JPH09244242A - 感光性樹脂組成物及び回路基板 - Google Patents

感光性樹脂組成物及び回路基板

Info

Publication number
JPH09244242A
JPH09244242A JP5621396A JP5621396A JPH09244242A JP H09244242 A JPH09244242 A JP H09244242A JP 5621396 A JP5621396 A JP 5621396A JP 5621396 A JP5621396 A JP 5621396A JP H09244242 A JPH09244242 A JP H09244242A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
photosensitive resin
resin composition
compound
film
unsaturated bond
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP5621396A
Other languages
English (en)
Inventor
Koji Tsukamoto
浩司 塚本
Kanae Nakagawa
香苗 中川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujitsu Ltd filed Critical Fujitsu Ltd
Priority to JP5621396A priority Critical patent/JPH09244242A/ja
Publication of JPH09244242A publication Critical patent/JPH09244242A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Production Of Multi-Layered Print Wiring Board (AREA)
  • Epoxy Resins (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)
  • Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)
  • Non-Metallic Protective Coatings For Printed Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 感光性樹脂組成物に関し、特に、耐熱性、強
靱性等に優れ、解像度を低下させることなく十分なチク
ソ性を得ることができる感光性樹脂組成物を提供する。
また、このような感光性樹脂組成物を用い、耐熱性、解
像性などに優れたフォトソルダーレジストやビルトアッ
プ用絶縁膜を有する回路基板を提供する。 【解決手段】 一般式 【化1】 で示される多官能エポキシ化合物と、アルカリ可溶性を
有するエポキシ硬化剤と、ラジカル重合性不飽和結合を
有する化合物と、光重合開始剤とにより感光性樹脂組成
物を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、感光性樹脂組成物
に係り、特に、成膜後に紫外線露光及びアルカリ水溶液
による現像でパターン形成が可能な紫外線硬化性液状フ
ォトソルダーレジスト、及び多層回路基板のビルトアッ
プ用絶縁膜等として有用な感光性樹脂組成物、並びに、
これらソルダーレジストやビルトアップ用絶縁膜等が形
成された電子回路基板に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、電子部品をコンパクトに電子
機器に組み込むために、プリント基板が一般に使用され
ている。このプリント基板は、積層板に張り合わせた銅
箔を電子回路に従ってエッチングしたものであり、電子
部品は、この基板上の所定の位置にはんだ付けによって
接続されている。
【0003】ソルダーレジストは、このはんだ付けの前
工程で使用されるレジストであり、電子回路のはんだ付
けをすべき箇所を除いた全面に皮膜を形成するためのも
のである。この皮膜は、はんだ付けの際にはんだが不必
要な個所に付着されるのを防ぐ絶縁膜として機能するだ
けでなく、電子回路部が外気に曝されて腐食するのを防
止する保護膜としての機能をも有し、電子回路基板には
必要不可欠である。
【0004】また、多層回路基板のビルトアップ用絶縁
膜は、電子回路の層間に形成されるもので、上層の電子
回路との接続すべき箇所を除いた全面に皮膜形成された
ものである。この皮膜は、上下層の電子回路の絶縁膜と
して機能し、要求される特性はソルダーレジストとほぼ
同じであるため、ソルダーレジストをそのまま使用して
形成することができる。
【0005】従来、このようなソルダーレジストは、プ
リント基板上にスクリーン印刷し、紫外線又は熱により
硬化することにより皮膜形成されていた。しかし、最近
の電子機器に対する小型化、高性能化及び低価格化など
の要求に伴い、プリント基板の電子回路の微細化、電子
部品の高密度実装化が急速に進んでいる。このため、ソ
ルダーレジストにも高解像性、高信頼性が要求されてお
り、従来のスクリーン印刷法に代わる皮膜形成方法とし
て液状フォトレジスト法が提案されている。液状フォト
レジスト法は、リソグラフィー方式による皮膜形成方法
であり、位置精度が高く解像性に優れており、プリント
基板の高密度化には好適である。
【0006】特開昭50−144431号公報、及び特
公昭51−40451号公報には、液状フォトレジスト
として、ビスフェノール型エポキシアクリレート、増感
剤、エポキシ化合物、硬化剤などからなる感光性樹脂組
成物が開示されている。しかしながら、特開昭50−1
44431号公報、及び特公昭51−40451号公報
記載の感光性樹脂組成物では、現像時に多量の有機溶媒
を使用するため、環境汚染や火災の危険性を増加させる
虞があった。また、プリント基板の製造コストが増加す
ることにもなった。
【0007】これらの課題を解決すべく提案された感光
性樹脂組成物としては、希薄アルカリ水溶液で現像可能
なアルカリ現像型フォトソルダーレジストが提案されて
いる。また、特公昭56−40329号公報、特公昭5
7−45785号公報には、アルカリ現像可能な紫外線
