JP3721770B2 - 着色感光性樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、紫外線硬化型インキやフォトレジストなどに広く利用されている感光性樹脂組成物の改良に関するものであり、特に、カラー液晶表示装置や撮像素子などに使用される着色画像(画素とも呼ばれる)を形成するためのレジスト組成物に好適な、ブラックマトリックス形成用着色感光性樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
カラー液晶表示装置や撮像素子などにおけるカラーフィルターは通常、ガラスやシリコンウェハーなどの基板上に、赤、緑及び青の三原色画素を形成することにより製造されている。また、これら画素間を遮光するためにブラックマトリックスを設けるのが普通である。そして、これら各色の画素を形成するには、遮光層がパターン形成された基板上に、各色に相当する顔料を含有するレジスト液をスピンコーターにより均一に塗布した後、加熱乾燥(プリベーク)し、その塗膜を露光、現像する方法が採用されており、これらの操作をカラーフィルターに必要とされる色毎に繰り返すことにより、各色の画像を得ている。このようなレジストとして、顔料及びバインダー樹脂とともに、光重合性モノマー及び光重合開始剤を含有する組成物が多く使用されている。また、ブラックマトリックスの形成にも、黒色顔料を含有するレジストを用いることがある。
【0003】
これらのレジストの大半は、光ラジカル重合性モノマーの硬化反応により、レジスト塗膜の耐現像液性(現像液に溶けにくくなり、その部分が画像として残る性質)を付与するシステムとなっている。このような光ラジカル重合を硬化反応に利用したレジスト組成物は、酸素の存在によって重合反応が阻害されるため、大気雰囲気下ではパターニングが難しく、たとえパターニングが可能としても、非常に多くの露光量を必要とする。そこで、露光前にポリビニルアルコールなどの透明な酸素遮断膜を塗膜表面に塗布して、重合阻害を回避する方法がとられてきた。
【0004】
ところが、酸素による重合阻害を回避するために露光量を多くしたり、酸素遮断膜を使用したりすると、カラーフィルター生産時のタクトタイム(1枚あたりの生産時間)が長くなったり、工程が増加したりして、生産性を大きく損なうことになる。そこで、生産性を損なわずに、酸素による重合阻害を回避するため、特開平 1-152449 号公報等により、感度の高いs−トリアジン化合物、特にクロロメチル基を有するs−トリアジン化合物を光重合開始剤とすることが提案された。しかしながら、このようなs−トリアジン化合物を光重合開始剤に使用すると、光開裂により発生する塩素ラジカルに起因して塩化水素ガス等が発生し、フォトマスクの汚れを引き起こすことが多い。また、塩素イオンが液晶層に移行して、液晶の誤作動を引き起こす原因になる可能性も高い。
【0005】
このような塩素ラジカル起因の塩素系ガス等を捕捉するため、レジスト樹脂中にエポキシ化合物を添加することが、特開平 1-254918 号公報や特開平 8-94824号公報で提案されている。しかし、前者の公報で提案されているエポキシ化合物は、光硬化反応に関与しないものであり、レジスト樹脂中のエポキシ化合物の含量が多くなると、レジストの感度が急激に低下するという問題があった。一方、後者の公報では、脂環式の2官能性エポキシ化合物が推奨されているが、そこに具体的に記載される2官能性のエポキシ化合物では、競争的に起こるエポキシ基の光硬化反応と塩素系ガス等を捕捉する反応との両立は難しいという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、大気雰囲気下においても酸素による重合阻害を受けにくく、十分な感度を有しながら、光重合開始剤に起因する塩化水素ガス等のハロゲン系不純物の発生が少ない着色感光性樹脂組成物を提供することにある。
【0007】
本発明者らは、上記従来技術の問題点を解決すべく鋭意研究を行った結果、顔料やバインダー樹脂、光ラジカル重合性モノマーなどとともに、特定構造を有する光カチオン重合性化合物と特定の光重合開始剤を含有する組成物を用いることにより、優れた結果が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、以下の各成分を含有するブラックマトリックス形成用着色感光性樹脂組成物を提供するものである。
【0009】
(A)有機顔料、
(B)カルボキシル基含有共重合体、
(C)脂環式環に直接酸素原子が結合した脂環式エポキシ基を分子内に少なくとも3個有する光カチオン重合性化合物、
(D)光ラジカル重合性モノマー、
(E)光ラジカル重合と光カチオン重合の両方を開始することのできるトリクロロメチル基を有するs−トリアジン骨格を有する光重合開始剤、及び
(F)溶剤。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。本発明のブラックマトリックス形成用着色感光性樹脂組成物は、主に顔料分散レジストとして使用されるもので、溶剤中に有機顔料(A)が分散され、さらにバインダー樹脂と呼ばれるカルボキシル基含有共重合体(B)、光カチオン重合性化合物(C)、光ラジカル重合性モノマー(D)及び光重合開始剤(E)、また任意にその他の添加剤が、溶解又は分散されている。
