figure 0003897605
【0139】
原料及び組成物の製造方法
1)アルカリ可溶性樹脂
ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合樹脂(重量平均分子量;約30,000、酸価100mgKOH/g)
1)の樹脂と顔料、溶剤(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート:表ではPGMEAと略)をサンドミルで一昼夜分散した。次いで2)以下の原料を溶解混合して組成物を得た。
2)重合開始剤A(光重合開始剤)
4−[o−ブロモ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニル)アミノフェニル]2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン
3)重合開始剤B(光・熱重合開始剤)
Figure 0003897605
【0140】
【化37】
Figure 0003897605
【0141】
4)多官能脂環式エポキシ
EHPE3150:脂環式多官能固形エポキシ樹脂(2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサン付加物、軟化点70−90℃、エポキシ当量178g/eq(ダイセル化学工業(株)製))
【0142】
上記で得られた組成物を、孔径5μmのフィルターでろ過し、カラーフィルター用着色光硬化性樹脂組成物とした。
【0143】
(2)フォトリソグラフィ特性
1)の試験片を光学顕微鏡にて観察しマスクと同じ5μmの線幅が得られているかどうかで判断した。表に示す配合はいずれも良好な特性を示した。
(3)耐N−メチルピロリドン性
1)の試験片を50℃に調節したN−メチルピロリドンの中に10min浸漬し、浸漬前後の分光特性を大塚電子製分光測光器MCPD−2000によって測定した。
図1、図2にXYZ表色系による色度差△xで色度の変化を示す。尚、図1はプレート状加熱板(ホットプレート)による加熱で硬化した例である。図2は熱風循環式乾燥機による加熱で硬化した例である。
硬化温度として220℃に固定し、その温度での加熱時間を変えて、硬化特性を見た。図1のグラフから、本発明によるカラーフィルターは、220℃の硬化温度では非常に短時間で目的の特性を得ることが出来、更に時間をかけると特性は更に上がる。これに対し、比較例では硬化時間も長く、また240sec以上の時間で特性の限界に達している。
次に、硬化加熱時間として30分間に固定し、加熱硬化温度を変えて、硬化特性を見た。図2のグラフを見ると、比較例では通常220℃×30minで性能をクリヤーしているが、本発明の脂環式エポキシを使えば180℃×30minで所望の特性を得ることが出来、さらに熱重合開始剤BTTBを併用することによって150℃×30minで所望の特性を得ることが可能となる。
図3は、2官能以上の脂環式エポキシ化合物を添加した組成物(実施例5〜7)は、脂肪族3官能エポキシ化合物を添加した組成物(比較例3)より優れた耐N−メチルピロリドン性を有していることを示している。
【0144】
(4)耐熱性
1)の試験片をさらに熱風循環式乾燥機で180℃×1hr、3hrs、220℃×1hr、3hrsの加熱処理を行い、前後の色差(L***表示系による色差△E*ab)を調べた。尚、硬化温度と時間として、実施例4−1は(150℃×30min;低温硬化)、実施例4−2は(220℃×4min;迅速硬化)、比較例2は(220℃×30min;従来硬化)を用いた。
赤、緑では差がなかったが、図4に示すように青色では比較例に比べて特に220℃の耐熱性において顕著な差が現れ、本発明による組成物で、脂環式エポキシと有機過酸化物を併用したものの特性が優れていることが判った。
【0145】
(5)その他の特性
耐光性、電圧保持率においても表の組成物の各種硬化条件で硬化したものはいずれも比較例と差が見られなかった。
また、本発明は着色したものに限らず、光硬化後加熱処理し、膜として残す種々の光硬化性樹脂組成物に広く適用が可能である。
【0146】
実施例8〜12及び比較例4〜7
(1)試験片の準備
a)コーニング社製液晶用ガラス基板(製品名1737、1.1t)に下記の配合表に示す着色系光硬化性組成物をスピンコーターにて硬化後の膜厚みが1.2μmになるように回転数を調整し、塗布する。
b)次いでホットプレート上で90℃×120秒プリベークし、溶剤乾燥させる。
c)次いで2.5Kwの超高圧水銀灯を使用し、マスクを通して200mJ/cm2の露光量を照射した。
d)次いで0.1%の炭酸ナトリウム水溶液に30秒浸漬して現像・水洗・乾燥した。
e)次いで熱風循環式乾燥機またはホットプレートにおいて種々条件で加熱硬化した(ポストベーク)。
【0147】
【表3】
Figure 0003897605
【0148】
尚、上記組成物の調製に使用した原料及び組成物の製造方法は以下の通りである。
1)アルカリ可溶性樹脂
ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合樹脂(質量平均分子量;約30,000、酸価100mgKOH/g)
1)の樹脂と顔料、溶剤(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート:表ではPGMEAと略)をサンドミルで一昼夜分散した。次いで2)以下の原料を表1に記載される割合で溶解混合して組成物を得た。
【0149】
2)光・熱重合開始剤
光・熱重合開始剤1:3,3’,4,4’−テトラ(t-ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン
光・熱重合開始剤2:3,3’,4,4’−テトラ(t−アミルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン
光・熱重合開始剤3:3,3’,4,4’−テトラ(t-ヘキシルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン
光・熱重合開始剤4:3,3’,4,4’−テトラ(t-オクチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン
光・熱重合開始剤5:3,3’,4,4’−テトラ(クミルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン
【0150】
3)光重合開始剤
2−(4’−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン
4)熱重合開始剤
2,2−ビス(4,4’−ジ−t−ブチルペルオキシシクロヘキシル)プロパン
5)脂環式エポキシ樹脂
ダイセル化学工業(株)製 多官能脂環式エポキシEHPE3150(2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサン付加物、軟化点70−90℃、エポキシ当量178g/eq)
6)O−クレゾールノボラックエポキシ樹脂
大日本インキ化学工業(株)製 エピクロンN−695(軟化点90−100℃、エポキシ当量210−240g/eq)
【0151】
上記で得られた組成物を、孔径5μmのフィルターでろ過し、カラーフィルター用着色光硬化性樹脂組成物とした。
【0152】
(2)フォトリソグラフィ特性
(1)の試験片を光学顕微鏡にて観察しマスクと同じ5μmの線幅が得られているかどうかで判断した。表に示す配合はいずれも良好な特性を示した。
(3)耐N−メチルピロリドン性
(1)の試験片を50℃に調節したN−メチルピロリドンの中に10分浸漬し、浸漬前後の分光特性を大塚電子製分光測光器MCPD−2000によって測定した(L***表示系による色差△E*ab)。その結果を下記表4に示した。また、表4の結果を、図8及び図9に、グラフで表した。
【0153】
【表4】
Figure 0003897605
【0154】
尚、図8は熱風循環式乾燥機による加熱で硬化した例であり、図9はプレート状加熱板(ホットプレート)による加熱で硬化した例である。
まず初めに、硬化加熱時間を、30分、60分及び90分間とし、加熱硬化温度を150℃に固定して、硬化特性を見た。
図8のグラフを見ると、本発明の組成物を用いると、30分という短時間で所望の特性を得ることが可能であるのに対して、比較例の組成物によると、90分の長時間でも十分な特性が出ていないことが判る。
次に、硬化温度を220℃に固定し、その温度での加熱時間を変えて、硬化特性を見た。
図9のグラフから、本発明によるカラーフィルターは、220℃の硬化温度では非常に短時間で目的の特性を得ることが出来、更に時間をかけると特性は更に上がる。これに対し、比較例では硬化時間も長く、また120sec以上の時間で特性の限界に達している。
【0155】
(5)その他の特性
耐光性、電圧保持率においても表の組成物の各種硬化条件で硬化したものはいずれも比較例と差が見られなかった。
また、本発明は着色したものに限らず、光硬化後加熱処理し、膜として残す種々の光硬化性樹脂組成物に広く適用が可能である。
【0156】
【発明の効果】
本発明により、低温で十分硬化することができ、プラスチック基板の使用に好適な、顔料分散系カラーフィルター用光硬化性組成物、及び、特に現状のガラス基板にカラーフィルターを形成する際には、短時間で熱処理ができ、カラーフィルター生産効率を著しく向上させることが出来る顔料分散系カラーフィルター用光硬化性組成物を提供できる。更に、カラーフィルタ製造上必要かつ最適な熱処理工程において種々の条件を選択できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の組成物の迅速硬化処理と硬化特性の関係を示したグラフを示す図である。
【図2】 本発明の組成物の低温硬化処理と硬化特性の関係を示したグラフを示す図である。
【図3】 本発明の組成物の低温硬化処理と硬化特性の関係を示したグラフを示す図である
【図4】 青色顔料を含む組成物から得られたカラーフィルターの耐熱性を評価したグラフを示す図である。
【図5】 熱硬化処理における処理時間(t秒)と処理温度(T℃)との関係を示す図である。
【図6】 ガラス基板表面温度とホットプレートの設定温度との関係を示す図である。
【図7】 ガラス基板表面温度とコンベクションオーブンの設定温度との関係を示す図である。
【図8】 本発明の組成物の低温硬化処理と硬化特性の関係を示したグラフを示す図である。
【図9】 本発明の組成物の迅速硬化処理と硬化特性の関係を示したグラフを示す図である。

Claims (1)

  1. 下記のカラーフィルター用光硬化性組成物を基板上に塗布する工程と、加熱乾燥して乾燥塗布膜を形成する工程と、パターン状に光硬化処理を行う工程と、アルカリ現像を行う工程と、横軸を処理時間(t秒)、縦軸を処理温度(T℃)とするグラフ(図5)上において、T=500、T=150、t=10、t=4000、T×logt=600およびT×logt=260の各々の線で囲まれた領域内に入る処理温度と処理時間の組み合わせで前記塗布膜に熱硬化処理を行う工程とをこの順に含むことを特徴とするカラーフィルターの製造方法。
    カラーフィルター用光硬化性組成物:
    着色剤、アルカリ可溶性樹脂、光重合性モノマー、光重合開始剤、熱重合架橋剤及び溶剤を含有するカラーフィルター用光硬化性組成物において、前記熱重合架橋剤が多官能脂環式エポキシ化合物であり、前記多官能脂環式エポキシ化合物が、炭化水素Rに−O−(A)m−Hがn個置換したR'[−O−(A)m−H]n(式中、Rは炭化水素を表す。R'は炭化水素Rから[−O−(A)m−H]nが置換したn個の水素原子を除いた残基を表す。Aは少なくとも1つのエポキシ基を有する脂環式基を表す。mは1〜100を表す。nは1〜100を表す。但し、m×nは2〜100であり、複数のAは同じでも異なっていてもよい。)で表される化合物であり、かつ、前記光重合開始剤が下記一般式(1)で表される化合物である
    Figure 0003897605
    (式中、R1及びR2はそれぞれ独立に、炭素数1〜20のアルキル基又はアラルキル基を表し、R3及びR4はそれぞれ独立に、水素原子、カルボキシル基、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数1〜10のハロゲン化アルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基又は炭素数2〜20のジアルキルアミノ基を表し、xは、0、1または2であり、yは1、2または3である。)
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