硬化材料として、エポキシ樹脂に不飽和モノカルボン酸
を反応させ、更に多塩基酸無水化物を付加させた反応生
成物をベースポリマーとする材料が提案されている。
【0008】また、特開昭61−243869号公報に
は、ノボラック型エポキシ樹脂を用いた耐熱性、耐薬品
性の優れたアルカリ現像型フォトソルダーレジストが提
案されている。ところで、一般に、液状フォトソルダー
レジストにはシリカ、タルク、炭酸カルシウム等の無機
充填剤(フィラー)が添加されている。この無機フィラ
ーの添加により液状レジストにチクソ性(チクソトロピ
ー:thixotropy)が付与されるため、基板上に塗布した
場合に十分な膜厚を得ることができる。
【0009】そして、レジスト表面を酸化剤で処理する
と、無機フィラーが分解、除去され、表面に微妙な凹凸
(アンカー)が形成されるため、十分なメッキ密着性を
得ることができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の感光性樹脂組成物では、アルカリ水溶液に可溶にさ
せるために、エポキシ樹脂、硬化剤の組み合わせが限定
され、結果として高い耐熱性を得ることができなかっ
た。また、前述のようにプリント基板は高密度化の一途
をたどっており、それに伴って発熱量も急増しているた
め、従来の感光性樹脂組成物をソルダーレジストに用い
たのでは耐熱性の点で限界があった。
【0011】また、レジスト皮膜の耐熱性と強靱性を両
立することは困難であった。すなわち、耐熱性を上げる
ためにはエポキシ樹脂と硬化剤の架橋密度を高めること
が有効であるが、架橋密度を高めるとレジスト皮膜の弾
性率が高くなり、強靱性が低下してしまうからである。
その結果、レジスト皮膜には、熱処理や薬品処理時にク
ラック等の欠陥が発生しやすかった。
【0012】また、従来のソルダーレジストには相当量
の無機フィラーが添加されていたため、フォトリソグラ
フィーによる解像度が低下することがあった。また、解
像度を向上するために無機フィラーを添加しないとチク
ソ性が得られないため、基板上に塗布したときに十分な
膜厚を得ることができなかった。また、レジスト表面を
酸化剤で処理しても表面に微妙な凹凸が形成されにく
く、メッキ皮膜との密着性が悪くなることがあった。
【0013】本発明の目的は、耐熱性、強靱性に優れ、
解像度を低下させることなく十分なチクソ性を得ること
ができる感光性樹脂組成物を提供することにある。ま
た、本発明の他の目的は、このような感光性樹脂組成物
を用いることにより、耐熱性、解像性などに優れたフォ
トソルダーレジストやビルトアップ用絶縁膜を有する電
子回路基板を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的は、一般式
【0015】
【化5】 で示される多官能エポキシ化合物と、アルカリ可溶性を
有するエポキシ硬化剤と、ラジカル重合性不飽和結合を
有する化合物と、光重合開始剤とを有することを特徴と
する感光性樹脂組成物によって達成される。このように
感光性樹脂組成物を構成すれば、従来の感光性樹脂組成
物よりも耐熱性を向上することができる。
【0016】また、上記の感光性樹脂組成物において、
前記多官能エポキシ化合物は、一般式
【0017】
【化6】 で表される化合物であることが望ましい。また、ラジカ
ル重合性不飽和結合とカルボキシル基を有してなるブタ
ジエン化合物と、エポキシ化合物と、アルカリ可溶性を
有するエポキシ硬化剤と、ラジカル重合性不飽和結合を
有する化合物と、光重合開始剤とを有することを特徴と
する感光性樹脂組成物によっても達成される。このよう
に感光性樹脂組成物を構成すれば、従来の感光性樹脂組
成物よりも強靱性を向上することができる。
【0018】また、上記の感光性樹脂組成物において、
前記ブタジエン化合物は、前記エポキシ化合物及び前記
ラジカル重合性不飽和結合を有する化合物と相溶性がな
いことが望ましい。このように感光性樹脂組成物を構成
すれば、十分なチクソ性を有する感光性樹脂組成物を形
成することができる。これにより、無機フィラーなどの
添加物を添加する必要がないので、リソグラフィーの解
像度を向上することができる。
【0019】また、上記の感光性樹脂組成物において、
前記ブタジエン化合物は、一般式
【0020】
【化7】 により表される分子主骨格を有することが望ましい。ま
た、上記の感光性樹脂組成物において、前記ブタジエン
化合物の前記ラジカル重合性不飽和結合と前記カルボキ
シル基は、一般式
【0021】
【化8】 により表される構造を有することが望ましい。また、上
記の感光性樹脂組成物を硬化して形成されたソルダーレ
ジストを有することを特徴とする回路基板によっても達
成される。このように回路基板を構成することにより、
耐熱性・強靱性等に優れ、又は高解像度でパターニング
されたソルダーレジストを有する回路基板を得ることが
できる。
【0022】また、上記の感光性樹脂組成物の硬化して
形成されたビルトアップ用絶縁膜を有することを特徴と
する回路基板によっても達成される。このように回路基
板を構成することにより、耐熱性・強靱性等に優れ、又
は高解像度でパターニングされたビルトアップ用絶縁膜
を有する多層回路基板を得ることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]本発明の第1実施形態による感光性樹
脂組成物は、アルキル基をR、一般式
【0024】
【化9】 で示される物質をXとしたときに、 R−Xm (m=1、2、3…) で表される多官能エポキシ化合物と、アルカリ可溶性エ
ポキシ硬化剤と、ラジカル重合性不飽和結合を有する化
合物と、光重合開始剤とを主成分として構成されてい
る。
【0025】このように多官能エポキシ化合物を構成す
ることにより、従来のビスフェノール型エポキシやノボ
ラック型エポキシ樹脂を用いた場合と比較して、耐熱性
を大幅に向上することができる。また、上記の感光性樹
脂組成物はアルカリ水溶液による現像ができるため、液
状フォトレジストとして有用な感光性樹脂組成物として
用いることができる。
【0026】このように本実施形態による感光性樹脂組
成物が耐熱性に優れているのは、多官能エポキシ化合物
の特異な分子構造により、加熱硬化時の架橋密度を高く
することができるためと考えられる。このように、本実
施形態によれば、従来の感光性樹脂組成物よりも耐熱性