【0011】
有機顔料(A)は、顔料分散レジストに通常用いられる有機顔料であることができる。有機顔料(A)として具体的には、カラーインデックス(Colour Index)(The Society of Dyers and Colourists 出版)で、ピグメント(Pigment )に分類されている化合物が挙げられる。これらの有機顔料は、それぞれ単独で、又は2種以上組み合わせて用いることができる。より具体的には、以下のようなカラーインデックス(C.I.)番号の化合物が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
【0012】
C.I.ピグメントイエロー 20, 24, 31, 53, 83, 86, 93, 94, 109, 110, 117, 125, 137, 138, 139, 147, 148, 153, 154, 166 及び 173;
C.I.ピグメントオレンジ 13, 31, 36, 38, 40, 42, 43, 51, 55, 59, 61, 64, 65 及び 71;
C.I.ピグメントレッド 9, 97, 105, 122, 123, 144, 149, 166, 168, 176, 177, 180, 192, 215, 216, 224, 242 及び 254;
C.I.ピグメントバイオレット 14, 19, 23, 29, 32, 33, 36, 37 及び 38;
C.I.ピグメントブルー 15(15:3, 15:4, 15:6 など), 21, 22, 28, 60 及び 64;
C.I.ピグメントグリーン 7, 10, 15, 25, 36 及び 47;
C.I.ピグメントブラウン 28;
C.I.ピグメントブラック 1 及び 7 など。
【0013】
有機顔料(A)は、着色感光性樹脂組成物中の全固形分量を基準に、好ましくは5〜60重量%、より好ましくは10〜50重量%の範囲で用いられる。
【0014】
バインダー樹脂は、未露光塗膜にアルカリ現像性を付与し、また有機顔料の分散媒として作用するものであり、本発明では、かかるバインダー樹脂として、カルボキシル基含有共重合体(B)が用いられる。カルボキシル基含有共重合体は、例えば、カルボキシル基含有モノマーと、それに共重合が可能な他のモノマーとの共重合によって得ることができる。
【0015】
カルボキシル基含有モノマーは、例えば、不飽和モノカルボン酸や不飽和ジカルボン酸など、分子中に少なくとも1個のカルボキシル基を有する不飽和カルボン酸であることができ、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸などが挙げられる。これらは、それぞれ単独で、又は2種以上組み合わせて用いることができる。また、これらカルボキシル基含有モノマーに共重合が可能なモノマーは、重合性不飽和結合を有する化合物である。 具体的には、スチレンやα−メチルスチレン、ビニルトルエンのような芳香族ビニル化合物、メチル(メタ)アクリレートやエチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレートのような不飽和カルボン酸エステル、アミノエチルアクリレートのような不飽和カルボン酸アミノアルキルエステル、グリシジル(メタ)アクリレートのような不飽和カルボン酸グリシジルエステル、酢酸ビニルやプロピオン酸ビニルのようなカルボン酸ビニルエステル、(メタ)アクリロニトリルやα−クロロアクリロニトリルのようなシアン化ビニル化合物などが挙げられる。これらのモノマーも、それぞれ単独で、又は2種以上組み合わせて用いることができる。
【0016】
さらに、不飽和カルボン酸と不飽和カルボン酸グリシジルエステルとを共重合させて得られる共重合体のグリシジル基に不飽和カルボン酸を付加させたもの、スチレンと無水マレイン酸とを共重合させて得られる共重合体の無水マレイン酸由来部分に2−ヒドロキシエチルアクリレートを付加させたものなど、ポリマー側鎖に光重合性の不飽和基を有するものも、カルボキシル基含有共重合体(B)として使用できる。
【0017】
これらのカルボキシル基含有共重合体(B)において、カルボキシル基含有モノマー単位は、モノマー全体に対し、好ましくは10〜50重量%、より好ましくは15〜40重量%の範囲で存在する。ここでいうカルボキシル基含有モノマー単位の量とは、カルボキシル基含有共重合体がカルボキシル基含有モノマーと他のモノマーとの共重合体である場合は、そのうちのカルボキシル基含有モノマーの量を意味し、同共重合体がポリマー側鎖に光重合性の不飽和基を有するものである場合は、最終的にカルボキシル基として残るモノマー単位を意味する。後者についてさらに具体的に説明すると、例えば、不飽和カルボン酸と不飽和カルボン酸グリシジルエステルとを共重合させて得られる共重合体のグリシジル基に不飽和カルボン酸を付加させたものでは、最後にグリシジル基に反応させる不飽和カルボン酸は、エステルの形でポリマー主鎖に結合するので、最初に不飽和カルボン酸グリシジルエステルとを共重合される不飽和カルボン酸の単位のみが、カルボキシル基含有モノマー単位に該当する。また、スチレンと無水マレイン酸とを共重合させて得られる共重合体の無水マレイン酸由来部分に2−ヒドロキシエチルアクリレートを付加させたものでは、無水マレイン酸由来部分が開環してカルボキシル基を生ずるので、この無水マレイン酸由来の単位が、カルボキシル基含有モノマー単位に該当する。
【0018】
カルボキシル基含有共重合体(B)の好ましい例としては、ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/スチレン共重合体、メチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、メチルメタクリレート/メタクリル酸/スチレン共重合体などが挙げられる。これらのカルボキシル基含有共重合体は、ポリスチレン換算重量平均分子量が10,000〜400,000 の範囲にあるのが好ましく、より好ましくは 20,000〜300,000の範囲の重量平均分子量を有する。カルボキシル基含有共重合体(B)は、着色感光性樹脂組成物中の全固形分量を基準に、一般には5〜90重量%、好ましくは20〜70重量%の範囲で含有される。
【0019】
光カチオン重合性化合物(C)として、本発明では、脂環式環に直接酸素原子が結合した脂環式エポキシ基を分子内に少なくとも3個有するものを用いる。脂環式エポキシ基は、オキソニウム塩を成長活性種としてカチオン重合することから、この化合物(C)は、後述する特定の光重合開始剤の存在と相俟って光硬化反応に寄与するとともに、その光重合開始剤から発生するハロゲン系ガス等の捕捉に寄与する。このような、脂環式エポキシ基を分子内に少なくとも3個有する化合物で市販されているものとしては、3官能タイプの下式(I)
【0020】
【0021】
に相当する“エポリード GT301”〔式(I)中のa+bが約1のもの、エポキシ当量185〜205、ダイセル化学社製〕及び“エポリード GT302”〔式(I)中のa+bが約2のもの、エポキシ当量225〜250、ダイセル化学社製〕、4官能タイプの下式(II)
【0022】
【0023】
に相当する“エポリード GT401”〔式(II)中のc+d+e+fが約1のもの、エポキシ当量210〜225、ダイセル化学社製〕、及び“エポリード GT403”〔式(II)中のc+d+e+fが約3のもの、エポキシ当量270〜300、ダイセル化学社製〕などが挙げられる。光カチオン重合性化合物(C)は、エポキシ当量が小さいほど有利であるが、分子内に脂環式エポキシ基を少なくとも3個有し、エポキシ当量が350以下程度であれば、すべて使用できる。
【0024】
光ラジカル重合性モノマー(D)は、光及び光重合開始剤の作用によってラジカル重合を起こす化合物であり、一般には、重合性炭素−炭素不飽和結合を有する化合物がこれに該当する。このモノマー(D)は、単官能モノマーの他、2官能、その他の多官能モノマーであることができる。単官能モノマーの具体例としては、ノニルフェニルカルビトールアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−エチルヘキシルカルビトールアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、N−ビニルピロリドンなどが挙げられる。また2官能モノマーの具体例としては、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのビス(アクリロイロキシエチル)エーテル、3−メチルペンタンジオールジ(メタ)アクリレートなどが挙げられ、その他の多官能モノマーとしては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。なかでも、2官能以上の多官能モノマーが好ましく用いられる。
【0025】
光カチオン重合性化合物(C)及び光ラジカル重合性モノマー(D)の量について説明すると、カルボキシル基含有共重合体(B)、光カチオン重合性化合物(C)及び光ラジカル重合性モノマー(D)の合計100重量部に対して、光カチオン重合性化合物(C)は、一般に0.1〜60重量部の範囲で、好ましくは1〜30重量部の範囲で含有され、また光ラジカル重合性モノマー(D)も、一般に0.1〜60重量部の範囲で、好ましくは1〜30重量部の範囲で含有される。
【0026】
次に、光重合開始剤として本発明では、光ラジカル重合と光カチオン重合の両方を開始することのできるトリクロロメチル基を有するs−トリアジン骨格を有する化合物を用いる。公知の光重合開始剤の多くは光ラジカル重合のみを開始するが、s−トリアジン骨格を有する開始剤、特にトリクロロメチル基を有するs−トリアジン系開始剤は、光の作用で次式のように分解して塩素ラジカルを発生し、この塩素ラジカルがドナーR−Hから水素原子を引き抜いて塩化水素を生成し、ドナーのラジカルR・を残すといわれている。
【0027】
【0028】