に優れた感光性樹脂組成物を構成できる。
【0027】また、このような感光性樹脂組成物を用い
ることにより、耐熱性に優れ、且つアルカリ現像可能な
フォトソルダーレジスト、ビルトアップ用絶縁膜が形成
された電子回路基板を形成することができる。なお、上
記の多官能エポキシ化合物は、アルコール(ROH)
に、4−ビニルシクロヘキセンオキシドを開環重合させ
た後にエポキシ化することにより得ることができる。例
えば、一般式
【0028】
【化10】 で表される物質や、一般式
【0029】
【化11】 で表されるダイセル化学(株)社製のEHPE−315
0を用いることができる。また、上記のアルカリ可溶性
エポキシ硬化剤としては、フェノール系化合物、クレゾ
ール系化合物、又はカルボキシル基を有する化合物を適
用することができる。例えば、ノボラック型フェノール
樹脂、ノボラック型クレゾール樹脂、フタル酸などを用
いることができる。
【0030】また、酸無水物、アミン等を併用してもよ
く、例えば、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、m−フ
ェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニレンス
ルホン、BF3モノメチルアミン、ジシアンジアミドな
どを用いることができる。また、上記のラジカル重合性
不飽和結合を有する化合物としては、ビニル基、アクリ
ル基、メタクリル基等を有する化合物を適用することが
できる。例えば、スチレン、アクリル酸メチル、アクリ
ル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチ
ル、グリセリンジメタクリレート、エチレングリコール
ジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリ
レート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリ
メチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロー
ルプロパントリアクリレートなどを単独、或いは混合し
て用いることができる。
【0031】また、上記の光重合開始剤としては、一般
に知られているアクリル、メタクリル系モノマ用の光重
合開始剤が使用できる。例えば、NIKKEI NEW MATERIALS
(1990年4月16日号、pp.43-49)、材料技術(Vol.2, 10
(1984) pp.1-17)、O plusE(No.133 (1990) pp.105-1
16)、フォトポリマハンドブック(フォトポリマー懇話
会編:工業調査会発行、初版 (1989) pp.442-457)等に
記載された開始剤が使用できる。
【0032】具体的には、3,3’,4,4’−テトラ
(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、
過酸化ベンゾイル、ジ(t−ブチルパーオキシ)フタレ
ート、ジ(t−ブチルパーオキシ)テレフタレート、ジ
(t−ブチルパーオキシ)イソフタレート等の有機過酸
化物に、4−(ジシアノメチレン)−2−メチル−6−
(p−ジメチルアミノスチリル)−4H−ピラン、3,
3’−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリ
ン)、2,5−ビス−(4−ジエチルアミノベンジリデ
ン)シクロペンタノン、2,6−ビス−(4−ジメチル
アミノベンジリデン)シクロヘキサノン等の増感剤を添
加したものや、ベンゾイミダゾール、1−ベンジル−2
−メチルイミダゾール、2−(o−クロロフェニル)−
4,5−ジフェニルイミダゾリル2量体、2−(o−フ
ルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル2
量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ビス−
(m−メトキシフェニル)イミダゾリル2量体、2−
(o−メトキシフェニル)4,5−ジフェニルイミダゾ
リル2量体等のイミダゾール類、及び、7−ジエチルア
ミノ−4−メチルクマリン、2−メルカプトベンゾチア
ゾール、5−クロロ−2−メルカプトベンゾチアゾー
ル、2−メルカプトベンゾオキサゾール、p−アミノベ
ンゾフェノン、p−ジエチルアミノベンゾフェノン、
p,p’−ビス(エチルアミノ)ベンゾフェノン、p,
p’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、1H−
1,2,4−トリアゾール−3−チオール、4−メチル
−4H−1,2,4−トリアゾール−3−チオール等の
化合物から選ばれた組み合わせの混合物に、3,3’−
カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)、2,
6−ビス−(4−ジメチルアミノベンジリデン)シクロ
ヘキサノン、2,5−ビス−(4−ジエチルアミノベン
ジリデン)シクロペンタノン等の増感剤を添加したもの
を用いることができる。
【0033】また、塗布性の向上を目的として、エチレ
ングリコールモノエーテル類、アセテート類、シクロヘ
キサノン、トルエン、キシレンなどの有機溶剤を希釈剤
として加えてもよい。また、エポキシ化合物の硬化促進
を目的として、トリフェニルホスフィンや2−ウンデシ
ルイミダゾール等の硬化促進剤を添加してもよい。
【0034】また、必要に応じて種々の添加剤、例えば
シリカ、タルク、アルミナ、炭酸カルシウム、クレー、
アエロジルなどの体質顔料、フタロシアニンなどの着色
顔料、シリコーン及び弗素系化合物よりなる消泡剤、レ
ベリング剤、酸化防止剤等を添加してもよい。次に、本
実施形態による感光性樹脂組成物の使用方法について説
明する。
【0035】まず、上記の感光性樹脂組成物を、電子回
路基板上にスクリーン印刷、カーテンコート、ロールコ
ート、又はスピンコートなどの方法により塗布し、所望
の厚さの皮膜を形成する。次いで、コンタクト露光がで
きるように、適当な温度、例えば50〜100℃の温度
で電子回路基板を加熱し、皮膜を乾燥させる。
【0036】続いて、ソルダーレジストを形成する場合
には、電子回路のはんだ付けをすべき箇所を除いた部分
が透明なマスクを、多層回路基板のビルトアップ用絶縁