ここでXは、開始剤を光活性にし、吸光波長を調整するための基であって、アリール基、2−位に置換されてもよいベンゼン環や置換されてもよいフラン環のような最低水素化環が結合したビニル基、ピペロニル基などがこれに該当する。また、R−Hで表されるドナーの役割は、その組成物内に存在し、水素原子を有する各種の化合物によって果たされるが、本発明の組成物でいえば、典型的には光ラジカル重合性モノマー(D)がこの役割を果たす。
【0029】
そして、生成した塩化水素が水素イオンと塩化物イオンに解離することによりカチオン重合を開始させ、ドナーのラジカルR・がラジカル重合を開始させることになる。
【0030】
このように、一分子で光ラジカル重合と光カチオン重合の両方を開始することができる化合物であれば、本発明における光重合開始剤として用いることができ、具体的には、光に対して活性であり、他の成分から水素原子を引き抜いて酸を生成しうるラジカル、例えばハロゲンラジカル、特に塩素ラジカルを光の作用によって発生する化合物であればよいが、代表的には、上記したようなs−トリアジン骨格を有する光重合開始剤が用いられる。
【0031】
このs−トリアジン系の光重合開始剤は、通常ハロメチル基を有し、例えばクロロメチル基、特にトリクロロメチル基を有するのが有利である。具体的には、次のような化合物を挙げることができる。
【0032】
2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、
2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシナフチル)−1,3,5−トリアジン、
2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−ピペロニル−1,3,5−トリアジン、
2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシスチリル)−1,3,5−トリアジン、
2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(5−メチルフラン−2−イル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン、
2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(フラン−2−イル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン、
2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン、
2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(3,4−ジメトキシフェニル)エテニル〕−1,3,5−トリアジンなど。
【0033】
本発明においては、光重合開始剤として、光ラジカル重合と光カチオン重合の両方を開始することのできる化合物を用いることが必須であるが、その他の光重合開始剤を組み合わせて使用することもできる。併用される光重合開始剤は、この分野で通常用いられているものであることができ、例えば、アセトフェノン系、ベンゾイン系、ベンゾフェノン系、チオキサントン系、その他の開始剤が挙げられる。より具体的には、以下のような化合物を挙げることができ、これらの1種又は2種以上を、前記の光ラジカル重合と光カチオン重合の両方を開始することのできる化合物と組み合わせて用いることができる。
【0034】
(a) アセトフェノン系開始剤
ジエトキシアセトフェノン、
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、
ベンジルジメチルケタール、
2−ヒドロキシ−1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕−2−メチルプロパン−1−オン、
1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、
2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノプロパン−1−オン、
2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン、
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−〔4−(1−メチルビニル)フェニル〕プロパン−1−オンのオリゴマーなど。
【0035】
(b) ベンゾイン系開始剤
ベンゾイン、
ベンゾインメチルエーテル、
ベンゾインエチルエーテル、
ベンゾインイソプロピルエーテル、
ベンゾインイソブチルエーテルなど。
【0036】
(c) ベンゾフェノン系開始剤
ベンゾフェノン、
o−ベンゾイル安息香酸メチル、
4−フェニルベンゾフェノン、
4−ベンゾイル−4′−メチルジフェニルサルファイド、
3,3′,4,4′−テトラ(tert−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、
2,4,6−トリメチルベンゾフェノンなど。
【0037】
(d) チオキサントン系開始剤
2−イソプロピルチオキサントン、
4−イソプロピルチオキサントン、
2,4−ジエチルチオキサントン、
2,4−ジクロロチオキサントン、
1−クロロ−4−プロポキシチオキサントンなど。
【0038】
(e) その他の開始剤
2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド、
2,2′−ビス(o−クロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニル−1,2′−ビイミダゾール、
10−ブチル−2−クロロアクリドン、
2−エチルアントラキノン、
ベンジル、
9,10−フェナンスレンキノン、
カンファーキノン、
フェニルグリオキシル酸メチル、
チタノセン化合物など。
【0039】
また、光重合開始剤に光開始助剤を組み合わせて用いることもできる。光開始助剤の具体例としては、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、安息香酸2−ジメチルアミノエチル、N,N−ジメチルパラトルイジン、4,4′−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(通称ミヒラーズケトン)、4,4′−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、9,10−ジメトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジメトキシアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジエトキシアントラセンなどが挙げられる。これら光開始助剤は、それぞれ単独で、又は2種以上組み合わせて用いることができる。
【0040】
光ラジカル重合と光カチオン重合の両方を開始することのできるトリクロロメチル基を有するs−トリアジン骨格を有する光重合開始剤(E)は、着色感光性樹脂組成物中のカルボキシル基含有共重合体(B)、光カチオン重合性化合物(C)及び光ラジカル重合性モノマー(D)の合計100重量部に対して、一般には0.1〜50重量部の範囲で、好ましくは1〜30重量部の範囲で含有される。また、他の光重合開始剤を組み合わせて用いる場合、及び任意に光開始助剤を用いる場合は、光ラジカル重合と光カチオン重合の両方を開始することのできるトリクロロメチル基を有するs−トリアジン骨格を有する化合物光重合開始剤(E)を含めたこれらの合計量として、感光性樹脂組成物中のカルボキシル基含有共重合体(B)、光カチオン重合性化合物(C)及び光ラジカル重合性モノマー(D)の合計100重量部に対し、一般には0.1〜50重量部の範囲で、好ましくは1〜30重量部の範囲で含有される。
【0041】
溶剤(F)は、この分野で用いられる各種のものであることができる。具体例としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルのようなエチレングリコールモノアルキルエーテル類;ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテルのようなジエチレングリコールジアルキルエーテル類;メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテートのようなエチレングリコールアルキルエーテルアセテート類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテートのようなプロピレングリコールアルキルエーテルアセテート類;ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;メチルエチルケトン、アセトン、メチルアミルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンのようなケトン類;エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、グリセリンのようなアルコール類;3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチルのようなエステル類;γ−ブチロラクトンのような環状エステル類などが挙げられる。これらの溶剤は、それぞれ単独で、又は2種類以上混合して用いることができる。溶剤の使用量は、それを含む着色感光性樹脂組成物全体の量を基準に、好ましくは60〜90重量%、より好ましくは70〜85重量%である。
【0042】