膜を形成する場合には上層の電子回路との接続すべき箇
所を除いた部分が透明なマスクを用い、紫外線を適当な
露光量で照射する。これにより、ラジカル重合性不飽和
結合を有する化合物が光重合し、皮膜の露光領域の感光
性樹脂組成物はアルカリ水溶液に対して不溶となる。
【0037】この後、非露光領域を希薄アルカリ水溶液
で溶出除去することにより、皮膜が所望のパターンに現
像される。アルカリ水溶液としては、例えば、0.1〜
5重量%の炭酸ナトリウムや水酸化ナトリウム水溶液を
用いることができる。次いで、皮膜の耐熱性向上を主な
目的として、皮膜を適当な温度、例えば100〜200
℃の温度で加熱する。これにより、多官能エポキシ化合
物とアルカリ可溶性エポキシ硬化剤が反応し、最終的な
ソルダーレジスト皮膜、又は絶縁膜が形成される。
【0038】このようにして感光性樹脂組成物よりなる
皮膜を形成することにより、従来のビスフェノール型エ
ポキシやノボラック型エポキシ樹脂に比べて耐熱性に優
れた皮膜を形成することができる。 [第2実施形態]本発明の第2実施形態による感光性樹
脂組成物は、ラジカル重合性不飽和結合とカルボキシル
基を有してなるブタジエン化合物と、エポキシ化合物
と、アルカリ可溶性エポキシ硬化剤と、ラジカル重合性
不飽和結合を有する化合物と、光重合開始剤とを主成分
として構成されている。
【0039】このように、感光性樹脂組成物に、ラジカ
ル重合性不飽和結合とカルボキシル基を有してなるブタ
ジエン化合物を加えることにより、従来のビスフェノー
ル型エポキシやノボラック型エポキシ樹脂を用いた場合
と比較して、耐熱性や強靱性を大幅に向上することがで
きる。また、上記の感光性樹脂組成物はアルカリ水溶液
による現像ができるため、液状フォトレジストとして有
用な感光性樹脂組成物として用いることができる。
【0040】このように上記のブタジエン化合物を用い
ることにより、分子主骨格にブタジエン構造が形成され
るため、これが弾性率の低減をもたらし、結果として感
光性樹脂組成物の強靱性を高めることができる。また、
官能基としてアクリル基、メタクリル基、ビニル基、或
いはアリル基などのラジカル重合性不飽和結合をもち、
更にアルカリ可溶性であるカルボキシル基を有している
ため、アルカリ現像性を低下させることもない。
【0041】このように、本実施形態によれば、従来の
感光性樹脂組成物よりも強靱性に優れた感光性樹脂組成
物を構成することができる。また、このような感光性樹
脂組成物を用いることにより、強靱性に優れ、且つアル
カリ現像可能なフォトソルダーレジスト、ビルトアップ
用絶縁膜が形成された電子回路基板を形成することがで
きる。
【0042】なお、上記のブタジエン化合物としては、
例えば、一般式
【0043】
【化12】 で示される液体ポリブタジエンをマレイン化した後、ヒ
ドロキシエチルメタクリレートを反応させることによっ
て得ることができる。例えば、日本石油化学社製の日石
ポリブタジエンMM−1000−80(商品名)を用い
ることができる。上記ブタジエン化合物において、ラジ
カル重合性不飽和結合とカルボキシル基としては、一般
【0044】
【化13】 により表される物質を用いることが望ましい。また、上
記のエポキシ化合物としては、グリシジルエーテル型
(ビスフェノールA系、テトラフェニロールエタン系、
フェノールノボラック系、クレゾールノボラック系)、
グリシジルエステル型(ヘキサヒドロ無水フタル酸系、
ダイマー酸系)、グリシジルアミン型(ジアミノジフェ
ニルメタン系、イソシアヌル酸系、ヒダントイン系)、
混合型(アミノフェノール系、オキシ安息香酸系)、脂
環式型などを単独、或いは混合して用いることができ
る。高い耐熱性を得るためには、官能基数が多いエポキ
シ化合物を用いることが望ましい。
【0045】また、上記のアルカリ可溶性エポキシ硬化
剤としては、フェノール系化合物、クレゾール系化合
物、又はカルボキシル基を有する化合物を適用すること
ができる。例えば、ノボラック型フェノール樹脂、ノボ
ラック型クレゾール樹脂、又は、エポキシ樹脂に不飽和
モノカルボン酸を反応させ、更に多塩基酸無水化物を付
加させた反応生成物などを用いることができる。
【0046】また、酸無水物、アミン等を併用してもよ
く、例えば、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、m−フ
ェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニレンス
ルホン、BF3モノメチルアミン、ジシアンジアミドな
どを用いることができる。また、ラジカル重合性不飽和
結合を有する化合物、光重合開始剤、及びその他の添加
剤としては、第1実施形態による感光性樹脂組成物に用
いるものと同様の材料を適用することができる。
【0047】次に、本実施形態による感光性樹脂組成物
の使用方法について説明する。まず、上記の感光性樹脂
組成物を、電子回路基板上にスクリーン印刷、カーテン
コート、ロールコート、又はスピンコートなどの方法に
より塗布し、所望の厚さの皮膜を形成する。次いで、コ
ンタクト露光ができるように、適当な温度、例えば50
〜100℃の温度で電子回路基板を加熱し、皮膜を乾燥
させる。
【0048】続いて、ソルダーレジストを形成する場合
には、電子回路のはんだ付けをすべき箇所を除いた部分
が透明なマスクを、多層回路基板のビルトアップ用絶縁
膜を形成する場合には上層の電子回路との接続すべき箇
所を除いた部分が透明なマスクを用い、紫外線を適当な
露光量で照射する。これにより、ラジカル重合性不飽和
結合を有する化合物が光重合し、皮膜の露光領域の感光
性樹脂組成物はアルカリ水溶液に対して不溶となる。
【0049】この後、非露光領域を希薄アルカリ水溶液
で溶出除去することにより、皮膜が所望のパターンに現
像される。アルカリ水溶液としては、例えば、0.1〜
10重量%の炭酸ナトリウムや水酸化ナトリウム水溶液
を用いることができる。次いで、皮膜の耐熱性向上を主
な目的として、皮膜を適当な温度、例えば100〜20
0℃の温度で加熱する。これにより、エポキシ化合物と
アルカリ可溶性エポキシ硬化剤が反応し、最終的なソル
ダーレジスト皮膜、又は絶縁膜が形成される。
【0050】このようにして感光性樹脂組成物よりなる
皮膜を形成することにより、皮膜中にブタジエン化合物
が混合・分散されるため、耐熱性を犠牲にすることなく
低い弾性率を実現することができる。これにより、感光
性樹脂組成物の強靱性を向上することができる。また、
本実施形態におけるブタジエン化合物はその分子構造に
ラジカル重合性不飽和結合とアルカリ可溶性残基を有し
ているため、アルカリ水溶液による現像性を維持するこ
とができる。 [第3実施形態]本発明の第3実施形態による感光性樹
脂組成物は、エポキシ化合物、アルカリ可溶性エポキシ
硬化剤、ラジカル重合性不飽和結合を有する化合物、光
重合開始剤、及び、ラジカル重合性不飽和結合とカルボ
キシル基を有し、上記のエポキシ樹脂、ラジカル重合性
不飽和結合を有する上記の化合物に対して相溶性のない
ポリブタジエン化合物を主成分として構成されている。
【0051】このように、本実施形態による感光性樹脂
組成物では、シリカ、タルク、炭酸カルシウムなどより
なる無機フィラーの代わりに、ラジカル重合性不飽和結
合とカルボキシル基を有し、エポキシ樹脂とラジカル重
合性不飽和結合を有する化合物と相溶性のないポリブタ
ジエン化合物を添加している。従来のように無機化合物
をフィラーとして添加した場合には、リソグラフィーの
際に紫外光の透過性が低下し、解像性が悪くなる。しか
し、無機フィラーの代わりに上記のポリブタジエン化合
物を添加すると、このブタジエン化合物はエポキシ化合
物やラジカル重合性不飽和結合を有する化合物との相溶
性がないため、微粒状に分散させることができる。
【0052】しかも分子骨格にブタジエン構造をもち、
この不飽和結合は酸化剤に侵されやすいため、フィラー
としても用いることができる。更に、官能基としてアク
リル基、メタクリル基、ビニル基、或いはアリル基など
のラジカル重合性不飽和結合をもち、アルカリ可溶性で
あるカルボキシル基をも有しているため、アルカリ現像
性を低下させることもない。
【0053】このように、本実施形態によれば、従来の
感光性樹脂組成物よりも解像性、めっき密着性に優れた
感光性樹脂組成物を構成できる。また、このような感光
性樹脂組成物を用いることにより、解像性、密着性等に
優れ、且つアルカリ現像可能なフォトソルダーレジス
ト、ビルトアップ用絶縁膜が形成された電子回路基板を
形成することができる。
【0054】なお、上記のブタジエン化合物としては、
例えば、一般式
【0055】
【化14】 で示される液体ポリブタジエンをマレイン化した後、ヒ
ドロキシエチルメタクリレートを反応させることによっ
て得ることができる。例えば、日本石油化学社製の日石
ポリブタジエンMM−1000−80を用いることがで
きる。上記のブタジエン化合物において、ラジカル重合
性不飽和結合とカルボキシル基には、例えば、一般式
【0056】
【化15】 よりなる物質を適用することができる。また、エポキシ
化合物、アルカリ可溶性エポキシ硬化剤としては、第2
実施形態による感光性樹脂組成物に用いるものと同様の
材料を適用することができる。また、ラジカル重合性不
飽和結合を有する化合物、光重合開始剤、及びその他の
添加剤としては、第1実施形態による感光性樹脂組成物
に用いるものと同様の材料を適用することができる。
【0057】次に、本実施形態による感光性樹脂組成物
の使用方法について説明する。まず、上記の感光性樹脂
組成物を、電子回路基板上にスクリーン印刷、カーテン
コート、ロールコート、又はスピンコートなどの方法に
より塗布し、所望の厚さの皮膜を形成する。次いで、コ
ンタクト露光ができるように、適当な温度、例えば50
〜100℃の温度で電子回路基板を加熱し、皮膜を乾燥
させる。
【0058】続いて、ソルダーレジストを形成する場合
には、電子回路のはんだ付けをすべき箇所を除いた部分
が透明なマスクを、多層回路基板のビルトアップ用絶縁
膜を形成する場合には上層の電子回路との接続すべき箇
所を除いた部分が透明なマスクを用い、紫外線を適当な
露光量で照射する。これにより、ラジカル重合性不飽和
結合を有する化合物が光重合し、皮膜の露光領域の感光
性樹脂組成物はアルカリ水溶液に対して不溶となる。
【0059】この後、非露光領域を希薄アルカリ水溶液
で溶出除去することにより、皮膜が所望のパターンに現
像される。アルカリ水溶液としては、例えば、0.1〜
10重量%の炭酸ナトリウムや水酸化ナトリウム水溶液
を用いることができる。次いで、皮膜の耐熱性向上を主
な目的として、皮膜を適当な温度、例えば100〜20
0℃の温度で加熱する。これにより、エポキシ化合物と
アルカリ可溶性エポキシ硬化剤が反応し、最終的なソル
ダーレジスト皮膜、又は絶縁膜が形成される。
【0060】続いて、メッキ皮膜の密着性を高め、親水
性を付与するために、得られたソルダーレジスト皮膜、
又は絶縁膜に、酸化剤による表面粗化処理を施す。酸化
剤としては、例えば過マンガン酸塩の水溶液を50〜8
0℃にしたものを用いる。これにより、上記のブタジエ
ン化合物の分子主骨格であるブタジエン構造が分解さ
れ、周囲のポリマーとともに除去される。こうして、皮
膜表面に微細な凹凸が形成される。
【0061】この後、中和剤により酸化された皮膜表面
を中和し、乾燥させる。このようにして感光性樹脂組成
物よりなる皮膜を形成することにより、皮膜中にブタジ
エン化合物が混合・分散されるため、耐熱性を犠牲にす
ることなく強いめっき密着性を実現することができる。
更に、本実施形態に使用するブタジエン化合物は、その
分子構造にラジカル重合性不飽和結合とアルカリ可溶性
残基を有しているため、アルカリ水溶液による現像性を
維持することができる。
【0062】
【実施例】以下、実施例及び比較例を挙げ、本発明によ
る感光性樹脂組成物を具体的に説明する。 [第1実施形態に関連する実施例]各種成分を配合して
ロールミルで混練し、多官能エポキシ化合物と、アルカ
リ可溶性エポキシ硬化剤と、ラジカル重合性不飽和結合
を有する化合物と、光重合開始剤とを主成分とするソル
ダーレジストを形成した。
【0063】配合成分を変化させ、表1に示す5種類の
ソルダーレジストを作成した。
【0064】
【表1】 配合成分を変化した代表的な組成材料は、次に示す通り
である。 [実施例1]多官能エポキシ化合物として、一般式
【0065】
【化16】 で示される物質(ダイセル化学(株)社製、EHPE−
3150)を用い、アルカリ可溶性エポキシ硬化剤とし
てノボラック型フェノール樹脂を用いた。 [実施例2]多官能エポキシ化合物として、実施例1と