本発明の着色感光性樹脂組成物はまた、必要に応じて、充填剤、他の高分子化合物、界面活性剤(顔料分散剤)、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、凝集防止材などの添加剤を含有することもできる。充填剤として具体的には、ガラス、シリカ、アルミナなどが、他の高分子化合物として具体的には、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリフロロアルキルアクリレートなどが、界面活性剤(顔料分散剤)としては、ノニオン系、カチオン系、アニオン系などの各種のものが、密着促進剤として具体的には、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどが、酸化防止剤として具体的には、2,2′−チオビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールなどが、紫外線吸収剤として具体的には、2−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、アルコキシベンゾフェノンなどが、また凝集防止剤として具体的には、ポリアクリル酸ナトリウムなどが挙げられる。
【0043】
本発明の着色感光性樹脂組成物は、例えば以下のようにして調製できる。すなわち、有機顔料(A)を予め溶剤(F)と混合し、有機顔料の平均粒子径が0.2μm 以下程度となるまで、ビーズミルなどを用いて分散させる。この際、必要に応じて分散剤が使用され、またカルボキシル基含有共重合体(B)の一部又は全部が配合されることもある。得られた顔料分散液(ミルベース)に、カルボキシル基含有共重合体(B)の残り、光カチオン重合性化合物(C)、光ラジカル重合性モノマー(D)及び光重合開始剤(E)、必要に応じて使用されるその他の成分、さらには必要により追加の溶剤を、所定の濃度となるように添加し、目的の着色感光性樹脂組成物を得る。
【0044】
こうして調製された着色感光性樹脂組成物は、例えば以下のようにして基板上に塗布し、光硬化及び現像をして着色画像とすることができる。まず、この組成物を基板(通常はガラス)上にスピンコートし、溶剤を加温乾燥(プリベーク)することにより平滑な塗膜を得る。このときの塗膜の膜厚は、およそ1〜2μm程度である。得られた塗膜に、目的の画像を形成するためのネガマスクを介して紫外線を照射する。この際、露光部全体に均一に平行光線が照射され、かつマスクと基板の正確な位置合わせが行われるよう、マスクアライナーなどの装置を使用するのが好ましい。さらにこの後、硬化の終了した塗膜を希アルカリ水溶液に接触させて未露光部を溶解させ、現像することにより、目的とする画像が得られる。現像後、必要に応じて150〜230℃で10〜60分程度の後硬化(ポストベーク)を施すこともできる。
【0045】
パターニング露光後の現像に使用する現像液は、通常、アルカリ性化合物と界面活性剤を含む水溶液である。アルカリ性化合物は、無機及び有機のアルカリ性化合物のいずれでもよい。無機アルカリ性化合物の具体例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、燐酸水素二ナトリウム、燐酸二水素ナトリウム、燐酸水素二アンモニウム、燐酸二水素アンモニウム、燐酸二水素カリウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、アンモニアなどが挙げられる。また、有機アルカリ性化合物の具体例としては、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、2−ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、エタノールアミンなどが挙げられる。これらの無機及び有機アルカリ性化合物は、それぞれ単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。アルカリ現像液中のアルカリ性化合物の好ましい濃度は、0.01〜10重量%の範囲であり、より好ましくは0.03〜5重量%である。
【0046】
また界面活性剤は、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤又はアニオン系界面活性剤のいずれでもよい。ノニオン系界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアリールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、その他のポリオキシエチレン誘導体、オキシエチレン/オキシプロピレンブロックコポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミンなどが挙げられる。アニオン系界面活性剤の具体例としては、ラウリルアルコール硫酸エステルナトリウムやオレイルアルコール硫酸エステルナトリウムのような高級アルコール硫酸エステル塩類、ラウリル硫酸ナトリウムやラウリル硫酸アンモニウムのようなアルキル硫酸塩類、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムやドデシルナフタレンスルホン酸ナトリウムのようなアルキルアリールスルホン酸塩類などが挙げられる。カチオン系界面活性剤の具体例としては、ステアリルアミン塩酸塩やラウリルトリメチルアンモニウムクロライドのようなアミン塩又は第四級アンモニウム塩などが挙げられる。これらの界面活性剤は、それぞれ単独で用いることも、また2種以上組み合わせて用いることもできる。アルカリ現像液中の界面活性剤の濃度は、通常0.01〜10重量%の範囲、好ましくは0.05〜8重量%、より好ましくは0.1〜5重量%である。