同じEHPE−3150を用い、アルカリ可溶性エポキ
シ硬化剤としてノボラック型クレゾール樹脂を用いた。 [実施例3]多官能エポキシ化合物として、実施例1と
同じEHPE−3150を用い、アルカリ可溶性エポキ
シ硬化剤としてフタル酸を用いた。 [比較例1]EHPE−3150の代わりにフェノール
ノボラック型エポキシ樹脂を用い、アルカリ可溶性エポ
キシ硬化剤としてノボラック型フェノール樹脂を用い
た。 [比較例2]EHPE−3150の代わりにビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂を用い、アルカリ可溶性エポキシ
硬化剤としてノボラック型フェノール樹脂を用いた。
【0066】次に、このように形成したソルダーレジス
トについて、ガラス転移温度、現像性、銅箔との密着性
について評価した。まず、実施例1〜3、比較例1、2
のソルダーレジストを、それぞれ銅箔上にスクリーン印
刷により塗布し、厚さ約30μmの皮膜を形成した。次
いで、80℃の温度で約1時間乾燥した後、波長365
nmの紫外線により、所望のパターンを露光した。この
ときの光強度は50mW/cm2とし、約30秒間照射
した。
【0067】続いて、液温30℃の2%炭酸ナトリウム
水溶液でスプレー現像し、水洗リンスを行った。スプレ
ー現像の際には、スプレー圧を1kg/cm2、現像時
間を60秒間とした。この後、180℃の温度で加熱
し、パターニングされた皮膜を熱硬化した。このように
形成した皮膜についてガラス転移温度、現像性、銅箔と
の密着性を評価した結果を表2に示す。
【0068】
【表2】 表2中、ガラス転移温度は動的粘弾性測定により求めた
結果であり、この値が大きいほどに耐熱性があることを
示している。現像性の評価のうち、○印は完全に現像さ
れたものを示し、△印はレジストが僅かに残ったものを
示している。
【0069】密着性の評価は、10mm×10mmの試
料について1mm間隔で碁盤目状にクロスカットを入
れ、セロハンテープによるピーリング後に剥がれの状態
を目視した結果である。○印は100個のうち全てが剥
がれなかったものを示し、△印が100個中50〜99
個が剥がれずに残った場合を示している。表2に示すよ
うに、実施例1乃至3のソルダーレジストでは、比較例
1、2と比べて大幅に耐熱性を向上することができた。
【0070】また、現像性、密着性についても、従来の
ソルダーレジストと遜色のない良好な特性を得ることが
できた。 [第2実施形態に関連する実施例]各種成分を配合して
ロールミルで混練し、ラジカル重合性不飽和結合とカル
ボキシル基を有してなるブタジエン化合物と、エポキシ
化合物と、アルカリ可溶性エポキシ硬化剤と、ラジカル
重合性不飽和結合を有する化合物と、光重合開始剤とを
主成分とするソルダーレジストを形成した。
【0071】配合成分を変化させ、表3に示す2種類の
ソルダーレジストを作成した。
【0072】
【表3】 配合成分を変化した代表的な組成材料は、次に示す通り
である。 [実施例4]ラジカル重合性不飽和結合とカルボキシル
基を有してなるブタジエン化合物として、日本石油化学
社製の日石ポリブタジエンMM−1000−80(商品
名)を用いた。 [比較例3]上記のブタジエン化合物を添加せずにソル
ダーレジストを形成した。
【0073】次に、このように形成したソルダーレジス
トについて、弾性率、ガラス転移温度、現像性について
評価した。まず、実施例4、比較例3のソルダーレジス
トを、それぞれ銅箔上にスクリーン印刷により塗布し、
厚さ約30μmの皮膜を形成した。次いで、80℃の温
度で約1時間乾燥した後、波長365nmの紫外線によ
り、所望のパターンを露光した。このときの光強度は5
0mW/cm2とし、約30秒間照射した。
【0074】続いて、液温30℃の2%炭酸ナトリウム
水溶液でスプレー現像し、水洗リンスを行った。スプレ
ー現像の際には、スプレー圧を1kg/cm2、現像時
間を60秒間とした。この後、180℃の温度で加熱
し、パターニングされた皮膜を熱硬化した。このように
形成した皮膜について皮膜の弾性率、ガラス転移温度、
現像性を評価した結果を表4に示す。
【0075】
【表4】 表4中、弾性率及びガラス転移温度は動的粘弾性測定に
より求めた結果であり、弾性率は値が小さいほどに強靱
性が高いことを示している。表4に示すように、実施例
4のソルダーレジストは、比較例3と比べて弾性率が低
くなっており、従来のソルダーレジストと比較して強靱
性が増加していることが判る。
【0076】また、現像性、耐熱性についても、従来の
ソルダーレジストと遜色のない良好な特性を得ることが
できた。 [第3実施形態に関連する実施例]各種成分を配合して
ロールミルで混練し、エポキシ化合物、アルカリ可溶性
エポキシ硬化剤、ラジカル重合性不飽和結合を有する化
合物、光重合開始剤、及び、ラジカル重合性不飽和結合
とカルボキシル基を有し、エポキシ樹脂とラジカル重合
性不飽和結合を有する化合物と相溶性のないポリブタジ
エン化合物とを主成分とするソルダーレジストを形成し
た。
【0077】配合成分を変化させ、表5に示す3種類の
ソルダーレジストを作成した。
【0078】
【表5】 配合成分を変化した代表的な組成材料は、次に示す通り
である。 [実施例5]ラジカル重合性不飽和結合とカルボキシル
基を有し、エポキシ樹脂とラジカル重合性不飽和結合を
有する化合物と相溶性のないポリブタジエン化合物とし
て、日本石油化学社製の日石ポリブタジエンMM−10
00−80(商品名)を用い、無機フィラーを添加せず
にソルダーレジストを形成した。 [比較例4]上記のポリブタジエン化合物の代わりに、
無機フィラーとして炭酸カルシウムを添加してソルダー
レジストを形成した。 [比較例5]上記のポリブタジエン化合物及び無機フィ
ラーを添加せずにソルダーレジストを形成した。
【0079】次に、このように形成したソルダーレジス
トについて、皮膜の膜厚、解像度、現像性、めっき密着
性について評価した。まず、実施例5、比較例4、5の
ソルダーレジストを、それぞれ銅箔上にスクリーン印刷
により塗布し、厚さ約30μmの皮膜を形成した。次い
で、80℃の温度で約1時間乾燥した後、波長365n
mの紫外線により、所望のパターンを露光した。このと
きの光強度は50mW/cm2とし、約30秒間照射し
た。
【0080】続いて、液温30℃の2%炭酸ナトリウム
水溶液でスプレー現像し、水洗リンスを行った。スプレ
ー現像の際には、スプレー圧を1kg/cm2、現像時
間を60秒間とした。この後、180℃の温度で加熱
し、パターニングされた皮膜を熱硬化した。次いで、表
面粗化処理として、脱脂、過マンガン酸ナトリウム水溶
液による表面粗化を行った。過マンガン酸ナトリウム水
溶液の液温は70℃とし、この溶液中に10分間浸漬し
た。
【0081】続いて、中和剤により、酸化された皮膜表
面を中和し、135℃の温度で1時間加熱して乾燥し
た。この後、無電界銅めっき、硫酸銅めっきによりめっ
き皮膜を形成した。このように形成した皮膜について皮
膜の膜厚、解像度、現像性、めっき密着性を評価した結
果を表6に示す。
【0082】
【表6】 表6中、現像性の評価のうち、○印は完全に現像された
ものを示し、△印はレジストが僅かに残ったものを示し
ている。密着性の評価は、10mm×10mmの試料に
ついて1mm間隔で碁盤目状にクロスカットを入れ、セ
ロハンテープによるピーリング後に剥がれの状態を目視
した結果である。◎印は100個が完全に剥がれなかっ
たものを示し、○印は100個全てが剥がれなかったが
クロスカット部が少し剥がれたものを示し、△印が10
0個中50〜90個が剥がれずに残った場合を示してい
る。
【0083】表6に示すように、実施例5のソルダーレ
ジストでは、無機フィラーを添加した比較例4と同等の
チクソ性が得られており、基板上に塗布したときに十分
な膜厚を得ることができた。また、無機フィラーを添加
しない比較例5と比肩するほどに解像度を高めることが
できた。
【0084】更に、現像性、密着性についても、比較例
4、5と同等の特性を得ることができた。
【0085】
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、一般式
【0086】
【化17】 で示される多官能エポキシ化合物と、アルカリ可溶性を
有するエポキシ硬化剤と、ラジカル重合性不飽和結合を
有する化合物と、光重合開始剤とにより感光性樹脂組成
物を構成するので、従来の感光性樹脂組成物よりも耐熱
性を向上することができる。
【0087】また、上記の感光性樹脂組成物において、
多官能エポキシ化合物には、一般式
【0088】
【化18】 で表される化合物を適用することができる。また、ラジ
カル重合性不飽和結合とカルボキシル基を有してなるブ
タジエン化合物と、エポキシ化合物と、アルカリ可溶性
を有するエポキシ硬化剤と、ラジカル重合性不飽和結合
を有する化合物と、光重合開始剤とにより感光性樹脂組
成物を構成するので、従来の感光性樹脂組成物よりも強
靱性を向上することができる。
【0089】また、上記の感光性樹脂組成物において、
ブタジエン化合物として、エポキシ化合物及びラジカル
重合性不飽和結合を有する化合物と相溶性がない化合物
を用いれば、十分なチクソ性を有する感光性樹脂組成物
を形成することができる。これにより、無機フィラーな
どの添加物を添加する必要がないので、リソグラフィー
の解像度を向上することができる。
【0090】また、上記の感光性樹脂組成物において、
ブタジエン化合物には、一般式
【0091】
【化19】 により表される分子主骨格を有する物質を用いることが
できる。また、上記の感光性樹脂組成物において、ブタ
ジエン化合物のラジカル重合性不飽和結合とカルボキシ
ル基には、一般式
【0092】
【化20】 により表される構造を有する物質を用いることができ
る。また、上記の感光性樹脂組成物を硬化することによ
り回路基板上にソルダーレジスト形成すれば、耐熱性・
強靱性等に優れ、又は高解像度でパターニングされたソ
ルダーレジストを有する回路基板を構成することができ
る。
【0093】また、上記の感光性樹脂組成物を硬化する
ことにより回路基板上にビルトアップ用絶縁膜を形成す
れば、耐熱性・強靱性等に優れ、又は高解像度でパター
ニングされたビルトアップ用絶縁膜を有する多層回路基
板を構成することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03F 7/027 502 G03F 7/027 502 7/028 7/028 7/033 7/033 H05K 3/28 H05K 3/28 D C 3/46 3/46 T // C08F 299/00 MRN C08F 299/00 MRN

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 【化1】 で示される多官能エポキシ化合物と、 アルカリ可溶性を有するエポキシ硬化剤と、 ラジカル重合性不飽和結合を有する化合物と、 光重合開始剤とを有することを特徴とする感光性樹脂組
    成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の感光性樹脂組成物におい
    て、 前記多官能エポキシ化合物は、一般式 【化2】 で表される化合物であることを特徴とする感光性樹脂組
    成物。
  3. 【請求項3】 ラジカル重合性不飽和結合とカルボキシ
    ル基を有してなるブタジエン化合物と、 エポキシ化合物と、 アルカリ可溶性を有するエポキシ硬化剤と、 ラジカル重合性不飽和結合を有する化合物と、 光重合開始剤とを有することを特徴とする感光性樹脂組
    成物。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の感光性樹脂組成物におい
    て、 前記ブタジエン化合物は、前記エポキシ化合物及び前記
    ラジカル重合性不飽和結合を有する化合物と相溶性がな
    いことを特徴とする感光性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 請求項3又は4記載の感光性樹脂組成物
    において、 前記ブタジエン化合物は、一般式 【化3】 により表される分子主骨格を有することを特徴とする感
    光性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 請求項3乃至5のいずれかに記載の感光
    性樹脂組成物において、 前記ブタジエン化合物の前記ラジカル重合性不飽和結合
    と前記カルボキシル基は、一般式 【化4】 により表される構造を有することを特徴とする感光性樹