【0047】
以上のような着色感光性樹脂液の塗布、乾燥、得られる乾燥塗膜へのパターニング露光、そして現像という各操作を経て、着色感光性樹脂組成物中の有機顔料の色に相当する画素が得られ、さらにこれらの操作を、カラーフィルターに必要とされる色の数だけ繰り返すことにより、カラーフィルターが得られる。すなわち、カラーフィルターは通常、赤、緑及び青の各画素を基板上に配置したものであるが、ある色に相当する有機顔料を含む本発明の着色感光性樹脂組成物を用いて上記の操作を行うことにより、その色の画素を得、他の色についても所望の色に相当する有機顔料を含む本発明の着色感光性樹脂組成物を用いて同様の操作を行い、三色の画素を基板上に配置することができる。もちろん、三色のうちいずれか一色又は二色にのみ、本発明の着色感光性樹脂組成物を適用することも可能である。また、遮光層であるブラックマトリックスの形成に、黒色有機顔料を含む本発明の着色感光性樹脂組成物を用いることもできる。
【0048】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。例中、含有量ないし使用量を表す%及び部は、特にことわらないかぎり重量基準である。また、実施例及び比較例で用いたエポキシ化合物及び光重合開始剤は、以下に商品名で示す市販のものであり、以下、それぞれの商品名で表示する。
【0049】
(C)エポキシ化合物
エポリード GT401:4官能脂環式エポキシ化合物(ダイセル化学工業社製、構造は前記のとおり)、エポキシ当量219、光カチオン重合性。
デナコール EX-321 :2〜3官能脂肪族エポキシ化合物(ナガセ化成社製、トリメチロールプロパンのジ−及びトリ−グリシジルエーテルの混合物)、エポキシ当量145、非光重合型。
【0050】
(E)光ラジカル重合と光カチオン重合の両方を開始することのできるトリクロロメチル基を有するs−トリアジン骨格を有する光重合開始剤
トリアジン PP :2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−ピペロニル−1,3,5−トリアジン(日本シーベルヘグナー社製、ラジカル重合とカチオン重合の両方開始可)。
イルガキュア 907:2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン(チバガイギー社製、ラジカル重合のみ開始可)。
【0051】
実施例1及び比較例1〜4
代表例として、青色の感光性樹脂組成物を調製し、評価した実施例及び比較例を示す。ここで用いた感光性樹脂組成物の組成は、次のとおりである。
【0052】
有機顔料:C.I.ピグメントブルー 15:6 3.9部
C.I.ピグメントバイオレット 23 0.1部
カルボキシル基含有共重合体 8.4部
ベンジルメタクリレート/メタクリル酸の重量比80/20の共重合体
(ポリスチレン換算重量平均分子量 35,000 )
エポキシ化合物 表1記載
光ラジカル重合性モノマー 表1記載
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(日本化薬社製の“カヤラッド DPHA”)
光重合開始剤 表1記載
ノニオン系の顔料分散剤 1.0部
溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 79.2部
【0053】
上記各成分のうち、予め有機顔料と顔料分散剤の各全量を、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートの部分量と混合し、ビーズミルを用いて顔料を十分に分散させて微細化処理し、これにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートの残量を含む残りの成分を加えて混合し、各組成の感光性樹脂組成物を得た。
【0054】
2インチ角の石英製ガラス基板を、中性洗剤、水及びアルコールで順次洗浄してから、乾燥した。このガラス基板上に、上で調製したそれぞれの感光性樹脂組成物を所定の膜厚となるようにスピンコートし、次にクリーンオーブン中、100℃で3分間プリベークした。このレジスト膜の一部に、厚さ1.0mm、幅2.0cmのアルミニウム製遮光板をかぶせ、ウシオ電機社製の超高圧水銀ランプを用いて、大気雰囲気下、塗膜全面に200mJ/cm2 の露光量で光照射した。その後、非イオン性界面活性剤0.12%と水酸化カリウム0.04%を含有する水系現像液に、上記塗膜を室温で2分間浸漬した。水洗後、遮光した未露光部分が現像液に溶解して消失しているかどうかを観察した。引き続き、220℃で30分間ポストベークを行った後、塗膜の表面状態を「200mJ/cm2 残膜感度」として観察し、膜減りに起因する塗膜の表面荒れが認められなかったものを「良好」、その表面荒れが認められたものを「不良」とした。
【0055】