    脂組成物。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6のいずれかに記載の感光
    性樹脂組成物を硬化して形成されたソルダーレジストを
    有することを特徴とする回路基板。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至6のいずれかに記載の感光
    性樹脂組成物の硬化して形成されたビルトアップ用絶縁
    膜を有することを特徴とする回路基板。
JP5621396A 1996-03-13 1996-03-13 感光性樹脂組成物及び回路基板 Withdrawn JPH09244242A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5621396A JPH09244242A (ja) 1996-03-13 1996-03-13 感光性樹脂組成物及び回路基板

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5621396A JPH09244242A (ja) 1996-03-13 1996-03-13 感光性樹脂組成物及び回路基板

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09244242A true JPH09244242A (ja) 1997-09-19

Family

ID=13020836

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5621396A Withdrawn JPH09244242A (ja) 1996-03-13 1996-03-13 感光性樹脂組成物及び回路基板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09244242A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001228605A (ja) * 2000-02-16 2001-08-24 Shin Etsu Chem Co Ltd 熱硬化性感光材料
KR20020070816A (ko) * 2001-02-28 2002-09-11 후지 필름 아치 가부시키가이샤 광경화성 조성물, 컬러필터용 광경화성 조성물,광경화막의 제조방법, 및 컬러필터의 제조방법
WO2005096100A1 (ja) * 2004-03-31 2005-10-13 Zeon Corporation 感放射線組成物、積層体及びその製造方法並びに電子部品

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001228605A (ja) * 2000-02-16 2001-08-24 Shin Etsu Chem Co Ltd 熱硬化性感光材料
KR20020070816A (ko) * 2001-02-28 2002-09-11 후지 필름 아치 가부시키가이샤 광경화성 조성물, 컬러필터용 광경화성 조성물,광경화막의 제조방법, 및 컬러필터의 제조방법
WO2005096100A1 (ja) * 2004-03-31 2005-10-13 Zeon Corporation 感放射線組成物、積層体及びその製造方法並びに電子部品

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6879348B2 (ja) 感光性エレメント、積層体、永久マスクレジスト及びその製造方法並びに半導体パッケージの製造方法
TWI584070B (zh) 感光性樹脂組成物、感光性膜、永久遮罩抗蝕劑及永久遮罩抗蝕劑的製造方法
JP5263603B2 (ja) 感光性樹脂組成物、感光性フィルム、レジストパターンの形成方法及びそれを用いた永久レジスト。
JPH0288615A (ja) 難燃性液状感光性樹脂組成物
JPH0154390B2 (ja)
JP3750101B2 (ja) 感光性樹脂組成物及びプリント配線板
JP4449402B2 (ja) 永久レジスト用感光性樹脂組成物、永久レジスト用感光性フィルム、レジストパターンの形成方法及びプリント配線板
KR20060081361A (ko) 광 경화성ㆍ열 경화성의 일액형 솔더 레지스트 조성물 및그것을 사용한 인쇄 배선판
JP5115646B2 (ja) 永久レジスト用感光性樹脂組成物、永久レジスト用感光性フィルム、レジストパターンの形成方法及びプリント配線板
JP3673967B2 (ja) 感光性樹脂組成物及びプリント配線板
JPH09244242A (ja) 感光性樹脂組成物及び回路基板
JP4325238B2 (ja) 永久レジスト用感光性フィルム、レジストパターンの形成方法及びプリント配線板
JP3778644B2 (ja) 感光性樹脂組成物
JP4351463B2 (ja) 活性エネルギー線硬化型アルカリ可溶性樹脂、活性エネルギー線硬化型アルカリ可溶性樹脂組成物、ソルダーレジスト用組成物、ドライフィルムおよびプリント配線板
JPH0767008B2 (ja) ソルダーレジストパターン形成方法
JP3214297B2 (ja) 感光性樹脂組成物
JP4720000B2 (ja) 感光性樹脂組成物、この組成物を用いた感光性フィルム
JP3281307B2 (ja) 感光性樹脂組成物、これを用いた感光性エレメント、感光性樹脂組成物の層の積層方法、感光性樹脂組成物層積層基板及び感光性樹脂組成物の層の硬化方法
JP2002234932A (ja) アルカリ水溶液可溶性エポキシカルボキシレート化合物及びそれを用いた感光性樹脂組成物並びにその硬化物
JP2003165827A (ja) 感光性熱硬化樹脂組成物
JPH01136144A (ja) 光及び熱硬化性組成物
JPH06263832A (ja) 活性エネルギー線硬化性樹脂組成物
JPH05341527A (ja) 感光性樹脂組成物及びこれを用いた感光性エレメント
JP3415919B2 (ja) 感光性樹脂組成物及びこれを用いた感光性エレメント
JP3944971B2 (ja) 感光性樹脂組成物及びこれを用いた感光性エレメント

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20030603