さらに、表面状態が良好であったものについては、塗膜からの溶出塩素イオン量の測定を行った。測定用基板は以下のとおりに作成した。すなわち、2インチ角の石英製ガラス基板上に、上と同様の方法でレジスト膜を形成し、その後、遮光板をかぶせることなく、ウシオ電機社製の超高圧水銀ランプを用いて、大気雰囲気下、塗膜全面に200mJ/cm2 の露光量で光照射した。引き続き、現像液に浸漬することなく、220℃で30分間ポストベークを行い、得られた塗膜付き基板を測定用試料とした。
【0056】
塗膜からの溶出塩素イオン量の測定は、以下のとおり行った。塗膜上に2cm×3cmの開口を有するガラス枠を置き、その開口内にN−メチル−2−ピロリドン0.5cc を滴下し、開口部の塗膜全面にN−メチル−2−ピロリドンが接触するよう、塗り広げた。これらを40℃のホットプレート上に30分間放置した。その後、さらに2.0cc のN−メチル−2−ピロリドンを加えて得られた液について、溶出塩素イオン量を測定した。溶出塩素イオン量の測定は、横河アナリティカルシステムズ社製の IC-7000型イオンクロマトグラフを用いて行った。以上の結果を、組成の変量とともに表1にまとめて示す。
【0057】
【表1】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
実施例 比較例 比較例 比較例 比較例
1 1 2 3 4
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
エポキシ化合物:エポリード GT401 3.0 部 − − 3.0 部 6.0 部
デナコール EX-321 − − 3.0 部 − −
────────────────────────────────────
光ラジカル重合性モノマー 3.0 部 6.0 部 3.0 部 3.0 部 −
────────────────────────────────────
光重合開始剤:トリアジン PP 1.4 部 1.4 部 1.4 部 − 1.4 部
イルガキュア 907 − − − 1.4 部 −
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
プリベーク後塗膜の現像液溶解性 可溶 可溶 可溶 可溶 可溶
200mJ/cm2 残膜感度 良好 良好 不良 不良 不良
ポストベーク後塗膜からの溶出塩素 3 9 − − −
イオン量(ng/cm2)
────────────────────────────────────
総合判定 ○ × × × ×
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【0058】
表1からわかるように、本発明により、3官能性の脂環式エポキシ化合物である“エポリード GT401”及び光ラジカル重合と光カチオン重合の両方を開始する“トリアジン PP ”を配合した実施例1の組成物から得られた塗膜は、大気雰囲気下でも感度が高く、かつ溶出塩素イオン量も少ない良好な結果を与えた。これに対し、比較例1〜4の組成物から得られた塗膜は、感度と溶出塩素イオン量抑制のバランスがとれず、不十分であった。
【0059】
【発明の効果】
本発明の着色感光性樹脂組成物は、大気雰囲気下での残膜感度が良好であり、少ない露光量で硬化膜を形成することができる。したがって、この組成物を顔料分散レジストとして使用し、カラーフィルターを作製した場合に、高い生産性を確保できる。また、光ラジカル重合と光カチオン重合の両方を開始することのできる光重合開始剤として、s−トリアジン骨格を有する化合物を使用した場合でも、そこから発生する塩化水素などのハロゲン系不純物の量を抑制することができる。
Claims (5)
- (A)有機顔料、
(B)カルボキシル基含有共重合体、
(C)脂環式環に直接酸素原子が結合した脂環式エポキシ基を分子内に少なくとも3個有する光カチオン重合性化合物、
(D)光ラジカル重合性モノマー、
(E)光ラジカル重合と光カチオン重合の両方を開始することのできるトリクロロメチル基を有するs−トリアジン骨格を有する光重合開始剤、及び
(F)溶剤
を含有することを特徴とするブラックマトリックス形成用着色感光性樹脂組成物。 - 光カチオン重合性化合物(C)が、350以下のエポキシ当量を有する請求項1に記載の組成物。
- カルボキシル基含有共重合体(B)、光カチオン重合性化合物(C)及び光ラジカル重合性モノマー(D)の合計100重量部に対して、光カチオン重合性化合物(C)が0.1〜60重量部の範囲で存在する請求項1または2に記載の組成物。
- カルボキシル基含有共重合体(B)、光カチオン重合性化合物(C)及び光ラジカル重合性モノマー(D)の合計100重量部に対して、光重合開始剤(E)が0.1〜50重量部の範囲で存在する請求項1〜3のいずれかに記載の組成物。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の組成物を基板上に塗布し、光硬化及び現像をして着色画像またはブラックマトリックスとする着色画像またはブラックマトリックスの形成方法。
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